JP2012233524A - 軸部材のすべり軸受構造及びその組付け方法 - Google Patents

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健一 原田
Yuichiro Kimura
雄一郎 木村
Shinichi Kato
慎一 加藤
Yasuhiro Hikita
康弘 疋田
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Abstract

【課題】組付け作業性を改善することができる軸部材のすべり軸受構造及びその組付け方法を提供する。
【解決手段】回転可能な軸部材10と軸受ハウジング14に組付け支持される軸受部材12との摺動面間に潤滑油が供給され、軸受部材12の内周面両端部に形成された環状溝16に熱膨張率が大きく合口が形成された環状シール部材18が装着される軸部材のすべり軸受構造において、軸受部材12は、軸線を含む平面に沿って複数部材に分割されると共に、その外周側に該複数部材を一体に保持するバンド22が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸部材のすべり軸受構造、特に、自動車用の内燃機関などに用いられる軸部材のすべり軸受構造及びその組付け方法に関する。
一般に、かかる軸部材のすべり軸受構造では、軸部材及び軸受部材の摺動面間のクリアランスに潤滑油を供給して潤滑油膜を形成し、この潤滑油膜内に生ずる油膜圧力により荷重を支持することで、摩擦損失の低減、摩耗や焼付き防止作用をもたらすようにしている。
従来からこのような摺動面間のクリアランスに潤滑油を保持するために、軸受の内周面に周方向に多数の細溝ないしは条痕を並列に形成した技術などが提案されている。
そして、特許文献1には、回転軸が接触する軸受部材に凹部を形成し、該凹部に軸受部材よりも熱膨張率の大きい材料からなる収縮部材を埋め込むことにより、軸受部が冷えた状態のときには凹部を油溜まりとし、熱を帯びるようになると収縮部材の膨張により面一の摺動面を形成させ、良好な潤滑特性を得ると共に、面圧を低減させて耐焼付性を向上させた軸受装置が開示されている。
ところで、自動車用の内燃機関などでは、その暖機完了後は、すべり軸受構造でのそれほど大きな摺動抵抗(摩擦損失)は発生しないが、例えば、極低温(−30℃程度)から室温(20〜25℃程度)での低温始動時には非常に大きな摺動抵抗を生じている。これは、潤滑油の粘度が温度に依存し、かかる低温時には粘度が急激に増大するからである。
そこで、このような低温時の摺動抵抗を下げるために、軸受部の早期の温度上昇を図りたいが、かかる低温時では供給される潤滑油自体の温度も低く温度上昇が遅れること、及びせん断抵抗により発生した熱により潤滑油温度が上昇するにしても、この潤滑油は軸受部から直ぐに流出してしまうことから、軸受部の温度上昇に時間がかかるという問題があった。
一方、暖機完了後の定常運転や高速運転での高温時(80〜120℃程度)では、十分な潤滑油量がないと過度の温度上昇を招き、焼き付きなどの不具合を発生させることから、高温時に十分な冷却能力を発揮できるすべり軸受構造が求められている。
なお、上述の特許文献1に開示された軸受装置は、回転軸が接触する軸受部材に形成された凹部に軸受部材よりも熱膨張率の大きい材料からなる収縮部材を埋め込み、軸受部が冷えた状態のときには凹部が油溜まりとなるようにするもので、軸受部の温度の早期上昇を意図するものではない。
そこで、本出願人は、低温時の摺動抵抗の早期低減が可能で、高温時の潤滑油による冷却作用を阻害することのない軸部材のすべり軸受構造として、相対的に回転可能な軸部材及び軸受部材の摺動面間に潤滑油が供給される軸部材のすべり軸受構造において、軸受部材の内周面の両端部に環状溝を形成し、該環状溝に熱膨張率が大きく合口が形成された環状シール部材を装着するようにした軸部材のすべり軸受構造を提案した(特許文献2)。
特開2007−285456号公報 特願2010−263732号
ところが、上記特許文献2で提案した軸部材のすべり軸受構造においては、環状シール部材は1つの合口が形成された部材であるため、一旦軸部材に装着した後に軸受部材の環状溝に正確に位置付けることが必要であり、その組付けが容易ではなく作業性が悪いという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上述の問題を解消し、組付け作業性を改善することができる軸部材のすべり軸受構造及びその組付け方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る軸部材のすべり軸受構造の一形態は、回転可能な軸部材と軸受ハウジングに組付け支持される軸受部材との摺動面間に潤滑油が供給され、前記軸受部材の内周面両端部に形成された環状溝に熱膨張率が大きく合口が形成された環状シール部材が装着される軸部材のすべり軸受構造において、前記軸受部材は、軸線を含む平面に沿って複数部材に分割されると共に、その外周側に該複数部材を一体に保持する保持手段が設けられていることを特徴とする。
この上記一形態によれば、合口が形成された環状シール部材が軸部材に装着され、この環状シール部材に対して軸受部材の内周面両端部に形成された環状溝がそれぞれ位置付けられつつ複数部材に分割された軸受部材が取付けられる。これにより、軸部材、環状シール部材、及び複数部材に分割された軸受部材が共に一体化される。この共に一体化された複数部材の外周側に保持手段が設けられることにより、該複数部材が一体に保持される。その後、この一体に保持されている軸部材、環状シール部材、及び軸受部材は、その軸受部材が軸受ハウジングに組付け支持されるので、組付け工数が低減され作業効率が大幅に改善される。しかも、軸部材、環状シール部材、及び複数部材に分割された軸受部材を一体化する工程は、軸受ハウジングを有する製品の組立て場所とは異なる場所で行われ得るので、作業性を向上できる。
ここで、上記一形態において、前記保持手段は所定の厚さを有する伸縮性のバンドであり、該伸縮性のバンドはすべり軸受構造の組付け完了時に、前記軸受部材の外周側及び/又は前記軸受ハウジングの内周側に形成された環状凹部内に収容されてもよい。この構成によれば、伸縮性バンドであることから、その装着が容易である。また、伸縮性バンドは環状凹部内に収容されることにより、軸受部材の変形などの悪影響を抑制することができる。
また、上記の形態において、前記軸受部材の外周側及び/又は前記軸受ハウジングの内周側に形成される環状凹部は、前記環状シール部材が装着される環状溝よりも軸方向外側に配置されていることが好ましい。この構成によれば、環状溝よりも軸方向外側の部分は本来的に油膜圧力が掛からない部位であるので、軸受部材の変形やそれに起因する焼付きないしは摩耗の発生を抑制することができる。
さらに、上記の形態において、前記伸縮性のバンドは円周方向で180度離間した箇所にそれぞれ突起部を有し、該突起部は前記軸受ハウジングの合わせ面に形成された凹部内に収容されてもよい。この構成によれば、バンドの突起部と軸受ハウジングとの周方向位置、延いては軸受部材と軸受ハウジングとの周方向位置が自動的に位置決めされるので、軸受負荷の高い位置に十分な油膜圧力が発生するように、軸受部材の合わせ面位置を容易に設定することができる。
なお、前記保持手段は、複数部材に分割された前記軸受部材の合わせ面を跨いで貼着され所定の厚さを有するテープであり、該テープはすべり軸受構造の組付け完了時に、前記軸受部材の外周側及び/又は前記軸受ハウジングの内周側に形成された凹部内に収容されてもよい。この形態によれば、軸受部材を一体化し固定する方法が簡便になり、作業性や組み付け性をさらに向上させることができる。
また、上記目的を達成するための本発明に係る軸部材のすべり軸受構造の組み付け方法の一形態は、回転可能な軸部材と軸受ハウジングに組付け支持される軸受部材との摺動面間に潤滑油が供給され、前記軸受部材の内周面両端部に形成された環状溝に熱膨張率が大きく合口が形成された環状シール部材が装着される軸部材のすべり軸受構造の組付け方法であって、
前記環状シール部材を前記軸部材の外周面に装着し、
軸線を含む平面に沿って複数部材に分割された前記軸受部材の各部材を、前記環状シール部材が環状溝内に収容されるように、前記軸部材の外周面に装着し、
前記装着された軸受部材の各部材の外周側に該各部材を一体に保持する保持手段を装着し、
前記軸部材及び前記環状シール部材と共に、該保持手段により各部材が一体に保持された前記軸受部材を、前記軸受ハウジングに組付け支持させるステップを備えることを特徴とする。
なお、本明細書において、「低温時」とは、軸受部の温度が上述の極低温(−30℃程度)から室温(20〜25℃程度)にある状態、及び「高温時」とは、同じく軸受部の温度が上述の暖機完了後の定常運転や高速運転での高温時(80〜120℃程度)にある状態を意味する。
本発明によれば、軸受部材の内周面両端部に形成された環状溝に熱膨張率が大きく合口が形成された環状シール部材が装着される軸部材のすべり軸受構造において、組付け作業性を改善することができる。
本発明に係る軸部材のすべり軸受構造の第1の実施形態を示す横断面図である。 本発明に係る軸部材のすべり軸受構造の第1の実施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る軸部材のすべり軸受構造の実施形態に用いられる環状シール部材の一例を示す斜視図である。 図2の軸部材のすべり軸受構造の下側半分の縦断面図であり、(A)は低温時、(B)は温度上昇後の高温時を示す。 本発明に係る軸部材のすべり軸受構造の第2の実施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る軸部材のすべり軸受構造の第3の実施形態を示す横断面図である。 本発明に係る軸部材のすべり軸受構造の第4の実施形態を示し、(A)は横断面図、(B)は側面図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明をエンジンのクランクシャフトのすべり軸受構造に適用した第1の実施の形態につき、図1及び図2を参照して説明する。図1及び図2において、10は回転する軸部材としてのクランクシャフトのメインジャーナル、12はメインジャーナル10を回転自在に支持するための軸受部材としてのジャーナルベアリングである。ジャーナルベアリング12は、不図示のシリンダブロックに形成された上側軸受ハウジング14a及びこれにボルト等でもって締結されるベアリングキャップに形成された下側軸受ハウジング14bからなる軸受ハウジング14に収容され、挟まれて固定されている。
なお、本実施の形態では、ジャーナルベアリング12は、クランクシャフトの軸線を含む平面に沿って複数の部材(本実施形態では2つ)に分割された、上側ジャーナルベアリング12a及び下側ジャーナルベアリング12bとで構成されている。そして、上側ジャーナルベアリング12a及び下側ジャーナルベアリング12bは、図2に示すように、それぞれ、上側裏金12a1及び下側裏金12b1に上側ライニング12a2及び下側ライニング12b2が、それぞれ、接合されて構成されている。そして、メインジャーナル10と、上側ジャーナルベアリング12a及び下側ジャーナルベアリング12bで構成されているジャーナルベアリング12とは、それらの全周に亘り所定のクリアランスを有するように設定され、このクリアランスに対し油通路15及び上側ジャーナルベアリング12aに形成された油孔を介して潤滑油が供給される。
そこで、本実施の形態における軸受部材としてのジャーナルベアリング12では、第1の実施形態として、上側ジャーナルベアリング12aと下側ジャーナルベアリング12bの内周の摺動面において、その軸方向の両端部にそれぞれ環状溝16(上側環状溝16aと下側環状溝16bとからなる)が連続して形成されている。そして、これらの環状溝16に対応する箇所にメインジャーナル10及びジャーナルベアリング12と別体の環状シール部材18が配置されている。
当該環状シール部材18は、図3に示すように、幅wと厚さtのほぼ矩形断面を有する環状とされ、軸受部への装着に便利なように合口18aが形成されている。そして、環状シール部材18は、その外径部が環状溝16内に位置されて、低温時には、その内径部が図4(A)に示すようにジャーナルベアリング12の内径よりも小さく、換言すると、メインジャーナル10の外径とほぼ同一となり、定常運転時や高速運転時といった温度上昇時の高温時には、その内径部が図4(B)に示すようにジャーナルベアリング12の内径と同一又はこれより大きく、換言すると、環状シール部材18の厚さtの分が環状溝16内に埋没するように変形する熱膨張率を有する材料(例えば、樹脂)で形成されている。ここで用いられる環状シール部材18としては、ポリイミド樹脂を挙げることができる。なお、環状溝16の深さは、高温時に膨張した環状シール部材18の内径部がジャーナルベアリング12の内径と同一又はより大きくなるように決定される。
ここで、再度、図1及び図2に戻って、ジャーナルベアリング12の外周部には、環状凹部として、その軸方向中央に環状の収容溝20が連続して形成されている。より詳しくは、上側ジャーナルベアリング12aと下側ジャーナルベアリング12bの外周面において、それぞれ環状の収容溝20(上側収容溝20aと下側収容溝20bとからなる)が形成されている。そして、環状の収容溝20には、上側ジャーナルベアリング12aと下側ジャーナルベアリング12bを一体に保持する保持手段として、所定の厚さを有するゴム等からなる伸縮性のバンド22が装着されて収容されている。
このように構成された本実施の形態によるエンジンのクランクシャフトのすべり軸受構造においては、例えば、以下の手順による組付けが可能となる。すなわち、まず、環状シール部材18をその合口18aを開いて、メインジャーナル10の外周面に装着する。そして、上側ジャーナルベアリング12a及び下側ジャーナルベアリング12bのそれぞれを、環状シール部材18がそれぞれの上側環状溝16a及び下側環状溝16bに収容されるように、メインジャーナル10の外周面に装着する。次いで、メインジャーナル10の外周面に装着されている上側ジャーナルベアリング12a及び下側ジャーナルベアリング12bの環状の収容溝20に対して伸縮性のバンド22を装着し、両者を一体に保持させる。この作業は、クランクシャフトのメインジャーナル10ごとに行われ、かくて、クランクシャフトのメインジャーナル10ごとに、環状シール部材18、及び上側ジャーナルベアリング12a及び下側ジャーナルベアリング12bが一体化され、保持されるサブアセンブリ工程が完了することになる。その後、このサブアセンブリ工程が完了しているクランクシャフトは、その上側ジャーナルベアリング12aが不図示の倒置されたシリンダブロックに形成された上側軸受ハウジング14aに載せられた後、下側軸受ハウジング14bが形成されているベアリングキャップがボルト等でもって締結されることによって、軸受ハウジング14に組付け支持される。この結果、組付け工数が低減され作業効率が大幅に改善される。しかも、上記の一体化し保持するサブアセンブリ工程は、エンジンの組立てラインとは異なる場所で行われ得るので、作業性を向上させることができるのである。
なお、上述の実施形態においては、すべり軸受構造の組付け完了時に、バンド22を収容するための環状凹部として、所定の厚さのバンド22を完全に収容する深さの環状の収容溝20をジャーナルベアリング12の外周面に形成するようにしたが、この環状凹部は軸受ハウジング14の内周側に環状の収容溝(不図示)として形成してもよい。又は、ジャーナルベアリング12の外周面と軸受ハウジング14の内周面との両方に、例えば、バンド22の厚さの半分ずつを収容する環状の収容溝を形成するようにしてもよい。この最後の形態によれば、軸受ハウジング14内でのジャーナルベアリング12の軸方向の位置決めが容易に行われるので、さらに作業性が向上する。
このようにして組付けられた本実施の形態によるすべり軸受構造を備えるエンジンにおいて、今、エンジンが冷機状態にある低温時での始動時には、環状シール部材18は収縮状態にあり、その内径が、図4(A)に示すように、ジャーナルベアリング12の内径よりも小さく、環状シール部材18とメインジャーナル10とのクリアランスがメインジャーナル10とジャーナルベアリング12とのクリアランスよりも小さい状態にある。この状態では、メインジャーナル10及びジャーナルベアリング12の摺動面間のクリアランスに油通路15を介して供給された潤滑油は、その流出が収縮状態にある環状シール部材18によって妨げられて、ジャーナルベアリング12による軸受部の両端からの潤滑油漏れ量が制限される。したがって、環状シール部材18の間の軸受部に保持された潤滑油は、メインジャーナル10の回転に伴いせん断されて熱を発生し、この結果、軸受部の温度が早期に上昇することになる。
一方、エンジンの暖機後の高温時には、環状シール部材18が熱膨張状態にあり、その内径がジャーナルベアリング12との内径と同一又はより大きくなるように変形し、図4(B)に示すように、環状シール部材18とメインジャーナル10とのクリアランスがメインジャーナル10とジャーナルベアリング12とのクリアランスと同一又はより大きくなる。この状態では、油通路15を介して供給された潤滑油は、膨張状態にある環状シール部材18によってはその流出が妨げられず、ジャーナルベアリング12による軸受部の両端からの潤滑油漏れ量が制限されないので、潤滑油による軸受部の冷却作用が奏される。
次に、本発明に係る軸部材のすべり軸受構造の第2の実施形態を、図5を参照して説明する。この第2の実施形態が上述の第1の実施形態と異なるのは、第1の実施形態では軸受部材であるジャーナルベアリング12の軸方向中央に環状の収容溝20を形成してバンド22を収容するのに対し、第2の実施形態ではジャーナルベアリング12の環状溝16よりも軸方向両端側に収容部を形成して2つのバンドを収容するようにした点のみであるから、同一機能部位については第1の実施形態で用いたのと同一の符号を用い重複説明を避ける。なお、図5に示される実施形態では、ジャーナルベアリング12の環状溝16よりも軸方向の両端側に形成された左右の収容部24L及び24Rに対し、それぞれ、左右のバンド22L及び22Rが取り付けられ、左右のバンド22L及び22Rの軸方向外方の端部がメインジャーナル10の両側のアーム部ないしはカウンタウエイト部11に当接されている。
この第2の実施形態においては、クランクシャフトと軸受ハウジングとの組付けの際に、ジャーナルベアリング12の環状溝16よりも軸方向両端側に形成された左右の収容部24L及び24Rに対し、それぞれ、所定の厚さを有する伸縮性の左右のバンド22L及び22Rが取り付けられることにより、上側ジャーナルベアリング12aと下側ジャーナルベアリング12bとが一体に保持される。上述の第1の実施形態では、軸受部材であるジャーナルベアリング12の軸方向中央に環状の収容溝20を形成してバンド22を収容するようにしていることから、収容溝20の深さやバンド22の厚さによっては、ジャーナルベアリング12の径方向での変形といった悪影響を及ぼす可能性がある。しかし、この第2の実施形態においては、上述のように左右のバンド22L及び22Rが取り付けられる位置がジャーナルベアリング12の環状溝16よりも軸方向両端側であり、元々油膜圧力が発生しない位置であることからジャーナルベアリング12が変形することもなく、しかも、ジャーナルベアリング12とメインジャーナル10とは接触しないように設計されている位置であるので、他のトラブル(変形に起因する焼付きないしは摩耗)が発生することもない。
また、この第2の実施形態において、左右のバンド22L及び22Rのそれぞれの軸方向外方の端部が、メインジャーナル10の両側のアーム部ないしはカウンタウエイト部11に当接するようにすることが好ましい。このようにすると、左右のバンド22L及び22Rのそれぞれが、上側ジャーナルベアリング12aと下側ジャーナルベアリング12bとが一体に保持されたジャーナルベアリング12のメインジャーナル10に対する軸方向の位置決め作用を奏するのに寄与するからである。
次に、本発明に係る軸部材のすべり軸受構造の第3の実施形態を、図6を参照して説明する。この第3実施形態が上述の第1実施形態と異なるのは、保持手段としての伸縮性のバンドが円周方向で180度離間した箇所にそれぞれ突起部を有し、該突起部は軸受ハウジングの合わせ面に形成された凹部内に収容された点のみであるから、同一機能部位については第1実施形態で用いたのと同一の符号を用い重複説明を避ける。
すなわち、この第3の実施形態では、軸受ハウジング内での軸受部材の合わせ面の周方向位置を適切に設定できるようにするために、保持手段としての伸縮性のバンド22が円周方向で180度離間した箇所にそれぞれ突起部22A、22A(本実施形態では、断面三角)を有し、これらの突起部22A、22Aが、上側軸受ハウジング14aと下側軸受ハウジング14bとの合わせ面に形成された凹部(14a1、14b1で形成される)内に収容されている。そして、図6には、伸縮性バンド22で一体に保持されている上側ジャーナルベアリング12aと下側ジャーナルベアリング12bとの合わせ面と、シリンダブロックに形成された上側軸受ハウジング14a及びこれに締結されるベアリングキャップに形成された下側軸受ハウジング14bからなる軸受ハウジング14の合わせ面とが、角度Θをなす実施形態が示されている。
この構成によれば、組み付けの際に、バンド22の突起部22A、22Aと軸受ハウジング14との周方向位置、延いては上側ジャーナルベアリング12aと下側ジャーナルベアリング12bとの合わせ面と軸受ハウジング14の合わせ面との周方向位置が角度Θをなすように自動的に位置決めされる。したがって、この角度Θをエンジンの型式に応じて適宜設定することによって、軸受負荷の高い位置に十分な油膜圧力が発生するようにすることができる。例えば、90度V型エンジンの場合には、水平方向の軸受ハウジング14の合わせ面に対して、この角度Θを20度程度にすることにより、上側ジャーナルベアリング12aと下側ジャーナルベアリング12bとの合わせ面が、油膜圧力が低くてもかまわない周方向位置に位置されるようにすることができる。
次に、本発明に係る軸部材のすべり軸受構造の第4の実施形態を、図7を参照して説明する。この第4実施形態が上述の第1ないし3の実施形態と異なるのは、保持手段として、前実施形態の伸縮性のバンドに代えてテープを用いた点のみであるから、同一機能部位については第1実施形態で用いたのと同一の符号を用い重複説明を避ける。
すなわち、本第4の実施形態では、図7(A)及び(B)に示すように、所定の厚さを有するテープ26が、上下の2つの部材に分割された上側ジャーナルベアリング12aと下側ジャーナルベアリング12bとの合わせ面を跨いで貼着されている。そして、このテープ26は、前述の実施形態と同様に、すべり軸受構造の組付け完了時に、ジャーナルベアリング12の外周側及び/又は軸受ハウジング14の内周側に形成された不図示の凹部内に収容されてもよい。
この形態によれば、分割された上側ジャーナルベアリング12aと下側ジャーナルベアリング12bとの合わせ面を跨いでテープ26を貼着させればよいので、上側ジャーナルベアリング12aと下側ジャーナルベアリング12bとを一体化し固定する方法が簡便になり、さらに作業性や組み付け性を向上させることができる。
なお、上記説明では、本発明をクランクシャフトのメインジャーナルの軸受部に適用した実施形態につき説明したが、他の部位のすべり軸受構造、例えば、クランクシャフトのピン部、カムシャフトのメインジャーナル軸受部などにも本発明を適用することが可能であることは言うまでもない。また、ジャーナルベアリングを有さない直受けの軸受装置の場合であっても、軸部材を支持する軸受ハウジングに上述の環状溝を形成し、上述の環状シール部材を配置するようにしても同様の効果を得ることができる。
10 メインジャーナル(軸部材)
12(12a、12b) ジャーナルベアリング(軸受部材)
14(14a、14b) 軸受ハウジング
15 油通路
16(16a、16b) 軸受部材の環状溝
18 環状シール部材
20 環状収容溝
22(22L、22R) 伸縮性バンド
24(24L、24R) 収容部
26 テープ

Claims (6)

  1. 回転可能な軸部材と軸受ハウジングに組付け支持される軸受部材との摺動面間に潤滑油が供給され、前記軸受部材の内周面両端部に形成された環状溝に熱膨張率が大きく合口が形成された環状シール部材18が装着される軸部材のすべり軸受構造において、
    前記軸受部材は、軸線を含む平面に沿って複数部材に分割されると共に、その外周側に該複数部材を一体に保持する保持手段が設けられていることを特徴とする軸部材のすべり軸受構造。
  2. 前記保持手段は所定の厚さを有する伸縮性のバンドであり、該伸縮性のバンドはすべり軸受構造の組付け完了時に、前記軸受部材の外周側及び/又は前記軸受ハウジングの内周側に形成された環状凹部内に収容されることを特徴とする請求項1に記載の軸部材のすべり軸受構造。
  3. 前記軸受部材の外周側及び/又は前記軸受ハウジングの内周側に形成される環状凹部は、前記環状シール部材18が装着される環状溝よりも軸方向外側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の軸部材のすべり軸受構造。
  4. 前記伸縮性のバンドは円周方向で180度離間した箇所にそれぞれ突起部を有し、該突起部は前記軸受ハウジングの合わせ面に形成された凹部内に収容されることを特徴とする請求項2又は3に記載の軸部材のすべり軸受構造。
  5. 前記保持手段は、複数部材に分割された前記軸受部材の合わせ面を跨いで貼着され所定の厚さを有するテープであり、該テープはすべり軸受構造の組付け完了時に、前記軸受部材の外周側及び/又は前記軸受ハウジングの内周側に形成された凹部内に収容されることを特徴とする請求項1に記載の軸部材のすべり軸受構造。
  6. 回転可能な軸部材と軸受ハウジングに組付け支持される軸受部材との摺動面間に潤滑油が供給され、前記軸受部材の内周面両端部に形成された環状溝に熱膨張率が大きく合口が形成された環状シール部材18が装着される軸部材のすべり軸受構造の組付け方法であって、
    前記環状シール部材18をメインジャーナル10の外周面に装着し、
    軸線を含む平面に沿って複数部材に分割された前記軸受部材の各部材を、前記環状シール部材18が環状溝内に収容されるように、メインジャーナル10の外周面に装着し、
    前記装着された軸受部材の各部材の外周側に該各部材を一体に保持する保持手段を装着し、
    メインジャーナル10及び前記環状シール部材18と共に、該保持手段により各部材が一体に保持された前記軸受部材を、前記軸受ハウジングに組付け支持させるステップを備えることを特徴とする軸部材のすべり軸受構造の組付け方法。
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