JP2012238660A - 窒化物半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】動作電圧の上昇を抑制することが可能な窒化物半導体レーザ素子の製造方法を提供する。
【解決手段】この窒化物系半導体レーザ素子の製造方法では、n型のエピタキシャル層と、活性層14と、p型のエピタキシャル層とを積層する工程と、p型のエピタキシャル層にストライプ状のリッジ部19による導波路構造を形成する工程と、リッジ部19のみを被覆する形状となるようにフォトレジスト膜70を形成する工程とを備えている。
【選択図】図10

Description

本発明は、窒化物半導体レーザ素子の製造方法に関する。
窒化物系半導体、特に窒化ガリウム(GaN)はガリウム砒素系の化合物半導体に比べ大きなバンドギャップを有することから、高密度光ディスク用光源として青紫色レーザダイオードに用いられている他、白色光源や医療分野、フルカラーディスプレイ、プロジェクター光源などその応用分野が多岐にわたる。
特に高密度光ディスク用光源としては、主に映像、データの記録用途として従来のDVD(Digital Versatile Disk)からBD(Blu−ray Disk:登録商標)に徐々に需要が変遷しつつあり、今後さらに青紫色レーザダイオードの市場が拡大することが予想されている。
半導体レーザ素子においては、その製作過程において半導体エピタキシャル層の最上層表面にオーミック特性を得るための電極(コンタクト電極)が形成される。この電極形成過程は、たとえば、以下のような手法により形成される。
まず、リッジ部の周囲部分に誘電体膜を形成した後、フォトリソグラフィ工程により上記誘電体膜上にレジスト材料を塗布する。次に、このリッジ部の上端部のみに開口部を設け、ウェエットエッチングまたはドライエッチングにより上記誘電体膜をリッジ部の上端部においてのみ除去する。そして、露出した半導体エピタキシャル層の表面にオーミック電極(コンタクト電極)を形成する。
コンタクト電極を形成するための他の手法としては、以下のような手法も知られている。
まず、エピタキシャル層の成膜を終えたウエハ、もしくはウエハ表面にコンタクト電極を形成したウエハにおいて、フォトリソグラフィ工程によって最終的にリッジ形成される領域にレジストマスクをストライプ状に形成する。次に、ドライエッチング工程によりリッジ部を形成し、スパッタ法などの手法によりリッジ部およびレジストマスク部に誘電体膜を成膜する。続いて、レジストマスクのリフトオフによりリッジ上端部の誘電体膜を除去する。その後、電極構成材料を形成する。
特開2008−124438号公報 特開2008−205507号公報 特開2010−34246号公報
上記した手法のいずれを用いるにせよ、従来のGaAs系半導体レーザ素子においては、半導体エピタキシャル成長の表面部分とコンタクト電極とのコンタクト抵抗が低いため、半導体層とコンタクト電極との接触面積が小さい場合でもレーザ特性にそれほど大きな影響を及ぼすことはない。
しかしながら、GaAs系半導体レーザ素子とは異なり、窒化物半導体レーザ素子においては、コンタクト抵抗が高いため、コンタクト電極と半導体層との接触面積が小さい場合には半導体レーザ素子の動作電圧の上昇を招くという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、動作電圧の上昇を抑制することが可能な窒化物半導体レーザ素子の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による窒化物半導体レーザ素子の製造方法は、第一導電型のエピタキシャル層と、活性層と、第二導電型のエピタキシャル層とを積層する工程と、第二導電型のエピタキシャル層にストライプ状のリッジ部による導波路構造を形成する工程と、リッジ部のみを被覆する形状となるようにフォトレジスト膜を形成する工程とを備えている。
この一の局面による窒化物半導体レーザ素子の製造方法では、上記のように、フォトレジスト膜を、リッジ部のみを被覆する形状に形成することによって、フォトレジスト膜に対応する領域にコンタクト電極を形成することができる。このため、たとえば、フォトレジスト膜を、リッジ部の側面部の少なくとも一部をも覆うように形成すれば、リッジ部の側面部分にもコンタクト電極を形成することができる。これにより、コンタクト電極とリッジ部との接触面積を大きくすることができるので、動作電圧を低減することができる。
また、一の局面では、フォトレジスト膜を上記形状とすることで、安定的に接触面積を大きくとることができるので、窒化物半導体レーザ素子の歩留まりを安定させることもできる。このため、動作電圧が低減された窒化物半導体レーザ素子を歩留まりよく製造することができる。
なお、上記「リッジ部のみを被覆する形状」とは、リッジ部の頂上部(上面)に加えて、リッジ部の側面の少なくとも一部を覆う形状を意味する。
上記一の局面による窒化物半導体レーザ素子の製造方法において、フォトレジスト膜を使用して、リッジ部の両脇部分に接する誘電体膜をリフトオフ法により形成するリフトオフ工程をさらに備えているのが好ましい。
この場合において、好ましくは、フォトレジスト膜を形成する工程は、フォトレジスト膜の形状をフォトレジスト上端部に対して下端部の幅が同じかまたは狭くなるように形成することにより、リッジ部の下端部をフォトレジスト膜から露出させる工程を含む。このように構成すれば、容易に、コンタクト電極とリッジ部との接触面積を安定的に大きくすることができる。加えて、素子特性の低下を抑制することができる。なお、リフトオフ用のフォトレジスト材料を用いれば、容易に、上記形状のフォトレジスト膜を形成することができる。
上記リッジ部の下端部をフォトレジスト膜から露出させる構成において、リッジ部の高さをh1とし、フォトレジスト膜から露出するリッジ部の下端部の露出高さをh2としたときに、h2/h1で定義する比率が0.2以上0.8以下であるのが好ましい。
また、上記リッジ部の下端部をフォトレジスト膜から露出させる構成において、フォトレジスト膜を形成する工程は、リッジ部の上端を起点としてフォトレジスト膜の厚みを表記した場合に、フォトレジスト膜を0.5μm以上1.0μm以下の厚みに形成する工程を有しているのが好ましい。
さらに、リッジ部の断面形状において、底面に相当する部分に対するその側面部の角度が45度以上80度以下であるのが好ましい。
以上のように、本発明によれば、動作電圧の上昇を抑制することが可能な窒化物半導体レーザ素子の製造方法を容易に得ることができる。
本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子を示した断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子を示した平面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図(図10の一部を拡大して示した模式的断面図)である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図(図6の一部を拡大して示した模式的断面図)である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子を示した断面図である。図2は、本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子を示した平面図である。まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の構造について説明する。
一実施形態による窒化物半導体レーザ素子は、図2に示すように、劈開により形成され、互いに対向する一対の共振器端面30を有している。この一対の共振器端面30は、レーザ光が出射される光出射端面30aと、光出射端面30aと反対側の光反射端面30bとを含む。また、一実施形態による窒化物半導体レーザ素子は、共振器端面30と直交する一対の側面40を有している。
また、一実施形態による窒化物半導体レーザ素子では、図1に示すように、基板として、n型GaNからなる窒化物半導体基板10が用いられている。この窒化物半導体基板10の主面上には、複数のエピタキシャル層が積層されている。
具体的には、窒化物半導体基板10上に、約0.2μmの厚みを有するn型GaN層11が形成されている。n型GaN層11上には、約2.0μmの厚みを有するn型Al0.1Ga0.9Nからなるn型クラッド層12が形成されている。n型クラッド層12上には、約0.2μmの厚みを有するn型GaNからなる光ガイド層13が形成されている。光ガイド層13上には、活性層14が形成されている。この活性層14は、Inx1Ga1−x1Nからなる量子井戸層とInx2Ga1−x2Nからなる障壁層(ただし、x1>x2)とが交互に積層された多重量子井戸構造を有している。
活性層14上には、約0.07μmの厚みを有するGaN中間層15が形成されている。GaN中間層15上には、約0.01μmの厚みを有するAl0.15Ga0.85Nからなる蒸発防止層16が形成されている。蒸発防止層16上には、凸部と、凸部以外の平坦部とを有するp型Al0.04Ga0.96Nからなるp型クラッド層17が形成されている。このp型クラッド層17は、凸部と平坦部との合計厚みが約0.6μmに構成されているとともに、平坦部の厚みが約60nm〜約150nmに構成されている。
また、p型クラッド層17の凸部上には、約0.1μmの厚みを有するp型GaNからなるp型コンタクト層18が形成されている。このp型コンタクト層18とp型クラッド層17の凸部とによって、たとえば約1.0μm〜約1.5μmの幅を有するストライプ状(細長状)のリッジ部19が構成されている。このリッジ部19は、共振器端面30と直交する方向(図2のY方向)に延びるように形成されている。なお、n型GaN層11、n型クラッド層12、光ガイド層13は、それぞれ、本発明の「第一導電型のエピタキシャル層」の一例である。また、GaN中間層15、蒸発防止層16、p型クラッド層17およびp型コンタクト層18は、それぞれ、本発明の「第二導電型のエピタキシャル層」の一例である。
また、リッジ部19を構成するp型コンタクト層18上には、所定の厚みを有するコンタクト電極(オーミック電極)20が形成されている。このコンタクト電極20は、たとえば、PdもしくはNiを主成分とする材料から構成されている。
ここで、本実施形態では、コンタクト電極20は、ストライプ状(細長状)に形成されているとともに、リッジ部19の頂上部(頂面)および側面部(側面部の一部)を覆うように形成されている。このため、コンタクト電極20と半導体層との接触面積は、リッジ部19の上面のみに形成される場合に比べて大きくなっている。
また、図1および図2に示すように、共振器端面30と側面40との角部(四隅)であってリッジ部19を避けた部分には、ドライエッチングによって段差部50が形成されている。さらに、リッジ部19の側面部の一部およびリッジ部19の両脇(コンタクト電極20を除く領域)には、電流狭窄を行うための誘電体膜21が形成されている。
誘電体膜21の上面上には、コンタクト電極20よりも大きい平面積を有するp側パッド電極22が、コンタクト電極20の一部を覆うように形成されている。このp側パッド電極22は、コンタクト電極20の一部を覆っている部分において、コンタクト電極20と直接接触している。また、p側パッド電極22は、誘電体膜21側からMo層(図示せず)およびAu層(図示せず)が順次積層された多層構造からなる。
また、窒化物半導体基板10の裏面上には、窒化物半導体基板10の裏面側から順に、Hf層(図示せず)およびAl層(図示せず)が順次積層された多層構造からなるn側電極23が形成されている。また、n側電極23上には、n側電極23側から順に、Mo層(図示せず)、Pt層(図示せず)およびAu層(図示せず)が順次積層された多層構造からなるメタライズ層24が形成されている。
また、光出射端面30aには、反射率5%〜35%のAR(Anti Reflection)コーティング膜(図示せず)が形成されている。一方、光反射端面30bには、反射率95%のHR(High Reflection)コーティング膜(図示せず)が形成されている。なお、ARコーティング膜の反射率は、発振出力により所望の値に調整されている。また、ARコーティング膜は、たとえば、Alから構成されており、HRコーティング膜は、たとえば、SiO、TiOの多層膜から構成されている。上記以外の材料として、たとえば、SiN、ZrO、Ta、MgFなどの誘電体膜を用いてもよい。
図3〜図14は、本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための図である。次に、図1〜図14を参照して、本発明の一実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法について説明する。
まず、n型GaNからなる窒化物半導体基板10を準備する。次に、図3に示すように、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、窒化物半導体基板10の主面上(上面上)に、窒化物半導体からなるエピタキシャル層11〜18を順に成長させる。
具体的には、窒化物半導体基板10上に、約0.2μmの厚みを有するn型GaN層11、約2.0μmの厚みを有するn型Al0.1Ga0.9Nからなるn型クラッド層12、約0.2μmの厚みを有するn型GaNからなる光ガイド層13、多重量子井戸構造を有する活性層14、約0.07μmの厚みを有するGaN中間層15、約0.01μmの厚みを有するp型Al0.15Ga0.85Nからなる蒸発防止層16、約0.6μmの厚みを有するp型Al0.04Ga0.96Nからなるp型クラッド層17、約0.1μmの厚みを有するp型GaNからなるp型コンタクト層18を順次成長させる。
次に、図4に示すように、半導体レーザ素子をバー状態に切り出す際に、端面に無用な段差やささくれ状の剥離部分などが形成されるのを避けるために、レーザバー分割補助溝50aを形成する。具体的には、まず、フォトリソグラフィ技術を用いて、開口部を有するレジスト層(図示せず)を形成する。この際、後にリッジ形成される箇所を避けて端面形成部となる領域が開口部となるように上記レジスト層を形成する。次に、このレジスト層をマスクとして、ICP(Inductive Coupled Plasma;容量結合プラズマ)によるエッチング方法もしくは、RIE(Reactive Ion Etching)により窒化物半導体層をエッチングすることにより、レーザバー分割補助溝50aを形成する。このレーザバー分割補助溝50aは、後の工程で劈開(分割)されることにより窒化物半導体レーザ素子の段差部50(図1および図2参照)に形成される。
続いて、図5に示すように、p型コンタクト層18上に、フォトリソグラフィ技術を用いてストライプ状にパターニングされたレジスト層60を形成する。レジスト層60は、最終的な半導体レーザ素子の共振器方向と平行にパターニングされ、その幅Wは半導体レーザ素子の発振出力によって異なるが、たとえば1.0μm〜1.5μm程度の幅とする。
次に、リッジ部19(図1参照)を形成するためのドライエッチング工程を行う。
具体的には、上記レジスト層60をマスクとして、p型コンタクト層18の上面からp型クラッド層17の途中の深さまで選択的にドライエッチングを行う。これにより、図1および図2に示したように、p型クラッド層17の凸部とp型コンタクト層18とによって構成されるとともに、約1.0μm〜約1.5μmの幅を有し、共振器方向に互いに平行に延びるストライプ状のリッジ部19が形成される。なお、リッジ部19の形成によって、窒化物半導体基板10上に、導波路構造が形成される。
このドライエッチング工程では、エピタキシャル成長時に形成されている蒸発防止層16上に、約60nm〜約150nmのp型クラッド層17を残した状態となるようにエッチング深さを制御する。この制御が十分でない場合、半導体レーザ素子の重要な特性であるFFP(Far Field Pattern)が所望の値にならなかったり、またKINK不良を発生させたりする要因となり、歩留まり低下の原因となる場合がある。
そのため、リッジ部19を形成するためのドライエッチングは、誘導結合プラズマ(ICP)方式または反応性イオンエッチング(RIE)方式のドライエッチング装置を用いて、反射光の干渉波形を観測(モニタリング)しながら行うのが好ましい。干渉波形によるモニタリングでは、GaN系の材料においては、300nm〜410nmまでの範囲の光が特に利用され、その中で特に反射強度が強く干渉周期が明瞭に観測できる365nm近傍の光が良く利用される。この工程が完了した状態を示す模式図が図6および図7に示されている。
リッジ部19の形成後、その形成のために使用したレジスト層60を除去する。そして、図8に示すように、真空蒸着法などを用いて、全面にコンタクト電極20を形成する。コンタクト電極20としては、その構成材料として、Au、Pd、Pt、Co、Niなどを用いることができる。なかでも、PdまたはNiを用いるのが好ましい。
続いて、図9に示すように、リッジ部19上にフォトレジスト膜70を形成する。
ここで、本実施形態では、リッジ部19の頂上部と側面部のみを被覆する形状となるように、上記フォトレジスト膜70を形成する。この際、フォトレジスト膜70を、レジスト上端部に対して下端部の幅が同じかまたは狭くなるように形成するのが好ましい。これにより、後の工程でコンタクト電極20をエッチングした際に、リッジ部19の下端部がこのフォトレジスト膜70から露出するように形成される。
なお、この形状を達成するためには、一般に使用されているリフトオフ用フォトレジスト材料を使用するとよい。これらのレジスト材料ではベーク温度、現像時間を最適化することでリッジ下部を露出させるための形状を調整することが可能である。また、このようなレジスト形状とすることで、フォトリソグラフィの露光時におけるアライメント精度の悪化に対する許容範囲を大きくできるとともに、コンタクト電極20がリッジ部19の両側の平坦部分にまで接することによる素子特性の悪化を防ぐことができる。
次に、図10に示すように、形成したフォトレジスト膜70をマスクとして、コンタクト電極20をエッチングすることにより、コンタクト電極20の所定部分(リッジ部19における側面部の上方側と頂上部とを除く部分)を除去する。このときのエッチングは、ドライエッチングまたはウェットエッチングを用いる。
そして、この状態にてリッジ部19の側面部の下方側、および、リッジ部19横の平坦部分に接する誘電体膜21を形成する。この誘電体膜21は、SiまたはAlの酸化物、SiまたはAlの窒化物、Zr、Ti、Hfの酸化物などを用いることができる。好ましいのは、Siの酸化物または窒化物である。
誘電体膜21の形成後、上記フォトレジスト膜70を使用したリフトオフ工程により、リッジ部19の頂上部上(頂面上)の誘電体膜21および側面部の上方側の誘電体膜21を除去する。この工程が完了した状態を示す模式図が図12に示されている。
このようなプロセスを経ることにより、コンタクト電極20は、リッジ部19の頂上部(頂面)だけでなく側面部の一部とも接することになるため、コンタクト電極20と半導体エピタキシャル層との接触面積を大きく取ることが可能となる。これにより、従来構造よりも動作電圧を安定的に下げることができる。
このとき、図11に示すように、リッジ部19の高さをh1、リッジ部19の下端側においてフォトレジスト膜70から露出した部分の高さをh2とした場合に、h2/h1で定義する比率が0.2〜0.8の範囲(0.2以上0.8以下)になるように形成するのが望ましい。この数値が0.8を超えると電極材料と窒化物半導体材料の接合面積が優位に大きくならず、動作電圧の低減降下が限定されるおそれがある。また、この数値がこの範囲よりも低くなると、電極(コンタクト電極20)による光吸収や水平方向の光閉じ込め効果に問題が生じ、半導体レーザ素子としての特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
また、図13に示すように、上記したリッジ部19の形成工程において、リッジ部19の側面部の角度θが底面部(断面的に見た場合にリッジ部の底面に相当する部分19a)に対し45度から80度の範囲(45度以上80度以下)にあるようにエッチング条件を調整することが望ましい。このためには、ICPドライエッチング装置またはRIEドライエッチング装置を用いてリッジ部19を形成する際に、使用するガスの混合比(SiCl4、Cl、Arなど)またはRF放電出力を調整すればよい。これにより、リッジ部19における角度θをコントロールすることが可能となる。
なお、リッジ部19の角度θがこの角度を超えると、フォトレジスト膜70(リフトオフレジスト)(図11参照)から露出するリッジ部19の下部の領域に対して、誘電体膜21の被覆状態が悪化する懸念がある。また、角度θがこの範囲よりも低いとリッジ部19の下部における電流経路が著しく広がり、KINK不良を誘発するおそれがある。
このように、リッジ部19の側面部に傾斜(テーパー)をつけた形状にすることにより、リフトオフ用のフォトレジスト材料に代えて、一般的なポジ型フォトレジスト材料を用いて上記フォトレジスト膜70を形成することが可能となる。たとえば、ポジ型フォトレジスト材料を用いて、そのレジストの側面がおおよそ鉛直になるようにパターン形成すればリッジ部19の下端部に露出部分を形成でき、また露光量や現像時間などの調整により露出量の調整が可能となる。
また、図9に示したように、上記工程で使用するフォトレジスト膜70の厚みTは、リッジ部19の上端部(頂上部)を起点とした場合、0.5μm〜1.0μmの範囲(0.5μm以上1.0μm以下)にあることが望ましい。この範囲を超えると、上記誘電体膜21(図12参照)の形成時にリッジ部19の下部における被覆状態が悪化するおそれがある。また、この範囲よりも低い膜厚にてフォトレジスト膜70を形成すると、リフトオフ性が悪化し、誘電体膜21の除去が困難になる場合がある。
続いて、図14に示すように、p側パッド電極22としてMo、AuをEB蒸着法、もしくはスパッタ法により形成する。p側パッド電極22の形状については、リフトオフ工程またはエッチング工程により所望の形状を得るものとする。
次に、窒化物半導体基板10の裏面側の一部を研削や研磨により除去し、窒化物半導体基板10の厚みが100μm程度になるまで加工を行う。この研削や研磨が行われた窒化物半導体基板10の裏面上に、真空蒸着法などを用いて、窒化物半導体基板10の裏面側からHf層(図示せず)およびAl層(図示せず)を順次形成することにより、多層構造からなるn側電極23を形成する。そして、このn側電極23がオーミック接触を得られるように高温で電極の合金化を行う。その後、n側電極23の表面上に、n側電極23側からMo層(図示せず)、Pt層(図示せず)およびAu層(図示せず)を順次形成することにより、多層構造からなるメタライズ層24を形成する。
次に、このようにして形成された基板(ウエハ)を、スクライブ装置を用いて、リッジ部19(リッジストライプ)が延在する方向と垂直な方向に沿って劈開することで、共振器長を一定とするバーに分割する。分割されたバーの前後方向の端面に、絶縁体コーティング保護膜を形成する。分割されたバーの一方の端面には反射率95%のHRコーティングを、反対側の端面に、反射率5%から35%のARコーティングを実施する。ARコーティングの反射率はレーザの発振出力により所望の値に調整する。
なお、本実施形態では、HRコーティング材料にはSiO、TiOの多層膜を用いるものとし、ARコーティングの材料にはAlを用いるものとする。ただし、これらの材料以外に、たとえばSiN、ZrO、Ta、MgFなどの誘電体膜を用いても構わない。
続いて、バーから窒化物半導体レーザ素子を1つずつ分割して取り出すために、粘着シート(図示せず)に固定した状態のバーに、スクライブ装置によりチップ境界部分(素子境界部分)にスクライブ線を形成する。そして、粘着シートを拡大するなどの手法でチップを個々の素子に切り分けて取り出す。
このようにして、一実施形態による窒化物半導体レーザ素子が形成される。
本実施形態では、上記のように、フォトレジスト膜70を、リッジ部19のみを被覆する形状に形成することによって、フォトレジスト膜70に対応する領域にコンタクト電極20を形成することができる。このため、フォトレジスト膜70を、リッジ部19の側面部の少なくとも一部をも覆うように形成することにより、リッジ部19の側面部分にもコンタクト電極20を形成することができる。これにより、コンタクト電極20とリッジ部19との接触面積を大きくすることができるので、動作電圧を低減することができる。
このように、上記製造方法により得られた窒化物半導体レーザ素子の特性は、より駆動電圧を低減させ安定したものとなり、歩留まりを安定させることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、基板にn型GaN基板を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、InGaN、AlGaN、および、AlGaInNなどからなる基板や、サファイア基板などの絶縁性基板を用いてもよい。なお、基板上に結晶成長される窒化物半導体層の各層については、その厚みや組成等は、所望の特性に合うものに適宜組み合わせたり、変更したりすることが可能である。たとえば、半導体層を追加または削除したり、半導体層の順序を一部入れ替えたりしてもよい。また、導電型を一部の半導体層について変更してもよい。さらに、誘電体膜や電極の構成材料および厚み等についても、適宜変更することができる。すなわち、窒化物半導体レーザ素子としての基本特性が得られる限り自由に変更可能である。
また、上記実施形態では、MOCVD法を用いて窒化物半導体各層を結晶成長させた例を示したが、本発明はこれに限らず、エピタキシャル成長を行うことができる成長法であれば、MOCVD法以外の結晶成長法を用いてもよい。たとえば、HVPE法(Hydride Vapor Phase Epitaxy)やMBE法(Molecular Beam Epitaxy)などを用いて、窒化物半導体各層を結晶成長させるようにしてもよい。
10 窒化物半導体基板
11 n型GaN層層(第一導電型のエピタキシャル層)
12 n型クラッド層(第一導電型のエピタキシャル層)
13 光ガイド層(第一導電型のエピタキシャル層)
14 活性層
15 中間層(第二導電型のエピタキシャル層)
16 蒸発防止層(第二導電型のエピタキシャル層)
17 p型クラッド層(第二導電型のエピタキシャル層)
18 p型コンタクト層(第二導電型のエピタキシャル層)
19 リッジ部
19a 底面に相当する部分
20 コンタクト電極
21 誘電体膜
22 p側パッド電極
23 n側電極
24 メタライズ層
30 共振器端面
30a 光出射端面
30b 光反射端面
40 側面
50 段差部
50a レーザバー分割補助溝
60 レジスト層
70 フォトレジスト膜

Claims (6)

  1. 第一導電型のエピタキシャル層と、活性層と、第二導電型のエピタキシャル層とを積層する工程と、
    前記第二導電型のエピタキシャル層にストライプ状のリッジ部による導波路構造を形成する工程と、
    前記リッジ部のみを被覆する形状となるようにフォトレジスト膜を形成する工程とを備えることを特徴とする、窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  2. 前記フォトレジスト膜を使用して、前記リッジ部の両脇部分に接する誘電体膜をリフトオフ法により形成するリフトオフ工程をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  3. 前記フォトレジスト膜を形成する工程は、
    前記フォトレジスト膜の形状を、フォトレジスト上端部に対して下端部の幅が同じかまたは狭くなるように形成することにより、前記リッジ部の下端部を前記フォトレジスト膜から露出させる工程を含むことを特徴とする、請求項2に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  4. 前記リッジ部の高さをh1とし、前記フォトレジスト膜から露出する前記リッジ部の下端部の露出高さをh2としたときに、
    h2/h1で定義する比率が0.2以上0.8以下であることを特徴とする、請求項3に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  5. 前記フォトレジスト膜を形成する工程は、
    前記リッジ部の上端を起点として前記フォトレジスト膜の厚みを表記した場合に、
    前記フォトレジスト膜を0.5μm以上1.0μm以下の厚みに形成する工程を有することを特徴とする、請求項3または4に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  6. 前記リッジ部の断面形状において、底面に相当する部分に対するその側面部の角度が45度以上80度以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
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CN107863686B (zh) * 2017-10-25 2023-05-09 中国科学院福建物质结构研究所 一种激光二极管与背光探测器集成的制备方法及集成芯片

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