JP2012225389A - 真空断熱材の製造方法、真空断熱材及びこれを備えた冷蔵庫 - Google Patents

真空断熱材の製造方法、真空断熱材及びこれを備えた冷蔵庫 Download PDF

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Abstract

【課題】熱エネルギ消費を抑制するとともに、表面平坦性と外形寸法精度が良好で、形状自由度を有する真空断熱材を提供する。
【解決手段】本発明の真空断熱材の製造方法は、結合剤を用いず繊維集合体を単層又は重ね合わせた芯材51と、芯材51の水・ガス成分を吸着する吸着剤54と、芯材51と吸着剤54とを収納する内袋52と、内袋52を収納する外袋53とを備える真空断熱材50の製造方法であって、芯材51を第1密度範囲Aに圧縮する圧縮工程104と、第1密度範囲Aよりも低い第2密度範囲Bに保持した状態で芯材51を所定の外形寸法に切断する切断工程105と、第2密度範囲Bの状態で芯材51を内袋52で密封する内袋包装工程106と、外袋53に内袋52で密封した芯材51を挿入する袋詰め工程107と、内袋52の密封が解除された芯材51を第2密度範囲Bの状態で真空排気して外袋53で封止する真空包装工程110とを含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、整形性、省エネに配慮した真空断熱材の製造方法、真空断熱材及びこれを備えた冷蔵庫に関する。
従来、内部に熱伝導率が低い真空空間を形成し断熱性を高めた真空断熱材や、その製造方法、及び真空断熱材を備えた冷蔵庫に係わる文献公知発明として、以下の特許文献1〜4がある。
特許文献1には、真空断熱材の芯をなす芯材の厚み方向においてバインダ(結合剤)濃度を芯材表面と厚みの中心部で異なるようにすることで、バインダの固形成分の熱伝導に依る熱架橋の影響を低減する。これにより、芯材が厚み方向で結合度合いが異なり、製造工程の真空排気時の排気抵抗を小さくできることから、排気時間が短縮され生産性を向上させた例が示されている。
一方、従来、ガラス繊維等を芯材に使用した真空断熱材において、芯材に用いる結合剤がガラス繊維間に熱架橋として作用してしまうために断熱性能を悪化させる問題に対応するものとして、特許文献2がある。
特許文献2は、結合剤を用いることなく芯材をその融点の400〜500℃位まで加熱しながら加圧することにより、温度領域を弾性変形領域から塑性変形領域に移行させて塑性変形させて芯材の形状を維持し、熱架橋を抑制した断熱性能に優れる真空断熱材が示されている。
また、特許文献3には、グラスウールからなる芯材を圧縮状態で保持できる袋状のシート材で拘束することで真空断熱材の整形体を得、グラスウール単体として性能を高めた真空断熱材の整形体が示されている。
また、特許文献4には、バインダ処理や加熱成形処理されていない無機繊維集合体(例えば、ガラス繊維の集合体)を合成樹脂フィルムからなる内袋で覆い、内袋の外側の外袋内で減圧封止することで内圧を低下させ、無機繊維集合体の大気圧に対する反発力を抑えた真空断熱材を冷蔵庫に適用した例が示されている。
特開2004−11707号公報 特開2005−220954号公報 特開2005−207556号公報 特開2006−112439号公報
ところで、近年、地球環境保護の一環から家庭用の冷蔵庫等の家電製品をはじめとして、様々ないわゆる電気製品と称される機器の省エネ化が各業界において推進されている。このような昨今の潮流により、家庭用の冷蔵庫においては冷熱箱体の断熱性能を向上させるために、断熱性が高い真空断熱材がこれまで以上に多く採用されつつある。
しかしながら、製品の省エネ化を重視するあまり、真空断熱材の製造工程で消費されるエネルギについては必ずしも省エネ化にはなっておらず、配慮が行き届いていない。また、製品に使用される真空断熱材の面積や枚数の増加によって、製品の外観品質や意匠性が損なわれているケースも少なくない。
特許文献1に記載の真空断熱材については、ガラス繊維にバインダ(結合剤)を塗布して加熱プレスすることで芯材を成形する。これにより、芯材の表面に硬化層が形成されるため真空断熱材の表面性(平坦度)が良好であり、また、成形後に所定寸法に切断されるため外形寸法精度が高いという利点がある。
しかし、バインダ(結合剤)を用いて芯材を成形するために膨大な熱エネルギ(200℃以上に加熱)を使用するという製法であり、温室効果ガスの排出が過大で、環境への配慮が欠落している。また、芯材のガラス繊維間にバインダが固形分として存在するため、これが熱架橋となるため断熱性能が悪化するという問題がある。更に、バインダにより固化しているため真空断熱自体の強度が高くなり、真空断熱材を折り曲げる際の形状の自由度が低いという難点がある。
一方、特許文献2に示される真空断熱材については、バインダは使用しないが、ガラス繊維を成形するために、ガラスの軟化点付近(融点400〜500℃位)の温度まで加熱する必要があるため、特許文献1と同様、芯材を成形するために膨大な熱エネルギを使用するという不都合がある。
また、ガラス繊維を軟化点(融点)付近まで加熱しながらプレス加工するため、ガラス繊維同士が密着し、その条件のばらつき具合によってはガラス繊維同士が融着する場合がある。そのため、固体(ガラス繊維)の伝熱の影響が大きく、断熱性能の悪化や真空排気時の抵抗になる等の問題がある。また、芯材のガラス繊維が密着または融着しているため、弾性係数が高くなり柔軟性が低下し、特許文献1と同様、真空断熱材を折り曲げる際の形状自由度が不足する。
また、特許文献3に示される真空断熱材については、グラスウール(ガラス繊維)を圧縮状態に整形する手段として、形状拘束材のシート材を用いることで、特許文献1、2の課題である膨大な熱エネルギ消費を解決している。しかしながら、グラスウール特有のガラス繊維目付量(ガラス繊維密度)のばらつきが真空断熱材の表面の凹凸になって現出する等の表面平坦性に問題がある。
また、グラスウールは嵩高である(質量体積比が大きい)ため、厚み方向に圧縮する際に端部が延在方向に膨出する場合が多く、真空断熱材の外形寸法の精度を出しにくいという問題がある。
また、特許文献4に示される真空断熱材については、特許文献3と同様、無機繊維集合体を圧縮状態にする手段として、合成樹脂フィルムを内袋として用いており、特許文献1、2の問題である膨大な熱エネルギ消費や形状の自由度については解決している。しかし、特許文献3と同様、真空断熱材としての表面平坦性が低く、外形寸法精度が悪いという問題が依然存在する。
このように、従来、結合剤(バインダ)や加熱によって成形していない芯材を採用した真空断熱材は、製造工程や材料面での環境配慮はされているものの、真空断熱材の外観品質ではバインダや加熱によって成形した芯材に対して劣っている現状にある。
本発明は上記実状に鑑み、熱エネルギ消費を抑制するとともに、表面平坦性と外形寸法精度が良好で、形状自由度を有する真空断熱材の製造方法、真空断熱材及びこれを備えた冷蔵庫の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、第1の本発明に関わる真空断熱材の製造方法は、繊維材料を厚さ方向に結合剤を用いることなく積層した繊維集合体を単層或いは複数層に重ね合わられてなる芯材と、前記芯材の水分およびガス成分を吸着する吸着剤と、前記芯材と前記吸着剤とを収納する内袋と、該内袋を内部に収納する外袋とを備える真空断熱材の製造方法であって、前記芯材を所定の第1密度範囲になるように圧縮する圧縮工程と、前記第1密度範囲よりも低い第2密度範囲に保持した状態で前記芯材を所定の外形寸法に切断する切断工程と、前記切断工程における前記第2密度範囲を保持したまま前記芯材を前記内袋で密封する内袋包装工程と、前記外袋に前記内袋で密封した芯材を挿入する袋詰め工程と、前記内袋の密封が解除された前記芯材を前記第2密度範囲に保持した状態で真空排気して前記外袋で封止する真空包装工程とを含んで成る。
第2の本発明に関わる真空断熱材の製造方法は、繊維材料を厚さ方向に結合剤を用いることなく積層した繊維集合体を単層或いは複数層に重ね合わられてなる芯材と、前記芯材の水分およびガス成分を吸着する吸着剤と、前記芯材と前記吸着剤とを収納する内袋と、該内袋を内部に収納する外袋とを備える真空断熱材の製造方法であって、前記芯材は、非加熱状態で所定の第1密度範囲になるように圧縮され、前記第1密度範囲よりも低い第2密度範囲に保持された状態で、前記芯材が所定の外形寸法に切断され、前記切断した芯材を前記内袋内に収納したものが、前記外袋内に挿入されるとともに、前記第2密度範囲に保持された状態で真空排気され、前記外袋により封止されている。
第3の本発明に関わる真空断熱材は、繊維材料を厚さ方向に結合剤を用いることなく積層した繊維集合体を単層或いは複数層に重ね合わられてなる芯材と、前記芯材の水分およびガス成分を吸着する吸着剤と、前記芯材と前記吸着剤とを収納する内袋と、該内袋を内部に収納する外袋とを備える真空断熱材であって、前記芯材を一時的に所定の第1密度範囲になるように非加熱状態で圧縮し、前記第1密度範囲よりも低い第2密度範囲に保持した状態で所定の外形寸法に切断し、その切断時の前記第2密度範囲を保持しながら前記芯材を前記内袋で密封したものを、前記外袋に挿入して前記第2密度範囲を保持したまま前記内袋の密封を解除するとともに、真空排気して前記外袋で封止している。
第4の本発明に関わる真空断熱材は、繊維材料を厚さ方向に結合剤を用いることなく積層した繊維集合体を単層或いは複数層に重ね合わられる芯材と、前記芯材の水分およびガス成分を吸着する吸着剤と、前記芯材と前記吸着剤とを収納する内袋と、該内袋を内部に収納する外袋とを備える真空断熱材であって、前記芯材は、非加熱状態であり、所定の第1密度範囲に圧縮された後、前記第1密度範囲よりも低い第2密度範囲に保持した状態で所定の外形寸法に切断され、前記芯材が前記内袋内に収納されたものが、前記外袋に挿入されて、前記第2密度範囲に保持した状態で真空排気され、前記外袋によって封止されている。
第5の本発明に関わる真空断熱材は、繊維材料を厚さ方向に結合剤を用いることなく積層した繊維集合体を単層或いは複数層に重ね合わられる芯材と、前記芯材の水分およびガス成分を吸着する吸着剤と、前記芯材と前記吸着剤とを収納する内袋と、該内袋を内部に収納する外袋とを備える真空断熱材であって、前記芯材は、非加熱状態であり、前記内袋内における密度範囲が140〜260kg/mの状態で真空排気され、前記外袋によって封止されている。
第6の本発明に関わる冷蔵庫は、第3〜第5の本発明に関わる真空断熱材を備えている。
本発明によれば、熱エネルギ消費を抑制するとともに、表面平坦性と外形寸法精度が良好で、形状自由度を有する真空断熱材の製造方法、真空断熱材及びこれを備えた冷蔵庫を実現できる。
本発明に係わる実施形態の冷蔵庫の正面図である。 図1の冷蔵庫のA−A線断面図である。 図1の冷蔵庫のZ−Z線断面図である。 実施形態1の真空断熱材を示す横断面図である。 (a)は実施形態1の真空断熱材の製造方法を示す図であり、(b)は比較例(従来)の真空断熱材の製造方法の一例を示す図である。 (a)は実施形態1の芯材圧縮工程を概念的に示す側面図であり、(b)は第2の芯材切断工程と内袋包装工程を概念的に示す側面図であり、 (c)は内袋包装工程を概念的に示す側面図である。 (a)は従来のガラス繊維を積層した芯材をなすグラスウールの圧縮前の状態を示す図であり、(b)は従来のガラス繊維を積層した芯材をなすグラスウールを圧縮した時に圧縮方向ではない方向に積層ズレを起こす状態を示した図である。 (a)は従来の真空排気前に芯材が膨張して復元してしまった状態を示す側断面図であり、(b)は実施形態1の芯材を内部に密封した内袋の一端を開口する作業を示す側断面図である。 (a)は、真空断熱材の芯材の外包材である内袋の切欠き部を示す内袋の平面図であり、(b)、(c)、(d)は、それぞれ内袋の切欠き部等の易密封解除手段の例を拡大して示す(a)のA部拡大図である。 実施形態1、2の真空断熱材と比較例1〜4の真空断熱材の測定結果をまとめた図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係わる実施形態の冷蔵庫1の正面図であり、図2は、図1の冷蔵庫1のA−A線断面図である。
実施形態の冷蔵庫1は、上から下に、冷蔵室2、製氷室3a、上段冷凍室3b、冷凍室4、および野菜室5が配置されている。
冷蔵室2前面側(図1の紙面手前)には、冷蔵庫1の前面開口を開閉するための扉が配設されている。
具体的には、冷蔵室2は、ヒンジ10等に支承される冷蔵室扉6a、6bが、回動することで、その前面の開口部が開閉される。
冷蔵室扉6a、6b以外の各室3a、3b、4、5の扉は全て引き出し式の扉である。
製氷室3a、上段冷凍室3bには、製氷室扉7aと上段冷凍室扉7bが引き出し自在に設けられ、また、冷凍室4には、下段冷凍室扉8が引き出し自在に設けられている。同様に、野菜室5には、野菜室扉9が引き出し自在に設けられている。
これら引き出し式扉7a〜9は、各扉を引き出すと、各室3a〜5の収納空間を形成する容器が扉と共に引き出されてくる。
図2に示すように、各扉6a〜9には、冷蔵庫1の貯蔵空間を形成する箱体1Hの各室2〜5の前側外周縁に沿ってパッキン11がそれぞれ固着されている。パッキン11は各扉6a〜9と各室2〜5の前側外周縁との間を気密に封止している。
パッキン11は、例えばブタジエン(butadiene)ゴム等でなる弾性体であり、弾性変形することで、冷蔵庫1の箱体1Hと各扉6a〜9とに沿うよう変形し、その間を封止し気密とする。なお、パッキン11は、説明した気密とする機能を果たせれば、その材料は限定されない。
また、冷蔵庫1の箱体1Hには、冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3bとの異なる貯蔵温度帯の室間を区画して断熱するため、仕切断熱壁12が設けられている。仕切断熱壁12は厚さ30〜50mm程度の断熱壁であり、スチロフォームや、発泡断熱材(ウレタンフォーム)、真空断熱材50e等の各種断熱材を、それぞれ単独使用するか、又は、複数の断熱材を組み合わせて製作されている。
例えば、仕切断熱壁12は、発泡ポリスチレン33と真空断熱材50eで構成されている。仕切断熱壁12については、硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と真空断熱材50eに限定されない。
一方、製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4の間は、同じ冷凍温度帯であるため断熱の必要はなく、区画して断熱する仕切り断熱壁ではなく区画するための仕切り部材13が設けられている。仕切り部材13の前面には、製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4のパッキン11の受面が形成されている。
冷却温度が異なる下段冷凍室4と野菜室5の間には区画して断熱するための仕切断熱壁14を設けている。仕切断熱壁14は、仕切断熱壁12と同様、厚さ30〜50mm程度の断熱壁であり、スチロフォームや、発泡断熱材(ウレタンフォーム)、真空断熱材50等で製作されている。
例えば、仕切断熱壁14は、発泡ポリスチレン33と真空断熱材50で構成されている。仕切断熱壁14については、硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と真空断熱材50に限定されない。
基本的に、冷蔵、冷凍等の貯蔵温度帯の異なる室を仕切る部材には、隣接する各室を区画して断熱する仕切断熱壁を設置している。
なお、箱体1H内は、上から冷蔵室2、製氷室3a及び上段冷凍室3b、下段冷凍室4、野菜室5の各貯蔵室をそれぞれ画設した場合を例示したが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定されない。
また、図1に示す冷蔵室扉6a、6b、製氷室扉7a、上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9に関しても、回転による開閉、引出しによる開閉、及び各扉の分割数等、特にこれに限定されない。
図2に示す箱体1Hは、外板を形成する例えば数ミリ厚の鋼板製の外箱21と、貯蔵物の収容空間を形成する例えばポリプロピレン(polypropylene)等の樹脂製の内箱22とを備えている。
箱体1Hの外箱21と内箱22とによって形成される空間には、箱体1H内の各貯蔵室2〜5と外部空間Gとを断熱する断熱部を設けている。この断熱部内の外箱21側または内箱22側の何れかに断熱性が高い真空断熱材50を配置し、真空断熱材50以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23(図2参照)を充填している。
<冷凍サイクル>
図2に示すように、冷蔵庫1の冷蔵室2、製氷室3a、上段・下段冷凍室3b、4、野菜室5等の各室を所定の温度に冷却するために製氷室3a、上段・下段冷凍室3b、4の背(後方)側には、冷媒の蒸発により吸熱して庫内を冷却する冷却器(蒸発器)28が備えられている。
冷却器(蒸発器)28と圧縮機30と凝縮機31と、図示しないキャピラリーチューブとを接続し、冷媒が循環する冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方には、冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫1内に循環して所定の低温に保持する送風機27が配設されている。
<庫内灯45>
箱体1Hの内箱22の天面の一部には、上方の発泡断熱材23側に突き出したケース45aを有する庫内灯45が配置され、ユーザが、冷蔵庫1の扉を開けた際に庫内を明るく、目視し易くしている。庫内灯45については、LED(Light Emitting Diode)、電球、蛍光灯、キセノンランプ等、庫内を明るく照光できれば特に限定されない。
庫内灯45の配置により、ケース45aと外箱21との間の発泡断熱材23の厚さが薄肉となり(厚さ寸法が小さくなり)断熱性能が低下するため、図2の例では、断熱性が高い真空断熱材50aを配置して断熱性能を確保している。なお、庫内灯45については、特に図示の位置でなくともよいのは言うまでもない。
<制御部>
箱体1Hの天面後方部には、冷蔵庫1の運転を制御するための制御基板や電源基板等に実装される電気部品41を収納するための凹部40が凹設されている。そして、カバー42が、凹部40に配設される制御基板や電源基板等に実装される電気部品41を覆って設けられている。
カバー42の高さは、商品性に係る外観意匠性と冷蔵庫1の(貯蔵)容量である内容積確保を勘案して、外箱21の天面と同じ高さまたはほぼ同じ高さとしている。特に限定されるものではないが、カバー42の高さが外箱21の天面よりも上方に突出する場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。
このように、凹部40は発泡断熱材23側に電気部品41を収納する空間だけ窪んだ状態で形成されるため、このままでは所定の断熱性をもつ厚さを確保するためには必然的に内容積(冷蔵庫1の容量)が犠牲になる。一方、内容積(冷蔵庫1の容量)をより大きくとると凹部40と内箱22間の発泡断熱材23の厚さが薄くなり、所定の断熱性能を確保できない。ここで、熱伝達率は、発泡断熱材23の厚さに反比例するので、断熱性能は発泡断熱材23の厚さに比例することとなる。
<真空断熱材の配置>
そこで、図2に示す冷蔵庫1では、凹部40の発泡断熱材23に対向する面に、発泡断熱材23より断熱性が高い真空断熱材50aを配設して断熱性能を確保し強化している。真空断熱材50aは、庫内から外部空間Gに投影する外箱21aの内面に沿った位置に、庫内灯45のケース45aと電気部品41に跨るように略Z形状に成形した真空断熱材としている。
なお、カバー42は、外部からのもらい火や何らかの原因で制御基板や電源基板等に実装される電気部品41が発火した場合等を考慮し、耐火性がある鋼板製としている。
一方、箱体1Hの背面下部に配置された圧縮機30や凝縮機31は発熱の大きい部品であることから庫内への熱侵入を防止するため、圧縮機30や凝縮機31の内箱22側への投影面に、断熱性が高い真空断熱材50bを配置している。
図3は、図1の冷蔵庫1のZ−Z線断面図である。
箱体1H(図1参照)の側面部の外箱21cの内面に真空断熱材50を配置している。図3の例では、箱体1Hの背面部の外箱21b内面に配置した真空断熱材50cは、箱体1Hの背面部の外箱21bを覆う態様で、略コの字状に折り曲げて設けている。
(実施形態1)
次に、本発明の実施形態1における真空断熱材50について説明する。
図4は、本発明の実施形態1の真空断熱材50を示す横断面図である。なお、図4においては、吸着剤54を拡大して示している。
真空断熱材50は、芯材51と、該芯材51を圧縮状態に保持するための内袋52、該内袋52で圧縮状態に保持した芯材51を被覆するガスバリヤ層を有する外被材53と、外被材53の内部で水分(HO)、ガス分(N、O、CO等)を吸着する吸着剤54とを有し構成されている。
芯材51、内袋52、吸着剤54を覆う外被材53の周辺部は、溶着され溶着部53cとされ、外被材53の内部を封止している。真空断熱材50は、使用状態においては、溶着部53cを本体側に屈曲して用いられる。
実施形態1の真空断熱材50は、芯材51として結合剤(バインダ)等で接着や結着していない無機繊維の積層体として平均繊維径4μmのグラスウールを用いている。グラスウールは、ガラス繊維を遠心法にて単位容積当たりの質量(以下、目付量と記す)が所定の値になるように層状に積層されたガラス繊維の集合体である。グラスウールは、結合剤(バインダ)等により成形されていないため綿状であり、嵩密度(質量体積比)が大きいことが特徴である。
内袋52は、熱溶着可能な合成樹脂フィルムであれば特に限定されないが、実施形態1では高密度ポリエチレンフィルム(polyethylene film)を用いている。
なお、内袋52として高密度ポリエチレンフィルムを用いる場合を例示しているが、熱溶着可能な合成樹脂フィルムであればよく、高密度に限らずポリエチレン系のフィルムや、ポリプロピレン(polypropylene)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate)等のフィルムとしてもよい。
外被材53は、所定のガスバリヤ性を有し、合成樹脂等のフィルムを数種類重ねて張り合わせた多層のラミネートフィルムからなる。外被材53は、ガスバリヤ性を有するとともに熱溶着可能であり、所定の真空度を維持(保持)できるものであれば特に限定されない。
実施形態1では、外被材53として、表面保護層、第一のガスバリヤ層、第二のガスバリヤ層、熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとした。具体的な構成としては、例えば、表面保護層をポリアミド(polyamide)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムとしている。
外被材53は、ガスバリヤ性や吸湿性等を考慮すると二軸方向に延伸して成形された二軸延伸タイプのフィルムが好ましい。第一及び第二のガスバリヤ層としては金属、金属酸化物、無機系材料等からなるガスバリヤ膜を備えた二軸延伸タイプのフィルムが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート、エチレンビニルアルコール共重合体(Ethylene- Vinylalcohol-Copolymer)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)等のフィルムがある。なお、外被材53の第一及び第二のガスバリヤ層の何れか一方又は両方に金属箔層を設けてもよい。
外被材53の熱溶着層としては、熱溶着時の強度が求められる。熱溶着層は、例えば低密度、中密度、高密度及び直鎖状低密度等のポリエチレンや、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート等のフィルムとすることが多い。各層のフィルムは二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせられるが、接着剤や貼り合わせの方法については特にこれに限定されない。
なお、外被材53のラミネート構成については4層構成に限定するものではなく、3層や5層又はそれ以外の複数層でも真空断熱材として所定の性能を確保できるものであればよく、限定されない。
吸着剤54は、物理吸着タイプの合成ゼオライトを用いたが、特にこれに限定するものではない。水分やガス(少なくとも酸素、窒素、二酸化炭素)を吸着するものであれば、水分子やガス分子を細孔で捕捉するタイプの物理吸着、化学反応のイオン結合や共有結合で水分子やガス分子を吸着するタイプの化学反応型吸着のどちらでも構わない。ただし、反応性が強く真空断熱材50を構成する材料を変質させたり、副生成物が発生するような材料は当然のことながら使用することはできない。
<真空断熱材50の製造方法>
次に、実施形態1の真空断熱材50の製造方法について説明する。
図5(a)に実施形態1の真空断熱材50の製造方法について示し、図5(b)に比較例(従来)の真空断熱材の製造方法の一例を示す。
まず、実施形態1の真空断熱材50の製造工程を、図5(a)を用いて説明する。
図5(a)に示すように、芯材51の材料であり所定の目付量としたグラスウール51aを供給し、第1の芯材切断工程101において、製作しようとしている真空断熱材50の芯材51の外形サイズよりも一回り大きいサイズに、グラスウール51aを切断、つまり荒切りする。
続いて、芯材積層工程102において、真空断熱材50の必要厚さに応じてグラスウール51aを複数層に積層する。
なお、グラスウール51aは、単層でもよく、この場合には芯材積層工程102は行なわない。
続いて、芯材乾燥工程103により、複数層に積層した芯材51を高温の乾燥炉の中を、必要時間通過させ、水分を除去し、芯材51の持込み水分量を低減する。なお、芯材51を高温の乾燥炉の中に、必要時間入れるバッチ式を採用してもよい。
図6(a)は実施形態1の芯材圧縮工程104を概念的に示す側面図であり、図6(b)は第2の芯材切断工程105と内袋包装工程106を概念的に示す側面図であり、図6(c)は内袋包装工程106を概念的に示す側面図である。
続いて、図5(a)の芯材圧縮工程104において、図6(a)に示すように、グラスウール51aの目付量のばらつきを平均化するため、圧縮装置104a、104bにて積層され乾燥させた芯材51aを、後記する密度範囲(A)になるように圧縮する(図6(a)の矢印α1参照)。
続いて、図6(b)に示すように、芯材51を、第2の芯材切断工程105において、密度範囲(A)より低い密度範囲(B)(詳細は後記)になるようにコンベア105a、105b、105cで搬送し拘束して密度範囲(B)にする。そして、コンベア105b、105cで押圧した密度範囲(B)のグラスウール51aの外形サイズを、密度範囲(B)に保持した状態で、真空断熱材50の芯材51の完成品形状になるように切断刃105d、105e、105fで切断する。この際、図示しない吸着剤投入工程により芯材51の内部に吸着剤54を投入する。
なお、図6(b)において、切断刃105fは、コンベア105b、105cを挟んで図6(b)の紙面手前側と図6(b)の紙面奥側との少なくとも何れかに設けられている。
続いて、内袋包装工程106において、図6(c)に示すように、先端部52a1が溶着された内袋用フィルム52aがローラr1、r2から、コンベア106a、106bで密度範囲(B)を保持した状態で搬送される芯材51に、供給される。そして、密度範囲(B)を保持した状態で、熱溶着装置106c、106dで芯材51を被覆した内袋用フィルム52aの周囲が熱溶着され芯材51を覆って密封することより、密度範囲(B)を保持し内袋52によって密封状態となった芯材51が得られる。
続いて、袋詰め工程107において、内袋52で密封された芯材51を外被材53に挿入し、外被材53の内部を真空状態にするため、図示しない真空チャンバを有する真空包装機内に投入する。このとき、真空包装機に投入する前に、外被材53や芯材51の内部の真空排気を効率よくする目的で、内袋52で圧縮状態にした芯材51を挿入した状態の外被材53を100℃程度に十分に温めてもよい。
続いて、内袋開口工程108において、密度範囲(B)を保持した状態で芯材51の内部まで真空引きされるように、密度範囲(B)を保持した状態で内袋52の一端を開口させる。
続いて、真空排気工程109において、密度範囲(B)を保持した状態で、一端を開口した内袋52内の芯材51が外被材53に収納されたものが入れられた真空チャンバ内を真空排気する。
続いて、真空包装工程110において、所定の真空度に到達後、外被材53の開口部を熱溶着して真空断熱材50が完成する。
このとき、袋詰め工程107で外被材53に投入した芯材52は、袋詰め工程107にて真空包装機内に投入した後、内袋開口工程108から真空包装工程110まで、密度範囲(B)を保持した状態に拘束されている。
一方、図5(b)に示す比較例(従来)は、芯材切断工程201から芯材乾燥工程203までは、実施形態1の芯材切断工程101から芯材乾燥工程103と同様である。しかし、比較例(従来)の内袋包装工程204は、実施形態1の内袋包装工程106と密度範囲(B)を保持しない点で異なる。比較例(従来)の袋詰め工程205は、実施形態1の袋詰め工程107と同様である。
しかし、比較例(従来)の内袋開口工程206から真空包装工程208は、実施形態1の内袋開口工程206から真空包装工程208と密度範囲(B)を保持しない点で異なる。
すなわち、本実施形態1は、比較例(従来)と異なり、芯材圧縮工程104において、芯材51を密度範囲(A)になるように圧縮する点、および、密度範囲(A)より低い点で、第2の芯材切断工程105、内袋包装工程106、内袋開口工程108〜真空包装工程110を行う点に特徴がある。
芯材51を、真空引きする際の密度範囲(B)より高い密度範囲(A)になるように圧縮することで、真空断熱材50の芯材51の平坦度が向上する。
また、第2の芯材切断工程105において、芯材51の外形サイズを、密度範囲(A)より低い密度範囲(B)に保持したまま、真空断熱材50の完成品形状になるように切断する。そして、その後の内袋包装工程106、内袋開口工程108〜真空包装工程110を密度範囲(B)に保持することで、真空断熱材50の外径寸法の精度を高くできる。
<実施形態1の芯材圧縮工程104〜内袋包装工程106の詳細>
第2の芯材切断工程105と内袋包装工程106で密度範囲(B)を保持する理由について、図7を用いて詳細に説明する。
図7(a)は従来のガラス繊維を積層した芯材51をなすグラスウール51aの圧縮前の状態を示す図であり、図7(b)は従来のガラス繊維を積層した芯材51をなすグラスウール51aを圧縮した時に圧縮方向ではない方向(圧縮方向と直交する方向)に積層ズレを起こす状態を示した図である。
図7(a)に示すように、芯材51の材料であるグラスウール51aは、前記した通り、ガラス繊維が積層されただけの綿状をなしており、嵩密度(質量体積比)が大きいため、複数層に積層することで嵩が高い状態となっている。
ここでは、仮にグラスウール51aの厚さ方向に直交する延在方向(図7(a)の左右方向)の外形寸法をSに切断したものとして説明する。
外形寸法Sに切断したグラスウール51aを内袋52に内包して圧縮装置104a、104bで圧縮する場合、図7(b)のように矢印α2方向に圧縮した際に、側端面51a1が圧縮前の元の位置からずれた状態になることが多い。つまり、圧縮時にグラスウール51aの側端面51a1が圧縮前の元の位置からX1、X2分だけはみ出した状態になってしまう。
すなわち、従来の製造方法では、芯材51を予め所定の外形寸法に切断した後に内袋52内に包装して圧縮するため、図7(b)に示すように、芯材51の端面51a1が圧縮前の元の位置からX1、X2分だけずれる現象が起きていた。
これが、従来、真空断熱材50の外形寸法精度を悪化させている原因の一つである。
そこで、本発明では、前記の如く、芯材51をなすグラスウール51aに密度範囲(B)を設定した後に所定の芯材51の外形寸法になるように切断している。
ここで、図5(a)に示す芯材圧縮工程104から内袋包装工程106までの工程の一例を、図6を用いて、再度、作用効果を含めて詳述する。
図6(a)において、芯材圧縮工程104において、圧縮装置104a、104bにて積層されたグラスウール51aを密度範囲(A)になるように圧縮する。この際、真空断熱材50の最終厚さの70%程度まで圧縮するので、密度範囲(A)になるように圧縮することで、芯材51を構成するグラスウール51aの部分的な偏り(真空断熱材50内のガラス繊維密度のばらつき)が是正され、最終的な真空断熱材50の状態において、外面の平坦性を向上することができる。
その後、図6(b)に示すように、芯材51が、密度範囲(A)より低い密度範囲(B)になるようにコンベア105a、105b、105cで搬送し、図5(a)の第2の芯材切断工程105において、密度範囲(A)より低い密度範囲(B)の状態で、芯材51の外形サイズを真空断熱材50の完成品形状になるように切断刃105d、105e、105fで切断する。
そして、図6(c)に示すように、図5(a)の内袋包装工程106において、内袋用フィルム52aが供給され、芯材51の密度範囲(B)を保つようにコンベア106a、106bで搬送されるとともに、熱溶着装置106c、106dで熱溶着され密封状態となる。
ここで、密度範囲(A)より低い密度範囲(B)の状態で、芯材51の外形サイズを真空断熱材50の完成品形状になるように切断し、その後の工程も、密度範囲(A)より低い密度範囲(B)の状態で行うことにより、最終製品の真空断熱材50の外形寸法の精度が高くなると考えられる。
なお、本実施形態1では工程の一例としてコンベア方式を例示したが、芯材51の密度範囲(A)及び密度範囲(B)をそれぞれ満足でき、所望のサイズに切断できる手段であれば特に限定するものではない。例えば専用の治具を使用して行ってもよい。
しかしながら、コンベア方式を採用した場合、図6に示すように、作業工程が流れ作業で行えるので、作業が容易かつ効率がよいので、コンベア方式が望ましい。
<内袋開口工程108から真空包装工程110の詳細>
内袋開口工程108から真空包装工程110までの工程の詳細を、作用効果を含め説明する。
真空排気前に芯材51を内部に密封した内袋52の一端を開口させる必要があるが、従来工程のように、内袋52を一旦引き出して、はさみやカッター等で内袋52の一端を切断して開口させた場合、通常は内袋52の切断部分に近い部分が密着した状態(バルブ効果)を保持するように作業する。
図8は、真空包装工程を説明するための図であり、図8(a)は従来の真空排気前に芯材51が膨張して復元してしまった状態を示す側断面図であり、図8(b)は実施形態1の芯材51を内部に密封した内袋52の一端を開口する作業を示す側断面図である。
ところが、作業の仕方によっては密着が解除され、真空排気を始める前に、従来例の図8(a)に示すように、芯材51が膨張して復元してしまう場合がある。この状態になると、前記したように、芯材51の側端面51a1にズレ(図7(b)の寸法X1、X2参照)が生じてしまう。
一方、本発明では、図5(a)の袋詰め工程107において、芯材51を真空包装機内に投入した時点で、芯材51が既に内袋52で密封されているので、密度範囲(A)より低い密度範囲(B)に保持されている状態にある。
そして、図5(a)の内袋開口工程108において、内袋52の溶着部の一端を開口する。この際、芯材51が復元しないように、図8(b)の矢印α3に示すように、押え板108a、108bで芯材51を、密度範囲(A)より低い密度範囲(B)に保持している。
図9(a)は、真空断熱材50の芯材51の外包材である内袋52の切欠き部52bを示す内袋52の平面図であり、図9(b)、(c)、(d)は、それぞれ内袋52の切欠き部52b等の易密封解除手段の例を拡大して示す図9(a)のA部拡大図である。
図9において、芯材51が内袋52の内部に収納され、内袋52の周囲が溶着部52cで溶着され封止されているものとする。
内袋開口工程108において、内袋52の一端を開口させ易いように、本発明では、図9(a)に示すように、内袋52の一部(溶着部52c)に切欠き52b等を設けて、図8(b)に示す52H部を、矢印α4のように、引っ張っただけで切れる(開口する)ようにしている。
切欠き52bの形状については、図9(b)に示すようなノッチ52b1や図9 (c)に示すようなVカット52b2等の易密封解除手段があるが、特にこれらの形状に限定するものではない。すなわち、内袋52が切れる契機となる切欠き等の易密封解除手段であればよく、U字カットや鋸刃カットやその他同様の効果が得られるものであればよい。52H部を矢印α4の方向に引っ張ったときに、引っ張り方向に直交する方向に、図9に示すC線の如く、直線的に切断されるのが望ましい。
内袋52の素材については、一軸延伸タイプのポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムで熱溶着可能なものであれば特に限定されない。例えば、直線カット性フィルムである三井化学製のハイブロン(商品名)等が使用できる。
また、内袋52の素材に易開封性素材を選べば切欠きを無くしたノッチレスとしても、内袋52に同様の易開封性を持たせることができる。例えば、フィルム全面に、逆円錐状の非貫通の孔型を多数(例えば1,500〜2,000個/cm)加工したものや、図9(d)に示すように、フィルムの端部(シール部)に微細な穴加工(細孔)や摩擦傷加工52b3を施したもの等の易密封解除手段がある。
その他同様の易開封性のものであれば特に限定されるものではない。例えば易開封性素材としては、旭化成パックス社製のマジックカットやマジックカットストレート加工(何れも商品名)を施したフィルムがある。本実施形態1では一軸延伸タイプの高密度ポリエチレンフィルムの端部にVカット52b2(図9(c)参照)を設けたものを用いている。なお、図9における一軸延伸タイプの高密度ポリエチレンフィルムの一軸延伸方向はC線方向である。
これにより、図8(b)の52H部を矢印α4方向に引っ張ることにより、図9に示すC線で円滑に切断することが可能である。
その後、真空排気工程109を経て、真空包装工程110において、外被材53の縁部が熱溶着部110a、110bにより熱溶着され外被材53が封止される。
実施形態1では、図5(a)の芯材圧縮工程104での芯材51の密度範囲(A)を280kg/mに、第2の芯材切断工程105の芯材51の密度範囲(B)を140kg/mにそれぞれ設定した。実施形態1の製造方法で芯材51の外形寸法を幅500mm、長さ1500mm、厚さ15mmを目指して(設計値として)製作したところ、幅、長さ共に±1mm以内、厚さは±0.5mmの寸法誤差範囲内に収まり、真空断熱材50の表面に大きな凹凸は見られず平坦性が確保された。
また、実施形態1で得られた真空断熱材50の熱伝導率を測定したところ、0.82(mW/m・K)を表示した。なお、この熱伝導率の測定は英弘精機製の熱伝導率測定装置HC−074を使用し、熱板の平均温度24℃として行ったものである。
図10に、実施形態1、2の真空断熱材50と比較例1〜4の真空断熱材の測定結果をまとめた図を示す。
実施形態1によれば、真空断熱材50において、繊維材料を厚さ方向に結合剤(バインダ)を用いることなく積層した繊維集合体を単層或いは複数層に重ね合わされてなる芯材51を一時的に所定の密度範囲(A)になるように非加熱状態で圧縮することで、繊維材料積層体に特有である目付量(ガラス繊維密度)の大きい部分と小さい部分からなるばらつきを平均化することができる。
そのため、真空排気して真空断熱材50にしたときの表面凹凸を少なくすることができる。
また、密度範囲(A)より低い密度範囲(B)に保持した状態で所定寸法に切断し、その切断時の密度範囲(B)を保持しながら芯材51を内袋52で密封することで、切断面を直線或いは切断した状態を保持できるため、外形寸法精度のよい芯材51が得られ、この芯材51の密度範囲を保持したまま真空包装することで外形寸法精度のよい真空断熱材50を提供することができる。
また、内袋52が、真空排気前に一旦密封を解除するために溶着部52cの一部に切り込み(ノッチ)等の易密封解除手段を設けて切断し易くしている。芯材51の圧縮状態を保持したまま真空包装するため、内袋52の溶着部52cの一部に切り込み(ノッチ)等の易密封解除手段をつけることで密封の解除をし易くできる。
さらに、内袋52が、真空排気方向の引張りに対して切れ易いようにした易開封性素材としている。これにより、芯材51の圧縮状態を保持したまま真空包装するため、内袋52に易開封性の素材を用いて密封を解除し易くしている。更にこの素材に方向性を持たせることで引き裂き部分に直線性を持たせることが可能である。
加えて、芯材51の加工の際、加熱プレス等のように膨大な熱エネルギを消費するような工程を経ないため、製造工程においても地球環境保護に資することが可能である。また、芯材51に結合剤(バインダ)を用いていないため、無機繊維集合体において真空排気時の抵抗や熱架橋の要因となる固体成分が残ることがない。
したがって、真空排気効率が向上し、高い断熱性能を実現した真空断熱材50を提供できる。
このように、真空断熱材50は外形寸法精度、表面平坦性が良好である。そのため、例えば図2に示す冷蔵庫1や冷凍庫等の外箱21(21a、21b)の鋼板の内面に接着しても、真空断熱材50の表面の凹凸に起因する鋼板の凹凸、波打ち減少が起こりにくく、高い断熱性能とともに、外観品質(意匠性)の高い製品を提供することができる。
(実施形態2)
実施形態2では、図5(a)の芯材圧縮工程104での芯材51の密度範囲(A)を370kg/mに、第2の芯材切断工程105(図5(a)参照)の芯材51の密度範囲(B)を260kg/mにそれぞれ設定した以外は実施形態1と同じ製造工程で同じ外形寸法の真空断熱材50を製作した。
その結果、幅、長さ共に±0.5mm以内、厚さは±0.5mmの寸法誤差範囲内に収まり、実施形態1と同様に真空断熱材50の表面に大きな凹凸は見られず平坦性が確保された。実施形態2で得られた真空断熱材50の熱伝導率は0.84(mW/m・K)を表示した。なお、熱伝導率の測定は、実施形態1と同条件行ったものである。
なお、実施形態2においても、実施形態1と同様な作用効果を奏する。
(比較例1)
比較例1では、図5(a)の芯材圧縮工程104での芯材51の密度範囲(A)を260kg/mに、第2の芯材切断工程105(図5(a)参照)の芯材51の密度範囲(B)を100kg/mにそれぞれ設定した以外は実施形態1と同じ製造工程で同じ外形寸法の真空断熱材を製作した。
その結果、幅寸法誤差が±2.5mm、長さ寸法誤差は±3.2mmとばらついた。厚さ寸法誤差については±1.5mmとなり、真空断熱材50の表面には小さい凹凸が多く見られた。比較例1で得られた真空断熱材50の熱伝導率は0.87(mW/m・K)を表示した。なお、熱伝導率の測定については、実施形態1と同条件で行ったものである。
比較例1の真空断熱材の幅寸法誤差±2.5mmは、実施形態1、2の真空断熱材50の幅寸法誤差±0.5〜1mmに比較して大きく、また、比較例1の真空断熱材の長さ寸法誤差±3.2は、実施形態1、2の真空断熱材50の長さ寸法誤差±0.5〜1mmに比較して大きい。また、比較例1の真空断熱材の厚さ寸法誤差±1.5mmは、実施形態1、2の真空断熱材50の厚さ寸法誤差±0.5mmに比較して大きい。したがって、比較例1の真空断熱材は、外形寸法精度が実施形態1に比較して劣っている。
比較例1の真空断熱材は、表面に小さい凹凸が多く見られ、実施形態1、2の表面平坦性が良好な真空断熱材50に比較しては表面平坦性の点でも劣っている。
また、比較例1の真空断熱材の熱伝導率0.87(mW/m・K)と、実施形態1、2の真空断熱材50の熱伝導率は0.82〜0.84(mW/m・K)に比較し大きく、比較例1の真空断熱材は、断熱性の点でも実施形態1、2の真空断熱材50に劣る。
(比較例2)
比較例2では、図5(a)の芯材圧縮工程104での芯材51の密度範囲(A)を390kg/mに、第2の芯材切断工程105(図5(a)参照)の芯材51の密度範囲(B)を100kg/mにそれぞれ設定した以外は実施形態1と同じ製造工程で同じ外形寸法の真空断熱材を製作した。
その結果、比較例2の真空断熱材は、幅寸法誤差が±2.2mm、長さ寸法誤差は±2.9mmとばらついた。厚さについては寸法誤差±0.5mmとなり、真空断熱材の表面に凹凸は見られなかった。
比較例2で得られた真空断熱材の熱伝導率は1.2(mW/m・K)を表示した。なお、熱伝導率の測定については、実施形態1と同条件で行ったものである。
図10に示すように、比較例2の真空断熱材は、厚さ寸法誤差が±0.5mmであり、実施形態1、2の真空断熱材50と同等であり、表面平坦性で実施形態1、2の真空断熱材50と同等である。
しかし、比較例2の真空断熱材は、幅寸法誤差(±2.2mm)、長さ法誤差(±2.9mm)であり、実施形態1、2の真空断熱材50の幅・長さ寸法誤差(±0.5〜1mm)に比較し劣ることが判明した。
さらに、比較例2の真空断熱材の熱伝導率は1.2(mW/m・K)であり、実施形態1、2の真空断熱材50の熱伝導率は0.82〜0.84(mW/m・K)より高く、断熱性で実施形態1、2の真空断熱材50に劣っている。
(比較例3)
比較例3では、図5(a)の芯材圧縮工程104では芯材51を圧縮せず、第2の芯材切断工程105(図5(a)参照)の芯材51の密度範囲(B)のみ260kg/mに設定した以外は実施形態1と同じ製造工程で同じ外形寸法の真空断熱材50を製作した。
その結果、図10に示すように、幅、長さの幅寸法誤差はともに±0.5mm以内に収まったが、厚さ寸法誤差はついては±1.3mmとなり、真空断熱材の表面に小さい凹凸が多く見られた。
比較例3の真空断熱材の熱伝導率は0.88(mW/m・K)を表示した。なお、熱伝導率の測定については、実施形態1と同条件として行ったものである。
比較例3の真空断熱材は、実施形態1、2の真空断熱材50と比較し、図10に示すように、幅、長さの幅寸法誤差は同等であったものの、厚さ寸法誤差(±1.3mm)と表面平坦性で、実施形態1、2の真空断熱材50の厚さ寸法誤差(±0.5mm)と表面平坦性に劣ることが判明した。
さらに、比較例3の真空断熱材の熱伝導率は0.88(mW/m・K)であり、実施形態1、2の真空断熱材50の熱伝導率0.82〜0.84(mW/m・K)より高く、断熱性で実施形態1、2の真空断熱材50に劣っている。
(比較例4)
比較例4として、従来の製造方法で真空断熱材50を製作した。
比較例4の従来の製造方法については図5(b)を用いて説明する。
まず、芯材切断工程201において、芯材51の材料であり所定の目付量としたグラスウール51aを供給し、製作しようとしている真空断熱材50の芯材51の外形サイズに切断する。その後、芯材積層工程202において、真空断熱材50の必要厚さに応じてグラスウール51aを複数層に積層する。そして、芯材乾燥工程203において、積層した芯材51の水分を除去し、芯材51の持込み水分量を低減させる。ここまでの工程は、実施形態1、2と同様である。
その後、図示しない吸着剤投入工程により芯材51の内部に吸着剤54を投入し、その後、内袋包装工程204において、芯材51の厚さが20mm程度になるようにした状態で内袋52のフィルムを供給し、芯材51を覆って密封する。これにより、厚さ20〜30mm程度の芯材51が得られる。
この芯材51を、袋詰め工程205にて外被材53に挿入し、外被材53の内部を真空状態にするため真空チャンバを有する真空包装機内に投入する。このとき、真空包装機に投入する前に、外被材53や芯材51の内部の真空排気を効率よくする目的で、内袋52で圧縮状態にした芯材51を挿入した状態の外被材53を100℃程度に十分に温めてもよい。
そして、内袋開口工程206にて、図8(a)に示すように、芯材51の内部まで真空引きされるように内袋52の一端を開口させ、真空排気工程207にて真空チャンバ内を真空排気する。
所定の真空度に到達後に、真空包装工程208にて、外被材53の開口部を熱溶着して真空断熱材50が完成する。
これらの工程において、図5(a)と比較対照すると分るように、内袋包装工程204の芯材52に密度範囲を保持するような拘束はしていない。また、袋詰め工程205で外被材53に投入した芯材51は、真空包装機内に投入した後、特に密度範囲を保持するような拘束はしていない。加えて、実施形態1の図5(a)の第2の芯材切断工程105のような密度範囲を保持するような拘束した状態での芯材51の切断工程は行っていない。
比較例4の製造方法で、芯材51の外形寸法を幅500mm、長さ1500mm、厚さ15mmを目標に製作したところ、図10に示すように、幅寸法誤差(ズレ)は±3mm、長さ寸法誤差は±5mmと大きくばらついていた。厚さ寸法誤差については±1.2mmとなったが、真空断熱材50の表面に比較的凹凸が見られた。比較例4で得られた真空断熱材50の熱伝導率は0.84(mW/m・K)を表示した。なお、熱伝導率の測定は、実施形態1と同条件で行ったものである。
図10に示すように、比較例4の真空断熱材50は、幅・長さ・厚さ寸法誤差(ズレ)で実施形態1、2の真空断熱材50に大きく劣る。
また、比較例4の真空断熱材50は、表面平坦性で、 実施形態1、2の真空断熱材50に劣ることが判明した。
しかし、比較例4の真空断熱材50は、熱伝導率が0.84(mW/m・K)で実施形態1、2の真空断熱材50とほぼ同等であり、断熱性に関しては、実施形態1、2の真空断熱材50と同じ性能を示した。
(実施形態3)
実施形態1の真空断熱材50を冷蔵庫1の外箱21の側面内面に図示しないホットメルト接着剤を真空断熱材50の貼り付け面全面に塗布して貼り付けて冷蔵庫1を20台作製したところ、冷蔵庫1の外箱21の側面表面は平坦であり、凹凸による波打ち等の不良は発生しなかった。なお、真空断熱材50による波打ちが発生し易いように貼り付け時に通常よりも高い圧力で真空断熱材50を外箱21に対して押圧した。
実施形態3によれば、冷蔵庫1の断熱性能が確保できるとともに、冷蔵庫1の外面の平面平坦性が保時され、意匠性が良好な商品性が高い冷蔵庫1を実現できる。
(比較例5)
比較例4の真空断熱材50を冷蔵庫1の外箱21の側面内面に図示しないホットメルト接着剤を真空断熱材50の貼り付け面全面に塗布して貼り付けて実施形態3と同様に冷蔵庫を20台製作したところ、冷蔵庫1の外箱21の側面表面に小さな凹凸からなる波打ち模様が1台発生した。なお、実施形態3と同様に、真空断熱材50による波打ちが発生し易いように貼り付け時に通常よりも高い圧力で真空断熱材50を外箱21に対して押圧した。
したがって、比較例5の冷蔵庫1は、外面の平面平坦性が保証できず、意匠性の点で問題がある。
なお、前記実施形態では、内袋52に芯材51を収納後に密封したものを、外被材53に挿入する場合を例示したが、芯材51の成形体の形状が維持できれば、必ずしも内袋52に芯材51を収納後に密封することなく外被材53に挿入しても構わない。この場合、図5(a)の袋詰め工程107において、内袋52に収納した芯材51を密度範囲(B)の状態に保つことが望ましい。
1 冷蔵庫
50 真空断熱材
51 芯材
52 内袋
52b 切り欠き(易密封解除手段)
52b1 ノッチ(易密封解除手段)
52b2 Vカット(易密封解除手段)
52b3 穴加工や摩擦傷加工(易密封解除手段)
52c 溶着部(密封)
53 外被材(外袋)
54 吸着剤
104 芯材圧縮工程(圧縮工程)
104a、104b 圧縮装置
105 第2の芯材切断工程(切断工程)
106 内袋包装工程
106c、106d 熱溶着装置
107 袋詰め工程
108 内袋開口工程(密封解除工程)
108a、108b 押え板
109 真空排気工程
110 真空包装工程
A 密度範囲(第1密度範囲)
B 密度範囲(第2密度範囲)

Claims (14)

  1. 繊維材料を厚さ方向に結合剤を用いることなく積層した繊維集合体を単層或いは複数層に重ね合わられてなる芯材と、前記芯材の水分およびガス成分を吸着する吸着剤と、前記芯材と前記吸着剤とを収納する内袋と、該内袋を内部に収納する外袋とを備える真空断熱材の製造方法であって、
    前記芯材を所定の第1密度範囲になるように圧縮する圧縮工程と、
    前記第1密度範囲よりも低い第2密度範囲に保持した状態で前記芯材を所定の外形寸法に切断する切断工程と、
    前記切断工程における前記第2密度範囲を保持したまま前記芯材を前記内袋で密封する内袋包装工程と、
    前記外袋に前記内袋で密封した芯材を挿入する袋詰め工程と、
    前記内袋の密封が解除された前記芯材を前記第2密度範囲に保持した状態で真空排気して前記外袋で封止する真空包装工程とを
    含んで成る真空断熱材の製造方法。
  2. 前記内袋は、前記密封をなす溶着部の一部に、前記密封を解除し易い易密封解除手段が設けられ、
    前記袋詰め工程と真空包装工程との間に、前記内袋の密封を解除する密封解除工程を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材の製造方法。
  3. 前記易密封解除手段は、切り欠きまたは細孔または摩擦傷である
    ことを特徴とする請求項2に記載の真空断熱材の製造方法。
  4. 前記内袋は、前記密封を解除する際に前記真空排気する方向の引張りに対して切れ易い易開封性素材を用いた
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載の真空断熱材の製造方法。
  5. 繊維材料を厚さ方向に結合剤を用いることなく積層した繊維集合体を単層或いは複数層に重ね合わられてなる芯材と、前記芯材の水分およびガス成分を吸着する吸着剤と、前記芯材と前記吸着剤とを収納する内袋と、該内袋を内部に収納する外袋とを備える真空断熱材の製造方法であって、
    前記芯材は、非加熱状態で所定の第1密度範囲になるように圧縮され、
    前記第1密度範囲よりも低い第2密度範囲に保持された状態で、前記芯材が所定の外形寸法に切断され、
    前記切断した芯材を前記内袋内に収納したものが、前記外袋内に挿入されるとともに、前記第2密度範囲に保持された状態で真空排気され、前記外袋により封止される
    ことを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  6. 前記第1密度範囲は280〜370kg/mであり、前記第2密度範囲は140〜260kg/mである
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか一項に記載の真空断熱材の製造方法。
  7. 繊維材料を厚さ方向に結合剤を用いることなく積層した繊維集合体を単層或いは複数層に重ね合わられてなる芯材と、前記芯材の水分およびガス成分を吸着する吸着剤と、前記芯材と前記吸着剤とを収納する内袋と、該内袋を内部に収納する外袋とを備える真空断熱材であって、
    前記芯材を一時的に所定の第1密度範囲になるように非加熱状態で圧縮し、前記第1密度範囲よりも低い第2密度範囲に保持した状態で所定の外形寸法に切断し、その切断時の前記第2密度範囲を保持しながら前記芯材を前記内袋で密封したものを、前記外袋に挿入して前記第2密度範囲を保持したまま前記内袋の密封を解除するとともに、真空排気して前記外袋で封止した
    ことを特徴とする真空断熱材。
  8. 前記内袋の前記密封をなす溶着部の一部に、前記密封を解除する際に切断し易いような易密封解除手段を設けた
    ことを特徴とする請求項7に記載の真空断熱材。
  9. 前記易密封解除手段は、切り欠きまたは細孔または摩擦傷である
    ことを特徴とする請求項8に記載の真空断熱材。
  10. 前記内袋は、前記真空排気方向の引張りに対して切れ易い易開封性素材でなる
    ことを特徴とする請求項7から請求項9のうちの何れか一項に記載の真空断熱材。
  11. 繊維材料を厚さ方向に結合剤を用いることなく積層した繊維集合体を単層或いは複数層に重ね合わられる芯材と、前記芯材の水分およびガス成分を吸着する吸着剤と、前記芯材と前記吸着剤とを収納する内袋と、該内袋を内部に収納する外袋とを備える真空断熱材であって、
    前記芯材は、非加熱状態であり、
    所定の第1密度範囲に圧縮された後、前記第1密度範囲よりも低い第2密度範囲に保持した状態で所定の外形寸法に切断され、
    前記芯材が前記内袋内に収納されたものが、前記外袋に挿入されて、前記第2密度範囲に保持した状態で真空排気され、前記外袋によって封止される
    ことを特徴とする真空断熱材。
  12. 前記第1密度範囲が280〜370kg/mであり、第2密度範囲が140〜260kg/mである
    ことを請求項7から請求項11のうちの何れか一項に記載の真空断熱材。
  13. 繊維材料を厚さ方向に結合剤を用いることなく積層した繊維集合体を単層或いは複数層に重ね合わられる芯材と、前記芯材の水分およびガス成分を吸着する吸着剤と、前記芯材と前記吸着剤とを収納する内袋と、該内袋を内部に収納する外袋とを備える真空断熱材であって、
    前記芯材は、
    非加熱状態であり、
    前記内袋内における密度範囲が140〜260kg/mの状態で真空排気され、前記外袋によって封止される
    ことを特徴とする真空断熱材。
  14. 請求項7から請求項13のうちの何れか一項に記載の真空断熱材を備えた冷蔵庫。
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