JP6145076B2 - ハイブリッド作業機械 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、ホイールローダ、油圧ショベル等の作業機械に関し、特に、動力源としてエンジン(内燃機関)と電動機(電動モータ)とを併用したハイブリッド作業機械に関する。
一般に、油圧ショベル、ホイールローダ等の作業機械は、走行用、作業用の動力源として、内燃機関であるエンジンを備えている。この場合、例えばホイールローダであれば、エンジンの回転を変速機、プロペラシャフト等を介して車輪に伝達することにより走行する。これと共に、エンジンンにより油圧ポンプを駆動し、該油圧ポンプから吐出する圧油に基づいて作業用の油圧シリンダを伸縮することにより作業を行う。
一方、走行用、作業用の動力源として、エンジンと電動機とを併用したハイブリッド式のホイールローダも知られている。このようなハイブリッド式のホイールローダは、例えば、車体に搭載されたエンジンと、該エンジンにより駆動され発電を行う発電機と、該発電機により発電された電力によって駆動される走行用の電動機と、エンジンにより駆動され圧油を吐出する油圧ポンプとを含んで構成されている。
ここで、ハイブリッド式のホイールローダを含む各種の作業機械では、エンジンとして一般的にディーゼルエンジンが用いられている。このようなディーゼルエンジンから排出される排気ガス中には、例えば粒子状物質(PM:Particulate Matter)、窒素酸化物(NOx)等の有害物質が含まれることがある。このため、作業機械では、エンジンの排気ガス通路を形成する排気管に排気ガスを浄化するための排気ガス処理装置が設けられている。
排気ガス処理装置は、排気ガス中に含まれる一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化して除去する酸化触媒(例えば、Diesel Oxidation Catalyst、略してDOCとも呼ばれている)、該酸化触媒の下流側に配置され排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去する粒子状物質除去フィルタ(例えば、Diesel Particulate Filter、略してDPFとも呼ばれている)等を含んで構成されている(特許文献1)。
ところで、粒子状物質除去フィルタは、粒子状物質が捕集されることに伴って当該フィルタに粒子状物質が堆積し、これによりフィルタが目詰まりする。このようなフィルタの目詰まりは、例えばエンジンの出力低下等に繋がる。このため、粒子状物質を一定量捕集した段階で、フィルタから粒子状物質を除去し、フィルタを再生する必要がある。
フィルタの再生は、フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼(焼却)することにより行う。具体的には、例えば、フィルタの近傍にヒータ(加熱装置)を設け、該ヒータを用いてフィルタの温度を上昇させることにより、捕集した粒子状物質を燃焼する。または、例えば、ポスト噴射と呼ばれる再生用の燃料噴射を行い、排気ガスの温度を上昇させることにより、捕集した粒子状物質を燃焼する。
ここで、ポスト噴射によるフィルタの再生は、ヒータを設ける構成と比較して、既存のシステムを用いて実現することができる。このため、コストの抑制、機器構成の容易性の面から有利となる。一方、ポスト噴射によるフィルタの再生は、ポスト噴射に伴って燃料が消費されるため、燃費の低下(悪化)に繋がるおそれがある。そこで、例えば、特許文献2には、フィルタの再生を行うときに、一時的にエンジンの負荷を軽減し、排気ガス中の酸素濃度を増大させることにより、粒子状物質の燃料効率を高め、再生に伴う燃料消費量を低減する技術が記載されている。
一方、ポスト噴射によるフィルタの再生は、一般的に、粒子状物質の捕集量が閾値を超えていること、フィルタの温度が所定の範囲内であること、燃料残量が閾値以上であること等の所定の再生許可条件の全てが満たされている状態で行う必要がある。このため、捕集量が閾値を超えていても、他の条件が満たされない場合は、再生が行われずに運転が継続し、フィルタに粒子状物質が過剰に捕集されるおそれがある。そして、粒子状物質が過剰に捕集された状態(過捕集の状態)でフィルタの再生が行われると、排気ガスの温度が過度に高くなり(粒子状物質の燃焼温度が過度に高くなり)、フィルタが溶損(焼損)するおそれがある。
これに対し、特許文献3には、ディーゼルエンジンと発電機と蓄電装置と排気ガス処理装置を備えたハイブリッド式の車両に関し、粒子状物質の捕集量が閾値以上になると、エンジンから排出される粒子状物質の排出量を低減するための制御を行う技術が記載されている。具体的には、粒子状物質の捕集量が閾値以上になると、蓄電装置の充電量に余裕がある場合は、エンジンの出力を発電機によりアシストすることで、粒子状物質の排出量を低減する。
一方、蓄電装置の充電量に余裕がない場合は、蓄電装置の充電を行うためにエンジンに負荷を付与し、かつ、粒子状物質の排出量が低くなるEGR非作動領域(高トルク領域)、即ち、排気再循環装置(EGR)を非作動にした状態でエンジンを運転することで、粒子状物質の排出量を低減する。この構成によれば、再生が行われずに運転が継続した場合に、粒子状物質の排出量を低減でき、再生条件が成立するまでの間にフィルタに粒子状物質が過剰に捕集されることを抑制できると考えられる。
特開2011−179381号公報 特許第3719393号公報(特開2002−303175号公報) 特許第4080457号公報(特開2005−337176号公報)
ところで、エンジンから排出される粒子状物質は、燃料の未燃焼成分(不完全燃焼成分)であるため、燃料に対する空気の割合である空燃比(=空気/燃料)が低いとき(燃料と空気との混合気が理論空燃比よりも濃いリッチのとき)に、増大する傾向がある。換言すれば、例えば、標高の高い高地等、酸素濃度が低い環境で作業機械を運転すると、粒子状物質の排出量が増大する傾向となる。これに対し、従来技術によれば、高地等の酸素濃度が低く粒子状物質の排出量が増大し易い環境で運転すると、排出量が増大する分、捕集量が即座に閾値に達し、再生の頻度が増えるおそれがある。これにより、ポスト噴射による燃料消費量が増大し、燃費が低下するおそれがある。
より詳しく説明すると、特許文献1に記載された作業車両は、エンジンから排出される粒子状物質の排出量の算出を、作業車両が位置する標高に対応した補正マップを用いて行う。この構成によれば、作業車両が位置する標高に拘わらず(標高が高くても低くても)、排出量の算出精度を向上できると考えられる。しかし、粒子状物質の排出量が増大し易い環境、例えば高地で運転すると、排出量が増大する分、再生の頻度が増える。これにより、ポスト噴射による燃料消費量が増大し、燃費が低下するおそれがある。
特許文献2に記載されたハイブリッドシステムの制御装置は、フィルタの再生を行うときに、一時的にエンジンの負荷を軽減する制御を行う。これにより、フィルタの再生に要する燃料消費量を低減できると考えられる。しかし、粒子状物質の排出量が増大し易い環境、例えば高地で運転すると、排出量が増大する分、再生の頻度が増える。このため、再生1回当たりの燃料消費量を低減できたとしても、再生頻度が増えることによる燃料消費量の増大は避けられない。
特許文献3に記載されたディーゼルハイブリッド車両のフィルタ詰まり抑制制御方法は、蓄電装置の充電量に余裕がなければ、充電のためにエンジン負荷を増大させる。このため、燃料消費量が必然的に増大する。しかも、粒子状物質の排出量が増大し易い環境、例えば高地で運転すると、排出量が増大する分、再生の頻度が増える。このため、この面からも、燃料消費量が増大し、燃費が低下するおそれがある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、粒子状物質の排出量が増大し易い環境で運転しても、再生頻度の増大に伴う燃費の低下を抑制することができるハイブリッド作業機械を提供することを目的としている。
本発明のハイブリッド作業機械は、内燃機関であるエンジンと、該エンジンから排出される排気ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタを有し前記エンジンの排気側に設けられた排気ガス浄化装置と、該排気ガス浄化装置のフィルタに捕集された粒子状物質を燃焼させることにより該フィルタの再生を行う再生装置と、前記エンジンにより駆動され発電を行う発電機と、該発電機により発電された電力によって駆動される電動機と、前記エンジンにより駆動され圧油を吐出する油圧ポンプと、前記エンジン、再生装置、発電機、油圧ポンプを制御する制御装置とを備えてなる。
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記制御装置は、前記エンジンから排出される粒子状物質の排出量を外囲条件に基づいて予測する排出量予測手段と、該排出量予測手段によって予測された予測排出量を参照して、前記エンジンと発電機と油圧ポンプとのうちの少なくとも何れかの運転を制限する運転制限手段とを備え、前記運転制限手段は、前記排出量予測手段による予測排出量が予め定めた所定値を超えたとき、前記エンジンの最低回転数を高くする構成としたことにある。
一方、請求項の発明が採用する構成の特徴は、前記制御装置は、前記エンジンから排出される粒子状物質の排出量を外囲条件に基づいて予測する排出量予測手段と、該排出量予測手段によって予測された予測排出量を参照して、前記エンジンと発電機と油圧ポンプとのうちの少なくとも何れかの運転を制限する運転制限手段とを備え、前記運転制限手段は、前記排出量予測手段による予測排出量が予め定めた所定値を超えたとき、前記エンジンの最低回転数を高くし、かつ、前記発電機と油圧ポンプとのうちの少なくとも一方の出力を小さくする構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、排出量予測手段は、燃料の未燃焼成分である粒子状物質の排出量を、該排出量の増減に関連する外囲条件、例えば、空燃比、酸素量(酸素濃度、酸素密度)、気圧、温度、位置情報等に基づいて予測する。そして、運転制限手段は、排出量予測手段によって予測された予測排出量を参照して、即ち、予測排出量が大きくなる(多くなる)と、エンジンと発電機と油圧ポンプとのうちの少なくとも何れかの運転を制限する。これにより、エンジンから排出される粒子状物質の排出量を、制限前の状態で運転を継続する場合と比較して、低減することができる。このため、粒子状物質の排出量が増大し易い環境で運転しても、粒子状物質の排出量が増大することを抑制できる。換言すれば、粒子状物質の排出量が増大し易い環境で運転しているか否かに拘わらず(増大し易い環境であってもなくても)、再生の頻度を一定にすることができる。これにより、再生頻度の増大に伴う燃費の低下を抑制することができる。
しかも、運転制限手段は、予測排出量が予め定めた所定値を超えると、エンジンの最低回転数を高くする。即ち、粒子状物質の排出量が増大し易い環境では、エンジンを、吸入空気量が増大する高回転域で運転する。これにより、粒子状物質の排出量が増大し易い環境で運転しても、エンジンから排出される粒子状物質の排出量が増大することを抑制でき、再生頻度の増大に伴う燃費の低下を抑制することができる。この場合に、最低回転数を高くすることに伴う燃料消費量の変化は、エンジンの出力を一定として考えると、例えば、回転数を高くする分トルクを低くする(低回転高トルクから高回転低トルクで運転する)ことにより抑制できる(燃料消費量の増大を抑制できる)。
一方、請求項の発明によれば、運転制限手段は、予測排出量が予め定めた所定値を超えると、エンジンの最低回転数を高くし、かつ、発電機と油圧ポンプとのうちの少なくとも一方の出力を小さくする。この場合は、発電機および/または油圧ポンプの出力を小さくすることと、エンジンの最低回転数を高くすることとの両面から、粒子状物質の排出量が増大することを抑制できる。これにより、粒子状物質の排出量が増大し易い環境で運転しても、発電機および/または油圧ポンプの出力を小さくする程度を抑制することができ、作業機械の性能、作業効率を確保することができる。
なお、排出量予測手段は、外囲条件のうち、エンジンの周囲(作業機械の周囲)の環境の状態量、具体的には、酸素量または該酸素量に関連する状態量に基づいて、粒子状物質の排出量を予測することが好ましい。この場合、酸素量としては、例えば、酸素濃度、酸素密度が挙げられる。酸素量に関連する状態量としては、例えば、酸素量と相関関係を有する気圧、温度、標高(位置情報)等が挙げられる。
即ち、エンジンから排出される粒子状物質は、燃料の未燃焼成分(不完全燃焼成分)であるため、燃料に対する空気の割合である空燃比(=空気/燃料)が低いとき(リッチのとき)に、増大する傾向がある。このため、空燃比に基づいて、粒子状物質の排出量を予測することができる。ここで、空燃比は、例えば、エンジンの吸気系路に設けた空燃比計の検出値、吸気系路に設けたエアフロメータ(空気流量計)の検出値、燃料噴射量(燃料流量)等に基づいて、直接的に求める、ないし、算出することができる。ただし、このように直接的に求める(ないし算出する)空燃比は、作業機械の運転状況に応じて変化する場合がある。例えば、エンジンに対する負荷が大きい作業を行っているときは、エンジンの出力を確保する面から空燃比が低くなる場合があり、作業を行っていないとき、軽負荷作業のときは、燃費を向上する面から空燃比が高くなる場合がある。このため、空燃比に基づいて粒子状物質の排出量を予測すると、その予測した排出量は、そのときの運転状況に応じて頻繁に変化する可能性がある。
これに対し、外囲条件のうち、運転状況に応じて頻繁に変化する可能性が低い条件、即ち、エンジンの周囲の酸素量または該酸素量に関連する状態量に基づいて、粒子状物質の排出量を予測する。この場合、酸素量(酸素濃度、酸素密度)は、例えば、エンジンの吸気系路に設けたO2センサ(酸素センサ)の検出値を用いることができる。酸素量に関連する状態量は、例えば、気圧であれば気圧センサの検出値を用いることができ、温度であれば吸入空気の温度を検出する温度センサ(吸気温センサ)の検出値を用いることができ、標高(位置情報)であれば標高センサ(高度センサ)の検出値やGPS信号を用いることができる。何れの場合も、粒子状物質の排出量を、そのときの酸素量(気圧、温度、標高等)の環境で今後も運転を継続した場合の予測値として求めることができる。これにより、粒子状物質の排出量の予測を安定して行うことができる。
第1の実施の形態によるホイールローダを示す正面図である。 ホイールローダの電動システムと油圧システムの構成を示すブロック図である。 空燃比とPM予測排出量との関係の一例を示す特性線図である。 気圧とPM予測排出量との関係の一例を示す特性線図である。 吸気温度とPM予測排出量との関係の一例を示す特性線図である。 図2中のハイブリッド制御装置による制御処理を示す流れ図である。 PM予測排出量とエンジン回転数指令値との関係の一例を示す特性線図である。 第2の実施の形態によるハイブリッド制御装置の制御処理を示す流れ図である。 PM予測排出量と発電機出力量および油圧ポンプ出力量との関係の一例を示す特性線図である。 ハイブリッド制御装置の制御内容を示す制御ブロック図である。 図10のレートリミットによる出力制限が行われたときのトルクの時間変化の一例を示す特性線図である。 ハイブリッド制御装置の制御内容の別例を示す制御ブロック図である。 図12のゲインによる出力制限が行われたときのトルクの時間変化の一例を示す特性線図である。 第3の実施の形態によるハイブリッド制御装置の制御処理を示す流れ図である。
本発明は、以下に説明する複数の発明を包含する発明群に属する発明であり、以下に、その発明群の実施の形態として、第1ないし第3の実施の形態について説明するが、そのうち、第1および第3の実施の形態が、本出願人が特許請求の範囲に記載した発明に対応するものである。具体的には、第1の実施形態が請求項1に係る発明に対応し、第3の実施の形態が請求項2に係る発明に対応し、第2の実施形態は参考例となる。
以下、本発明の実施の形態に係るハイブリッド作業機械として、ハイブリッド式のホイールローダを例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図7は、本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、ハイブリッド作業機械の代表例としてのホイールローダ1は、左,右の前車輪2が設けられた前部車体3と、左,右の後車輪4が設けられた後部車体5とを有している。前部車体3と後部車体5は、連結機構6を介して左,右方向に屈曲可能に連結されている。
前部車体3と後部車体5との間にはステアリングシリンダ7が設けられ、このステアリングシリンダ7を伸縮させることにより、前部車体3と後部車体5とが連結機構6を中心として屈曲する。このように、ホイールローダ1は、前部車体3と後部車体5とが連結機構6を中心として左,右方向に屈曲することにより、走行時の舵取りを行うアーティキュレート式の作業機械として構成されている。
前部車体3には、左,右方向に延びる前車軸8が設けられ、前車軸8の両端側には前車輪2が取付けられている。前車軸8の中間部にはデファレンシャル機構8Aが設けられ、該デファレンシャル機構8Aは、プロペラ軸9を介して後述の走行電動機39に接続されている。
一方、後部車体5には、左,右方向に延びる後車軸10が設けられ、後車軸10の両端側には後車輪4が取付けられている。後車軸10の中間部にはデファレンシャル機構10Aが設けられ、該デファレンシャル機構10Aは、プロペラ軸9を介して後述の走行電動機39に接続されている。
従って、走行電動機39によってプロペラ軸9が回転すると、プロペラ軸9の回転が、デファレンシャル機構8Aを介して前車軸8に伝達されると共に、デファレンシャル機構10Aを介して後車軸10に伝達される。これにより、左,右の前車輪2と左,右の後車輪4とが同時に回転駆動され、ホイールローダ1は4輪駆動の状態で走行動作を行う。
作業装置11は、前部車体3に設けられている。作業装置11は、前部車体3に俯仰動可能に取付けられた左,右のアーム12と、該各アーム12の先端側に回動可能に取付けられたローダバケット13と、前部車体3に対してアーム12を俯仰動させるアームシリンダ14と、アーム12に対してローダバケット13を回動させるバケットシリンダ15とにより大略構成されている。作業装置11は、アームシリンダ14によってアーム12を俯仰動させると共に、バケットシリンダ15によってローダバケット13を回動させることにより、ローダバケット13によって掬った土砂等をダンプトラックの荷台等に排出する土木作業を行うものである。
キャブ16は、後部車体5に設けられている。キャブ16は、ホイールローダ1を運転するオペレータの運転室を画成するものである。キャブ16内には、オペレータが着席する運転席、オペレータによって操作されるステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、作業用の操作レバー等(いずれも図示せず)が設けられている。
ここで、ハイブリッド式のホイールローダ1は、前部車体3および後部車体5の走行動作を制御する電動システムと、作業装置11の動作を制御する油圧システムとを搭載しており、以下、ホイールローダ1のシステム構成について図2を参照して説明する。
エンジン21は、後部車体5に搭載され、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関により構成される。エンジン21の出力側には、後述の油圧ポンプ31と発電機35が取付けられ、これら油圧ポンプ31と発電機35は、エンジン21によって駆動される。エンジン21には、外気を吸込む吸気管22と、排気ガスを排出する排気ガス通路の一部をなす排気管23とが設けられている。吸気管22は、エンジン21に向けて外気(空気)が流入するもので、その先端側には、外気を清浄化するエアクリーナ24が接続されている。吸気管22には、エンジンに吸入される空気の温度(吸気温度)を検出する温度センサ(吸気温センサ)25が設けられている。温度センサ25は、エンジン制御装置26に接続されている。また、エンジン制御装置26には、ホイールローダ1の周囲の気圧(大気圧)、即ち、ホイールローダ1の作業現場の気圧を検出する気圧センサ27も接続されている。一方、排気管23には、後述の排気ガス浄化装置29が接続して設けられている。
ここで、エンジン21は、電子制御式エンジンにより構成され、エンジン制御装置26によって制御される。具体的には、エンジン21は、シリンダ(燃焼室)内への燃料の供給量、即ち、シリンダ内に燃料を噴射する燃料噴射装置(電子制御噴射弁)28の噴射量が、エンジン制御装置26により可変に制御される。この場合、エンジン制御装置26は、後述するハイブリッド制御装置45からの指令信号に基づいて、燃料噴射装置28によるシリンダ内への燃料噴射量を可変に制御し、エンジン21の回転速度を制御する。
さらに、燃料噴射装置28は、後述する排気ガス浄化装置29の粒子状物質除去フィルタ29Aの再生を行う再生装置を構成するものである。即ち、燃料噴射装置28は、例えばポスト噴射と呼ばれる再生処理用の燃料噴射(燃焼工程後の追加噴射)を行う。これにより、排気ガスの温度を上昇させ、排気ガス浄化装置29の粒子状物質除去フィルタ29Aに捕集された(堆積した)粒子状物質を燃焼し除去する。
排気ガス浄化装置29は、エンジン21の排気側に設けられている。排気ガス浄化装置29は、排気管23と共に排気ガス通路を構成し、上流側から下流側に排気ガスが流通する間に、この排気ガスに含まれる有害物質を除去するものである。このために、排気ガス浄化装置29の内部には、排気ガス中の粒子状物質(PM)を捕集して除去する粒子状物質除去フィルタ(以下、フィルタ29Aという)が収容されている。
フィルタ29Aは、DPFとも呼ばれ、エンジン21から排出される排気ガス中の粒子状物質を捕集すると共に、捕集した粒子状物質を燃焼して除去することにより排気ガスの浄化を行うものである。このために、フィルタ29Aは、例えばセラミックス材料からなる多孔質な部材に軸方向に多数の小孔(図示せず)を設けたセル状筒体により構成されている。これにより、フィルタ29Aは、多数の小孔を介して粒子状物質を捕集し、捕集した粒子状物質は、再生装置の再生処理、即ち、燃料噴射装置28によるポスト噴射によって燃焼して除去される。この結果、フィルタ29Aは再生される。
油圧ポンプ31は、エンジン21によって駆動されるものである。油圧ポンプ31は、タンク32内に貯溜された作動油を加圧し、ステアリングシリンダ7、作業装置11のアームシリンダ14、バケットシリンダ15等に圧油として吐出する。ここで、油圧ポンプ31の作動は油圧ポンプ制御装置33によって制御され、油圧ポンプ制御装置33は、ハイブリッド制御装置45からの指令信号に基づいて、油圧ポンプ31の出力トルクを制御する。即ち、油圧ポンプ31は、例えば可変容量型の斜板式油圧ポンプ等により構成され、そのポンプ容量を調整するための容量可変部が、油圧ポンプ制御装置33により可変に制御される構成となっている。
油圧ポンプ31およびタンク32と各シリンダ7,14,15との間を接続する主管路の途中には、コントロールバルブ34が設けられている。コントロールバルブ34は、例えば、キャブ16内に配置された作業用の操作レバーに対する操作に応じて、油圧ポンプ31から吐出した圧油をアームシリンダ14、バケットシリンダ15に選択的に給排(供給または排出)するものである。
発電機35は、エンジン21によって駆動され、発電を行うものである。発電機35は、後述する第1のインバータ36を介して一対の直流母線37A,37Bに接続されている。発電機35は、例えば、同期電動機、三相誘導電動機等の電動モータにより構成されている。発電機35は、エンジン21によって回転駆動されることにより発電し、発電した電力を直流母線37A,37Bを介して後述の走行電動機39および/または蓄電装置42に供給するものである。また、発電機35は、蓄電装置42および/または走行電動機39からの電力によって駆動されることにより、エンジン21の駆動を補助(アシスト)する。これにより、エンジン21の負荷を平滑化する。
第1のインバータ36は、発電機35に電気的に接続されている。第1のインバータ36は、例えばトランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等からなる複数のスイッチング素子を用いて構成され、一対の直流母線37A,37Bに接続されている。これら一対の直流母線37A,37Bは、正極側と負極側とで対をなし、例えば数百V程度の直流電圧が印加されている。
発電機35の発電時には、第1のインバータ36は、発電機35からの発電電力となる交流電力を直流電力に変換して直流母線37A,37Bに供給する。一方、発電機35を補助電動機として用いるときには、第1のインバータ36は、直流母線37A,37Bの直流電力から三相交流電力を生成し、この三相交流電力を発電機35に供給する。このとき、発電機35の制御装置となる発電機制御装置38は、ハイブリッド制御装置45からの指令信号に基づいて、第1のインバータ36の各スイッチング素子のオン(閉)/オフ(開)を制御(スイッチング制御)することにより、発電機35の出力を制御する。
走行電動機39は、発電機35により発電された電力によって駆動される電動機となるものである。走行電動機39は、後述する第2のインバータ40を介して直流母線37A,37Bに接続されている。走行電動機39は、例えば、三相誘導電動機、同期電動機等の電動モータにより構成されている。走行電動機39は、発電機35および/または蓄電装置42から電力が供給されることにより駆動され、プロペラ軸9を回転駆動することにより、ホイールローダ1を走行させるものである。一方、走行電動機39は、ホイールローダ1の制動時等に、プロペラ軸9によって回転駆動されることにより回生電力を発電し、回生電力を直流母線37A,37Bを介して蓄電装置42および/または発電機35に供給する。
第2のインバータ40は、走行電動機39に電気的に接続されている。第2のインバータ40も、第1のインバータ36と同様に、複数のスイッチング素子を用いて構成され、一対の直流母線37A,37Bに接続されている。
走行電動機39の駆動時(力行時)には、第2のインバータ40は、直流母線37A,37Bの直流電力から三相交流電力を生成し、この三相交流電力を走行電動機39に供給する。一方、走行電動機39の発電時(回生時)には、第2のインバータ40は、走行電動機39からの交流電力を直流電力に変換して直流母線37A,37Bに供給する。このとき、走行電動機39の制御装置となる走行電動機制御装置41は、ハイブリッド制御装置45からの指令信号に基づいて、第2のインバータ40の各スイッチング素子のオン(閉)/オフ(開)を制御(スイッチング制御)することにより、走行電動機39の出力を制御する。
蓄電装置42は、発電機35および走行電動機39との間で電力の充放電を行うものである。蓄電装置42は、例えばキャパシタによって構成され、後述のコンバータ43を介して直流母線37A,37Bに接続されている。ここで、蓄電装置42は、発電機35の発電時には発電機35から供給される電力を充電し、発電機35のアシスト駆動時には発電機35に向けて駆動電力を供給する。また、蓄電装置42は、走行電動機39の回生時には走行電動機39から供給される回生電力を充電し、走行電動機39の力行時には走行電動機39に向けて駆動電力を供給する。
このように、蓄電装置42は、発電機35によって発電された電力を蓄電することに加え、ホイールローダ1の制動時に走行電動機39が発生した回生電力を吸収し、直流母線37A,37Bの電圧を一定に保つ。これにより、蓄電装置42は、ホイールローダ1の走行時における急発進や急停止によって走行電動機39が急峻な電力変動を生じたときに、この電力変動を吸収することにより、走行電動機39に一定の電圧を供給する機能を有している。なお、蓄電装置42は、リチウムイオン電池等の充電池によって構成してもよい。
コンバータ(チョッパ)43は、IGBT等からなる複数のスイッチング素子とリアクトルを用いて構成され、各スイッチング素子のオン(閉)/オフ(開)は、蓄電装置制御装置44によって制御される。コンバータ43は、蓄電装置42の充電時には、直流母線37A,37B間の直流電圧を降圧して蓄電装置42に供給する。また、コンバータ43は、蓄電装置42を用いて発電機35、走行電動機39を駆動するときには、蓄電装置42から出力される直流電圧を昇圧して第1,第2のインバータ36,40に供給する。蓄電装置42の作動は蓄電装置制御装置44によって制御され、蓄電装置制御装置44は、ハイブリッド制御装置45からの指令信号に基づいて、蓄電装置42の出力(充放電)を制御する。
ハイブリッド制御装置45は、例えばマイクロコンピュータによって構成され、エンジン制御装置26、油圧ポンプ制御装置33、発電機制御装置38、走行電動機制御装置41、蓄電装置制御装置44と接続されている。ハイブリッド制御装置45は、これらの制御装置26,33,38,41,44を統括的に制御するものである。この場合、ハイブリッド制御装置45は、例えばCAN(Control Area Network)通信等を用いて各制御装置26,33,38,41,44と接続されている。
ハイブリッド制御装置45は、例えばアクセルペダル、ブレーキペダル(いずれも図示せず)に対する操作等に応じて各制御装置26,33,38,41,44に対する指令信号を出力し、システム全体が最高の性能を発揮するように、エンジン21、油圧ポンプ31、発電機35、走行電動機39、蓄電装置42の駆動制御、異常監視、エネルギ管理を行う構成となっている。
即ち、エンジン21と発電機35および油圧ポンプ31は、その構成上、エンジン21がパワー供給源、発電機35および油圧ポンプ31がパワー消費源とみなすことができる。エンジン21は、発電機35および油圧ポンプ31の要求を満たす必要最低限のパワーで動作することで、パワーの無駄を省いた高効率のシステムを実現する。具体的には、本システムを統括的に制御するハイブリッド制御装置45が、オペレータのアクセルやレバー操作を基に発電機35および油圧ポンプ31で必要とするパワーを演算すると共に、それを賄うために必要なエンジン21のパワーをも演算する。演算された各パワーは、駆動指令として、それぞれ実際にエンジン21を制御しているエンジン制御装置26、発電機35を制御している発電機制御装置38、油圧ポンプ31を制御している油圧ポンプ制御装置33に送られる。このようにハイブリッド制御装置45は、ステム全体のパワー収支を管理する構成となっている。
また、ハイブリッド制御装置45は、排気ガス浄化装置29のフィルタ29Aに粒子状物質が一定量捕集されると、該フィルタ29Aを再生すべく、エンジン制御装置26にポスト噴射を行う旨の指令を出力する。これにより、排気ガスの温度を上昇させ、フィルタ29Aに捕集された粒子状物質を燃焼し除去する。この場合、フィルタ29Aに粒子状物質が一定量捕集されたか否かは、例えば、フィルタ29Aの差圧に基づいて判定することができる。即ち、排気ガスが流入する側となるフィルタ29Aの前側と流出側となるフィルタ29Aの後側の排気ガスの圧力を圧力センサで検出し、該圧力センサにより検出される圧力ないしその差圧から、現在の捕集量を算出することができる。また、粒子状物質の捕集量を、エンジン21の回転数、燃料噴射量、排気ガスの温度等に基づいて算出することもできる。いずれの場合も、算出された捕集量から再生が必要か否か(所定量以上捕集されたか否か)を判定することができる。
ところで、エンジン21から排出される粒子状物質(以下、PMという)は、燃料の未燃焼成分(不完全燃焼成分)であるため、燃料に対する空気の割合である空燃比(=空気/燃料)が低いとき(燃料と空気との混合気が理論空燃比よりも濃いリッチのとき)に、増大する傾向がある。換言すれば、例えば、標高の高い高地等、酸素濃度が低い環境でホイールローダ1を運転すると、PM排出量が増大する傾向となる。このため、高地等の酸素濃度が低くPM排出量が増大し易い環境で運転すると、その増大分、再生の頻度が増える。これにより、ポスト噴射による燃料消費量が増大し、燃費が低下するおそれがある。
そこで、第1の実施の形態では、ハイブリッド制御装置45は、エンジン21から排出されるPM排出量を外囲条件に基づいて予測(予想)する排出量予測手段(後述する図6のステップ2の処理)と、該排出量予測手段によって予測された予測排出量を参照して、そのまま作業(運転)を継続するとPM排出量が増大すると判定される場合に、エンジン21の運転を制限する運転制限手段(図6のステップ4の処理)とを備えている。このために、ハイブリッド制御装置45は、フラッシュメモリ、ROM、RAM、EEPROM等からなる記憶部(図示せず)を有し、該記憶部には、後述の図3ないし図5に示すPM排出量予測マップ、図6に示す処理プログラム、図7に示すエンジン回転数指令マップ等が格納(記憶)されている。
ここで、排出量予測手段は、標準環境(予め設定した基準環境)で運転を継続した場合のPM排出量と比較して、現在の環境(現在の外囲条件)で運転を継続した場合のPM排出量の増大の程度を予測するものである。具体的には、排出量予測手段は、空燃比の低下を検知することが必要であり、図3ないし図5に示すPM排出量予測マップに基づいて排出量を予測することができる。即ち、PM排出量は、空燃比の低下に伴って増大する。そこで、図3に示すような空燃比とPM予測排出量との関係に基づいて、PM排出量を予測することができる。この場合、空燃比は、例えば、エンジン21の吸気系路に設けた空燃比計の検出値、吸気系路に設けたエアフロメータ(空気流量計)の検出値、燃料噴射装置28の燃料噴射量(燃料流量)等に基づいて、直接的に求める、ないし、算出することができる。
ただし、このように直接的に求める(ないし算出する)空燃比は、ホイールローダ1の運転状況、作業状況に応じて変化する場合がある。例えば、エンジン21に対する負荷が大きい作業を行っているときは、エンジン21の出力を確保する面から空燃比が低くなる場合があり、作業を行っていないとき、軽負荷作業のときは、燃費を向上する面から空燃比が高くなる場合がある。このため、空燃比に基づいてPM排出量を予測すると、その予測した排出量は、そのときの運転状況に応じて頻繁に変化する可能性がある。
そこで、第1の実施の形態では、エンジン21の外囲条件のうち、運転状況に応じて頻繁に変化する可能性が低い条件、即ち、エンジン21の周囲の酸素量または該酸素量に関連する状態量に基づいて、PM排出量を予測する。より具体的には、ハイブリッド制御装置45は、ホイールローダ1が作業を行う作業現場の気圧と温度に基づいてPM排出量を予測する。
即ち、PM排出量の増大を、吸入空気密度の低下(に基づく酸素量の低下)と考えると、気圧(大気圧)の低下に起因するものと捉えることができる。そこで、図4に示すような気圧とPM予測排出量との関係(相関マップ)に基づいて、PM排出量を予測することができる。この場合、気圧は、ホイールローダ1に設けた気圧センサ27により検出することができる。また、吸入空気密度の低下(に基づく酸素量の低下)を、吸入空気の温度の増大に起因するものと捉えることもできる。そこで、図5に示すような吸入空気温度(吸気温度)とPM予測排出量との関係(相関マップ)に基づいて、PM排出量を予測することができる。この場合、吸気温度は、エンジン21の吸気管22に設けた温度センサ25により検出することができる。
第1の実施の形態では、ハイブリッド制御装置45は、気圧センサ27により検出される気圧、および、温度センサ25により検出される吸気温度から、図4および図5のPM排出量予測マップに基づいて、PM排出量を予測する。これに加えて、ハイブリッド制御装置45は、予測された排出量であるPM予測排出量を参照して、エンジン21の回転数を制御する。即ち、ハイブリッド制御装置45は、エンジン21を仕様範囲内で運転するために、エンジン回転数の上限値および下限値を、エンジン制御装置26に対して指令している。そこで、ハイブリッド制御装置45は、エンジン制御装置26に対する指令値を、PM予測排出量に基づいて回転数を制限する制御を行う。具体的には、図7に示すPM予測排出量とエンジン回転速度指令値との関係(指令マップ)に基づいて、エンジン21を制御する。これにより、ハイブリッド制御装置45は、PM予測排出量が予め定めた所定値を超えたとき、即ち、図7に示す排出量閾値よりもPM予測排出量が大きくなると、エンジン21の最低回転数(アイドル回転数)を高くする。
例えば、PM予測排出量がPM1の場合は、エンジン回転数の上限値としてN1、下限値としてN2が選択され、エンジン21は、この指令値の範囲内(N2以上N1以下)で動作(運転)することになる。一方、PM予測排出量が排出量閾値よりも大きくなると、例えば、PM予測排出量がPM2に増大した場合は、エンジン回転数の下限値がN2よりも高回転側のN3に変更され、エンジン21の最低回転数が高くなる。即ち、エンジン21は、指令値N3以上N1以下の範囲で動作(運転)することになる。これにより、エンジン21を吸入空気量の確保が見込める高回転域で動作させることが可能になり、そのまま運転する場合、即ち、指令値N2以上N1以下の範囲で運転を継続する場合と比較して、エンジン21から排出されるPMの排出量の低減を図ることができる。
換言すれば、PM排出量が増大し易い環境で運転しても、PM排出量が増大することを抑制することができ、運転環境に拘わらず再生の頻度(ポスト噴射の頻度)を一定にすることができる。この結果、再生頻度の増大に伴う燃費の低下を抑制することができる。なお、ハイブリッド制御装置45で行われるエンジン回転数の制限の制御処理に関しては、後で詳しく述べる。
第1の実施の形態によるハイブリッド式のホイールローダ1は、上述の如き構成を有するもので、以下、その動作について説明する。
まず、オペレータは、キャブ16に搭乗して運転席に着座する。オペレータがアクセルペダル等(いずれも図示せず)を操作することにより、エンジン21によって油圧ポンプ31と発電機35とが駆動される。これにより、発電機35からの電力が直流母線37A,37Bを介して走行電動機39に供給され、走行電動機39はプロペラ軸9を回転駆動する。プロペラ軸9の回転は、デファレンシャル機構8Aを介して前車軸8に伝達されると共に、デファレンシャル機構10Aを介して後車軸10に伝達され、ホイールローダ1は、左,右の前車輪2と左,右の後車輪4とが同時に回転する4輪駆動の状態で走行動作を行う。
ホイールローダ1の加速走行時には、走行電動機39の動作状態が力行動作となり、走行電動機39は、発電機35からの電力によって回転駆動する電動機として作動する。一方、ホイールローダ1の制動時には、走行電動機39の動作状態が回生動作となり、走行電動機39はプロペラ軸9によって被回転駆動される発電機として作動し、走行電動機39が発電した電力(回生電力)は、直流母線37A,37Bを通じて蓄電装置42に充電される。
このような走行時、エンジン21の運転に伴って、排気管23から有害物質であるPMが排出される。このときに排気ガス浄化装置29は、フィルタ29Aによって排気ガス中に含まれるPMを捕集する。これにより、浄化した排気ガスを排気ガス浄化装置29から外部に排出することができる。さらに、フィルタ29AにPMが一定量捕集されると、再生装置の再生処理、即ち、燃料噴射装置28によるポスト噴射によって燃焼し除去され、フィルタ29Aは再生される。
次に、ハイブリッド制御装置45によるPM予測排出量に基づくエンジン回転数の制限の制御処理について、図6の流れ図を用いて説明する。なお、図6の処理は、ハイブリッド制御装置45に通電している間、即ち、ホイールローダ1を稼働している間、所定時間毎に(所定の制御周期で)繰り返し実行される。または、オペレータによるエンジンの始動操作、ゲートロックレバーの解除操作、パーキング装置(パーキングブレーキ)の解除操作の少なくともいずれかを条件に、即ち、これらの操作の少なくともいずれかをトリガーとして、短時間(例えば、1制御周期、ないし、運転環境の検出および判定を精度よく行うために必要な制御周期分)実行し、そのときのエンジン回転数制限を次の操作があるまで継続する構成としてもよい。
アクセサリON、または、エンジン21の始動(イグニッションON)等により、図6の処理動作がスタートすると、ステップ1では、気圧および吸気温度を読み込む。この場合、気圧センサ27により気圧を検出し、温度センサ25により吸気温度を検出する。
続くステップ2では、気圧および吸気温度に基づいて、PM排出量を予測する。即ち、図4および図5に示すPM排出量予測マップに基づいて、そのときの気圧および吸気温度に対応するPM予測排出量を求める。
続くステップ3では、PM予測排出量が排出量閾値よりも大きいか否かを判定する。即ち、PM予測排出量が図7に示す排出量閾値よりも大きいか否かを判定する。ステップ3で、「NO」、即ち、PM予測排出量が排出量閾値以下であると判定された場合は、リターンを介してスタートに戻り、ステップ1以降の処理を繰り返す。この場合は、ハイブリッド制御装置45は、エンジン制御装置26に対し、図7のエンジン回転数指令マップに基づいて、回転数の範囲がN2以上N1以下で運転する旨の指令を出力する。即ち、最低回転数(アイドル回転数)を高くする制限制御は行わない。
一方、ステップ3で、「YES」、即ち、PM予測排出量が排出量閾値を超えたと判定された場合は、ステップ4に進み、図7のエンジン回転数指令マップに基づいて最低回転数(アイドル回転数)を高くする制限制御を行う。例えば、PM予測排出量が図7のPM2であれば、ハイブリッド制御装置45は、エンジン制御装置26に対し、図7のエンジン回転数指令マップに基づいて、回転数の範囲がN3以上N1以下で運転する旨の指令を出力する。そして、リターンを介してスタートに戻り、ステップ1以降の処理を繰り返す。これにより、エンジン21を吸入空気量の確保が見込める高回転域で運転することができ、PM排出量が増大し易い低圧の環境、高温の環境で運転しても、再生の頻度(ポスト噴射の頻度)を通常の環境(基準環境、例えば、標準気圧:1気圧、標準温度:25℃)で運転を継続した場合と同程度にすることができる。
かくして、第1の実施の形態によれば、ハイブリッド制御装置45は、ステップ2の処理により、燃料の未燃焼成分であるPM排出量の予測を、該排出量の増減に関連する外囲条件、具体的には、吸入空気の酸素量に関連する気圧と温度とに基づいて行う。そして、予測排出量が大きくなる(多くなる)と、ステップ4の処理により、エンジン21の運転を制限する。具体的には、エンジン21の最低回転数(アイドル回転数)を高くすることにより、吸入空気量が増大する高回転域で運転し、エンジン21から排出されるPM排出量を低減する。
これにより、PM排出量が増大し易い環境で運転しても、PM排出量が増大することを抑制できる。換言すれば、PM排出量が増大し易い環境で運転しているか否かに拘わらず(増大し易い環境であってもなくても)、再生の頻度を一定にすることができる。これにより、再生頻度の増大に伴う燃費の低下を抑制することができる。この場合に、最低回転数を高くすることに伴う燃料消費量の変化は、エンジン21の出力を一定として考えると、例えば、回転数を高くする分トルクを低くする(低回転高トルクから高回転低トルクで運転する)ことにより抑制できる(燃料消費量の増大を抑制できる)。
第1の実施の形態によれば、PM排出量の予測を、外囲条件のうち、エンジン21の周囲(ホイールローダ1の周囲)の環境の状態量、具体的には、酸素量に関連する状態量である気圧と温度に基づいて行う。これら気圧と温度は、例えば空燃比と比較して、そのときの運転状況に応じて頻繁に変化する可能性が低い条件(状態量)となる。このため、PM排出量を、そのときの気圧と温度の環境で今後も運転を継続した場合の予測値として求めることができる。これにより、PM排出量の予測を安定して行うことができる。
なお、上述した第1の実施の形態では、図6のステップ2の処理が本発明の構成要件である排出量予測手段の具体例を示し、図6のステップ4の処理が、本発明の構成要件である運転制限手段の具体例を示している。
次に、図8ないし図11は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、排出量予測手段による予測排出量が予め定めた所定値を超えたとき、発電機の出力および油圧ポンプの出力を小さくする構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第2の実施の形態のハイブリッド制御装置45は、予測されたPM排出量であるPM予測排出量を参照して、発電機35の出力および油圧ポンプ31の出力を制限する制御を行う。具体的には、図9に示すPM予測排出量と発電機35および油圧ポンプ31の出力量との関係(指令マップ)に基づいて、発電機35および油圧ポンプ31を制御する。これにより、ハイブリッド制御装置45は、PM予測排出量が予め定めた所定値を超えたとき、即ち、図9に示す排出量閾値よりもPM予測排出量が大きくなると、発電機35の出力および油圧ポンプ31の出力を小さくする。
例えば、PM予測排出量がPM3の場合は、出力量は100%となり、発電機35および油圧ポンプ31は出力制限を受けない。一方、PM予測排出量が排出量閾値よりも大きくなると、例えば、PM予測排出量がPM4に増大した場合は、発電機35および油圧ポンプ31の出力は、50%に制限される。これにより、エンジン21の負荷を小さく(低減)することができ、そのまま運転する場合、即ち、100%の出力で運転を継続する場合と比較して、エンジン21から排出されるPMの排出量の低減を図ることができる。
この場合、図10および図11に示すように、ハイブリッド制御装置45は、発電機35(および油圧ポンプ31)の出力の制限を、発電機トルク指令値(および油圧ポンプトルク指令値)の変化率を制限することにより行う。なお、図10では、発電機35の制御のみを示しているが、油圧ポンプ31についても同様である。
ハイブリッド制御装置45は、各種センサから検出される状態量、オペレータの操作量等に基づいて、発電機トルク指令演算部(油圧ポンプトルク指令演算部)45Aにより、発電機制御装置38(油圧ポンプ制御装置33)に対する発電機トルク指令値(油圧ポンプ指令値)を算出する。レートリミット部45Bは、PM予測排出量が予め定めた所定値を超えると、図9に示す出力量の割合に基づいて、算出された発電機トルク指令値(油圧ポンプ指令値)の変化率を制限する。
具体的には、図11に示すように、二点鎖線で示す特性線51を発電機トルク指令演算部(油圧ポンプトルク指令演算部)45Aで算出された発電機トルク指令値(油圧ポンプ指令値)とした場合に、レートリミット部45Bでは、実線で示す特性線52のように、発電機トルク指令値(油圧ポンプ指令値)の変化率を小さくする(変化を穏やかにする)。これにより、ハイブリッド制御装置45からは、発電機制御装置38(油圧ポンプ制御装置33)に対し、変化率が制限された発電機トルク指令値(油圧ポンプ指令値)が出力され、発電機35(および油圧ポンプ31)の出力が制限される。
次に、ハイブリッド制御装置45によるPM予測排出量に基づく発電機出力制限およびポンプ出力制限の制御処理について、図8の流れ図を用いて説明する。
図8の処理動作がスタートすると、ステップ11では、上述した第1の実施の形態の図6のステップ1と同様に、気圧および吸気温度を読み込む。続くステップ12では、上述した第1の実施の形態の図6のステップ2と同様に、気圧および吸気温度に基づいて、PM排出量を予測する。
続くステップ13では、PM予測排出量が図9に示す排出量閾値よりも大きいか否かを判定する。ステップ13で、「NO」、即ち、PM予測排出量が排出量閾値以下であると判定された場合は、リターンを介してスタートに戻り、ステップ11以降の処理を繰り返す。この場合は、ハイブリッド制御装置45は、発電機制御装置38および油圧ポンプ制御装置33に対し、図9の出力指令マップに基づいて、100%の出力で運転する旨の指令を出力する。即ち、ハイブリッド制御装置45は、発電機35の出力および油圧ポンプ31の出力を制限する制御を行わない。
一方、ステップ13で、「YES」、即ち、PM予測排出量が排出量閾値を超えたと判定された場合は、ステップ14に進み、図9の出力指令マップに基づいて、発電機35および油圧ポンプ31の出力を小さくする制限制御を行う。例えば、PM予測排出量が図9のPM4であれば、ハイブリッド制御装置45は、発電機制御装置38および油圧ポンプ制御装置33に対し、図9の出力指令マップに基づいて、50%の出力で運転する旨の指令を出力する。この場合、図10および図11に示すように、ハイブリッド制御装置45は、レートリミット部45Bの処理により、特性線51と比較して変化率が小さくなった特性線52の発電機トルク指令値(油圧ポンプ指令値)を出力する。そして、リターンを介してスタートに戻り、ステップ11以降の処理を繰り返す。なお、ステップ14の処理により発電機35および油圧ポンプ31の出力を制限している(小さくしている)ときは、例えば、その旨を、モニタに表示する、注意ランプを点灯する、アラームを発する等によりオペレータに知らせる。
第2の実施の形態は、上述の如きステップ14により、発電機35および油圧ポンプ31の出力を小さくするもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。特に、第2の実施の形態によれば、PM排出量が増大し易い環境では、発電機35および油圧ポンプ31の出力を小さくし、エンジン21に対する負荷を小さく(軽減)する。これにより、PM排出量が増大し易い環境で運転しても、エンジン21から排出されるPM排出量が増大することを抑制でき、再生頻度の増大に伴う燃費の低下を抑制することができる。
なお、上述した第2の実施の形態では、図8のステップ12の処理が本発明の構成要件である排出量予測手段の具体例を示し、図8のステップ14の処理が、本発明の構成要件である運転制限手段の具体例を示している。
また、上述した第2の実施の形態では、ハイブリッド制御装置45は、発電機35(および油圧ポンプ31)の出力の制限を、発電機トルク指令値(および油圧ポンプトルク指令値)の変化率を制限することにより行う構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、図12および図13に示すように、発電機35(および油圧ポンプ31)の出力の制限を、発電機トルク指令値(および油圧ポンプトルク指令値)の範囲(最大値)を制限することにより行う構成としてもよい。
即ち、図12に示すように、発電機トルク指令値(油圧ポンプ指令値)に対し、乗算器(乗算部)45Cによって、図9に示す出力量の割合に応じたゲイン(0〜1)を乗じる。例えば、出力量が50%であればゲイン0.5を乗じる。これにより、発電機35(および油圧ポンプ31)の出力を制限する。この場合には、図13に示すように、二点鎖線で示す特性線61を発電機トルク指令演算部(油圧ポンプトルク指令演算部)45Aから出力された発電機トルク指令値(油圧ポンプ指令値)とした場合に、そのときの出力量の割合に応じたゲインが乗算器45Cで乗じられることにより、実線で示す特性線61のように、発電機トルク指令値(油圧ポンプ指令値)を小さくすることができる。
次に、図14は本発明の第3の実施の形態を示している。第3の実施の形態の特徴は、排出量予測手段による予測排出量が予め定めた所定値を超えたとき、エンジンの最低回転数を高くし、かつ、発電機の出力および油圧ポンプの出力を小さくする構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態および第2の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図14の処理動作がスタートすると、ステップ21からステップ24は、上述した第1の実施の形態の図6のステップ1からステップ4と同様の処理を行う。この場合、ステップ24では、第1の実施の形態の図6のステップ4と同様に、エンジン21の最低回転数(アイドル回転数)を高くする制限制御を行う。さらに、第3の実施の形態では、ステップ24に続くステップ25で、上述した第2の実施の形態の図8のステップ14と同様に、発電機35および油圧ポンプ31の出力を小さくする制限制御を行う。
第3の実施の形態は、上述の如きステップ24およびステップ25により、エンジン21と発電機35と油圧ポンプ31との運転を制限するもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態および第2の実施の形態によるものと格別差異はない。特に、第3の実施の形態によれば、発電機35および油圧ポンプ31の出力を小さくすることと、エンジン21の最低回転数を高くすることとの両面から、PM排出量が増大することを抑制できる。これにより、PM排出量が増大し易い環境で運転しても、発電機35および油圧ポンプ31の出力を小さくする程度を抑制することができ、ホイールローダ1の性能、作業効率を確保することができる。
なお、上述した第3の実施の形態では、図14のステップ22の処理が本発明の構成要件である排出量予測手段の具体例を示し、図14のステップ24およびステップ25の処理が、本発明の構成要件である運転制限手段の具体例を示している。
上述した各実施の形態では、温度センサ25と気圧センサ27とをエンジン制御装置26に接続した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、温度センサおよび/または気圧センサを、例えば、ハイブリッド制御装置、油圧ポンプ制御装置、発電機制御装置、走行電動機制御装置、蓄電装置制御装置等、エンジン制御装置以外の制御装置に接続する構成としてもよい。
上述した各実施の形態では、PM排出量の予測、エンジン21、発電機35、油圧ポンプ31の運転制限を行うか否かの判定、運転制限指令の出力等を、ハイブリッド制御装置45で行う構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、PM排出量の予測、運転制限を行うか否かの判定、指令の出力等を、例えば、エンジン制御装置、油圧ポンプ制御装置、発電機制御装置、走行電動機制御装置、蓄電装置制御装置等、ハイブリッド制御装置以外の制御装置で行う構成としてもよい。
上述した各実施の形態では、気圧と温度とに基づいてPM排出量の予測を行う構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、気圧と温度とのうちのいずれか一方に基づいてPM排出量の予測を行う構成としてもよい。また、気圧、温度に限らず、例えば、酸素量(酸素濃度、酸素密度)に基づいてPM排出量の予測を行う構成としてもよい。この場合、酸素量は、例えば、エンジンの吸気系路に設けたOセンサ(酸素センサ)の検出値を用いることができる。
また、酸素量に関連する状態量として、気圧、温度の他、例えば、標高(位置情報)に基づいて、PM排出量の予測を行う構成としてもよい。この場合、標高(位置情報)は、標高センサ(高度センサ)の検出値やGPS信号を用いることができる。さらに、空燃比に基づいてPM排出量の予測を行う構成としてもよい。この場合、空燃比は、エンジンの吸気系路に設けた空燃比計の検出値、吸気系路に設けたエアフロメータ(空気流量計)の検出値、燃料噴射量(燃料流量)を用いることができる。いずれにしても、PM排出量の予測は、標準環境(予め設定した基準環境)で運転しているときと比較してPM排出量の増大を検知できる各種の状態量(の1または複数)を用いることができる。
上述した第2の実施の形態、第3の実施の形態では、出力の制限として、発電機35と油圧ポンプ31の両方の出力を制限する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、発電機と油圧ポンプのうちのいずれか一方の出力を制限する構成としてもよい。
上述した各実施の形態では、図6、図8、図14に示す制御処理を、ハイブリッド制御装置45に通電している間、即ち、ホイールローダ1を稼働している間、所定時間毎に(所定の制御周期で)繰り返し実行する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、オペレータによるエンジンの始動操作、ゲートロックレバーの解除操作、パーキング装置(パーキングブレーキ)の解除操作の少なくともいずれかを条件に、即ち、これらの操作の少なくともいずれかをトリガーとして、短時間(例えば、1制御周期、ないし、運転環境の検出および判定を精度よく行うために必要な制御周期分)実行し、そのときの運転制限を次の操作があるまで継続する構成としてもよい。
上述した各実施の形態では、左,右の前車輪2と左,右の後車輪4に動力を伝達するプロペラ軸9を駆動するため、1個の走行電動機39を備えた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、前車輪を駆動する1個の走行電動機と、後車輪を駆動する他の1個の走行電動機との合計2個の走行電動機を備える構成としてもよい。さらに、左,右の前車輪をそれぞれ独立に駆動する2個の走行電動機と、左,右の後車輪をそれぞれ独立に駆動する他の2個との合計4個の走行電動機を備える構成としてもよい。
上述した各実施の形態では、排気ガス浄化装置29を、フィルタ29Aを有する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、酸化触媒とフィルタとを有する構成、酸化触媒とフィルタと尿素噴射弁と選択還元触媒装置とを有する構成等、フィルタに加えて、酸化触媒、尿素噴射弁、選択還元触媒装置等を組合せて用いる構成としてもよい。
上述した実施の形態では、電動機として車輪を駆動するための走行用電動機39を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、旋回体を駆動するための旋回用の電動機等、走行以外の用途に用いる電動機に適用してもよい。
上述した実施の形態では、ホイールローダを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば油圧ショベル、フォークリフト、ダンプトラック等、ホイールローダ以外の他のハイブリッド作業機械にも広く適用することができるものである。
1 ホイールローダ(ハイブリッド作業機械)
3 前部車体(車体)
5 後部車体(車体)
21 エンジン
25 温度センサ
26 エンジン制御装置(制御装置)
27 気圧センサ
28 燃料噴射装置(再生装置)
29 排気ガス浄化装置
29A フィルタ
31 油圧ポンプ
33 油圧ポンプ制御装置(制御装置)
35 発電機
38 発電機制御装置(制御装置)
39 走行電動機(電動機)
41 走行電動機制御装置(制御装置)
42 蓄電装置
44 蓄電装置制御装置(制御装置)
45 ハイブリッド制御装置(制御装置)

Claims (2)

  1. 内燃機関であるエンジンと、該エンジンから排出される排気ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタを有し前記エンジンの排気側に設けられた排気ガス浄化装置と、該排気ガス浄化装置のフィルタに捕集された粒子状物質を燃焼させることにより該フィルタの再生を行う再生装置と、前記エンジンにより駆動され発電を行う発電機と、該発電機により発電された電力によって駆動される電動機と、前記エンジンにより駆動され圧油を吐出する油圧ポンプと、前記エンジン、再生装置、発電機、油圧ポンプを制御する制御装置とを備えてなるハイブリッド作業機械において、
    前記制御装置は、前記エンジンから排出される粒子状物質の排出量を外囲条件に基づいて予測する排出量予測手段と、
    該排出量予測手段によって予測された予測排出量を参照して、前記エンジンと発電機と油圧ポンプとのうちの少なくとも何れかの運転を制限する運転制限手段とを備え
    前記運転制限手段は、前記排出量予測手段による予測排出量が予め定めた所定値を超えたとき、前記エンジンの最低回転数を高くする構成としたことを特徴とするハイブリッド作業機械。
  2. 内燃機関であるエンジンと、該エンジンから排出される排気ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタを有し前記エンジンの排気側に設けられた排気ガス浄化装置と、該排気ガス浄化装置のフィルタに捕集された粒子状物質を燃焼させることにより該フィルタの再生を行う再生装置と、前記エンジンにより駆動され発電を行う発電機と、該発電機により発電された電力によって駆動される電動機と、前記エンジンにより駆動され圧油を吐出する油圧ポンプと、前記エンジン、再生装置、発電機、油圧ポンプを制御する制御装置とを備えてなるハイブリッド作業機械において、
    前記制御装置は、前記エンジンから排出される粒子状物質の排出量を外囲条件に基づいて予測する排出量予測手段と、
    該排出量予測手段によって予測された予測排出量を参照して、前記エンジンと発電機と油圧ポンプとのうちの少なくとも何れかの運転を制限する運転制限手段とを備え、
    前記運転制限手段は、前記排出量予測手段による予測排出量が予め定めた所定値を超えたとき、前記エンジンの最低回転数を高くし、かつ、前記発電機と油圧ポンプとのうちの少なくとも一方の出力を小さくする構成としたことを特徴とするハイブリッド作業機械。
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