JP5517840B2 - グリーンシート積層体の製造方法および絶縁基板の製造方法 - Google Patents

グリーンシート積層体の製造方法および絶縁基板の製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体素子や水晶発振子等の電子部品を搭載するための配線基板を製作するためのグリーンシート積層体の製造方法および絶縁基板の製造方法に関するものである。
従来から、電子部品を搭載し、電子機器に組み込まれる配線基板としてセラミック製のものが用いられており、配線基板の表面および内部には、タングステンやモリブデン等の金属粉末メタライズから成る配線導体が配置されている。配線基板上に搭載された電子部品と配線導体とを電気的に接続することによって、電子装置が作製される。
また、このような配線基板には、配線基板の側面に切欠き部が形成されているものがある(例えば、特許文献1を参照。)。このような切欠き部は、例えば、配線基板に電子部品を搭載するための位置合わせに用いたり、切欠き部の内面に外部端子となる導体を被着して、いわゆるキャスタレーション導体を形成することに用いることができる。
配線基板が複数層から形成される場合には、例えば、次のようにして製作される。まず、セラミック粉末と有機バインダとを主成分とする複数枚のセラミックグリーンシートを準備し、これらのセラミックグリーンシートに金属粉末を主成分とする導体ペーストを印刷するなどして配線導体パターンを形成するとともに、金型やパンチングによる打ち抜き加工またはレーザ加工によって切欠き部となる貫通孔を形成する。そして、これらのセラミックグリーンシートを平板状の金属体の台上に載置して積層し、上方に配置した平板状の金属体または弾性体にて加圧することによって積層体を製作した後、この積層体を焼成することによって絶縁基板が製作される。そして、このような絶縁基板の切欠き部となる貫通孔を分断するように絶縁基板を分割することによって、側面に切欠き部が形成された配線基板が製作できる。
上記した積層体が、内壁面に階段状の段差のある凹部を有する場合や両主面に凹部を有している場合または切欠き部の一部に側面導体が形成される場合等には、貫通孔の形成されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積層した積層体同士を積層することや、上記の積層体にさらにセラミックグリーンシートを積層することがある。例えば、複数のセラミックグリーンシートを積層して加圧することによって第1の積層体を形成し、第1の積層体同士や、セラミックグリーンシートまたは第1の積層体とは異なる積層体と第1の積層体とを積層して加圧することによって第2の積層体を形成することがあった。
特開2000−216026号公報
しかしながら、第1の積層体を形成するために複数枚のセラミックグリーンシートを積層して加圧した際、平板状の金属体が撓んで貫通孔内に入り込み、第1の積層体の貫通孔の開口縁が開口側から貫通孔の厚み方向に潰れて、開口縁に傾斜ができることがあった。また、弾性体を用いて加圧した場合には、開口縁の傾斜がさらに大きく広範囲になる。特に、上方に配置した平板状の金属体や弾性体は、下方の金属体の台に比べて変形しやすく、第1の積層体の上面側の開口縁は、下面側の開口縁よりも大きく潰れやすかった。この
ような第1の積層体をセラミックグリーンシートまたは第1の積層体とは異なる他の積層体と積層して加圧し、第2の積層体を製作しようとすると、開口縁に傾斜があるので、第2の積層体の貫通孔の内面に凹みができてしまうことがあった。また、開口縁の傾斜が積層体の上面にあると、開口縁の傾斜部分には圧力が十分に加えられないので、第2の積層体の貫通孔の内面に凹みができてしまうことがあった。特に、2つの第1の積層体の上面同士が向かい合うようにして積層して第2の積層体を製作しようとすると、第2の積層体の貫通孔の内面には大きな凹みが形成されやすかった。
このように積層体の貫通孔の内面に凹みがあると、絶縁基板を切断して切欠き部を形成する際に、バリや欠けの起点となりやすく、絶縁基板を良好に分割されないことがあった。また、分割後の配線基板の側面にまたがって凹みがあると、配線基板の側面に欠けやクラックが生じる起点となる。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、貫通孔の内面に凹みができることを抑制されたグリーンシート積層体の製造方法および絶縁基板の製造方法を提供することにある。
本発明の第1のグリーンシート積層体の製造方法は、複数のセラミックグリーンシートを準備する工程と、平面視で複数の前記セラミックグリーンシートの、配線基板領域とそれぞれの前記配線基板領域の周囲のダミー領域とにまたがるように配置された貫通孔を成形する工程と、複数の前記セラミックグリーンシートを積層して加圧することによって積層体を作製する工程とを有しており、前記貫通孔は間隔をあけて配置された2つの孔が前記ダミー領域側から前記配線基板領域側へ、前記配線基板領域と前記ダミー領域との境界線の延長線をまたいで延びるとともに前記配線基板領域内でつながった形状であることを特徴とするものである。
また、本発明の第2のグリーンシート積層体の製造方法は、上記製造方法によって製作された第1のグリーンシート積層体を複数積層したことを特徴とするものである。
本発明の第1の絶縁基板の製造方法は、上記製造方法によって製作された第1のグリーンシート積層体を焼成したことを特徴とするものである。
本発明の第2の絶縁基板の製造方法は、上記製造方法によって製作された第2のグリーンシート積層体を焼成したことを特徴とするものである。
本発明の第1のグリーンシート積層体の製造方法によれば、複数のセラミックグリーンシートを準備する工程と、平面視で複数のセラミックグリーンシートの、配線基板領域とそれぞれの配線基板領域の周囲のダミー領域とにまたがるように配置された貫通孔を成形する工程と、複数のセラミックグリーンシートを積層して加圧することによって積層体を作製する工程とを有しており、貫通孔は間隔をあけて配置された2つの孔がダミー領域側から配線基板領域側へ、配線基板領域とダミー領域との境界線の延長線をまたいで延びるとともに前記配線基板領域内でつながった形状であることから、複数のセラミックグリーンシートを積層して加圧した際に、上下に配置される平板状の金属体または弾性体が、貫通孔の2つの孔の間のセラミックグリーンシートによって支持されて、平板状の金属体または弾性体が貫通孔内に入り込むことを抑制できるので、積層体の貫通孔の開口縁が潰れて開口縁に傾斜ができることを低減できる。従って、第1のグリーンシート積層体同士や、グリーンシートまたは第1のグリーンシート積層体とは異なるグリーンシート積層体と第1のグリーンシート積層体とを積層した際に、積層体を良好に加圧することができ、貫
通孔の内面に凹みが生じることを低減できる。
また、本発明の第2のグリーンシート積層体の製造方法によれば、上記の製造方法によって製作された第1のグリーンシート積層体を複数積層したことから、第1のグリーンシート積層体の貫通孔の開口縁に傾斜ができることが低減されているので、第2のグリーンシート積層体の貫通孔の内面に凹みが生じることを低減することができ、第2のグリーンシート積層体を良好に加圧することができる。
また、本発明の第1の絶縁基板の製造方法によれば、上記の製造方法によって製作された第1のグリーンシート積層体を焼成したことから、絶縁基板の貫通孔の開口縁に傾斜が生じることを低減して、より平坦な絶縁基板とすることができる。
また、本発明の第2の絶縁基板の製造方法によれば、上記の製造方法によって製作された第2のグリーンシート積層体を焼成したことから、絶縁基板の貫通孔の内面に凹みが生じることを低減した配線基板を製作できるので、絶縁基板を切断して切欠き部を形成する際のバリや欠けが生じることや分割後の配線基板の側面に欠けやクラックが生じることを低減できる。
(a)は、本発明のグリーンシート積層体の製造方法の実施の形態の一工程の一例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 (a)は、本発明のグリーンシート積層体の製造方法の実施の形態の一工程の一例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 (a)は、本発明のグリーンシート積層体の製造方法の実施の形態の一工程の一例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 (a)は、本発明の絶縁基板の製造方法によって製作された絶縁基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、(b)は、(a)の絶縁基板を分割してなる配線基板の実施の形態の一例を示す平面図である。 (a)は、本発明の絶縁基板の製造方法によって製作された絶縁基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、(b)は、(a)の絶縁基板を分割してなる配線基板の実施の形態の一例を示す平面図である。 (a)は、本発明の絶縁基板の製造方法によって製作された絶縁基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、(b)は、(a)のA−A線における断面図、(c)は、(a)のB−B線における断面図、(d)は、(a)の絶縁基板を分割してなる配線基板の実施の形態の一例を示す平面図である。 本発明の絶縁基板の製造方法によって製作された絶縁基板の実施の形態の一例を示す平面図である。
本発明のグリーンシート積層体の製造方法について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。図1〜図7において、1はセラミックグリーンシート、1aは配線基板領域、1bはダミー領域、1cは配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界線、1dは境界線1cの延長線、2は貫通孔、3は凸部、4は配線導体パターン、5は積層体、6は絶縁基板、7は配線基板、8は切欠き部、9は配線導体、10は凹部である。
本発明の第1のグリーンシート積層体の製造方法は、複数のセラミックグリーンシート1を準備する工程と、平面視で複数のセラミックグリーンシート1の、配線基板領域1aとそれぞれの配線基板領域1aの周囲のダミー領域1bとにまたがるように配置された貫通孔2を成形する工程と、複数のセラミックグリーンシート1を積層して加圧することによって積層体5を作製する工程とを有しており、貫通孔2は間隔をあけて配置された2つ
の孔がダミー領域1b側から配線基板領域1a側へ、配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界線1c(長破線)の延長線1d(点線)をまたいで延びるとともに配線基板領域1a内でつながった形状であることから、複数のセラミックグリーンシート1を積層して加圧した際に、上下に配置される平板状の金属体または弾性体が、貫通孔2の2つの孔の間のセラミックグリーンシート1(以下凸部3と呼ぶ)によって支持されて、平板状の金属体または弾性体が貫通孔2内に入り込むことを抑制できるので、積層体5の貫通孔2の開口縁が潰れて開口縁に傾斜ができることを低減できる。従って、第1のグリーンシート積層体同士や、セラミックグリーンシート1とは異なるグリーンシートまたは第1のグリーンシート積層体とは異なるグリーンシート積層体と第1のグリーンシート積層体とを積層した際に、積層体5を良好に加圧することができ、貫通孔2の内面に凹みが生じることを低減できる。
また、本発明の第2のグリーンシート積層体の製造方法によれば、上記の製造方法によって製作された第1のグリーンシート積層体を複数積層したことから、第1のグリーンシート積層体の貫通孔2の開口縁に傾斜ができることが低減されているので、第2のグリーンシート積層体の貫通孔2の内面に凹みが生じることを低減することができ、第2のグリーンシート積層体を良好に加圧することができる。
また、本発明の第1の絶縁基板の製造方法によれば、上記の製造方法によって製作された第1のグリーンシート積層体を焼成したことから、絶縁基板6の貫通孔2の開口縁に傾斜が生じることを低減して、上面がより平坦な絶縁基板6とすることができる。
本発明の第2の絶縁基板の製造方法によれば、上記の製造方法によって製作された第2のグリーンシート積層体を焼成したことから、絶縁基板6の貫通孔2の内面に凹みが生じることを低減した配線基板7を製作できるので、絶縁基板6を切断して切欠き部8を形成する際のバリや欠けが生じることや分割後の配線基板7の側面に欠けやクラックが生じることを低減できる。
本発明のグリーンシート積層体および絶縁基板は以下のようにして作製される。まず、複数枚のセラミックグリーンシート1を準備する。セラミックグリーンシート1は作製する配線基板に応じた寸法や厚みのものを使用する。
セラミックグリーンシート1は、セラミック粉末に有機バインダおよび溶剤を、また必要に応じて所定量の可塑剤や分散剤を加えてスラリーを得て、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂や紙製の支持体上にドクターブレード法,リップコーター法またはダイコーター法等の成形方法によって塗布してシート状に成形し、温風乾燥,真空乾燥または遠赤外線乾燥等の乾燥方法によって乾燥することによって作製する。
セラミック粉末としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)粉末,窒化アルミニウム(AlN)粉末,ガラスセラミック粉末等が挙げられ、配線基板7に要求される特性に合わせて適宜選択される。
セラミック粉末が酸化アルミニウム粉末や窒化アルミニウム粉末の場合は、酸化珪素(SiO)や酸化マグネシウム(MgO)等の焼結助剤となる成分の粉末が加えられ、また、着色剤として酸化マンガン(MnO)等の粉末を加えてもよい。
セラミック粉末がガラスセラミック粉末の場合は、ガラス粉末とフィラー粉末とを10:90乃至99:1、好ましくは40:60乃至80:20の質量比で混合したものである。ガラスセラミック粉末のガラス粉末としては、従来からガラスセラミックスに用いられているものを用いればよく、例えばSiO2−B2O3系,SiO2−B2O3−Al2O3系,Si
O2−B2O3−Al2O3−MO系(ただし、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す。),SiO2−Al2O3−M1O−M2O系(ただし、M1およびM2は同じまたは異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す。),SiO2−B2O3−Al2O3−M1O−M2O系(ただし、M1およびM2は上記と同じである。),SiO2−B2O3−M32O系(ただし、M3はLi、NaまたはKを示す。),SiO2−B2O3−Al2O3−M32O系(ただし、M3は上記と同じである。),Pb系,Bi系等のガラスの粉末が用いられる。
また、ガラスセラミック粉末のフィラー粉末としては、従来からガラスセラミックスに用いられているものを用いればよく、例えばAlとSiOとZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,AlおよびSiO(クリストバライト,クオーツ)の少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等のセラミック粉末が挙げられる。
有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに用いられているものを用いればよく、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独集合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラール系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独共重合体または共重合体が挙げられる。焼成工程での分解性や揮発性を考慮すると、アクリル系バインダがより好ましい。また、有機バインダの添加量はセラミック粉末によって異なるが、焼成時に分解・除去されやすく、かつセラミック粉末が分散され、グリーンシートのハンドリング性や加工性が良好な量であればよく、セラミック粉末に対して10乃至20質量%程度が望ましい。
スラリーに含まれる溶剤は、セラミック粉末および有機バインダを分散させ、グリーンシート成形に適した粘度のスラリーが得られるように、例えば炭化水素類,エーテル類,エステル類,ケトン類,アルコール類等の有機溶剤や水が挙げられる。これらの中で、トルエン,メチルエチルケトン,イソプロピルアルコール等の蒸発係数の高い溶剤は、スラリー塗布後の乾燥工程が短時間で終了できるので好ましい。溶剤の量は、セラミック粉末に対して30乃至100質量%の量で加えることによって、スラリーを良好に支持体上に塗布
することができるような粘度、具体的には3cps乃至100cps程度となるようにする
ことが望ましい。
次に、図1および図2に示す例のように、セラミックグリーンシート1に、配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界線1cをまたぐ貫通孔2および配線導体パターン4を形成する。なお、貫通孔2の形成と配線導体パターン4の形成とはどちらを先に行ってもよい。
貫通孔2は、金型やパンチングによる打ち抜き加工またはレーザ加工によって形成できる。このとき、貫通孔2は間隔をあけて配置された2つの孔が、平面視で配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界線1cの延長線1dをまたいで延びるとともに配線基板領域1a内でつながった形状である。例えば、図1〜図4および図7に示す例のようにU字状の貫通孔2や、図5に示す例のように凸部3が三角形状になるような貫通孔2、または図6に示す例のように配線基板領域1aの角部にL字状の貫通孔2を形成すればよい。
図1〜図4および図7に示す例のように、貫通孔2が、配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界線1cの延長線1dをまたいでU字状に形成された場合であれば、凸部3と配線基板領域1aおよびダミー領域1bとの間のU字状の貫通孔2の幅は、0.5mm〜2
mmにしておけば、積層時のセラミックグリーンシート1の平面方向への伸張や焼成時の
絶縁基板6の変形により、凸部3が配線基板領域1a側にくっついてしまうことを有効に抑制できるとともに、平板状の金属体や弾性体が貫通孔2に入り込むことをより有効に抑制できる。なお、凸部3は、貫通孔2の2つの孔の間に、ダミー領域1b側から配線基板領域1a側へ、境界線1cの延長線1dをまたいで延びるような形状として形成されている。
また、図5に示す例では、貫通孔2は、平面視で間隔をあけて配置され、ダミー領域1b側から配線基板領域1a側へ、延長線1dをまたいで延びた2つの孔が、配線基板領域1aに形成された楕円状の貫通孔につながった形状であり、2つの孔の間の凸部3が三角形状に形成されている。このような場合には、凸部3と配線基板領域1aの境界線1cの近傍との間の貫通孔2の幅および凸部3とダミー領域1bとの間の貫通孔2の幅を、少なくとも0.5mm〜2mmにしておけば、加圧の際に金属体や弾性体が貫通孔2に入り込む
ことをより有効に抑制できる。また、凸部3が配線基板領域1a側からダミー領域1bに向かって広がるような形状であれば、積層時のセラミックグリーンシート1の平面方向への伸張により、絶縁基板6からダミー領域1bを切り離して配線基板7としたときに、平面視で、配線基板7の側面側における切欠き部8の幅が配線基板7の中央側における幅よりも狭くなることを抑制するのに有効である。このような切欠き部8とすれば、切欠き部8を位置合わせに用いる場合の位置合わせ用のピンや、配線基板7と外部回路基板等に電気的に接続するための導通ピンを切欠き部8内に配置する際に良好に挿入することができる。また、配線基板7の側面側にて切欠き部8内に向かって突出する部分ができることを抑制できるので、配線基板7を運搬する際や使用する際の衝撃で側面に欠けやクラックが生じることを低減できる。
また、図6に示す例のように、凸部3が配線基板領域1aの角部に配置され、貫通孔2がL字状に形成されていてもよい。このような場合にも、L字状の貫通孔2の幅は0.5m
m〜2mmにしておけばよい。また、貫通孔2が配線基板領域1aの角部にL字状に形成されていることから、図1〜図4に示す例の貫通孔2に比べて、凸部3とダミー領域1bとがつながっている部分が広いので、貫通孔2を形成するための加工が容易であり、凸部3の破損を抑制できる。また、平面視で配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界線1cの延長線1dをまたぐ際、延長線1dの周囲において貫通孔2と凸部3との幅を平行となるようにすることが好ましい。これにより、延長線1dをまたぐ部分において、貫通孔2の周囲のセラミックグリーンシート1の周囲に均等に圧力を印加させて積層することができる。
配線導体パターン4は、電子部品のワイヤボンディング等の接続手段によって各電極と電気的に接続される接続電極となる配線導体、半田等の接合材を介して外部回路基板の配線導体と電気的に接続される接続パッドとなる配線導体、接続電極と接続パッドとを電気的に接続するための貫通導体や基板内で引き回される内部配線層となる配線導体となるものである。
このような配線導体パターン4は、例えば、セラミックグリーンシート1にパンチングや金型による打ち抜き加工やレーザ加工によって貫通導体となる配線導体パターン4用の貫通孔を形成し、この貫通孔に貫通導体となる配線導体パターン4用の導体ペーストをスクリーン印刷法やプレス充填によって埋め込んで貫通導体となる配線導体パターン4を形成し、セラミックグリーンシート1の上面または下面の貫通導体となる配線導体パターン4が露出した部分の上に配線導体層となる配線導体パターン4用の導体ペーストをスクリーン印刷法、グラビア印刷法等の印刷法によって所定パターン形状で印刷することによって、10μm〜20μm程度の厚みで形成される。
導体ペーストは、金属粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を加えてボールミルやプラ
ネタリーミキサー等の混練手段によって均質に分散させて混練した後、溶剤を必要量添加することによって、印刷や貫通孔の充填に適した粘度に調整することによって作製される。
この金属粉末は、後の焼成工程においてセラミックグリーンシート1との同時焼成によって焼結する金属の粉末であり、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn),金(Au),銀(Ag),銅(Cu),パラジウム(Pd),白金(Pt)等の1種または2種以上が挙げられ、2種以上の場合は混合,合金,コーティング等のいずれの形態であってもかまわない。
導体ペーストの有機バインダとしては、従来から導体ペーストに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体,具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。焼成工程での分解性や揮発性を考慮すると、アクリル系,アルキド系の有機バインダがより好ましい。また、有機バインダの添加量としては、金属粉末によって異なるが、焼成時に分解・除去されやすく、かつ金属粉末を分散できる量であればよく、金属粉末に対して外添加で5乃至20質量%程度の量であることが望ましい。
導体ペーストに用いる溶剤としては、金属粉末と有機バインダとを良好に分散させて混合できるようなものであればよく、テルピネオールやブチルカルビトールアセテートなどが挙げられる。印刷後の形成性,乾燥性を考慮し、低沸点溶剤を用いることが好ましい。溶剤は金属粉末に対して4乃至15質量%の量で加えられ、これらの導体ペーストを良好に形成できる程度の粘度となるように、具体的には、電極パターン3や配線導体パターン4用の導体ペーストでは3000乃至40000cps程度、貫通導体パターン5用の導体ペースト
では15000乃至40000cps程度となるように調整される。
導体ペーストには、焼成時のセラミックグリーンシート1の焼成収縮挙動や収縮率と合わせるため、または焼成後の配線導体の接合強度を確保するために、ガラスやセラミックスの粉末を添加してもよい。
次に、図3に示す例のように、図2に示す例の下面および内部に配線導体パターン4が形成されたセラミックグリーンシート1の上に、図1に示す例の上面および内部に配線導体パターン4が形成されたセラミックグリーンシート1を積層して加圧することによって、積層体5を作製する。このとき、それぞれの貫通孔2と凸部3とが平面視で重なるように積層される。このときの加圧は必要に応じて加熱しながら行なう。加圧および加熱の条件は用いる有機バインダ等の種類や量によって異なるが、概ね2〜20MPaの圧力および30〜100℃の温度である。また、セラミックグリーンシート1同士の接着性を向上させる
ために、溶剤と有機バインダや可塑剤等とを混合した接着剤を用いてもよい。また、ステンレス等からなる金属体の上に、これらのセラミックグリーンシート1を載置し、これらのセラミックグリーンシート1の上方に配置されたステンレス等からなる金属体やゴム等からなる弾性体によって加圧される。
なお、図3に示す例においては、積層体5は、2枚のセラミックグリーンシート1を積層することによって作製されているが、いずれかあるいは両方のセラミックグリーンシート1を複数枚のセラミックグリーンシートで作製するか、あるいは3枚以上のセラミックグリーンシート1を準備して積層することによって積層体5を作製してもよい。
また、図1〜図3に示す例においては、貫通導体となる配線導体パターン4同士が直接接続されるように積層しているが、これらの配線導体パターン4同士の接続をより良好なものとするために、貫通導体となる配線パターン4同士の間にこれらのパターンよりも幅広の配線導体層となる配線導体パターン4を形成しておくことが好ましい。
このようにして作製した積層体5を焼成することで、図4(a)に示す例のような絶縁基板6となる。焼成する工程は有機成分の除去とセラミック粉末の焼結とから成る。有機成分の除去は100〜1000℃程度の温度範囲で積層体5を加熱することによって行ない、有
機成分を分解し、揮発させる。焼結温度はセラミック組成によって異なり、800〜1600℃
程度の範囲内で行なう。また、焼成雰囲気はセラミック粉末や導体材料によって異なり、大気中あるいは還元雰囲気中あるいは非酸化性雰囲気中等で行なわれ、有機成分の除去を効果的に行なうために雰囲気中に水蒸気等を含ませてもよい。
焼成後の絶縁基板6を、配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界線1cに沿って分割して貫通孔2を分断することによって、図4(b)に示す例のように、側面に切欠き部8を備える配線基板7が製作される。絶縁基板6を配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界線1cに沿って分割する方法としては、境界線1c上に分割溝を形成しておき、この分割溝に沿って撓折して分割する方法、またはスライシング法等によって境界線1cに沿って切断する方法等を用いることができる。分割溝は、焼成前の積層体5にカッター刃を押し当てたり、スライシング装置によって生成形体の厚みより小さく切込んだりすることによって形成するか、焼成後の絶縁基板6にスライシング装置によって絶縁基板6の厚みより小さく切込むことによって形成することができる。
なお、配線基板7の配線導体9の露出する表面には、電解めっき法あるいは無電解めっき法によってめっき層が被着される。これによって、配線導体9と電子部品との固着、配線導体と外部回路基板の配線導体との接合、配線導体9とボンディングワイヤとの接合を強固にすることができる。めっき層は、ニッケル,金等の耐蝕性に優れる金属から成るものである。例えば、厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚さ0.1〜3μm程度の金
めっき層とを順次被着させる。
切欠き部8は、図4に示す例においては、平面視で四角形状に形成されているが、例えば、図5または図6の例に示すように、切欠き部8は、平面視で、半円形状や半楕円形状等の半円形状、三角形状や四角形状等の多角形状、扇形形状または釣鐘形状等に形成される。
また、図5に示す例のように、絶縁基板6には、絶縁基板6の一方主面の配線基板領域1aに電子部品を収納するための凹部10を備えていても構わない。凹部10は、セラミックグリーンシート1のいくつかに金型やパンチングによる打ち抜き方法によって凹部10用の貫通孔を形成して、凹部10の底面となる貫通孔を形成していないセラミックグリーンシート1と積層することによって形成することができる。また、凹部10は、複数の階段状であっても良いし、絶縁基板6の両主面に形成されても良いし、あるいは絶縁基板6の両主面の方向に貫通した貫通穴として形成されていても構わない。
また、図7に示す例のように、絶縁基板6は、縦または横の少なくとも一方の並びに複数の配線基板領域1aが配列されているものであっても構わない。図7に示す例においては、縦方向に2列および横方向に2列の計4個の配線基板領域1aが配列されているが、さらに多数個の並びに配置されたものであってもよい。例えば、縦の並びに6個配置するとともに横の並びに9個配置して計54個の配線基板領域1aが配置されていてもよい。また、縦の並びに1個配置するとともに横の並びに4個配置して計4個の配線基板領域1aが配置された多数個取り配線基板や、縦の並びに3個配置するとともに横の並びに1個配
置して計3個の配線基板領域1aが配置された多数個取り配線基板としてもよい。このような配線基板領域1aの配置は、絶縁基板6や配線基板領域1aの大きさ、配線基板領域1aに搭載される電子部品や配線導体9の配置等に合わせて設定される。
なお、本発明は、上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、種々の変更は可能である。例えば、配線導体9として配線基板7の側面に形成した溝の内面に導体が形成された、いわゆるキャスタレーション導体を形成してもかまわない。また、図6(d)に示す例のように、配線基板7が矩形状である場合には、平面視で上下または左右の対向する位置に側壁部が形成されていても構わない。
1・・・・・・セラミックグリーンシート
1a・・・・・配線基板領域
1b・・・・・ダミー領域
1c・・・・・配線基板領域とダミー領域との境界線
1d・・・・・境界線の延長線
2・・・・・・貫通孔
3・・・・・・凸部
4・・・・・・配線導体パターン
5・・・・・・積層体
6・・・・・・絶縁基板
7・・・・・・配線基板
8・・・・・・切欠き部
9・・・・・・配線導体
10・・・・・・凹部

Claims (4)

  1. 複数のセラミックグリーンシートを準備する工程と、平面視で複数の前記セラミックグリーンシートの、配線基板領域とそれぞれの前記配線基板領域の周囲のダミー領域とにまたがるように配置された貫通孔を成形する工程と、複数の前記セラミックグリーンシートを積層して加圧することによって積層体を作製する工程とを有しており、
    前記貫通孔は間隔をあけて配置された2つの孔が前記ダミー領域側から前記配線基板領域側へ、前記配線基板領域と前記ダミー領域との境界線の延長線をまたいで延びるとともに前記配線基板領域内でつながった形状であることを特徴とする第1のグリーンシート積層体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の第1のグリーンシート積層体を複数積層したことを特徴とする第2のグリーンシート積層体の製造方法。
  3. 請求項1に記載の第1のグリーンシート積層体を焼成したことを特徴とする第1の絶縁基板の製造方法。
  4. 請求項2に記載の第2のグリーンシート積層体を焼成したことを特徴とする第2の絶縁基板の製造方法。
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