JP2004322293A - マイクロ流路構造体の製造方法及びマイクロ流路構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】多くの装置と製造工程を必要とせず、加工時間が短く、安価に製造でき、また、使用薬品の増加と環境負荷を伴う廃棄物の増加がなく、さらに、加工中にチッピングが生じることなく、加工後に歪み除去の熱処理を必要とせず、非常に滑らかで長く微細な溝を形成できるマイクロ流路の製造方法を提供する。
【解決手段】レーザ光発生装置1からレーザ光を発生させ、フォーカスレンズ2で絞り、ノズル部材3の透明体3aで覆われた光透過口3bに伝送する。一方、貯水タンク4に貯水された水をポンプ5を介して高圧にし、ノズル部材3aの円形状のノズル口3cから噴射させ、基材G上の溝mを形成する部分に噴射する。このノズル口3cから基材Gに達する水流をレーザ光の導波路6とし、光透過口3bに伝送されたレーザ光を溝mを形成する部分に照射する。
【選択図】 図1
【解決手段】レーザ光発生装置1からレーザ光を発生させ、フォーカスレンズ2で絞り、ノズル部材3の透明体3aで覆われた光透過口3bに伝送する。一方、貯水タンク4に貯水された水をポンプ5を介して高圧にし、ノズル部材3aの円形状のノズル口3cから噴射させ、基材G上の溝mを形成する部分に噴射する。このノズル口3cから基材Gに達する水流をレーザ光の導波路6とし、光透過口3bに伝送されたレーザ光を溝mを形成する部分に照射する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロ流路構造体の製造方法及びマイクロ流路構造体に係わり、特にレーザ光を用いたマイクロ流路構造体の製造方法及びマイクロ流路構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学プロセス中で反応場などとして用いられるマイクロ流路構造体の製造プロセスにおいて、その溝加工工程に種々の加工方法が用いられている。特に半導体製造プロセスで多く用いられているウェットエッチングあるいはドライエッチングが溝加工に用いられている。また、シリコンウェーハを上記エッチングで加工して成形型とし、この成形型を用い樹脂等をプレス加工する方法も用いられている。
【0003】
しかし、溝加工にエッチングを用いる場合、少なくともレジスト塗布装置、露光装置、及びエッチング装置などが必要となる。シリカガラスは高純度、耐薬品性に優れマイクロ流路構造体の基材に適するが、硬質で脆いため、特に機械加工が困難であり、また、エッチング加工には長時間を要し、メタルマスクを用いる必要もある。このメタルマスク形成のために、さらに蒸着装置の追加が必要となる。これら多くの装置を必要とするばかりでなく、工程数の増加と共に洗浄回数も増加する。さらに、工程数の増加は、使用薬品の増加と環境負荷を伴う廃棄物の増加を招く。また、溝パターンを露光するためのマスクを用いる前記加工方法では、僅かな溝の仕様変更に対しても、マスクを作り直す必要があり、溝パターンが多品種になるとその数が増加して、コストアップを招く。一方、マスクレス加工法としては、高エネルギー粒子照射加工法(イオンビーム加工や電子ビーム加工)あるいはレーザ加工法がある。
【0004】
これらの加工方法を用いた場合、マスクを用いることなく、さまざまなパターンを描画可能であるが、高エネルギー粒子照射加工法の場合、その加工スケールは微細であり、数百ミクロンの幅と深さを持つ溝を、数十センチメートルにも渡って加工することはほとんど不可能である。また、レーザ加工の場合、加工部の熱影響が大きく、例えばシリカガラスなどは加工後に歪みをとるための熱処理を必要とする。最近では極短パルスのレーザ光(フェムト秒レーザ)や、UV光を用いて、熱ではなくアブレーション効果で加工する高調波YAGレーザなどが実用化されているが、前者は出力が小さくて数百ミクロンの加工が難しいこと、後者は微細な加工屑が再付着すること、わずかながらチッピングが生じることなどの問題を抱えているのが実状である(特許文献1)。
【0005】
なお、レーザ光とウォータジェットを同時に被加工物に照射して、穴開けや切断加工を行う方法が知られている(特許文献2)。
【0006】
いずれにしても従来の溝加工方法は、多くの装置と製造工程を必要としたり、加工時間が長くなったり、製造コストが高かったり、また、使用薬品の増加と環境負荷を伴ったり、廃棄物の増加があったり、加工中にチッピングが生じたり、加工後に歪み除去の熱処理が必要であったり、長い微細な溝を形成が困難であったり、等の問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−19587号公報(段落[0023]〜[0026]、図1)
【0008】
【特許文献2】
特表平10−500903号公報(明細書第12頁第8行乃至20行、第13頁第1行乃至6行、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来の上記問題点を解消したマイクロ流路構造体の製造方法を提供することを目的とする。本発明者らは上記課題に鑑み、高硬度で脆いシリカガラス基材であっても、シリカガラス基材に液体ジェットの流れを導波路として利用したレーザ光を基材に照射することで、長い微細な溝を形成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、多くの装置と製造工程を必要とせず、加工時間が短く、安価に製造でき、また、使用薬品の増加と環境負荷を伴う廃棄物の増加がなく、さらに、加工中にマイクロ流路にチッピングが生じることなく、加工後に歪み除去の熱処理を必要とせず、長さ、深さ、形状などを任意に形成できるマイクロ流路の製造方法を提供でき、また、非常に滑らかで長さ、深さ、形状などを任意に形成された流路を有するマイクロ流路構造体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の1つの態様によれば、基材に溝加工を行うマイクロ流路構造体の製造方法において、液体ジェットの流れを導波路として利用してレーザ光を基材に照射し、溝を形成することを特徴とするマイクロ流路構造体の製造方法が提供される。これにより、多くの装置と製造工程を必要とせず、加工時間が短く、安価に製造でき、また、使用薬品の増加と環境負荷を伴う廃棄物の増加がなく、さらに、加工中にチッピングが生じることなく、加工後に歪み除去の熱処理を必要とせず、非常に滑らかで長さ、深さ、溝がつくる形状が思うがままの微細な溝を形成できるマイクロ流路の製造方法が実現される。
【0012】
好適な一例では、前記のように基材に溝形成後、溝形成面を封止部材で封止して、少なくとも2個の開口部を有するマイクロ流路構造体が形成される。これにより、加工中にマイクロ流路にチッピングが生じることなく、加工後に歪み除去の熱処理を必要とせず、長さ、深さ、形状などを任意に形成できるマイクロ流路の製造方法を提供でき、また、非常に滑らかで長さ、深さ、形状などを任意に形成された流路を有するマイクロ流路構造体を製造することができる。
【0013】
また、他の好適な一例では、前記基材は、シリカガラスである。これにより、硬質で脆いシリカガラスであっても、加工中にマイクロ流路にチッピングが生じることなく、加工後に歪み除去の熱処理を必要とせず、長さ、深さ、形状などを任意に形成できるマイクロ流路の製造方法を提供でき、また、非常に滑らかで長さ、深さ、形状などを任意に形成された流路を有するマイクロ流路構造体を形成できる。
【0014】
また、本発明の他の態様によれば、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマイクロ流路構造体の製造方法により製造されたことを特徴とするマイクロ流路構造体が提供される。これにより、加工中にマイクロ流路にチッピングが生じることなく、加工後に歪み除去の熱処理を必要とせず、長さ、深さ、形状などを任意に形成できるマイクロ流路の製造方法を提供でき、また、非常に滑らかで長さ、深さ、形状などを任意に形成された流路を有するマイクロ流路構造体が実現される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるマイクロ流路構造体の製造方法の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1はマイクロ流路構造体の製造方法に用いられるレーザジェット加工装置の概念図である。
【0016】
図1に示すように被加工物として、例えば扁平直方体状のシリカガラス基材Gを用意し、レーザ光発生装置1からレーザ光を発生させ、フォーカスレンズ2で絞り、ノズル部材3の透明体3aで覆われた光透過口3bに伝送する。
【0017】
一方、液体、例えば貯水タンク4に貯水された水をポンプ5を介して高圧にし、ノズル部材3の円形状のノズル口3cから噴水させ、シリカガラス基材Gの溝m形成部分に噴射する。このノズル口3cからシリカガラス基材Gに達する水流を導波路6として、上記光透過口2bに伝送されたレーザ光を溝m形成部分に照射する。
【0018】
この照射過程において、レーザ光は光ファイバ内を光が通ると同様に、水中を水と空気との界面で全反射を繰返しながら進行し、シリカガラスGの表面に到達するのである。
【0019】
上記のようなウォータジェットの噴射とレーザ光の照射により、図2に示すように、シリカガラス基材Gの表面に溝mが形成される。シリカガラス基材Gが載置されるX−Z載置台7を移動させることにより、任意の溝パターンをシリカガラス基材表面に形成することができる。噴射された水は、水回収系8により、回収されて再使用される。
【0020】
本発明に係わるマイクロ流路構造体の製造方法によれば、レーザ光がウォータジェット中を進行することで、レーザ光を水流の形状である円柱状に保ったままシリカガラスへ照射できるため、加工幅をウォータジェットの径で制御できる。また、照射点近傍で焦点を絞ったレーザ光ではないため、シリカガラスとの距離にレーザ径が影響されない。従って、マイクロ流路のように平面に幅の均一な溝を形成するときなどに非常に有利であり、チッピングがなく壁面が滑らかな微細な溝を形成できる。レーザー出力、シリカガラス基材Gの移動速度を調整することにより溝の深さも任意に調整できる。シリカガラス基材Gの移動方向は自由に変えられるため溝の形状は直線のみばかりでなく様々な形状とすることができ、任意の流路を形成できる。さらに、加工点をウォータジェットが常に冷却するため、周囲の受ける熱影響が非常に軽微である。これにより、シリカガラスの熱による歪みを考慮する必要がなくなる。また、加工時に生じる揮発物や加工屑が、ウォータジェットによって効率的に加工点より除去されるため、シリカガラスへの再付着や熱融着がなく、非常に滑らかな加工面が得られる。この点も、流路内の表面状態を制御する必要のあるマイクロ流路用の溝加工に極めて有利である。レーザ光による溝の直接描画が可能となることにより、流路パターン形成にマスクを必要とすることもなく、プログラムを変更するだけで簡便にパターンを変更、修正することが可能となり、マイクロ流路の初期開発作業の効率化を図ることができる。また、少量のみのテスト加工時のコスト削減にも効果的である。さらに、エッチング工程の削減により、特殊ガスや温暖化ガス、エッチング用薬液や洗浄用薬液を大幅に削減でき、コスト、環境の両面で非常に効果的である。
【0021】
さらに、図3に示すように、シリカガラス基材Gの溝形成面を別個の封止部材gで封止して、少なくとも2個の開口部eを有するマイクロ流路構造体を製造することができる。これにより、チッピングがなく壁面が滑らかな微細な溝が長さ、深さ、形状など任意に設計され、形成されたマイクロ流路構造体を安価に製造することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係わるマイクロ流路構造体の製造方法及びマイクロ流路構造体によれば、多くの装置と製造工程を必要とせず、加工時間が短く、安価に製造でき、また、使用薬品の増加と環境負荷を伴う廃棄物の増加がなく、さらに、加工中にチッピングが生じることなく、加工後に歪み除去の熱処理を必要とせず、長さ、深さ、形状などを任意に形成できるマイクロ流路の製造方法を提供でき、また、非常に滑らかで長さ、深さ、形状などを任意に形成された流路を有するマイクロ流路構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるマイクロ流路構造体の製造方法に用いられるレーザジェット加工装置の概念図。
【図2】本発明に係わるマイクロ流路構造体の概念図。
【図3】本発明に係わるマイクロ流路構造体の概念図。
【符号の説明】
1 レーザ光発生装置
2 フォーカスレンズ
3 ノズル部材
3a 透明体
3b 光透過口
3c ノズル口
4 貯水タンク
5 ポンプ
6 導波路
7 X−Z載置台
8 水回収系
G シリカガラス基材
m 溝
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロ流路構造体の製造方法及びマイクロ流路構造体に係わり、特にレーザ光を用いたマイクロ流路構造体の製造方法及びマイクロ流路構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学プロセス中で反応場などとして用いられるマイクロ流路構造体の製造プロセスにおいて、その溝加工工程に種々の加工方法が用いられている。特に半導体製造プロセスで多く用いられているウェットエッチングあるいはドライエッチングが溝加工に用いられている。また、シリコンウェーハを上記エッチングで加工して成形型とし、この成形型を用い樹脂等をプレス加工する方法も用いられている。
【0003】
しかし、溝加工にエッチングを用いる場合、少なくともレジスト塗布装置、露光装置、及びエッチング装置などが必要となる。シリカガラスは高純度、耐薬品性に優れマイクロ流路構造体の基材に適するが、硬質で脆いため、特に機械加工が困難であり、また、エッチング加工には長時間を要し、メタルマスクを用いる必要もある。このメタルマスク形成のために、さらに蒸着装置の追加が必要となる。これら多くの装置を必要とするばかりでなく、工程数の増加と共に洗浄回数も増加する。さらに、工程数の増加は、使用薬品の増加と環境負荷を伴う廃棄物の増加を招く。また、溝パターンを露光するためのマスクを用いる前記加工方法では、僅かな溝の仕様変更に対しても、マスクを作り直す必要があり、溝パターンが多品種になるとその数が増加して、コストアップを招く。一方、マスクレス加工法としては、高エネルギー粒子照射加工法(イオンビーム加工や電子ビーム加工)あるいはレーザ加工法がある。
【0004】
これらの加工方法を用いた場合、マスクを用いることなく、さまざまなパターンを描画可能であるが、高エネルギー粒子照射加工法の場合、その加工スケールは微細であり、数百ミクロンの幅と深さを持つ溝を、数十センチメートルにも渡って加工することはほとんど不可能である。また、レーザ加工の場合、加工部の熱影響が大きく、例えばシリカガラスなどは加工後に歪みをとるための熱処理を必要とする。最近では極短パルスのレーザ光(フェムト秒レーザ)や、UV光を用いて、熱ではなくアブレーション効果で加工する高調波YAGレーザなどが実用化されているが、前者は出力が小さくて数百ミクロンの加工が難しいこと、後者は微細な加工屑が再付着すること、わずかながらチッピングが生じることなどの問題を抱えているのが実状である(特許文献1)。
【0005】
なお、レーザ光とウォータジェットを同時に被加工物に照射して、穴開けや切断加工を行う方法が知られている(特許文献2)。
【0006】
いずれにしても従来の溝加工方法は、多くの装置と製造工程を必要としたり、加工時間が長くなったり、製造コストが高かったり、また、使用薬品の増加と環境負荷を伴ったり、廃棄物の増加があったり、加工中にチッピングが生じたり、加工後に歪み除去の熱処理が必要であったり、長い微細な溝を形成が困難であったり、等の問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−19587号公報(段落[0023]〜[0026]、図1)
【0008】
【特許文献2】
特表平10−500903号公報(明細書第12頁第8行乃至20行、第13頁第1行乃至6行、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来の上記問題点を解消したマイクロ流路構造体の製造方法を提供することを目的とする。本発明者らは上記課題に鑑み、高硬度で脆いシリカガラス基材であっても、シリカガラス基材に液体ジェットの流れを導波路として利用したレーザ光を基材に照射することで、長い微細な溝を形成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、多くの装置と製造工程を必要とせず、加工時間が短く、安価に製造でき、また、使用薬品の増加と環境負荷を伴う廃棄物の増加がなく、さらに、加工中にマイクロ流路にチッピングが生じることなく、加工後に歪み除去の熱処理を必要とせず、長さ、深さ、形状などを任意に形成できるマイクロ流路の製造方法を提供でき、また、非常に滑らかで長さ、深さ、形状などを任意に形成された流路を有するマイクロ流路構造体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の1つの態様によれば、基材に溝加工を行うマイクロ流路構造体の製造方法において、液体ジェットの流れを導波路として利用してレーザ光を基材に照射し、溝を形成することを特徴とするマイクロ流路構造体の製造方法が提供される。これにより、多くの装置と製造工程を必要とせず、加工時間が短く、安価に製造でき、また、使用薬品の増加と環境負荷を伴う廃棄物の増加がなく、さらに、加工中にチッピングが生じることなく、加工後に歪み除去の熱処理を必要とせず、非常に滑らかで長さ、深さ、溝がつくる形状が思うがままの微細な溝を形成できるマイクロ流路の製造方法が実現される。
【0012】
好適な一例では、前記のように基材に溝形成後、溝形成面を封止部材で封止して、少なくとも2個の開口部を有するマイクロ流路構造体が形成される。これにより、加工中にマイクロ流路にチッピングが生じることなく、加工後に歪み除去の熱処理を必要とせず、長さ、深さ、形状などを任意に形成できるマイクロ流路の製造方法を提供でき、また、非常に滑らかで長さ、深さ、形状などを任意に形成された流路を有するマイクロ流路構造体を製造することができる。
【0013】
また、他の好適な一例では、前記基材は、シリカガラスである。これにより、硬質で脆いシリカガラスであっても、加工中にマイクロ流路にチッピングが生じることなく、加工後に歪み除去の熱処理を必要とせず、長さ、深さ、形状などを任意に形成できるマイクロ流路の製造方法を提供でき、また、非常に滑らかで長さ、深さ、形状などを任意に形成された流路を有するマイクロ流路構造体を形成できる。
【0014】
また、本発明の他の態様によれば、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマイクロ流路構造体の製造方法により製造されたことを特徴とするマイクロ流路構造体が提供される。これにより、加工中にマイクロ流路にチッピングが生じることなく、加工後に歪み除去の熱処理を必要とせず、長さ、深さ、形状などを任意に形成できるマイクロ流路の製造方法を提供でき、また、非常に滑らかで長さ、深さ、形状などを任意に形成された流路を有するマイクロ流路構造体が実現される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるマイクロ流路構造体の製造方法の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1はマイクロ流路構造体の製造方法に用いられるレーザジェット加工装置の概念図である。
【0016】
図1に示すように被加工物として、例えば扁平直方体状のシリカガラス基材Gを用意し、レーザ光発生装置1からレーザ光を発生させ、フォーカスレンズ2で絞り、ノズル部材3の透明体3aで覆われた光透過口3bに伝送する。
【0017】
一方、液体、例えば貯水タンク4に貯水された水をポンプ5を介して高圧にし、ノズル部材3の円形状のノズル口3cから噴水させ、シリカガラス基材Gの溝m形成部分に噴射する。このノズル口3cからシリカガラス基材Gに達する水流を導波路6として、上記光透過口2bに伝送されたレーザ光を溝m形成部分に照射する。
【0018】
この照射過程において、レーザ光は光ファイバ内を光が通ると同様に、水中を水と空気との界面で全反射を繰返しながら進行し、シリカガラスGの表面に到達するのである。
【0019】
上記のようなウォータジェットの噴射とレーザ光の照射により、図2に示すように、シリカガラス基材Gの表面に溝mが形成される。シリカガラス基材Gが載置されるX−Z載置台7を移動させることにより、任意の溝パターンをシリカガラス基材表面に形成することができる。噴射された水は、水回収系8により、回収されて再使用される。
【0020】
本発明に係わるマイクロ流路構造体の製造方法によれば、レーザ光がウォータジェット中を進行することで、レーザ光を水流の形状である円柱状に保ったままシリカガラスへ照射できるため、加工幅をウォータジェットの径で制御できる。また、照射点近傍で焦点を絞ったレーザ光ではないため、シリカガラスとの距離にレーザ径が影響されない。従って、マイクロ流路のように平面に幅の均一な溝を形成するときなどに非常に有利であり、チッピングがなく壁面が滑らかな微細な溝を形成できる。レーザー出力、シリカガラス基材Gの移動速度を調整することにより溝の深さも任意に調整できる。シリカガラス基材Gの移動方向は自由に変えられるため溝の形状は直線のみばかりでなく様々な形状とすることができ、任意の流路を形成できる。さらに、加工点をウォータジェットが常に冷却するため、周囲の受ける熱影響が非常に軽微である。これにより、シリカガラスの熱による歪みを考慮する必要がなくなる。また、加工時に生じる揮発物や加工屑が、ウォータジェットによって効率的に加工点より除去されるため、シリカガラスへの再付着や熱融着がなく、非常に滑らかな加工面が得られる。この点も、流路内の表面状態を制御する必要のあるマイクロ流路用の溝加工に極めて有利である。レーザ光による溝の直接描画が可能となることにより、流路パターン形成にマスクを必要とすることもなく、プログラムを変更するだけで簡便にパターンを変更、修正することが可能となり、マイクロ流路の初期開発作業の効率化を図ることができる。また、少量のみのテスト加工時のコスト削減にも効果的である。さらに、エッチング工程の削減により、特殊ガスや温暖化ガス、エッチング用薬液や洗浄用薬液を大幅に削減でき、コスト、環境の両面で非常に効果的である。
【0021】
さらに、図3に示すように、シリカガラス基材Gの溝形成面を別個の封止部材gで封止して、少なくとも2個の開口部eを有するマイクロ流路構造体を製造することができる。これにより、チッピングがなく壁面が滑らかな微細な溝が長さ、深さ、形状など任意に設計され、形成されたマイクロ流路構造体を安価に製造することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係わるマイクロ流路構造体の製造方法及びマイクロ流路構造体によれば、多くの装置と製造工程を必要とせず、加工時間が短く、安価に製造でき、また、使用薬品の増加と環境負荷を伴う廃棄物の増加がなく、さらに、加工中にチッピングが生じることなく、加工後に歪み除去の熱処理を必要とせず、長さ、深さ、形状などを任意に形成できるマイクロ流路の製造方法を提供でき、また、非常に滑らかで長さ、深さ、形状などを任意に形成された流路を有するマイクロ流路構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるマイクロ流路構造体の製造方法に用いられるレーザジェット加工装置の概念図。
【図2】本発明に係わるマイクロ流路構造体の概念図。
【図3】本発明に係わるマイクロ流路構造体の概念図。
【符号の説明】
1 レーザ光発生装置
2 フォーカスレンズ
3 ノズル部材
3a 透明体
3b 光透過口
3c ノズル口
4 貯水タンク
5 ポンプ
6 導波路
7 X−Z載置台
8 水回収系
G シリカガラス基材
m 溝
Claims (4)
- 基材に溝加工を行うマイクロ流路構造体の製造方法において、液体ジェットの流れを導波路として利用してレーザ光を基材に照射し、溝を形成することを特徴とするマイクロ流路構造体の製造方法。
- 請求項1に記載のマイクロ流路構造体の製造方法において、前記基材に溝形成後、溝形成面を封止部材で封止して、少なくとも2個の開口部を有するマイクロ流路が形成されることを特徴とするマイクロ流路構造体の製造方法。
- 請求項1に記載のマイクロ流路構造体の製造方法において、前記基材は、シリカガラスであることを特徴とするマイクロ流路構造体の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマイクロ流路構造体の製造方法により製造されたことを特徴とするマイクロ流路構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003124249A JP2004322293A (ja) | 2003-04-28 | 2003-04-28 | マイクロ流路構造体の製造方法及びマイクロ流路構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003124249A JP2004322293A (ja) | 2003-04-28 | 2003-04-28 | マイクロ流路構造体の製造方法及びマイクロ流路構造体 |
Publications (1)
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JP2004322293A true JP2004322293A (ja) | 2004-11-18 |
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JP2003124249A Pending JP2004322293A (ja) | 2003-04-28 | 2003-04-28 | マイクロ流路構造体の製造方法及びマイクロ流路構造体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102218595A (zh) * | 2011-01-14 | 2011-10-19 | 哈尔滨工业大学(威海) | 一种微流芯片的制备方法 |
JP2012231077A (ja) * | 2011-04-27 | 2012-11-22 | Kyocera Corp | 多数個取り配線基板の製造方法および多数個取り配線基板 |
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2003
- 2003-04-28 JP JP2003124249A patent/JP2004322293A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102218595A (zh) * | 2011-01-14 | 2011-10-19 | 哈尔滨工业大学(威海) | 一种微流芯片的制备方法 |
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