JP2012224334A - 車両用シートベルト装置 - Google Patents
車両用シートベルト装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012224334A JP2012224334A JP2012156301A JP2012156301A JP2012224334A JP 2012224334 A JP2012224334 A JP 2012224334A JP 2012156301 A JP2012156301 A JP 2012156301A JP 2012156301 A JP2012156301 A JP 2012156301A JP 2012224334 A JP2012224334 A JP 2012224334A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- belt
- occupant
- motor
- winding
- physique
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000004804 winding Methods 0.000 claims abstract description 143
- 238000001514 detection method Methods 0.000 claims abstract description 51
- 230000000452 restraining effect Effects 0.000 claims description 2
- 238000000034 method Methods 0.000 abstract description 45
- 230000008569 process Effects 0.000 description 40
- 230000008859 change Effects 0.000 description 26
- 230000004913 activation Effects 0.000 description 9
- 238000012544 monitoring process Methods 0.000 description 6
- 238000006467 substitution reaction Methods 0.000 description 3
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 206010000117 Abnormal behaviour Diseases 0.000 description 1
- 125000002066 L-histidyl group Chemical group [H]N1C([H])=NC(C([H])([H])[C@](C(=O)[*])([H])N([H])[H])=C1[H] 0.000 description 1
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 230000003111 delayed effect Effects 0.000 description 1
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 1
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 1
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Automotive Seat Belt Assembly (AREA)
Abstract
【課題】多種多様な体格の乗員が、より快適にシートベルト制御装置を使用することができる、技術を提供する。
【解決手段】制御部81は、ベルト41を巻き取るようにモータ43を制御しているときに、ベルト41の引掛り状態が発生したことを判断する構成であって、引掛り状態が発生したと判断した場合には、モータ43によるベルトの巻き取り駆動を一時停止させるとともに、停止してから、乗員検知部59により検知された体格の情報が小さいほど長く設定されている基準停止時間を経過した後に、巻き取り駆動を再試行するようにモータを制御する。
【選択図】図3
【解決手段】制御部81は、ベルト41を巻き取るようにモータ43を制御しているときに、ベルト41の引掛り状態が発生したことを判断する構成であって、引掛り状態が発生したと判断した場合には、モータ43によるベルトの巻き取り駆動を一時停止させるとともに、停止してから、乗員検知部59により検知された体格の情報が小さいほど長く設定されている基準停止時間を経過した後に、巻き取り駆動を再試行するようにモータを制御する。
【選択図】図3
Description
本発明は車両用シートベルト装置の改良技術に関する。
車両のシートに座った乗員を保護する目的で装備された車両用シートベルト装置について、近年、緊急時や走行状態の不安定時(挙動の異常時)に、シートベルトによる乗員の拘束を行うことにより、乗員の着座姿勢の変化を抑制する技術が実用化されている。このような車両用シートベルト装置としては、例えば下記の特許文献1に記載された技術が知られている。
この特許文献1で知られているシートベルト制御装置は、モータによるシートベルトの巻き取り駆動を、2回行うというものである。つまり、バックルからタングプレートが外れたときに、1回目のベルト巻き取り駆動を実行し、その後に、(1)車内に乗員がいなくなったとき、(2)ドアが開いたとき、(3)エンジンキースイッチがオフになったとき、または(4)エンジンキーが抜かれときに、2回目のベルト巻き取り駆動を実行する。
ところで、シートベルト制御装置を用いる乗員の体格は、千差万別である。例えば大柄な人や小柄な人がおり、大人や子供もいる。これに対し、特許文献1で知られているシートベルト制御装置は、乗員に対するベルトの装着が解除されたときに、常に同じ制御モードによってシートベルトを巻き取るだけである。多種多様な体格の乗員が、シートベルト制御装置を違和感なく、より快適に利用するには、更なる改良の余地がある。
本発明は、多種多様な体格の乗員が、より快適にシートベルト制御装置を使用することができる、技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明では、乗員を拘束するためのベルトを巻回するベルトリールと、このベルトリールを駆動するモータと、このモータを制御する制御部とを備え、前記乗員に対する前記ベルトの装着が解除されたときに、前記ベルトリールによって前記ベルトを収納位置まで巻き取るように、前記制御部によって前記モータを制御する、車両用シートベルト装置において、前記ベルトを着用する乗員の体格を検知する乗員検知部を備え、前記制御部は、前記ベルトを巻き取るように前記モータを制御しているときに、前記ベルトの引掛り状態が発生したことを判断する構成であって、前記引掛り状態が発生したと判断した場合には、前記モータによる前記ベルトの巻き取り駆動を一時停止させるとともに、停止してから、前記乗員検知部により検知された体格の情報が小さいほど長く設定されている基準停止時間を経過した後に、前記巻き取り駆動を再試行するように前記モータを制御する構成であることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、請求項1において、前記ベルトリールによる前記ベルトの巻き取り位置を検知するベルト巻取り位置検知部と、前記ベルトリールをベルト巻き取り方向に付勢する付勢部材とを、更に備え、前記制御部は、前記体格の情報が、第1基準値と、前記第1基準値より小さい第2基準値とにより検知され、前記第2基準値より小さい、小さい体格の乗員であると判断した場合、前記乗員に対する前記ベルトの装着が解除された後、前記付勢部材の付勢力により前記ベルトリールが前記ベルトを所定の位置まで巻き取ったと判断するまで、前記モータによる巻き取り駆動を阻止するように制御する構成であることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、請求項2において、前記制御部は、前記巻き取り駆動の一時停止と、前記基準停止時間を経過した後における前記巻き取り駆動の再試行とを、前記体格の情報に基づいて、所定の基準再試行回数だけ実行するように前記モータを制御する構成であることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、ベルトを着用する乗員の体格(大きい体格の乗員(大人)、中くらいの体格の乗員(児童)、小さい体格の乗員(乳幼児))を乗員検知部によって検知し、当該検知された体格の情報に基づいて、ベルトを巻き取るようにモータを制御する。このため、乗員の体格に応じて、より適切なベルトの巻き取り収納を行うことができる。例えば、体格に応じてベルト巻き取り速度を変更することができる。従って、多種多様な体格の乗員が、より快適にシートベルト装置を使用することができる。
なお、制御部によって判断される乗員の体格は、乗員検知部で検知された体重が第1基準値(例えば、20kg)よりも重い場合に大きいと判断し、第2基準値(例えば、10kg)よりも軽い場合に小さいと判断し、第1基準値から第2基準値までの範囲の場合には中くらいであると判断する。ここで、第1基準値と第2基準値は、予め設定されている一定の大きさの値である。
なお、制御部によって判断される乗員の体格は、乗員検知部で検知された体重が第1基準値(例えば、20kg)よりも重い場合に大きいと判断し、第2基準値(例えば、10kg)よりも軽い場合に小さいと判断し、第1基準値から第2基準値までの範囲の場合には中くらいであると判断する。ここで、第1基準値と第2基準値は、予め設定されている一定の大きさの値である。
請求項1に係る発明では、モータによってベルトを巻き取っているときに、制御部は、引掛り判断基準値に基づいてベルトの引掛り状態が発生したか否かを判断する。例えば、乗員がベルトの装着状態を解除することによって、ベルトはモータによって巻き取られ始める。ところが、ベルトが巻き取られているときに、乗員はベルトを再び装着したい場合がある。この場合には、巻き取り途中のベルトを乗員が引出し操作をするので、その操作力がベルトに加わる。このとき、制御部はベルトの引掛り状態が発生したと判断し、モータによるベルトの巻き取り駆動を一時停止するとともに、停止してから所定の基準停止時間を経過した後に、モータによる巻き取り駆動を再試行する。
一般に、モータによるベルトの巻き取り駆動を一時停止したと認識した乗員が、意識的に再装着の操作を行うまでの時間は、例えば、大人と児童の違いによって異なり得る。大人に比べて、児童は再装着の操作を行うまでの時間が、長くなる傾向があると予想され得る。このため、モータによるベルトの巻き取り駆動を一時停止してから、巻き取り駆動を再試行するまでの時間(停止時間)は、乗員の体格に応じて異なることが好ましい。
これに対して、請求項1に係る発明では、一時停止から再試行までの基準停止時間を、複数の制御モード毎に、それぞれ予め設定している。例えば、大人(大きい体格の乗員)がシートベルト装置を使用する場合には、基準停止時間を短く設定する。一方、児童(中くらいの体格の乗員)がシートベルト装置を使用する場合には、基準停止時間を長く設定する。このため、乗員がベルトを再び装着することを、より一層容易にすることができる。
一般に、モータによるベルトの巻き取り駆動を一時停止したと認識した乗員が、意識的に再装着の操作を行うまでの時間は、例えば、大人と児童の違いによって異なり得る。大人に比べて、児童は再装着の操作を行うまでの時間が、長くなる傾向があると予想され得る。このため、モータによるベルトの巻き取り駆動を一時停止してから、巻き取り駆動を再試行するまでの時間(停止時間)は、乗員の体格に応じて異なることが好ましい。
これに対して、請求項1に係る発明では、一時停止から再試行までの基準停止時間を、複数の制御モード毎に、それぞれ予め設定している。例えば、大人(大きい体格の乗員)がシートベルト装置を使用する場合には、基準停止時間を短く設定する。一方、児童(中くらいの体格の乗員)がシートベルト装置を使用する場合には、基準停止時間を長く設定する。このため、乗員がベルトを再び装着することを、より一層容易にすることができる。
請求項2係る発明では、乗員の体格が、予め設定されている特定の体格の分類に該当した場合には、ベルトの装着が解除された後に、付勢部材の付勢力によってベルトリールがベルトを所定の巻き取り位置に巻き取るまで、モータによる巻き取り駆動を阻止する。
一般に、例えば、乳幼児(小さい体格の乗員)である場合には、乗員が自らベルトを再び装着する可能性は低い。このことは、例えばシートに載せられているチャイルドシートなど、乳幼児に相当する大きさの物体も同様である。
これに対して、請求項2に係る発明では、付勢部材の付勢力によってベルトリールがベルトを所定の巻き取り位置に巻き取るまで、モータによる巻き取り駆動を阻止する。このため、乗員自らベルトを再び装着する可能性が低い場合に、巻き取り駆動を再試行するときに発生する駆動音を、抑制することができる。
一般に、例えば、乳幼児(小さい体格の乗員)である場合には、乗員が自らベルトを再び装着する可能性は低い。このことは、例えばシートに載せられているチャイルドシートなど、乳幼児に相当する大きさの物体も同様である。
これに対して、請求項2に係る発明では、付勢部材の付勢力によってベルトリールがベルトを所定の巻き取り位置に巻き取るまで、モータによる巻き取り駆動を阻止する。このため、乗員自らベルトを再び装着する可能性が低い場合に、巻き取り駆動を再試行するときに発生する駆動音を、抑制することができる。
請求項3に係る発明では、所定の基準再試行回数だけ、巻き取り駆動を再試行する。
一般に、モータによるベルトの巻き取り駆動を一時停止したと認識した乗員が、意識的に再装着の操作を行う再試行回数は、例えば、大人と児童の違いによって異なり得る。大人に比べて、児童は再試行を多く行う傾向があると予想され得る。このため、再試行回数は、乗員の体格に応じて異なることが好ましい。
これに対して、請求項3に係る発明では、基準再試行回数を、複数の制御モード毎に、それぞれ予め設定している。例えば、大人(大きい体格の乗員)がシートベルト装置を使用する場合には、基準再試行回数を少なく設定する。一方、児童(中くらいの体格の乗員)がシートベルト装置を使用する場合には、基準再試行回数を多く設定する。このようにすると、大人(大きい体格の乗員)がシートベルト装置を使用する場合には、再試行をする回数が少ないので、巻き取り駆動を再試行するときに発生する駆動音を、抑制することができる。一方、児童(中くらいの体格の乗員)がシートベルト装置を使用する場合には、再試行を多く繰り返して、より円滑にベルトを全収納することができる。このため、引掛り状態が発生したときに、ベルトが巻き取られずに放置される心配がない。
一般に、モータによるベルトの巻き取り駆動を一時停止したと認識した乗員が、意識的に再装着の操作を行う再試行回数は、例えば、大人と児童の違いによって異なり得る。大人に比べて、児童は再試行を多く行う傾向があると予想され得る。このため、再試行回数は、乗員の体格に応じて異なることが好ましい。
これに対して、請求項3に係る発明では、基準再試行回数を、複数の制御モード毎に、それぞれ予め設定している。例えば、大人(大きい体格の乗員)がシートベルト装置を使用する場合には、基準再試行回数を少なく設定する。一方、児童(中くらいの体格の乗員)がシートベルト装置を使用する場合には、基準再試行回数を多く設定する。このようにすると、大人(大きい体格の乗員)がシートベルト装置を使用する場合には、再試行をする回数が少ないので、巻き取り駆動を再試行するときに発生する駆動音を、抑制することができる。一方、児童(中くらいの体格の乗員)がシートベルト装置を使用する場合には、再試行を多く繰り返して、より円滑にベルトを全収納することができる。このため、引掛り状態が発生したときに、ベルトが巻き取られずに放置される心配がない。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、車両10に備えたシート20とシートベルト装置30を側方から見た状態で表している。図2は、車室11に設置されたシート20とシートベルト装置30を、正面から見た状態で表している。図1及び図2に示されたシート20は、運転者Mn(乗員Mn)が座る運転席として例示されている。また、シートベルト装置30は、運転者Mnのための装置を例示している。
シート20は、シートクッション21とシートバック22とヘッドレスト23とからなる。車両用シートベルト装置30は、シート20に着座した乗員Mnをベルト31(シートベルト、ウェビングとも言う。)によって拘束するものであり、リトラクタ41(ベルト巻取り器41)を備えている。シートベルト装置30によれば、乗員Mnの一方の肩部と腰部を同時に拘束するベルト31を、リトラクタ41によって巻き取ることができる。
このシートベルト装置30は、ベルト31をアッパアンカ32とセンタアンカ33とロアアンカ34の、3つのアンカによって支持する3点支持式の構成である。アッパアンカ32は、車体12の側部において、上部に設けられている。センタアンカ33は、シート20に対し、アッパアンカ32とは反対側の下部に設けられている。ロアアンカ34は、アッパアンカ32側の下部に設けられている。
ベルト31は、乗員Mnの一方の肩部を拘束するショルダベルト31aと、乗員Mnの腰部を拘束するラップベルト31bとからなる。ショルダベルト31aとラップベルト31bとの間(ベルト31の折返し部)には、タング35が取り付けられている。このタング35は、センタアンカ33に固定されたバックル36に対して、取外し可能にワンタッチで装着される構成である。
バックル36は、バックルスイッチ37を内蔵している。このバックルスイッチ37は、バックル36にタング35が装着されているときにオフ作動し、バックル36からタング35が解除されたときに、オフ状態からオン状態に反転する構成である。つまり、バックルスイッチ37は、ベルト31が装着状態のときにオフ(off)信号を発し、ベルト31が非装着状態(外れた状態)のときに、オン(on)信号を発する。このようなバックルスイッチ37は、ベルト31の装着状態を検知するベルト装着状態検知部に相当する。
図2に示すように、リトラクタ41は、ベルト31を巻回するベルトリール42と、このベルトリール42を回転駆動する電動モータ43(以下、単に「モータ43」と言う)とからなる。つまり、リトラクタ41は、車両10の運転状態に応じて(車両10の緊急時を含む)、モータ43によりベルトリール42を回転駆動することによって、ベルト31の緩み部分を迅速に巻き取る機構、いわゆる電動式プリテンショナを有している。
ベルトリール42は、ハウジング44内に回転可能に収納されているとともに、ショルダベルト31aの一端部を結合したものである。さらに、このベルトリール42は、ショルダベルト31aを巻き取る方向に、リターンスプリング45によって付勢されている。このため、ベルトリール42は、ベルト31を巻き取り可能である。ベルト31は、通常状態において、リターンスプリング45の付勢力に抗して、ベルトリール42から引き出し可能である。
図3はシートベルト装置30の制御回路を示している。シートベルト装置30の制御回路は、上記バックルスイッチ37とイグニションスイッチ51とドア開閉状態検知部52と走行状態検知部53とベルト巻取り位置検知部54と乗員検知部59と制御部81とドライバ回路82と上記モータ43とからなる。
イグニションスイッチ51は、図示せぬ走行用動力源(エンジンやモータ)を始動するための周知のメインスイッチである。
ドア開閉状態検知部52は、図1に示すドア13が閉じていることを検知したときにオフ(off)信号を発するとともに、ドア13が開いていることを検知したときにオン(on)信号を発するものであり、例えばドアスイッチから成る。以下、ドア開閉状態検知部52のことを適宜「ドアスイッチ52」と言い換える。
走行状態検知部53は、図1に示す車両10の走行状態(走行、停止)を検知するものであり、例えば車速を検知する車速センサから成る。以下、走行状態検知部53のことを適宜「車速センサ53」と言い換える。
ドア開閉状態検知部52は、図1に示すドア13が閉じていることを検知したときにオフ(off)信号を発するとともに、ドア13が開いていることを検知したときにオン(on)信号を発するものであり、例えばドアスイッチから成る。以下、ドア開閉状態検知部52のことを適宜「ドアスイッチ52」と言い換える。
走行状態検知部53は、図1に示す車両10の走行状態(走行、停止)を検知するものであり、例えば車速を検知する車速センサから成る。以下、走行状態検知部53のことを適宜「車速センサ53」と言い換える。
ベルト巻取り位置検知部54は、ベルトリール42によるベルト31の巻き取り位置を検知するものである。このベルト巻取り位置検知部54は、回転センサ55と回転方向判断部56と回転角判断部57と回転角変化判断部58とからなる。
回転センサ55は、ベルトリール42の回転を検知するものであり、例えば、ベルトリール42の軸に連結された磁気ディスクと、磁気ディスクの周囲に配置された2個のホールICとの、組み合わせからなる、周知の磁気センサによって構成される。磁気ディスクは、ベルトリール42と連動して回転する。2個のホールICから発せられた各々のパルス信号は、互いに所定の位相差を有する。このため、各々のパルス信号に基づいてベルトリール42の回転方向を検出することができる。
回転方向判断部56は、回転センサ55が発した各パルス信号に基づいて、ベルトリール42の回転方向を判断し、回転方向信号を発する。回転センサ55と回転方向判断部56の組み合わせ構造は、回転方向検知部を構成する。
回転角判断部57は、回転センサ55が発した各パルス信号に基づいて、ベルトリール42の回転角を判断し、回転角信号(回転位置信号)を発する。回転センサ55と回転角判断部57の組み合わせ構造は、回転角検知部を構成する。
回転角変化判断部58は、回転角判断部57が発した回転角信号の変化状態を判断することによって、ベルトリール42の回転角の変化を判断し、この回転角の変化に係る信号、つまり、回転角変化信号(回転速度信号)を発するものである。単位時間当たりの回転角の変化を求めることにより、ベルトリール42の回転速度に係る信号を得ることが可能となる。回転センサ55と回転角判断部57と回転角変化判断部58の組み合わせ構造は、回転角変化検知部を構成する。
これらの回転方向判断部56、回転角判断部57及び回転角変化判断部58から出力された各信号は、ベルトリール42によるベルト31(図1参照)の巻取り位置の検知情報として用いられる。
乗員検知部59は、図1に示すベルト31を着用する乗員Mnの体格を検知して検知情報を発するものであり、例えば、シート20に着座した状態における乗員Mnの体格を検知する。この乗員検知部59は、例えば、乗員Mnの体重を計測する荷重センサによって構成される。荷重センサはシートクッション21(図1参照)に設けられる。このような荷重センサによれば、乗員Mnの体重を計測することによって、乗員Mnの体格を検知することができる。
制御部81は、バックルスイッチ37とイグニションスイッチ51とドア開閉状態検知部52(ドアスイッチ52)と走行状態検知部53(車速センサ53)とベルト巻取り位置検知部54と乗員検知部59とから受けた信号に基づき、ドライバ回路82を介してモータ43を制御するものであり、例えばマイクロコンピュータからなる。
ドライバ回路82は、制御部81の制御信号に応じて、モータ43に供給される駆動電流を制御する、モータ駆動制御部である。
ドライバ回路82は、制御部81の制御信号に応じて、モータ43に供給される駆動電流を制御する、モータ駆動制御部である。
次に、制御部81(図3参照)をマイクロコンピュータとした場合の制御フローについて、図1〜図3を参照しつつ、図4〜図10に基づき説明する。
図4は、制御部81(図3参照)によって実行されるベルト収納制御の一例を示す制御フローチャート(メインルーチン)を示している。制御部81は、先ず、ベルト収納制御システムが起動したか否かを判断する(ステップS01)。この判断は、バックルスイッチ37の検知信号に基づく。バックル36にタング35が装着されていることによって、バックルスイッチ37のスイッチ信号がオフ(off)であるときには、ベルト収納制御システムは起動しない、いわゆるスリープ状態にある。
その後、バックル36からタング35が解除されることによって、バックルスイッチ37のスイッチ信号はオフ(off)からオン(on)に反転する。この反転した信号を受けた制御部81は、ステップS01において、ベルト収納制御システムが起動した(つまり、制御部81が起動した)と判断して、次のステップS02に進む。ステップS02においては初期設定をする。例えば、スイッチ故障フラグFcを”0”にセットし(Fc=0)、ドア開制御フラグFdを”0”にセットする(Fd=0)。スイッチ故障フラグFcは、ドアスイッチ52に故障が発生したか否かを判断するためのフラグである。
次に、ステップS03において、乗員の体格判断処理を実行する。この処理については、後述するサブルーチン(図5参照)によって実行される。次に、ステップS04において、ベルト状態監視制御を実行する。この制御については、後述するサブルーチン(図7参照)によって実行される。
次に、ステップS05において、イグニションスイッチ51がオフ(off)であるか否かを判断する。イグニションスイッチ51がオン(on)状態を維持している間は、ステップS04におけるベルト状態監視制御を続ける。その後、イグニションスイッチ51がオフに切り替わったと判断したときには、次のステップS06に進む。
ステップS06においては、予め設定されている一定時間(経過時間)が経過したか否かを判断する。つまり、イグニションスイッチ51がオフ(off)に切り替わったときに(ステップS05)、このオフ状態が一定の経過時間にわたって持続している間(ステップS06)は、ステップS04におけるベルト状態監視制御を続け、一定の経過時間が経過した後には、ステップS04におけるベルト状態監視制御を終了する。その後、バックル36からタング35が解除されることによって、バックルスイッチ37がオフ(off)からオン(on)に反転するまで、ベルト収納制御システムはスリープ状態に入る。このように、ステップS04は、イグニションスイッチ51がオン(on)状態の間、常時実行される。
ところで、上記経過時間を設定していない場合には、イグニションスイッチ51を、オフ操作した直後に再びオン操作した場合に、ベルト収納制御システムは停止、起動を短時間に繰り返すことになる。これでは、乗員Mnが煩わしさを感じる。このような煩わしさを防ぐために、ステップS06において経過時間を設定した。
図5は、図4に示されたステップS03、つまり、乗員の体格判断処理を実行するための、サブルーチンを示している。
図5に示すサブルーチンにおいては、先ず、ステップS11において、乗員検知部59により検知された体格の情報に基づき、乗員Mnの体格を判断する。つまり、乗員Mnの体格が「大きいか」、「中くらいであるか」、又は「小さいか」を特定する。例えば、大きい体格の乗員は大人、中くらいの体格の乗員は児童、小さい体格の乗員は乳幼児であると、判断することができる。
図5に示すサブルーチンにおいては、先ず、ステップS11において、乗員検知部59により検知された体格の情報に基づき、乗員Mnの体格を判断する。つまり、乗員Mnの体格が「大きいか」、「中くらいであるか」、又は「小さいか」を特定する。例えば、大きい体格の乗員は大人、中くらいの体格の乗員は児童、小さい体格の乗員は乳幼児であると、判断することができる。
一例を挙げると、乗員検知部59によって乗員Mnの体重を検知した場合には、検知された体重が第1基準値(例えば20kg)よりも重い場合に体格が大きいと判断し、体重が第2基準値(例えば10kg)よりも軽い場合に体格が小さいと判断し、体重が第1基準値から第2基準値までの範囲内の場合には体格が中くらいであると判断する。なお、第1・第2基準値は、予め設定されている一定の大きさの値である。
ステップS11において、大きい体格の乗員Mnであると判断した場合には第1制御モード91に進み、中くらいの体格の乗員Mnであると判断した場合には第2制御モード92に進み、小さい体格の乗員Mnである(「特定の体格の分類」に該当する)と判断した場合には第3制御モード93に進む。これらの第1、第2及び第3制御モード91〜93は、ベルト31を巻き取るようにモータ43を制御するときに基準となるように、予め設定され、メモリに記憶されている。
第1制御モード91は、ステップS12〜S16の集合からなる。第2制御モード92は、ステップS17〜S21の集合からなる。第3制御モード93は、ステップS22〜S26の集合からなる。
より具体的に説明すると、ステップS11において、大きい体格の乗員Mnであると判断した場合には、乗員体格フラグFe=0にセットし(ステップS12)、巻取り速度閾値の代入値Vs1=Vsa、Vs2=Vsbにセットし(ステップS13)、第1目標巻取り速度マップを選択し(ステップS14)、基準再試行回数Cn=N1にセットし(ステップS15)、基準停止時間td=td1にセットする(ステップS16)、その後、この図5に示すサブルーチンを終了して、図4に示すメインルーチンのステップS03に戻る。第1目標巻取り速度マップは、後述する図6(a)によって表される。
ステップS11において、中くらいの体格の乗員Mnであると判断した場合には、乗員体格フラグFe=0にセットし(ステップS17)、巻取り速度閾値の代入値Vs1=Vsc、Vs2=Vscにセットし(ステップS18)、第2目標巻取り速度マップを選択し(ステップS19)、基準再試行回数Cn=N2にセットし(ステップS20)、基準停止時間td=td2にセットする(ステップS21)、その後、この図5に示すサブルーチンを終了して、図4に示すメインルーチンのステップS03に戻る。第2目標巻取り速度マップは、後述する図6(b)によって表される。
ステップS11において、小さい体格の乗員Mnであると判断した場合には、乗員体格フラグFe=1にセットし(ステップS22)、巻取り速度閾値の代入値Vs1=Vsd、Vs2=Vsdにセットし(ステップS23)、第3目標巻取り速度マップを選択し(ステップS24)、基準再試行回数Cn=N3にセットし(ステップS25)、基準停止時間td=td3にセットする(ステップS26)、その後、この図5に示すサブルーチンを終了して、図4に示すメインルーチンのステップS03に戻る。第3目標巻取り速度マップは、後述する図6(c)によって表される。
ここで、巻取り速度閾値の代入値Vs1の値Vsa〜Vsdは、予め設定されている一定値であって、大きさが「Vsa>Vsb>Vsc>Vsd」の関係にある。
基準再試行回数Cnは、モータ43によるベルト31の巻き取り駆動を再試行することが可能な回数のことである。この基準再試行回数Cnの値N1〜N3は、予め設定されている一定値であって、大きさが「N1<N2<N3」の関係にある。例えば、N1=1、N2=2、N3=3に設定される。
基準停止時間tdの値=td1〜td3は、予め設定されている一定値であって、大きさが「td1<td2<td3」の関係にある。
基準再試行回数Cnは、モータ43によるベルト31の巻き取り駆動を再試行することが可能な回数のことである。この基準再試行回数Cnの値N1〜N3は、予め設定されている一定値であって、大きさが「N1<N2<N3」の関係にある。例えば、N1=1、N2=2、N3=3に設定される。
基準停止時間tdの値=td1〜td3は、予め設定されている一定値であって、大きさが「td1<td2<td3」の関係にある。
図6(a)〜(c)は、図5に示されたサブルーチンにおいて選択される、目標巻取り速度マップの概念を示すものであって、横軸を時間tcとし縦軸をベルト31の目標巻取り速度Vtcの値として、時間tcの経過に伴って目標巻取り速度Vtcの値を変化させるマップの一例を示している。目標巻取り速度Vtcとは、図3に示すベルトリール42によってベルト31を巻き取る、目標の速度のことである。
図6(a)は、図5に示されたステップS14において選択される、第1目標巻取り速度マップを示している。第1目標巻取り速度マップは、破線によって表されたドア閉止時のマップQ1、一点鎖線によって表されたドア開放時のマップQ2、及び、実線によって表されたドアスイッチ故障時のマップQ3という、3つのマップの集合からなる。
より具体的に説明すると、ドア閉止時のマップQ1は、速度Vtc1を設定するのに用いられる(この場合には「Vtc=Vtc1」の関係である。)。
ドア開放時のマップQ2は、速度Vtc2を設定するのに用いられる(この場合には「Vtc=Vtc2」の関係である。)。
ドアスイッチ故障時のマップQ3は、速度Vtcmを設定するのに用いられる(この場合には「Vtc=Vtcm」の関係である。)。
ドア開放時のマップQ2は、速度Vtc2を設定するのに用いられる(この場合には「Vtc=Vtc2」の関係である。)。
ドアスイッチ故障時のマップQ3は、速度Vtcmを設定するのに用いられる(この場合には「Vtc=Vtcm」の関係である。)。
各マップQ1〜Q3は、時間tcが経過するにつれて各速度Vtc1,Vtc2,Vtcmを段階的に低減させた特性を有している。例えば、0〜tc1の時間帯、tc1〜tc3の時間帯、tc3〜tc4の時間帯で、各速度Vtc1,Vtc2,Vtcmの値が段階的に低減する。この場合、0からtc4までの時間において、どの時間帯においても、ドア開放時のマップQ2、ドアスイッチ故障時のマップQ3、ドア閉止時のマップQ1の順に、設定値が低くなるように特性が設定される。例えば、0〜tc1の時間帯においては、ドア閉止時のマップQ1により設定される速度Vtc1は値Vt3であり、ドア開放時のマップQ2により設定される速度Vtc2は値Vt5であり、ドアスイッチ故障時のマップQ3により設定される速度Vtcmは値Vt4である。ここで、各値の大きさは「Vt3<Vt4<Vt5」の関係にある。このため、各速度の大きさは「Vtc1<Vtcm<Vtc2」の関係にある。
図6(b)は、図5に示されたステップS19において選択される、第2目標巻取り速度マップを示している。上記第1目標巻取り速度マップに対して、第2目標巻取り速度マップは、ドア閉止時、ドア開放時、及びドアスイッチ故障時のいずれにおいても、同一の特性を有する。つまり、速度の大きさは「Vtc=Vtc1=Vtc2=Vtcm」の関係にある。例えば、0〜tc3の時間帯における速度Vtc(=Vtc1,Vtc2,Vtcm)は値Vt2であり、値Vt3よりも小さい。その後のtc3〜tc4の時間帯における速度Vtc(=Vtc1,Vtc2,Vtcm)は値Vt2よりも若干小さい。時間tc4を経過した後における速度Vtc(=Vtc1,Vtc2,Vtcm)は0である。
図6(c)は、図5に示されたステップS24において選択される、第3目標巻取り速度マップを示している。上記第1目標巻取り速度マップに対して、第3目標巻取り速度マップは、ドア閉止時、ドア開放時、及びドアスイッチ故障時のいずれにおいても、同一の特性を有する。つまり、速度の大きさは「Vtc=Vtc1=Vtc2=Vtcm」の関係にある。例えば、0〜tc2の時間帯における速度Vtc(=Vtc1,Vtc2,Vtcm)は0である。その後のtc2〜tc4の時間帯における速度Vtc(=Vtc1,Vtc2,Vtcm)は値Vt1であり、値Vt2よりも小さい。時間tc4を経過した後における速度Vtc(=Vtc1,Vtc2,Vtcm)は0である。
図7は、図4に示されたステップS04、つまり、ベルト状態監視制御を実行するための、サブルーチンを示している。
図7に示すサブルーチンにおいては、先ず、ステップS101において、バックル36からタング35が解除された状態、つまり、バックルスイッチ37のスイッチ信号がオン(on)状態であるか否かを判断する。ステップS101において、バックル36からタング35が解除された状態であると判断した場合には、次に、イグニションスイッチ51がオン(on)であるか否かを判断する(ステップS102)。
図7に示すサブルーチンにおいては、先ず、ステップS101において、バックル36からタング35が解除された状態、つまり、バックルスイッチ37のスイッチ信号がオン(on)状態であるか否かを判断する。ステップS101において、バックル36からタング35が解除された状態であると判断した場合には、次に、イグニションスイッチ51がオン(on)であるか否かを判断する(ステップS102)。
イグニションスイッチ51がオン(on)であると判断した場合には、次に、起動待機タイマの起動待機時間twaを”0”にリセットした上で、この起動待機タイマをスタートする(ステップS103)。次に、ステップS104及びS105に進む。
ステップS104においては、ベルトリール42から引き出されているベルト31の、実際の引出し量Xr(ベルト引出し量Xr)が、第1基準引出し量Xs1よりも大きいか(Xr>Xs1)否かを判断する。ベルト引出し量Xrは、実際の巻き取り位置に対応する。第1基準引出し量Xs1は、ベルト31がベルトリール42に完全に巻き取られていないことを判断するための、一定の基準値であり、予め設定されている。
ステップS105においては、カウントされた起動待機時間twaが、予め設定されている一定の基準起動待機時間twsを経過したか(twa≧tws)否かを判断する。
ステップS105においては、カウントされた起動待機時間twaが、予め設定されている一定の基準起動待機時間twsを経過したか(twa≧tws)否かを判断する。
そして、起動待機時間twaが基準起動待機時間twsを経過するまでにわたって(ステップS105)、ベルト引出し量Xrが第1基準引出し量Xs1よりも大きいという条件(ステップS104)を満足している場合には、ステップS106において収納実行フラグFaを1とする(Fa=1)。Fa=1であるから、ベルト31を巻き取る指示となる。
また、起動待機時間twaが基準起動待機時間twsを経過するまでの間に(ステップS105)、ベルト引出し量Xrが第1基準引出し量Xs1以下になった(ステップS104)場合には、ステップS107において収納実行フラグFaを0とする(Fa=0)。ベルト31がベルトリール42から引き出されていない状態なので、Fa=0である。Fa=0であるから、ベルト31を巻き取らない指示となる。
上記ステップS102において、イグニションスイッチ51がオフ(off)であると判断した場合には、次に、ステップS108においてドア開制御フラグFdを1と設定し、この設定した時点から一定時間Δt1にわたって、Fd=1の状態を保持し続ける。そして、Fd=1に設定とした直後に、ステップS109において収納実行フラグFaを1とする(Fa=1)。
上記ステップS101においてバックル36にタング35が装着された状態である場合には、ステップS110において収納実行フラグFaを0とする(Fa=0)。
このように、ステップS106、S107、S109、又はS110において、収納実行フラグFaを設定した後には、実際の車速Scが停車基準値SLを下回っているか否かを判断する(ステップS111)。車速Scは、車速センサ53によって検知された値である。停車基準値SLは、車両10が停止状態にあることを判断するための一定の基準値であり、予め設定されている。
ステップS111において、車速Scが停車基準値SLを下回っている(Sc<SL)、つまり停車状態にあると判断した場合には、そのままステップS112に進む。一方、上記ステップS111において、車速Scが停車基準値SLに達している(Sc≧SL)、つまり車両10が走行状態にあると判断した場合には、次のステップS113に進む。ステップS113においては、ドア13が開いているか否か、つまり、ドアスイッチ52のスイッチ信号がオン(on)であるか否かを判断する。
ステップS111において車両10が走行状態にあるという条件と、ステップS113においてドア13が開いているという条件の、2つの条件を満足した場合には、ドアスイッチ52に故障が発生したと判断し、ステップS114において、スイッチ故障フラグFcを”1”とする(Fc=1)。そして、ステップS112に進む。
ステップS111において車両10が走行状態にあるという条件と、ステップS113においてドア13が閉じているという条件の、2つの条件を満足した場合には、そのままステップS112に進む。
このように、ステップS111、S113、S114を実行した後には、ステップS112において、各々の収納実行フラグFaの内容を踏まえ、収納制御を実行した後に、図7に示すサブルーチンを終了して、図4に示すメインルーチンのステップS04に戻る。なお、ステップS112の収納制御については、後述するサブルーチン(図8〜図10参照)によって実行される。
図8〜図10は、図7に示されたステップS112(収納制御)を実行するためのサブルーチンを示している。
図8に示す、収納制御を実行するためのサブルーチンにおいては、先ず、ステップS200において、収納実行フラグFaが”1”であるか(Fa=1)否かを判断する。ステップS200において、Fa≠1であると判断した場合には、モータ43への通電を停止する(ステップS201)。その後、この図8に示すサブルーチンを終了して、図7に示すサブルーチンのステップS112に戻る。一方、ステップS200においてFa=1であると判断した場合には、ステップS202及びS203に進む。
ステップS202においては、ドア13が開放状態であるか否かを判断する。ステップS203においては、ドア開制御フラグFdが1であるか否かを判断する。
そして、ドア13が開放状態であるという条件(ステップS202)と、ドア開制御フラグFdが1であるという条件(ステップS203)の、2つの条件を満足している場合には、ステップS204に進む。ステップS204においては、待機時間タイマの待機時間twを”0”にリセットした上で、この待機時間タイマをスタートする。次に、ステップS205において、待機時間twが第1の基準待機時間taを経過するまで、待機する。
また、ドア13が閉止状態であるか(ステップS202)、又は、ドア開制御フラグFd≠1である(ステップS203)場合には、ステップS206に進む。ステップS206においては、待機時間タイマの待機時間twを”0”にリセットした上で、この待機時間タイマをスタートする。次に、ステップS207において、待機時間twが第2の基準待機時間tbを経過するまで、待機する。
第1・第2の基準待機時間ta,tbは、予め設定されている一定の時間である。第2の基準待機時間tbは、第1の基準待機時間taよりも大きく設定されている(ta<tb)。
ステップS205又はステップS207の次には、ステップS208〜S211を実行する。ステップS208においては、乗員体格フラグFeが”1”であるか(Fe=1)否かを判断する。ここで「Fe=1」であるとの判断は、乗員検知部59により検知された体格の情報が、予め設定されている「特定の体格の分類」に該当する、つまり、小さい体格の乗員Mnであると判断したことになる。
ステップS209においては、ベルトリール42から引き出されているベルト31の、実際の引出し量Xr(ベルト引出し量Xr)が、第2基準引出し量Xs2よりも大きいか(Xr>Xs2)否かを判断する。ベルト引出し量Xrは、実際の巻き取り位置に対応する。第2基準引出し量Xs2は、乗員Mnに対するベルトの装着が解除された後に、リターンスプリング45(付勢部材45)の付勢力によりベルトリール42がベルト31を所定の巻き取り位置P2(図示せず)まで、巻き取ったと判断するための、一定の基準値であり、予め設定されている。つまり、第2基準引出し量Xs2は、所定の巻き取り位置P2に対応する。
ステップS208において、「Fe≠1」であると判断した場合には、ステップS210において、モータ43に対し、ベルト巻取り動作を行わせるための通電を開始する。この結果、ベルトリール42はベルト巻取り方向に回転し始める。
一方、ステップS208の「Fe=1であるという条件」と、ステップS209の「Xr≦Xs2である」という条件の、2つの条件を満足した場合には、「Xr>Xs2」の判断に反転するまで、モータ43への通電を停止する(ステップS211)。その後、ステップS209において「Xr>Xs2」の判断に反転したときに、ステップS210において、モータ43に対し、ベルト巻取り動作を行わせるための通電を開始する。この結果、ベルトリール42はベルト巻取り方向に回転し始める。
このように、乗員検知部59により検知された体格の情報が、予め設定されている特定の体格の分類に該当すると判断した場合(ステップ208)には、乗員Mnに対するベルト31の装着が解除された後に、リターンスプリング45の付勢力によりベルトリール42がベルト31を所定の巻き取り位置P2(図示せず)まで、巻き取ったと判断するまで(ステップ209)、モータ43による巻き取り駆動を阻止する(ステップS211)。
ステップS210の次には、ステップS212において、タイマのカウント時間tcを”0”にリセットした上で、このタイマをスタートする。このカウント時間tcは、上記図6に示す時間tcに相当する。
次に、ステップS213において、スイッチ故障フラグFcが”0”であるか(Fc=0)否か、つまり、ドアスイッチ52が正常であるか否かを判断する。ここで、Fc=0であると判断した場合には、ステップS214〜S218が実行され、Fc≠0であると判断した場合には、ステップS219〜S220が実行される。
次に、ステップS213において、スイッチ故障フラグFcが”0”であるか(Fc=0)否か、つまり、ドアスイッチ52が正常であるか否かを判断する。ここで、Fc=0であると判断した場合には、ステップS214〜S218が実行され、Fc≠0であると判断した場合には、ステップS219〜S220が実行される。
詳しく述べると、ステップS213においてFc=0であると判断した場合には、ドア13が閉止状態であるか否かを判断する(ステップS214)。ドア13が閉止状態であると判断した場合には、巻取り速度閾値Vstを値”Vs2”に設定する(ステップS215)。次に、目標巻取り速度Vtcを値”Vtc1”に設定する(ステップS216)。
一方、ステップS214において、ドア13が開放状態であると判断した場合には、巻取り速度閾値Vstを値”Vs1”に設定する(ステップS217)。次に、目標巻取り速度Vtcを値”Vtc2”に設定する(ステップS218)。
上述のように、ステップS213において、Fc≠0であると判断した場合には、ドアスイッチ52に故障が発生したので、その後におけるドアスイッチ52の検知結果にかかわらず、ステップS219及びS220に進む。つまり、巻取り速度閾値Vstを値”Vs2”に設定し(ステップS219)、次に目標巻取り速度Vtcを値”Vtcm”に設定する(ステップS220)。
ここで、値”Vs1”及び”Vs2”は、それぞれ実際のベルト巻取り速度と対比するために、予め設定された一定の速度であり、上記図5の各ステップS13、S18、S23において、既に設定されている。
目標巻取り速度Vtcは、上述のように、ベルトリール42によってベルト31を巻き取る目標の速度である。この目標巻取り速度Vtcの設定値である、速度Vtc1,Vtc2,Vtcmは、次のように決められる。
つまり、図5のステップS11において、大きい体格の乗員Mnであると判断された場合には、次に図5のステップS14において、第1目標巻取り速度マップが選択され、次に図6(a)の第1目標巻取り速度マップにおいて、速度Vtc1,Vtc2,Vtcmが設定される。
また、図5のステップS11において、中くらいの体格の乗員Mnであると判断された場合には、次に図5のステップS19において、第2目標巻取り速度マップが選択され、次に図6(b)の第2目標巻取り速度マップにおいて、速度Vtc1,Vtc2,Vtcmが設定される。
また、図5のステップS11において、小さい体格の乗員Mnであると判断した場合には、次に図5のステップS24において、第3目標巻取り速度マップが選択され、次に図6(c)の第3目標巻取り速度マップにおいて、速度Vtc1,Vtc2,Vtcmが設定される。
ステップS216又はS220の次には、ドア13が閉止状態である場合の収納制御のためのステップS221〜S238が実行される(図9参照)。また、ステップS218の次には、ドア13が開放状態である場合の収納制御のためのステップS321〜S339(図10参照)が実行される。
先に、ドア13が閉止状態にある場合における、収納制御のステップS221〜S238について、図9に基づき説明する。
先ず、上記図8に示すステップS216又はS220を実行した後に、図9に示すステップS221に進む。
先ず、上記図8に示すステップS216又はS220を実行した後に、図9に示すステップS221に進む。
ステップS221においては、予め用意された試行回数Crの値を0にリセットする。この試行回数Crはカウンタ値として設定され、収納制御に基づくベルト31の収納動作において生じる、ベルト31の引掛り状態を判定するために使用される。引掛り判定は、カウントされる試行回数Crが上述の基準再試行回数Cnに達しても「引掛りである」という判定状態が維持されたときに確定する。
次に、ステップS222において、カウントされた試行回数Crが基準再試行回数Cnよりも小さいか(Cr<Cn)否かを判断する。ステップS222において、Cr<Cnであると判断した場合には、次のステップS223に進む。ステップS223においては、ベルトリール42の回転角に変化があるか否かを判断する。ここで、回転角変化の有無については、図3に示すベルト巻取り位置検知部54の検知信号に基づいて判断する。つまり、回転角変化の有無については、回転角変化判断部58の信号に基づいて判断する。
ステップS223において、ベルトリール42の回転角に変化があると判断した場合には、次のステップS224に進む。ステップS224においては、ベルトリール42の回転方向が、ベルト巻取り方向であるか否かを判断する。ベルトリール42の回転方向については、図3に示すベルト巻取り位置検知部54の検知信号に基づいて判断する。つまり、ベルト巻取り方向については、回転方向検知部56の信号に基づいて判断する。ステップS224において、回転方向が「ベルト巻取り方向」であると判断した場合には、ステップS225に進む。
ステップS225においては、ベルト31の巻取り速度Vbを求める。この巻取り速度Vbについては、例えば回転角変化判断部58(図3参照)で検知した単位時間当たりのベルトリール42の回転角の変化量(deg./msec)に基づいて求められる。つまり、巻取り速度Vbは、前回変化した時点におけるベルトリール42の回転角Xti−1から、今回変化した時点におけるベルトリール42の回転角Xtiまでの、単位時間当たりの変化量を計測することによって得ることができる。
次に、ステップS226において、巻取り速度Vbが巻取り速度閾値Vstを越えたか(Vb>Vst)否かを判断する。ここで、巻取り速度閾値Vstの値は、上記ステップS215(図8参照)において設定された”Vs2”である。ステップS226において、巻取り速度Vbが巻取り速度閾値Vstを越えた(Vb>Vst)と判断した場合には、次のステップS227〜S230が実行される。
具体的には、巻取り速度Vbから、ドア13が閉止しているときの目標巻取り速度Vtc(つまり、値”Vt1”)を差し引いた、値に応じて、モータ43に供給する駆動電流(通電量)Ibを設定する。つまり、ステップS227においては、条件「(Vb−Vtc)>0」を満たしているか否かを判断する。ステップS229においては、条件「(Vb−Vtc)<0」を満たしているか否かを判断する。
ステップS227において、巻取り速度Vbから目標巻取り速度Vtcを差し引いた値が”正”の値であると判断した場合には((Vb−Vtc)>0)、ベルトリール42によるベルト巻取り力を減らすために、モータ43に供給する駆動電流Ibを所定値だけ減少させて(ステップS228)、ステップS231に進む。
ステップS227がNOの判断をし、且つステップS229において、巻取り速度Vbから目標巻取り速度Vtcを差し引いた値が”負”の値であると判断した場合には((Vb−Vtc)<0)、ベルトリール42によるベルト巻取り力を増すために、モータ43に供給する駆動電流Ibを所定値だけ増加させて(ステップS230)、ステップS231に進む。
実際の巻取り速度Vbから目標巻取り速度Vtcを差し引いた値が、±0であると判断した場合には(ステップS227とS229が共にNOの判断)、モータ43に供給する駆動電流Ibをそのまま維持して、ステップS231に進む。
ステップS231においては、ベルト31が本来の完全収納位置に収納されたか否かを判断する。ベルト31の収納位置については、図3に示すベルト巻取り位置検知部54の検知信号に基づいて判断する。
ステップS231において、ベルト31が完全収納位置まで収納されていないと判断した場合には、上記ステップS213(図8参照)へ戻って、ベルト31が完全収納位置に収納されるまで、巻き取り制御を続ける。一方、ステップS231において、ベルト31が完全収納位置に収納されたと判断した場合には、収納制御が完了したので、モータ43への通電を停止する(ステップS232)。その後、この図8及び図9に示すサブルーチンを終了して、図7に示すサブルーチンのステップS112に戻る。
ところで、制御部81は、上記収納制御を実行中において、次の3つの引掛り判定条件の、少なくともいずれか1つの条件を満足した場合には、ベルト31に引掛り状態が発生したと判定して、モータ43を停止させる構成である。つまり、制御部81は、リトラクタ41によってベルト31を巻き取っているときに、何かの原因によってベルト31に引掛りが生じ、この結果、リトラクタ41の巻取り動作にロック状態が発生したと判断した場合に、モータ43への通電を停止する。
ここで、「引掛り判定条件」とは、収納制御を実行中に車両10の一部(例えば、車室内の突起物やドア13)又は乗員Mnの身体に対する、ベルト31の引掛り状態が発生したことを判定するものであり、予め設定されている。
第1の引掛り判定条件は、ベルトリール42が所定時間tsにわたって停止しているということである。この第1の引掛り判定条件が該当する要因の一例として、次の場合がある。図1に示すドア13等の車体や乗員Mnの身体に、ベルト31が引っ掛かることによって、ベルトリール42はベルト31を巻き取ることができずに、停止する。乗員Mnの身体にベルト31が引っ掛かる例として、乗員Mnが手でベルト31を強く押さえている場合が挙げられる。
第2の引掛り判定条件は、ベルトリール42が逆転、つまりベルト引出し方向に回転しているということである。この第2の引掛り判定条件が該当する要因の一例として、次の場合がある。ベルトリール42によってベルト31を巻き取る力に対し、ベルトリール42からベルト31を引き出す外力が大きい場合に、ベルトリール42はベルト引出し方向に回転する。ベルト31を引き出す外力の例として、図1に示す乗員Mnが手でベルト31を引張る場合が挙げられる。
第3の引掛り判定条件は、ベルトリール42の回転速度が遅すぎるということである。つまり、第3の引掛り判定条件は、ベルトリール42による巻取り速度Vbが、巻取り速度閾値Vstを越えていない(Vb≦Vst)ことである。この第3の条件が該当する要因の一例として、次の場合がある。図1に示すドア13等の車両10の一部や乗員Mnの身体に、ベルト31が軽く引っ掛かることによって、ベルトリール42はベルト31を迅速に巻き取ることができず、巻き取り時間が遅くなる。
先ず、ドア13が閉止状態であるときで、第1の引掛り判定条件の場合について説明する。上記ステップS223において、ベルトリール42の回転角に変化が無いと判断した場合には、次に、この変化が無い状態で、予め設定された一定の所定時間ts(角度変位無し時間ts)が経過したか否かを判断する(ステップS233)。回転角に変化が無い状態で所定時間tsが経過するまでは、ステップS222、S223及びS233を繰り返す。
一方、ステップS233において、回転角に変化が無い状態で所定時間tsが経過したと判断した場合には、次のステップS234に進む。ステップS234においては、一時停止用タイマの一時停止時間tmを”0”にリセットした上で、この一時停止用タイマをスタートする。次に、ステップS235において、モータ43への通電を一時停止する。次に、ステップS236において、カウントされた一時停止時間tmが、予め設定されている一定の基準停止時間tdを経過したか(tm≧td)否かを判断する。そして、一時停止時間tmが基準停止時間tdを経過するまで、ステップS235及びS236を繰り返す。
その後、ステップS236において、一時停止時間tmが基準停止時間tdを経過したと判断した場合には、モータ43に対し、ベルト巻取り動作を行わせるための通電を再開する(ステップS237)。つまり、モータ43を再始動(再試行)する。次に、ステップS238において、試行回数Crを1だけ加算して(Cr=Cr+1)、ステップS222に戻る。
以上の説明から明らかなように、ベルトリール42の回転角に変化が無いと判断した(ステップS223)状態で、且つ、所定時間tsが経過したと判断した(ステップS233)場合を、繰り返す毎に、モータ43を基準停止時間tdだけ一時停止した後に(ステップS234〜S236)、試行回数Crを1つずつ加算カウントする(ステップS238)。
そして、カウントされた試行回数Crが基準再試行回数Cnに達した(Cr≧Cn)と判断したとき(ステップS222)、つまり、巻取り動作のロック状態が確定したと判断したときに、モータ43への通電を停止する(ステップS232)。その後、この図8及び図9に示すサブルーチンを終了して、図7に示すサブルーチンのステップS112に戻る。
つまり、リトラクタ41でベルト31を巻き取っているときに、何かの原因によってベルト31に引掛りが生じることにより、巻取り動作にロック状態が発生したと判断した場合(ステップS223、S233)には、試行回数Crが増大して(ステップS238)、基準再試行回数Cnに達する。この結果、ステップS222において、試行回数Crが基準再試行回数Cnに達した(Cr≧Cn)と判断、つまり、巻取り動作のロック状態が確定したと判断して、モータ43への通電を停止する(ステップS232)。
次に、ドア13が閉止状態であるときで、第2の引掛り判定条件の場合について説明する。ステップS224において、ベルトリール42の回転方向が「ベルト引出し方向」であると判断した場合には、上記ステップS234〜S238を実行した後に、ステップS222に戻る。
つまり、ベルトリール42が「ベルト引出し方向」に回転しているという判断(ステップS224)を繰り返す毎に、モータ43を基準停止時間tdだけ一時停止し(ステップS234〜S236)、その後に試行回数Crを1つずつ加算カウントする(ステップS238)。そして、カウントされた試行回数Crが基準再試行回数Cnに達したと判断したときに(ステップS222)、モータ43への通電を停止する(ステップS232)。その後、この図8及び図9に示すサブルーチンを終了して、図7に示すサブルーチンのステップS112に戻る。
次に、ドア13が閉止状態であるときで、第3の引掛り判定条件の場合について説明する。ステップS226において、巻取り速度Vbが巻取り速度閾値Vstを越えていないという条件(Vb≦Vst)と判断した場合には、上記ステップS234〜S238を実行した後に、ステップS222に戻る。
つまり、Vb≦Vstという判断(ステップS226)を繰り返す毎に、モータ43を基準停止時間tdだけ一時停止し(ステップS234〜S236)、その後に試行回数Crを1つずつ加算カウントする(ステップS238)。そして、カウントされた試行回数Crが基準再試行回数Cnに達したと判断したときに(ステップS222)、モータ43への通電を停止する(ステップS232)。その後、この図8及び図9に示すサブルーチンを終了して、図7に示すサブルーチンのステップS112に戻る。
次に、ドア13が開放状態にある場合における、収納制御のステップS321〜S339について、図10に基づき説明する。
先ず、上記図8に示すステップS218を実行した後に、図10に示すステップS321に進む。ステップS321の実行内容(制御内容)は、図9に示すステップS221の実行内容と実質的に同じである。同様に、S322はS222、S323はS223、S324はS224、S325はS225、S326はS226、S327はS227、S328はS228、S329はS229、S330はS230、S331はS231、S332はS232、S333はS233、S334はS234、S335はS235、S336はS236、S337はS237、S338はS238と、それぞれ実質的に同じである。
このように、ステップS321〜S338は、基本的には前述した図9に示すステップS221〜S238とそれぞれ同じであるので、前述した説明を援用する。
このように、ステップS321〜S338は、基本的には前述した図9に示すステップS221〜S238とそれぞれ同じであるので、前述した説明を援用する。
図10に示すドア13が開放している場合における制御内容(ステップS321〜S339)は、図9に示すドア13が閉止している場合における制御内容(ステップS221〜S238)に対し、次の点で相違している。
この相違点は、上記「第2の引掛り判定条件」に対する制御内容が相違することである。つまり、ステップS324において、ベルトリール42の回転方向が「ベルト引出し方向」であると判断した場合には、次のステップS339に進む。ステップS339においては、ベルト引出しを阻止する(規制する)ために、モータ43に供給する駆動電流(通電量)を増加する。その後、ステップS322に戻る。
以上の説明をまとめると、次の通りである。
シートベルト装置30は、ベルト31を着用する乗員Mnの体格(体型や体重、大人と子供の違い等)を乗員検知部59によって検知し、制御部81が、予め設定されている複数の制御モード91〜93の中から、乗員検知部59により検知された体格の情報に対応する1つを選択し(図5のステップS11、S12、S17、S22)、この選択された制御モード91,92又は93に基づいて、ベルト31を巻き取るようにモータ43を制御する(図4のステップS04)。このため、乗員Mnの体格に応じて、より適切なベルト31の巻き取り収納を行うことができる。例えば、体格に応じてベルト巻き取り速度を変更することができる。従って、多種多様な体格の乗員Mnが、より快適にシートベルト装置30を使用することができる。
シートベルト装置30は、ベルト31を着用する乗員Mnの体格(体型や体重、大人と子供の違い等)を乗員検知部59によって検知し、制御部81が、予め設定されている複数の制御モード91〜93の中から、乗員検知部59により検知された体格の情報に対応する1つを選択し(図5のステップS11、S12、S17、S22)、この選択された制御モード91,92又は93に基づいて、ベルト31を巻き取るようにモータ43を制御する(図4のステップS04)。このため、乗員Mnの体格に応じて、より適切なベルト31の巻き取り収納を行うことができる。例えば、体格に応じてベルト巻き取り速度を変更することができる。従って、多種多様な体格の乗員Mnが、より快適にシートベルト装置30を使用することができる。
さらに、制御部81は、モータ43によってベルト31を巻き取っているときに、引掛り判断基準値Vst(巻取り速度閾値Vst)に基づいてベルト31の引掛り状態が発生したか否かを判断する(図9のステップS226、図10のステップS326)。例えば、乗員Mnがベルト31の装着状態を解除することによって、ベルト31はモータ43によって巻き取られ始める。ところが、ベルト31が巻き取られているときに、乗員Mnはベルト31を再び装着したい場合がある。この場合には、巻き取り途中のベルト31を乗員Mnが引出し操作をするので、その操作力がベルト31に加わる。このとき、制御部81は引掛り判断基準値Vstに基づいて、ベルト31の引掛り状態が発生したと引掛り判断する。
一般に、乗員Mnが意識的にベルト31を引き出すときの引出し操作力は、体格によって異なる。
これに対して、制御部81は、引掛り判断基準値Vstを、複数の制御モード91,92又は93毎に、それぞれ予め設定している(図5のステップS13、S18、S23及び図8のステップS215、S217、S219)。例えば、大柄な乗員Mnがシートベルト装置30を使用する場合には、高い引掛り判断基準値Vstを設定する。一方、小柄な乗員Mnがシートベルト装置30を使用する場合には、低い引掛り判断基準値Vstを設定する。このため、それぞれの乗員Mnが意識的にベルト31を引き操作するときに、自分の体力に応じた軽い操作力によって、楽に引くことができる。このように、ベルト31の引掛り状態が発生したか否かを判断する引掛り判断基準値Vstを、乗員Mnの体格に合わせて、より適切なものにすることができる。この結果、乗員Mnの意識的な再装着操作に対する、シートベルト装置30の巻き取り作動の最適化を図ることができる。
これに対して、制御部81は、引掛り判断基準値Vstを、複数の制御モード91,92又は93毎に、それぞれ予め設定している(図5のステップS13、S18、S23及び図8のステップS215、S217、S219)。例えば、大柄な乗員Mnがシートベルト装置30を使用する場合には、高い引掛り判断基準値Vstを設定する。一方、小柄な乗員Mnがシートベルト装置30を使用する場合には、低い引掛り判断基準値Vstを設定する。このため、それぞれの乗員Mnが意識的にベルト31を引き操作するときに、自分の体力に応じた軽い操作力によって、楽に引くことができる。このように、ベルト31の引掛り状態が発生したか否かを判断する引掛り判断基準値Vstを、乗員Mnの体格に合わせて、より適切なものにすることができる。この結果、乗員Mnの意識的な再装着操作に対する、シートベルト装置30の巻き取り作動の最適化を図ることができる。
さらに、制御部81は、ベルト31の引掛り状態が発生したと判断したときに(図9のステップS226、図10のステップS326)、モータ43によるベルト31の巻き取り駆動を一時停止するとともに(図9のステップS235及び図10のS335)、停止してから所定の基準停止時間tdを経過した後に(図9のステップS236及び図10のS336)、モータ43による巻き取り駆動を再試行する(図9のステップS237及び図10のS337)。
一般に、モータ43によるベルト31の巻き取り駆動を一時停止したと認識した乗員Mnが、意識的に再装着の操作を行うまでの時間は、例えば、大人と児童の違いによって異なり得る。大人に比べて、児童は再装着の操作を行うまでの時間が、長くなる傾向があると予想され得る。このため、モータ43によるベルト31の巻き取り駆動を一時停止してから、巻き取り駆動を再試行するまでの時間(停止時間)は、乗員の体格に応じて異なることが好ましい。
これに対して、制御部81は、一時停止から再試行までの基準停止時間tdを、複数の制御モード91,92又は93毎に、それぞれ予め設定している(図5のステップS16、S21、S26)。例えば、大人(大きい体格の乗員Mn)がシートベルト装置30を使用する場合には、基準停止時間tdを短く設定する。一方、児童(中くらいの体格の乗員Mn)がシートベルト装置30を使用する場合には、基準停止時間tdを長く設定する。このため、乗員Mnがベルト31を再び装着することを、より一層容易にすることができる。
さらに、制御部81は、所定の基準再試行回数Cnだけ、巻き取り駆動を再試行する(図9のステップS222及び図10のS322)。
一般に、モータ43によるベルト31の巻き取り駆動を一時停止したと認識した乗員Mnが、意識的に再装着の操作を行う再試行回数は、例えば、大人と児童の違いによって異なり得る。大人に比べて、児童は再試行を多く行う傾向があると予想され得る。このため、再試行回数は、乗員Mnの体格に応じて異なることが好ましい。
一般に、モータ43によるベルト31の巻き取り駆動を一時停止したと認識した乗員Mnが、意識的に再装着の操作を行う再試行回数は、例えば、大人と児童の違いによって異なり得る。大人に比べて、児童は再試行を多く行う傾向があると予想され得る。このため、再試行回数は、乗員Mnの体格に応じて異なることが好ましい。
これに対して、制御部81は、基準再試行回数Cnを、複数の制御モード91,92又は93毎に、それぞれ予め設定している(図5のステップS15、S20、S25)。例えば、大人(大きい体格の乗員Mn)がシートベルト装置30を使用する場合には、基準再試行回数Cnを少なく設定する。一方、児童(中くらいの体格の乗員Mn)がシートベルト装置30を使用する場合には、基準再試行回数Cnを多く設定する。このようにすることで、大人(大きい体格の乗員Mn)がシートベルト装置30を使用する場合には、再試行をする回数が少ないので、巻き取り駆動を再試行するときに発生する駆動音を、抑制することができる。一方、児童(中くらいの体格の乗員Mn)がシートベルト装置30を使用する場合には、再試行を多く繰り返して、より円滑にベルト31を全収納することができる。このため、引掛り状態が発生したときに、ベルト31が巻き取られずに放置される心配がない。
さらに、制御部81は、乗員Mnの体格が、予め設定されている特定の体格の分類に該当した場合には(図8のステップS208)、ベルト31の装着が解除された後に、付勢部材45の付勢力によってベルトリール42がベルト31を所定の巻き取り位置に巻き取るまで(図8のステップS209)、モータ43による巻き取り駆動を阻止する(図8のステップS211)。
一般に、例えば、乗員Mnが乳幼児(小さい体格の乗員)である場合には、乗員Mnが自らベルト31を再び装着する可能性は低い。このことは、例えばシート20に載せられているチャイルドシートなど、乳幼児に相当する大きさの物体も同様である。
これに対して、制御部81は、付勢部材45の付勢力によってベルトリール42がベルト31を所定の巻き取り位置に巻き取るまで、モータ43による巻き取り駆動を阻止する。このため、乗員Mn自らベルト31を再び装着する可能性が低い場合に、巻き取り駆動を再試行するときに発生する駆動音を、抑制することができる。
これに対して、制御部81は、付勢部材45の付勢力によってベルトリール42がベルト31を所定の巻き取り位置に巻き取るまで、モータ43による巻き取り駆動を阻止する。このため、乗員Mn自らベルト31を再び装着する可能性が低い場合に、巻き取り駆動を再試行するときに発生する駆動音を、抑制することができる。
なお、本発明では、シート20及びシートベルト装置30は、助手席、後部座席であっても同様の構成とすることができる。
また、乗員検知部59は、ベルト31を着用する乗員Mnの体格を検知することが可能な構成であればよく、荷重センサに限定されるものではない。例えば、荷重センサ、画像認識装置、超音波センサ、赤外線センサ、静電容量型近接センサ等の各種センサを単独に用いて、又は複数種を組み合わせて乗員検知部59を構成し、乗員Mnの体格を検知するものであってもよい。画像認識装置は、CCDカメラ等の撮像器により乗員Mnを撮像し、この撮像された画像データを画像処理部により画像処理して体格を特定し、体格の検知情報として発する構成である。
また、乗員検知部59は、ベルト31を着用する乗員Mnの体格を検知することが可能な構成であればよく、荷重センサに限定されるものではない。例えば、荷重センサ、画像認識装置、超音波センサ、赤外線センサ、静電容量型近接センサ等の各種センサを単独に用いて、又は複数種を組み合わせて乗員検知部59を構成し、乗員Mnの体格を検知するものであってもよい。画像認識装置は、CCDカメラ等の撮像器により乗員Mnを撮像し、この撮像された画像データを画像処理部により画像処理して体格を特定し、体格の検知情報として発する構成である。
また、制御部81は、回転方向判断部56と回転角判断部57と回転角変化判断部58の一部又は全部を兼ねる構成であってもよい。
また、図6に示す各マップにおいて、値Vtc(Vtc1,Vtc2,Vtcm)については、時間帯毎に段階的に低減させる他に、ベルトリール42でベルト31を巻き取る、巻き取り区間毎に段階的に低減させることもできる。
また、図6に示す各マップにおいて、値Vtc(Vtc1,Vtc2,Vtcm)については、時間帯毎に段階的に低減させる他に、ベルトリール42でベルト31を巻き取る、巻き取り区間毎に段階的に低減させることもできる。
本発明の車両のシートベルト装置30は、乗用車等の各種車両に搭載するのに好適である。
30…車両用シートベルト装置、31…ベルト、37…ベルト装着状態検知部(バックルスイッチ)、42…ベルトリール、43…モータ、54…ベルト巻取り位置検知部、
59…乗員検知部、81…制御部、91…第1制御モード、92…第2制御モード、93…第3制御モード、Cn…基準再試行回数、Mn…乗員、td…基準停止時間、Vs1,Vs2…引掛り判断基準値。
59…乗員検知部、81…制御部、91…第1制御モード、92…第2制御モード、93…第3制御モード、Cn…基準再試行回数、Mn…乗員、td…基準停止時間、Vs1,Vs2…引掛り判断基準値。
Claims (3)
- 乗員を拘束するためのベルトを巻回するベルトリールと、このベルトリールを駆動するモータと、このモータを制御する制御部とを備え、前記乗員に対する前記ベルトの装着が解除されたときに、前記ベルトリールによって前記ベルトを収納位置まで巻き取るように、前記制御部によって前記モータを制御する、車両用シートベルト装置において、
前記ベルトを着用する乗員の体格を検知する乗員検知部を備え、
前記制御部は、
前記ベルトを巻き取るように前記モータを制御しているときに、前記ベルトの引掛り状態が発生したことを判断する構成であって、前記引掛り状態が発生したと判断した場合には、前記モータによる前記ベルトの巻き取り駆動を一時停止させるとともに、停止してから、前記乗員検知部により検知された体格の情報が小さいほど長く設定されている基準停止時間を経過した後に、前記巻き取り駆動を再試行するように前記モータを制御する構成であることを特徴とする車両用シートベルト装置。 - 前記ベルトリールによる前記ベルトの巻き取り位置を検知するベルト巻取り位置検知部と、前記ベルトリールをベルト巻き取り方向に付勢する付勢部材とを、更に備え、
前記制御部は、
前記体格の情報が、第1基準値と、前記第1基準値より小さい第2基準値とにより検知され、前記第2基準値よりも小さい、小さい体格の乗員であると判断した場合、前記乗員に対する前記ベルトの装着が解除された後、前記付勢部材の付勢力により前記ベルトリールが前記ベルトを所定の位置まで巻き取ったと判断するまで、前記モータによる巻き取り駆動を阻止するように制御する構成であることを特徴とする請求項1記載の車両用シートベルト装置。 - 前記制御部は、
前記巻き取り駆動の一時停止と、前記基準停止時間を経過した後における前記巻き取り駆動の再試行とを、前記体格の情報に基づいて、所定の基準再試行回数だけ実行するように前記モータを制御する構成であることを特徴とする請求項2記載の車両用シートベルト装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012156301A JP5285797B2 (ja) | 2012-07-12 | 2012-07-12 | 車両用シートベルト装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012156301A JP5285797B2 (ja) | 2012-07-12 | 2012-07-12 | 車両用シートベルト装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009025004A Division JP5043872B2 (ja) | 2009-02-05 | 2009-02-05 | 車両用シートベルト装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012224334A true JP2012224334A (ja) | 2012-11-15 |
JP5285797B2 JP5285797B2 (ja) | 2013-09-11 |
Family
ID=47274981
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012156301A Expired - Fee Related JP5285797B2 (ja) | 2012-07-12 | 2012-07-12 | 車両用シートベルト装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5285797B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001163186A (ja) * | 1999-12-13 | 2001-06-19 | Takata Corp | シートベルト制御装置 |
JP2005280497A (ja) * | 2004-03-30 | 2005-10-13 | Takata Corp | モータ付シートベルト巻き取り装置の制御方法及びシートベルト装置 |
JP2008126978A (ja) * | 2006-11-24 | 2008-06-05 | Takata Corp | シートベルト巻き取り装置 |
-
2012
- 2012-07-12 JP JP2012156301A patent/JP5285797B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001163186A (ja) * | 1999-12-13 | 2001-06-19 | Takata Corp | シートベルト制御装置 |
JP2005280497A (ja) * | 2004-03-30 | 2005-10-13 | Takata Corp | モータ付シートベルト巻き取り装置の制御方法及びシートベルト装置 |
JP2008126978A (ja) * | 2006-11-24 | 2008-06-05 | Takata Corp | シートベルト巻き取り装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5285797B2 (ja) | 2013-09-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5576453B2 (ja) | シートベルト装置 | |
EP1759938B1 (en) | Seat belt apparatus and vehicle | |
US20070114775A1 (en) | Seat belt apparatus | |
US20080231036A1 (en) | Seatbelt retractor | |
JPH03157243A (ja) | シートベルトシステム | |
US8590658B2 (en) | Occupant protection device | |
JP4705058B2 (ja) | モータ駆動シートベルト装置 | |
JP2002274323A (ja) | モータリトラクタシステム | |
JP5043872B2 (ja) | 車両用シートベルト装置 | |
JP5285797B2 (ja) | 車両用シートベルト装置 | |
JP4252854B2 (ja) | モータリトラクタの制御装置 | |
JP5004980B2 (ja) | 車両用シートベルト装置 | |
JP4934688B2 (ja) | 車両用シートベルト装置 | |
JP5236522B2 (ja) | 車両用シートベルト装置及び車両用シートベルト巻き取り方法 | |
JP2012192854A (ja) | シートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置 | |
JP4934689B2 (ja) | 車両用シートベルト装置 | |
JP2006027587A (ja) | モータリトラクタ | |
JP2007137177A (ja) | シートベルト装置 | |
JP2006143154A (ja) | ウエビング巻取装置 | |
JP3189448U (ja) | シートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置 | |
WO2016136587A1 (ja) | ウェビング巻取装置 | |
JP4291747B2 (ja) | モータリトラクタ | |
JP2009006875A (ja) | 車両のシートベルト装置 | |
JP4429108B2 (ja) | ウエビング巻取装置 | |
JP5425845B2 (ja) | シートベルト装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130516 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130528 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130531 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5285797 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |