JP4712460B2 - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスクシステム等の光情報処理装置に用いられる光ピックアップ光源となる半導体発光装置に関する。
近年、光ディスク装置の光源として、各種の半導体レーザ素子が広範囲に利用されている。その中で、高出力半導体レーザ素子は、ミニディスク(MD)、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD−R/RW)、デジタル汎用ディスク(DVD−R/RW/RAM)、Blue−Ray Disc又はHD−DVD等への書き込み用の光源として用いられており、それぞれ波長域は異なるが、どの波長においても、より高速な書き込み速度を実現するために、高出力化は常に求められている。
活性層における光強度を高めるには、電子と正孔との再結合光を活性層に集中させる。このとき、一般に、出射光は、活性層に対して垂直な方向の光、すなわち垂直方向の拡がり角が、水平方向の拡がり角よりも大きく、その結果、出射光はその光軸に対して垂直な方向の断面形状、すなわち投影面の形状が縦方向に長い楕円形状となる。しかしながら、このように投影面が楕円形状のレーザ光は光ディスクの情報を表わすピット(凹凸)に精確に照射しにくいため、真円に近い程、すなわち楕円率(垂直方向の拡がり角/水平方向の拡がり角)が小さい程好ましい。
以下、従来の低楕円率化を実現する半導体レーザ素子について図13を参照しながら説明する(例えば、特許文献1を参照。)。図13に示すように、n型GaAsからなる基板100の上に、n型GaAsからなる第1バッファ層101、n型GaInPからなる第2バッファ層102、n型AlGaInPからなるクラッド層103(屈折率3.393)、アンドープの多重量子井戸(MQW)活性層104、p型AlGaInPからなる第1クラッド層105(屈折率3.393)、p型GaInPエッチングストップ層106、p型第2クラッド層107(屈折率3.393)、p型GaInPからなる中間バンドギャップ層108、及びp型GaAsからなるキャップ層109が順次結晶成長により形成されている。ここで、p型第2クラッド層107、中間バンドギャップ層108及びキャップ層109は、断面凸状のリッジストライプ部130を構成している。
リッジストライプ部130の両端部(領域B)における側面上及び両側方には、屈折率が1.8の窒化シリコンからなる埋め込み層(電流狭窄層)140が、プラズマ化学的気相堆積(PCVD)法により形成されている。
リッジストライプ部130における領域Bを除いた領域Aの側面上及び両側方には、n型AlInPからなる電流阻止層120(屈折率3.28)が形成され、該電流阻止層120を含むリッジストライプ部130の上には、p型GaAsからなるコンタクト層121(屈折率3.82)が形成され、該コンタクト層121の上にはp側電極123が形成されている。また、基板100のp側電極123の反対側の面上にはn側電極122が形成されている。
この構成により、リッジストライプ部130の両端部を含まない領域Aにおける電流阻止層120の屈折率が3.28であり、逆に、両端部を含む領域Bにおける埋め込み層140の屈折率が1.8と小さいことにより、領域Bにおける屈折率差が大きくなって、水平方向の光閉じ込め効果が高まる。従って、出射光の水平拡がり角が増大するので、該出射光の投影面の形状の低楕円率化を実現できる。
また、窒化シリコンからなる埋め込み層140を領域Bだけでなく、領域Aにまで拡張した場合には、同様に低楕円率化を実現することは可能ではあるが、屈折率差が大きくなり過ぎてしまう。このため、水平方向の光閉じ込め効果は強くなるものの、光出力の線形性(直線性)が損なわれる電流レベル(キンクレベル)が低下して、高出力動作を行なえなくなるが、領域Bの埋め込み層140に窒化シリコンを用いることにより、このキンクレベルの低下を防いでいる。
特開平2004−327545号公報
しかしながら、前記従来の窒化物半導体レーザ素子は、以下のような問題を有している。領域Aにおいては、リッジストライプ部130の埋め込み層であるn型AlInPからなる電流阻止層120の屈折率が3.28であるのに比べて、その両端部の領域Bにおいては、埋め込み層140を構成する窒化シリコンの屈折率が1.8とかなり小さいため、領域Aと領域Bとでは屈折率差が大きい。この大きな屈折率差によって、レーザ光が出射端面に到達する前に、領域Aと領域Bとの境界部分で散乱又は反射が生じる。すなわち、共振器の内部でレーザ光に散乱が発生したり、内部損失が発生したりする。
その上、共振器長が実質的に領域Aに規制されてしまい、設計値よりも短くなるため、所望のデバイス特性、特に高出力動作及び高温動作を実現できなくなってしまう。
本発明は、前記従来の問題を解決し、出射光の光軸に対する垂直な方向の断面(投影面)の形状の低楕円率化を図りながら、高出力動作を実現できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、リッジストライプ部を有する半導体発光装置を、該リッジストライプ部の側方を覆う電流狭窄層における出射光に対する屈折率を、リッジストライプ部が延びる方向に少なくとも3通りに変化させる構成とする。
具体的に、本発明に係る半導体発光装置は、活性層を含む複数の半導体層からなり、上部に幅が一定で且つ断面凸状のストライプ形状を持つリッジストライプ部を有し、端面から発光光を出射する発光部本体と、発光部本体の上におけるリッジストライプ部の側面及び側方の領域を覆うように形成され、発光光の屈折率がリッジストライプ部が延びる方向に変化する少なくとも3通りの屈折率を有する電流狭窄層とを備えていることを特徴とする。
本発明の半導体発光装置によると、電流狭窄層は発光光の屈折率がリッジストライプ部が延びる方向に変化する少なくとも3通りの屈折率を有するため、電流狭窄層における発光光に対する屈折率を、リッジストライプ部の出射端面側の第1の領域で小さくすることにより出射光の断面の低楕円率化を実現でき、且つ出射端面から離れた第2の領域で大きくすることによりキンクレベルの低下を防止することができる。その上、第1の領域と第2の領域との間の第3の領域における屈折率を第1の領域における屈折率と第2の領域における屈折率との中間の値に設定すれば、屈折率の差が段階的又は連続的に変化するため、電流狭窄層の屈折率が変化する部分での発光光の散乱及び内部損失の発生が抑止される。その結果、出射光の投影面の形状の低楕円率化と高出力動作とを実現することができる。
本発明の半導体発光装置において、電流狭窄層は、発光光を出射する出射端面側から少なくとも第1の屈折率、第2の屈折率及び第3の屈折率を有し、第1の屈折率の値、第2の屈折率の値及び第3の屈折率の値はこの順に大きくなるように設定されていることが好ましい。
この場合に、電流狭窄層における第1の屈折率の値、第2の屈折率の値及び第3の屈折率の値は不連続に変化することが好ましい。
また、この場合に、電流狭窄層における第1の屈折率の値、第2の屈折率の値及び第3の屈折率の値は連続的に変化することが好ましい。
屈折率の値が不連続又は連続的に変化する場合に、電流狭窄層は、リッジストライプ部が延びる方向に対して垂直な方向に積層され、屈折率が互いに異なる少なくとも2層からなる積層部を有していることが好ましい。
本発明の半導体発光装置において、電流狭窄層は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ガリウム及び酸化ハフニウムからなる群より選択される少なくとも3つを含むことが好ましい。
また、屈折率の値が連続的に変化する場合に、電流狭窄層は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ガリウム及び酸化ハフニウムからなる群より選択される少なくとも2つを含むことが好ましい。このようにすると、複数の誘電体層により、電流狭窄層の実効屈折率を任意に調整することが可能となるため、所望のデバイス特性を実現できる。また、電流狭窄層の形成が容易となる。
本発明の半導体発光装置において、複数の半導体層は、III-V族窒化物半導体からなることが好ましい。
本発明の半導体発光装置において、リッジストライプ部の幅は、1.0μm以上且つ2.0μm以下であることが好ましい。このようにすると、安定した単一な横モード特性を得られると共に、発光光の光軸に垂直な断面の形状が低楕円率化したビーム形状を得られる。
本発明に係る半導体発光装置によると、電流狭窄層に発光光の屈折率がリッジストライプ部が延びる方向に変化する少なくとも3通りの屈折率を持たせることにより、出射光の投影面の形状の低楕円率化を図りながら、高出力動作を実現することができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るIII-V族窒化物半導体からなる半導体レーザ装置を示している。図1(a)に示すように、例えば、第1の実施形態に係る半導体レーザ装置は、平面形状が長方形でn型窒化ガリウム(GaN)からなる基板1の上に、順次エピタキシャル成長により形成された、n型GaN層2、n型Al0.07Ga0.93Nからなる第1クラッド層3、n型GaNからなる第1光ガイド層4、多重量子井戸(MQW)活性層5、p型GaNからなる第2光ガイド層6、p型Al0.07Ga0.93Nからなる第2クラッド層7及びp型GaNからなるコンタクト層8を有している。
第2クラッド層7の上部には、長手方向に延びるリッジストライプ部20が形成されており、コンタクト層8は該リッジストライプ部20の上面(頂面)にのみ形成されている。ここで、第1クラッド層3、第1光ガイド層4、MQW活性層5、第2光ガイド層6及び第2クラッド層7により発光部本体15が形成される。
また、図1(a)及び(b)に示すように、第2クラッド層7の上面であって、リッジストライプ部20の側面上及び両側方には、出射端面22側から後方(リッジストライプ部20の延伸方向)に、実効屈折率がn1 で領域Aに属する第1電流狭窄層9、実効屈折率がn2 で領域Bに属する第2電流狭窄層10及び実効屈折率がn3 で領域Cに属する第3電流狭窄層11が順次形成されている。
コンタクト層8の上には、リッジストライプ部20の側面すなわち第1電流狭窄層9、第2電流狭窄層10及び第3電流狭窄層11を覆うようにp側電極12が形成され、基板1のn型GaN層2と反対側の面上には、N側電極13が形成されている。
第1電流狭窄層9及び第2電流狭窄層10は、厚さが100nmであり且つ領域Aの長さ寸法は50μmである。第3電流狭窄層11は、厚さが100nmであり且つ領域Cの長さ寸法は500μmである。従って、第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の共振器長(リッジストライプ部20の長さ)は600μmである。
第1の実施形態の特徴として、図2に示すように、第1電流狭窄層9、第2電流狭窄層10及び第3電流狭窄層11の発光光の波長(発振波長)に対する屈折率n1 、n2 、n3 は、そのいずれもがリッジストライプ部20を構成するp型Al0.07Ga0.93Nからなる第2クラッド層7の屈折率である2.52よりも小さく、さらに、n1 <n2 <n3 <2.52の関係式が成立するように構成されている。なお、本願明細書においては、半導体及び誘電体の屈折率は、本発明に係る半導体レーザ装置が発振する400nm程度の波長に対する実効屈折率を指すが、単に屈折率とも呼ぶ。
以下、前記のように構成された半導体レーザ装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図3(a)、(b)及び図4(a)、(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法の工程順の断面構成を示している。
まず、図3(a)に示すように、例えば有機金属気相成長(MOCVD)法等により、n型GaNからなる基板1の主面上に、AlGaNからなる低温成長バッファ層(図示せず)を堆積し、その後、n型GaN層2、n型Al0.07Ga0.93Nからなる第1クラッド層3、n型GaNからなる第1光ガイド層4、MQW活性層5、p型GaNからなる第2光ガイド層6、p型Al0.07Ga0.93Nからなる第2クラッド層7及びp型GaNからなるコンタクト層8を順次成長させる。ここで、MQW活性層5は、厚さが3.5nmのGa0.92In0.08Nからなる井戸層と、厚さが7.0nmのGaNからなるバリア層とを3周期分組み合わせて構成する。
次に、図3(b)に示すように、リソグラフィ法により、コンタクト層8におけるリッジストライプ部形成領域を覆う第1のレジストパターン(図示せず)を形成し、その後、形成したレジストパターンをマスクとして、コンタクト層8及びその下の第2クラッド層7に対して塩素(Cl2 )ガスを主成分とする反応性イオンエッチング(RIE)を行なって、コンタクト層8と第2クラッド層7の上部を除去することにより、コンタクト層8及び第2クラッド層からリッジストライプ部20を形成する。ここで、半導体レーザ装置に対して、高出力特性を実現する高いキンクレベルと、発光光の投影面形状の低楕円率化を実現する水平拡がり角の広角化とを同時に満たすには、図5の横軸に示すリッジ幅と、縦軸に示すMQW活性層5の上面から第2クラッド層7のリッジストライプ部20側方の上面までの厚さである残し厚とから決定される「設計範囲」に設定することが望ましい。すなわち、リッジ幅は1.0μm以上且つ2.0μm以下が好ましく、水平拡がり角は8°以上が好ましい。第1の実施形態においては、リッジ幅を1.6μmとし且つ残し厚を0.18μmとしている。
次に、図4(a)に示すように、第1のレジストパターンを除去した後、リソグラフィ法により、リッジストライプ部20の上面及び第2クラッド層7上の領域A及び領域Bを覆う第2のレジストパターン(図示せず)を形成する。続いて、例えば、電子サイクロトロン共鳴(ECR)スパッタ法により、ECRプラズマ、金属タンタル(Ta)からなるターゲット材、アルゴン(Ar)ガス及び酸素(O2 )ガスを用いて、第2のレジストパターンをマスクとして、リッジストライプ部20を含む第2クラッド層7の上に、酸化タンタル(Ta25)層を堆積し、第2のレジストパターンをアセトン等の有機溶剤によりリフトオフすることにより、第2クラッド層7上の領域Cに酸化タンタルからなる第3電流狭窄層11を形成する。その後、同様にリソグラフィ法により、リッジストライプ部20の上面及び第2クラッド層7上の領域A及び領域Cを覆う第3のレジストパターン(図示せず)を形成する。続いて、ECRスパッタ法により、ECRプラズマ、金属シリコン(Si)からなるターゲット材、Arガス及びN2 ガスを用いて、第3のレジストパターンをマスクとして、リッジストライプ部20を含む第2クラッド層7の上に、窒化シリコン(SiN)層を堆積し、第3のレジストパターンをアセトン等の有機溶剤によりリフトオフすることにより、第2クラッド層7上の領域Bに窒化シリコンからなる第2電流狭窄層10を形成する。その後、同様にリソグラフィ法により、リッジストライプ部20の上面及び第2クラッド層7上の領域B及び領域Cを覆う第4のレジストパターン(図示せず)を形成する。続いて、ECRスパッタ法により、ECRプラズマ、金属シリコン(Si)からなるターゲット材、Arガス及びO2 ガスを用いて、第4のレジストパターンをマスクとして、リッジストライプ部20を含む第2クラッド層7の上に、酸化シリコン(SiO2 )層を堆積し、第4のレジストパターンをアセトン等の有機溶剤によりリフトオフすることにより、第2クラッド層7上の領域Aに酸化シリコンからなる第1電流狭窄層9を形成する。
この工程により、第1の実施形態に係る半導体レーザ装置に、リッジストライプ部20の側面及び側方を覆う電流狭窄層として、出射端面22側から、屈折率が1.56の酸化シリコンからなる第1電流狭窄層9、屈折率が2.07の窒化シリコンからなる第2電流狭窄層10及び屈折率が2.23の酸化タンタルからなる第3電流狭窄層11が形成される。なお、第1の実施形態においては、各電流狭窄層9、10、11を、第3電流狭窄層11、第2電流狭窄層10及び第1電流狭窄層9の順に形成したが、第1電流狭窄層9、第2電流狭窄層10及び第3電流狭窄層11の順に形成してもよく、第2電流狭窄層10を裂き形成してもよい。
次に、図4(b)に示すように、リソグラフィ法により、各電流狭窄層9、10、11の上におけるp側電極形成領域、すなわち少なくともリッジストライプ部20の上面及び側面を露出する開口パターンを有する第5のレジストパターン(図示せず)を形成し、形成した第5のレジストパターンをマスクとして、スパッタ法又は真空蒸着法等により、リッジストライプ部20の上に、例えばニッケル(Ni)、白金(Pt)及び金(Au)からなる金属積層膜を形成する。その後、第5のレジストパターンをアセトン等の有機溶剤によりリフトオフすることにより、堆積した金属積層膜からなるp側電極12を形成する。続いて、基板1のp側電極12の反対側の面上に全面的に、例えばチタン(Ti)及びアルミニウム(Al)の積層膜からなるn側電極13を形成する。
ここで、p側電極12の形成材料は、Ni/Pt/Auに限られず、半導体レーザ装置における動作電圧を下げられるように、コンタクト層8とのコンタクト抵抗を低くできると共に、コンタクト層8及び各電流狭窄層9、10、11との密着性が良好な材料であればよい。従って、Ni/Pt/Au以外にも、Ni/Au、パラジウム(Pd)/白金(Pt)、パラジウム(Pd)単体、又はパラジウム(Pd)/モリブデン(Mo)を用いることができる。
以上説明したように、第1の実施形態によると、発光部本体15の上部に形成されたリッジストライプ部20の側面及び側方を覆い、該リッジストライプ部20の上面のみから動作電流を注入するための電流狭窄層を、出射端面22側から酸化シリコンからなる第1電流狭窄層9、窒化シリコンからなる第2電流狭窄層10及び酸化タンタルからなる第3電流狭窄層11を順次形成して、図2に示すように、各電流狭窄層9、10、11の屈折率を出射端面22側から順次大きくしている。これにより、出射端面22を含む領域Aにおいては、リッジストライプ部20との間の比較的に大きい屈折率差によって、光の水平方向の閉じ込め効果が大きくなるため、水平拡がり角を増大させることができ、発光光の投影面の断面形状の低楕円率化を実現できる。一方、領域A及びBを除く大部分の領域を占める領域Cにおいては、リッジストライプ部20との間の比較的に小さい屈折率差によって、キンクレベルが上昇するため、高出力動作に必要な内部構造を維持できる。
その上、第1の実施形態においては、領域Aと領域Cとの間に位置する領域Bに、屈折率が領域Aと領域Cとの間の値を持つ第2電流狭窄層10を設けることにより、ストライプ(共振器)方向の異なる屈折率差を2段階のステップ状に変化させることができる。このため、共振器内部における光の散乱及び反射を防ぐことができるので、高出力動作が可能な半導体レーザ装置を得ることができる。
なお、第1の実施形態においては、第1電流狭窄層9に屈折率n1 が1.56の酸化シリコン(SiO2 )を用い、第2電流狭窄層10に屈折率n2 が2.07の窒化シリコン(Si34)を用い、第3電流狭窄層11に屈折率n3 が2.22の酸化タンタル(Ta25)を用いたが、[表1]に示す誘電体のなかから、n1 <n2 <n3 を満たす範囲で任意に選択することができる。
Figure 0004712460
さらには、n1 <n2 <n3 を満たす範囲で、第1電流狭窄層9に酸化シリコン(SiO2 )、酸化アルミニウム(Al23)又は酸化ガリウム(Ga23)を用い、第2電流狭窄層10に酸化アルミニウム(Al23)、酸化ガリウム(Ga23)、窒化アルミニウム(Si34)、酸化チタン(TiO2 )又は窒化シリコン(Si34)を用い、第3電流狭窄層11に酸化ハフニウム(Hf25)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化タンタル(Ta25)又は酸化ニオブ(Nb25)を用いることが好ましい。但し、例えば第3電流狭窄層11に屈折率が2.00のHf25を用いる場合には、第2電流狭窄層10には、屈折率が1.82のGa23又は屈折率が1.64のAl23を選択し、第2電流狭窄層10にAl23を選択した場合には、第1電流狭窄層9には、屈折率が1.56のSiO2 を選択する。
このようにして得られた第1の実施形態に係る半導体レーザ装置において、n側電極13を接地し、p側電極12に正電圧を印加すると、MQW活性層5にキャリアが注入されて、該MQW活性層5内で光学利得が生じ、発振波長が400nm程度のレーザ発振を起こす。
なお、第1の実施形態においては、電流狭窄層9、10、11を3種類の材料で形成する場合を示したが、4種類かそれ以上の屈折率が異なる材料で形成してもよい。共振器内部における光の散乱及び反射をより確実に防ぐには、電流狭窄層における共振器方向の屈折率の変化が小さい方が好ましいからである。この場合も、少なくとも4通りの屈折率を持つ複数の電流狭窄層は、発光部本体15の出射端面22に近い程、各屈折率が段階的に低くなるように形成する。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図6(a)は本発明の第2の実施形態に係るIII-V族窒化物半導体からなる半導体レーザ装置を示し、図6(b)は半導体レーザ装置における電流狭窄層の共振器方向の断面構成を示している。図6(a)及び(b)において、図1(a)及び(b)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図6(b)に示すように、第1の実施形態との相違点は、リッジストライプ部20の側面及び側方を覆う電流狭窄層として、実効屈折率n1 が1.56の酸化シリコンからなる第1の電流狭窄層9を領域A及び領域Bに跨って形成し、実効屈折率n3 が2.22の酸化タンタルからなる第2の電流狭窄層14を領域B及び領域Cに跨って形成し、領域Bにおいては、第1の電流狭窄層9と第2の電流狭窄層14とが積層される点である。
具体的には、第1電流狭窄層9は、厚さが50nmであり且つ領域A及び領域Bの長さ寸法は100μmであり、第2電流狭窄層14は、厚さが100nmであり且つ領域B及び領域Cの長さ寸法は550μmである。従って、共振器長が600μmであることから、領域Bの長さ寸法は50μmである。
このように、第2の実施形態に係る半導体レーザ装置は、領域Bにおいて、酸化シリコンからなる第1の電流狭窄層9と酸化タンタルからなる第2の電流狭窄層14とを積層して形成することにより、領域Bの実効屈折率をn2 とすると、領域A、B及びCの各屈折率には、n1 <n2 <n3 の関係式が成立する。すなわち、2種類の誘電体材料からなる電流狭窄層9、14を設けることにより、第1の実施形態と同様に、電流狭窄層9、14を共振器方向に3通りで且つ段階的に変化させることができる。
以下、前記のように構成された半導体レーザ装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図7(a)、(b)及び図8(a)、(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法の工程順の断面構成を示している。
まず、図7(a)に示すように、第1の実施形態と同様に、MOCVD法により、n型GaNからなる基板1の主面上に、n型GaN層2、n型Al0.07Ga0.93Nからなる第1クラッド層3、n型GaNからなる第1光ガイド層4、MQW活性層5、p型GaNからなる第2光ガイド層6、p型Al0.07Ga0.93Nからなる第2クラッド層7及びp型GaNからなるコンタクト層8を順次成長させる。その後、コンタクト層8の上に形成したリッジストライプ部形成領域を覆う第1のレジストパターンをマスクとして、コンタクト層8及び第2クラッド層7に対して選択的にドライエッチングを行なって、リッジストライプ部20を形成する。
次に、図7(b)に示すように、第1のレジストパターンを除去した後、リソグラフィ法により、リッジストライプ部20の上面及び第2クラッド層7上の領域Cを覆う第2のレジストパターン(図示せず)を形成する。続いて、例えば、ECRスパッタ法により、ECRプラズマ、金属シリコン(Si)からなるターゲット材、アルゴン(Ar)ガス及び酸素(O2 )ガスを用いて、第2のレジストパターンをマスクとして、リッジストライプ部20を含む第2クラッド層7の上に、酸化シリコン(SiO2 )層を堆積し、第2のレジストパターンを有機溶剤によりリフトオフすることにより、第2クラッド層7上の領域A及び領域Bに酸化シリコンからなる第1電流狭窄層9を形成する。
次に、図8(a)に示すように、リソグラフィ法により、リッジストライプ部20の上面及び第2クラッド層7上の領域Aを覆う第3のレジストパターン(図示せず)を形成する。続いて、ECRスパッタ法により、ECRプラズマ、金属タンタル(Ta)からなるターゲット材、Arガス及びO2 ガスを用いて、第3のレジストパターンをマスクとして、リッジストライプ部20を含む第2クラッド層7の上に、酸化タンタル(Ta25)層を堆積し、第3のレジストパターンを有機溶剤によりリフトオフすることにより、第2クラッド層7上の領域B及び領域Cに酸化タンタルからなる第2電流狭窄層14を形成する。これにより、領域Bにおいては、第1電流狭窄層9の上に第2電流狭窄層14が積層される。なお、この積層部分において、共振器で生成される光の分布が第3電流狭窄層14にまで達するように、本実施形態においては、第1電流狭窄層9の厚さを50nmとしている。また、第3電流狭窄層14を第1電流狭窄層9よりも先に形成してもよいが、この場合には、第2電流狭窄層14の厚さを領域Bにおいて50nmとする。
次に、図8(b)に示すように、リソグラフィ法により、各電流狭窄層9、14の上におけるp側電極形成領域、すなわち少なくともリッジストライプ部20の上面及び側面を露出する開口パターンを有する第4のレジストパターン(図示せず)を形成し、形成した第4のレジストパターンをマスクとして、スパッタ法又は真空蒸着法等により、リッジストライプ部20の上に、例えばニッケル(Ni)、白金(Pt)及び金(Au)からなる金属積層膜を形成する。その後、第4のレジストパターンを有機溶剤によりリフトオフすることにより、堆積した金属積層膜からなるp側電極12を形成する。続いて、基板1のp側電極12の反対側の面上に全面的に、例えばチタン(Ti)及びアルミニウム(Al)の積層膜からなるn側電極13を形成する。
以上説明したように、第2の実施形態によると、第1クラッド層3、第1光ガイド層4、MQW活性層5、第2光ガイド層6及び第2クラッド層7を含む発光部本体15の上部に形成されたリッジストライプ部20の側面及び側方を覆い、該リッジストライプ部20の上面のみから動作電流を注入するための電流狭窄層を、出射端面22側から酸化シリコンからなる第1電流狭窄層9及び酸化タンタルからなる第2電流狭窄層14を領域Bにおいて積層することにより、各電流狭窄層9、14の屈折率を出射端面22側から3通りに段階的に大きくしている。これにより、出射端面22を含む領域Aにおいては、リッジストライプ部20との間の比較的に大きい屈折率差によって、光の水平方向の閉じ込め効果が大きくなるため、水平拡がり角を増大させることができ、発光光の投影面の断面形状の低楕円率化を実現できる。一方、領域A及びBを除く大部分の領域を占める領域Cにおいては、リッジストライプ部20との間の比較的に小さい屈折率差によって、キンクレベルが上昇するため、高出力動作に必要な内部構造を維持できる。
その上、第2の実施形態においては、領域Aと領域Cとの間に位置する領域Bに、屈折率が領域Aと領域Cとの間の値を持つ、第1電流狭窄層9と第2電流狭窄層14とからなる積層部を設けることにより、ストライプ(共振器)方向の異なる屈折率差を2段階のステップ状に変化させることができる。このため、共振器内部における光の散乱及び反射を防ぐことができるので、高出力動作が可能な半導体レーザ装置を得ることができる。
なお、第2の実施形態においては、第1電流狭窄層9に屈折率n1 が1.56の酸化シリコン(SiO2 )を用い、第2電流狭窄層14に屈折率n3 が2.22の酸化タンタル(Ta25)を用いたが、前掲した[表1]に示す誘電体のなかから、n1 <n3 を満たす範囲で任意に選択することができる。
なお、第1電流狭窄層9に酸化シリコン(SiO2 )、酸化アルミニウム(Al23)又は酸化ガリウム(Ga23)を用い、第2電流狭窄層14に酸化ハフニウム(Hf25)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化タンタル(Ta25)又は酸化ニオブ(Nb25)を用いることが好ましい。
このようにして得られた第2の実施形態に係る半導体レーザ装置において、n側電極13を接地し、p側電極12に正電圧を印加すると、MQW活性層5にキャリアが注入されて、該MQW活性層5内で光学利得が生じ、発振波長が400nm程度のレーザ発振を起こす。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図9(a)は本発明の第3の実施形態に係るIII-V族窒化物半導体からなる半導体レーザ装置を示し、図9(b)は半導体レーザ装置における電流狭窄層の共振器方向の断面構成を示している。図9(a)及び(b)において、図6(a)及び(b)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図9(b)に示すように、第3の実施形態に係るリッジストライプ部20の側面及び側方を覆う電流狭窄層は、領域Bに形成された酸化シリコンからなる第1の電流狭窄層9の厚さを領域C側に向かって除々に薄くなるテーパ状に形成している。
具体的には、第1電流狭窄層9は、厚さが100nmであり且つ領域A及びBの長さ寸法は60μmであり、酸化タンタルからなる第2電流狭窄層14は、厚さが100nmであり且つ領域B及びCの長さ寸法は550μmである。従って、共振器長が600μmであることから、領域Bの長さ寸法は10μmである。
このように、第3の実施形態に係る半導体レーザ装置は、領域Bにおいて、酸化シリコンからなる第1の電流狭窄層9と酸化タンタルからなる第2の電流狭窄層14とを積層して形成することにより、領域Bの実効屈折率をn2 とすると、領域A、B及びCの各屈折率には、n1 <n2 <n3 の関係式が成立する。さらに、第3の実施形態においては、領域Bにおいて第1電流狭窄層9の断面形状を領域C側に薄くするテーパ状としているため、2種類の誘電体材料からなる第1電流狭窄層9及び第2電流狭窄層14の接合部分において、屈折率が連続的に変化する。従って、第1電流狭窄層9及び第2電流狭窄層14を共振器方向に少なくとも3通りで且つ連続的に変化させることができる。
以下、前記のように構成された半導体レーザ装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図10(a)、(b)、図11(a)、(b)及び図12(a)、(b)は本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法の工程順の断面構成を示している。
まず、図10(a)に示すように、第1の実施形態と同様に、MOCVD法により、n型GaNからなる基板1の主面上に、n型GaN層2、n型Al0.07Ga0.93Nからなる第1クラッド層3、n型GaNからなる第1光ガイド層4、MQW活性層5、p型GaNからなる第2光ガイド層6、p型Al0.07Ga0.93Nからなる第2クラッド層7及びp型GaNからなるコンタクト層8を順次成長させる。その後、コンタクト層8の上に形成したリッジストライプ部形成領域を覆う第1のレジストパターンをマスクとして、コンタクト層8及び第2クラッド層7に対して選択的にエッチングを行なって、リッジストライプ部20を形成する。
次に、図10(b)に示すように、第1のレジストパターンを除去した後、リソグラフィ法により、リッジストライプ部20の上面を覆う第2のレジストパターン(図示せず)を形成する。続いて、例えば、ECRスパッタ法により、ECRプラズマ、金属シリコン(Si)からなるターゲット材、アルゴン(Ar)ガス及び酸素(O2 )ガスを用いて、第2のレジストパターンをマスクとして、リッジストライプ部20を含む第2クラッド層7の上に、酸化シリコン(SiO2 )層を堆積し、第2のレジストパターンを有機溶剤によりリフトオフすることにより、第2クラッド層7上におけるリッジストライプ部20の側面上及び側方の領域に酸化シリコンからなる第1電流狭窄層9を全面的に形成する。
次に、図11(a)に示すように、リソグラフィ法により、リッジストライプ部20の上面及び酸化シリコン層における領域A及び領域Bを覆う第3のレジストパターン25を形成する。このとき第3のレジストパターン25に対して、露光時間及び現像時間を通常よりも長く設定することにより、第3のレジストパターン25の領域Bに含まれる部分を領域C側に向かって薄くなるテーパ状とすることができる。
次に、図11(b)に示すように、領域Bを覆う部分がテーパ状とされた第3のレジストパターン25をマスクとして、酸化シリコン層に対して、例えばテトラフルオロカーボン(CF4 )ガスを主成分とする反応性イオンエッチング(RIE)を行なうことにより、第2クラッド層7上のリッジストライプ部20の上面を除く領域A及び領域Bに酸化シリコンからなる第1電流狭窄層9を形成する。このとき、第3のレジストパターン25における領域B上のテーパ部分は酸化シリコンよりもエッチングレートは低いものの、エッチングガスによりエッチングされるため、第1電流狭窄層9の領域Bを覆う部分にも、領域C側に向かって薄くなるテーパ状部分が形成される。その後、第3のレジストパターン25を除去する。
次に、図12(a)に示すように、リソグラフィ法により、リッジストライプ部20の上面及び第2クラッド層7上の領域Aを覆う第4のレジストパターン(図示せず)を形成する。続いて、ECRスパッタ法により、ECRプラズマ、金属タンタル(Ta)からなるターゲット材、Arガス及びO2 ガスを用いて、第4のレジストパターンをマスクとして、リッジストライプ部20を含む第2クラッド層7の上に、酸化タンタル(Ta25)層を堆積し、第4のレジストパターンを有機溶剤によりリフトオフすることにより、第2クラッド層7上の領域B及び領域Cに酸化タンタルからなる第2電流狭窄層14を形成する。これにより、領域Bにおいては、第1電流狭窄層9の上に第2電流狭窄層14が積層される。
次に、図12(b)に示すように、リソグラフィ法により、各電流狭窄層9、14の上におけるp側電極形成領域、すなわち少なくともリッジストライプ部20の上面及び側面を露出する開口パターンを有する第5のレジストパターン(図示せず)を形成し、形成した第5のレジストパターンをマスクとして、スパッタ法又は真空蒸着法等により、リッジストライプ部20の上に、例えばニッケル(Ni)、白金(Pt)及び金(Au)からなる金属積層膜を形成する。その後、第5のレジストパターンを有機溶剤によりリフトオフすることにより、堆積した金属積層膜からなるp側電極12を形成する。続いて、基板1のp側電極12の反対側の面上に全面的に、例えばチタン(Ti)及びアルミニウム(Al)の積層膜からなるn側電極13を形成する。なお、第3電流狭窄層14を第1電流狭窄層9よりも先に形成してもよい。
以上説明したように、第3の実施形態によると、第1クラッド層3、第1光ガイド層4、MQW活性層5、第2光ガイド層6及び第2クラッド層7を含む発光部本体15の上部に形成されたリッジストライプ部20の側面及び側方を覆い、該リッジストライプ部20の上面のみから動作電流を注入するための電流狭窄層を、出射端面22側から酸化シリコンからなる第1電流狭窄層9及び酸化タンタルからなる第2電流狭窄層14を領域Bにおいて積層し、且つ、第1電流狭窄層9を領域Bにおいてテーパ状とすることにより、各電流狭窄層9、14の屈折率を出射端面22側から連続に大きくしている。これにより、出射端面22を含む領域Aにおいては、リッジストライプ部20との間の比較的に大きい屈折率差によって、光の水平方向の閉じ込め効果が大きくなるため、水平拡がり角を増大させることができ、発光光の投影面の断面形状の低楕円率化を実現できる。一方、領域A及びBを除く大部分の領域を占める領域Cにおいては、リッジストライプ部20との間の比較的に小さい屈折率差によって、キンクレベルが上昇するため、高出力動作に必要な内部構造を維持できる。
その上、第3の実施形態においては、領域Aと領域Cとの間に位置する領域Bに、屈折率が領域Aと領域Cとの間の値を持つ、第1電流狭窄層9と第2電流狭窄層14とからなる積層部をテーパ状としていることにより、ストライプ(共振器)方向の異なる屈折率差を連続的に変化させることができる。このため、共振器内部における光の散乱及び反射をより確実に防止できるので、高出力動作が可能な半導体レーザ装置を得ることができる。
なお、領域Aには、第2電流狭窄層14の端部が存在し、屈折率差が不連続に発生するが、第2電流狭窄層9の厚さをある程度大きくすることにより、電流狭窄層の外側への光の染み出しを抑制することができる。第2電流狭窄層9の厚さをある程度大きくすると、発光光は第2電流狭窄層14を感知しなくなるため、領域Bにおける連続的な屈折率分布を実現することが可能となる。例えば、第1電流狭窄層9の厚さは100nm以上が必要であり、ここでは100nmとしている。
なお、第3の実施形態においては、第1電流狭窄層9に屈折率n1 が1.56の酸化シリコン(SiO2 )を用い、第2電流狭窄層14に屈折率n3 が2.22の酸化タンタル(Ta25)を用いたが、前掲した[表1]に示す誘電体のなかから、n1 <n3 を満たす範囲で任意に選択することができる。
なお、第2の実施形態と同様に、第1電流狭窄層9に酸化シリコン(SiO2 )、酸化アルミニウム(Al23)又は酸化ガリウム(Ga23)を用い、第2電流狭窄層14に酸化ハフニウム(Hf25)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化タンタル(Ta25)又は酸化ニオブ(Nb25)を用いることが好ましい。
このようにして得られた第3の実施形態に係る半導体レーザ装置において、n側電極13を接地し、p側電極12に正電圧を印加すると、MQW活性層5にキャリアが注入されて、該MQW活性層5内で光学利得が生じ、発振波長が400nm程度のレーザ発振を起こす。
なお、第1〜第3の各実施形態においては、発光部本体15を形成する基板1として、窒化ガリウム(GaN)を用いたが、これに限られない。例えば、サファイア(単結晶Al23)、サファイア又はGaNからなる基板上にELOG(Epitaxial Lateral Over Growth)法若しくはABLEG(Air Bridge Lateral Epitaxial Growth)法を用いた低転位基板、レーザリフトオフ法によりサファイア基板を除去したGaNテンプレート基板又は炭化ケイ素(SiC)を用いることができる。さらには、砒化ガリウム(GaAs)、酸化ネオジムガリウム(NdGaO3:NGO)、酸化リチウムガリウム(LiGaO3:LGO)又はシリコン(Si)等を用いることができる。
また、各実施形態においては、発光部本体15を構成する化合物半導体材料に窒化ガリウム系半導体を用いたが、他の材料系、例えばAlGaInP系、AlGaAs系又はInGaAsP系の化合物半導体にも適用可能である。
本発明に係る半導体発光装置は、電流狭窄層に発光光の屈折率がリッジストライプ部が延びる方向に変化する少なくとも3通りの屈折率を持たせることにより、出射光の投影面の形状の低楕円率化を図りながら高出力動作を実現でき、光ディスクシステム等の光情報処理装置に用いられる光ピックアップ光源となる半導体発光装置等に有用である。
(a)は本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置を示す斜視図であり、(b)はリッジストライプ部に設けられる電流狭窄層を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の平面図と、電流狭窄層における領域ごとの屈折率を対応させたグラフである。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を示す工程順の斜視図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を示す工程順の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置におけるリッジストライプ部の幅(リッジ幅)と第2クラッド層の残し膜厚との関係を表わすグラフである。 (a)は本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置を示す斜視図であり、(b)はリッジストライプ部に設けられる電流狭窄層を示す断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を示す工程順の斜視図である。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を示す工程順の斜視図である。 (a)は本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置を示す斜視図であり、(b)はリッジストライプ部に設けられる電流狭窄層を示す断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を示す工程順の斜視図である。 (a)及び(b)は本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を示す工程順の斜視図である。 (a)及び(b)は本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を示す工程順の斜視図である。 従来の半導体レーザ装置を示す斜視図であ
符号の説明
1 基板
2 n型GaN層
3 第1クラッド層
4 第1光ガイド層
5 多重量子井戸(MQW)活性層
6 第2光ガイド
7 第2クラッド層
8 コンタクト層
9 第1電流狭窄層
10 第2電流狭窄層
11 第3電流狭窄層
12 p側電極
13 n側電極
14 第2電流狭窄層
15 発光部本体
20 リッジストライプ部
22 出射端面
25 第3のレジストパターン

Claims (9)

  1. 活性層を含む複数の半導体層からなり、上部に幅が一定で且つ断面凸状のストライプ形状を持つリッジストライプ部を有し、端面から発光光を出射する発光部本体と、
    前記発光部本体の上における前記リッジストライプ部の側面及び側方の領域を覆うように形成され、前記発光光の屈折率が前記リッジストライプ部の延びる方向に少なくとも3通りに変化する電流狭窄層とを備え
    前記電流狭窄層は、前記発光光を出射する出射端面側から少なくとも第1の屈折率(n1)を持つ第1領域、第2の屈折率(n2)を持つ第2領域及び第3の屈折率(n3)を持つ第3領域からなり、前記リッジストライプ部の屈折率をn0とすると、n1<n2<n3<n0となるように設定されていることを特徴とする半導体発光装置。
  2. 前記電流狭窄層における前記第1の屈折率の値、第2の屈折率の値及び第3の屈折率の値は不連続に変化することを特徴とする請求項に記載の半導体発光装置。
  3. 前記電流狭窄層における前記第1の屈折率の値、第2の屈折率の値及び第3の屈折率の値は連続的に変化することを特徴とする請求項に記載の半導体発光装置。
  4. 前記電流狭窄層は、前記リッジストライプ部が延びる方向に対して垂直な方向に積層され、屈折率が互いに異なる少なくとも2層からなる積層部を有していることを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体発光装置。
  5. 前記電流狭窄層は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ガリウム及び酸化ハフニウムからなる群より選択される少なくとも3つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
  6. 前記電流狭窄層は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ガリウム及び酸化ハフニウムからなる群より選択される少なくとも2つを含むことを特徴とする請求項1、3及び4のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  7. 前記複数の半導体層は、III-V族窒化物半導体からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  8. 前記リッジストライプ部の幅は、1.0μm以上且つ2.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  9. 前記第1領域及び前記第2領域は、前記発光部本体の前記リッジストライプ部が延びる方向において、中央部よりも出射端面側に設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
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