JP2012231090A - 電子部品用接合材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】硬化性化合物と、硬化剤と、ポリイミド粒子とを含有し、前記ポリイミド粒子は、表面に凹凸のある形状を有し、平均粒子径が0.03〜10μmである電子部品用接合材。表面に凹凸のある形状は、規則的な形状、又は、球場の表面に凹凸が形成された形状でなくとも、粒子状又はフィルム状のポリイミドを機械的に粉砕して得た不規則な凹凸ある形状であってもよい。
【選択図】図1
Description
以下、本発明を詳述する。
このように、硬化後、ガラス転移温度以下の温度領域においては線膨張率及び弾性率が充分に低くなり、かつ、ガラス転移温度以上の温度領域においては弾性率が高くなって高温での接着信頼性が向上する電子部品用接合材を用いると、小型化及び薄層化した半導体チップを接合する場合にも信頼性の高い接合体を製造することができる。
上記硬化性化合物は特に限定されず、例えば、付加重合、重縮合、重付加、付加縮合、開環重合等の反応により硬化する化合物が挙げられる。上記硬化性化合物として、具体的には、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂、アルキル−ベンゼン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性化合物が挙げられる。なかでも、得られる接合体が信頼性及び接合強度に優れることから、エポキシ樹脂が好ましい。
上記エポキシ樹脂と反応可能な官能基を有する高分子化合物を含有することで、得られる電子部品用接合材の硬化物は靭性をもち、優れた耐衝撃性を有することができる。
上記硬化性化合物として上記エポキシ樹脂と、上記エポキシ基を有する高分子化合物とを用いる場合、得られる電子部品用接合材の硬化物は、上記エポキシ樹脂に由来する優れた機械的強度、耐熱性及び耐湿性と、上記エポキシ基を有する高分子化合物に由来する優れた靭性とを兼備し、高い接着信頼性及び高い導通信頼性を発現することができる。
上記硬化剤は特に限定されず、例えば、アミン系硬化剤、酸無水物硬化剤、フェノール系硬化剤等が挙げられる。なかでも、酸無水物硬化剤が好ましい。
上記硬化剤の含有量は、上記硬化性化合物100重量部に対するより好ましい下限が10重量部、より好ましい上限が140重量部である。
上記値のより好ましい下限は0.2、より好ましい上限は8である。
上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、硬化速度、硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。これらの硬化促進剤は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記ポリイミド粒子を添加することによって、無機充填材等を添加しなくても、電子部品用接合材の硬化後のガラス転移温度以下の温度領域における線膨張率を低下させることができる。また、無機充填材は線膨張率を低下させると同時に弾性率を上昇させる効果を有するのに対し、上記ポリイミド粒子は、弾性率の上昇を抑制しながら線膨張率を低下させることができる。更に、上記ポリイミド粒子を添加することによって、電子部品用接合材の硬化後のガラス転移温度以上の温度領域における弾性率を高めることができる。
上記ポリイミド粒子が表面に凹凸のある形状を有し、平均粒子径が上記範囲内であることにより、硬化後のガラス転移温度以下の温度領域における線膨張率を低下させる効果を大きく向上させることができる。これは、上記硬化性化合物等の硬化性成分と上記ポリイミド粒子との接触面積が増大する効果と、上記ポリイミド粒子の表面の凹凸によるアンカー効果とによるものと推測される。
本発明の電子部品用接合材を用いると、硬化後、ガラス転移温度以下の温度領域においては線膨張率及び弾性率が充分に低くなり、かつ、ガラス転移温度以上の温度領域においては弾性率が高くなって高温での接着信頼性が向上することにより、小型化及び薄層化した半導体チップを接合する場合にも信頼性の高い接合体を製造することができる。
上記ポリイミド粒子が表面に凹凸のある形状を有さない場合には、上記硬化性化合物等の硬化性成分と上記ポリイミド粒子との接触面積が減少して上記ポリイミド粒子の熱特性が上記硬化性化合物等の硬化性成分に充分に伝わらず、また、上記ポリイミド粒子の表面のアンカー効果が低下することから、硬化後のガラス転移温度以下の温度領域における線膨張率を低下させる効果が充分に得られない。上記ポリイミド粒子が表面に凹凸のある形状を有さない場合として、例えば、上記ポリイミド粒子が、表面が滑らかな球状等の比表面積の小さい形状を有する場合等が挙げられる。
上記ポリイミド粒子が放射状を有する場合、上記ポリイミド粒子の結晶形態として、例えば、繊維状結晶、リボン状結晶、板状結晶、棒状結晶、針状結晶及びこれらの凝集体、並びに、星形結晶等が挙げられる。図1(a)〜(c)に、上記ポリイミド粒子が放射状を有する場合の上記ポリイミド粒子の形状の例を模式的に示す。
上記ポリイミド粒子が表面にシワのある形状を有する場合、上記シワは凹状であってもよく凸状であってもよい。図4(a)及び(b)に、上記ポリイミド粒子が表面にシワのある形状を有する場合の上記ポリイミド粒子の形状の例を模式的に示す。
また、上記表面に凹凸のある形状として、例えば、図5に示すような形状も挙げられる。
例えば、上記ポリイミド粒子が放射状を有する場合、上記ポリイミド粒子の最長径は、上記ポリイミド粒子を電子顕微鏡で1000〜30万倍程度の倍率で観察したときの放射状の端から端の長さである。例えば、上記ポリイミド粒子が表面に複数の凸部のある形状を有する場合、上記ポリイミド粒子の最長径は、上記ポリイミド粒子を電子顕微鏡で1000〜30万倍程度の倍率で観察したときの凸部の端から端の長さである。
上記ポリイミド粒子の平均粒子径の好ましい下限は0.05μm、好ましい上限は5μmである。
上記ポリイミド粒子の粒子径のCV値のより好ましい下限は15%、より好ましい上限は40%である。
なお、本明細書中、ポリイミド粒子の粒子径のCV値とは、ポリイミド粒子の平均粒子径mと標準偏差σから下記式により算出した値を意味する。
CV値(%)=σ/m×100
上記ポリイミド化合物は、主骨格に芳香環を有することで、より剛直で揺らぎの少ない分子構造となり、電子部品用接合材の硬化後のガラス転移温度以下の温度領域における線膨張率を更に低下させることができる。
また、上記主骨格に芳香環を有するポリイミド化合物として、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフタレン等の芳香環を主骨格に有するポリイミド化合物も挙げられ、具体的には、例えば、ポリ(N,N’−p−フェニレン−ビフェニルテトラカルボキシルイミド)等が挙げられる。
これらの方法によれば、超音波攪拌を行うことにより、微細なポリイミド粒子を得ることができる。
この方法によれば、ジアミン混合物中のジアミンの配合比を調整することにより、所望の平均粒子径を有するポリイミド粒子を得ることができる。
また、例えば、ポリアミド酸を可溶な溶媒中でポリアミド酸を合成し、得られたポリアミド酸溶液に特定のポリマーを溶解させ、得られたポリアミド酸/ポリマー混合溶液をポリアミド酸の貧溶媒中に添加してポリアミド酸を再沈殿させる方法を用いると、多孔性のポリアミド酸粒子を作製することができる。このポリアミド酸粒子をイミド化することで所望の形状を有する孔質性のポリイミド粒子を得ることができる。
また、例えば、あらかじめ小片状にしておいた粒子状又はフィルム状のポリイミドをビーズミル、ボールミル等の公知の機械的粉砕機で粉砕したり、適切な溶媒に分散させてホモジナイザーで粉砕したりすることにより、不規則な凹凸のある形状を有するポリイミド粒子を得ることができる。
上記芳香族テトラカルボン酸無水物は特に限定されず、例えば、4,4’−ビフタル酸無水物(BPDA)、ピロメリット酸無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
これらの無水テトラカルボン酸は単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記芳香族ジアミンは特に限定されず、例えば、1,4−フェニレンジアミン(PPD)、1,3−フェニレンジアミン、1,2−フェニレンジアミン、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(DAMBO)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6’−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノビベンジル、R(+)−2,2’−ジアミノ−1,1’−ビナフタレン、S(+)−2,2’−ジアミノ−1,1’−ビナフタレン等が挙げられる。
上記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンは特に限定されず、例えば、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、5−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2,2’−p−フェニレンビス(5−アミノベンゾオキサゾール)、2,2’−p−フェニレンビス(6−アミノベンゾオキサゾール)、1−(5−アミノベンゾオキサゾロ)−4−(6−アミノベンゾオキサゾロ)ベンゼン、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,3’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,3’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール等が挙げられる。
なお、上記アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基の配位位置に応じて定められる各異性体であり、例えば、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、5−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール等が挙げられる。
これらのベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンは単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
これらのジアミンは単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記ポリイミド粒子に表面処理を施すことにより、電子部品用接合材の流動性の低下を更に抑制しながらポリイミド粒子を高充填することができる。
上記表面処理する方法は特に限定されず、例えば、シランカップリング剤を用いて表面処理する方法等が挙げられる。上記シランカップリング剤を用いて表面処理する方法は特に限定されず、例えば、ポリイミド粒子の表面に存在する官能基とシランカップリング剤とを反応させる方法、ポリイミド粒子の表面にコーティング層を形成した後、コーティング層の表面に存在する官能基とシランカップリング剤とを反応させる方法等が挙げられる。上記コーティング層を形成する方法は特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコールを物理吸着させる方法等が挙げられる。
例えば、上記無水テトラカルボン酸と上記ジアミンの2種類の原料に、更に、例えば、2,4,6−トリアミノピリジン等の3価のアミンを組み合わせることで、表面にアミノ基を有するポリイミド粒子が得られる。このアミノ基に、例えば、グリシジル基、カルボキシル基等を有する機能性化合物を反応させることで、ポリイミド粒子の表面を2次修飾することができる。
上記ポリイミド粒子の含有量は、上記硬化性化合物100重量部に対するより好ましい下限が30重量部、より好ましい上限が700重量部であり、更に好ましい下限が50重量部、更に好ましい上限が500重量部である。
上記無機充填材は特に限定されず、例えば、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ、ガラス繊維、アルミナ微粒子等が挙げられる。
上記無機充填材の含有量は、上記硬化性化合物100重量部に対するより好ましい上限が50重量部である。
上記希釈剤は特に限定されないが、電子部品用接合材の加熱硬化時に硬化物に取り込まれる反応性希釈剤が好ましい。なかでも、得られる電子部品用接合材の接着信頼性を悪化させないために、1分子中に2以上の官能基を有する反応性希釈剤がより好ましい。
上記1分子中に2以上の官能基を有する反応性希釈剤として、例えば、脂肪族型エポキシ、エチレンオキサイド変性エポキシ、プロピレンオキサイド変性エポキシ、シクロヘキサン型エポキシ、ジシクロペンタジエン型エポキシ、フェノール型エポキシ等が挙げられる。
上記希釈剤の含有量は、上記硬化性化合物100重量部に対するより好ましい下限が5重量部、より好ましい上限が20重量部である。
上記溶媒は特に限定されず、例えば、芳香族炭化水素類、塩化芳香族炭化水素類、塩化脂肪族炭化水素類、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、グリコールエーテル(セロソルブ)類、脂環式炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。
上記無機イオン交換体の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が1重量%、好ましい上限が10重量%である。
上記線膨張率は、使用する硬化性化合物の特性にも左右されるが、より好ましい下限が15ppm、より好ましい上限が55ppmである。
上記弾性率は、使用する硬化性化合物の特性にも左右されるが、より好ましい下限が50MPa、より好ましい上限が6000MPa、更に好ましい上限が5000MPaである。
また、本発明の電子部品用接合材がシート状である場合、本発明の電子部品用接合材を製造する方法として、例えば、ペースト状の電子部品用接合材を押出成型法を用いてシート状に成形する方法、ペースト状の電子部品用接合材を含有する溶液を、溶剤キャスト法、ウェーハに直接塗工するスピンコート法、スクリーン印刷する方法等を用いてシート状に成形する方法が挙げられる。
1,4−フェニレンジアミン(PPD)0.216gをアセトン80gに添加して攪拌することにより、ジアミン溶液を得た。次いで、得られたジアミン溶液に対して超音波装置(UH−600S、SMT社製)を用いて25℃で20kHz、600Wの超音波を照射し、撹拌しながら、非溶液状態の4,4’−ビフタル酸無水物(BPDA)0.588gをジアミン溶液に速やかに添加した。30分間超音波照射し、反応を進行させポリアミド酸を生成させた。このとき、生成したポリアミド酸は反応溶液中で析出し、ポリアミド酸粒子が得られた。得られたポリアミド酸粒子を単離した後、テトラデカン146g中に分散させ、160℃で360分間加熱してイミド化処理することにより、ポリイミド粒子を得た。得られたポリイミド粒子をアセトンで洗浄して単離し、ポリイミド粒子(表面に凹凸のない形状(球状)、平均粒子径0.3μm、粒子径のCV値35%)を得た。
次いで、ボールミル機(セイシン社製、プラネタリーボールミル PM−1200)を用い、純水を媒体として使用して、上記で得られたポリイミド粒子(表面に凹凸のない形状(球状)、平均粒子径0.3μm、粒子径のCV値35%)を設定回転数250rpmで1時間粉砕してポリイミド粒子を得た。得られたポリイミド粒子をアセトンで洗浄して単離し、ポリイミド粒子A(表面に凹凸のある形状、平均粒子径0.2μm、粒子径のCV値45%)を得た。
ポリイミドフィルム(ユーピレックスSフィルム、宇部興産社製、厚み50μm)をあらかじめ約5mm角にカットし、小片状のフィルム状態とした。ボールミル機(セイシン社製、プラネタリーボールミル PM−1200)を用い、小片状のポリイミドフィルムを2時間粉砕してポリイミド粒子を得た。得られたポリイミド粒子をアセトンで洗浄して単離し、ポリイミド粒子B(表面に凹凸のある形状、平均粒子径5μm、粒子径のCV値48%)を得た。
ピロメリット酸無水物(PMDA)をジビニルトルエン混合物(DBT)中に添加し、窒素気流下で330℃に昇温した。昇温過程でPMDAを溶解させ溶液を得た。得られた溶液に、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)をPMDAと等モル量添加して完全に溶解させた。次いで、重合濃度0.5%で、静置下で6時間重合を行ったところ、時間と共に反応物が析出し、ポリイミド粒子を得た。得られたポリイミド粒子をアセトンで洗浄して単離し、ポリイミド粒子C(表面に凹凸のある形状、平均粒子径5μm、粒子径のCV値16%)を得た。
1,4−フェニレンジアミン(PPD)0.216gをアセトン80gに添加して攪拌することにより、ジアミン溶液を得た。次いで、得られたジアミン溶液に対して超音波装置(UH−600S、SMT社製)を用いて25℃で20kHz、600Wの超音波を照射し、撹拌しながら、非溶液状態のピロメリット酸無水物(PMDA)0.436gをジアミン溶液に速やかに添加した。30分間超音波照射し、反応を進行させポリアミド酸を生成させた。このとき、生成したポリアミド酸は反応溶液中で析出し、ポリアミド酸粒子が得られた。得られたポリアミド酸粒子を単離した後、テトラデカン146g中に分散させ、160℃で360分間加熱してイミド化処理することにより、ポリイミド粒子を得た。得られたポリイミド粒子をアセトンで洗浄して単離し、ポリイミド粒子D(表面に凹凸のない形状(球状)、平均粒子径0.5μm、粒子径のCV値15%)を得た。
4,4’−ビフタル酸無水物(BPDA)と1,4−フェニレンジアミン(PPD)の等モル重合反応により得られたポリアミド酸を、N−メチルピロリドンに1.5重量%の濃度で溶解し、ポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液に、ポリアミド酸に対する配合量が20質量%となるようにポリアクリル酸(分子量45万)を添加し、ポリアミド酸/ポリアクリル酸混合溶液を得た。このポリアミド酸/ポリアクリル酸混合溶液0.1mLを、室温下、1500rpmの撹拌条件下でマイクロシリンジを用いて、中性高分子界面活性剤(アクリディック、DIC社製)を0.1質量%含有するシクロヘキサン10mLに注入し、ポリアミド酸粒子を得た。得られたポリアミド酸粒子を単離した後、ポリアミド酸粒子1gをテトラデカン146g中に分散させ、160℃で360分間加熱してイミド化処理することにより、ポリイミド粒子を得た。ポリイミド粒子をアセトンで洗浄して単離し、ポリイミド粒子E(表面に凹凸のある形状、平均粒子径0.2μm、粒子径のCV値27%)を得た。
表1の組成に従って、下記に示す各材料をホモディスパーを用いて攪拌混合して、電子部品用接合材を作製した。なお、各ポリイミド粒子は配合前に400℃のオーブンで30分間熱処理を行った。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「YL−980」、ジャパンエポキシレジン社製)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「1004AF」、ジャパンエポキシレジン社製)
グリシジル基含有アクリル樹脂(商品名「G−2050M」、日油社製)
トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸(商品名「YH−306」、JER社製)
2,4−ジアミノ−6−[2’メチルイミダゾリン−(1’)]−エチルs−トリアジンイソシアヌル酸付加物(商品名「2MA−OK」、四国化成工業社製)
上記で得られたポリイミド粒子A(表面に凹凸のある形状、平均粒子径0.2μm、粒子径のCV値45%)
上記で得られたポリイミド粒子B(表面に凹凸のある形状、平均粒子径5μm、粒子径のCV値48%)
上記で得られたポリイミド粒子C(表面に凹凸のある形状、平均粒子径5μm、粒子径のCV値16%)
上記で得られたポリイミド粒子D(表面に凹凸のない形状(球状)、平均粒子径0.5μm、粒子径のCV値15%)
上記で得られたポリイミド粒子E(表面に凹凸のある形状、平均粒子径0.2μm、粒子径のCV値27%)
ポリイミド粒子(商品名「UIP−S」、球状、平均粒子径10μm、粒子径のCV値15%、宇部興産社製)
シリカ粒子(商品名「シルフィル NHM−5N」、平均粒子径0.07μm、粒子径のCV値12%、トクヤマ社製)
シリカ粒子(商品名「SE2050SPJ」、平均粒子径0.5μm、粒子径のCV値10%、アドマテックス社製)
シリカ粒子(商品名「SE4050SPE」、平均粒子径1μm、粒子径のCV値10%、アドマテックス社製)
シランカップリング剤(商品名「KBM−573」、信越化学工業社製)
実施例及び比較例で得られた電子部品用接合材について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示した。
(1)線膨張率の測定
得られた電子部品用接合材について、110℃40分、更に、170℃30分で硬化させた厚さ500μmの硬化物を作製し、熱応力歪測定装置(型式「EXTEAR TMA/SS 6100」、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用い、荷重2N、昇温速度5℃/分、サンプル長1cmで300℃まで昇温し、このとき得られたSSカーブの傾きから線膨張率を求めた。
得られた半電子部品用接合材について、110℃40分、更に、170℃30分で硬化させた厚さ500μmの硬化物を作製し、粘弾性測定機(型式「DVA−200」、アイティー計測制御社製)を用い、昇温速度5℃/分、引っ張り、つかみ幅24mm、10Hzで300℃まで昇温し、25℃、170℃にて測定して得られる値を弾性率とした。
ハンダボールがペリフェラル状に配置されている半導体チップ(10mm×10mm×30μm厚)と、半導体チップを介して電気的に接続されたときに半導体チップ内のメタル配線とデイジーチェーンとなるように銅が配線された20mm×20mm×1.0mm厚の基板(ガラス/エポキシ系FR−4)とを用い、得られた電子部品用接合材を用いてフリップチップ実装(250℃、10秒、5N)した。得られたサンプルに対し、−55℃〜125℃(各10分間ずつ)、3000サイクルの冷熱サイクル試験を行った後、半導体チップ−電子部品用接合材−基板の剥がれの評価を行った。なお、8つのサンプルについて評価を行い、剥がれが見られたサンプルの個数を評価した。
Claims (1)
- 硬化性化合物と、硬化剤と、ポリイミド粒子とを含有し、
前記ポリイミド粒子は、表面に凹凸のある形状を有し、平均粒子径が0.03〜10μmである
ことを特徴とする電子部品用接合材。
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- 2011-04-27 JP JP2011099886A patent/JP2012231090A/ja active Pending
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