JP2012226620A - 波動歯車装置を備えたアクチュエータの位置決め装置 - Google Patents

波動歯車装置を備えたアクチュエータの位置決め装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スライディングモード制御により波動歯車装置の非線形特性を補償するアクチュエータの位置決め装置を提案すること。
【解決手段】位置決め装置のスライディングモード制御器は、位置指令θ 、制御対象を表す状態変数xを入力として制御対象への制御入力uを生成する。制御対象は次式で規定する。

スライディングモード制御系の切換面は設計変数Sで規定する。

制御入力uは、σを切換関数、kを切換ゲイン、として、線形状態フィードバック制御項uと非線形制御入力項unlの和である。

【選択図】なし

Description

本発明は、モータの出力回転を波動歯車装置によって減速して負荷軸から出力するように構成されているアクチュエータの位置決め装置に関する。さらに詳しくは、波動歯車装置の非線形特性に起因する負荷軸の位置制御性能の劣化に対するロバストな制御系を構築するために、スライディングモード制御により当該非線形特性を補償するようにした波動歯車装置を備えたアクチュエータの位置決め装置に関する。
図1に示すように、典型的な波動歯車装置は、剛体リング状でリング内周に歯を刻んだサーキュラスプラインCS(以下、「CS」と呼ぶ場合もある。)、薄肉カップ状の部品でカップ開口部外周に歯を刻んだフレクスプラインFS(以下、「FS」と呼ぶ場合もある。)、楕円形状のカムで波動発生器であるウェーブ・ジェネレータWG(以下、「WG」と呼ぶ場合もある。)と呼ばれる3つの基本部品のみで構成されている(非特許文献1)。FSは柔軟な金属を用いており、WGの回転にともなってFSが弾性変形し、CSとの間の噛み合い位置が移動することで動力を伝達する特殊な減速機である。波動歯車装置は、高減速比、高トルク、ノンバックラッシなどの特長をもつことから、産業用ロボット等に多用されている。
波動歯車装置は、金属の弾性変形を利用しているので、フレクスプラインFSがヒステリシスを有する非線形なばねとして振る舞い、位置決め応答性能に大きく影響を与える(非特許文献2)。さらに、歯車の加工誤差および組み付け誤差に起因し、各構成部品の相対回転に同期して角度伝達誤差を生じ、出力軸の定常偏差や過渡中の振動を発生させる(非特許文献3)。他にも、装置接触部分に生ずる非線形摩擦に対する補償の必要性も指摘されている(非特許文献4)。
非線形要素に関する課題に対しては、厳密な線形化に基づく非線形FF補償が提案されている(非特許文献5、特許文献1)。その手法は、状態方程式を非線形特性を含んだ方程式に拡張し、線形化フィードバック及び入力変換を施すことで、非線形状態方程式を近似ではなく、厳密に線形化する手法である。しかしながら、モデルベースを前提としたFF補償法であるため、モデル化誤差が補償精度に直接影響を与えるという問題がある。なお、本発明の関連技術として非特許文献6〜11がある。
特開2009−187404号公報
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本発明の課題は、上記の点に鑑みて、スライディングモード制御により波動歯車装置の非線形特性補償を行うことのできる波動歯車装置を備えたアクチュエータの位置決め装置を提案することにある。
本発明の位置決め装置では、スライディングモード制御により非線形特性を補償するために、波動歯車装置が有する非線形特性として、摩擦特性、非線形ばね要素、角度伝達誤差相対回転同期成分のモデル化を行い、これに基づきスライディングモード制御系の設計を行っている。また、静止摩擦力に起因したスティックスリップ現象が現れる場合には、これに対する補償を行うようにしている。
本発明による位置決め装置によれば、従来のP−PI制御系と比較して、整定時間の向上および負荷軸の滑らかな応答を実現できることが確認された。したがって、本発明によれば、波動歯車装置が有する非線形特性に起因する制御性能劣化に対して、ロバスト制御系を構築することができる。
典型的な波動歯車装置の構成要素を示す説明図である。 実験装置(制御対象のアクチュエータ)の構成例を示す説明図である。 摩擦特性の測定結果およびモデル化結果を示すグラフである。 非線形ばね特性の測定結果およびモデル化結果を示すグラフである。 相対回転同期成分の測定結果およびモデル化結果を示すグラフである。 本発明によるスライディングモード制御系を用いた位置決め装置のブロック線図である。 制御対象のアクチュエータを表す2慣性系モデルを示すブロック線図である。 本発明のスライディング制御系によって位置決めを行った場合の応答例を示すグラフである。 本発明のスライディングモード制御系とP−PI制御系の位置決め応答の比較結果を示すグラフである。
[1.実験装置の概要]
まず、図2は本発明の制御対象となる実験装置の概略構成例を示す説明図であり、その諸元を表1に示してある。本発明では、モータ1に波動歯車装置2を減速機として含むアクチュエータ3を制御対象としている。波動歯車装置2の出力端側の負荷軸4には負荷円盤5および負荷軸エンコーダ6を付加し、モータ軸7に取り付けられているモータ軸エンコーダ8からのモータ軸角度情報および負荷軸エンコーダ6からの負荷軸角度情報をフィードバックして負荷軸4の制御を行うフルクローズドループ制御系を構成している。なお、負荷軸4と負荷軸エンコーダ6の間を十分に剛性の高いカップリング9で締結して軸ねじれ振動を防止している。
<表1:実験装置諸元>
[2.波動歯車装置における非線形特性のモデリング]
波動歯車装置の非線形特性である、摩擦、非線形ばね要素、角度伝達誤差のモデル化を行う。
(2.1)摩擦特性のモデル化
本モデリングでは、摩擦特性を動作静止時に動作再開を妨げる静止摩擦、回転方向に一定の摩擦を生ずるクーロン摩擦、速度依存性を有する粘性摩擦に分類する。ここでは、一定速度試験を行うことで測定およびモデル化する。図3に摩擦特性の測定結果およびモデル化結果を示す。摩擦特性モデルτfricは数式(1)のクーロン摩擦力と粘性摩擦力との和で表す。

ここで、τ:クーロン摩擦係数
D:粘性摩擦係数
ω:モータ軸速度
なお、静止摩擦力はモータ軸静止時に徐々に電流指令値を増加させ、モータが回転した際の電流指令値により同定した。
(2.2)非線形ばね要素のモデリング
FSは柔軟な金属を用いているため、位置決め応答中にヒステリシスを有する非線形なばね特性として振る舞い、制御性能を劣化させる。本特性を測定するために、モータ軸をサーボロックし、負荷端に一定トルクを印加することで、整定時のねじれ角度θtwを測定する。ここで、ねじれ角度θtwを数式(2)で表す。
図4の実線でばね特性の測定結果を示す。この図から、ヒステリシス特性を有した非線形な特性が確認できる。後述するスライディングモード制御系では、本特性の概形を再現できるモデルを必要とせず、ばね定数のモデル化誤差として扱う。そこで、図4に示す実験装置測定結果に対して、点線で示すノミナルモデルと、破線で示すモデル化誤差が最大になるモータ軸と負荷軸の間が大きくねじれた際のばねモデルKg_maxとで本特性を表す。
(2.3)角度伝達誤差のモデル化
角度伝達誤差θTEは、モータ軸角度θから計算される負荷軸角度と実際の負荷軸角度θとの差であり、次の数式(3)で表す。
波動歯車装置は歯車の累積ピッチ誤差や構成部品の組み付け誤差に起因し、構成部品の相対回転に同期して角度伝達誤差(以下、これを「相対回転同期成分θsync」と呼ぶ。)を生ずる(非特許文献6参照)。本制御対象の場合、CSは固定されていることから、本成分はモータ軸角度θ、負荷軸角度θ、FS−WG間の相対回転に同期する成分に分類でき、これらの正弦波を合成することで相対回転同期成分を表す。
本成分については、微小送り角度の位置決めを負荷軸一周分行った時の、定常角度伝達誤差を測定した後に、時間領域を角度領域に置き換えたフーリエ変換を行うことで、各成分の整数倍高調波の振幅Aおよび移送φを求め、モデル化する。
図5に相対回転同期成分測定結果およびモデル化結果を示す。図上段に、微小送り角度の位置決めを行った際のモータ軸3周期分の角度伝達誤差測定結果およびモデル化結果を示す。図下段に、上段の測定結果をスペクトル解析した結果およびモデル化結果を示す。図の縦軸は角度伝達誤差であり、1degを3600分割したarc−secで示す。なお、本成分は、モータ軸の回転に同期する成分が多くを占めていることから、モデル化にはモータ軸同期成分の高調波成分のみを用いて次の数式(4)で表せるものとする。
このとき、ねじれ角度θtwを次の数式(5)で表す。
[3.スライディングモード制御系の設計]
スライディングモード制御は、可変構造制御の一つであり、所望の特性を切換面として設計することで、全状態量が希望の特性に拘束される結果、非線形特性や不確かな系に対してロバストな制御系を構築できる(非特許文献7参照)。
図6に、スライディングモード制御系を用いた位置決め装置のブロック線図を示す。本発明では位置決めを目的とするため、1型のサーボ系を構築して負荷軸位置を制御する。ここで、モータ軸速度ωおよび負荷軸速度ωは、各軸のエンコーダから計算される速度を用いる。位置決め装置では、減算器において位置指令θ と負荷軸のフィードバック値θの偏差eを算出し、偏差eを積分器で積分して積分値ζを算出し、加算器を介して制御対象を表す状態変数xを生成してスライディングモード制御器に入力している。スライディングモード制御器では、位置指令θ と状態変数xを入力とし、制御対象(Plant)であるアクチュエータに対する制御入力uを生成する。
制御対象(Plant)は、図7に示すように、モータ、ばね、負荷からなる2慣性モデルで表される。図中の各符号の意味は次の通りである。
:モータ軸慣性
:モータ軸粘性摩擦係数
N:減速比
:ばね特性
:ギア粘性摩擦係数
:負荷軸慣性
:負荷軸粘性摩擦係数
:トルク定数
図7より、本システムの状態方程式は次の数式(6)で表される。
本発明では、以下の手順に従ってスライディングモード制御系を設計する。
(1)切換面の設計
(2)スライディングモード制御系の設計
(3)チャタリング抑制項の設定
(3.1)切換面の設計
切換面はシステムのダイナミクスを決定するものであり、その設計は基本的に線形制御理論を適用できる(非特許文献8参照)。本発明では、システムの零点を利用するために、数式(7)に示すリカッチ方程式より導出される行列Pを用い、数式(8)で示す行列(設計変数)Sを決定する。
であり、εおよび行列Qは重み係数であり、今回は遺伝的アルゴリズムを用いて対角行列の重み行列Qを用いた次の数式(9)に示す評価関数Jを最小とする値を用いる。
上式で、Tsetは整定時間を示し、αerrorは負荷軸角度指令θ と負荷軸角度θとの誤差面積を示す。Thysは過渡応答時間である。例えば、負荷軸角度指令の加速度を4050deg/s2とした時の整定時間により、1000sampleとした。以上より、重み行列Qおよび重み係数εは次の数式(10)、(11)の値を設定する。
(3.2)スライディングモード制御系の設計
上記のように設定した切換面に状態量を常に拘束させるため、スライディングモード制御系を最終スライディングモード制御法で設計する。最終スライディングモード制御法では、システムの状態が任意な初期値から出発し、スライディングモード領域Sに至るまでスライディングモードを発生させず、S領域に到達した後にスライディングモードへと移行させる(非特許文献8参照)。制御入力uは、線形状態フィードバック制御項uと非線形制御入力項unlの和であり、次の数式(12)で表すことができる。
数式(12)の右辺第2項のkは切換ゲインである。ばねモデルKのモデル化誤差が最大となる時、すなわち、ばね定数をKg_maxとした時のA行列をAとおき、モータ軸および負荷軸のクーロン摩擦力τ(ω)、τ(ω)と相対回転同期成分を起因とした最大反力トルクKg_max・θSync_maxを外乱項とおけば、kは次の数式(13)で表すことができる(非特許文献9参照)。


例えば、数式(13)を満足する値としてk=1800と設定した。
(3.3)チャタリング抑制項の設定
上記の非線形制御入力uの切換周波数は無限としているため、状態量が切換面の近傍で高周波振動(チャタリング)する(非特許文献7、8参照)。そこで、次の数式(14)で示すような非線形制御入力を生成することで、チャタリングを抑制して入力を平滑化する。
数式(14)に示すチャタリング抑制項ηの値は以下のように決定する。
(3.4)静止摩擦を考慮した非線形制御入力項の構築
図8には、今まで説明したスライディングモード制御系によってモータ軸の5回転分の位置決めを行った応答例を示してある。なお、チャタリング抑制項ηは、非線形要素の影響やばね特性のモデル化誤差が大きくなる過渡中で、チャタリングを発生させない値に設定した。図8の上段はモータ軸応答、下段の実線は制御入力u、破線は線形制御入力u、点線は非線形制御入力unlをそれぞれ示す。図8下段の水平一点鎖線は±0.07A、垂直点線は0.4805sを示す。
ここで、図8の0.4805sの時点で、電流指令値が±0.07Aに達した直後にモータ軸が動作方向反転を繰り返すスティックスリップ現象を生じている(非特許文献10、11参照)。その理由としては、設定したチャタリング抑制項ηは、ばね特性のモデル化誤差や角度伝達誤差の影響が大きな過渡中にチャタリングを生じない値に設定したため、位置決め目標角度付近で、静止摩擦に対する補償が困難であると考えられる。
そこで、数式(15)に示すように、ねじれ角度を用いてチャタリング抑制項の値を変更することで、ばね特性のモデル化誤差の影響が大きくなる過渡中でチャタリング抑制項ηを大きくし、非線形摩擦の影響が大きい目標角度整定時にはチャタリング抑制項ηを小さくすることで、非線形特性補償を行う。
θtw_maxは最大ねじれ角度であり、モータ軸をサーボロックし、負荷軸に最大トルクを印加した際のねじれ角度として、600arc−secとした。一方、ηoffsetはチャタリング抑制定常項であり、モータ軸静止時に積分器の蓄積よりも早く動作再開させるために、次の数式(16)に示す条件下でその値を決定した。
θstaticおよびIstaticは動作静止時の負荷軸角度と静止摩擦力であり、θstaticはスティックスリップ現象発生時における、動作静止時の負荷軸角度である0.0139load degとし、Istaticは0.07Aと与えた。Tmoveは動作再開時間であり、小さすぎるとチャタリングを発生しやすく、大きすぎると動作再開が遅れる。今回は積分器よりも早く動作再開できるように、20sampleとした。以上より、ηoffsetを1.72とした。なお、ηνは過渡中でチャタリングを生じない値として、ηoffsetの20倍の値に決定した。
[4.実機実験による本発明制御系の有効性検証]
本発明の制御系の有効性を比較検証するために、P−PI制御系を別途構築し、送り角度36load degの連続一方向位置決め動作(送り回数240回、インターバル2s)を行った。なお、P−PI制御系には静止摩擦補償として、Bang−Bang補償を静止摩擦として用いた。
図9の1段目と2段目に目標角度付近のモータ軸応答および負荷軸応答を、3段目と4段目にモータ軸および負荷軸加速度応答を、5段目に整定範囲±0.0045 load degへの整定時間分布をそれぞれ示す。図9の左側にP−PI制御系適用時の応答を示し、右側に本発明制御系適用時の応答を示す。図9の5段目は、実線でP−PI制御系の分布を示し、破線で本発明制御系による場合の分布を示し、垂直点線で平均値を示す。表2に整定時間平均値μと標準偏差σを3倍したものを示す。
<表2:動特性補償効果の比較結果>
図9における1段目および2段目より、本発明制御系はP−PI制御系に比べて高精度に目標角度に収束していることが分かる。同図5段目から、本発明制御系では整定時間平均値が向上し、ばらつきの少ない応答であることが分かる。また、表2より、平均時間で88%に短縮し、標準偏差の3倍で約34%に圧縮できていることが分かる。さらに、図9における3段目および4段目より、P−PI制御系は過渡中で、非線形要素の影響によりモータ軸および負荷軸に振動が見られるが、本発明制御系では、モータ側で非線形特性に対する補償を行う結果、負荷軸の滑らかな応答が得られていることが分かる。以上から、本発明制御系の有効性が確認できた。
以上説明したように、本発明では、波動歯車装置が有する非線形特性に起因する制御性能劣化に対して、ロバスト制御系の構築をめざし、スライディングモード制御による非線形特性補償を行う位置決め装置を提案した。本発明の位置決め装置の制御系では、波動歯車装置が有する非線形特性として、摩擦特性、非線形ばね要素、角度伝達誤差相対回転同期成分のモデル化を行った後、スライディングモード制御系の設計を行った。静止摩擦力に起因したスティックスリップ現象が見られることから、これに対する補償法を提案した。そして、本発明の制御系についてフルクローズドループ位置決め実験を行ったところ、P−PI制御系と比較して、整定時間の向上および負荷軸の滑らかな応答が得られることが確認された。
1 モータ
2 波動歯車装置
3 アクチュエータ
4 負荷軸
6 負荷軸エンコーダ
7 モータ軸
8 モータ軸エンコーダ
CS サーキュラスプライン
FS フレクスプライン
WG ウェーブ・ジェネレータ

Claims (4)

  1. モータの回転を波動歯車装置によって減速して負荷軸から出力するアクチュエータにおける前記負荷軸の角度位置のフィードバック値θとモータのモータ軸の角度位置のフィードバック値θに基づき、負荷軸の角度位置が位置指令θ による角度位置となるようにモータを駆動制御する波動歯車装置を備えたアクチュエータの位置決め装置において、
    位置指令θ および制御対象のアクチュエータを表す状態変数xを入力とし、モータに対する制御入力uを生成して出力するスライディングモード制御器を有しており、
    制御対象のアクチュエータは、モータ、ばね、負荷からなる2慣性系モデルと見做して、数式(A)で表される状態方程式で規定されており、
    ω:負荷軸速度
    ω:モータ軸速度
    :モータ軸慣性
    :モータイ軸粘性摩擦係数
    N:波動歯車装置の減速比
    :ばね特性
    :歯車粘性摩擦係数
    :負荷軸慣性
    :負荷軸粘性摩擦係数
    :トルク定数
    スライディングモード制御器における切換面は、数式(B)で規定するリカッチ方程式により導出される行列Pを用いて、数式(C)で表される行列(設計変数)Sで規定されており、

    ε:重み係数
    Q:重み行列
    スライディングモード制御器は、σを切換関数、kを切換ゲインとして、数式(D)で規定される制御則に従って、線形状態フィードバック制御項uと非線形制御入力項unlの和である前記制御入力uを生成することを特徴とする波動歯車装置を備えたアクチュエータの位置決め装置。
  2. 請求項1において、
    非線形制御入力項unlは、ηをチャタリング抑制項として、数式(E)で規定されることを特徴とする波動歯車装置を備えたアクチュエータの位置決め装置。
  3. 請求項1において、
    非線形制御入力項unlは、ねじれ角度θtwの関数であるチャタリング抑制項η(θtw)を用いて、数式(F)で規定されることを特徴とする波動歯車装置を備えたアクチュエータの位置決め装置。
  4. 請求項3において、
    チャタリング抑制項η(θtw)は、ηνを定数、θtw_maxを最大ねじれ角度、ηoffsetをチャタリング抑制定常項として、数式(G)で規定され、

    チャタリング抑制定常項ηoffsetは、θstaticを動作静止時の負荷軸角度、Istaticを動作静止時の静止摩擦力に対応する電流値、Tmoveを動作再開時間として、数式(H)で規定されることを特徴とする波動歯車装置を備えたアクチュエータの位置決め装置。
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