JP2008115775A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】排気中の微粒子物質を捕集可能であって且つアンモニア選択還元触媒を担持する導電性のフィルタを備える内燃機関の排気浄化システムにおいて、フィルタを昇温させる際、尿素樹脂が付着して該フィルタに詰まりが生じること或いは未規制物質が生成されることを抑制する。
【解決手段】導電性のフィルタを所定の目標温度まで昇温させる昇温要求があるときには、排気中に含まれるHC、CO等の量を増加させることなく導電性のフィルタに通電することによって該フィルタを昇温させる(S104)。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
内燃機関の排気浄化装置として、内燃機関の排気系に選択還元型NOx触媒が担持されたフィルタを配置することにより排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)や微粒子物質(PM:Particulate Matter)を浄化する技術が知られている。ここで、選択還元型NOx触媒は、酸素過剰の雰囲気で還元剤が存在するときにNOxを還元する触媒であり、上記の還元剤として例えばアンモニア由来の化合物が用いられるアンモニア選択還元NOx触媒が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
上記のような内燃機関の排気浄化装置では、フィルタに捕集されるPMを酸化除去するためにフィルタを昇温させる方法として、排気中へ還元剤としての燃料を添加する方法や、内燃機関の膨張行程や排気行程等に燃料を副噴射する方法等が例示できる。
しかし、アンモニア由来の還元剤(例えば、尿素水溶液)と上記の排気添加や副噴射によって排気中に多量に含まれるHCとが反応すると尿素樹脂が生成され、この尿素樹脂がフィルタに付着することによって該フィルタを詰まらせる虞があった。また、尿素水溶液と排気中のHC、CO、HCHOなどとが反応することによっていわゆる未規制排出物が生成される虞があった。
特開2004−60494号公報 特開平7−127434号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、排気中の微粒子物質を捕集可能であって且つアンモニア選択還元触媒を担持する導電性のフィルタを備える内燃機関の排気浄化システムにおいて、アンモニア由来の還元剤と排気中のHC等とが反応することに起因して尿素樹脂が該フィルタに付着して詰まりが生じること、或いは未規制物質が生成されることを抑制できる技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、内燃機関の排気通路に設けられるとともに、排気中の微粒子物質を捕集可能であって且つアンモニア選択還元触媒を担持する導電性のフィルタを昇温させるときにおいて、前記フィルタに通電することによって該フィルタを昇温させることを最大の特徴とする。
より詳しくは、一端が内燃機関に接続されて該内燃機関からの排気が通過する排気通路と、
前記排気通路に設けられるとともに、排気中の微粒子物質を捕集可能であって且つアンモニア選択還元触媒を担持する導電性のフィルタと、
前記排気通路における前記フィルタよりも上流側に設けられるとともに、該フィルタに流入する排気にアンモニア由来の還元剤を添加する還元剤添加手段と、
前記フィルタを昇温させる昇温要求があるときに前記フィルタに通電することによって該フィルタを所定の目標温度まで昇温させる昇温手段と、
を備えることを特徴とする。
上記のように構成された内燃機関の排気浄化システムでは、前記内燃機関から排出される排気が前記フィルタを通過する際に、排気中に含まれるPMが捕集される。
また、前記還元剤添加手段によってアンモニア由来の還元剤が排気中に添加されると、前記アンモニア選択還元触媒において該アンモニア由来の還元剤がNOxを還元させる。ここで、アンモニア由来の還元剤とは、アンモニアおよびアンモニアを発生させるアンモニア発生剤が含まれる。例えば、アンモニア由来の還元剤としてはアンモニア水溶液、尿素水溶液が例示できる。また、本発明における前記アンモニア由来の還元剤(以下、単に「還元剤」ともいう。)は尿素水溶液であっても良い。つまり、尿素水溶液が前記還元剤添加手段によって添加されると、該尿素水溶液が熱分解および加水分解されることによってアンモニアが生成され、該アンモニアによって前記NOxを還元させることができる。尚、本発明における前記還元剤添加手段は、排気中に還元剤を添加する還元剤添加弁によって構成されていても良い。
ところで、前記フィルタに捕集されているPMを酸化除去する処理(以下、単に「PM再生処理」ともいう。)が実施されるときや、前記アンモニア選択還元触媒においてNOxを還元させるときに、前記フィルタの温度を上昇させる必要が生じる場合がある。このような前記フィルタに対する昇温要求の一例として、前記フィルタに捕集されているPMを酸化除去するときに、該フィルタの温度をPMが酸化(燃焼)可能な温度(例えば、500℃乃至700℃)まで上昇させるための昇温要求が例示できる。
また、前記アンモニア選択還元触媒の温度が低いときにはNOxの浄化率が低くなるため、NOxの浄化率が低下することを抑制するために該アンモニア選択還元触媒の温度を活性化温度(例えば、200℃乃至300℃)まで上昇させるための昇温要求が例示できる。更に、前記アンモニア選択還元触媒に吸着されている前記還元剤を放出させるために該アンモニア選択還元触媒の温度を前記還元剤の放出可能な温度(例えば、300℃乃至350℃)まで上昇させるための昇温要求が例示できる。
本発明においては、このような前記フィルタに対する昇温要求があるときに、前記昇温手段が前記フィルタに通電することによって該フィルタの温度を所定の目標温度まで上昇させる。これにより、例えば還元剤としての燃料等を前記フィルタ或いは該フィルタに担持されているアンモニア選択還元触媒に供給せずに前記フィルタを前記目標温度まで昇温することが可能となる。つまり、排気中に含まれるHC、COを増加させることなく、前記フィルタを昇温させることができる。
尚、所定の目標温度とは、前記フィルタの温度を上昇させる目標の温度であり、予め定められる温度である。また、この所定の目標温度は、上述した前記フィルタに対する昇温要求毎に異なる温度となるように設定されても良い。
また、本発明における前記フィルタには、種々の素材を用いることが可能である。例えば導電性の炭化珪素(Sic)、窒化珪素等のセラミックス素材またはこれらの焼結体、或いは金属(メタル)等の素材を使用することが可能である。
また、前記フィルタの構造としては、例えば排気の流れ方向における下流側で目詰めされた流入側セルと、該流入側セルに隣接し該排気の流れ方向における上流側で目詰めされた流出側セルと、該流入側セルと該流出側セルを区画し多数の細孔を有する多孔質の隔壁を有し、該隔壁を前記排気が通過するときに微粒子物質が捕集可能な所謂ウォールフロー構造のハニカム構造体(以下、単に「ウォールフロー型フィルタ」ともいう。)であっても良いし、不織布構造やメタルフォーム構造、ワイヤメッシュ構造等であっても良い。
以上のように、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムによれば、前記フィルタを昇温させるときに、多量のHC、CO、HCHOなどが含まれた状態の排気が前記フィルタを通過することを抑制することができる。つまり、前記還元剤と上記のHC等が反応することに起因して尿素樹脂が生成され、該尿素樹脂が前記フィルタに付着することによって該フィルタに詰まりが生じることを抑制し、且つ未規制物質が生成されることを抑制することができる。
また、前記還元剤添加手段によって添加されるとともに前記アンモニア選択還元触媒においてNOxと反応しない還元剤は該アンモニア選択還元触媒に吸着される。しかし、例えば前記還元剤添加手段によって過剰に添加された還元剤が前記アンモニア選択還元触媒に吸着されている状態で、前記内燃機関の機関負荷が増大した場合など排気の流量が急激に増加する場合には、前記アンモニア選択還元触媒に吸着されている還元剤が該アンモニア選択還元触媒から放出される場合があった。そのような場合に、前記還元剤が未浄化のまま大気中に放出される(以下、単に「アンモニアスリップ」ともいう。)虞があった。
そこで、上記のアンモニアスリップを抑制するために、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムは酸化触媒を備え、前記アンモニア選択還元触媒から下流側にすり抜けようとする前記還元剤を該酸化触媒によって酸化させても良い。
また、本発明において、前記酸化触媒は前記フィルタに担持されていても良い。そのような場合に、前記酸化触媒は前記フィルタを通過する排気の通過経路における上流側よりも下流側に位置する部分に多く担持されており、前記アンモニア選択還元触媒は該排気の通過経路における下流側よりも上流側に位置する部分に多く担持されていても良い。
つまり、本発明における前記フィルタは酸化触媒を更に担持しており、
前記アンモニア選択還元触媒は前記フィルタの下流側よりも上流側に多く担持されているとともに、前記酸化触媒は前記フィルタの上流側よりも下流側に多く担持されていても良い。
これにより、前記還元剤を含んだ排気を先ず前記アンモニア選択還元触媒に導入させることができる。つまり、前記NOxの還元反応に必要な前記還元剤を前記アンモニア選択還元触媒に優先的に供給し、効率的にNOxを浄化することができる。そして、前記アンモニア選択還元触媒から下流側にすり抜けようとする還元剤を前記酸化触媒に酸化させることにより、所謂アンモニアスリップによってエミッションが悪化することを抑制することができる。
また、本発明に係る導電性のフィルタが上述したウォールフロー型フィルタである場合には、前記排気が前記フィルタの有する隔壁を通過する際に微粒子物質が該隔壁に捕集される。そのような場合に、本発明における前記フィルタは更に酸化触媒を担持しており、前記アンモニア選択還元触媒は前記排気が前記隔壁に流入する側の壁面に担持されているとともに、前記酸化触媒は前記排気が前記隔壁から流出する側の壁面に担持されていても良い。
上記構成によれば、前記隔壁を通過する排気に前記アンモニア選択還元触媒、前記酸化触媒の順に該アンモニア選択還元触媒および酸化触媒を通過させることができる。これにより、前記アンモニア選択還元触媒においてNOxを還元させるとともに、前記隔壁を通過して下流側に流出する還元剤を酸化させることができる。つまり、排気中のNOxを効率よく浄化しつつ、大気中への還元剤の放出を抑制することができる。
また、前記酸化触媒によって前記還元剤が酸化される際に発生する反応熱が前記隔壁を
介して前記アンモニア選択還元触媒に伝導される。これにより、前記アンモニア選択還元触媒の温度を上昇させることが可能となり、前記昇温手段によって前記フィルタに通電される通電量を節約することができる。
尚、上記構成の内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記隔壁の内部に少なくとも前記アンモニア選択還元触媒または酸化触媒のいずれかを担持させても良い。そして、そのような場合には、前記隔壁の内部における前記排気が流入する側の壁面から近い部分に前記アンモニア選択還元触媒を担持させるとともに、前記排気が流出する側の壁面から近い部分に前記酸化触媒を担持させるとより好適である。
また、本発明において、前記アンモニア選択還元触媒は前記フィルタの上流側に位置する部分の隔壁に担持されているとともに、前記酸化触媒は該フィルタの下流側に位置する部分の隔壁に担持されていても良い。ここで、「フィルタの上流側に位置する部分」の「上流側」とは、前記排気通路において上流側を意味している。また、「隔壁」とは隔壁の表面および内部を含んでいても良い。
また、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムは、前記フィルタに流入する排気の温度変化を低減させるための熱容量体を、前記排気通路における前記還元剤添加手段よりも上流側に備えていても良い。これにより、前記内燃機関の機関負荷が低下して該内燃機関から排出される排気の温度が低下しても、前記排気に前記熱容量体を通過させることによって該排気の温度が急に低下することを抑制できる。従って、前記フィルタの温度が急に低下することを抑制できる。そして、前記昇温手段によって前記フィルタを所定の目標温度まで昇温させた後は該フィルタの温度を保温することができる。
ここで、上記の熱容量体は前記排気通路を構成する素材の熱容量に比べて充分に大きな熱容量を有する構造体であっても良く、例えばセラミックスから形成されていても良い。また、前記熱容量体は触媒機能を有していても良く、例えば酸化機能を有する酸化触媒であっても良い。そうすれば、前記内燃機関から排出される排気に含まれるHC、CO等を該酸化触媒において酸化可能である。つまり、その際に発生する反応熱によって該排気の温度を上昇させ、前記アンモニア選択還元触媒の活性を高めることが可能となる。
本発明にあっては、排気中の微粒子物質を捕集可能であって且つアンモニア選択還元触媒を担持する導電性のフィルタを備える内燃機関の排気浄化システムにおいて、アンモニア由来の還元剤と排気中のHC、CO等とが反応することに起因して、尿素樹脂が付着して該フィルタに詰まりが生じること或いは未規制物質が生成されることを抑制できる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
ここでは、本発明を車両駆動用のディーゼルエンジンに適用した場合を例に挙げて説明する。図1は、本実施例における内燃機関1と、その排気系の概略構成を示す図である。図1において、内燃機関1には、該内燃機関1からの排気が流通する排気管5が接続され、この排気管5は下流にて図示しないマフラーに接続されている。また、排気管5の途中には、排気中の微粒子物質(例えば、煤)を捕集するフィルタ20が配置されている。以下、排気管5においてフィルタ20よりも上流側を第1排気管5a、下流側を第2排気管
5bという。ここで、本実施例における第1排気管5a及び、第2排気管5bは、本発明における排気通路に相当する。
ここで、フィルタ20は導電性多孔質Sicセラミックスにより形成されており、通電されることによって自己発熱することの可能な導電性のフィルタである。さらに、フィルタ20には後述するアンモニア選択還元触媒21、酸化触媒22が担持されている。従って、本実施例におけるフィルタ20は本発明における導電性のフィルタに相当する。
また、フィルタ20には電極部(図示省略)が設けられており、該電極部には配線11を介して印加電源12が接続されている。そして、印加電源12により発生する電流がフィルタ20に通電されることによりフィルタ20の温度を上昇させることができる。
また、図1中、第1排気管5aには、フィルタ20に担持されているアンモニア選択還元触媒21においてNOxを還元させる還元剤としての尿素水溶液を排気に添加する尿素添加弁6が備えられている。従って、本実施例では尿素添加弁6が本発明における還元剤添加手段に相当する。また、本実施例では尿素水溶液が本発明におけるアンモニア由来の還元剤に相当する。また、第1排気管5aには排気の温度を検出するための温度センサ9が設けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1及び吸排気系を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するほか、フィルタ20に係る制御を行うユニットである。
ECU10には、内燃機関1の回転数を検出するクランクポジションセンサ7や、アクセル開度を検出するアクセルポジションセンサ8などの内燃機関1の運転状態の制御に係るセンサ類のほか、温度センサ9が電気配線を介して接続され、それらの出力信号がECU10に入力されるようになっている。一方、ECU10には、内燃機関1内の筒内燃料噴射弁(図示省略)、尿素添加弁6、印加電源12が電気配線を介して接続されており、ECU10によってこれらが制御されるようになっている。
また、ECU10には、CPU、ROM、RAM等が備えられており、ROMには、内燃機関1の種々の制御を行うためのプログラムや、データを格納したマップが記憶されている。また、フィルタ20並びに該フィルタ20に担持されているアンモニア選択還元触媒21を昇温させるための後述する各種ルーチンはECU10のROMに記憶されているプログラムの一つである。
次に本実施におけるフィルタ20について説明する。図2は、フィルタ20の断面図である。図2(A)は、フィルタ20の横方向断面を示す図である。図2(B)は、フィルタ20の縦方向断面を示す図である。
図2(A)及び(B)に示されるようにフィルタ20は、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路50、51を具備するいわゆるウォールフロー型である。これら排気流通路は下流端が栓52により閉塞された排気流入通路50と、上流端が栓53により閉塞された排気流出通路51とにより構成される。なお、図2(A)においてハッチングを付した部分は栓53を示している。従って、排気流入通路50および排気流出通路51は薄肉の隔壁54を介して交互に配置される。換言すると排気流入通路50および排気流出通路51は各排気流入通路50が4つの排気流出通路51によって包囲され、各排気流出通路51が4つの排気流入通路50によって包囲されるように配置される。
上述したように、フィルタ20は多孔質材料から形成されており、従って排気流入通路50内に流入した排気は図2(B)において矢印で示されるように周囲の隔壁54内を通って隣接する排気流出通路51内に流出する。
次に、図3はフィルタ20の隔壁断面の拡大図である。図示の矢印は排気の流れる方向を示すものである。本実施例では、排気が流入する側の排気流入通路50の隔壁表面にアンモニア選択還元触媒21を担持させ、排気が流出する側の排気流出通路51の隔壁表面に酸化触媒22を担持させている。従って、隔壁54を通過する排気はアンモニア選択還元触媒21、酸化触媒22の順に通過することになる。
次に、本実施例に係るアンモニア選択還元触媒21におけるNOxの還元反応について説明する。まず、ECU10からの指令により尿素添加弁6から排気中に還元剤としての尿素水溶液が添加されると、該尿素水溶液は第1排気管5a内にて熱分解および加水分解され、アンモニア(NH)が生成される。そして、このアンモニアは、排気とともにフィルタ20に流入し排気流入通路50の壁面表面に担持されているアンモニア選択還元触媒21に供給される。そして、アンモニア選択還元触媒21においてNOxを還元させて浄化することができる。
そして、アンモニア選択還元触媒21にて反応しなかったアンモニアは、隔壁54から流出する際、排気流出通路51側の隔壁表面に担持されている酸化触媒22によって酸化される。このような反応によって、排気中のNOxを浄化しつつ、大気中へアンモニアが浄化されないまま放出されることが抑制される。つまり、いわゆるアンモニアスリップが生じることに起因してエミッションが悪化することを抑制することができる。
また、酸化触媒21によってアンモニアが酸化される際に発生する反応熱は、隔壁54を介してアンモニア選択還元触媒21に伝導されるため、アンモニア選択還元触媒21の温度を上昇させることができる。これにより、フィルタ20の温度を上昇させるための後述する各昇温制御を行うときに、印加電源12からフィルタ20に通電する通電量を節約することができる。
なお、本実施例におけるNOxを還元するための還元剤として尿素水溶液を使用しているが、アンモニア由来の化合物であれば良く、例えばアンモニア水溶液を用いても良い。
次に、本実施例に係る内燃機関の排気浄化システムに関し、フィルタ20を昇温させるときの制御について説明する。フィルタ20に捕集されているPMを酸化除去するためのPM再生処理を実施するときは、フィルタ20の温度をPMが酸化(燃焼)可能な温度(例えば、500℃乃至700℃)まで上昇させる制御がなされる。そこで、本実施例ではフィルタ20に対するPM再生処理における昇温制御について説明する。
ここで、図4は本実施例におけるPM再生時昇温ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンはECU10内のROMに記憶されたプログラムでありフィルタ20に対してPM再生処理が実施される毎に実行される。尚、本ルーチンを実行するECU10は本発明における昇温手段に相当する。
本ルーチンが実行されると、まずステップS101においてはフィルタ20の温度(以下、単に「フィルタ床温」ともいう。)TFが推定される。具体的には、温度センサ9の検出値に基づいて取得される。また、例えば機関回転数Neと機関負荷TQとフィルタ床温TFとの関係を予め実験等で求めておき、該関係を制御マップの形でECU10内に格納しておいても良い。そして、該制御マップに機関回転数Neと機関負荷TQとをパラメータとしてアクセスすることで、フィルタ床温TFを導出しても良い。尚、その場合には
機関回転数Neはクランクポジションセンサ7の検出値により取得され、機関負荷TQはアクセルポジションセンサ8により検出されるアクセル開度に基づいて取得される。そして、ステップS101の処理が終わるとステップS102に進む。
ステップS102においては、フィルタ床温TFが予め設定されるPM再生時目標温度Tpより低いか否かが判定される。つまり、本ステップでは、フィルタ20に通電し、フィルタ床温TFをPM再生時目標温度Tpまで上昇させる必要があるか否かが判定される。ここで、PM再生時目標温度Tpとは、フィルタ20に対するPM再生処理を実施するときに設定されるフィルタ20の目標温度であり、フィルタ20に捕集されているPMを充分に酸化(燃焼)可能な温度である。このPM再生時目標温度Tpは予め実験的に求められ、例えば、500℃乃至700℃としても良い。従って、本実施例ではPM再生時目標温度Tpが本発明における所定の目標温度に相当する。
そして、フィルタ床温TFがPM再生時目標温度Tpよりも低いと判定された場合にはステップS103に進む。一方、フィルタ床温TFがPM再生時目標温度Tp以上であると判定された場合にはそのままでも充分にPMを酸化できると判断され、本ルーチンを一旦終了する。
ステップS103においては、ECU10によってフィルタ床温TFをPM再生時目標温度Tpまで上昇させるために必要な通電量(以下、「必要通電量」ともいう。)が導出される。具体的には、例えばフィルタ床温TFとPM再生時目標温度Tpとの差と、必要通電量との関係を予め実験等で求めておき、該関係を制御マップの形でECU10内に格納しておく。そして、該制御マップにフィルタ床温TFとPM再生時目標温度Tpとの差をパラメータとしてアクセスすることで必要通電量を導出する。そして、ステップS103の処理が終わるとステップS104に進む。
ステップS104においては、ECU10からの指令により印加電源12からフィルタ20に通電される。そうすると、フィルタ20の自己発熱によって該フィルタ20の温度が上昇する。そして、ステップS104の処理が終わるとステップS105に進む。ステップS105においては、フィルタ20に通電されてからの経過時間tがカウントされる。そして、ステップS105の処理が終わるとステップS106に進む。
ステップS106においては、経過時間tが所定時間Δt以上であるか否か判定される。つまり、本ステップではフィルタ20に捕集されたPMが充分に酸化されたか否かが判定される。ここで、所定時間Δtはフィルタ20が通電されている状態が維持される時間である。そして、所定時間Δtは、フィルタ床温TFをPM再生時目標温度Tpまで上昇させるまで要する時間である昇温時間Δtaと、フィルタ20に捕集されているPMを充分に酸化除去するために要する時間であるPM酸化時間Δtbとの和である。
そして、昇温時間Δtaは必要通電量と印加電源12から印加される電圧とに基づいて算出しても良い。また、PM酸化時間Δtbはフィルタ20に捕集されているPMの堆積量に基づいて算出しても良い。さらに、PMの堆積量はフィルタ20の上流側と下流側における圧力差を検出する差圧センサ(図示省略)に基づいて推定しても良い。
そして、経過時間tが所定時間Δt未満であると判定された場合には、ステップS104の処理の後の状態に戻る。即ち、経過時間tが所定時間Δt以上になるまでフィルタ20に対する通電が継続され、該フィルタ20に捕集されているPMが酸化される。一方、経過時間tが所定時間Δt以上であると判定された場合にはフィルタ20に捕集されているPMを充分に酸化除去できたと判断され、ステップS107に進む。
ステップS107においては、ECU10からの指令により印加電源12からのフィルタ20に対する通電が停止される。そして、ステップS107の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する。
以上のように、本実施例におけるPM再生時昇温ルーチンによれば、フィルタ20の温度をフィルタ20に捕集されているPMを充分に酸化(燃焼)可能な温度まで上昇させることができる。また、本昇温制御によれば排気中に含まれるHC或いはCOの量を増大させることなくフィルタ20を昇温できる。これにより、尿素水溶液と排気中のHC、CO、HCHO等とが反応することに起因して尿素樹脂が生成されることを抑制できる。つまり、尿素樹脂がフィルタ20に付着することに起因してフィルタ20に目詰まりが生じることを抑制できる。さらに、尿素水溶液と排気中のHC、CO等とが反応することに起因して未規制物質が生成されることも抑制できる。
また、本実施例におけるフィルタ20は、排気流入通路50の壁面表面にアンモニア選択還元触媒21を、排気流出通路51の壁面表面に酸化触媒22を担持している構成としているが、これに限定されるものではない。例えば、フィルタ20における隔壁54の内部に少なくともアンモニア選択還元触媒21または酸化触媒22を担持させても良い。そして、隔壁54の内部にアンモニア選択還元触媒21および酸化触媒22を担持させる場合には、排気流入通路50の壁面に近い部分にアンモニア選択還元触媒21を担持させ、排気流出通路51の壁面に近い部分に酸化触媒22を担持させるとより好適である。
また、本実施例における内燃機関の排気浄化システムにおいて、尿素添加弁6から添加される尿素水溶液を加水分解するための尿素加水分解触媒を第1排気管5aに備えていても良い。これにより、効率よく尿素水溶液を加水分解させて還元剤としてのアンモニアを効率的に生成することができる。さらに、この尿素加水分解触媒はフィルタ20に担持されていても良い。その場合に、例えばフィルタ20における排気が流入する側の排気流入通路50の隔壁表面に尿素加水分解触媒を担持させ、隔壁54の内部にアンモニア選択還元触媒21を担持させ、排気が流出する側の排気流出通路51の隔壁表面に酸化触媒22を担持させると好適である。
また、本実施例では、フィルタ20に酸化触媒22を担持させている構成としているが、フィルタ20の下流側である第2排気管5bに酸化触媒22を設ける構成としても良い。フィルタ20からアンモニアが流出しても該フィルタ20よりも下流側に設けられる酸化触媒22で酸化させることによってアンモニアスリップを抑制できるからである。
次に、本発明に係る内燃機関1の排気浄化システムの実施例1とは異なる実施例について説明する。図5は、本実施例における内燃機関1と、その排気系の概略構成を示す図である。ここで、実施例1の排気浄化システムと同一又は同等の構成部分については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施例と実施例1に係る排気浄化システムでは以下の点で相違する。即ち、本実施例における排気浄化システムでは第1排気管5aにおける尿素添加弁6よりも上流側に第2酸化触媒23を備えている。この第2酸化触媒23はセラミックスにより形成されており、本実施例における排気管5に比べて充分に大きな熱容量を有している。従って、本実施例における第2酸化触媒23は本発明において熱容量体に相当する。
また、フィルタ20の上流側の各隔壁54の両側壁面(排気流入通路50および各排気流出通路51)並びに隔壁54内の細孔内壁面にアンモニア選択還元触媒21を担持させ、フィルタ20の下流側の各隔壁54の両側壁面(排気流入通路50および各排気流出通
路51)並びに隔壁54内の細孔内壁面に酸化触媒22を担持させている。
図6は、本実施例におけるフィルタ20に担持されたアンモニア選択還元触媒21と酸化触媒22との配置関係を示した図である。上述したように、フィルタ20の上流側(図中Aの範囲)にはアンモニア選択還元触媒21が、フィルタ20の下流側(図中Bの範囲)には酸化触媒22が担持されている。
本実施例におけるフィルタ20では、尿素添加弁6から添加された尿素水溶液あるいは該尿素水溶液から生成されたアンモニアが先ず図中Aの範囲を通過する。そうすると、アンモニア選択還元触媒21において該アンモニアがNOxを還元させることによってNOxを浄化することができる。
また、例えば内燃機関1の高負荷時など排気の流量が増大したときにアンモニア選択還元触媒21で反応しなかったアンモニアが図中Bの範囲に流出する場合がある。その場合には、図中B側に担持されている酸化触媒22によって該流出したアンモニアが酸化される。これにより、効率的に排気中のNOxを浄化するとともに、アンモニアスリップが生じることを抑制することができる。なお、上述したフィルタ20における上流側と下流側との境界(図中Aの範囲とBの範囲の境界)は厳密なものでなく、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において境界位置を変更しても良い。
次に、実施例1において説明した制御と異なるフィルタ20に対する昇温制御について説明する。ここで、内燃機関1から排出される排気の温度は運転状態によって変化する。そして、本実施例のように、本発明をディーゼルエンジンに適用している場合には内燃機関1からの排出されるPM等を低減するために酸素過剰燃焼が行われる場合が多い。そのような場合には排気の温度が低く、フィルタ20に担持されているアンモニア選択還元触媒21の温度が活性化温度よりも低くなることによってNOxの浄化率が低下してしまう場合がある。
そこで、本実施例では、アンモニア選択還元触媒21におけるNOxの浄化効率を向上させるために、アンモニア選択還元触媒21の温度を活性化温度(例えば、200℃乃至300℃)よりも高く維持するための昇温制御について説明する。
ここで、図7は本実施例におけるNOx還元時昇温ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンはECU10内のROMに記憶されたプログラムであり内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行される。尚、本ルーチンを実行するECU10も本発明における昇温手段に相当する。
本ルーチンが実行されると、まずステップS201においてはアンモニア選択還元触媒21の温度(以下、単に「触媒床温」ともいう。)TSが温度センサ9の検出値に基づいて推定される。そして、ステップS201の処理が終わるとステップS202に進む。
ステップS202においては、触媒床温TSが予め設定される活性維持目標温度Taより低いか否かが判定される。つまり、本ステップでは、フィルタ20に通電し、該フィルタ20に担持されているアンモニア選択還元触媒21を昇温し、触媒床温TSを活性維持目標温度Taまで上昇させる必要があるか否かが判定される。ここで、活性維持目標温度Taとは、アンモニア選択還元触媒21の活性を高く維持するための目標温度であり、予め実験的に求めておく。また、活性維持目標温度Taは、例えばアンモニア選択還元触媒21の活性化温度に一定のマージンを加えた温度としても良い。従って、本実施例では活性維持目標温度Taが本発明における所定の目標温度に相当する。
そして、触媒床温TSが活性維持目標温度Taよりも低いと判定された場合にはステップS203に進む。一方、触媒床温TSが活性維持目標温度Ta以上であると判定された場合にはアンモニア選択還元触媒21を昇温しなくても該アンモニア選択還元触媒21の活性が高くNOxを効率的に浄化できると判断され、本ルーチンを一旦終了する。
ステップS203においては、ECU10によって触媒床温TSを活性維持目標温度Taまで上昇させるための必要通電量が導出される。具体的には、例えば触媒床温TSと活性維持目標温度Taとの差と、必要通電量との関係を予め実験等で求めておき、該関係を制御マップの形でECU10内に格納しておく。そして、該制御マップに触媒床温TSと活性維持目標温度Taとの差をパラメータとしてアクセスすることで必要通電量を導出する。そして、ステップS203の処理が終わるとステップS204に進む。
ここで、ステップS204、S205は、上述したPM再生時昇温ルーチンにおけるステップS104、S105に対応するステップであり、詳しい説明を省略する。つまり、ステップS204においては印加電源12からフィルタ20に通電されることにより触媒床温TSが上昇する。また、ステップS205においては、フィルタ20に通電されてからの経過時間tがカウントされる。そして、ステップS205の処理が終わるとステップS206に進む。
ステップS206においては、経過時間tが第2所定時間Δt2以上であるか否か判定される。つまり、本ステップでは触媒床温TSが活性維持目標温度Taまで上昇したか否かが判定される。ここで、第2所定時間Δt2はフィルタ20が通電されている状態が維持される時間であり、触媒床温TSを活性維持目標温度Taまで上昇させるまで要する時間である。また、第2所定時間Δt2は、ステップS203において導出した必要通電量と印加電源12から印加される電圧とに基づいて算出しても良い。
そして、経過時間tが第2所定時間Δt2未満であると判定された場合には、ステップS204の処理の後の状態に戻る。即ち、経過時間tが第2所定時間Δt2以上になるまでフィルタ20に対する通電が継続され、アンモニア選択還元触媒21を昇温させる。一方、経過時間tが第2所定時間Δt2以上であると判定された場合には触媒床温TSが活性維持目標温度Taまで上昇したと判断され、ステップS207に進む。
ステップS207においては、ECU10からの指令により印加電源12からのフィルタ20に対する通電が停止される。そして、S207の処理が終わるとステップS208に進む。
ステップS208においては、ECU10の指令によって尿素添加弁6から排気中に尿素水溶液が添加される。従って、尿素水溶液を添加する尿素添加弁6はECU10とともに本発明における還元剤添加手段の一部を構成する。なお、尿素添加弁6から添加される尿素水溶液の添加量Qadは予め実験的に定められる。そして、S208の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する。
以上により、本実施例におけるNOx還元時昇温ルーチンによれば、アンモニア選択還元触媒21の温度が活性化温度よりも低いときにおいても、排気中に含まれるHC或いはCOの量を増大させることなくアンモニア選択還元触媒21を迅速に昇温させることができる。つまり、フィルタ20において尿素樹脂や未規制物質が生成されることを抑制することができる。
また、尿素添加弁6から尿素水溶液が添加されるのはアンモニア選択還元触媒21の活性が高くなった後であるため、該尿素水溶液から生成されるアンモニアによってNOxを
効率よく還元できる。そして、アンモニア選択還元触媒21で反応しなかったアンモニアは酸化触媒22によって酸化されるため、アンモニアスリップが生じてしまうことを抑制できる。
さらに、本実施例においては第2酸化触媒23を備えているため、内燃機関1から排出されることによって排気中に含まれるHC、CO等を酸化させることができる。つまり、より確実に尿素樹脂や未規制物質が生成されることを抑制することができる。また、HCやCOを酸化させるときに生じる反応熱によって第2酸化触媒23から流出し、アンモニア選択還元触媒21に流入する排気の温度を上昇させることができる。これによりアンモニア選択還元触媒21の活性をより高く維持することができる。
また、例えば内燃機関1の機関負荷が低下して該内燃機関1から排出される排気の温度が低下しても、第2酸化触媒23の熱容量は大きいためフィルタ20に流入する排気の温度が急激に低下することを抑制できる。つまり、アンモニア選択還元触媒21の温度が急に低下することに起因してNOxの浄化率が低下することを抑制することができる。
また、第2酸化触媒23は第1排気管5aにおける尿素添加弁6よりも上流側に設けられているため、尿素添加弁6から添加される尿素水溶液を酸化する虞がない。つまり、アンモニア選択還元触媒21に供給される尿素水溶液或いはアンモニアの量が減少することに起因してNOxの浄化率が低下してしまうことを抑制できる。
次に、本発明に係る内燃機関1の排気浄化システムの実施例1および実施例2とは異なる実施例について説明する。図8は、本実施例における内燃機関1と、その排気系の概略構成を示す図である。ここで、実施例1の排気浄化システムと同一又は同等の構成部分については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施例と実施例1に係る排気浄化システムでは以下の点で相違する。即ち、本実施例における内燃機関1の排気浄化システムでは第2排気管5bに排気中のNOx濃度を検出するNOxセンサ13を備えている。このNOxセンサ13はECU10に電気配線を介して接続され、それらの出力信号がECU10に入力されるようになっている。
次に、実施例1および実施例2において説明した制御と異なるフィルタ20に対する昇温制御について説明する。ここで、アンモニア選択還元触媒21はアンモニア或いはアンモニア由来の還元剤である尿素水溶液(以下、これらを単に「アンモニア等」ともいう。)を該アンモニア選択還元触媒21に吸着させ、貯蔵する能力を有していることが確認されている。そこで、アンモニア選択還元触媒21にアンモニア等を吸着させておいて、アンモニア選択還元触媒21に流入してくるNOxを既に吸着されているアンモニア等によって還元させ、NOxの還元効率の向上を図る場合がある。
そのような場合に、アンモニア選択還元触媒21に吸着されているアンモニア等の量(以下、単に「アンモニア吸着量」ともいう。)を推定し、アンモニア選択還元触媒21に流入するNOxを還元させるために必要なアンモニア等の量よりもアンモニア吸着量の方が少ないときに、その不足分を尿素添加弁6から添加させる制御がなされる。
しかしながら、上記のように推定されるアンモニア吸着量と実際の吸着量とは次第にずれが生じる場合があり、このずれ量が増大すると適切な量の尿素水溶液を尿素添加弁6から添加することができなくなる虞がある。そこで、推定されるアンモニア吸着量と実際の吸着量とを一致させるために、一旦アンモニア選択還元触媒21を昇温させて、吸着している全てのアンモニア等を強制的に放出させる制御がなされる場合がある。
そこで本実施例では、アンモニア選択還元触媒21に吸着されているアンモニア等を放出させるために、アンモニア選択還元触媒21の温度をアンモニア等の放出可能な温度(例えば、300℃乃至350℃)まで上昇させるための昇温制御について説明する。
ここで、図9は本実施例におけるアンモニア放出時昇温ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンはECU10内のROMに記憶されたプログラムであり内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行される。尚、本ルーチンを実行するECU10は本発明における昇温手段に相当する。
本ルーチンが実行されると、まずステップS301においてアンモニア等の放出要求が出されているか否かが判定される。ここで、アンモニア等の放出要求は推定されるアンモニア吸着量と実際のアンモニア吸着量との誤差が大きくなったと判断されるときに出させるようにしても良い。具体的には、NOxセンサ13の検出値からフィルタ20から排出されるNOx量QNを取得し、該排出されるNOx量が予め実験的に定められる所定量QN1よりも大きくなったときに上述したアンモニア等の放出要求が出される。これは、推定されるアンモニア吸着量と実際のアンモニア吸着量との誤差の大きくなると、アンモニア選択還元触媒21に最適な量のアンモニア等を供給することができなくなるため、フィルタ20から流出するNOx量が増大するからである。
そして、アンモニア等の放出要求が出されていないと判定された場合には、本ルーチンを一旦終了する。一方、アンモニア等の放出要求が出されていると判定された場合には、ステップS302に進む。
ステップS302においては、触媒床温TSが温度センサ9の検出値に基づいて推定される。そして、ステップS302の処理が終わるとステップS303に進む。
ステップS303においては、触媒床温TSが予め設定されるアンモニア放出目標温度Trより低いか否かが判定される。つまり、本ステップでは、フィルタ20に通電することによりアンモニア選択還元触媒21を昇温させ、触媒床温TSをアンモニア放出目標温度Trまで上昇させる必要があるか否かが判定される。ここで、アンモニア放出目標温度Trとは、アンモニア選択還元触媒21に吸着されているアンモニア等を放出させるための目標温度であり、予め実験的に求めておく。また、アンモニア放出目標温度Trは、例えばアンモニア選択還元触媒21からアンモニア等が放出されるときの温度に一定のマージンを加えた温度としても良い。従って、本実施例ではアンモニア放出目標温度Trが本発明における所定の目標温度に相当する。
そして、触媒床温TSがアンモニア放出目標温度Trよりも低いと判定された場合にはステップS304に進む。一方、触媒床温TSがアンモニア放出目標温度Tr以上であると判定された場合にはアンモニア選択還元触媒21を昇温させなくてもアンモニア選択還元触媒21からアンモニア等を放出させることが可能と判断され、本ルーチンを一旦終了する。
ステップS304においては、ECU10によって触媒床温TSをアンモニア放出目標温度Trまで上昇させるための必要通電量が導出される。具体的には、例えば触媒床温TSとアンモニア放出目標温度Trとの差と、必要通電量との関係を予め実験等で求めておき、該関係を制御マップの形でECU10内に格納しておく。そして、該制御マップに触媒床温TSとアンモニア放出目標温度Trとの差をパラメータとしてアクセスすることで必要通電量を導出する。そして、ステップS304の処理が終わるとステップS305に進む。
ここで、ステップS305、S306は、上述したPM再生時昇温ルーチンにおけるステップS104、S105に対応するステップであり、詳しい説明を省略する。つまり、ステップS305においては印加電源12からフィルタ20に通電されることにより触媒床温TSが上昇する。また、ステップS306においては、フィルタ20に通電されてからの経過時間tがカウントされる。そして、ステップS306の処理が終わるとステップS307に進む。
ステップS307においては、経過時間tが第3所定時間Δt3以上であるか否か判定される。つまり、本ステップでは触媒床温TSがアンモニア放出目標温度Trまで上昇したか否かが判定される。
ここで、第3所定時間Δt3はフィルタ20が通電されている状態が維持される時間であり、触媒床温TSを活性維持目標温度Taまで上昇させるまで要する昇温時間Δt3aと、アンモニア選択還元触媒21に吸着しているアンモニア等を全て放出させるために要するNH放出時間Δt3bとの和である。そして、昇温時間Δt3aは上記の必要通電量と印加電源12から印加される電圧とに基づいて算出しても良い。また、NH放出時間Δt3bは予め実験的に定められる一定時間としても良い。
そして、経過時間tが第3所定時間Δt3未満であると判定された場合には、ステップS305の処理の後の状態に戻る。即ち、経過時間tが第3所定時間Δt3以上になるまでフィルタ20に対する通電が継続され、アンモニア選択還元触媒21を昇温させる。一方、経過時間tが第3所定時間Δt3以上であると判定された場合にはアンモニア選択還元触媒21に吸着しているアンモニア等が全て放出されたと判断され、ステップS308に進む。
ステップS308においては、ECU10からの指令により印加電源12からのフィルタ20に対する通電が停止される。そして、S308の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する。
以上のように、本実施例におけるアンモニア放出時昇温ルーチンによれば、排気中に含まれるHC、CO等の量を増大させることなくアンモニア選択還元触媒21を昇温させ、アンモニア等を放出させることができる。これにより、フィルタ20において尿素樹脂や未規制物質が生成されることを抑制できる。
また、アンモニア選択還元触媒21に吸着されているアンモニア等の推定量と実際の吸着量との誤差が大きいと判断されるときに、本昇温制御を実施することで確実にアンモニア等を放出することができる。つまりNOxの浄化に必要かつ最適な量の尿素水溶液を尿素添加弁6から添加させることが可能となり、NOxの還元効率を向上できる。さらに、アンモニア選択還元触媒21から放出されたアンモニア等は酸化触媒22において酸化されるため、放出されたアンモニア等が大気中に放出されることを抑制することができる。
また、本発明に係る実施の形態として、フィルタ20は導電性多孔質Sicセラミックスにより形成されるウォールフロー型の構成を例示して説明したが、本発明は上記構成のフィルタに限定されるものではない。例えば、フィルタ20は炭化珪素焼結体を成形したフィルタであっても良いし、多孔質の窒化珪素セラミックス、金属(メタル)等により形成されていても良い。また、フィルタ20の形状はウォールフロー型でなくても良く、例えば不織布、ワイヤメッシュ、メタルフォーム等に成形されているフィルタに本発明を適用しても良い。
また、本発明は、通電されることによって自己発熱することの可能なフィルタでなくても適用可能である。例えば、フィルタに該フィルタ全体を加熱することのできる電気ヒータを設け、該電気ヒータによってフィルタを昇温させるようにしても良い。さらに、電気ヒータの代わりに燃焼式バーナ等によってフィルタを昇温させても良い。
実施例1における内燃機関と、その排気系の概略構成を示す図である。 実施例1におけるフィルタの断面図である。(A)は、フィルタの横方向断面を示す図である。(B)は、フィルタの縦方向断面を示す図である。 実施例1におけるフィルタの隔壁断面の拡大図である。 実施例1におけるPM再生時昇温ルーチンを示すフローチャートである。 実施例2における内燃機関と、その排気系の概略構成を示す図である。 実施例2におけるフィルタに担持されたアンモニア選択還元触媒と酸化触媒との配置関係を示した図である。 実施例2におけるNOx還元時昇温ルーチンを示すフローチャートである。 実施例3における内燃機関と、その排気系の概略構成を示す図である。 実施例3におけるアンモニア放出時昇温ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・内燃機関
5・・・排気管
5a・・・第1排気管
5b・・・第2排気管
6・・・尿素添加弁
7・・・クランクポジションセンサ
8・・・アクセルポジションセンサ
9・・・温度センサ
10・・・ECU
11・・・配線
12・・・印加電源
13・・・NOxセンサ
20・・・フィルタ
21・・・アンモニア選択還元触媒
22・・・酸化触媒
23・・・第2酸化触媒
50・・・排気流入通路
51・・・排気流出通路
52・・・栓
53・・・栓
54・・・隔壁

Claims (5)

  1. 一端が内燃機関に接続されて該内燃機関からの排気が通過する排気通路と、
    前記排気通路に設けられるとともに、排気中の微粒子物質を捕集可能であって且つアンモニア選択還元触媒を担持する導電性のフィルタと、
    前記排気通路における前記フィルタよりも上流側に設けられるとともに、該フィルタに流入する排気にアンモニア由来の還元剤を添加する還元剤添加手段と、
    前記フィルタを昇温させる昇温要求があるときに前記フィルタに通電することによって該フィルタを所定の目標温度まで昇温させる昇温手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記フィルタは酸化触媒を更に担持していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記アンモニア選択還元触媒は前記フィルタの下流側よりも上流側に多く担持されているとともに、前記酸化触媒は前記フィルタの上流側よりも下流側に多く担持されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記フィルタは前記排気が通過するときに前記微粒子物質を捕集可能な隔壁を有しており、
    前記アンモニア選択還元触媒は前記排気が前記隔壁に流入する側の壁面に担持されているとともに、
    前記酸化触媒は前記排気が前記隔壁から流出する側の壁面に担持されていることを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  5. 前記フィルタに流入する排気の温度変化を低減させるための熱容量体を、前記排気通路における前記還元剤添加手段よりも上流側に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
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