JP5503391B2 - 窒化物系半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents

窒化物系半導体レーザ素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化物系半導体レーザ素子の製造方法に関する。
窒化物系半導体、特に窒化ガリウム(GaN)は、ガリウム砒素系の化合物半導体に比べて大きなバンドギャップを有することから、高密度光ディスク用光源として青紫色レーザダイオードに用いられている他、白色光源や医療分野、フルカラーディスプレイ、プロジェクター光源などその応用分野が多岐にわたる。
特に高密度光ディスク用光源としては、主に映像、データの記録用途として従来のDVD(Digital Versatile Disk)からBD(Blu−ray Disk:登録商標)に徐々に需要が変遷しつつあり、今後さらに青紫色レーザダイオードの市場が拡大することが予想される。
しかしながら、窒化物系半導体を用いた電子デバイスの製造においては、その結晶が化学的に非常に安定であることからエッチングが困難であり、特にウェットエッチングによる手法ではガリウム砒素系の化合物半導体のように量産に適用できるほどの十分な検討がなされていない。このため、現在窒化物系半導体のエッチングではドライエッチングが主流となっている。
一方、青紫色半導体レーザ素子のリッジストライプ形成においては、その形状および加工深さ(エッチング深さ)の精度が、素子特性、特に、FFP(Far Field Pattern:出力光の遠方放射パターン)やKink(半導体レーザ素子の光出力−動作電流特性における非直線性)に大いに影響を与えるため、加工深さ等の不安定性が歩留まりを低下させる原因となる。そのため、リッジストライプの形成においては、高精度のエッチング制御が求められる。
そこで、従来、窒化物系半導体のドライエッチングにおけるエッチング精度を向上させるために、p型クラッド層の所望位置にエッチングストップ層を設けることによって、エッチングが上記エッチングストップ層に到達した段階でエッチングそのものが停止するという手法を用いる提案がなされている(たとえば、特許文献1および2参照)。
また、上記提案では、基板温度の制御によりエッチングレートを制御しており、たとえば、上記特許文献1では、基板を600℃以上の高温にすることでエッチングストップ層としてのGaN層のエッチングレートが低下すること、また、上記特許文献2では、−30℃〜20℃の範囲でエッチングすることでエッチングストップ層としてのInGaN層のエッチングレートが低下することを利用している。
特許第3546634号公報 特許第3812452号公報
しかしながら、上記特許文献1および2で提案されたような従来の手法では、基板温度はエッチングチャンバの処理状況等によって変化し、また、直接観測することも困難であるため、基板温度を一様に制御することが困難であるという不都合がある。このため、従来の手法では、エッチングチャンバの処理状況等によっては、エッチング精度が低下するおそれがある。
このように、窒化物系半導体のドライエッチングでは、従来提案された手法を用いた場合でも、高精度のエッチング制御を行うことが困難であるという問題点がある。なお、エッチングの精度が低い場合、窒化物系半導体レーザ素子の製造において、特性のばらつきが生じるため、歩留まりが低下するという問題点もある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ドライエッチングの精度を向上させることにより、特性のばらつきを抑制することが可能な窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を提供することである。
この発明のもう1つの目的は、優れた素子特性を有する信頼性の高い窒化物系半導体レーザ素子を高い歩留まりで製造することが可能な窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法は、基板上に複数の窒化物系半導体層を積層する工程と、窒化物系半導体層をドライエッチングするとともに、窒化物系半導体層に光を照射して窒化物系半導体層で反射された反射光の干渉波形を観測する光学的手法を用いてドライエッチング時における干渉波形のプロファイルを取得する工程と、窒化物系半導体層をドライエッチングすることにより、窒化物系半導体層に導波路構造を形成する工程とを備えている。そして、導波路構造を形成する工程は、光学的手法を用いて反射光の干渉波形を観測しながら窒化物系半導体層をドライエッチングする工程と、取得された干渉波形のプロファイルを元に、エッチングの終点位置を検知する工程とを含んでいる。
この一の局面による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法では、上記のように、導波路構造を形成する際に、光学的手法を用いて反射光の干渉波形を観測しながら窒化物系半導体層のドライエッチングを行い、予め取得された干渉波形のプロファイルを元に、エッチングの終点位置を検知する。このため、一の局面による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法では、所望の位置でエッチングを停止することができる。これにより、高精度のエッチング制御を行うことができるので、ドライエッチングにより導波路構造を形成する際に、精度よく導波路構造を形成することができる。すなわち、素子特性上最適なエッチング深さを安定して実現することができる。その結果、素子特性のバラツキを抑制することができるので、優れた素子特性を有する信頼性の高い窒化物系半導体レーザ素子を歩留まりよく製造することができる。
また、一の局面では、上記のように構成することによって、簡易な手法にてエッチング深さを精度よく制御することができる。
上記一の局面による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法において、好ましくは、窒化物系半導体層を積層する工程は、基板上に、第1導電型半導体層、活性層および第2導電型半導体層を順に積層する工程を含み、導波路構造を形成する工程は、第2導電型半導体層に、所定方向に延びるストライプ状の凸部を形成する工程を含み、エッチングの終点位置を検知する工程は、第2導電型半導体層の界面に現れる干渉波形上の変極点と、ストライプ状の凸部の形成時に所望する第2導電型半導体層のエッチング残し量とから、ストライプ状の凸部におけるエッチング終点検知の設定値を決定する工程を含む。このように構成すれば、容易に、高精度のエッチング制御を行うことができる。
上記一の局面による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法において、好ましくは、干渉波形のプロファイルを取得する工程は、窒化物系半導体層が積層された基板を分割する際の分割補助溝をドライエッチングにより形成する工程と、分割補助溝の形成時に光学的手法を用いて干渉波形のプロファイルを取得する工程とを含む。このように、分割補助溝の形成時に干渉波形のプロファイルを取得すれば、製造工程が増加するのを抑制することができる。
この場合において、分割補助溝を形成する際の干渉波形の観測を行う位置は、導波路構造を形成する際の干渉波形の観測を行う位置から25mm以内の距離にあるのが好ましい。
上記一の局面による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法において、干渉波形のプロファイルを取得する工程における干渉波形の観測を行う位置は、導波路構造を形成する際の干渉波形の観測を行う位置から25mm以内の距離にあるのが好ましい。このように、導波路構造を形成する際の干渉波形の観測を行う位置から25mm以内の距離にある位置で干渉波形のプロファイルを取得すれば、より高精度のエッチング制御を行うことができる。
上記一の局面による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法において、干渉波形のプロファイルは、導波路構造を形成する工程で用いるドライエッチング装置および干渉波形観測装置と同じ装置を用いて取得するのが好ましい。このように構成すれば、さらに高精度のエッチング制御を行うことができる。
この場合において、ドライエッチング装置には、誘導結合プラズマ(ICP:Inductive Coupled Plasma)方式または反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)方式のエッチング装置を用いることができる。
上記一の局面による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法において、ドライエッチング時に使用するガスは、Cl2、BCl3、SiCl4、CH4、Ar、H2、N2の群から選択される1種以上のガスを含んでいるのが好ましい。
上記一の局面による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法において、干渉波形の観測に使用する光の波長は、300nm〜550nmであるのが好ましい。
この場合において、干渉波形の観測に使用する光の波長は、300nm〜410nmであればより好ましい。
以上のように、本発明によれば、ドライエッチングの精度を向上させることにより、特性のばらつきを抑制することが可能な窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を容易に得ることができる。
また、本発明によれば、優れた素子特性を有する信頼性の高い窒化物系半導体レーザ素子を高い歩留まりで製造することが可能な窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を容易に得ることができる。
本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の全体斜視図である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の平面図である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための斜視図(レーザバー分割補助溝の説明をするための図)である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための図(レーザバー分割補助溝の形成時に取得した干渉波形の一例を示した図)である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための図(リッジ部を形成する際に用いるエッチング装置の一例を示したブロック図)である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図(リッジ部の部分を拡大して示した断面図)である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための平面図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の全体斜視図である。図2は、本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の平面図である。まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造について説明する。
一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子は、図1および図2に示すように、劈開により形成され、互いに対向する一対の共振器端面20を有している。この一対の共振器端面20は、レーザ光が出射される光出射端面20aと、光出射端面20aと反対側の光反射端面20bとからなる。また、一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子は、劈開により形成され、共振器端面20と直交する一対の側端面30を有している。
また、一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子は、図1に示すように、n型GaNからなる窒化物半導体基板1上に、約0.2μmの厚みを有するn型GaN層2が形成されている。n型GaN層2上には、約2.0μmの厚みを有するn型Al0.1Ga0.9Nからなるn型クラッド層3が形成されている。n型クラッド層3上には、約0.2μmの厚みを有するn型GaNからなる光ガイド層4が形成されている。光ガイド層4上には、活性層5が形成されている。この活性層5は、Inx1Ga1-x1Nからなる量子井戸層とInx2Ga1-x2Nからなる障壁層(但し、x1>x2)とが交互に積層された多重量子井戸構造を有している。
活性層5上には、約0.07μmの厚みを有するGaN中間層6が形成されている。GaN中間層6上には、約0.01μmの厚みを有するAl0.15Ga0.85Nからなる蒸発防止層7が形成されている。蒸発防止層7上には、凸部と、凸部以外の平坦部とを有するp型Al0.04Ga0.96Nからなるp型クラッド層8が形成されている。
このp型クラッド層8は、凸部と平坦部との合計厚みが約0.6μmに構成されているとともに、平坦部の厚みが約60nm〜約150nmに構成されている。
また、p型クラッド層8の凸部上には、約0.1μmの厚みを有するp型GaNからなるp型コンタクト層9が形成されている。このp型コンタクト層9とp型クラッド層8の凸部とによって、たとえば約1.0μm〜約1.5μmの幅を有するストライプ状(細長状)のリッジ部10が構成されている。このリッジ部10は、共振器端面20と直交する方向(図2のY方向)に延びるように形成されている。なお、窒化物半導体基板1は、本発明の「基板」の一例であり、n型GaN層2、n型クラッド層3、光ガイド層4、活性層5、GaN中間層6、蒸発防止層7、p型クラッド層8およびp型コンタクト層9は、それぞれ、本発明の「窒化物系半導体層」の一例である。また、n型の半導体層は、本発明の「第1導電型半導体層」の一例であり、p型の半導体層は、本発明の「第2導電型半導体層」の一例である。
また、リッジ部10を構成するp型コンタクト層9上には、所定の厚みを有するp側電極層11がストライプ状(細長状)に形成されている。このp側電極層11は、コンタクト電極として機能し、たとえば、PdもしくはNiを主成分とする材料から構成されている。
また、図1および図2に示すように、共振器端面20と側端面30との角部(四隅)であってリッジ部10を避けた部分には、ドライエッチングによって段差部40が形成されている。さらに、リッジ部10の両脇(p側電極層11を除く領域)には、電流狭窄を行うための絶縁層12が形成されている。具体的には、リッジ部10上部のp側電極層11を除く部分に、SiO2やTiO2などの誘電体膜からなる絶縁層12が形成されている。
絶縁層12の上面上には、p側電極層11よりも大きい平面積を有するp側パッド電極13が、p側電極層11の一部を覆うように形成されている。このp側パッド電極13は、p側電極層11の一部を覆っている部分において、p側電極層11と直接接触している。また、p側パッド電極13は、絶縁層12側からMo層(図示せず)およびAu層(図示せず)が順次積層された多層構造からなる。
また、窒化物半導体基板1の裏面上には、窒化物半導体基板1の裏面側から順に、Hf層(図示せず)およびAl層(図示せず)が順次積層された多層構造からなるn側電極14が形成されている。また、n側電極14上には、n側電極14側から順に、Mo層(図示せず)、Pt層(図示せず)およびAu層(図示せず)が順次積層された多層構造からなるメタライズ層15が形成されている。
また、光出射端面20aには、反射率5%〜35%のAR(Anti Reflection)コーティング膜(図示せず)が形成されている。一方、光反射端面20bには、反射率95%のHR(High Reflection)コーティング膜(図示せず)が形成されている。なお、ARコーティング膜の反射率は、発振出力により所望の値に調整されている。また、ARコーティング膜は、たとえば、Al23から構成されており、HRコーティング膜は、たとえば、SiO2、TiO2の多層膜から構成されている。上記以外の材料として、たとえば、SiN、ZrO2、Ta25、MgF2などの誘電体膜を用いてもよい。
図3〜図17は、本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を説明するための図である。次に、図1および図3〜図17を参照して、本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法について説明する。
まず、n型GaNからなる窒化物半導体基板1を準備する。次に、図3に示すように、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、準備した窒化物半導体基板1上に、窒化物系半導体層2〜9を順に成長させる。具体的には、窒化物半導体基板1上に、約0.2μmの厚みを有するn型GaN層2、約2.0μmの厚みを有するn型Al0.1Ga0.9Nからなるn型クラッド層3、約0.2μmの厚みを有するn型GaNからなる光ガイド層4、多重量子井戸構造を有する活性層5、約0.07μmの厚みを有するGaN中間層6、約0.01μmの厚みを有するp型Al0.15Ga0.85Nからなる蒸発防止層7、約0.6μmの厚みを有するp型Al0.04Ga0.96Nからなるp型クラッド層8、約0.1μmの厚みを有するp型GaNからなるp型コンタクト層9を順次成長させる。
次に、図4に示すように、電子ビーム(EB)蒸着法などを用いて、p型コンタクト層9上に、所定の厚みを有する、PdもしくはNiなどを主成分とするp側電極層11を形成する。次に、p型コンタクト層9とp側電極層11とのオーミック接触が得られるように、高温で電極の合金化を行う。そして、フォトリソグラフィ技術およびウェットエッチング技術を用いて、p側電極層11のパターニングを行う。その後、蒸着法またはスパッタ法などを用いて、0.1μm程度の厚みを有する絶縁マスク層を形成し、p側電極層11のパターニング時に用いたレジスト膜(図示せず)を利用してリフトオフを行うことにより、絶縁マスク層51を形成する。
続いて、図5および図6に示すように、半導体レーザ素子をバー状態に切り出す際に、端面に無用な段差やささくれ状の剥離部分などが形成されるのを避けるために、レーザバー分割補助溝40aを形成する。具体的には、まず、フォトリソグラフィ技術を用いて、絶縁マスク層51(図4参照)上に、開口部を有するレジスト層(図示せず)を形成する。この際、リッジ部10の形成領域を避けた領域であって、最終的に半導体レーザ素子をバー状態に切り出す工程(後述するバー分割工程)の際に劈開面となる部分(劈開予定線L1と劈開予定線L2との交点部分)に開口部が位置するようにレジスト層を形成する。次に、レジスト層をマスクとして、バッファードフッ酸による絶縁マスク層51(図4参照)の除去を行い、開口部に対応する領域において、p型コンタクト層9(図4参照)を露出させる。そして、レジスト層を除去する。その後、絶縁マスク層51をマスクとして、窒化物系半導体層をドライエッチングすることにより、平面的に見て略矩形形状を有するレーザバー分割補助溝40a(図5参照)を形成する。また、上記レーザバー分割補助溝40aは、後の工程で劈開されることによって窒化物系半導体レーザ素子の段差部40(図1および図6参照)に形成される。なお、理解を容易にするために、図6では、絶縁層12(図1参照)およびp側パッド電極13(図1参照)等を取り除いた状態の窒化物系半導体レーザ素子を示している。
ここで、本実施形態では、上記レーザバー分割補助溝40aの形成に、誘導結合プラズマ(ICP)方式または反応性イオンエッチング(RIE)方式のドライエッチング装置を用いる。このドライエッチング装置は、エッチングチャンバの上部に被エッチング材料を鉛直線上に視認できるビューポートを備えており、このビューポートの上部に、少なくとも300nm〜550nmの波長の光を出射および検知できる装置を有している。そして、エッチング時に得られる干渉波形スペクトルをコンピュータにより観測、集計する。
すなわち、本実施形態で用いるドライエッチング装置は、干渉波形観測装置を備えたエッチング装置であり、ドライエッチング時に窒化物系半導体層に光を照射して窒化物系半導体層で反射された反射光の干渉波形を観測することが可能となっている。なお、GaN系の材料における干渉波形の観測には、300nm〜410nmまでの波長範囲の光を利用するのが好ましい。
また、本実施形態では、p型コンタクト層9の上面から少なくともp型クラッド層8よりも深い状態までエッチングを行うことにより、p型クラッド層8よりも深い深さを有するレーザバー分割補助溝40aを形成する。この際、窒化物系半導体層からの反射光を観測しながらドライエッチングを行うことにより、ドライエッチング時の干渉波形のプロファイルを取得する。
なお、本実施形態では、365nm近傍の反射光の干渉波形を観測している。365nm近傍の反射光においては、被エッチング材料による吸収が少なく安定した観測ができる上、蒸発防止層7にエッチングが至ると、p型クラッド層8とのAl組成比の違いにより、その振幅、周期が有意に乱れることを確認できる。このため、この波長帯を利用するのが好ましい。また、本実施形態においては、蒸発防止層7にエッチングが到達したことを確認した後にエッチングを停止することとする。すなわち、光学的手法を用いて干渉波形上の変極点を観察することにより、蒸発防止層7の出現位置を確認した後にエッチングを停止する。このため、この段階においてレーザバー分割補助溝40aは蒸発防止層7よりも深い状態となっている。そして、このようにして取得した干渉波形の一例が図7に示されている。
図7に示すように、変極点Fの部分で振幅および周期が有意に乱れており、この変極点Fの出現が、ドライエッチングの底面が蒸発防止層7に達したことを示している。すなわち、変極点Fが、干渉波形上における蒸発防止層7の出現位置である。また、図7において、干渉波形の一周期a(山と山(谷と谷)の間隔)は、たとえば約67nmとなっている。
続いて、図8に示すように、p側電極層11(図4参照)上に、フォトリソグラフィ技術を用いてストライプ状にパターニングされたレジスト層52を形成する。レジスト層52は、最終的な半導体レーザ素子の共振器方向と平行にパターニングされ、その幅は半導体レーザ素子の発振出力によって異なるが、たとえば1.0μm〜1.5μm程度の幅とする。
次に、レジスト層52をマスクとして、RIEなどのドライエッチングにより、p側電極層11のうち不要部分の除去を行う。これにより、ストライプ状のレジスト層52の部分(リッジ部10の形成部分)以外のp側電極層11が完全に除去される。
次に、上記レジスト層52をマスクとして、p型コンタクト層9の上面からp型クラッド層8の途中の深さまで選択的にドライエッチングを行う。これにより、図9および図10に示すように、p型クラッド層8の凸部とp型コンタクト層9とによって構成されるとともに、約1.0μm〜約1.5μmの幅を有し、共振器方向(Y方向;図10参照)に互いに平行に延びるストライプ状のリッジ部10(ストライプ状の凸部)が形成される。なお、リッジ部10の形成によって、窒化物半導体基板1上に、導波路構造が形成される。
ここで、本実施形態では、リッジ部10を形成するためのドライエッチングは、誘導結合プラズマ(ICP)方式または反応性イオンエッチング(RIE)方式のドライエッチング装置を用いて、反射光の干渉波形を観測しながら行う。このドライエッチング装置は、レーザバー分割補助溝40aを形成するためのドライエッチング装置と同様、光学的手法を用いて反射光の干渉波形を観測可能に構成されている。なお、リッジ部10の形成時には、上記レーザバー分割補助溝40aの形成時と同様、365nm近傍の反射光の干渉波形を観測している。
また、図11に示すように、リッジ部10を形成するためのドライエッチング装置は、たとえば、エッチングチャンバ100と、少なくとも300nm〜550nmの波長の光を出射および検知できる装置(干渉波形観測用光源/分光装置110)と、干渉波形分析/演算用PC(Personal Computer)120と、エッチング制御用PC130とを備えている。干渉波形観測用光源/分光装置110は、光ファイバ105を介して、エッチングチャンバ100の上部に設けられた図示しないビューポート(被エッチング材料を鉛直線上に視認できるビューポート)から光を出射および検知する。干渉波形分析/演算用PC120は、干渉波形観測用光源/分光装置110からの反射光強度信号を入力して、干渉波形の分析/演算を行うとともに、干渉波形に基づいてエッチング終点検知を行う。そして、エッチング終点信号(エンドポイント信号)をエッチング制御用PC130に出力する。エッチング制御用PC130は、干渉波形分析/演算用PC120との間で、RF(高周波)のON/OFF信号を入出力するとともに、干渉波形分析/演算用PC120からのエッチング終点信号が入力されると、エッチングを停止させる。
また、本実施形態では、レーザバー分割補助溝40aの形成時に取得された干渉波形プロファイルを元に、リッジ部10を形成するためのドライエッチングの終点位置を検知する。具体的には、p型クラッド層8と蒸発防止層7との界面に現れる干渉波形上の変極点F(図7参照)と、リッジ部10の形成時に所望するp型クラッド層8のエッチング残し量とから、リッジ部10を形成するためのエッチング終点検知の設定値を決定する。より具体的には、図7に示したように、レーザバー分割補助溝40aの形成時に取得された干渉波形プロファイルにおいて、蒸発防止層7の位置(変極点F)を見極め、p型クラッド層8における所望のエッチング残し量を上記蒸発防止層7(変極点F)から遡り、干渉波形上の位置を予め見極めておく。このようにして、リッジ部10を形成するためのドライエッチングの終点位置を予め決定しておき、エッチング終点検知の設定値を干渉波形観測装置に設定しておく。
ここで、リッジ部10の形成時には、蒸発防止層7上に約60nm〜約150nmのp型クラッド層8を残した状態になるようにエッチング深さを制御する必要がある。すなわち、図12に示すように、p型クラッド層8のエッチング残し量hが、約60nm〜約150nmとなるようにエッチング深さを制御する必要がある。この制御が十分でない場合、半導体レーザ素子の重要な特性であるFFPが所望の値にならなかったり、Kink不良を発生させる要因になったりし、歩留まり低下の原因となる。
このため、図7に示した干渉波形プロファイルにおいて、蒸発防止層7(変極点F)から、約60nm〜約150nm遡った位置を見極めておき、その位置をエッチング終点位置として設定する。図7の干渉波形プロファイルでは、干渉波形の一周期aは約67nmに相当するため、エッチング残し量h(図12参照)を約60nm〜約150nmとするためのエッチング終点位置を容易に決定することができる。そして、エッチングを開始してからエッチング終点位置までの谷(または山)の数をカウントすることにより、その数からエッチング終点検知の設定値を決定することができる。たとえば、エッチングを開始してから11個目の谷の位置が、所望のエッチング残し量である場合、エッチングを開始してから11個目の谷を検知した時にエッチングを停止するように設定しておけば、所望のエッチング残し量とすることが可能となる。このように、エッチング終点を干渉波形観測装置に設定することで、安定的にp型クラッド層8のエッチング残し量h(図12参照)を制御することができる。
また、本実施形態では、リッジ部10の形成時に使用するドライエッチング装置および干渉波形観測装置は、レーザバー分割補助溝40aの形成時に使用するドライエッチング装置および干渉波形観測装置と同一のものを用いている。なお、ドライエッチング時に使用するエッチングガスは、Cl2、BCl3、SiCl4、CH4、Ar、H2、N2の群から選択される1種以上のガスを含むエッチングガスとするのが好ましい。
また、本実施形態の製造方法においては、レーザバー分割補助溝40aの形成時に干渉波形を観測する基板(ウェハ)上の位置と、リッジ部10を形成する際に干渉波形を観測する基板(ウェハ)上の位置との距離を25mm以下にするのが好ましく、隣接する領域で行えばより好ましい。
リッジ部10の形成が完了すると、図13に示すように、電子ビーム蒸着法やスパッタ法などを用いてSiO2やTiO2などの誘電体膜を形成することにより、リッジ部10上のp側電極層11を除く部分に電流狭窄のための絶縁層12を形成する。
続いて、図14および図15に示すように、電子ビーム蒸着法やスパッタ法などを用いて、基板(ウェハ)側からMo層(図示せず)およびAu層(図示せず)を順次形成することにより、絶縁層12上に、多層構造からなるp側パッド電極13を形成する。このp側パッド電極13は、たとえば、平面的に見て略矩形状に形成するとともにマトリクス状に複数形成する。
次に、基板(ウェハ)を分割し易くするために、窒化物半導体基板1の裏面を研削または研磨することにより、窒化物半導体基板1を約100μmの厚みまで薄くする。そして、研削または研磨した面にドライエッチングなどを施して表面を調整する。
その後、図16に示すように、窒化物半導体基板1の裏面上に、真空蒸着法などを用いて、窒化物半導体基板1の裏面側からHf層(図示せず)およびAl層(図示せず)を順次形成することにより、多層構造からなるn側電極14を形成する。そして、n側電極14上に、n側電極14側からMo層(図示せず)、Pt層(図示せず)およびAu層(図示せず)を順次形成することにより、多層構造からなるメタライズ層15を形成する。なお、n側電極14の形成前に、n側の電気特性の調整などの目的でドライエッチングやウェットエッチングを行ってもよい。
このように形成された基板(ウェハ)を、スクライブ装置を用いてリッジ部10が延在する方向(図15のY方向)と垂直な方向(図15のX方向)に沿って劈開(劈開予定線L1で劈開)することにより、図17に示すように、共振器長を一定とするバーに分割する。そして、分割されたバーの前後方向の端面に絶縁体コーティング膜(図示せず)を形成する。具体的には、バーの一方の端面には、反射率95%のHRコーティングを実施し、反対側の端面には、反射率5%〜35%のARコーティングを実施する。なお、ARコーティングの反射率は、半導体レーザ素子の発振出力により所望の値に調整する。また、本実施形態では、HRコーティング材料には、SiO2およびTiO2の多層膜を用いるものとし、ARコーティング材料には、Al23を用いるものとする。ただし、上記以外の材料として、たとえば、SiN、ZrO2、Ta25、MgF2などの誘電体膜を用いてもよい。
次に、バーから窒化物系半導体レーザ素子を1つずつ分割して取り出すために、粘着シートに固定した状態のバーに、スクライブ装置によりチップ境界部分(劈開予定線L2部分)にスクライブ線を形成する。そして、粘着シートを拡大するなどの手法を用いて個々のチップ(素子)に切り分けて取り出す。このようにして、図1に示した本発明の一実施形態による窒化物系半導体レーザ素子が製造される。上記製造方法により得られた窒化物系半導体レーザ素子は、FFP特性およびKink特性がより安定したものとなるため、歩留まりを向上(安定)させることが可能となる。
本実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法では、上記のように、リッジ部10を形成する際に、光学的手法を用いて反射光の干渉波形を観測しながらp型コンタクト層9およびp型クラッド層8のドライエッチングを行い、その際、予め取得された干渉波形のプロファイルを元に、エッチングの終点位置を検知することによって、所望の位置でエッチングを停止することができる。このため、高精度のエッチング制御を行うことができるので、ドライエッチングによりリッジ部10を形成する際に、精度よくリッジ部10を形成することができる。これにより、素子特性上最適なエッチング深さ(p型クラッド層8のエッチング残し量h)を安定して実現することができる。その結果、素子特性のバラツキを抑制することができるので、優れた素子特性を有する信頼性の高い窒化物系半導体レーザ素子を歩留まりよく製造することができる。
また、本実施形態による製造方法では、上記のように構成することによって、簡易な手法にてエッチング深さを精度よく制御することができる。
また、本実施形態では、p型クラッド層8と蒸発防止層7との界面に現れる干渉波形上の変極点Fと、ストライプ状のリッジ部10の形成時に所望するp型クラッド層8のエッチング残し量とから、リッジ部10におけるエッチング終点検知の設定値を決定することによって、容易に、高精度のエッチング制御を行うことができる。
また、本実施形態では、レーザバー分割補助溝40aを形成する際に、光学的手法を用いて干渉波形のプロファイルを取得することによって、干渉波形のプロファイルを取得するために他の領域をエッチングする必要がないので、その分、製造工程が増加するのを抑制することができる。
また、レーザバー分割補助溝40aを形成する際の干渉波形の観測を行う位置を、リッジ部10を形成する際の干渉波形の観測を行う位置から25mm以内とすれば、リッジ部10を形成する際の干渉波形スペクトルを、レーザバー分割補助溝40aを形成する際の干渉波形スペクトルと概ね同一とすることができるので、より確実に精度よくp型クラッド層8のエッチング残し量を制御することができる。
また、本実施形態では、リッジ部10の形成時に使用するドライエッチング装置および干渉波形観測装置を、レーザバー分割補助溝40aの形成時に使用するドライエッチング装置および干渉波形観測装置と同一のものを用いることによって、2つのエッチング工程での干渉波形形状(スペクトル)をより同一形状に近づけることができる。このため、大量生産を行った場合でも、確実にp型クラッド層8のエッチング残し量を精度よく制御することができる。
なお、上記のように、GaN系の材料において、365nm近傍の反射光の干渉波形を観測した場合、反射強度が強く干渉周期が明瞭に観測できるため、従来その干渉周期からエッチング深さを推測し、終点検出を行うことが最も簡易な手法であった。しかしながら、従来の方法では、p型クラッド層のエッチング残し量を十分に制御できない問題があった。一方、干渉波形の観測において、335nm近傍などのより短波長領域の反射光の干渉波形を観測すれば、Al0.15Ga0.85Nからなる蒸発防止層7にエッチングが迫ると、その振幅が有意に拡大することから、エッチングを停止するトリガー信号として利用することができる。しかしながら、この場合には、結晶成長装置の不安定性やその他の生産装置の状況から、実際にはAl組成比や各層の層厚、表面状態(汚染やラフネス)など、ウェハ品質にはゆらぎがあり、他方エッチング装置についてもビューポート部分の汚染や被エッチング材料の傾き、照射光のフォーカシングずれといった要因により、その干渉波形はウェハ間でバラツキを持っている。このため、この場合には、有意に振幅が大きくはなるが、量産によるバラツキを加えた場合には、それらの大きさを量産において全て識別できる一義的なエッチングストップ条件を設定することが困難であった。
これに対し、本実施形態による製造方法では、ウェハ間で層厚などのバラツキがある場合でも、ウェハ毎にエッチング終点位置を設定することができるので、量産によるバラツキを加えたとしても、高精度のエッチング制御を行うことができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、レーザバー分割補助溝の形成時に干渉波形のプロファイルを取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、干渉波形のプロファイルは、レーザバー分割補助溝の形成時以外に取得するようにしてもよい。たとえば、リッジ部を形成する前に、基板(ウェハ)の所定領域をドライエッチングすることにより、そのドライエッチング時に干渉波形のプロファイルを取得するようにしてもよい。その場合、干渉波形を観測する基板(ウェハ)上の位置と、リッジ部を形成する際に干渉波形を観測する基板(ウェハ)上の位置との距離を25mm以下とするのが好ましい。また、干渉波形のプロファイルは、基板(ウェハ)毎に取得するのが好ましい。
また、上記実施形態では、干渉波形観測装置を用いて365nm近傍の反射光の干渉波形を観測した例を示したが、本発明はこれに限らず、上記以外の波長の干渉波形を観測するようにしてもよい。なお、干渉波形の観測に使用する光の波長は、300nm〜550nmであるのが好ましく、300nm〜410nmであればより好ましい。
また、上記実施形態では、p型クラッド層と蒸発防止層との界面に現れる干渉波形上の変極点と、所望するエッチング残し量とからエッチング終点検知の設定値を決定した例を示したが、本発明はこれに限らず、他の半導体層の界面に現れる変極点と、所望するエッチング残し量とからエッチング終点検知の設定値を決定するようにしてもよい。たとえば、p型クラッド層と蒸発防止層との間に他の半導体層が形成されており、その半導体層とp型クラッド層との界面に干渉波形上の変極点が有意に現れれば、その変極点と、所望するエッチング残し量とからエッチング終点検知の設定値を決定するようにしてもよい。
なお、上記実施形態で示したように、リッジ部の形成時に使用するドライエッチング装置および干渉波形観測装置は、干渉波形のプロファイルを取得するために使用するドライエッチング装置および干渉波形観測装置と同一のものを用いるのが好ましいが、異なるドライエッチング装置および干渉波形観測装置を用いて、リッジ部の形成を行うこともできる。
また、上記実施形態では、平面的に見て略矩形形状を有するレーザバー分割補助溝を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、上記レーザバー分割補助溝は、上記以外の形状であってもよい。たとえば、特開2008−305911号公報に開示されているような形状とすることができる。具体的には、たとえば所定方向に延びる溝状にレーザバー分割補助溝を形成することもできる。なお、レーザバー分割補助溝は、トレンチとも呼称され、基板(ウェハ)をバー状に劈開する際に、レーザ素子の活性層端面部分が微小な段差などで破壊されなければ、その形状は溝状であっても、矩形状であってもよい。また、上記以外の形状であってもよい。さらに、レーザバー分割補助溝の形成位置やその深さについても適宜変更することができる。
また、基板にn型GaN基板を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、InGaN、AlGaN、および、AlGaInNなどからなる基板や、サファイア基板などの絶縁性基板を用いてもよい。なお、基板上に結晶成長される窒化物系半導体層の各層については、その厚みや組成等は、所望の特性に合うものに適宜組み合わせたり、変更したりすることが可能である。たとえば、半導体層を追加または削除したり、半導体層の順序を一部入れ替えたりしてもよい。また、導電型を一部の半導体層について変更してもよい。すなわち、窒化物系半導体レーザ素子としての基本特性が得られる限り自由に変更可能である。
さらに、上記実施形態では、MOCVD法を用いて窒化物系半導体各層を結晶成長させた例を示したが、本発明はこれに限らず、エピタキシャル成長を行うことができる成長法であれば、MOCVD法以外の結晶成長法を用いてもよい。たとえば、HVPE法(Hydride Vapor Phase Epitaxy)やMBE法(Molecular Beam Epitaxy)などを用いて、窒化物系半導体各層を結晶成長させるようにしてもよい。
1 窒化物半導体基板(基板)
2 n型GaN層(窒化物系半導体層、第1導電型半導体層)
3 m型クラッド層(窒化物系半導体層、第1導電型半導体層)
4 光ガイド層(窒化物系半導体層、第1導電型半導体層)
5 活性層(窒化物系半導体層)
6 GaN中間層(窒化物系半導体層、第2導電型半導体層)
7 蒸発防止層(窒化物系半導体層、第2導電型半導体層)
8 p型クラッド層(窒化物系半導体層、第2導電型半導体層)
9 p型コンタクト層(窒化物系半導体層、第2導電型半導体層)
10 リッジ部
11 p側電極層
12 絶縁層
13 p側パッド電極
14 n側電極
15 メタライズ層
20 共振器端面
20a 光出射端面
20b 光反射端面
30 側端面
40 段差部
40a レーザバー分割補助溝(分割補助溝)
51 絶縁マスク層
52 レジスト層
100 エッチングチャンバ
105 光ファイバ
110 干渉波形観測用光源/分光装置
120 干渉波形分析/演算用PC
130 エッチング制御用PC

Claims (9)

  1. 基板上に複数の窒化物系半導体層を積層する工程と、
    前記窒化物系半導体層をドライエッチングするとともに、前記窒化物系半導体層に光を照射して前記窒化物系半導体層で反射された反射光の干渉波形を観測する光学的手法を用いてドライエッチング時における干渉波形のプロファイルを取得する工程と、
    前記窒化物系半導体層をドライエッチングすることにより、前記窒化物系半導体層に導波路構造を形成する工程とを備え、
    前記導波路構造を形成する工程は、
    前記光学的手法を用いて反射光の干渉波形を観測しながら前記窒化物系半導体層をドライエッチングする工程と、
    取得された前記干渉波形の前記プロファイルを元に、エッチングの終点位置を検知する工程とを含み、
    前記干渉波形のプロファイルを取得する工程は、
    前記窒化物系半導体層が積層された前記基板を分割する際の分割補助溝をドライエッチングにより形成する工程と、
    前記分割補助溝の形成時に前記光学的手法を用いて前記干渉波形のプロファイルを取得する工程とを含むことを特徴とする、窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  2. 前記窒化物系半導体層を積層する工程は、前記基板上に、第1導電型半導体層、活性層および第2導電型半導体層を順に積層する工程を含み、
    前記導波路構造を形成する工程は、前記第2導電型半導体層に、所定方向に延びるストライプ状の凸部を形成する工程を含み、
    前記エッチングの終点位置を検知する工程は、前記第2導電型半導体層の界面に現れる干渉波形上の変極点と、前記ストライプ状の凸部の形成時に所望する前記 第2導電型半導体層のエッチング残し量とから、前記ストライプ状の凸部におけるエッチング終点検知の設定値を決定する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  3. 前記分割補助溝を形成する際の前記干渉波形の観測を行う位置は、前記導波路構造を形成する際の前記干渉波形の観測を行う位置から25mm以内の距離にあることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  4. 前記干渉波形のプロファイルを取得する工程における前記干渉波形の観測を行う位置は、前記導波路構造を形成する際の干渉波形の観測を行う位置から25mm以内の距離にあることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  5. 前記干渉波形のプロファイルは、前記導波路構造を形成する工程で用いるドライエッチング装置および干渉波形観測装置と同じ装置を用いて取得することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  6. 前記ドライエッチング装置は、誘導結合プラズマ方式または反応性イオンエッチング方式であることを特徴とする、請求項に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  7. 前記ドライエッチング時に使用するガスは、Cl2、BCl3、SiCl4、CH4、Ar、H2、N2の群から選択される1種以上のガスを含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  8. 前記干渉波形の観測に使用する光の波長は、300nm〜550nmであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  9. 前記干渉波形の観測に使用する光の波長は、300nm〜410nmであることを特徴とする、請求項に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
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