JP2012241547A - エンジンの排気後処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】還元剤の温度分布を考慮することにより、還元剤の凍結防止及び解凍促進を行うときのエネルギー効率を改善し、排気温度分布を考慮することにより、自己再生を促すときのエネルギー効率を改善するエンジンの排気後処理システムを提供する。
【解決手段】コントローラ50は、レベルセンサ14と温度センサ15に基いて、貯蔵タンク12内の還元剤温度分布を検出し、還元剤温度分布に基づいて、凍結している還元剤の体積V1を演算し、また、還元剤の凍結範囲の平均温度t1を演算し、凍結した還元剤を解凍するのに必要な熱エネルギー量Q1を演算する。同様に、温度センサ25に基いて、排気温度分布を検出し、自己再生を促すのに必要な熱エネルギー量Q2を演算する。さらに、発電装置31から、電熱ヒータ16に電気エネルギーQ1を、電熱ヒータ26に電気エネルギーQ2を分配する。
【選択図】 図1
【解決手段】コントローラ50は、レベルセンサ14と温度センサ15に基いて、貯蔵タンク12内の還元剤温度分布を検出し、還元剤温度分布に基づいて、凍結している還元剤の体積V1を演算し、また、還元剤の凍結範囲の平均温度t1を演算し、凍結した還元剤を解凍するのに必要な熱エネルギー量Q1を演算する。同様に、温度センサ25に基いて、排気温度分布を検出し、自己再生を促すのに必要な熱エネルギー量Q2を演算する。さらに、発電装置31から、電熱ヒータ16に電気エネルギーQ1を、電熱ヒータ26に電気エネルギーQ2を分配する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、油圧により駆動する産業機械もしくは建設機械に搭載されるエンジンの排気後処理システムに関するものである。
油圧ショベル等の建設機械はその駆動源としてディーゼルエンジンを搭載しているが、このディーゼルエンジンから排出される窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)の排出量は、年々規制が強化されてきている。このような規制に対して、エンジンの排気後処理システムは、窒素酸化物の浄化やPMの浄化を行う。たとえば、窒素酸化物の浄化は、排気中の窒素酸化物に還元剤を噴射し、窒素酸化物を無害成分(例えばN2やH20)に還元する。
還元剤は貯蔵タンクに貯蔵され、貯蔵タンクから供給されて噴射される。還元剤は高温になるほど劣化が進み、本来の高い浄化率が得られなくなるため、低温で維持する方が好ましい。一方、低温すぎると、還元剤が凍結し、噴射供給できなくなる。そこで、還元剤の凍結防止及び解凍技術が提案されている。
特許文献1には、還元剤容器(貯蔵タンク)や還元剤供給装置(噴射ノズル)、還元剤経路などに電熱ヒータが付設され、エンジンからの熱影響分を考慮して補正された外気温度データに基いて、電熱ヒータの出力を制御して、還元剤の凍結防止及び解凍促進を可能にする技術が開示されている。
特許文献1に開示された技術では、電熱ヒータの出力を外気温度のみで制御する為、還元剤の温度分布に応じた詳細な制御ができない。
すなわち、貯蔵タンク内の還元剤の温度は一様でなく温度分布を持つ。したがって、外気温度が還元剤の凝固点(凍結温度)付近となった場合、凍結している部分と凍結していない部分が発生する可能性がある。凍結していない部分まで加熱することは、エネルギー効率の観点から好ましくない。さらに、必要以上の加熱は、還元剤劣化の原因になるおそれがあり、好ましくない。
なお、PM浄化において、自己再生を促す為に加熱するとき、PM浄化装置内の排気温度が温度分布を持つときも、上記課題同様、効率の良い加熱ができない。
本発明の目的は、還元剤の温度分布を考慮することにより、還元剤の凍結防止及び解凍促進を行うときのエネルギー効率を改善するエンジンの排気後処理システムを提供することである。
さらに、排気温度分布を考慮することにより、自己再生を促すときのエネルギー効率を改善するエンジンの排気後処理システムを提供する。
(1)上記目的を達成する為に、本発明のエンジンの排気後処理システムは、エンジン排気系に設けられ還元剤を噴射する噴射ノズルと、還元剤を貯蔵する貯蔵タンクとを有し、窒素酸化物を還元浄化する窒素酸化物浄化手段を備えたエンジンの排気後処理システムにおいて、前記窒素酸化物浄化手段は、更に、前記貯蔵タンクの深さ方向の還元剤の温度分布を検出する温度分布検出手段と、前記温度分布検出手段の検出結果に基づいて、凍結した還元剤を解凍するのに必要な熱エネルギー量を演算する必要熱エネルギー量演算手段と、前記貯蔵タンクに設けられ、前記必要熱エネルギー量演算手段の演算結果に相当するエネルギーが供給されることにより、前記還元剤を加熱する加熱手段とを有する。
このように、温度分布検出手段を有し、還元剤凍結範囲を特定することにより、必要熱エネルギー量演算手段は凍結した還元剤を解凍するのに必要な熱エネルギー量を演算することができる。加熱手段に必要最小限のエネルギーを供給することにより、凍結した還元剤が解凍される。これにより、還元剤の凍結防止及び解凍促進を行うときのエネルギー効率を改善できる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記温度分布検出手段は、貯蔵タンクの還元剤の液面レベルを検知するレベルセンサと、前記貯蔵タンクの深さ方向に複数設けられた温度センサとを有し、前記必要熱エネルギー量演算手段は、前記温度分布検出手段の検出結果に基づいて、凍結した還元剤の体積を演算することにより、必要熱エネルギー量を演算する。
これにより、温度分布検出手段は還元剤の温度分布を検出でき、必要熱エネルギー量演算手段は必要熱エネルギー量を演算できる。
(3)上記(2)において、好ましくは、前記加熱手段は、前記貯蔵タンクの深さ方向に複数設けられた発熱部を有し、前記温度分布検出手段の検出結果に基づいて、複数の発熱部のうち凍結した還元剤に対応する位置にある発熱部が作動するように構成されている。
これにより、凍結箇所に対応する発熱部の発熱が、還元剤の凍結箇所に直接に伝達され、更にエネルギー効率を改善できる。
(4)上記目的を達成する為に、エンジン排気系に設けられ還元剤を噴射する噴射ノズルと、還元剤を貯蔵する貯蔵タンクとを有し、窒素酸化物を還元浄化する窒素酸化物浄化手段および、エンジン排気系に設けられ粒子状物質(PM)を捕集するフィルタと、前記フィルタに堆積したPMを焼却除去することによりフィルタを再生する再生装置とを有するPM浄化手段を備えたエンジンの排気後処理システムにおいて、前記窒素酸化物浄化手段は、更に、前記貯蔵タンクの深さ方向の還元剤の温度分布を検出する第1温度分布検出手段と、前記温度分布検出手段の検出結果に基づいて、凍結した還元剤を解凍するのに必要な熱エネルギー量を演算する第1必要熱エネルギー量演算手段と、前記貯蔵タンクに設けられ、前記必要熱エネルギー量演算手段の演算結果に相当する電気エネルギーが供給されることにより、前記還元剤を加熱する第1電熱ヒータとを有し、前記PM浄化手段は、更に、前記フィルタ内部の温度分布を検出する第2温度分布検出手段と、前記温度分布検出手段の検出結果に基づいて、自己再生に必要な熱エネルギー量を演算する第2必要熱エネルギー量演算手段と、前記フィルタに設けられ、前記必要熱エネルギー量演算手段の演算結果に相当する電気エネルギーが供給されることにより、前記フィルタ内の排気を加熱する第2電熱ヒータとを有し、前記排気後処理システムは、更に電気エネルギーを前記第1電熱ヒータと第2電熱ヒータとに分配する配電制御手段を備える。
これにより、還元剤の温度分布を考慮することにより、還元剤の凍結防止及び解凍促進を行うときのエネルギー効率を改善し、排気温度分布を考慮することにより、自己再生を促すときのエネルギー効率を改善できる。
(5)上記(4)において、好ましくは、前記配電制御手段は、前記発電手段により得られた電気エネルギーを前記第1電熱ヒータと第2電熱ヒータとに分配する。
このように発電手段を有することにより、バッテリの負荷を軽減できる。
(6)上記(5)において、好ましくは、更に、蓄電手段を備え、前記配電制御手段は、前記発電手段による供給電力が第1電熱ヒータの必要エネルギー量と第2電熱ヒータの必要エネルギー量との合計に基づく必要電力より多い場合は、余剰エネルギーを前記蓄電手段に蓄電する。
(7)上記(6)において、好ましくは、前記配電制御手段は、前記発電手段による供給電力が第1電熱ヒータの必要エネルギー量と第2電熱ヒータの必要エネルギー量との合計に基づく必要電力より少ない場合は、不足エネルギーを前記蓄電手段より供給する。
(6)(7)の構成により、状況に応じて効率の良いエネルギー供給ができ、排気浄化にかかるエネルギー効率を改善できる。
(8)上記目的を達成する為に、エンジン排気系に設けられ粒子状物質(PM)を捕集するフィルタと、前記フィルタに堆積したPMを焼却除去することによりフィルタを再生する再生装置とを有するPM浄化手段を備えたエンジンの排気後処理システムにおいて、前記PM浄化手段は、更に、前記フィルタ内部の温度分布を検出する温度分布検出手段と、前記温度分布検出手段の検出結果に基づいて、自己再生に必要な熱エネルギー量を演算する必要熱エネルギー量演算手段と、前記フィルタに設けられ、前記必要熱エネルギー量演算手段の演算結果に相当するエネルギーが供給されることにより、前記フィルタ内の排気を加熱する加熱手段とを有する。
このように、温度分布検出手段を有し、排気加熱必要範囲を特定することにより、必要熱エネルギー量演算手段は自己再生を促すのに必要な熱エネルギー量を演算することができる。加熱手段に必要最小限のエネルギーを供給することにより、自己再生が促される。これにより、自己再生を促すときのエネルギー効率を改善できる。
以上述べたように、本発明によれば、還元剤の温度分布を考慮することにより、還元剤の凍結防止及び解凍促進を行うときのエネルギー効率を改善できる。また、排気温度分布を考慮することにより、自己再生を促すときのエネルギー効率を改善できる。
以下、図面により、本発明の一実施形態について説明する。
〜構成〜
図1は、本実施形態に係わるエンジンの排気後処理システムの全体構成を示す図である。
図1は、本実施形態に係わるエンジンの排気後処理システムの全体構成を示す図である。
油圧ショベル等の建設機械はその駆動源としてディーゼルエンジン1を搭載している。まず、油圧ショベルの油圧駆動システムについて説明する。
油圧駆動システムは、油圧ポンプ2とコントロールバルブ3と油圧アクチュエータ4とを有する。油圧ポンプ2はエンジン1により回転駆動されて圧油を吐出する。コントロールバルブ3はこの圧油の方向と流量を制御し、圧油を油圧アクチュエータ4に供給する。これにより油圧アクチュエータ4は駆動される。
油圧ポンプ2は、その吐出圧力に基づいて油圧ポンプ2の吸収トルク(消費トルク)が予め定めた値である最大吸収トルクを超えないように油圧ポンプ2の傾転(斜板の傾転量;押しのけ容積或いは容量)を制御するレギュレータ5を有している。コントロールバルブ3やレギュレータ5はコントローラ50により制御される。
油圧ショベルは、エンジン1により油圧ポンプ2を回転駆動し、油圧ポンプ2から吐出される圧油によりアームシリンダ等の油圧アクチュエータ4を駆動し、掘削など必要な作業を行う。
排気後処理システムはエンジン1の排気系6に設けられ、窒素酸化物浄化装置10とPM浄化装置20とを有する。エンジン1の排気は、PM浄化装置20によりPMが除去され、PMが除去された排気は排気管7を通って窒素酸化物浄化装置10に導かれ、窒素酸化物浄化装置10により浄化され、浄化された排気が排気管8を通って車外に放出される。
窒素酸化物浄化装置10は、基本的構成として、排気管7に設けられた噴射ノズル11と、還元剤を貯蔵する貯蔵タンク12と、触媒を装着した窒素酸化物浄化装置本体13を有する。還元剤は貯蔵タンク12から供給されて噴射ノズル11により噴射される。窒素酸化物浄化装置本体13において、排気中の窒素酸化物は浄化される。窒素酸化物浄化装置10は、尿素SCRシステムであり、還元剤には尿素水(32.5%)が用いられる。
本実施形態の特徴的構成として、貯蔵タンク12には、貯蔵タンク12内の還元剤の液面レベルを検知するレベルセンサ14と、貯蔵タンク12内の深さ方向に複数設けられた温度センサ15と、還元剤を加熱する電熱ヒータ16とが設けられている。レベルセンサ14と温度センサ15の検出データは、コントローラ50に入力される。電熱ヒータ16はコントローラ50の指令により発熱する。詳細な構成については後述する(図2,図6参照)。
PM浄化装置20は、基本的構成として、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタ21と、フィルタ21の上流側に配置された酸化触媒22と、フィルタ21の圧力損失を検出する差圧検出装置23と、排気管9に設けられた再生用燃料噴射装置24とを有している。差圧検出装置23による推定PM堆積量に基づき、酸化触媒22と再生用燃料噴射装置24によりフィルタ21に堆積したPM(粒子状物質)を焼却除去し、フィルタ21を再生する。
フィルタ21は、パティキュレートフィルタであり、コージェライトのようなセラミックからなる多孔質の隔壁で仕切られた多角形断面を有する。酸化触媒22は、Pt、Pdなどの貴金属であり、フィルタの隔壁に直接担持されるか、あるいはγ−アルミナ粉末を含む流動体混合物を隔壁に塗布した後担持される。
本実施形態の特徴的構成として、フィルタ21には、フィルタ21内部方向に複数設けられた温度センサ25と、還元剤を加熱する電熱ヒータ26とが設けられている。温度センサ25の検出データは、コントローラ50に入力される。電熱ヒータ26はコントローラ50の指令により発熱する。詳細な構成については後述する(図7,図11参照)。
さらに、本実施形態の特徴的構成として、排気後処理システムは配電制御システム30を備えている。配電制御システム30は発電装置31により得られた電気エネルギーを電熱ヒータ16と電熱ヒータ26とに分配し、余剰エネルギーをバッテリー32に蓄電する。コントローラ50がこの配電制御をおこなう。詳細な構成および制御については後述(図13参照)する。
なお、バッテリー32は、エンジン起動などにも使用される。
図2は、貯蔵タンク12に設けられた特徴的構成(レベルセンサ14・温度センサ15)について説明する図である。図2Aは平面図であり、図2Bは側面図であり、図2Cは断面図である。
レベルセンサ14は、貯蔵タンク12の側面に設けられており、貯蔵タンク12内の還元剤の液面レベルを検知する。温度センサ15は、貯蔵タンク12内の深さ方向に複数(例えば3箇所)設けられ、それぞれ、上部位置温度センサ15a,中部位置温度センサ15b,下部位置温度センサ15cとする。レベルセンサ14と温度センサ15の検出データは、コントローラ50(後述、図13参照)に入力される。なお、より精細な温度分布を求める場合は、温度センサ15の数を増やす。
図3は、コントローラ50の還元剤温度分布検出機能54(後述、図13参照)の制御内容の一部を説明する図である。還元剤温度分布検出機能54は、レベルセンサ14による液面レベルに基づいて、各温度センサ15a〜cの検出データの有効・無効を判定する。液面レベルが上部位置温度センサ15a位置より高い場合は、全ての温度センサ15a〜cの検出データを有効と判定する(判定1)。液面レベルが上部位置温度センサ15a位置より低く中部位置温度センサ15b位置より高い場合は、温度センサ15aの検出データを無効と判定し、温度センサ15b,15cの検出データを有効と判定する(判定2)。液面レベルが中部位置温度センサ15b位置より低く下部位置温度センサ15c位置より高い場合は、温度センサ15a,bの検出データを無効と判定し、温度センサ15cの検出データを有効と判定する(判定3)。液面レベルが下部位置温度センサ15c位置より低い場合は、全ての温度センサ15a〜cの検出データを無効と判定する(判定4)。
図4は、コントローラ50の還元剤温度分布検出機能54(後述、図13参照)の制御内容の他の一部を説明する図である。還元剤温度分布検出機能54は、有効と判定された温度センサ15の検出データに基いて貯蔵タンク12内の深さ方向の還元剤の温度分布を演算する。具体的には、検出位置ごとに検出データをプロットし、データ間を補間する。なお、図4では説明の簡略化のため、温度分布がリニアと仮定して補間しているが、最適な手法により補間する。また、図4は、貯蔵タンク12上部程、低温となることを示しているが、一例を示したものであり、状況に応じて温度分布の態様は異なる。
図5は、コントローラ50の解凍必要熱エネルギー量演算機能55(後述、図13参照)の制御内容の一部を説明する図である。解凍必要熱エネルギー量演算機能55は、まず還元剤温度分布に基づき、−11℃に相当する位置および−11℃未満の範囲(図中ハッチング)を特定し、凍結(未解凍)している還元剤の体積V1を演算する。なお、還元剤の凝固点(凍結温度)は−11℃である。さらに、還元剤の−11℃未満の範囲の平均温度t1を演算する。そして、式(1)より、凍結した還元剤を解凍するのに必要な熱エネルギー量Q1を演算する。
Q1=4.186×Cred×(ρred×V1)×(−11−t1)[J]…式(1)
Cred…還元剤の比熱
ρred…還元剤の密度
図6は、貯蔵タンク12に設けられた特徴的構成(電熱ヒータ16)について説明する図である。図6Aは平面図であり、図6Bは側面図であり、図6Cは底面図である。電熱ヒータ16は、貯蔵タンク12の側面および底面を覆うような袋形状をしており、内部に電熱線が埋め込まれている。電熱ヒータ16に電気エネルギーが供給されると、電熱ヒータ16内部の電熱線が発熱し、その熱は還元剤に伝達される。なお、上記は電熱ヒータ16の一例であり、還元剤を加熱出来る機能があれば、内部構造及び外部形状は問わない。
Cred…還元剤の比熱
ρred…還元剤の密度
図6は、貯蔵タンク12に設けられた特徴的構成(電熱ヒータ16)について説明する図である。図6Aは平面図であり、図6Bは側面図であり、図6Cは底面図である。電熱ヒータ16は、貯蔵タンク12の側面および底面を覆うような袋形状をしており、内部に電熱線が埋め込まれている。電熱ヒータ16に電気エネルギーが供給されると、電熱ヒータ16内部の電熱線が発熱し、その熱は還元剤に伝達される。なお、上記は電熱ヒータ16の一例であり、還元剤を加熱出来る機能があれば、内部構造及び外部形状は問わない。
図7は、PM浄化装置20のフィルタ21に設けられた特徴的構成(温度センサ25)について説明する図である。図7Aは平面図であり、図7Bは側面図であり、図7Cは縦断面図であり、図7Dは横断面図である。
温度センサ25は、フィルタ21の入口側及び出口側においてフィルタ21内部方向に複数(例えば計6箇所)設けられ、それぞれ、入口側の内部位置温度センサ25a,中部位置温度センサ25b,外部位置温度センサ25cとし、出口側の内部位置温度センサ25a′,中部位置温度センサ25b′,外部位置温度センサ25c′とする。温度センサ25の検出データは、コントローラ50(後述、図13参照)に入力される。なお、より詳細な温度分布を求める場合は、温度センサ25の数を増やす。
排気温度は周方向に一様であることが前提であるが、確認のために温度センサ25をフィルタ21周方向に複数(例えば4方向)に設けてもよい。図8は、温度センサ25の配置図である。
図9は、コントローラ50の排気温度分布検出機能56(後述、図13参照)の制御内容の要部を説明する図である。排気温度分布検出機能56は、温度センサ25の検出データに基いてフィルタ21内部方向の排気温度分布を演算する。具体的には、入口側及び出口側の平均値を演算し、検出位置ごとに検出データをプロットし、データ間を補間する。なお、図9では説明の簡略化のため、温度分布がリニアと仮定して補間しているが、最適な手法により補間する。また、図9は、フィルタ21外周部程、低温となることを示している。
図10は、コントローラ50の自己再生必要熱エネルギー量演算機能57(後述、図13参照)の制御内容の一部を説明する図である。自己再生必要熱エネルギー量演算機能57は、まず排気温度分布に基づき、400℃に相当する位置および400℃未満の範囲(図中ハッチング)を特定し、400℃未満の範囲の体積V2を演算する。なお、自己再生開始温度は400℃程度である。さらに、排気の400℃未満の範囲の平均温度t2を演算する。そして、式(2)より、自己再生を促すのに必要な熱エネルギー量Q2を演算する。
Q=4.186×Cfilter×(ρfilter×V2)×(400−t2)[J]…式(2)
Cfilter…フィルタの比熱
ρfilter…フィルタの密度
図11は、PM浄化装置20に設けられた特徴的構成(電熱ヒータ26)について説明する図である。図11Aは側面図であり、図11Bは断面図である。電熱ヒータ26は、フィルタ21の外周を覆うように巻き付け状に設けられ、内部に電熱線が埋め込まれている。電熱ヒータ26に電気エネルギーが供給されると、電熱ヒータ26内部の電熱線が発熱し、その熱は排気に伝達される。なお、上記は電熱ヒータ26の一例であり、排気を加熱出来る機能があれば、内部構造及び外部形状は問わない。
Cfilter…フィルタの比熱
ρfilter…フィルタの密度
図11は、PM浄化装置20に設けられた特徴的構成(電熱ヒータ26)について説明する図である。図11Aは側面図であり、図11Bは断面図である。電熱ヒータ26は、フィルタ21の外周を覆うように巻き付け状に設けられ、内部に電熱線が埋め込まれている。電熱ヒータ26に電気エネルギーが供給されると、電熱ヒータ26内部の電熱線が発熱し、その熱は排気に伝達される。なお、上記は電熱ヒータ26の一例であり、排気を加熱出来る機能があれば、内部構造及び外部形状は問わない。
図12は、発電装置31の一例を示す図である。発電装置31は、油圧駆動システムにおいて、油圧ポンプ2とコントロールバルブ3との間に介装され(図1参照)、作動油(圧油)を利用して発電を行う。発電装置31はブレード31aとシャフト31bとジェネレータ31cを有する。
ポンプ2からの吐出油は、配管を介して発電装置31に供給され、ブレード31aを回転させ、その後、コントロールバルブ3に供給される。ブレード31aの回転駆動力はシャフト31bを介してジェネレータ31cに伝達され、これによりジェネレータ31cは発電を行う。
〜制御〜
図13は、コントローラ50の機能ブロック図である。基本制御機能51は、コントロールバルブ3の切換制御やレギュレータ5の傾転制御など、油圧ショベルに係る基本的な制御を行う。窒素酸化物浄化制御機能52は、貯蔵タンク12から噴射ノズル11への還元剤供給制御や、噴射ノズル11の還元剤噴射制御を行う。再生制御機能53は、差圧検出装置23による推定PM堆積量に基づき再生用燃料噴射装置24の燃料噴射制御を行う(強制再生)。
図13は、コントローラ50の機能ブロック図である。基本制御機能51は、コントロールバルブ3の切換制御やレギュレータ5の傾転制御など、油圧ショベルに係る基本的な制御を行う。窒素酸化物浄化制御機能52は、貯蔵タンク12から噴射ノズル11への還元剤供給制御や、噴射ノズル11の還元剤噴射制御を行う。再生制御機能53は、差圧検出装置23による推定PM堆積量に基づき再生用燃料噴射装置24の燃料噴射制御を行う(強制再生)。
コントローラ50は、特徴的構成として、還元剤温度分布検出機能54、解凍必要熱エネルギー量演算機能55、排気温度分布検出機能56、自己再生必要熱エネルギー量演算機能57、配電制御機能58を有している。
還元剤温度分布検出機能54は、レベルセンサ14と温度センサ15の検出データに基いて、貯蔵タンク12内の還元剤温度分布を検出し、解凍必要熱エネルギー量演算機能55は、還元剤温度分布に基づいて、凍結した還元剤を解凍するのに必要な熱エネルギー量Q1を演算する。
排気温度分布検出機能56は、温度センサ25の検出データに基いて、フィルタ21内部方向の排気温度分布を検出し、自己再生必要熱エネルギー量演算機能57は、排気温度分布に基づいて、自己再生を促すのに必要な熱エネルギー量Q2を演算する。
配電制御機能58は、電熱ヒータ16の加熱時間T1および電熱ヒータ26の加熱時間T2を設定し、電熱ヒータ16の必要電力W1(=Q1/T1)および電熱ヒータ26の必要電力W2(=Q2/T2)を演算し、発電装置31からのエネルギーを電熱ヒータ16と電熱ヒータ26とに分配する。一方、発電装置31により得られる供給電力W0を演算する。供給電力W0が必要電力(W1+W2)より多い場合は、余剰エネルギーをバッテリー32に蓄電する。供給電力W0が必要電力(W1+W2)より少ない場合は、不足エネルギーをバッテリー32より供給する。
図14は、コントローラ50の制御内容に係るフローチャートである。
エンジン1を始動する(ステップS1)と、発電装置31は発電を開始する(ステップS2)。発電装置31による供給電力W0を演算する(ステップS4)。
一方、レベルセンサ14と温度センサ15の検出データに基いて、貯蔵タンク12内の還元剤温度分布を検出する(ステップS11)。還元剤温度分布に基づいて還元剤解凍の必要性の有無(全て−11℃以上か否か)を判定する(ステップS12)。還元剤解凍の必要性有(全て−11℃以上ではない)と判定すると、凍結した還元剤を解凍するのに必要な熱エネルギー量Q1を演算する(ステップS13)。さらに、電熱ヒータ16の必要電力W1(=Q1/T1)を演算する(ステップS14)。
同様に、温度センサ25の検出データに基いて、フィルタ21内部方向の排気温度分布を検出する(ステップS21)。排気温度分布に基づいて排気加熱の必要性の有無(全て400℃以上か否か)を判定する(ステップS22)。排気加熱の必要性有(全て400℃以上ではない)と判定すると、自己再生を促すのに必要な熱エネルギー量Q2を演算する(ステップS23)。さらに、電熱ヒータ26の必要電力W2(=Q2/T2)を演算する(ステップS24)。
コントローラ50は、発電装置31からの電力を電熱ヒータ16と電熱ヒータ26とに分配する(ステップS5)。電熱ヒータ16が発熱すると、凍結した還元剤が解凍される。また、電熱ヒータ26が発熱すると、排気温度があがり、自己再生が促される。
ヒータ加熱時、供給電力W0が必要電力(W1+W2)より多いか否かを判定する(ステップS6)。供給電力W0が必要電力(W1+W2)より多いと判定すると、余剰エネルギーをバッテリー32に蓄電する(ステップS7)。供給電力W0が必要電力(W1+W2)より少ないと判定すると、不足エネルギーをバッテリー32より供給する(ステップS8)。供給電力W0が必要電力(W1+W2)と等しいときは何もしない(図示せず)。
ステップ7またはステップ8の終了後、上記制御を繰り返す。
ステップ12の判定において、還元剤解凍の必要性なし(全て−11℃以上)と判定し、さらにステップ22の判定において、排気加熱の必要性なし(全て400℃以上)と判定すると、コントローラ50は、発電装置31からのエネルギーを電熱ヒータ16,26とに分配せず、全エネルギーをバッテリー32に蓄電する(ステップS9)。
〜請求項との対応関係〜
噴射ノズル11と貯蔵タンク12窒素酸化物浄化装置本体13と窒素酸化物浄化制御機能52とは、窒素酸化物を還元浄化する窒素酸化物浄化手段を構成し、フィルタ21と酸化触媒22と差圧検出装置23と再生用燃料噴射装置24と再生制御機能53とは、PM浄化手段を構成する。
噴射ノズル11と貯蔵タンク12窒素酸化物浄化装置本体13と窒素酸化物浄化制御機能52とは、窒素酸化物を還元浄化する窒素酸化物浄化手段を構成し、フィルタ21と酸化触媒22と差圧検出装置23と再生用燃料噴射装置24と再生制御機能53とは、PM浄化手段を構成する。
レベルセンサ14と温度センサ15と還元剤温度分布検出機能54とステップS11の制御とは、貯蔵タンク12の深さ方向の還元剤の温度分布を検出する温度分布検出手段(第1)を構成し、解凍必要熱エネルギー量演算機能55とステップS13の制御とは、還元剤温度分布に基づいて、凍結した還元剤を解凍するのに必要な熱エネルギー量を演算する必要熱エネルギー量演算手段(第1)を構成し、電熱ヒータ16とステップS5の制御とは、貯蔵タンク12に設けられ、解凍必要熱エネルギー量に相当する電気エネルギーが供給されることにより、還元剤を加熱する加熱手段(第1)を構成する。
温度センサ25と排気温度分布検出機能56とステップS21の制御とは、フィルタ内部の排気温度分布を検出する温度分布検出手段(第2)を構成し、自己再生必要熱エネルギー量演算機能57とステップS22の制御とは、排気温度分布に基づいて、自己再生に必要な熱エネルギー量を演算する必要熱エネルギー量演算手段(第2)を構成し、電熱ヒータ26とステップS5の制御とは、フィルタ21に設けられ、自己再生必要熱エネルギー量に相当する電気エネルギーが供給されることにより、フィルタ21内の排気を加熱する加熱手段(第2)を構成する。
配電制御システム30と配電制御機能58とステップS6〜8,14,24の制御とは、電気エネルギーを電熱ヒータ16と電熱ヒータ26とに分配する配電制御手段を構成する。
〜動作〜
まず、通常時の排気後処理システムの動作について説明する。外気常温下の油圧ショベルの使用において、還元剤が−11℃以上となり、凍結する可能性はほぼない。また、油圧ショベルの使用により、エンジン1が暖機され、排気は400℃以上となり、自己再生が行われる。このとき、還元剤解凍の必要もなく、排気加熱の必要もないため、発電装置31からのエネルギーは電熱ヒータ16,26に分配されず、全てバッテリー32に蓄電される(S11・S21→S12・S22→S9)。
まず、通常時の排気後処理システムの動作について説明する。外気常温下の油圧ショベルの使用において、還元剤が−11℃以上となり、凍結する可能性はほぼない。また、油圧ショベルの使用により、エンジン1が暖機され、排気は400℃以上となり、自己再生が行われる。このとき、還元剤解凍の必要もなく、排気加熱の必要もないため、発電装置31からのエネルギーは電熱ヒータ16,26に分配されず、全てバッテリー32に蓄電される(S11・S21→S12・S22→S9)。
また、通常時であっても、冬季の油圧ショベルの使用においては、使用開始時はエンジン1が充分暖機されず、排気が400℃未満となり、自己再生が行われない可能性がある。この場合、排気加熱の必要がある。なお、解凍剤が凍結していなければ、解凍の必要はない。電熱ヒータ16へエネルギー供給せず、電熱ヒータ26のみへエネルギーを供給する(S21→S22→S23→S24→S5)。
一方、油圧ショベルは極寒地で使用されることもある。極寒地では、還元剤が−11℃未満となり、凍結する可能性がある。また、油圧ショベルを使用しても、排気は400℃未満となり、自己再生が行われない可能性がある。このような場合、還元剤解凍の必要および、排気加熱の必要があり、発電装置31からのエネルギーは電熱ヒータ16,26に分配される(S11・S21→S12・S22→S13・S23→S14・S24→S5)。
これにより、電熱ヒータ16が発熱すると、凍結した還元剤が解凍され、また、電熱ヒータ26が発熱すると、排気温度があがり、自己再生が促される。
このとき、必要電力に対し供給電力が足りない場合には、不足エネルギーがバッテリ32より供給される(S5→S6→S8)。
油圧ショベルの使用により、エンジン1が暖機され、排気は400℃以上となり、排気加熱の必要がなくなると、電熱ヒータ26へのエネルギー供給を停止し、電熱ヒータ16のみへエネルギーを供給する(S11→S12→S13→S14→S5)。
このとき、必要電力に対し供給電力が余る場合には、余剰エネルギーがバッテリー32に蓄電される(S5→S6→S7)。
還元剤が−11℃以上となり、還元剤解凍の必要がなくなると、電熱ヒータ16へのエネルギー供給を停止する。
以上のように、状況に応じて効率の良いエネルギー供給ができる。
〜安全制御〜
本実施形態の排気後処理システムのコントローラ50は、安全制御機能59を有している。安全制御機能59の制御内容について説明する。
本実施形態の排気後処理システムのコントローラ50は、安全制御機能59を有している。安全制御機能59の制御内容について説明する。
一般に、排気が1000℃以上になると、PM浄化装置20内部のフィルタ21が溶けて損傷することが知られている。そこで、フィルタ溶損を避けるために、安全制御機能59は、温度センサ25の検出データに基いて、排気が1000℃以上かどうかを常に監視する。
また、還元剤は高温になるほど劣化が進む。とくに、還元剤が70℃以上になると、本来の高い浄化率が得られなくなる。そこで、還元剤性能劣化を避けるため、安全制御機能59は、温度センサ15の検出データに基いて、還元剤が70℃以上かどうかを常に監視する。
そして、排気が1000℃以上か、還元剤が70℃以上であると判定すると、オペレータに警告する。
更に、液面レベルがレベルセンサ14による下部位置温度センサ15a位置より低く、還元剤温度分布検出機能54が全ての温度センサ15a〜cの検出データを無効と判定する場合(図3判定4参照)、安全制御機能59は、還元剤追加により還元剤温度分布検出機能54が検出データを有効と判定するまで、エンジン駆動を停止する。
〜効果〜
従来技術にかかる排気後処理システムは、電熱ヒータの出力を外気温度のみで制御する為、還元剤の温度分布に応じた詳細な制御ができないという課題があった。すなわち、外気温度が還元剤の凝固点(凍結温度)付近となった場合、凍結している部分と凍結していない部分が発生する可能性がある。凍結していない部分まで加熱することは、エネルギー効率の観点から好ましくない。さらに、必要以上の加熱は、還元剤劣化の原因になるおそれがあり、好ましくない。
従来技術にかかる排気後処理システムは、電熱ヒータの出力を外気温度のみで制御する為、還元剤の温度分布に応じた詳細な制御ができないという課題があった。すなわち、外気温度が還元剤の凝固点(凍結温度)付近となった場合、凍結している部分と凍結していない部分が発生する可能性がある。凍結していない部分まで加熱することは、エネルギー効率の観点から好ましくない。さらに、必要以上の加熱は、還元剤劣化の原因になるおそれがあり、好ましくない。
本実施形態の排気後処理システムは、特徴的構成14,15,54,55により、還元剤温度分布を検出し、還元剤温度分布に基づいて、凍結した還元剤を解凍するのに必要な熱エネルギー量Q1を演算する。これにより、凍結した還元剤を解凍するのに必要最小限の熱エネルギー量Q1を電熱ヒータ16に供給すればよく、還元剤の凍結防止及び解凍促進を行うときのエネルギー効率を改善できる。また、必要以上の加熱を避けることができる。
また、PM浄化において、自己再生を促す為に加熱するとき、PM浄化装置内の排気温度が温度分布を持つときも、排気温度分布に応じた詳細な制御ができず、効率の良い加熱ができないという課題があった。
本実施形態の排気後処理システムは、特徴的構成25,56,57により、排気温度分布を検出し、排気温度分布に基づいて、自己再生を促すのに必要な熱エネルギー量Q2を演算する。これにより、自己再生を促すのに必要最小限の熱エネルギー量Q2を電熱ヒータ26に供給すればよく、自己再生を促すときのエネルギー効率を改善できる。
これにより、自己再生が促される結果、燃料噴射を伴う強制再生の回数を減らすことができ、燃費を改善し、PM浄化装置20の寿命を延ばすことができる。
本実施形態の排気後処理システムは、特徴的構成30,58により、発電装置31により得られた電気エネルギーを電熱ヒータ16と電熱ヒータ26とに分配し、余剰エネルギーをバッテリー32に蓄電し、不足エネルギーをバッテリー32より供給する。これにより、状況に応じて効率の良いエネルギー供給ができ、排気浄化にかかるエネルギー効率を改善できる。
なお、発電装置31を有することにより、バッテリ32の負荷を軽減できる。
〜変形例〜
1.本実施形態の電熱ヒータ16は、一体として貯蔵タンク12の側面および底面を覆うような袋形状をしているが、貯蔵タンク12の深さ方向に複数に分割されていても良い。
1.本実施形態の電熱ヒータ16は、一体として貯蔵タンク12の側面および底面を覆うような袋形状をしているが、貯蔵タンク12の深さ方向に複数に分割されていても良い。
図15は変形例に係る貯蔵タンクに設けられた特徴的構成(電熱ヒータ16a〜c)について説明する図である。電熱ヒータ16は、貯蔵タンク12内の深さ方向に複数(例えば3箇所)に分割され、それぞれ、上部位置電熱ヒータ16a,中部位置電熱ヒータ16b,下部位置電熱ヒータ16cとする。電熱ヒータ16a〜cには、それぞれ、別々に内部に電熱線が埋め込まれている。
コントローラ50の電熱ヒータ制御機能60(図13参照)は、還元剤温度分布に基づいて、凍結箇所に対応する電熱ヒータ16a〜cのみを作動させる。全ての温度センサ15a〜cの検出データが−11℃未満であるときは、全ての電熱ヒータ16a〜cを作動させる(判定1)。作動する電熱ヒータにハッチングを付す。温度センサ15cの検出データは−11℃以上であり、温度センサ15a,15bの検出データが−11℃未満であるときは、凍結箇所に対応する電熱ヒータ16a,16bのみを作動させる(判定2)。温度センサ15b,15bの検出データは−11℃以上であり、温度センサ15aの検出データが−11℃未満であるときは、凍結箇所に対応する電熱ヒータ16aのみを作動させる(判定3)。
これにより、電熱ヒータ16内部の電熱線の発熱が、還元剤の凍結箇所に直接に伝達され、更にエネルギー効率を改善できる。
2.本発明は、ハイブリット式の油圧ショベルに適用しても良い。本実施形態では、作動油を利用して発電を行う発電装置31を有するが、回生エネルギーを利用しても良い。
3.本実施形態の排気後処理システムは、窒素酸化物浄化装置10に特徴的構成14,15,16,54,55を有し、PM浄化装置20に特徴的構成25,26,56,57を有するが、いずれか一方を有する構成でも良い。
1 ディーゼルエンジン
2 油圧ポンプ
3 コントロールバルブ
4 油圧アクチュエータ
5 レギュレータ
6 排気系
7〜9 排気管
9 アクチュエータ
10 窒素酸化物浄化装置
11 噴射ノズル
12 貯蔵タンク12
13 窒素酸化物浄化装置本体
14 レベルセンサ
15 温度センサ
16 電熱ヒータ
20 PM浄化装置
21 フィルタ
22 酸化触媒
23 差圧検出装置
24 再生用燃料噴射装置
25 温度センサ
26 電熱ヒータ
30 配電制御システム
50 コントローラ
51 基本制御機能
52 窒素酸化物浄化制御機能
53 再生制御機能
54 還元剤温度分布検出機能
55 解凍必要熱エネルギー量演算機能
56 排気温度分布検出機能
57 自己再生必要熱エネルギー量演算機能
58 配電制御機能
59 安全制御機能
60 電熱ヒータ制御機能
2 油圧ポンプ
3 コントロールバルブ
4 油圧アクチュエータ
5 レギュレータ
6 排気系
7〜9 排気管
9 アクチュエータ
10 窒素酸化物浄化装置
11 噴射ノズル
12 貯蔵タンク12
13 窒素酸化物浄化装置本体
14 レベルセンサ
15 温度センサ
16 電熱ヒータ
20 PM浄化装置
21 フィルタ
22 酸化触媒
23 差圧検出装置
24 再生用燃料噴射装置
25 温度センサ
26 電熱ヒータ
30 配電制御システム
50 コントローラ
51 基本制御機能
52 窒素酸化物浄化制御機能
53 再生制御機能
54 還元剤温度分布検出機能
55 解凍必要熱エネルギー量演算機能
56 排気温度分布検出機能
57 自己再生必要熱エネルギー量演算機能
58 配電制御機能
59 安全制御機能
60 電熱ヒータ制御機能
Claims (8)
- エンジン排気系に設けられ還元剤を噴射する噴射ノズルと、還元剤を貯蔵する貯蔵タンクとを有し、窒素酸化物を還元浄化する窒素酸化物浄化手段を備えたエンジンの排気後処理システムにおいて、
前記窒素酸化物浄化手段は、更に、
前記貯蔵タンクの深さ方向の還元剤の温度分布を検出する温度分布検出手段と、
前記温度分布検出手段の検出結果に基づいて、凍結した還元剤を解凍するのに必要な熱エネルギー量を演算する必要熱エネルギー量演算手段と、
前記貯蔵タンクに設けられ、前記必要熱エネルギー量演算手段の演算結果に相当するエネルギーが供給されることにより、前記還元剤を加熱する加熱手段と
を有することを特徴とするエンジンの排気後処理システム。 - 請求項1記載のエンジンの排気後処理システムにおいて、
前記温度分布検出手段は、貯蔵タンクの還元剤の液面レベルを検知するレベルセンサと、前記貯蔵タンクの深さ方向に複数設けられた温度センサとを有し、
前記必要熱エネルギー量演算手段は、前記温度分布検出手段の検出結果に基づいて、凍結した還元剤の体積を演算することにより、必要熱エネルギー量を演算する
ことを特徴とするエンジンの排気後処理システム。 - 請求項2記載のエンジンの排気後処理システムにおいて、
前記加熱手段は、前記貯蔵タンクの深さ方向に複数設けられた発熱部を有し、前記温度分布検出手段の検出結果に基づいて、複数の発熱部のうち凍結した還元剤に対応する位置にある発熱部が作動するように構成されている
ことを特徴とするエンジンの排気後処理システム。 - エンジン排気系に設けられ還元剤を噴射する噴射ノズルと、還元剤を貯蔵する貯蔵タンクとを有し、窒素酸化物を還元浄化する窒素酸化物浄化手段および、
エンジン排気系に設けられ粒子状物質(PM)を捕集するフィルタと、前記フィルタに堆積したPMを焼却除去することによりフィルタを再生する再生装置とを有するPM浄化手段
を備えたエンジンの排気後処理システムにおいて、
前記窒素酸化物浄化手段は、更に、
前記貯蔵タンクの深さ方向の還元剤の温度分布を検出する第1温度分布検出手段と、
前記温度分布検出手段の検出結果に基づいて、凍結した還元剤を解凍するのに必要な熱エネルギー量を演算する第1必要熱エネルギー量演算手段と、
前記貯蔵タンクに設けられ、前記必要熱エネルギー量演算手段の演算結果に相当する電気エネルギーが供給されることにより、前記還元剤を加熱する第1電熱ヒータとを有し、
前記PM浄化手段は、更に、
前記フィルタ内部の温度分布を検出する第2温度分布検出手段と、
前記温度分布検出手段の検出結果に基づいて、自己再生に必要な熱エネルギー量を演算する第2必要熱エネルギー量演算手段と、
前記フィルタに設けられ、前記必要熱エネルギー量演算手段の演算結果に相当する電気エネルギーが供給されることにより、前記フィルタ内の排気を加熱する第2電熱ヒータとを有し、
前記排気後処理システムは、更に
電気エネルギーを前記第1電熱ヒータと第2電熱ヒータとに分配する配電制御手段
を備えることを特徴とするエンジンの排気後処理システム。 - 請求項4記載のエンジンの排気後処理システムにおいて、
更に、発電手段を備え、
前記配電制御手段は、前記発電手段により得られた電気エネルギーを前記第1電熱ヒータと第2電熱ヒータとに分配する
ことを特徴とするエンジンの排気後処理システム。 - 請求項5記載のエンジンの排気後処理システムにおいて、
更に、蓄電手段を備え、
前記配電制御手段は、前記発電手段による供給電力が第1電熱ヒータの必要エネルギー量と第2電熱ヒータの必要エネルギー量との合計に基づく必要電力より多い場合は、余剰エネルギーを前記蓄電手段に蓄電する
ことを特徴とするエンジンの排気後処理システム。 - 請求項6記載のエンジンの排気後処理システムにおいて、
前記配電制御手段は、前記発電手段による供給電力が第1電熱ヒータの必要エネルギー量と第2電熱ヒータの必要エネルギー量との合計に基づく必要電力より少ない場合は、不足エネルギーを前記蓄電手段より供給する
ことを特徴とするエンジンの排気後処理システム。 - エンジン排気系に設けられ粒子状物質(PM)を捕集するフィルタと、前記フィルタに堆積したPMを焼却除去することによりフィルタを再生する再生装置とを有するPM浄化手段を備えたエンジンの排気後処理システムにおいて、
前記PM浄化手段は、更に、
前記フィルタ内部の温度分布を検出する温度分布検出手段と、
前記温度分布検出手段の検出結果に基づいて、自己再生に必要な熱エネルギー量を演算する必要熱エネルギー量演算手段と、
前記フィルタに設けられ、前記必要熱エネルギー量演算手段の演算結果に相当するエネルギーが供給されることにより、前記フィルタ内の排気を加熱する加熱手段と
を有することを特徴とするエンジンの排気後処理システム。
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-
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- 2011-05-16 JP JP2011109898A patent/JP2012241547A/ja active Pending
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JP2011247157A (ja) | 油圧作業機械の排気浄化装置 |
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