JP2010185334A - 排気浄化システムの制御装置 - Google Patents

排気浄化システムの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010185334A
JP2010185334A JP2009029331A JP2009029331A JP2010185334A JP 2010185334 A JP2010185334 A JP 2010185334A JP 2009029331 A JP2009029331 A JP 2009029331A JP 2009029331 A JP2009029331 A JP 2009029331A JP 2010185334 A JP2010185334 A JP 2010185334A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reducing agent
urea water
temperature
suction port
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009029331A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4978635B2 (ja
Inventor
Masaki Kataoka
正樹 片岡
Ataru Ichikawa
中 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2009029331A priority Critical patent/JP4978635B2/ja
Publication of JP2010185334A publication Critical patent/JP2010185334A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4978635B2 publication Critical patent/JP4978635B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

【課題】還元剤タンク内の還元剤溶液を同タンク内から還元剤添加装置へ十分に供給する。
【解決手段】排気浄化システムは、所定濃度の尿素水を貯留する尿素水タンク21と、エンジンの排気通路に設けられ尿素水により排気中のNOxを選択的に浄化するSCR触媒13と、尿素水タンク21内の尿素水を加熱する発熱体28とを備え、SCR触媒13の排気上流側に還元剤添加弁15により尿素水を添加するものである。ECU40は、発熱体28による尿素水の加熱解凍時に、尿素水タンク21内に配置された尿素水吸込口24を中心とするその周囲の温度分布に基づいて、尿素水吸込口24の周囲における尿素水の解凍状態を判定する。そして、尿素水吸込口24の周囲における尿素水の解凍状態に基づいて尿素水添加弁15による尿素水の添加制御を実施する。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気浄化システムの制御装置に関するものであり、特に還元剤としてのアンモニアにより排気中の窒素酸化物(NOx)を選択的に浄化する選択還元型触媒(SCR)を採用した排気浄化システムの制御装置に関するものである。
近年、自動車等に適用されるエンジン(特にディーゼルエンジン)において、排気中のNOxを高い浄化率で浄化する排気浄化システムとして尿素SCRシステムの開発が進められており、一部実用化に至っている。尿素SCRシステムとしては次の構成が知られている。
すなわち、エンジン本体に接続された排気管に選択還元型のNOx触媒が設けられ、その排気上流側に、NOx還元剤としての尿素水(還元剤溶液)を添加する尿素水添加弁が設けられている。尿素水はタンク内に貯留されており、同タンクと尿素水添加弁とを繋ぐ尿素水配管に配設されたポンプによりタンク内から尿素水添加弁に給送される。このシステムでは、タンク内の尿素水が尿素水添加弁から排気管内に添加されることで、尿素水の加水分解により生成されたアンモニア(NH3)と排気中のNOxとがNOx触媒上で反応し、排気中のNOxが選択的に還元・浄化される。
上記システムでは、凍結温度が最も低い濃度(32.5%)の尿素水が使用されており、例えば尿素濃度が32.5%の尿素水であればマイナス11℃で凍結する。ところが、寒冷地や厳寒期など極低温となる環境下では、タンク内の尿素水が凍結するおそれがある。
そこで、尿素水SCRシステムでは、タンク内にヒータを設けたりエンジン冷却水を循環させたりすることで、尿素水の凍結防止を図るとともに、尿素水の凍結時にその凍結した尿素水を解凍することが行われている(例えば特許文献1参照)。特許文献1では、タンク内にヒータを設け、タンク壁面の温度が所定温度(例えば、尿素水の凍結温度よりも若干高い温度)以下の場合にヒータを作動させる。また、ヒータによる加熱により尿素水温度が所定温度よりも高くなることで、ヒータの作動が停止される。これにより、尿素水の解凍が速やかに実施され、尿素水添加弁から排気中に尿素水を添加することが可能になる。
特開2005−282413号公報
尿素水が凍結している状況下において、ヒータ等からの熱供給に伴い尿素水温度が融点に達すると、熱源に近い位置から尿素水が徐々に解凍されることとなる。このとき、タンク内の尿素水の解凍が始まった時点で(例えば、温度センサの計測値により尿素水温度が融点になったことが判定された時点で)排気管内への尿素水添加を開始すると、タンク内に液体状態の尿素水が十分量確保されておらず、排気管内へ尿素水を十分に供給できない状態で尿素水の添加制御が実施されることとなる。かかる場合、同添加制御を実施しているにもかかわらず、実際には要求量に見合う量の尿素水が排気管内に供給されていないことが考えられる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、還元剤タンク内の還元剤溶液を同タンク内から還元剤添加装置へ十分に供給することができる排気浄化システムの制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の発明は、所定濃度の還元剤溶液を貯留する還元剤タンクと、内燃機関の排気通路に設けられ前記還元剤溶液により排気中のNOxを選択的に浄化する選択還元型触媒と、前記還元剤タンク内の還元剤溶液を加熱する加熱手段とを備え、前記選択還元型触媒の排気上流側に還元剤添加装置により前記還元剤溶液を添加する排気浄化システムに適用され、前記加熱手段による前記還元剤溶液の加熱解凍時に、前記還元剤タンク内に配置された還元剤吸込口を中心とするその周囲のタンク内温度分布に基づいて、同還元剤吸込口の周囲における前記還元剤溶液の解凍状態を判定する解凍判定手段と、前記解凍判定手段により判定された前記還元剤吸込口の周囲における前記還元剤溶液の解凍状態に基づいて前記還元剤添加装置による前記還元剤溶液の添加制御を実施する添加制御手段と、
を備えることを特徴とする。
寒冷地では夜間等に気温が低下すると、還元剤タンク内に貯留された還元剤溶液が凍結することがある。そこで、還元剤溶液の凍結時に、ヒータなどの加熱手段によりその凍結した還元剤溶液を解凍することが行われている。ところが、還元剤タンク内と還元剤添加装置とを繋ぐ配管において同タンク内に配置された還元剤溶液の吸込口(還元剤吸込口)付近に、解凍された状態の還元剤溶液が不足していると、還元剤溶液の添加制御を実施しているにもかかわらず、実際には要求量に見合う量の還元剤溶液が排気通路内に添加されていないことが考えられる。
この点本発明では、還元剤溶液の凍結時において、加熱手段によりその還元剤溶液を加熱解凍する際、還元剤タンク内における還元剤吸込口を中心とするその周囲の温度分布(温度勾配)に基づいて還元剤吸込口の周囲における還元剤溶液の解凍状態を判定し、その判定結果に基づいて還元剤溶液の添加制御を実施する構成としたため、還元剤吸込口の周囲に溜まっている還元剤溶液の液量に応じて還元剤溶液の添加制御を実施することができる。したがって、本発明によれば、還元剤タンク内の還元剤溶液を同タンク内から還元剤添加装置へ十分に供給することができる。
加熱手段による還元剤溶液の解凍時には、加熱手段近傍の還元剤溶液から順に解凍される。つまり、還元剤溶液の解凍実施期間では、加熱手段近くが液相となり、加熱手段から離れた部分が固相となる。また、還元剤タンク内の液相部分は、加熱手段による解凍実施時間が経過するにつれて、加熱手段から離間する方向に拡大されると考えられる。したがって、加熱手段を還元剤吸込口の近傍に設けた場合、還元剤吸込口の周囲から順に還元剤溶液の解凍が行われることとなる。
その点に鑑み、請求項2に記載の発明は、前記加熱手段が、前記還元剤吸込口の近傍に設けられ、前記解凍判定手段が、前記温度分布に基づいて前記還元剤溶液の融点と同等温度となる位置を推定し、同位置における前記還元剤吸込口からの距離に基づいて前記還元剤吸込口の周囲における前記還元剤溶液の解凍状態を判定する。この構成によれば、還元剤吸込口の周囲から順に還元剤溶液の解凍が行われることに着目し、還元剤吸込口を中心とするその周囲の温度分布に基づいて還元剤溶液の融点となる位置を推定する。そして、同位置における還元剤吸込口からの距離を算出することにより、液相と固相との境界点の位置が推定される。したがって、その境界点の位置(還元剤吸込口からの距離)に基づいて還元剤吸込口の周囲に存在する還元剤溶液の液量を検出することができる。
ここで、還元剤吸込口からの距離に基づく還元剤溶液の添加制御として、例えば、同距離が判定値に達した時点で還元剤溶液の添加を開始してもよい。あるいは、還元剤吸込口からの距離に応じて還元剤溶液の添加量を制限してもよい。
還元剤タンク内の還元剤溶液において、加熱手段との離間距離に応じてその温度(以下、還元剤温度ともいう)が異なり、同離間距離が大きいほど還元剤温度が低くなる。そのため、還元剤吸込口の周囲においても、加熱手段からの距離に応じて還元剤温度が変化していると考えられる。その点に鑑み、請求項3に記載の発明は、前記還元剤吸込口からの距離が相違する複数の計測点において前記還元剤溶液の温度を計測する還元剤温度計測手段と、前記還元剤温度計測手段による各計測点での温度計測値に基づいて前記タンク内温度分布を推定する温度分布推定手段と、を備え、前記解凍判定手段が、前記温度分布推定手段により推定されるタンク内温度分布に基づいて、前記還元剤吸込口の周囲における前記還元剤溶液の解凍状態を判定する。この構成によれば、還元剤温度の計測を少なくとも2点で行うことにより、還元剤吸込口の周囲における温度分布を推定することができる。
なお、加熱手段からの離間距離に応じて還元剤温度が異なることを考慮すると、温度計測手段の各計測点と還元剤吸込口とが同一直線上に配置されているのが望ましい。また、計測点は、還元剤吸込口の近傍と、還元剤吸込口から離れた位置とに少なくとも定められているとよい。
還元剤タンクの外周が外気と接触している場合、タンク内壁付近の還元剤温度は外気温度と同等の温度になっていると考えられる。その点に鑑み、請求項4に記載の発明は、所定の計測点において前記還元剤溶液の温度を計測する還元剤温度計測手段と、外気温度を計測する外気温計測手段と、前記還元剤温度計測手段による計測点での温度計測値と、外気温計測手段による外気温度の計測値とに基づいて前記タンク内温度分布を推定する温度分布推定手段と、を備え、前記解凍判定手段が、前記温度分布推定手段により推定されるタンク内温度分布に基づいて、前記還元剤吸込口の周囲における前記還元剤溶液の解凍状態を判定する。この構成によれば、還元剤温度の計測を少なくとも1点で行うとともに、外気温度の計測を行うことにより、還元剤吸込口の周囲における温度分布を推定することができる。
請求項5に記載の発明は、所定の計測点において前記還元剤溶液の温度を計測する還元剤温度計測手段と、前記還元剤吸込口又はその近傍における前記還元剤溶液の温度を推定する還元剤温度推定手段と、前記還元剤温度計測手段による計測点での温度計測値と、前記還元剤温度推定手段による前記還元剤吸込口又はその近傍での温度推測値とに基づいて前記タンク内温度分布を推定する温度分布推定手段と、を備え、前記解凍判定手段が、前記温度分布推定手段により推定されるタンク内温度分布に基づいて、前記還元剤吸込口の周囲における前記還元剤溶液の解凍状態を判定する。この構成によれば、還元剤吸込口又はその近傍における還元剤温度として推定値を用いるため、還元剤温度の計測を少なくとも1点で行うことにより還元剤吸込口の周囲における温度分布を推定することができる。ここで、還元剤吸込口又はその近傍における還元剤温度の推定は、例えば、還元剤吸込口の近傍に加熱手段を設け、その加熱手段の発熱量に基づいて行う。
請求項6に記載の発明では、前記加熱手段を電気ヒータとする。加熱手段を電気ヒータとすることで、温度分布形成の基点において温度変動を少なくすることができる。このとき、電気ヒータを還元剤吸込口の近傍に配置し、還元剤吸込口近傍の還元剤溶液を加熱する構成とするのが好ましい。これにより、還元剤吸込口を温度分布形成の基点とすることができ、還元剤吸込口の周囲における温度分布の推定を好適に実施することができる。
尿素SCRシステムの概要を示す構成図。 尿素水添加処理の処理手順を示すフローチャート。 還元剤吸込口の周囲における温度勾配図。 他の実施形態における還元剤吸込口の周囲における温度勾配図。 他の実施形態における還元剤吸込口の周囲における温度勾配図。 解凍距離LNと補正係数Kとの関係を示す図。
以下、本発明を具体化した排気浄化システムの実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の排気浄化システムは、選択還元型触媒を用いて排気中のNOxを浄化するものであり、尿素SCRシステムとして構築されている。はじめに、図1を参照してこのシステムの構成について詳述する。図1は、本実施形態に係る尿素SCRシステムの概要を示す構成図である。本システムは、自動車に搭載されたディーゼルエンジン(図示略)により排出される排気を浄化対象として、排気を浄化するための各種アクチュエータ及び各種センサ、並びにECU(電子制御ユニット)40等を有して構築されている。
図1のエンジン排気系において、エンジン本体に接続され排気通路を形成する排気管11が設けられており、その排気管11に、排気上流側から順にDPF(Diesel Particulate Filter)12、選択還元型触媒(以下、SCR触媒という)13が配設されている。また、排気管11においてDPF12とSCR触媒13との間には、還元剤溶液としての尿素水(尿素水溶液)を排気管11内に添加供給するための尿素水添加弁15が設けられている。
排気管11においてSCR触媒13の下流側には、NOx検出部(NOxセンサ)と排気温検出部(排気温センサ)とが共に内蔵された排気センサ16が設けられている。この排気センサ16により、同SCR触媒13の下流側にて、排気中のNOx量(SCR触媒13によるNOxの浄化率)及び排気の温度が検出される。
排気管11においてSCR触媒13の更に下流側には、アンモニア除去装置としての酸化触媒19が設けられている。この酸化触媒19により、SCR触媒13から排出されるアンモニア(NH3)、すなわち余剰のアンモニアが除去される。
次に、本システムを構成する上記各部の構成についてそれぞれ説明する。
DPF12は、排気中のPM(粒子状物質)を捕集するPM除去用フィルタである。DPF12は白金系の酸化触媒を担持しており、PM成分の1つである可溶性有機成分(SOF)とともにHCやCOを除去する。このDPF12に捕集されたPMは、ディーゼルエンジンにおけるメイン燃料噴射後のポスト噴射等により燃焼除去でき(再生処理に相当)、これによりDPF12の継続使用が可能となっている。
SCR触媒13は、NOxの還元反応(排気浄化反応)を促進するものであり、例えば、
4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O …(式1)
6NO2+8NH3→7N2+12H2O …(式2)
NO+NO2+2NH3→2N2+3H2O …(式3)
といった反応を促進して排気中のNOxを還元する。そして、これらの反応においてNOxの還元剤となるアンモニア(NH3)を添加供給するものが、同SCR触媒13の上流側に設けられた尿素水添加弁15である。
尿素水添加弁15は、既存の燃料噴射弁(インジェクタ)とほぼ同様の構成を有するものであり、公知の構成が採用できるためここでは構成を簡単に説明する。尿素水添加弁15は、電磁ソレノイド等からなる駆動部と、尿素水を流通させる尿素水通路や先端噴出口15aを開閉するためのニードルを有する弁体部とを備えた電磁式開閉弁として構成されており、ECU40からの駆動信号に基づき開弁又は閉弁する。すなわち、駆動信号に基づき電磁ソレノイドが通電されると、その通電に伴いニードルが開弁方向に移動し、そのニードル移動に伴い先端噴出口15aから尿素水が添加(噴射)される。
尿素水添加弁15に対しては、尿素水タンク21から尿素水が逐次供給される。以下、尿素水供給系の構成について説明する。なお、以下の説明では便宜上、尿素水タンク21から尿素水添加弁15に対して尿素水が供給される場合を基準にして、尿素水タンク21側を上流側、尿素水添加弁15側を下流側として記載する。
尿素水タンク21は、給液キャップ付きの密閉容器にて構成されており、その内部に所定の規定濃度CNHの尿素水が貯蔵されている。本実施形態では、尿素濃度が、凍結温度(凝固点)が最も低い濃度である32.5%になっている。なお、尿素濃度が32.5%の場合、マイナス11℃以下で凍結する。
尿素水タンク21と尿素水添加弁15とは尿素水供給管22により接続されており、尿素水供給管22内に尿素水通路(還元剤通路)が形成されている。尿素水供給管22のうち尿素水タンク21側の先端部には、尿素水を吸い込むための尿素水吸込口24が形成されており、尿素水タンク21内に尿素水が貯留された状態において尿素水吸込口24が尿素水に浸漬した状態になっている。
尿素水供給管22の途中には、尿素水ポンプ23が設けられている。尿素水ポンプ23は、ECU40からの駆動信号により回転駆動されるインライン式の電動ポンプである。本実施形態では、尿素水タンク21外に、すなわち尿素水に浸漬しない状態で尿素水ポンプ23が設けられている。これにより、尿素水タンク21内における尿素水の凍結・膨張による尿素水ポンプ23の破損が抑制される。
本実施形態において尿素水ポンプ23は、正逆いずれの方向にも回転が可能となっている。尿素水ポンプ23の正回転により尿素水タンク21内の尿素水の吸い上げが行われ、尿素水ポンプ23の逆回転により尿素水タンク21への尿素水の吸い戻しが行われる。
尿素水供給管22において、尿素水ポンプ23よりも上流側(尿素水タンク21側)には、尿素水を濾過するためのフィルタ装置25が設けられている。また、尿素水ポンプ23よりも下流側(尿素水添加弁15側)には、尿素水の圧力を調整する圧力調整弁26が設けられている。
尿素水添加弁15側への尿素水圧送時には、尿素水ポンプ23に通電されることで尿素水ポンプ23が正回転方向に回転駆動される。これにより、尿素水タンク21内の尿素水が汲み上げられ、フィルタ装置25を通過して下流側に流れる。このとき、フィルタ装置25にて尿素水内に含まれる異物等が除去される。そして、尿素水ポンプ23から尿素水が吐出(圧送)され、その尿素水は圧力調整弁26により所定の供給圧力に調整された後、尿素水添加弁15に給送される。また、圧力調整の結果、余剰となった尿素水はリターン配管27を通じて尿素水タンク21に戻される。
尿素水タンク21への尿素水吸い戻し時には、尿素水ポンプ23が逆回転方向に回転駆動される。これにより、尿素水供給管22内の尿素水が吸い戻され、尿素水タンク21内に流入される。本実施形態では、この尿素水の吸い戻し動作がECU40によりエンジン停止時に実施される。つまり、エンジン停止後の車両放置中に尿素水が尿素水供給管22内に残留したままになるのを回避し、これにより尿素水の凍結・膨張による尿素水供給管22の破損を抑制する。
尿素水タンク21内には発熱体28が設けられている。本実施形態において発熱体28は、ECU40からの駆動信号により加熱を行う電気式のヒータとして構成されており、通電により尿素水吸込口24及びその近傍を加熱する。これにより、発熱体28の通電時には、発熱体28に近い位置、すなわち尿素水吸込口24付近から尿素水が徐々に解凍される。発熱体28については、図1に示すように、尿素水吸込口24の近傍に配置してもよいし、又は尿素水供給管22において尿素水吸込口24の部分に内蔵してもよい。なお、図1において符号28aは、発熱体28の駆動用ドライバである。
尿素水タンク21内には、その内部に貯留された尿素水温度TNを計測する尿素水温センサ31が設けられている。尿素水温センサ31について本実施形態では、尿素水吸込口24の近傍であって尿素水吸込口24から距離L1だけ離れた位置を計測点とする第1センサ31aと、尿素水吸込口24から距離L2(L2>L1)だけ離れた位置を計測点とする第2センサ31bとを備えている。第2センサ31bは、尿素水吸込口24と第1センサ31aとを結ぶ直線上に設けられている。また、尿素水供給管22の途中には、尿素水供給管22内の尿素水の圧力(ライン圧力PNH)を検出する尿素水圧センサ32が設けられている。
上記システムの中で電子制御ユニットとして主体的に排気浄化に係る制御を行う部分がECU40である。ECU40は、周知のマイクロコンピュータ(図示略)を備え、各種センサの検出値に基づいて所望とされる態様で尿素水添加弁15等の各種アクチュエータを操作することにより排気浄化に係る各種の制御を実施する。具体的には、例えば上述した排気センサ16や尿素水温センサ31、尿素水圧センサ32等の各種センサから検出信号を入力し、その検出信号に基づいて尿素水添加弁15の通電時間や発熱体28による加熱時期、尿素水ポンプ23の駆動量等を制御する。これにより、排気管11内に、適切な時期に適正な量の尿素水を添加供給する。
発熱体28による尿素水の加熱制御として本実施形態では、尿素水温センサ31(第1センサ31a及び第2センサ31b)のいずれかにおいて、尿素水温度TNが、規定濃度CNHにおける尿素水の融点TM(本実施形態ではマイナス11℃)以下であることが検出された場合に発熱体28に通電し、尿素水の加熱を実施する。また、発熱体28による加熱中に尿素水温センサ31により検出される尿素水温度TNが、融点TMよりも高い所定温度以上になった場合に発熱体28の通電を停止し、尿素水の加熱を停止する。
上記システムでは、エンジン運転時において、尿素水ポンプ23の駆動により尿素水タンク21内の尿素水が尿素水供給管22を通じて尿素水添加弁15に圧送され、尿素水添加弁15により排気管11内に尿素水が添加供給される。すると、排気管11内において排気と共に尿素水がSCR触媒13に供給され、SCR触媒13においてNOxの還元反応によりその排気が浄化される。NOxの還元に際しては、例えば、
(NH2)2CO+H2O→2NH3+CO2 …(式4)
といった反応により、排気熱による高温下で尿素水が加水分解される。これにより、アンモニア(NH3)が生成され、そのアンモニアがSCR触媒13に吸着するとともに同SCR触媒13において排気中のNOxがアンモニアにより選択的に還元除去される。すなわち、同SCR触媒13上でアンモニアに基づく還元反応(上記反応式(式1)〜(式3))が行われることにより、NOxが還元、浄化されることとなる。
ところで、例えば寒冷地で使用される自動車において、エンジン停止後であって次回のエンジン始動時における外気温が極低温(例えばマイナス10℃以下)になっている場合、尿素水タンク21内の尿素水が凍結するおそれがある。この場合には、ECU40により発熱体28が作動されることで尿素水の解凍が実施される。ところが、発熱体28近傍と発熱体28から離れた位置とでは、発熱体28からの距離の相違により温度差が生じるため、発熱体28による解凍時には、尿素水タンク21内の尿素水において固相部分と液相部分とが形成されていることが考えられる。
すなわち、発熱体28による加熱が進むにつれて、発熱体28の近傍から徐々に液相→固相に変化する。このとき、尿素水吸込口24の周囲に十分な量の尿素水が解凍されていなければ、尿素水ポンプ23の作動時に、尿素水吸込口24から吸い上げ可能な尿素水量が不足してしまう。かかる場合、尿素水の添加制御を実施しているにもかかわらず、十分な量の尿素水を尿素水添加弁15へ給送することができない。そのため、排気通路内に添加すべき量として算出した制御量に見合う量の尿素水を排気管11内に供給できないことが考えられる。
そこで、本実施形態では、尿素水の凍結時において、尿素水吸込口24を中心とするその周囲の温度勾配に基づいて尿素水吸込口24の周囲における尿素水の解凍状態を判定し、その判定結果に基づいて排気管11内への尿素水の添加を実施する。具体的には、尿素水温センサ31による2点の計測温度に基づき、尿素水タンク21内における尿素水吸込口24とその周囲との温度勾配を推定する。そして、同温度勾配を用いることにより、尿素水タンク21内において尿素水温度がマイナス11℃になっている地点(境界点PM)を特定し、尿素水吸込口24から境界点PMまでの距離(解凍距離LM)を算出する。そして、解凍距離LMが判定値Lαよりも大きい場合に尿素水ポンプ23の作動を許可する。つまり、尿素水タンク21内において凍結した部分と解凍された部分との境界点を特定し、その境界点における尿素水吸込口24からの距離に基づいて、尿素水吸込口24の周囲に十分な量の尿素水(液体)があると判定されたことを条件に尿素水の添加を開始する。
図2は、尿素水の添加制御に関する処理(尿素水添加処理)の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、所定の時間周期でECU40により繰り返し実行される。
図2において、ステップS11ではまず、エンジン始動が行われたか否かを判定する。エンジン始動判定は、例えばイグニッションスイッチがONになっていること、又はエンジン回転速度がゼロでないことを判定することにより行う。エンジン始動が行われている場合には、ステップS12へ進み、尿素水の添加を許可したか否かを判定する。尿素水の添加許可が未だ行われていない場合には、ステップS13へ進む。
ステップS13では、第1センサ31aにより尿素水吸込口24近傍の尿素水温度(吸込口温度Ta)を計測するとともに、第2センサ31bにより尿素水吸込口24から比較的離れた位置における尿素水温度(タンク内温度Tb)を計測する。つまり、吸込口温度Taは、尿素水吸込口24から距離L1だけ離れた位置における尿素水温度であり、タンク内温度Tbは、尿素水吸込口24から距離L2だけ離れた位置における尿素水温度である。
続くステップS14では、吸込口温度Ta及びタンク内温度Tbに基づいて、その2点間における温度勾配(尿素水吸込口24の周囲における温度勾配)を推定し、その温度勾配から解凍距離LMを算出する。温度勾配の推定に際し本実施形態では、発熱体28からの離間距離に応じてその位置における尿素水温度が推定されることに鑑み、同離間距離が大きいほど(尿素水吸込口24からの距離が大きいほど)尿素水温度が低いとして尿素水タンク21内における温度分布を定めている。
図3は、凍結状態の尿素水が固体状態から液体状態に移行する場合における尿素水吸込口24の周囲における温度分布図であり、尿素水吸込口24からの距離Lと尿素水温度TNとの関係を示している。なお、図3では、寒冷地で使用される自動車について、エンジン始動時に外気温が極低温(例えばマイナス20℃程度)になっている場合を想定している。
図3では、尿素水吸込口24からの距離がL1(図のA点)とL2(図のB点)との間の尿素水温度TNを定めることで、尿素水吸込口24を中心としたその周囲の温度分布を推定している。本実施形態では、尿素水吸込口24からの距離がL1とL2との間の尿素水温度TNを一次関数により定めており、発熱体28からの離間距離(尿素水吸込口24からの離間距離)が大きくなるのに比例して、その位置における尿素水温度NTが低くなっている。また、解凍距離LMについては、A点とB点とを結ぶ直線上であって、尿素水温度TNがマイナス11℃となるときの値(図3のC点)として算出している。
なお、A−B間の尿素水温度TNを定める手法としては、一次関数を用いる手法に限らず、多次元関数を用いる手法であってもよい。また、解凍距離LMは、例えば以下の式(5)で表される数式を用いて算出する。具体的には、図3の距離Lと尿素水温度TNとの関係において、A点の座標(L1,Ta)及びB点の座標(L2,Tb)から、それらの点を結ぶ直線の傾きS1を求める。この傾きS1を用いることにより、尿素水温度TN=−11℃における距離Lを算出し、これを解凍距離LMとする。
LM=(−11−Tb)/S1+L2 …(式5)
但し、S1=(Tb−Ta)/(L2−L1)
図2の説明に戻り、ステップS15では、算出した解凍距離LMが判定値Lαよりも大きいか否かを判定する。ここで、本実施形態ではエンジン停止時に尿素水の吸い戻しを行うため、エンジン始動時において尿素水供給管22内を尿素水で満たす必要があることを考慮して判定値Lαを予め設定してある。
なお、本実施形態においては、距離L1と距離L2との中間に判定値Lαが存在するように第1センサ31a及び第2センサ31bの温度計測点を定めてある。
解凍距離LMが判定値Lα以下の場合には、尿素水吸込口24の周囲に液体状態の尿素水が十分に確保されていないため、排気管11内への尿素水の添加を禁止する。一方、解凍距離LMが判定値Lαよりも大きい場合には、排気管11内への尿素水の添加を許可する。これにより、尿素水添加弁15から排気管11内に尿素水を添加供給する要求があった場合に尿素水ポンプ23が駆動され、排気管11内への尿素水の添加が実施されることとなる。
以上詳述した実施形態によれば以下の優れた効果が得られる。
尿素水の凍結時に、尿素水タンク21内に配置された尿素水吸込口24を中心とするその周囲の温度勾配に基づいて、尿素水吸込口24の周囲における尿素水の解凍状態を判定し、その判定結果に基づいて排気管11内への尿素水の添加を実施する構成としたため、尿素水の添加制御において、尿素水吸込口24の周囲に溜まっている尿素水の液量に応じて尿素水添加を実施することができる。これにより、尿素水吸込口24の周囲に十分な液量の尿素水が確保された状態で尿素水添加を開始することができる。したがって、尿素水タンク21内の尿素水を同タンク21内から尿素水添加弁15へ十分に供給することができ、ひいては添加すべき量として算出した制御量に見合う量の尿素水を尿素水添加弁15から添加供給することができる。
尿素水吸込口24の近傍に発熱体28を配設する構成としたため、凍結状態の尿素水を尿素水吸込口24の周囲から順に解凍することができる。この点に着目し、尿素水吸込口24を中心とするその周囲の温度勾配に基づいて尿素水の融点(マイナス11℃)となる位置を推定する構成としたため、尿素水における液相と固相との境界点を推定することができる。また、その境界点における尿素水吸込口24からの距離(解凍距離LN)を算出しているため、その算出した解凍距離LNに基づいて尿素水吸込口24の周囲に存在する尿素水の液量を推定することができる。
尿素水吸込口24の周囲に溜まっている尿素水の液量に応じて尿素水ポンプ23を作動させることができる。これにより、尿素水吸込口24の周囲に十分な液量の尿素水が確保された状態でポンプ作動を行うことができ、ひいては尿素水ポンプ23の負荷が過剰になるのを抑制することができる。
尿素水温センサ31として、尿素水吸込口24からの距離が異なる位置に第1センサ31a及び第2センサ31bを配設し、それら2つのセンサの温度計測値に基づいて尿素水吸込口24周囲の温度勾配を推定する構成としたため、2点の尿素水温度TNの計測により尿素水吸込口24周囲の温度分布を検出することができる。
第1センサ31aを尿素水吸込口24の近傍に設け、第2センサ31bを尿素水吸込口24から離れた位置において尿素水吸込口24と第1センサ31aとを結ぶ直線上に設ける構成としたため、尿素水吸込口24から離間する方向への温度勾配の推定を精度よく行うことができる。また、第1センサ31aの温度計測点と第2センサ31bの温度計測点との中間に判定値Lαが存在するよう第1センサ31a及び第2センサ31bの計測点を定める構成としたため、尿素水吸込口24の周囲の温度勾配を精度よく推定するのに好適である。
加熱手段を電気式のヒータとしたため、例えばエンジン冷却水を用いて尿素水の解凍を行う場合に比べ、尿素水吸込口24の周囲の温度変動を少なくすることができ、温度分布を推定するのに好適である。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・尿素水タンク21内の所定の計測点において尿素水温度TNを計測する尿素水温センサ31を少なくとも1つ設けるとともに、尿素水タンク21外の大気温度(外気温)を計測する外気温センサを設け、尿素水温センサ31及び外気温センサの計測値に基づいて尿素水吸込口24周囲の温度分布を推定する構成とする。図4に、凍結状態の尿素水が固体状態から液体状態に移行する場合の尿素水吸込口24の周囲における温度分布図を示す。本実施形態では、外気温センサ33により計測される温度を、尿素水タンク21の側壁21a近傍の尿素水温度とみなす。そして、上記実施形態と同様に、発熱体28からの距離(尿素水吸込口24からの距離)と尿素水温度とに比例関係があるとして、尿素水温センサ31の温度計測値と外気温センサ33の温度計測値とに基づいて、尿素水温度TN=−11℃となる距離Lを算出する。このとき、尿素水温センサ31は、尿素水吸込口24近傍に配置するとよい。なお、尿素水吸込口24から尿素水温センサ31までの距離L1及び尿素水吸込口24から尿素水タンク21の側壁までの距離L3はECU40に予め記憶してある。また、尿素水タンク21内に、尿素水吸込口24からの距離が各々異なる3つ以上の尿素水温センサ31を設けてもよい。
・尿素水吸込口24の近傍の尿素水温度TNを第1センサ31aにより計測し、その温度計測値と、尿素水吸込口24から離れた位置の温度計測値とを用いて尿素水吸込口24の周囲における温度勾配を推定する構成としたが、これを変更し、尿素水吸込口24又はその近傍における尿素水温度TNを推定し、その温度推定値と、尿素水吸込口24から離れた位置の温度計測値とを用いて尿素水吸込口24の周囲における温度勾配を推定する構成とする。例えば図5に示すように、尿素水吸込口24から距離L4離れた位置(図のE点)を計測点とする尿素水温センサ31を設ける。また、尿素水吸込口24(図のH点)の尿素水温度TNを、発熱体28の発熱量に基づいて算出する。そして、H−E間の尿素水温度TNを一次関数により定める。これにより、尿素水吸込口24の周囲における温度分布を推定することができる。
・尿素水温センサ31を、解凍状態の尿素水が尿素水吸込口24の周囲に十分確保されたと判定される位置に少なくとも1つ設け、その温度計測値が尿素水添加可能温度(例えばマイナス11℃)以上の場合に尿素水の添加を許可する。この構成によれば、尿素水温度TNの計測を少なくとも1点で行うとともに、外気温度の計測を行うことにより、尿素水吸込口24の周囲における温度分布を推定することができる。
・上記図2のステップS14で算出された解凍距離LMに応じて、尿素水添加弁15からの尿素水添加量を制限する。つまり、尿素水吸込口24の周囲に、尿素水ポンプ23にて吸い上げ可能な尿素水が少ない場合には、その吸い上げ可能な量に応じて尿素水添加量を少なくする。例えば、排気中のNOx量等に応じて算出される基本添加量QNHに対し、解凍距離LNに応じた補正係数Kを乗算し、その乗算後の値に基づいて尿素水ポンプ23を駆動制御する。図6に、解凍距離LNと補正係数Kとの関係を示す。図6によれば、解凍距離LNが判定値LTHまでの範囲では、尿素水吸込口24の周囲には液体状態の尿素水が少ないことを考慮し、解凍距離LNが大きいほど補正係数Kを大きくしてある。また、判定値LTH以上の範囲では、尿素水吸込口24周囲には液体状態の尿素水が十分あるとして、補正係数Kを値1にしている。
・加熱手段を電気式のヒータとしたが、これを変更し、エンジン冷却水の通路としての冷却水通路とする。例えば、尿素水タンク21内に冷却水通路を配設し、エンジン駆動式のウォータポンプの駆動によりエンジン冷却水を「エンジン本体→尿素水タンク21→エンジン本体」の順に循環させる。これにより、エンジンの排熱を利用して尿素水タンク21内の尿素水の凍結防止を図るとともに尿素水の凍結時における解凍が行われる。冷却水通路においてもヒータと同様に、尿素水吸込口24近傍の尿素水を加熱可能に配置されるとよい。
・解凍距離LMが判定値Lαよりも大きい場合に尿素水の添加を実施する構成としたが、解凍距離LMから液体状態になっている尿素水量Quを算出し、その尿素水量Quが判定値よりも大きい場合に尿素水の添加を実施する構成としてもよい。
・エンジン始動後に、尿素水タンク21内の尿素水が凍結していることを判定する凍結判定を行い、その凍結判定の結果、尿素水が凍結していると判定された場合に上記図2の処理を実施する構成とする。凍結判定方法としては、例えば、尿素水ポンプ23を駆動した場合にライン圧力PNHが所定圧以上になるか否かにより行う。このとき、ライン圧力PNHが所定圧未満の場合に尿素水が凍結状態であると判定する。あるいは、尿素水温センサ31の計測値に基づいて凍結判定を実施する。具体的には、尿素水温センサ31によりエンジン始動時の尿素水温度TNを計測し、同温度TNが判定値(例えばマイナス11℃)以下の場合に凍結状態であると判定する。
・加熱手段としての発熱体28を尿素水吸込口24近傍に配置する構成としたが、発熱体28の配置場所は特に限定せず、尿素水吸込口24から離間した位置に設けられていてもよい。この場合においても、尿素水タンク21内又は外気温を検出して尿素水吸込口24の周囲の温度分布を推定できれば、その温度分布に基づいて解凍距離LMを算出することができる。
・尿素水ポンプ23が尿素水供給管22の途中に尿素水タンク21内の尿素水に浸漬しない状態で設けられる所謂インライン式のシステムを本発明に適用したが、尿素水ポンプ23が尿素水タンク21内の尿素水に浸漬した状態で設けられる所謂インタンク式のシステムを本発明に適用してもよい。かかる場合、尿素水ポンプ23内の尿素水が凍結状態のまま同ポンプ23が駆動されるのを回避するために、尿素水吸込口24及び尿素水ポンプ23の周囲の尿素水が解凍されたことが解凍距離LMに基づいて判定された後に尿素水ポンプ23を駆動するとよい。
・車載ディーゼルエンジン用の尿素SCRシステムとして実用化する以外に、例えばガソリンエンジン、特にリーンバーンエンジン用の尿素SCRシステムとして実用化することも可能である。また、尿素水以外の還元剤溶液を用いる排気浄化システムにおいても本発明を同様に適用することが可能である。例えば、還元剤溶液として、アンモニア含有の水溶液を用いることが考えられる。
11…排気管、12…DPF、13…SCR触媒(選択還元型触媒)、15…尿素水添加弁(還元剤添加装置)、21…尿素水タンク(還元剤タンク)、23…尿素水ポンプ(還元剤ポンプ)、24…吸込口、28…発熱体(加熱手段)、31…尿素水温センサ(還元剤温度計測手段)、31a…第1センサ、31b…第2センサ、32…尿素水圧センサ、33…外気温センサ(外気温計測手段)、40…ECU(解凍判定手段、添加制御手段、温度分布推定手段)。

Claims (6)

  1. 所定濃度の還元剤溶液を貯留する還元剤タンクと、内燃機関の排気通路に設けられ前記還元剤溶液により排気中のNOxを選択的に浄化する選択還元型触媒と、前記還元剤タンク内の還元剤溶液を加熱する加熱手段とを備え、前記選択還元型触媒の排気上流側に還元剤添加装置により前記還元剤溶液を添加する排気浄化システムに適用され、
    前記加熱手段による前記還元剤溶液の加熱解凍時に、前記還元剤タンク内に配置された還元剤吸込口を中心とするその周囲のタンク内温度分布に基づいて、同還元剤吸込口の周囲における前記還元剤溶液の解凍状態を判定する解凍判定手段と、
    前記解凍判定手段により判定された前記還元剤吸込口の周囲における前記還元剤溶液の解凍状態に基づいて前記還元剤添加装置による前記還元剤溶液の添加制御を実施する添加制御手段と、
    を備えることを特徴とする排気浄化システムの制御装置。
  2. 前記加熱手段は、前記還元剤吸込口の近傍に設けられ、
    前記解凍判定手段は、前記温度分布に基づいて前記還元剤溶液の融点と同等温度となる位置を推定し、同位置における前記還元剤吸込口からの距離に基づいて前記還元剤吸込口の周囲における前記還元剤溶液の解凍状態を判定する請求項1に記載の排気浄化システムの制御装置。
  3. 前記還元剤吸込口からの距離が相違する複数の計測点において前記還元剤溶液の温度を計測する還元剤温度計測手段と、
    前記還元剤温度計測手段による各計測点での温度計測値に基づいて前記タンク内温度分布を推定する温度分布推定手段と、
    を備え、
    前記解凍判定手段は、前記温度分布推定手段により推定されるタンク内温度分布に基づいて、前記還元剤吸込口の周囲における前記還元剤溶液の解凍状態を判定する請求項1又は2に記載の排気浄化システムの制御装置。
  4. 所定の計測点において前記還元剤溶液の温度を計測する還元剤温度計測手段と、
    外気温度を計測する外気温計測手段と、
    前記還元剤温度計測手段による計測点での温度計測値と、外気温計測手段による外気温度の計測値とに基づいて前記タンク内温度分布を推定する温度分布推定手段と、
    を備え、
    前記解凍判定手段は、前記温度分布推定手段により推定されるタンク内温度分布に基づいて、前記還元剤吸込口の周囲における前記還元剤溶液の解凍状態を判定する請求項1又は2に記載の排気浄化システムの制御装置。
  5. 所定の計測点において前記還元剤溶液の温度を計測する還元剤温度計測手段と、
    前記還元剤吸込口又はその近傍における前記還元剤溶液の温度を推定する還元剤温度推定手段と、
    前記還元剤温度計測手段による計測点での温度計測値と、前記還元剤温度推定手段による前記還元剤吸込口又はその近傍での温度推測値とに基づいて前記タンク内温度分布を推定する温度分布推定手段と、
    を備え、
    前記解凍判定手段は、前記温度分布推定手段により推定されるタンク内温度分布に基づいて、前記還元剤吸込口の周囲における前記還元剤溶液の解凍状態を判定する請求項1又は2に記載の排気浄化システムの制御装置。
  6. 前記加熱手段が電気ヒータである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の排気浄化システムの制御装置。
JP2009029331A 2009-02-12 2009-02-12 排気浄化システムの制御装置 Active JP4978635B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009029331A JP4978635B2 (ja) 2009-02-12 2009-02-12 排気浄化システムの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009029331A JP4978635B2 (ja) 2009-02-12 2009-02-12 排気浄化システムの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010185334A true JP2010185334A (ja) 2010-08-26
JP4978635B2 JP4978635B2 (ja) 2012-07-18

Family

ID=42766141

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009029331A Active JP4978635B2 (ja) 2009-02-12 2009-02-12 排気浄化システムの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4978635B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012241547A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Hitachi Constr Mach Co Ltd エンジンの排気後処理システム
DE102013200052A1 (de) 2012-01-20 2013-07-25 Robert Bosch Gmbh Reduktionsmittelzuführvorrichtung
JP2013147982A (ja) * 2012-01-18 2013-08-01 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
CN103249924A (zh) * 2010-12-07 2013-08-14 田纳科汽车营运公司 试剂槽正常化系统
KR101307913B1 (ko) * 2011-08-12 2013-09-13 (주)모토닉 도우징 시스템 및 그의 제어방법
JP2013221425A (ja) * 2012-04-13 2013-10-28 Denso Corp 排気浄化装置のインジェクタ制御装置
WO2014013596A1 (ja) * 2012-07-19 2014-01-23 トヨタ自動車 株式会社 内燃機関の添加剤供給装置
JP2016084723A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 本田技研工業株式会社 内燃機関の排気浄化装置
FR3043136A1 (fr) * 2015-11-02 2017-05-05 Peugeot Citroen Automobiles Sa Procede d’estimation d’un volume d’agent reducteur liquide present dans un reservoir
WO2018100087A1 (fr) * 2016-11-30 2018-06-07 Plastic Omnium Advanced Innovation And Research Methode d'estimation d'un volume decongele present sous forme liquide dans un reservoir
JP2019183685A (ja) * 2018-04-04 2019-10-24 株式会社デンソー 還元剤添加システム

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04263765A (ja) * 1991-01-21 1992-09-18 Mitsubishi Electric Corp シャーベット状氷のレベル検出装置
JP2002115533A (ja) * 2000-10-06 2002-04-19 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2005248824A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Hino Motors Ltd 尿素水解凍装置
JP2010007568A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Bosch Corp タンク内センサの合理性診断方法及び合理性診断装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04263765A (ja) * 1991-01-21 1992-09-18 Mitsubishi Electric Corp シャーベット状氷のレベル検出装置
JP2002115533A (ja) * 2000-10-06 2002-04-19 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2005248824A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Hino Motors Ltd 尿素水解凍装置
JP2010007568A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Bosch Corp タンク内センサの合理性診断方法及び合理性診断装置

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103249924A (zh) * 2010-12-07 2013-08-14 田纳科汽车营运公司 试剂槽正常化系统
JP2013545037A (ja) * 2010-12-07 2013-12-19 テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド 試薬タンク正常化システム
JP2012241547A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Hitachi Constr Mach Co Ltd エンジンの排気後処理システム
KR101307913B1 (ko) * 2011-08-12 2013-09-13 (주)모토닉 도우징 시스템 및 그의 제어방법
JP2013147982A (ja) * 2012-01-18 2013-08-01 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
DE102013200445B4 (de) 2012-01-18 2022-12-01 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Abgasregelungsvorrichtung für Verbrennungsmotor
DE102013200052B4 (de) * 2012-01-20 2017-04-13 Robert Bosch Gmbh Reduktionsmittelzuführvorrichtung
DE102013200052A1 (de) 2012-01-20 2013-07-25 Robert Bosch Gmbh Reduktionsmittelzuführvorrichtung
JP2013221425A (ja) * 2012-04-13 2013-10-28 Denso Corp 排気浄化装置のインジェクタ制御装置
JP5915747B2 (ja) * 2012-07-19 2016-05-11 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の添加剤供給装置
JPWO2014013596A1 (ja) * 2012-07-19 2016-06-30 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の添加剤供給装置
WO2014013596A1 (ja) * 2012-07-19 2014-01-23 トヨタ自動車 株式会社 内燃機関の添加剤供給装置
JP2016084723A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 本田技研工業株式会社 内燃機関の排気浄化装置
FR3043136A1 (fr) * 2015-11-02 2017-05-05 Peugeot Citroen Automobiles Sa Procede d’estimation d’un volume d’agent reducteur liquide present dans un reservoir
WO2017077212A1 (fr) * 2015-11-02 2017-05-11 Peugeot Citroen Automobiles Sa Procede d'estimation d'un volume d'agent reducteur liquide present dans un reservoir
WO2018100087A1 (fr) * 2016-11-30 2018-06-07 Plastic Omnium Advanced Innovation And Research Methode d'estimation d'un volume decongele present sous forme liquide dans un reservoir
US10975751B2 (en) 2016-11-30 2021-04-13 Plastic Omnium Advanced Innovation And Research Method for estimating a thawed volume present in liquid form in a tank
JP2019183685A (ja) * 2018-04-04 2019-10-24 株式会社デンソー 還元剤添加システム
JP7035737B2 (ja) 2018-04-04 2022-03-15 株式会社デンソー 還元剤添加システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4978635B2 (ja) 2012-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4978635B2 (ja) 排気浄化システムの制御装置
JP4656039B2 (ja) エンジンの排気浄化装置
US10138793B2 (en) Exhaust gas purification system and method for controlling the same
US8413427B2 (en) Dosing control systems and methods
JP4706627B2 (ja) エンジンの排気浄化装置
JP4895888B2 (ja) 還元剤添加システムの解凍判定装置及びエンジンの排気浄化装置
US9222391B2 (en) Exhaust gas purification system
JP4737312B2 (ja) 排気浄化システムの異常診断装置及び排気浄化システム
JP5787090B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2009281294A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2010065581A (ja) 内燃機関の排気浄化システム
JP5136450B2 (ja) 排気浄化システムの異常診断装置
EP2799679A1 (en) Diesel exhaust fluid control system
US10844768B2 (en) Abnormality determination device
JP5051148B2 (ja) 排気浄化システムの異常診断装置
EP3025036B1 (en) Scr exhaust emission control system and method therefore, for filling the urea reducing agent after returning to the tank
JP2009228433A (ja) 尿素水供給装置及び排気浄化システム
US9759111B2 (en) Control techniques of exhaust purification system and exhaust purification system
JP6062906B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4895887B2 (ja) エンジンの排気浄化装置
JP7021558B2 (ja) 添加制御装置
JP6905910B2 (ja) 診断装置及び診断方法
US20190211727A1 (en) Injection controller
JP7464004B2 (ja) 尿素水供給装置
JP7035737B2 (ja) 還元剤添加システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110607

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120315

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120321

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120403

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150427

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4978635

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250