JP6747341B2 - 滑り軸受構造 - Google Patents

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本発明は、滑り軸受構造に関し、より特定的には、内燃機関の滑り軸受構造に関するものである。
従来の滑り軸受構造は、たとえば特開2012−127458号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2012−127458号公報
特許文献1では、軸受部材の両側に摺動面間からのオイルの流出を制限するシール部材を設けることが開示されている。摺動面間のオイルの温度が低温状態から高温状態に上昇するのにともない摺動面間に保持されるオイルの量が減少するように変形する部材でシール部材は形成されている。
従来の構造では、低温時には、シール部材により軸受部材と軸部材の摺動面間に供給されたオイルの外部への流出を抑制することで、オイルが流出することによる摺動部の放熱を抑制して軸受に供給されるオイルの温度を上昇させている。しかしながら、摺動部からの放熱は抑制されるものの、オイルへの入熱は軸受部におけるオイルのせん断のみであるため、一対のシール部材の間に保持されたオイルの温度を早期に上昇させることが困難であった。
そこで、この発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、低温時において軸受に供給されるオイルの温度を早期に上昇させることが可能な滑り軸受構造を提供することを目的とする。
この発明に従った滑り軸受構造は、大径部と小径部とを有する回転可能なシャフトと、大径部を回転可能に保持する滑り軸受と、滑り軸受を保持する保持部材と、滑り軸受と大径部との間にオイルを供給するオイル供給部とを備え、大径部は、滑り軸受と対向する外周面と、外周面と小径部とを接続する側面とを有し、滑り軸受構造は、さらに、側面との間に隙間を形成するように保持部材に取り付けられる隙間部材を備える。
このように構成された滑り軸受構造では、オイル供給部から滑り軸受とシャフトの大径部における外周面との間に供給されたオイルは、滑り軸受とシャフトの外周面との間でせん断されて加熱され、その後、隙間部材とシャフトの大径部における側面との間に形成された隙間へと流れる。隙間部材とシャフトの大径部の側面との間には相対速度が発生しており、隙間部材と側面との間をオイルが流れることでオイルがせん断される。このオイルが隙間を流れる際の摺動せん断摩擦によってオイルがさらに発熱するので、低温時において軸受に供給されたオイルの温度を早期に上昇させることができる。
好ましくは、オイルの温度が高くなると隙間が大きくなるように隙間部材は保持部材に取り付けられる。オイルの温度が高くなってオイルの粘度が小さくなると摺動抵抗が小さくなるので、低温時のように隙間部材とシャフトにおける大径部の側面との間でオイルのせん断摩擦を発生させてオイルを加熱する必要が無い。そのためオイルの温度が高い場合には、隙間部材とシャフトの大径部の側面との間に形成される隙間を大きくして、オイルが隙間を流通する際のせん断摩擦の発生を抑制するとともに、隙間を流れるオイル流量を増加させて軸受部の冷却能力を増加させる。これにより、高温時においては、軸受部を確実に潤滑しつつ冷却することができるため、焼付などを防いで軸受部の信頼性を確保することができる。
好ましくは、シャフトはクランクシャフトであり、側面はクランクシャフトのクランクジャーナルに設けられ、複数のクランクジャーナルのすべての側面に対向するように隙間部材が設けられる。この場合、すべてのクランクジャーナルにおいて側面に隙間部材が設けられるため、すべての、クランクジャーナルにおいてオイルの温度を上昇させることができる。さらに、いずれか1つのクランクジャーナルにおいて隙間部材が設けられていない場合には、その部分でのオイルの流れの抵抗が小さくなり、その部分でオイルの流量が大きくなり、他のクランクジャーナルにオイルが供給されないおそれがある。すべてのクランクジャーナルにおいて隙間部材が設けられていると、そのような問題が生じない。
好ましくは、シャフトはクランクシャフトであり、保持部材はクランクシャフトをエンジンブロックに保持するためのクランクキャップである。この場合、エンジンブロックよりも下側に位置するクランクキャップに設けられる隙間にオイルが溜まりやすい。その結果、エンジン始動時に隙間に溜まったオイルがクランクシャフトを潤滑することができる。
この発明に従えば、低温時において軸受部に供給されるオイルの温度を早期に上昇させることが可能な滑り軸受構造を提供することができる。
実施の形態1に従った滑り軸受構造の断面図である。 図1中のバイメタル板およびオイル隙間制御板の斜視図である。 オイルが高温の状態での実施の形態1に従った滑り軸受構造の断面図である。 実施の形態1に従った滑り軸受構造が用いられるクランクシャフトの正面図である。 実施の形態2に従った滑り軸受構造の断面図である。 実施の形態3に従った滑り軸受構造の断面図である。 実施の形態4に従った滑り軸受構造の断面図である。
以下、本発明の各実施形態に係る内燃機関について図を参照して説明する。以下の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に従った滑り軸受構造の断面図である。図1で示すように、滑り軸受構造1は、大径部111と小径部110とを有する回転可能なシャフト10と、大径部111を回転可能に保持する滑り軸受30a,30bと、滑り軸受30a,30bを保持する保持部材としてのハウジング20a,20bと、滑り軸受30a,30bと大径部111との間にオイルを供給するオイル供給部としてのオイル通路12もしくは22とを備える。大径部111は、滑り軸受30a,30bと対向する外周面111aと、外周面111aと小径部110とを接続する側面111bとを有し、滑り軸受構造1は、さらに、側面111bとの間にオイル排出隙間70a,70bを形成するようにハウジング20a,20bに取り付けられる隙間部材としてのオイル隙間制御板61,62を備える。図1は、低温における滑り軸受構造1を示している。
ハウジング20aはエンジンブロックの一部分を構成している。ハウジング20aと対向するようにハウジング20bが設けられている。ハウジング20bはクランクキャップにより構成される。ハウジング20aはハウジング20bよりも鉛直方向の上側に位置している。
ハウジング20aには、オイルを供給するためのオイル通路22が設けられている。ハウジング20aの両側面には、バイメタル板60a,60bがボルト81,82により固定されている。バイメタル板60a、60bは、内側に位置する高膨張部と外側に位置する低膨張部とを有する。高膨張部の線膨張係数は低膨張部の線膨張係数よりも大きい。そのため、高温になると高膨張部が大きく膨張して、バイメタル板60a,60bはハウジング20aから遠ざかる方向に反る。
バイメタル板60a,60bにはオイル隙間制御板61,62が接続されている。オイル隙間制御板61,62は、たとえば鉄またはアルミニウムなどにより構成される。オイル隙間制御板61,62はハウジング20aのストッパ21a,21bに当接している。オイル隙間制御板61,62がストッパ21a,21bに当接しているため、図1で示す温度より温度が低下しても、オイル隙間制御板61,62は大径部111へ近づく方向に移動しない。
ハウジング20bの両側面には、バイメタル板60a,60bがボルト81,82により固定されている。オイル隙間制御板61,62をハウジング20a,20bに固定する方法としては、図1で示すボルト81,82,83,84に限られず、溶接、ロウ付けなどの様々な方法を採用することができる。
ハウジング20aには滑り軸受30aが固定されている。ハウジング20bには滑り軸受30bが固定されている。滑り軸受30a,30bは、シャフト10を回転可能に保持する。
滑り軸受30a,30bの内周面と、大径部111との間にオイルが存在する。大径部111は、滑り軸受30a,30bの間で滑り運動をするが、これらの間にオイルが存在するため滑り摩擦は微小である。滑り軸受30a,30bは、1つの円筒を分割した半円筒形状である。
外周面111aと滑り軸受30a,30bとの間に軸受隙間40a,40bが設けられる。側面111bとオイル隙間制御板61,62との間にオイル排出隙間70a,70bが設けられる。
軸受隙間40a,40bにオイル通路12,22からオイルが供給される。オイルは矢印101,102,103で示す方向に流れてオイル排出隙間70a,70bから端部63,64側へ排出される。
シャフト10はクランクシャフトであり、ピストンからの爆発荷重をコネクティングロッドを経由して受け取る。シャフト10はクランクジャーナル、コンロッドが取り付けられるクランクピン、およびクランクジャーナルとクランクピンとを接続するクランクアームとを有する。図1ではクランクジャーナル部を示している。シャフト10内にメイン通路10aが設けられる。メイン通路10aにオイルが流れる。メイン通路10aからオイル通路12へオイルが供給される。
ハウジング20bはハウジング20aよりも下側に位置するため、ハウジング20bのオイル排出隙間70bにはオイルが溜まりやすい。エンジンを停止した後もオイル排出隙間70bにオイルが溜まるため、エンジン始動時にもオイル排出隙間70bにオイルが存在し、このオイルによりエンジン始動時に滑り軸受構造1を潤滑することができる。
図2は、図1中のバイメタル板およびオイル隙間制御板の斜視図である。図2で示すように、バイメタル板60aおよびオイル隙間制御板61は環状であり、かつ、半円形状の2つの部材が組み合わせられることで構成されている。バイメタル板60aおよびオイル隙間制御板61は、上側のハウジング20aに固定される部分と、下側のハウジング20bに固定される部分とに分割されている。半円の一方をハウジング20aに固定し、他方をハウジング20bに固定し、ハウジング20bをエンジンブロックに組み付ける際に2つの半円部材が環状のバイメタル板60aおよびオイル隙間制御板61を構成する。
オイル隙間制御板61が変形しやすいように、オイル隙間制御板61に切込が設けられていてもよい。なお、バイメタル板60aおよびオイル隙間制御板61が変形しやすい材質であれば、これらを円周方向に連続する環状部材の一部に切れ込みが設けられた構造や円周方向に連続する環状部材の一部が切欠かれた構造としてもよい。変形しやすい部材であれば、切れ込み部や切欠き部を基点として環状部材を変形させて、シャフト10の周囲のハウジング20a,20bに組み付けることができる。
図3は、オイルが高温の状態での実施の形態1に従った滑り軸受構造の断面図である。図3で示すようにオイルが高温になるとオイルに接触する滑り軸受30a,30bおよびハウジング20a,20bも高温になる。バイメタル板60a,60bのうち、内側(ハウジング20a,20bと接触する側)の高膨張部は、外側の低膨張部よりも大きく膨張する。その結果、バイメタル板60a,60bがハウジング20a,20bから離れるように反る。バイメタル板60a,60bに取り付けられるオイル隙間制御板61,62もハウジング20a,20bから離れるように移動する。その結果オイル排出隙間70a、70bが大きくなり、オイル排出隙間70a,70bを経由してオイルが排出されやすくなる。
上記の滑り軸受構造1では、バイメタル板60a,60bがハウジング20a,20bの温度を検温してオイル隙間制御板61,62の位置が温度により変化する。これにより、低温時は図1のようにオイル隙間制御板61,62がハウジング20a,20bに密着することにより、最低限のオイル排出隙間70a,70b(サイドクリアランス)を確保した状態でオイル排出隙間70a,70bからのオイルの排出を抑制する。さらに、オイル排出隙間70a,70bにおいてオイルがオイル隙間制御板61,62と側面111bと摩擦するためオイルの温度を上昇させることができる。
高温時には図3で示すようにオイル隙間制御板61,62と側面111bとの距離が広がり、オイル排出隙間70a,70bでのオイル流れの抵抗が減少する。その結果、オイルポンプにかかる負荷が小さくなり、オイルポンプでのエネルギー消費が小さくなる。そのため燃費が向上する。
オイル隙間制御板61,62における制御のパターン1および2を以下に示す。
パターン1では滑り軸受構造1の温度が低温時(始動時)には、オイル排出隙間70a,70bを小さくする。これにより、オイル排出隙間70a,70bからのオイルの排出を抑制できる。さらに、オイル排出隙間70a,70bでの摩擦による発熱で摺動部の温度上昇を促進できる。具体的には、オイル通路12,22から滑り軸受30a,30bとシャフト10の大径部111における外周面111aとの間に供給されたオイルは、滑り軸受30a,30bと大径部111の外周面111aとの間でせん断されて加熱される。その後、オイル隙間制御板61,62とシャフト10の大径部111における側面111bとの間に形成されたオイル排出隙間70a、70bへと流れる。オイル排出隙間70a,70bではオイル隙間制御板61,62とシャフト10の大径部111の側面111bとの間には相対速度が発生しており、オイル隙間制御板61,62と側面111bとの間をオイルが流れることでオイルがせん断される。このオイルがオイル排出隙間70a,70bを流れる際の摺動せん断摩擦によってオイルがさらに発熱するので、低温時において滑り軸受30a,30bに供給されたオイルの温度を早期に上昇させることができる。
中間温時(常用域)および高温時(過酷時)には、オイル排出隙間70a,70bを大きくする。これによりオイル排出量を確保して摺動部の冷却を促進する。その結果、焼き付き耐性および摩耗の信頼性を確保する。特に高温時にはオイルの粘度が小さくなると摺動抵抗が小さくなるので、低温時のようにオイル隙間制御板61,62とシャフト10における大径部111の側面111bとの間でオイルのせん断摩擦を発生させてオイルを加熱する必要が無い。そのためオイルの温度が高い場合には、オイル隙間制御板61,62と大径部111の側面111bとの間に形成されるオイル排出隙間70a、70bを大きくして、オイルがオイル排出隙間70a、70bを流通する際のせん断摩擦の発生を抑制するとともに、オイル排出隙間70a、70bを流れるオイル流量を増加させて滑り軸受30a,30bの冷却能力を増加させる。これにより、高温時においては、滑り軸受30a,30bを確実に潤滑しつつ冷却することができるため、焼付などを防いで軸受部の信頼性を確保することができる。
パターン2では、滑り軸受構造1の温度が低温時(始動時)には、オイル排出隙間70a,70bを小さくする。これにより、オイル排出隙間70a,70bからのオイルの排出を抑制できる。さらに、オイル排出隙間70a,70bでの摩擦による発熱で摺動部の温度上昇を促進できる。即ち、上記のパターン1の低温時と同様にオイル隙間制御板61,62と側面111bとの間をオイルが流れることでオイルがせん断される。このオイルがオイル排出隙間70a,70bを流れる際の摺動せん断摩擦によってオイルがさらに発熱するので、低温時において滑り軸受30a,30bに供給されたオイルの温度を早期に上昇させることができる。
中間温時(常用域)には、オイル排出隙間70a,70bを小さくする。これにより、過剰なオイル排出を抑制することができる。可変オイルポンプ等との組み合わせによりポンプ仕事を低減して燃費を向上させることが可能である。
高温時(過酷時)にはオイル排出隙間70a,70bを大きくする。これによりオイル排出量を確保して摺動部の冷却を促進する。その結果焼き付き耐性および摩耗の信頼性を確保する。即ち、上記のパターン1の高温時と同様にオイル排出隙間70a、70bを大きくして、オイルがオイル排出隙間70a、70bを流通する際のせん断摩擦の発生を抑制するとともに、オイル排出隙間70a、70bを流れるオイル流量を増加させて滑り軸受30a,30bの冷却能力を増加させる。これにより、高温時においては、滑り軸受30a,30bを確実に潤滑しつつ冷却することができるため、焼付などを防いで軸受部の信頼性を確保することができる。
図4は、実施の形態1に従った滑り軸受構造が用いられるクランクシャフトの正面図である。図4のクランクシャフトは、クランクピン500を有する。クランクピン500は大径部511および小径部510を有する。クランクピンにはコネクティングロッドのビッグエンドが嵌合する。コネクティングロッドのビッグエンドはコネクティングロッド本体とコネクティングロッドキャップにより構成される。図4の大径部111近傍にバイメタル板60a,60b、オイル隙間制御板61,62、滑り軸受30a,30bを設けると図1で示す構成となる。シャフトとしてのクランクピン500の大径部511の近傍にバイメタル板60a,60b、オイル隙間制御板61,62、滑り軸受30a,30bを設けてもよい。その場合には、コネクティングロッド本体およびコネクティングロッドキャップに図1のバイメタル板60a,60b、オイル隙間制御板61,62、滑り軸受30a,30bが設けられて大径部511の側面とオイル隙間制御板61,62が向かい合う。これによりオイル排出隙間70a,70bを形成することができる。
図1では、1つの大径部111のみが設けられているが、多気筒エンジンでは図4で示すように複数の大径部111が設けられる。この場合、複数のクランクジャーナルの大径部111すべての側面111bに対向するようにオイル隙間制御板61,62が設けられることが好ましい。いずれか1つのクランクジャーナルにおいてオイル隙間制御板61,62が設けられていない場合には、その部分でのオイルの流れの抵抗が小さくなり、その部分でオイルの流量が大きくなるおそれがある。
以上のように構成された滑り軸受構造では、低温時にオイル排出隙間70a,70bを小さくすることでオイル排出量を抑制し、軸受隙間40a,40bの熱を閉じ込めて滑り軸受30a,30bで早期に温度を上昇させる。さらにオイル排出隙間70a,70bでのオイルの摺動摩擦による発熱により、早期のオイルの温度上昇を図ることができる。
高温の過酷な条件時には、オイル排出隙間70a,70bを大きくすることでオイル排出量を確保することにより、滑り軸受30a,30bを冷却して信頼性を確保することができる。
中間温時(常用域)では、上記のパターン1および2のようにオイル排出隙間70a,70bを小さくまたは大きくすることで、車両に応じた適宜の条件を実現することができる。
エンジンにおいては暖気性の向上は、排ガス規制、燃費の向上の両面で益々求められている。エンジンの高出力化(ダウンサイジングによる比出力アップを含む)に伴い、高温時の滑り軸受の信頼性確保のために、オイルの排出量を大きくする設計を行った場合には従来の構造では低温時のオイル排出量が増加し暖気性が悪化する。これに対して、上記の構造を採用することにより低温時のオイル排出量を抑制することで暖気性を向上させることが可能となる。
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に従った滑り軸受構造の断面図である。図5で示すように、実施の形態2に従った滑り軸受構造1では、大径部111の側面111bに凹部111c、111dが形成されている点で、実施の形態1の滑り軸受構造1と異なる。
凹部111cは環状であり、大径部111の回転方向に沿って設けられている。オイル隙間制御板61,62の先端には、凹部111c,111dに挿入される突出部61a,62aが設けられている。
凹部111c、111dに突出部61a,62aが入り込むことで、オイル排出隙間70aの経路が長くなる。軸受隙間40aにオイル通路12,22からオイルが供給される。オイルは矢印101,102,103,104で示す方向に流れてオイル排出隙間70a,70bから排出される。
このように構成された実施の形態2に従った滑り軸受構造1では、凹部111c,111dがラビリンス構造を形成するため、オイルの流路が複雑になる。その結果、オイルのせん断によりオイルの発熱量が増加するという効果がある。
(実施の形態3)
図6は、実施の形態3に従った滑り軸受構造の断面図である。図6で示すように、実施の形態3に従った滑り軸受構造1では、バイメタル板が設けられていない点で、実施の形態1に従った滑り軸受構造1と異なる。
オイル隙間制御板61,62がボルト81,82,83,84によりハウジング20a,20bに固定されている。オイル隙間制御板61,62はバイメタルではないため、温度に応じて変形しない。具体的には、実施の形態1では高温になるとバイメタル板が図3で示すように変形したが、実施の形態3では高温になってもオイル隙間制御板61,62の位置は変化しない。そのため、温度にかかわらず、オイル排出隙間70a,70bの大きさは略一定である。さらに、バイメタル板が設けられないため、オイル隙間制御板61,62に沿ったハウジング20a,20bの形状とすることができる。その結果、ハウジング20a,20bの側面に段差が形成されず、ハウジング20a,20bの形状を簡素なものとできる。
このように構成された実施の形態3に従った滑り軸受構造1では、オイルが低温のときには、実施の形態1に従った滑り軸受構造1と同様の効果がある。
(実施の形態4)
図7は、実施の形態4に従った滑り軸受構造の断面図である。図7で示すように、実施の形態4に従った滑り軸受構造1では、シャフト10にオイル隙間制御板161,162が設けられている点で、実施の形態1に従った滑り軸受構造1と異なる。さらに、シャフト10に大径部が設けられていない。
オイル隙間制御板161,162はバイメタルであってもよく、バイメタルでなくてもよい。オイル隙間制御板161,162がバイメタルである場合には、高温時にはオイル隙間制御板161,162の外周端は矢印161a,162aで示す方向に移動する。これにより、オイル排出隙間70aが大きくなる。
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、たとえば内燃機関の滑り軸受構造において用いることができる。
1 滑り軸受構造、10 シャフト、10a メイン通路、12,22 オイル通路、20a,20b ハウジング、21a,21b,21c,21d ストッパ、30a,30b 滑り軸受、40a,40b 軸受隙間、60a,60b バイメタル板、61,62,161,162 オイル隙間制御板、61a,62a 突出部、70a,70b オイル排出隙間、81,82,83,84 ボルト、101,102,103,104,161a,162a 矢印、110,510 小径部、111,511 大径部、111a 外周面、111b 側面、111c,111d 凹部、500 クランクピン。

Claims (4)

  1. 大径部と小径部とを有する回転可能なシャフトと、
    前記大径部を回転可能に保持する滑り軸受と、
    前記滑り軸受を保持する保持部材と、
    前記滑り軸受と前記大径部との間にオイルを供給するオイル供給部とを備える滑り軸受構造であって
    前記大径部は、前記滑り軸受と対向する外周面と、前記外周面と前記小径部とを接続する側面とを有し、
    前記滑り軸受構造は、さらに、前記側面との間に隙間を形成するように前記保持部材に取り付けられる隙間部材を備え
    オイルの温度が高くなると前記隙間が大きくなるように前記隙間部材は前記保持部材に取付けられる、滑り軸受構造。
  2. 前記シャフトはクランクシャフトであり、前記側面は前記クランクシャフトのクランクジャーナルに設けられ、複数の前記クランクジャーナルのすべての前記側面に対向するように前記隙間部材が設けられる、請求項1に記載の滑り軸受構造。
  3. 前記大径部の前記側面に凹部が形成されており、前記凹部は環状であり、前記大径部の回転方向に沿って設けられており、前記隙間部材の先端には前記凹部に挿入される突出部が設けられている、請求項1に記載の滑り軸受構造。
  4. 前記シャフトはクランクシャフトであり、前記保持部材は前記クランクシャフトをエンジンブロックに保持するためのクランクキャップである、請求項1から3のいずれか1項に記載の滑り軸受構造。
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