JP2017040356A - クランクシャフトの支持装置 - Google Patents

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晋也 新崎
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Abstract

【課題】クランクシャフトの種別に関わりなく、漏れ油量の低減を図ることができるクランクシャフトの支持装置を提供する。【解決手段】本発明の一実施形態に係るクランクシャフト2の支持装置1は、シリンダブロック3と、該シリンダブロック3に締結されるキャップ4と、シリンダブロック3とキャップ4によって形成される軸孔5において、クランクシャフト2のジャーナル部2aを支持する主軸受10と、を備えるものであって、シリンダブロック3およびキャップ4とクランクシャフト2との隙間を狭めるための部位であるシール部30を備える。【選択図】図8

Description

本発明は、クランクシャフトの支持装置の技術に関する。
従来、自動車用エンジンの構成部品であるクランクシャフトは、シリンダブロックにキャップを締結して形成される軸孔において、主軸受を介してジャーナル部が軸支されることによって、回転自在に構成される。即ち、自動車用エンジンにおいては、クランクシャフト、シリンダブロック、キャップ、主軸受によって、クランクシャフトの支持装置を構成している。
また、クランクシャフトのクランクピンにおいては、コンロッド軸受を介してコンロッドが回転自在に軸支されている。
クランクシャフトは、その内部において油路が形成されており、主軸受に供給された潤滑油がクランクシャフトの油路へと流入され、さらに油路を通じて、潤滑油がクランクピンの油路から流出してコンロッド軸受へと供給される構成が一般的に採用されている。
そして、このような構成の支持装置では、主軸受から潤滑油を排出させる構成が一般的である。
主軸受から潤滑油を排出させる構成は、クランクシャフトの油路に入り込んだ異物を排出させる観点においては有効であるが、潤滑油を早期に昇温させる観点においては不利である。主軸受から潤滑油を排出させない構成は、例えば、以下に示す特許文献1に開示されている。
特許文献1に係る技術では、クランクシャフトに形成する油路をジャーナル部およびクランクピンの内部を通さずに、ジャーナル部とクランクピンを連結する連結部(クランクアーム)に油路を形成する構成としている。
このような構成では、ジャーナル部およびクランクピンに油路を形成する必要がないため、主軸受およびジャーナル軸受の受圧面積を増加させることができるという利点がある。
そして、特許文献1に係る技術では、クランクアームに形成した油路に潤滑油を流通させるために、シリンダブロックおよびキャップとクランクシャフトの間に存在する隙間と、コンロッドとクランクシャフトの間に存在する隙間を、ラビリンスシールで封止する構成としている。特許文献1に係る技術では、当該隙間をラビリンスシールで封止する構成によって、主軸受およびジャーナル軸受からの漏れ油量を低減させることを可能にしている。
しかしながら、特許文献1に係る技術において用いているラビリンスシールは、例えば、鍛造クランクシャフトには取り付けることが困難であるため、クランクシャフトの種別によっては、特許文献1に係る技術を適用できない可能性があった。
このため、クランクシャフトの種別に関わらず、漏れ油量の低減を図ることができる技術の開発が望まれていた。
特開2009−167805号公報
本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、クランクシャフトの種別に関わらず、漏れ油量の低減を図ることができるクランクシャフトの支持装置を提供することを目的としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明に係るクランクシャフトの支持装置は、クランクシャフトと、シリンダブロックと、該シリンダブロックに締結されるキャップと、前記シリンダブロックと前記キャップによって形成される軸孔において、クランクシャフトのジャーナル部を支持する主軸受と、からなるクランクシャフトの支持装置であって、前記シリンダブロックおよび前記キャップと前記クランクシャフトとの隙間を狭めるための部位であるシール部を備えるものである。
また、本発明に係るクランクシャフトの支持装置は、前記シリンダブロックおよび前記キャップの側に、前記シール部を備えるものである。
このような構成により、クランクシャフトの種別に関わりなく、シール部を設けることができ、これにより、漏れ油量の低減を図ることができる。
また、本発明に係るクランクシャフトの支持装置において、前記シール部は、前記軸孔の周囲に一連のリング状に形成されるものである。
このような構成により、漏れ油量を確実に低減することができる。
また、本発明に係るクランクシャフトの支持装置において、前記シール部は、前記軸孔の周囲に略リング形状に形成されるとともに、前記略リング形状の内側と外側を連通する溝部を備えるものである。
潤滑油は、油路内で密閉された状態が維持されると温度が上昇し、高温の状態が続くとクランクシャフトおよび支持装置に焼き付きが生じるおそれがあるが、溝部を備える構成により、潤滑油が低温のときには漏れ油量を低減しつつ、潤滑油が高温になったときには溝部から潤滑油を排出させることで潤滑油を冷却し、焼き付きが生じることを防止できる。
また、本発明に係るクランクシャフトの支持装置は、前記クランクシャフト側に、前記シール部を備えるものである。
このような構成により、クランクシャフトの種別に関わりなく、シール部を設けることができ、これにより、漏れ油量の低減を図ることができる。
また、本発明に係るクランクシャフトの支持装置において、前記ジャーナル部は、前記クランクシャフトを構成する一対の連結部を繋ぐように配置され、前記シール部は、前記連結部における前記ジャーナル部の連結位置の周囲において、一連のリング状に形成されるものである。
このような構成により、漏れ油量を確実に低減することができる。
また、本発明に係るクランクシャフトの支持装置において、前記ジャーナル部は、前記クランクシャフトを構成する一対の連結部を繋ぐように配置され、前記シール部は、前記連結部における前記ジャーナル部の連結位置の周囲に略リング形状に形成されるとともに、前記略リング形状の内側と外側を連通する溝部を備えるものである。
潤滑油は、油路内で密閉された状態が維持されると温度が上昇し、高温の状態が続くとクランクシャフトおよび支持装置に焼き付きが生じるおそれがあるが、溝部を備える構成により、潤滑油が低温のときには漏れ油量を低減しつつ、潤滑油が高温になったときには溝部から潤滑油を排出させることで潤滑油を冷却し、焼き付きが生じることを防止できる。
また、本発明に係るクランクシャフトの支持装置において、前記シール部は、樹脂製のシール材を塗布することにより形成されるものである。
このような構成により、クランクシャフトの種別に関わりなく、シール部を設けることができ、これにより、漏れ油量の低減を図ることができる。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明に係るクランクシャフトの支持装置によれば、クランクシャフトの種別に関わりなく、漏れ油量の低減を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るクランクシャフトの支持装置(主軸受における断面)を示す断面模式図。 本発明の一実施形態に係るクランクシャフトの支持装置(ジャーナル軸受における断面)を示す断面模式図。 クランクシャフトおよび各軸受を示す模式図。 主軸受を示す模式図、(a)軸方向視における全体模式図、(b)主軸受を構成する上側軸受部材の模式図、(c)主軸受を構成する下側軸受部材の模式図。 ジャーナル軸受を示す模式図、(a)軸方向視における全体模式図、(b)ジャーナル軸受を構成する半割り部材の模式図。 本発明の一実施形態に係るクランクシャフトの支持装置における油路の形成状況を示す模式図。 本発明の別実施形態に係るクランクシャフトの支持装置(主軸受における断面)を示す断面模式図。 本発明の一実施形態に係るクランクシャフトの支持装置におけるシール部(支持装置側に設ける場合)の形成状況を示す側面視部分断面模式図。 本発明の一実施形態に係るクランクシャフトの支持装置におけるシール部(支持装置側に設ける場合)の形成状況を示す軸方向視部分断面模式図。 シール部における溝部の形成状況(軸方向視)を示す模式図、(a)シール材を塗らない部位を設ける形態、(b)溝部を刻設する形態。 シール部における溝部の形成状況(軸方向視)を示す模式図、(a)溝部が一箇所の形態、(b)溝部をシリンダブロック側のみに設ける形態。 本発明の一実施形態に係るクランクシャフトの支持装置におけるシール部(クランクシャフト側に設ける場合)の形成状況を示す側面視部分断面模式図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明の一実施形態に係るクランクシャフトの支持装置について、図1〜図6を用いて説明する。
図1および図2に示す如く、本発明の一実施形態に係るクランクシャフトの支持装置1は、クランクシャフト2を回転自在に軸支するための装置であり、クランクシャフト2、シリンダブロック3、キャップ4、および複数(本実施形態では5個)の主軸受10・10・10・10・10(図3参照)により構成される。
支持装置1により軸支する対象物たるクランクシャフト2は、図3に示す如く、自動車用エンジン(図示せず)に備えられる軸部材であり、主軸部たる複数(本実施形態では5個)のジャーナル部2a・2a・2a・2a・2aと複数(本実施形態では4個)のクランクピン2b・2b・2b・2bを備えている。
クランクシャフト2は、ジャーナル部2aとクランクピン2bが軸方向において交互に配置されており、ジャーナル部2aとクランクピン2bには連結部2cが介設されている。また、クランクシャフト2において、ジャーナル部2aは、クランクシャフト2の回転軸心上に配置されており、クランクピン2bは、クランクシャフト2の回転軸心から回転半径方向の外側にオフセットされている。
図1および図2に示す如く、クランクシャフト2は、シリンダブロック3とキャップ4によって形成された軸孔5に主軸受10を介してジャーナル部2aが軸支されることで、回転自在に構成される。尚、図1および図2において、シリンダブロック3とキャップ4は、説明の便宜上、二点鎖線で表示している。
そして、クランクシャフト2は、図3に示すように、複数のジャーナル部2a・2a・2a・2a・2aに対応する複数(本実施形態では5個)の主軸受10・10・10・10・10によって、それぞれ支持されている。
主軸受10は、図1に示すように、軸孔5を構成するシリンダブロック3およびキャップ4とクランクシャフト2のジャーナル部2aに介設される軸受部材であり、主軸受10としては、すべり軸受が採用される。
主軸受10は、上下一対の半円筒形軸受である上側軸受部材11と下側軸受部材12を突き合せて円筒状に構成したものであり、内面が半円状に形成されたキャップ4で押さえ込むことによってシリンダブロック3に固定されている。尚、上側軸受部材11と下側軸受部材12の上下の配置関係は、完全な上下でなくてもよく、シリンダブロック3の傾きに合わせて、傾いていても良い。
そして、上側軸受部材11および下側軸受部材12の内周面にはクランクシャフト2のジャーナル部2aが摺接するようになっており、この主軸受10の内周面とジャーナル部2aの外周面とで摺動部を構成している。
即ち、本発明の一実施形態に係るクランクシャフト2の支持装置1は、図1および図2に示すように、シリンダブロック3、キャップ4および複数の主軸受10・10・10・10・10によって構成される。
また、図1および図2に示す如く、クランクシャフト2のクランクピン2bには、コンロッド6が回転自在に支持されている。
コンロッド6は、コンロッド本体6aとコンロッドキャップ6bから構成され、コンロッド本体6aとコンロッドキャップ6bをボルトにより締結することで、クランクピン2bを挿通するための軸孔6cが形成される。
そして、コンロッド6は、軸孔6cにクランクピン2bを挿通することで、クランクピン2b上に配置されるとともに、クランクピン2bとコンロッド6にコンロッド軸受20を介設することで、クランクピン2b上で回転自在に軸支される。
クランクシャフト2に対しては、図3に示すように、複数のクランクピン2b・2b・2b・2bに対応させて、複数(本実施形態では4個)のコンロッド軸受20・20・20・20が用いられる。
コンロッド軸受20は、図2に示すように、軸孔6cを構成するコンロッド本体6aとコンロッドキャップ6bに介設される軸受部材であり、コンロッド軸受20としては、すべり軸受が採用される。
コンロッド軸受20は、一対の半円筒形軸受である半割り軸受21・22を突き合せて円筒状に構成したものであり、コンロッド本体6aとコンロッドキャップ6bをボルトで締結することで形成された軸孔6cにおいて保持されている。
そして、各半割り軸受21・22の内周面には、クランクシャフト2のクランクピン2bが摺接するようになっており、このコンロッド軸受20の内周面とクランクピン2bの外周面とで摺動部を構成している。
ここで、主軸受10の構造について、図4を用いて説明する。
図4(a)(b)に示す如く、主軸受10には、上側軸受部材11の外周面から内周面に向けて貫通する潤滑油を供給するための油路である供給油路13と、上側軸受部材11の内周面に円周方向に形成した油溝14が設けられており、該供給油路13は回転するジャーナル部2aの油路(後述する内部油路7)の開口と連通するように構成している。
尚、油溝14は、溝の深さが所定の深さで形成された部位と、該部位に隣接して溝の深さが漸減する部位から構成される。
一方、図4(a)(c)に示す如く、下側軸受部材12には、潤滑油の供給油路13および油溝14は形成されておらず、クランクシャフト2から作用する荷重を下側軸受部材12の内周面全体で受けるように構成している。尚、主軸受10における上側軸受部材11と下側軸受部材12の境界部分である合わせ部15の近傍には、上側軸受部材11と下側軸受部材12にそれぞれクラッシリリーフ(図示せず)が形成されている。
ここで、コンロッド軸受20の構造について、図5を用いて説明する。
図5(a)(b)に示す如く、コンロッド軸受20を構成する一対の半割り軸受21・22には、内周面に油溝は設けられておらず、コンロッド軸受20の内周面に向けて、クランクピン2bの油路(後述する内部油路8)が開口されている。
ここでクランクシャフト2の油路構造について、図1、図2、図6を用いて説明する。
図1、図2、図6に示す如く、クランクシャフト2は、その内部において潤滑油を流通させるための内部油路7・8が形成されている。
第一の油路である内部油路7は、ジャーナル部2aにおける外周面の直径方向に対向した位置に開口されるとともに、第二の油路である内部油路8は、内部油路7に連通するとともに、ジャーナル部2aにおける一方の開口から斜め方向に形成されてクランクピン2bの外周面に開口されるように構成される。
尚、本実施形態では、クランクシャフト2の内部に内部油路7・8が形成されている場合を例示しているが、本発明の一実施形態に係る支持装置1を構成するクランクシャフト2の態様はこれに限定されず、例えば、図7に示すような、クランクシャフト2の内部に内部油路9のみを備えた形態であってもよい。この場合の内部油路9は、ジャーナル部2aにおける外周面の直径方向に対向した位置に開口されるとともに、ジャーナル部2aにおける一方の開口から斜め方向に形成されてクランクピン2bの外周面にも開口されるように構成される。
さらに、上記の所謂V穴タイプ及びI穴タイプに加えてH穴タイプにも適用可能である。
ここで、クランクシャフト2における潤滑油の流れについて、図1、図2、図6を用いて説明する。
図1に示す如く、シリンダブロック3の内部には潤滑油路3Xが形成されている。
また、主軸受10の上側軸受部材11には、潤滑油路3Xの下端部の位置に合せて半径方向に向けて開口する潤滑油の供給油路13が形成されており、潤滑油路3Xから供給された潤滑油が、供給油路13により、主軸受10とジャーナル部2aとの摺動部に供給され、該摺動部を潤滑するように構成している。
シリンダブロック3に形成される潤滑油路3Xは、図6に示すような形態となっており、該潤滑油路3Xには、オイルポンプ(図示せず)によって潤滑油が供給される。
図6に示す如く、オイルポンプから潤滑油路3Xに供給された潤滑油は、図1および図2に示すように、上側軸受部材11の供給油路13を通して油溝14に流れ込んで、主軸受10の摺動部に供給される。このとき主軸受10の摺動部に存在する隙間から一部の潤滑油が漏れ出る。支持装置1では、このとき主軸受10から漏れ出る潤滑油を、後述するシール部によって堰き止めて、シール部の外側に排出しないように構成している。
油溝14に流れ込んだ潤滑油は、次に、ジャーナル部2aの外周面に開口された内部油路7から流れ込んで、クランクピン2bの外周面に開口された形成された内部油路8から流出し、コンロッド軸受20の摺動部に供給される。
コンロッド軸受20の摺動部に供給された潤滑油は、コンロッド軸受20とクランクピン2bの間に存在する隙間から漏れ出て、クランクケースへと流出する。そして、クランクケースに流出した潤滑油は、オイルポンプによって、また潤滑油路3Xへと供給され、再度主軸受10およびコンロッド軸受20の各摺動部の潤滑に使用され、循環利用される。
次に、シール部について、図8〜図12を用いて説明する。
本発明の一実施形態に係る支持装置1は、図8および図9に示すように、シール部30を備えている。
シール部30は、支持装置1とクランクシャフト2の間に存在するクリアランス(隙間)を狭めるための部位であり、図8および図9に示す形態では、シリンダブロック3およびキャップ4における軸孔5の周囲に設けている。尚、本発明の一実施形態に係る支持装置1では、シール部30によって狭められた後において、支持装置1とクランクシャフト2の間の隙間を「0」としてもよい。
図8および図9に示すシール部30は、樹脂製のシール材を軸孔5の周縁に沿って一連のリング状に塗布し、該シール材を硬化させることによって形成される。
シール部30は、樹脂製のシール材を塗布することによって形成されるものであるため、クランクシャフト2の材質や製法の如何に関わらず(即ち、鋳造シャフトであるか鍛造シャフトであるかに関わらず)設けることができる。
シール部30は、シリンダブロック3およびキャップ4の表面からシール材を所定の高さで盛り上げて塗布することによって形成され、シール部30によって、支持装置1(より詳しくは、シリンダブロック3およびキャップ4)とクランクシャフト2の間に存在する隙間が狭められている。
そして、本発明の一実施形態に係る支持装置1では、シール部30を設けることによって、主軸受10から漏出する潤滑油を、支持装置1とクランクシャフト2の間の隙間から流出しにくくしている。
また、シール部30を形成するための樹脂製のシール材としては、摺動性の良い樹脂からなるものを用いることが好ましい。摺動性の良い樹脂を用いてシール部30を形成した場合、仮にシール部30が摩耗して摩耗粉になったとしても、支持装置1およびクランクシャフト2において焼き付きが生じる原因とはならない。
尚、本実施形態では、摺動性のよい樹脂としてフッ素樹脂(PTFE:ポリテトラフルオロエチレン)を採用しており、シール部30をフッ素樹脂製のシール材によって形成する構成としている。
即ち、本発明の一実施形態に係る支持装置1は、クランクシャフト2と、シリンダブロック3と、該シリンダブロック3に締結されるキャップ4と、シリンダブロック3とキャップ4によって形成される軸孔5において、クランクシャフト2のジャーナル部2aを支持する主軸受10と、からなるものであって、シリンダブロック3およびキャップ4とクランクシャフト2との隙間を狭めるための部位であるシール部30を備えるものである。
また、本発明の一実施形態に係る支持装置1において、シール部30は、樹脂製のシール材を塗布することにより形成されるものである。
このような構成の支持装置1によれば、クランクシャフト2の種類に関わりなく、シール部30を設けることができ、漏れ油量の低減を図ることができる。
ここで、シール部30の形成態様について説明する。
例えば、シール部30は、図9に示すように、軸孔5の周囲に隙間なく(一連のリング状に)形成して設けることができる。そして、シール部30を、軸孔5の周囲に隙間なく設けることによって、漏れ油量を確実に低減することが可能になる。
即ち、本発明の一実施形態に係る支持装置1は、シリンダブロック3およびキャップ4の側に、シール部30を備えるものである。
このような構成により、クランクシャフト2の種類に関わりなく、シール部30を設けることができ、これにより、漏れ油量の低減を図ることができる。
また、本発明の一実施形態に係る支持装置1において、シール部30は、軸孔5の周囲に一連のリング状に形成されるものである。
このような構成により、漏れ油量を確実に低減することができる。
また例えば、シール部30は、図10(a)に示すように、軸孔5の周囲において、略リング状に形成したシール部30に対して、溝部31を設ける構成とすることができる。
図10(a)に示す態様では、軸孔5の中心から放射状となる方向に複数の溝部31・31・・・を形成している。
シール部30に溝部31を設けた構成では、例えば、エンジンの始動直後のように潤滑油の温度が低い(粘度が高い)ときには、溝部31から潤滑油が漏れることがなく、漏れ油量を低減させて、エンジンの早期昇温を図ることができる。
また、シール部30に溝部31を設けた場合には、エンジンが十分に温まったときのように潤滑油の温度が高い(粘度が低い)ときには、潤滑油を溝部31から漏出されることができ、高温時における潤滑油の冷却を可能にすることで支持装置1の焼き付きが防止できる。
尚、溝部31の幅および深さによって、潤滑油の漏出状態(即ち、どの程度の粘度になったときに溝部31から漏れ出るようにするか)を、調整することができる。また、シール部30に用いるシール材の材質を変えることによっても、潤滑油の漏出状態を調整することができる。
尚、溝部31は、図10(a)に示すように、シール部30を形成する際に、樹脂を塗布しない部位を、軸孔5の中心から複数の溝部31・31・・・を放射状に設けることによって、形成することができる。
また、図10(b)に示すように、シール部30を設ける部位(ここでは、シリンダブロック3とキャップ4)に、予め溝部3a・3a・・・および溝部4a・4a・・・を刻設しておき、その後シール部30を形成することによって、シール部30における溝部3a・4aによって凹んだ部位として溝部32を形成してもよい。
尚、溝部31と溝部32は、形成方法が相違しているが、配置等の考え方は共通しているため、以下では溝部32についての説明は省略する。
尚、図10(a)(b)に示す形態では、溝部31を、軸孔5の中心から放射状に形成する場合を例示したが、溝部31の形成方向はこれに限定されず、略リング状に形成されたシール部30の円の内側と外側を連通する態様であれば、溝部31の形成方向は、軸孔5の中心を通らない形成方向であってもよい。
また、本実施形態では、シール部30に複数の溝部31を形成する場合を例示しているが、例えば、図11(a)に示すように、溝部31の形成箇所数は、一箇所であってもよい。
さらに、本実施形態では、シール部30の溝部31を、軸孔5の周囲に均等割の配置で形成する構成を例示しているが、溝部31の配置は、軸孔5の周囲において均等に配置されていなくてもよい。
溝部31は、例えば、シリンダブロック3かキャップ4の何れか一方にだけ形成してもよく、この場合には、図11(b)に示すように、使用状態において、上向きとなるシリンダブロック3側に溝部31を形成することが好ましい。
即ち、本発明の一実施形態に係る支持装置1において、シール部30は、軸孔5の周囲に略リング形状に形成されるとともに、略リング形状の内側と外側を連通する溝部31を備えるものである。
潤滑油は、油路内で密閉された状態が維持されると温度が上昇し、高温の状態が続くと支持装置1およびクランクシャフト2に焼き付きが生じるおそれがある。支持装置1では、溝部31を備える構成により、潤滑油が低温のときには漏れ油量を低減しつつ、潤滑油が高温になったときには溝部31から潤滑油を排出させることで潤滑油を冷却し、支持装置1およびクランクシャフト2に焼き付きが生じることを防止できる。
また、支持装置1では、シール部30を支持装置1側に設けるのではなく、図12に示すように、シール部30を、クランクシャフト2側に設ける構成とすることも可能である。
図12に示す如く、シール部30をクランクシャフト2側に設ける場合には、クランクシャフト2の連結部2cにおけるジャーナル部2aとの接合位置の周囲において、リング状に樹脂を塗布することによって、シール部30を設けることができる。
この場合のシール部30は、クランクシャフト2の連結部2cの表面から所定の高さで盛り上げて形成されており、シール部30によって、シリンダブロック3およびキャップ4とクランクシャフト2の間に存在する隙間が狭められている。
これにより、本発明の一実施形態に係る支持装置1では、主軸受10から漏出した潤滑油が、シール部30の存在によって、流出しにくくなっている。
即ち、本発明の一実施形態に係る支持装置1は、クランクシャフト2側に、シール部30を備えるものである。
このような構成により、クランクシャフト2の種類に関わりなく、シール部30を設けることができ、これにより、漏れ油量の低減を図ることができる。
また、本発明の一実施形態に係る支持装置1において、ジャーナル部2aは、クランクシャフト2を構成する一対の連結部2c・2cを繋ぐように配置され、シール部30は、連結部2cにおけるジャーナル部2aの連結位置の周囲において、一連のリング状に形成されるものである。
このような構成により、漏れ油量を確実に低減することができる。
尚、シール部30をクランクシャフト2側に設ける場合においても、シール部30に溝部を設けても良い。この場合における溝部の形成態様は、シール部30を支持装置1側に設ける場合の溝部31(図10および図11参照)と同様の態様とすることができる。
即ち、本発明の一実施形態に係る支持装置1において、ジャーナル部2aは、クランクシャフト2を構成する一対の連結部2c・2cを繋ぐように配置され、シール部30は、連結部2cにおけるジャーナル部2aの連結位置の周囲に略リング形状に形成されるとともに、略リング形状の内側と外側を連通する溝部31を備えるものである。
本発明の一実施形態に係るクランクシャフト2の支持装置1では、溝部31を備える構成により、潤滑油が低温のときには漏れ油量を低減しつつ、潤滑油が高温になったときには溝部31から潤滑油を排出させることで潤滑油を冷却し、支持装置1およびクランクシャフト2に焼き付きが生じることを防止できる。
尚、クランクシャフトでは、スラスト方向への位置決めのために、ジャーナル部にワッシャを配置する構成が一般的に採用されるが、シール部30を備えた支持装置1でクランクシャフト2を軸支する構成では、シール部30によって、支持装置1とクランクシャフト2の隙間が狭められているため、ワッシャを省略することも可能である。
また、本実施形態では、シール部30を支持装置1側かクランクシャフト2側のいずれかに設ける構成を例示しているが、シール部30を、支持装置1側とクランクシャフト2側の両方に設ける構成とすることも可能である。
1 支持装置
2 クランクシャフト
2a ジャーナル部
2b クランクピン
2c 連結部
3 シリンダブロック
4 キャップ
5 軸孔
10 主軸受
30 シール部
31 溝部

Claims (8)

  1. クランクシャフトと、
    シリンダブロックと、
    該シリンダブロックに締結されるキャップと、
    前記シリンダブロックと前記キャップによって形成される軸孔において、前記クランクシャフトのジャーナル部を支持する主軸受と、
    からなるクランクシャフトの支持装置であって、
    前記シリンダブロックおよび前記キャップと前記クランクシャフトとの隙間を狭めるための部位であるシール部を備える、
    ことを特徴とするクランクシャフトの支持装置。
  2. 前記シリンダブロックおよび前記キャップの側に、
    前記シール部を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトの支持装置。
  3. 前記シール部は、
    前記軸孔の周囲に一連のリング状に形成される、
    ことを特徴とする請求項2に記載のクランクシャフトの支持装置。
  4. 前記シール部は、
    前記軸孔の周囲に略リング形状に形成されるとともに、
    前記略リング形状の内側と外側を連通する溝部を備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載のクランクシャフトの支持装置。
  5. 前記クランクシャフト側に、
    前記シール部を備える、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のクランクシャフトの支持装置。
  6. 前記ジャーナル部は、
    前記クランクシャフトを構成する一対の連結部を繋ぐように配置され、
    前記シール部は、
    前記連結部における前記ジャーナル部の連結位置の周囲において、一連のリング状に形成される、
    ことを特徴とする請求項5に記載のクランクシャフトの支持装置。
  7. 前記ジャーナル部は、
    前記クランクシャフトを構成する一対の連結部を繋ぐように配置され、
    前記シール部は、
    前記連結部における前記ジャーナル部の連結位置の周囲に略リング形状に形成されるとともに、
    前記略リング形状の内側と外側を連通する溝部を備える、
    ことを特徴とする請求項5に記載のクランクシャフトの支持装置。
  8. 前記シール部は、
    樹脂製のシール材を塗布することにより形成される、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか一項に記載のクランクシャフトの支持装置。
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