JP2010065581A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】排気通路内において還元剤を十分に気化させ、ひいては排気浄化装置の浄化能力を高める。
【解決手段】尿素SCRシステムは、尿素水を貯留する尿素水タンク21と、該尿素水タンク21に尿素水供給管23を介して接続され排気通路に尿素水を添加する尿素水添加弁15と、排気通路内の排気を浄化するSCR触媒13とを備え、尿素水添加弁15により排気通路内に添加される尿素水を用いてSCR触媒13による排気浄化を行わせる。尿素水供給管23にはヒータ31が設けられている。ECU40は、排気通路内の排気温度を検出し、その排気温度に基づいてヒータ31による尿素水の加熱制御を実施する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムにかかり、例えば、内燃機関の排気管に設けられた選択還元型のNOx触媒の上流側に尿素水溶液を添加する尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)システムとして実用化されている。
近年、自動車等に適用されるエンジン(特にディーゼルエンジン)において、排気中のNOx(窒素酸化物)を高い浄化率で浄化する排気浄化システムとして、尿素SCRシステムの開発が進められており、一部実用化に至っている。この尿素SCRシステムは、尿素水(尿素水溶液)を貯留する尿素水タンクと、該尿素水タンクに尿素水通路を介して接続されエンジンの排気通路に尿素水を添加する尿素水添加弁と、排気通路に設けられる選択還元型のNOx触媒とを備え、尿素水添加弁により排気通路内に添加される尿素水を用いてNOx触媒による排気浄化を行わせるものである。
上記の尿素SCRシステムでは、尿素水が液滴状態で排気通路に添加された場合において、その尿素水が通路壁面等に付着することでNOx触媒でのNOx浄化性能が低下することが懸念される。つまり、排気通路内では尿素水の加水分解によりアンモニアが生成され、そのアンモニアがNOx触媒に供給されることでNOx浄化が行われる。この場合、尿素水が通路壁面に付着することで、NOxと還元剤(アンモニア)との反応量が減るため、NOx浄化率が低下すると考えられる。
こうした不都合に対し、特許文献1では、液体還元剤を加熱しつつ、NOx触媒の上流側に還元剤添加弁により添加する構成が提案されている。この構成によれば、加熱により還元剤の気化が促進されるため、NOx触媒に対する還元剤の供給分布が均一化され、還元剤の拡散性が向上する。また、液滴状態の還元剤が排気と混合する場合に排気温度の低下が抑制される。
特開2002−332827号公報
ここで、排気通路内において尿素水(還元剤)が気化する場合、気化の状況は常に一様ではなく、気化不足が生じる状況も一様ではない。この点、上記特許文献1の排気浄化装置では、気化促進の程度を適度に調整できるものではなく、還元剤の気化不足が依然として生じるおそれがある。
本発明は、排気通路内において還元剤を十分に気化させ、ひいては排気浄化装置の浄化能力を高めることができる内燃機関の排気浄化システムを提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。
本発明における内燃機関の排気浄化システムは、液状の還元剤を貯留する還元剤タンクと、該還元剤タンクに還元剤通路を介して接続され内燃機関の排気通路に前記還元剤を添加する還元剤添加手段と、前記排気通路内の排気を浄化する排気浄化装置とを備え、前記還元剤添加手段により前記排気通路内に添加される還元剤を用いて前記排気浄化装置による排気浄化を行わせるものである。また、還元剤タンク及び還元剤通路の少なくともいずれかに、その内部の還元剤を加熱する加熱手段が設けられている。そして、排気通路内の排気温度を検出し、該検出した排気温度に基づいて加熱手段による還元剤の加熱制御を実施する。
要するに、還元剤添加手段により排気通路内に液状の還元剤が添加される際、排気通路内が低温であると、還元剤の気化が不十分となり、排気浄化装置の浄化能力が低下することが懸念される。この点、本発明では、排気通路内の排気温度を検出し、該検出した排気温度に基づいて加熱手段による還元剤の加熱制御を実施するため、還元剤添加手段による添加前の還元剤を、添加後において早期に気化可能な温度に加熱することができる。この場合、還元剤の気化について排気温度との関係が考慮されて加熱制御が行われることで、還元剤の適度な気化を実現できる。その結果、排気通路内において還元剤を十分に気化させ、ひいては排気浄化装置の浄化能力を高めることができる。
請求項2に記載の発明では、温度検出手段により検出した排気温度に基づいて前記還元剤の目標温度を設定し、前記還元剤添加手段により添加される還元剤の温度が前記目標温度となるよう前記加熱手段による加熱制御を実施する。このとき、前記検出した排気温度が低いほど前記目標温度を高くすることとしている。ここで、排気温度が低いほど排気通路内で還元剤が気化しにくくなると考えられる。この点、上記構成によれば、都度の排気温度に応じて還元剤の目標温度を好適に設定でき、適度に還元剤を気化させることができる。
請求項3に記載の発明では、温度検出手段により検出した排気温度が所定の低温状態にある場合に、前記加熱手段による還元剤の加熱を実施し、同排気温度が前記低温状態にない場合に、前記加熱手段による還元剤の加熱を実施しない。排気通路内において還元剤の気化が不十分となるのは、同排気通路内が所定温度よりも低い状態である場合に限られると考えられ、その場合のみ還元剤を加熱することが望ましい。この点、上記構成によれば、所定の低温状態以外であり(すなわち、比較的高温の状態であり)必要でないのに還元剤が加熱される、といった還元剤の過加熱を抑制できる。
請求項4に記載の発明では、排気通路内における排気流量を算出し、該算出した排気流量が少ないほど、前記加熱手段による還元剤の加熱度合いを大きくする。排気通路内の排気流量が少ないほど、排気通路内において還元剤が気化しにくいと考えられる。この点、上記構成によれば、排気流量が少なくても、還元剤を十分に気化させることができる。
液状の還元剤としては尿素水溶液を用いることができ、この尿素水溶液が所定温度(例えば80℃)で加水分解されることによりアンモニアが生成される。この場合、還元剤タンク内又は還元剤通路内で尿素水溶液の温度が加水分解温度以上になると、その還元剤タンク内又は還元剤通路内でアンモニアが生成されることが懸念される。この点、請求項5に記載したように、前記尿素水溶液からアンモニアが生成される加水分解温度を温度上限として前記加熱手段による還元剤の加熱制御を実施するとよい。これにより、還元剤タンク内又は還元剤通路内で、すなわち還元剤添加手段による添加前に、尿素水溶液が加水分解されてアンモニアが生成されるといった不都合を抑制できる。
請求項6に記載の発明では、内燃機関の運転停止中に前記加熱手段による還元剤加熱の要否判定を実施し、その要否判定の結果に基づいて前記加熱手段による加熱を実施する。より具体的には、例えば自動車においては、機関停止状態で車両ドアが開放されたことや、機関停止状態で車両シートに人が着座したことなど、所定の車両搭乗動作が生じたことを検知し、その検知結果に基づいて、還元剤加熱を要することを判定するとよい。
上記のように内燃機関の運転停止中に還元剤の加熱を実施することにより、内燃機関の始動後において早期に適正な状態での還元剤の添加を行わせることができる。
請求項7に記載の発明では、前記還元剤タンクは、第1タンクと、この第1タンクよりも小容量であって同第1タンクと前記還元剤添加手段との間の還元剤経路に設けられる第2タンクとを有し、前記加熱手段は、前記第2タンク内の還元剤を加熱するものとして設けられている。本構成では、比較的小容量の第2タンク内の還元剤を対象に加熱制御が実施されるため、還元剤をいち早く所望の温度に加熱できる。また、還元剤の加熱に要する電力エネルギ等の低減を図ることもできる。
以下、本発明に係る排気浄化システムを具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の排気浄化システムは、排気浄化装置としての選択還元型触媒を用いて排気中のNOxを浄化するものであり、尿素SCRシステムとして構築されている。はじめに、図1を参照してこのシステムの構成について詳述する。図1は、本実施形態に係る尿素SCRシステムの概要を示す構成図である。本システムは、自動車に搭載されたディーゼルエンジン(図示略)により排出される排気を浄化対象として、排気を浄化するための各種アクチュエータ及び各種センサ、並びにECU(電子制御ユニット)40等を有して構築されている。
エンジン排気系の構成として、図示しないエンジン本体に接続され排気通路を形成する排気管11には、上流側から順に酸化触媒12、選択還元型触媒(以下、SCR触媒という)13が配設されている。排気管11において酸化触媒12とSCR触媒13との間には、還元剤としての尿素水(尿素水溶液)を排気管11内に添加供給するための尿素水添加弁15が設けられるとともに、NOxセンサ16と排気温度センサ17とが設けられている。また、排気管11においてSCR触媒13の下流側には、NOxセンサ18が設けられている。NOxセンサ16はSCR触媒13の上流側にて排気中のNOx濃度を検出し、NOxセンサ18はSCR触媒13の下流側にて排気中のNOx濃度を検出する。排気管11においてSCR触媒13の更に下流側には、同触媒13から排出されるアンモニア(NH3)、すなわち余剰のアンモニアを除去するためのアンモニア除去装置として酸化触媒19が設けられている。
上述した排気系の構成では、エンジン本体から排出された排気は酸化触媒12を通過し、その際、酸化触媒12の酸化作用により排気中のNO(一酸化窒素)がNO2(二酸化窒素)に変換される。そしてその後、SCR触媒13では、アンモニアによるNOx還元が行われる。NOx還元の詳細は後述する。
なお、酸化触媒12は、PM除去装置としてのDPF(Diesel Particulate Filter)と一体の装置として設けられていてもよい。この場合、DPFの上流側に酸化触媒12を設けるか、或いはDPFを担体としてそのセル表面に白金等を担持することで酸化触媒12を一体化する。ちなみに、DPFは、排気中のPM(粒子状物質)を捕集する連続再生式のPM除去用フィルタであり、DPFに捕集されたPMは、ディーゼルエンジンにおけるメイン燃料噴射後のポスト噴射等により燃焼除去され(再生処理に相当)、これによりDPFの継続使用が可能となっている。
SCR触媒13はNOxの還元反応(排気浄化反応)を促進するものであり、
NO+NO2+2NH3→2N2+3H2O …(式1)
4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O …(式2)
6NO2+8NH3→7N2+12H2O …(式3)
のような反応を促進して排気中のNOxを還元する。そして、これらの反応においてNOxの還元剤となるアンモニア(NH3)を添加供給するものが、同SCR触媒13の上流側に設けられた尿素水添加弁15である。
尿素水添加弁15は、ガソリン噴射用の既存の燃料噴射弁(インジェクタ)とほぼ同様の構成を有するものであり、公知の構成が採用できるため、ここでは構成を簡単に説明する。尿素水添加弁15は、電磁ソレノイド等からなる駆動部と、先端噴孔部を開閉するためのニードルを有する弁体部とを備えた電磁式開閉弁として構成されており、ECU40からの噴射駆動信号に基づき開弁又は閉弁する。すなわち、噴射駆動信号に基づき電磁ソレノイドが通電されると、該通電に伴いニードルが開弁方向に移動し先端噴孔部15aから尿素水が添加(噴射)される。
尿素水添加弁15に対しては、尿素水タンク21から尿素水が逐次供給されるようになっており、次に、尿素水供給系の構成について説明する。
尿素水タンク21は給液キャップ付きの密閉容器にて構成されており、その内部に所定濃度(32.5%)の尿素水が貯蔵されている。尿素水タンク21内には、尿素水に浸漬した状態で尿素水ポンプ22が設けられている。尿素水ポンプ22は、ECU40からの駆動信号により回転駆動される電動式ポンプである。尿素水ポンプ22には尿素水供給管23の一端が接続されており、同尿素水供給管23の他端は尿素水添加弁15に接続されている。尿素水供給管23により尿素水通路(還元剤通路)が形成されている。尿素水ポンプ22が回転駆動されることにより、尿素水が汲み上げられ尿素水供給管23を通じて尿素水添加弁15側に吐出される。
尿素水ポンプ22は、例えば駆動源として電動機(モータ)を備えるタービン式ポンプであり、電動機の駆動に伴いインペラが回転するとともにインペラ外周部に設けられた多数の羽根溝から尿素水が圧送されるようになっている。なお、尿素水ポンプ22としてはロータ式ポンプ等、他のポンプが適用されてもよい。また、本システムには、尿素水の圧力を調整するための圧力調整弁24が設けられており、尿素水ポンプ22の吐出圧力は圧力調整弁24によって適宜調整される。
その他、尿素水供給管23には、その内部の尿素水の温度を検出する尿素水温度センサ25が設けられている。また、尿素水ポンプ22の吐出口部分には、尿素水を濾過するためのフィルタ(図示略)が設けられており、逐次吐出される尿素水はフィルタにより異物が除去された後、尿素水供給管23に吐出される。
上記システムの中で電子制御ユニットとして主体的に排気浄化に係る制御を行う部分がECU40である。ECU40は、周知のマイクロコンピュータ(図示略)を備え、各種センサの検出値に基づいて所望とされる態様で尿素水添加弁15をはじめとする各種アクチュエータを操作することにより、排気浄化に係る各種の制御を行うものである。具体的には、例えば尿素水添加弁15の通電時間(開弁時間)や尿素水ポンプ22の駆動量等を制御することにより、適切な時期に適正な量の尿素水を排気管11内に添加供給する。
本実施形態に係る上記システムでは、エンジン運転時において、尿素水ポンプ22の駆動により尿素水タンク21内の尿素水が尿素水供給管23を通じて尿素水添加弁15に圧送され、尿素水添加弁15により排気管11内に尿素水が添加供給される。すると、排気管11内において排気と共に尿素水がSCR触媒13に供給され、SCR触媒13においてNOxの還元反応が行われることによってその排気が浄化される。NOxの還元に際しては、例えば、
(NH2)2CO+H2O→2NH3+CO2 …(式4)
のような反応をもって、尿素水が排気熱で加水分解されることによりアンモニア(NH3)が生成され、SCR触媒13にアンモニアが吸着するとともに同SCR触媒13において排気中のNOxがアンモニアにより選択的に還元除去される。すなわち、同SCR触媒13上で、そのアンモニアに基づく還元反応(上記反応式(式1)〜(式3))が行われることによって、NOxが還元、浄化されることになる。
ところで、尿素水添加弁15により排気管11内に尿素水が添加される際、排気管11内が低温であると、尿素水の気化が不十分となり、SCR触媒13のNOx浄化能力が低下することが懸念される。そこで本実施形態では、尿素水供給管23の途中に加熱手段としてのヒータ31を設け、このヒータ31の加熱により尿素水を加熱する。この場合特に、排気管11内における排気温度を検出し、該検出した排気温度に基づいてヒータ31による尿素水の加熱制御を実施することとしている。
ヒータ31の設置構造は何ら限定はなく任意な構成が適用できるが、以下例示する。ヒータ31は、尿素水供給管23を包むようにして配管外周に設けられる。又は、尿素水供給管23に埋め込んだ状態でヒータ31が設けられる。ヒータ31の設置場所は1カ所だけでなく、2カ所、3カ所など複数箇所であってもよい。
図2は、尿素水の加熱制御の処理手順を示すフローチャートであり、本処理は、エンジン始動スイッチ(IGスイッチ)のオン後においてECU40により所定周期で繰り返し実施される。
図2において、ステップS11では、排気温度センサ17の検出結果に基づいて排気温度を算出するとともに、尿素水温度センサ25の検出結果に基づいて尿素水温度を算出する。続くステップS12では、都度の排気温度に基づいて目標加熱温度を設定する。目標加熱温度は、ヒータ31の加熱により昇温させる際の尿素水の目標温度であり、例えば図3の関係を用いて設定される。
図3では、尿素水の融点(132℃)を基準にして定めた制御切替温度T1を境に、排気温度がT1よりも高温であれば目標加熱温度を常温(20℃)とし、排気温度がT1よりも低温であれば目標加熱温度を「常温(20℃)〜尿素水の加水分解温度(80℃)」の温度範囲内のいずれかとするような関係が規定されている。制御切替温度T1は例えば140℃である。この場合、制御切替温度T1よりも低温側では尿素水のヒータ加熱が実施され、制御切替温度T1よりも高温側では尿素水のヒータ加熱が実施されないこととなる。つまり、排気温度がT1以下となる状態が「所定の低温状態」に相当する。また、制御切替温度T1よりも低温側では、排気温度が低いほど、目標加熱温度を高くするような関係が規定されている。ただし、尿素水の加水分解温度(80℃)が上限温度となっており、排気温度がT2以下であれば目標加熱温度がその上限温度(80℃)に保持されるようになっている。
その後、ステップS13では、目標加熱温度と尿素水温度との温度差(=目標加熱温度−尿素水温度)が所定のしきい値K以上であるか否かを判定する。しきい値Kは、0又は0付近の正の値である。そして、温度差≧Kであれば、ステップS14に進んでヒータ31をオンし、温度差<Kであれば、ステップS15に進んでヒータ31をオフする。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
尿素水供給管23にその内部の尿素水を加熱するヒータ31を設け、都度の排気温度に基づいてヒータ31による尿素水の加熱制御を実施する構成としたため、尿素水添加弁15による添加前の尿素水を、排気通路内への添加後において早期に気化可能な温度に加熱することができる。この場合、尿素水の気化について排気温度との関係が考慮されて加熱制御が行われることで、尿素水の適度な気化を実現できる。その結果、排気通路内において尿素水を十分に気化させ、ひいてはSCR触媒13の浄化能力を高めることができる。
排気温度が低いほど、尿素水の目標加熱温度を高くする構成としたため(図3参照)、都度の排気温度に応じて尿素水の目標加熱温度を好適に設定でき、適度に尿素水を気化させることができる。
排気温度が所定の低温状態(例えば140℃以下)にある場合に、ヒータ31による尿素水の加熱を実施し、同排気温度が前記低温状態にない場合に、ヒータ31による尿素水の加熱を実施しない構成としたため、所定の低温状態以外であり必要でないのに尿素水が加熱される、といった尿素水の過加熱を抑制できる。
尿素水からアンモニアが生成される加水分解温度を温度上限としてヒータ31による尿素水の加熱制御を実施する構成としたため、尿素水供給管23内で(すなわち、尿素水添加弁15による添加前に)尿素水が加水分解されてアンモニアが生成されるといった不都合を抑制できる。
尿素水添加弁15としてインジェクタタイプの電磁式開閉弁を用いる構成としたため、尿素水の添加制御を高精度に行うことが可能となる。これにより、尿素水の無駄な消費を抑制でき、尿素水消費量の低減を図ることができる。
尿素水添加弁15を、DPF(PM除去用フィルタ)の下流側に設ける構成とした。これにより、尿素水添加弁15の先端添加口がPMにより汚染されるといった不都合が抑制でき、尿素水添加弁15を長期にわたって使用することが可能になる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・排気通路内における排気流量を算出し、該算出した排気流量が少ないほど、ヒータ31による尿素水の加熱度合いを大きくする構成を採用してもよい。なお、エアフロメータ等の吸入空気量検出手段の検出値に基づいて排気流量が算出されるとよい。又は、都度のエンジン運転状態(エンジン回転速度や運転負荷等)に基づいて排気流量が算出されるとよい。つまり、排気通路において排気流量と尿素水の気化状況とには関連があり、排気通路内の排気流量が少ないほど、排気通路内において尿素水が気化しにくいと考えられる。この点を考慮して、尿素水の加熱制御において排気流量に基づいて目標加熱温度を可変設定する。より具体的には、図4に示す関係を用いて目標加熱温度を設定する。図4によれば、上述したとおり都度の排気温度が低いほど目標加熱温度が高い温度に設定されるのに加え、排気流量が少ないほど目標加熱温度が高い温度(ただし、上限温度=80℃)に設定されるようになっている。上記構成によれば、排気流量が少なくても、尿素水を十分に気化させることができる。
・上記実施形態では、目標加熱温度と尿素水温度との温度差に基づいてヒータ31をオン又はオフする構成としたが(図2のステップS13〜S15)、これを変更し、目標加熱温度と尿素水温度との温度差に基づいてヒータ31の通電量(通電デューティなど)を制御する構成としてもよい。この場合、温度差(=目標加熱温度−尿素水温度)が大きいほど、ヒータ通電量を大きくするとよい。
・エンジンの運転停止中において、ヒータ31による尿素水加熱の要否判定を実施し、その要否判定の結果に基づいてヒータ31による加熱を実施する構成としてもよい。より具体的には、エンジン停止状態で車両ドアが開放されたこと、又はエンジン停止状態で車両シートに人が着座したことなど、所定の車両搭乗動作が生じたことを検知し、その検知結果に基づいて、尿素水加熱を要することを判定するとよい。また、エンジン停止中において、あらかじめ定めたタイミング(時刻)になると加熱要とみなしてヒータ31による加熱を実施する構成としてもよい。このようにエンジン運転停止中に尿素水の加熱を実施することにより、エンジン始動後において早期に適正な状態での尿素水の添加を行わせることができる。
・上記実施形態では、尿素水供給管23内の尿素水を対象として加熱制御を実施したが、これを変更し、尿素水タンク21内の尿素水を対象として加熱制御を実施する構成としてもよい。
また、大小2つの尿素水タンクを直列に設け、そのうち小容量でかつ尿素水添加弁15側に設けられた尿素水タンク内の尿素水を加熱する構成を採用してもよい。具体的には、図5に示す構成を採用する。図5では、尿素水タンク21(尿素水ポンプ22)と尿素水添加弁15との間、すなわち尿素水供給管23の途中には、尿素水タンク21よりも小容量のサブタンク51が設けられ、そのサブタンク51にヒータ52が設けられている。本例では、尿素水タンク21が「第1タンク」に相当し、サブタンク51が「第2タンク」に相当する。そして、サブタンク51内の尿素水を対象として加熱が行われる。図5の構成では、比較的小容量のサブタンク51内の尿素水を対象に加熱制御が実施されるため、尿素水タンク21内の尿素水を加熱する場合に比して、尿素水をいち早く所望の温度に加熱できる。また、尿素水の加熱に要する電力エネルギ等の低減を図ることもできる。
その他、尿素水タンク21と尿素水供給管23との両方にヒータ52を設ける構成としてもよい。
・上記実施形態では、尿素水タンク21内にインタンクポンプとして尿素水ポンプ22を設けたが、これを変更し、尿素水供給管23にインラインポンプとして尿素水ポンプ22を設けてもよい。尿素水ポンプ22をインラインポンプとすることで、尿素水タンク21内における尿素水の凍結・膨張によるポンプの破損を抑制できる。
・車載ディーゼルエンジン用の尿素SCRシステムとしての実用化以外に、他のエンジン、例えばガソリンエンジン(火花点火式エンジン)用の尿素SCRシステムとしての実用化が可能である。液状の還元剤として尿素水溶液以外を用いることも可能であり、他の還元剤であっても、加熱により気化促進を図ることにより排気浄化性能を高めることが可能となる。
発明の実施の形態における尿素SCRシステムの概略を示す構成図。 尿素水の加熱制御の処理手順を示すフローチャート。 排気温度と目標加熱温度との関係を示す図。 排気温度と排気流量と目標加熱温度との関係を示す図。 他の実施形態における尿素SCRシステムの概略を示す構成図。
符号の説明
11…排気管、13…SCR触媒(排気浄化装置)、15…尿素水添加弁(還元剤添加手段)、21…尿素水タンク(還元剤タンク、第1タンク)、23…尿素水供給管、31…ヒータ(加熱手段)、40…ECU(温度検出手段、制御手段、流量算出手段)、51…サブタンク(第2タンク)、52…ヒータ(加熱手段)。

Claims (7)

  1. 液状の還元剤を貯留する還元剤タンクと、該還元剤タンクに還元剤通路を介して接続され内燃機関の排気通路に前記還元剤を添加する還元剤添加手段と、前記排気通路内の排気を浄化する排気浄化装置とを備え、前記還元剤添加手段により前記排気通路内に添加される還元剤を用いて前記排気浄化装置による排気浄化を行わせる内燃機関の排気浄化システムであって、
    前記還元剤タンク及び前記還元剤通路の少なくともいずれかに設けられ、その内部の還元剤を加熱する加熱手段と、
    前記排気通路内の排気温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段により検出した排気温度に基づいて前記加熱手段による還元剤の加熱制御を実施する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記制御手段は、前記温度検出手段により検出した排気温度に基づいて前記還元剤の目標温度を設定し、前記還元剤添加手段により添加される還元剤の温度が前記目標温度となるよう前記加熱手段による加熱制御を実施するものであり、
    前記検出した排気温度が低いほど、前記目標温度を高くする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記制御手段は、前記温度検出手段により検出した排気温度が所定の低温状態にある場合に、前記加熱手段による還元剤の加熱を実施し、同排気温度が前記低温状態にない場合に、前記加熱手段による還元剤の加熱を実施しない請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記排気通路内における排気流量を算出する流量算出手段を備え、
    前記制御手段は、前記流量算出手段により算出した排気流量が少ないほど、前記加熱手段による還元剤の加熱度合いを大きくする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  5. 前記還元剤は尿素水溶液であり、
    前記制御手段は、前記尿素水溶液からアンモニアが生成される加水分解温度を温度上限として前記加熱手段による還元剤の加熱制御を実施する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  6. 前記内燃機関の運転停止中に前記加熱手段による還元剤加熱の要否判定を実施する手段を備え、
    前記制御手段は、前記要否判定の結果に基づいて前記加熱手段による加熱を実施する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  7. 前記還元剤タンクは、第1タンクと、この第1タンクよりも小容量であって同第1タンクと前記還元剤添加手段との間の還元剤経路に設けられる第2タンクとを有し、
    前記加熱手段は、前記第2タンク内の還元剤を加熱するものとして設けられている請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
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