JP2012231077A - 多数個取り配線基板の製造方法および多数個取り配線基板 - Google Patents

多数個取り配線基板の製造方法および多数個取り配線基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 窒化アルミニウムからなるセラミック基体においてアルミニウムの析出を低減させつつ、加工時間を短縮させるとともに、製品の小型化にも対応した幅の狭い分割溝を形成できる多数個取り配線基板の製造方法および多数個取り配線基板を提供する。
【解決手段】 本発明の多数個取り配線基板の製造方法は、複数の配線基板領域1aを有する窒化アルミニウムからなるセラミック基体1を作製する工程と、セラミック基体1における複数の配線基板領域1aの境界線1cに沿ってウォータージェット誘導式レーザ5によるレーザ光を照射して第1の溝2aを形成する工程と、第1の溝2aの底部に沿ってレーザ光を照射して第1の溝2aよりも幅の狭い第2の溝2bを形成する工程とを有する。第1の溝2aの内面へのアルミニウムの析出を低減させつつ、加工時間を短縮させるとともに、製品の小型化にも対応した幅の狭い分割溝を形成できる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、半導体素子や水晶振動子等の電子部品を搭載するための配線基板を製造するための多数個取り配線基板の製造方法および多数個取り配線基板に関するものである。
従来、移動体通信分野などで使用される電子機器には、半導体素子や水晶振動子等の電子部品を搭載するために配線基板が用いられている。
このような配線基板は、近年の電子装置の小型化の要求に伴い、その大きさが小さくなってきている。そして、複数の配線基板を効率良く製作するために、多数個取り配線基板を分割することによって配線基板を製作するということが行なわれている。
この多数個取り配線基板は、セラミック基体の内部にそれぞれの配線基板領域ごとに形成された配線層および貫通導体を備えたものであって、セラミック粉末に有機バインダ、可塑剤および溶剤等を加えてスラリーとし、ドクターブレード等によりセラミックグリーンシートを成形した後、金属粉末を含有する導体ペーストを印刷するなどしてセラミックグリーンシート上にそれぞれの配線基板領域ごとに配線パターンを形成し、次に複数枚の配線パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層して加圧することによりセラミックグリーンシート積層体を得た後、このセラミックグリーンシート積層体を焼成することにより得られる。
一般に、得られた多数個取り配線基板の一方主面には、配線基板に容易に分割できるように、複数の配線基板領域を区画するV字状の分割溝が形成される。この分割溝の形成方法としては、焼結後のセラミック基体の表面にレーザ光を照射する方法が知られている(特許文献1を参照)。
しかしながら、セラミック基体が窒化アルミニウムの場合、レーザ光照射時に発生する熱によって窒化アルミニウムがアルミニウムと窒素に分解し、加工部である分割溝の内面にアルミニウムが析出することがある。分割溝の内面にアルミニウムが析出すると、多数個取り配線基板を分割して得た配線基板は、側面にアルミニウムの露出部を有する。配線基板の主面に形成された電極とアルミニウムの露出部との距離が短いと、高い電圧を加えた場合に、主面に配置された電極同士がアルミニウムの露出部を介して短絡されることがあり、配線基板の絶縁性を確保することが困難であった。
そのため、金属アルミニウムを析出させないように、ウォータージェット技術を用いて分割溝を形成する方法が知られている。ここで、ウォータージェット技術とは、水で高速の細い噴流(ウォータージェット)をつくり、この噴流を被加工物にあてて所望の加工を行なう技術である。例えば、ノズルから水を高速で噴射することによってウォータージェットをつくることができる。
特開平6−87085号公報
しかしながら、ウォータージェットによる分割溝形成方法では、アルミニウムが析出す
ること無く分割溝を形成できるが、加工時間が長く生産性が悪い。加工時間を短くするために、水に砥粒を混ぜて吹き付ける方法もあるが、この場合はノズル径が太くなるため加工される溝幅も広くなり、小型の製品の分割溝の形成が困難である。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は窒化アルミニウムからなるセラミック基体においてアルミニウムの析出を低減させつつ、加工時間を短縮させるとともに、製品の小型化にも対応した幅の狭い分割溝を形成できる多数個取り配線基板の製造方法および多数個取り配線基板を提供することにある。
本発明の多数個取り配線基板の製造方法は、複数の配線基板領域を有する窒化アルミニウムからなるセラミック基体を作製する工程と、該セラミック基体における前記複数の配線基板領域の境界線に沿ってウォータージェット誘導式レーザによるレーザ光を照射して第1の溝を形成する工程と、該第1の溝の底部に沿ってレーザ光を照射して前記第1の溝よりも幅の狭い第2の溝を形成する工程とを有することを特徴とする。
また本発明の多数個取り配線基板は、複数の配線基板領域を有する窒化アルミニウムからなるセラミック基体と、該セラミック基体における前記複数の配線基板領域の境界線に沿ってウォータージェット誘導式レーザによるレーザ光の照射によって設けられた、実質的にアルミニウムの析出のない第1の溝と、該第1の溝の底部に沿ってレーザ光の照射によって設けられた前記第1の溝よりも幅の狭い第2の溝とを含むものである。
本発明の多数個取り配線基板の製造方法によれば、ウォータージェット誘導式レーザによるレーザ光を照射して第1の溝を形成する工程と、第1の溝の底部に沿ってレーザ光を照射して第1の溝よりも幅の狭い第2の溝を形成する工程とを有するので、窒化アルミニウムからなるセラミック基体にアルミニウムの析出を低減させつつ、加工時間を短縮させるとともに、製品の小型化にも対応した幅の狭い分割溝を形成できる。
また、本発明の多数個取り配線基板によれば、実質的にアルミニウムの析出のない第1の溝と、第1の溝の底部に沿ってレーザ光の照射によって設けられた第1の溝よりも幅の狭い第2の溝とを含むことから、多数個取り配線基板を分割して、表裏の絶縁性が良好で、主面に対してほぼ垂直に形成されているとともに、バリやクラックが低減された側面を有する配線基板を得ることができる。
(a)は本発明の多数個取り配線基板の製造方法の実施の形態の一例の一工程を示す斜視図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 (a)は本発明の多数個取り配線基板の製造方法の実施の形態の一例の一工程の一例を示す斜視図である。 (a)は本発明の多数個取り配線基板の製造方法の実施の形態の一例の一工程の一例を示す斜視図であり、(b)は(a)のA部のB−B線断面を示す断面図である。 (a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す斜視図であり、(b)は(a)のA部のB−B線断面を示す断面図である。
本発明の多数個取り配線基板の製造方法および多数個取り配線基板について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。図1〜図4において、1はセラミック基体、1aは配線基板領域、1bはダミー領域、1cは配線基板領域1aの境界線、2は分割溝、2aは第
1の溝、2bは第2の溝、3は配線導体、3aは貫通導体、3bは内部導体、3cは電極、4は積層体、5はウォータージェット誘導式レーザ、5aはノズル、6はウォータージェットである。
本発明の多数個取り配線基板の製造方法は、図1〜図4に示す例のように、複数の配線基板領域1aを有する窒化アルミニウムからなるセラミック基体1を作製する工程と、セラミック基体1における複数の配線基板領域1aの境界線1cに沿ってウォータージェット誘導式レーザ5によるレーザ光を照射して第1の溝2aを形成する工程と、第1の溝2aの底部に沿ってレーザ光を照射して第1の溝2aよりも幅の狭い第2の溝2bを形成する工程とを有することから、第1の溝2aを形成するときに、第1の溝2aの内面の温度上昇を抑制できるので、第1の溝2aの内面へのアルミニウムの析出を低減させつつ、加工時間を短縮させるとともに、製品の小型化にも対応した幅の狭い分割溝を形成できる。なお、第1の溝2aと第2の溝2bからなる溝を分割溝2とする。
本発明の多数個取り配線基板の製造方法は、以下の工程を有する。
まず、複数の配線基板領域1aを有する窒化アルミニウムからなるセラミック基体1を作製する工程を有する。
セラミック基体1は、セラミック絶縁層の積層体4からなるものである。
まず、セラミック絶縁層となるセラミックグリーンシートを作製する。セラミックグリーンシートは、具体的には、窒化アルミニウムを主成分とするセラミック粉末に有機バインダおよび有機溶剤、必要に応じて所定量の可塑剤や分散剤を加えるとともに混練したスラリーを得て、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂や紙製の支持体上にドクターブレード法,リップコーター法またはダイコーター法等の成形方法によって塗布してシート状に成形し、温風乾燥,真空乾燥または遠赤外線乾燥等の乾燥方法によって乾燥することによって作製される。ここで、セラミックグリーンシートの厚みは、例えば焼成後のセラミック絶縁層の厚みが50〜200μmとなるような厚みに形成される。また、
セラミックグリーンシートには、レーザ光の吸収率を高くするための成分として、マグネシウム(Mg),マンガン(Mn),コバルト(Co),クロム(Cr),銅(Cu),ニッケル(Ni)および鉄(Fe)の群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物が含まれていてもよい。
有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに用いられているものを用いればよく、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独集合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラール系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独共重合体または共重合体が挙げられる。焼成工程での分解性や揮発性を考慮すると、アクリル系バインダがより好ましい。また、有機バインダの添加量はセラミック粉末によって異なるが、焼成時に分解・除去されやすく、かつセラミック粉末が分散され、セラミックグリーンシートのハンドリング性や加工性が良好な量であればよく、セラミック粉末に対して10乃至20質量%程度が望ましい。
スラリーに含まれる溶剤は、セラミック粉末および有機バインダを分散させ、セラミックグリーンシート成形に適した粘度のスラリーが得られるように、例えば炭化水素類,エーテル類,エステル類,ケトン類,アルコール類等の有機溶剤や水が挙げられる。これらの中で、トルエン,メチルエチルケトン,イソプロピルアルコール等の蒸発係数の高い溶剤は、スラリー塗布後の乾燥工程が短時間で終了できるので好ましい。溶剤の量は、セラ
ミック粉末に対して30乃至100質量%の量で加えることによって、スラリーを良好に支持
体上に塗布することができるような粘度、具体的には3cps乃至100cps程度となる
ようにすることが望ましい。
次に、セラミックグリーンシートに、配線導体3となる配線導体パターンが形成される。配線導体パターンには、積層体4の各層を貫通して配置され貫通導体3aとなる貫通導体パターンおよび、積層体4の層間に配置された内部導体3bとなる内部導体パターンならびに、積層体4の主面に配置された電極3cとなる電極パターンがある。
このような貫通導体パターンは、例えば、セラミックグリーンシートにパンチングや金型による打ち抜き加工やレーザ加工によって貫通導体パターン用の貫通孔を形成し、この貫通孔に貫通導体パターン用の導体ペーストをスクリーン印刷法やプレス充填によって埋め込んで形成される。
また、内部導体パターンは、例えば、セラミックグリーンシートの上面または下面に、貫通導体パターンが露出した部分に重なるように、内部導体パターン用の導体ペーストをスクリーン印刷法またはグラビア印刷法等の印刷法によって所定パターンに印刷することによって、5乃至20μm程度の厚みで形成される。
また、電極パターンは、積層体4の上面または下面となるセラミックグリーンシートの主面に、貫通導体パターンが露出した部分に重なるように、電極パターン用の導体ペーストをスクリーン印刷法またはグラビア印刷法等の印刷法によって所定パターンに印刷することによって形成される。
導体ペーストは、金属粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を加えてボールミルやプラネタリーミキサー等の混練手段によって均質に分散させて混練した後、溶剤を必要量添加することによって、印刷や貫通孔の充填に適した粘度に調整して作製される。
この金属粉末は、後の焼成工程においてセラミックグリーンシートとの同時焼成によって焼結する金属の粉末であり、タングステン(W),モリブデン(Mo)などの高融点導体を主成分とし、マンガン(Mn),金(Au),銀(Ag),銅(Cu),パラジウム(Pd),白金(Pt)等の少なくとも1種以上を含む材料を用いることができる。2種以上の金属を用いる場合には混合,合金,コーティング等のいずれの形態であっても構わない。
導体ペーストの有機バインダとしては、従来から導体ペーストに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体,具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。焼成工程での分解性や揮発性を考慮すると、アクリル系,アルキド系の有機バインダがより好ましい。また、有機バインダの添加量としては、金属粉末によって異なるが、焼成時に分解・除去されやすく、かつ金属粉末を分散できる量であればよく、金属粉末に対して外添加で5乃至20質量%程度の量であることが望ましい。
導体ペーストに用いる溶剤としては、金属粉末と有機バインダとを良好に分散させて混合できるようなものであればよく、テルピネオールやブチルカルビトールアセテートなどが挙げられる。印刷後の形成性および乾燥性を考慮して、低沸点溶剤を用いることが好ましい。溶剤は金属粉末に対して4乃至15質量%の量で加えられ、これらの導体ペーストを
良好に形成できる程度の粘度となるように、具体的には、電極パターンや配線導体パターン用の導体ペーストでは500乃至40000cps程度、貫通導体パターン用の導体ペーストでは15000乃至40000cps程度となるように調整される。
導体ペーストには、焼成時のセラミックグリーンシートの焼成収縮挙動や収縮率と合わせるため、または焼成後の配線導体3の接合強度を確保するために、ガラスやセラミックスの粉末を添加してもよい。
なお、セラミック基体1に半導体素子を収納するための凹部(図示せず)を形成する場合には、複数のセラミックグリーンシートのうちのいくつかのセラミックグリーンシートに半導体素子を収納できる大きさの貫通穴を形成する。
このようにして形成された複数のセラミックグリーンシートを積層して生積層体を作製する。得られた生積層体を非酸化性雰囲気で1600〜2000℃の焼成温度で焼成することによって、図1に示す例のような、複数の配線基板領域1aを有するセラミック基体1が得られる。
なお、複数の配線基板領域1aを有するセラミック基体1とは、配線導体パターンが焼結してなる配線導体3を含んでいるものである。また、配線導体3は貫通導体3aと内部導体3bと電極3cとを含んでいる。
次に、図2に示す例のように、セラミック基体1における複数の配線基板領域1aの境界線1cに沿ってウォータージェット誘導式レーザ5によるレーザ光を照射して、図3に示す例のような第1の溝2aを形成する。ウォータージェット誘導式レーザ5によるレーザ光を照射する工程で第1の溝2aを形成することから、第1の溝2aの内面にアルミニウムが析出することを低減できる。また、ウォータージェットのみで溝を形成する場合に比べて加工時間を短縮できる。
ここで用いるウォータージェット誘導式レーザ5とは、図2に示す例のように、ノズル5aから高圧で噴射されたウォータージェット6中を通したレーザ光によって被加工物を加工するための装置である。また、ウォータージェット6中に通すレーザ光は、水中でも吸収されにくい波長のレーザ光を用いることが好ましい。例えば、波長が基本波の1064nm、第2高調波の532nm、第3高調波の355nmのいずれかであるYAGレーザを用いることができる。波長532nm付近のグリーンレーザ(緑色のレーザ)で加工点出力1〜100W、特に10〜30Wのものであれば、水中でもレーザ光が吸収されにくいので有効である。なお、レーザ光を通すウォータージェット6は例えば圧力1〜50MPa、好ましくは10〜20MPaのものが好ましい。
図2に示す例のように、このようなウォータージェット誘導式レーザ5によるレーザ光を、セラミック基体1の加工位置である複数の配線基板領域1aの境界線1cに照射する。このときの送り速度は、生産性およびアルミニウムの析出を低減する効果を十分に発揮させる点で、5〜10mm/secが好ましい。なお、第1の溝2aは、例えば幅20〜60μm、深さ70〜120μmに形成されるが、1回の加工で所望の深さが得られない場合は、複
数回に渡って同じ溝を加工して第1の溝2aを形成するようにしてもよい。その繰返し回数はセラミック基体1の厚みや、所望する溝の深さによって適宜設定すればよい。
次に、第1の溝2aの底部にレーザ光を照射して、図4に示す例のような第1の溝2aよりも幅の狭い第2の溝2bを形成する。このような第2の溝2bを形成することによって、多数個取り配線基板は第2の溝2bを起点として分割される。したがって、第1の溝2aのみを形成した場合に比べて、分割時の応力がより狭い範囲に集中するので、バリや
クラックの発生を低減できるとともに、破断面を主面に対して垂直に近づけることができる。
このような第2の溝2bは、第1の溝2aの底部にレーザ光を照射することによって、第1の溝2aよりも狭い幅で形成される。この第2の溝2bは、例えば幅5〜20μm、深さ10〜20μmに形成されることが好ましい。
第2の溝2bを形成するレーザの条件としては、ウォータージェット誘導式レーザ5におけるレーザ条件と同様に、加工点出力1〜100W、好ましくは10〜30Wのものが好まし
い。
また、第2の溝2bの加工に用いるレーザは、第1の溝2aの加工時に使用したウォータージェット誘導式レーザ5とは別に準備されたレーザ装置を用いてもよいが、第1の溝2aの加工時に使用したウォータージェット誘導式レーザ5を使用すると多数個取り配線基板を搬送する必要がないので生産性を高める上で好ましい。具体的には、第1の溝2aの加工時に用いたウォータージェット誘導式レーザ5での加工後に、ウォータージェット誘導式レーザ5のウォータージェット6のみを止めて、レーザ光のみを照射することで、第2の溝2bの加工を行うことができる。
ここで、ウォータージェット誘導式レーザ5のレーザ光として熱影響の少ないグリーンレーザを用いて第1の溝2aを形成するとともに、ウォータージェット誘導式レーザ5のレーザ光のみを用いて第2の溝2bを形成する。このようにして分割溝2を形成すると、第1の溝2aの内面に加えて、第2の溝2bへのアルミニウムの析出をより有効に低減できる。
本発明の多数個取り配線基板は、複数の配線基板領域1aを有する窒化アルミニウムからなるセラミック基体1と、セラミック基体1における複数の配線基板領域1aの境界線1cに沿ってウォータージェット誘導式レーザ5によるレーザ光の照射によって形成された、実質的にアルミニウムの析出のない第1の溝2aと、第1の溝2aの底部に沿ってレーザ光の照射によって形成されて設けられた第1の溝2aよりも幅の狭い第2の溝2bとを含むものである。
第1の溝2aは、ウォータージェット誘導式レーザ5によるレーザ光の照射によって形成されたものであることによって、表面に実質的にアルミニウムの析出がない状態となっていることから、この多数個取り配線基板を第2の溝2bに沿って複数個に分割された配線基板は、側面を介してショートするなどのおそれなく、表裏の絶縁性が良好なものとなる。また、このような多数個取り配線基板は、第2の溝2bに沿って複数個に分割したときに、分割面(配線基板の側面)のバリや欠け等が低減され、配線基板の側面が主面に対して略垂直となる。
すなわち、本発明の多数個取り配線基板によれば、表裏の絶縁性が良好で、主面に対して略垂直に分割され、バリや欠けの少ない側面を有する配線基板を作製できる。
なお、分割方法としては、例えば3点曲げ式の切断装置を用いると精度良く分割することが可能である。
また、セラミック基体1の第1の主面の第2の溝2bに対向するようにセラミック基体1の第2の主面にも第2の溝2bが形成されていてもよい。この場合、セラミック基体1の第1の主面に形成された第1の溝2aおよび第2の溝2bの深さとセラミック基体1の第2の主面に形成された第2の溝2bの深さとの合計は、セラミック基体1の強度にもよ
るが、例えばセラミック基体1の厚みが300μm以上の場合、セラミック基体1の厚みに
対し30%〜70%となっていることが好ましく、セラミック基体1の厚みが300μm未満の
場合には、セラミック基体1の厚みに対し15%〜70%となっていることが好ましい。
また、第1の主面と第2の主面との分割溝の位置合わせは、多数個取り配線基板内に点在するようにキャスタレーション用の穴が形成されている場合には、キャスタレーション用の穴を利用して調整するのが好ましい。また、多数個取り配線基板の外周のダミー領域1bや、セラミック基体1の収縮変形に合わせた要所に、導体印刷や、金型打ち抜き等でアライメントマークを形成し、このアラインメントマークを利用して位置合わせしてもよい。
上記の実施の形態の例における多数個取り配線基板の製造方法および多数個取り配線基板の実施例を以下に詳細に説明する。
まず、平均粒径2.0μmの窒化アルミニウム粉末(AlN)60重量%に焼結助剤として
平均粒径1.0μmの酸化イットリウム(Y2O3)を3.0重量%と、トルエン、エタノールなど
の有機溶剤およびバインダを加えて混練してスラリーを作製し、このスラリーをシート状に成形して厚み150μmのセラミックグリーンシートを3枚作製し、これを積層して、生
積層体を作製した。その後、窒素雰囲気中で、1900℃で焼成して得たセラミック基板5に、レーザ光を照射して溝加工を実施した。
第1の溝2aは、ウォータージェット誘導式レーザ5を搭載し、被加工物を載置して1軸方向に移動する載置台を有するレーザースクライブ装置を用いて、ウォータージェット圧力が15MPa、レーザ出力が20W、レーザ波長が532nm(グリーンレーザ)、送り速
度が10mm/secでレーザ光の照射を5回繰返すことによって形成した。第2の溝2bは、上記した第1の溝2aを形成した後、ウォータージェット6を停止させて、ウォータージェット6を停止させた点以外の条件を変更せずに、グリーンレーザのみを用いて第1の溝2a上をなぞるように加工して形成した。
第2の溝2bの形成後に、多数個取り配線基板の第1の溝2aの内面を目視で確認したところ、アルミニウムの析出は見られなかった。また、第1の溝2aと第2の溝2bを形成した多数個取り配線基板を、分割溝2に沿って分割したところ、分割面においてバリや欠け等が見られなかった。
以上の結果より、窒化アルミニウムからなるセラミック基体1において、第1の溝2aの内面にアルミニウムの析出がないことが確認できた。
1・・・・セラミック基体
1a・・・配線基板領域
1b・・・ダミー領域
1c・・・配線基板領域1aの境界線
2・・・・分割溝
2a・・・第1の溝
2b・・・第2の溝
3・・・・配線導体
3a・・・貫通導体
3b・・・内部導体
3c・・・電極
4・・・・積層体
5・・・・ウォータージェット誘導式レーザ
5a・・・ノズル
6・・・・ウォータージェット

Claims (2)

  1. 複数の配線基板領域を有する窒化アルミニウムからなるセラミック基体を作製する工程と、該セラミック基体における前記複数の配線基板領域の境界線に沿ってウォータージェット誘導式レーザによるレーザ光を照射して第1の溝を形成する工程と、該第1の溝の底部に沿ってレーザ光を照射して前記第1の溝よりも幅の狭い第2の溝を形成する工程とを有することを特徴とする多数個取り配線基板の製造方法。
  2. 複数の配線基板領域を有する窒化アルミニウムからなるセラミック基体と、該セラミック基体における前記複数の配線基板領域の境界線に沿ってウォータージェット誘導式レーザによるレーザ光の照射によって設けられた、実質的にアルミニウムの析出のない第1の溝と、該第1の溝の底部に沿ってレーザ光の照射によって設けられた前記第1の溝よりも幅の狭い第2の溝とを含む多数個取り配線基板。
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