JP2012219339A - Ni基超合金材、タービンロータおよびそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.005〜0.15%、Cr:8〜22%、Co:5〜30%、Mo:1〜9%未満、W:5〜20%、Al:0.1〜2.0%、Ti:0.3〜2.5%、B:0.015%以下、Mg:0.01%以下を含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなるNi基超合金材に、溶体化処理を1050〜1120℃、1〜20時間で実施後、770〜830℃、1〜50時間で1段目の時効を行い、その後、1段目の時効温度よりも低い温度で、さらに700〜780℃、1〜50時間で2段目の時効を行い、下記式(1)で定義する結晶粒界及び結晶粒内に析出している炭化物の表面断面における面積率の比率を、0.6〜3.0とする。
炭化物面積率比率=結晶粒界の炭化物の面積率/結晶粒内の炭化物の面積率・・(1)
【選択図】図2
Description
一方、さらなる発電効率向上の要求から、主蒸気温度を700℃以上にして発電効率をさらに高めた先進超々臨界圧(Advanced−Ultra Super Critical:A−USC)汽力発電技術の開発が進められている。A−USC汽力発電プラントの温度域になると、高Crフェライト系耐熱鋼では対応できなくなるため、蒸気タービンロータなどの高温部材にはNi基超合金の適用が検討されている。Ni基超合金は、熱膨張係数が高Crフェライト系耐熱鋼と比べて高く、Ni基超合金を蒸気タービンロータ、あるいはケーシングとして使用した場合には、フェライト系部材との熱膨張差が生じることが懸念されている。また、タービンロータなどの大型部材になると、その重量は数10トンになることから、その製作では大型インゴットに発生するマクロ偏析が大きな問題となる。これらの問題を解決するため、本願発明者らは、特許文献1で偏析性に優れたNi基超合金の発明を提案している。この発明は、Coを添加することにより、熱膨張係数を低下させる効果のあるWを添加したNi基超合金の偏析性を改善し、大型部材の製造に適する偏析の少ない品質の優れた大型鋼塊のNi基超合金を提供したものである。
この発明は、以下に示す手段により上記目的を達成するものである。
炭化物面積率比率=結晶粒界の炭化物の面積率/結晶粒内の炭化物の面積率・・(1)
なお、以下の含有量はいずれも質量%で示している。
Cは、Ti、Nb、TaとMCタイプの炭化物を形成し、またCr、MoとはM6C、M7C3、およびM23C6タイプの炭化物を形成し、合金の結晶粒の粗大化を抑制するとともに、高温強度の向上にも寄与する。更に、Cは結晶粒界に適量の炭化物(MCやM23C6)を析出させることで結晶粒界を強化するために、本発明では必須の元素である。Cが0.005%以上含まれないと上記の効果が得られず、0.15%を越えると粒内の析出強化に必要なTi量が減少するだけでなく、時効処理時に結晶粒界へ析出する炭化物が多くなりすぎて結晶粒界が脆弱化し、室温の延性が低下する。従って、Cの添加量は0.005〜0.15%の範囲に限定する。なお、同様の理由で、下限を0.01%、上限を0.08%とするのが望ましい。
Crは合金の耐酸化性、耐食性、強度を高めるに不可欠な元素である。また、Cと結びついて炭化物を結晶粒界へ析出させ、高温強度を高める。それらの効果を発揮させるためには、最低8%以上の含有量が必要である。しかしながら、多すぎる含有量は母相の安定性を阻害し、σ相やα−Crなどの有害なTCP相の生成を助長することになり、延性や靭性に悪影響を及ぼす。従って、Crの含有量は8〜22%の範囲に限定する。なお、同様の理由で下限を10%、上限を15%とするのが望ましく、上限を13%とするのが一層望ましい。
Coは熱膨張係数を低下させる効果のあるWを添加したNi基超合金の偏析性を改善するために重要な成分である。つまり、CoはNiとの密度差が大きく、ストリーク状偏析の発生原因となるWの分配係数を1に近づけ、偏析性を大きく改善させることができる。また、CoはAl、Ti、Nbといった析出強化元素の分配係数も1に近づけることができる。Coを5%以上含まないと上記の効果が十分得られず、30%を超えると鍛造性を悪化させるだけでなく、μ相(Laves相)と呼ばれるTCP相を生成しやすくなるため、高温での母相の組織を却って不安定にするとともに高温組織安定性を悪化させる。したがってCoの含有量は5〜30%の範囲に限定する。なお、同様の理由で、下限を10%、上限を20%とすることが望ましい。
Moは主に母相に固溶して母相自体を強化する固溶強化元素として有効であるとともに、γ’相に固溶してγ’相のAlサイトに置換することによりγ’相の安定性を高めるので、高温での強度を高めるとともに組織の安定性を高めるのに有効である。また、線膨張係数を下げる効果も有している。Mo含有量が1%未満では上記効果が不十分であり、9%以上になるとμ相(Laves相)と呼ばれるTCP相を生成しやすくなるため、高温での母相の組織を不安定にするとともに高温組織安定性を悪化させる。したがって、Moの含有量は1%〜9%未満の範囲に限定する。なお、同様の理由で下限を3.0%、上限を7.0%とするのが望ましい。
WもMoと同様に母相に固溶して母相自体を強化する固溶強化元素として有効であるとともに、γ’相に固溶してγ’相のAlサイトに置換することによりγ’相の安定性を高めるので高温での強度を高めるとともに組織の安定性を高めるのに有効である。また、線膨張係数を下げる効果も有しており、適切な含有量であれば、TCP相が析出しないので組織安定性を損なうことはない。ただし、多すぎる含有ではα−Wが析出し組織安定性を低下させるのみならず、熱間加工性も著しく劣化させる。従って、Wの含有量は5〜20%の範囲に限定する。同様の理由で下限を7.0%、上限を15.0%とするのが望ましい。
AlはNiと結合してγ’相を析出し、合金の強化に寄与する。Alが0.1%未満では十分な析出強化を得ることが出来ないが、多すぎる含有はγ’相の結晶粒界への粗大凝集により、濃化領域と無析出帯とができ、高温特性の低下、切り欠き感受性の劣化を招き、機械的特性が大幅に低下する。また、過剰に含有すると熱間加工性が低下し、鍛造が困難になる。従って、Alの含有量は0.1〜2.0%の範囲に限定する。なお、同様の理由で下限を0.5%、上限を1.5%とするのが望ましい。
Tiは主にMC炭化物を形成して合金の結晶粒の粗大化を抑制するとともに、Alと同様、Niと結合してγ’相を析出し、合金の強化に寄与する。この作用を十分に得るためには、0.3%以上の含有が必要である。しかしながら、多すぎる含有は、高温におけるγ’相の安定性を低下させると共にη相が析出するため強度と延性、靭性、及び長時間組織安定性の低下を招く。従って、Tiの含有量は0.3〜2.5%の範囲に限定する。なお、同様の理由で下限を0.5%、上限を2.0%とするのが望ましい。
Nb及びTaはAl、及びTiと同様に析出強化元素であり、γ”相を析出し合金の強化に寄与するので所望により含有させる。しかしながら、多量の含有はLaves相やσ相等の金属間化合物が析出しやすくなり、組織安定性を著しく損なう。したがって、所望により含有させるNb及びTaの含有量は、Nb含有量+1/2Ta含有量の値で1.5%以下とする。なお、上記作用を十分に得るため、Nb含有量+1/2Ta含有量は、0.1%以上とするのが望ましく、さらには0.2%以上とするのが一層望ましい。
Bは結晶粒界に偏析して高温特性に寄与するので所望により含有させる。ただし、多過ぎる含有は硼化物を形成し易くなり、逆に粒界脆化を招くとともに,溶接性を低下させる。したがって、所望により含有させるBの含有量は0.015%以下とする。なお、上記作用を十分に得るためには、0.0005%以上含有するのが望ましく、また上記と同様の理由により、さらに上限を0.01%とするのが望ましい。
ZrはBと同様に結晶粒界に偏析して高温特性に寄与するので所望により含有させる。ただし、多過ぎる含有は合金の熱間加工性および溶接性を低下させる。したがって、所望により含有させるZrの含有量は0.2%以下とする。なお、上記作用を十分に得るためには、0.001%以上含有するのが望ましく、さらに0.02%以上含有するのが一層望ましい。また上記と同様の理由により、さらに上限を0.08%とするのが望ましい。
HfはB、Zrと同様に結晶粒界に偏析して高温特性に寄与するので所望により含有させる。ただし、多過ぎる含有は合金の熱間加工性が低下させる。したがって、所望により含有させるHfの含有量は0.8%以下とする。なお、上記作用を十分に得るためには、0.05%以上含有するのが望ましく、さらに0.1%以上含有するのが一層望ましい。また上記と同様の理由により、さらに上限を0.5%とするのが望ましい。
Mgは主にSと結合して硫化物を形成し、熱間加工性を高める効果があるので所望により含有させる。ただし、多すぎる含有は逆に粒界脆化を招き、熱間加工性および溶接性を著しく低下させる。従って、Mgの含有量は0.01%以下の範囲に限定する。なお、上記作用を十分に得るため、Mg含有量を0.0005%以上とするのが望ましい。
Siは脱酸材として合金溶解時に所望により添加される。しかしながら、多すぎる添加は合金の延性を低下させると共に、偏析性および溶接性を悪化させる。従って、Siの含有量は0.3%以下に限定するのが望ましい。なお、同様の理由により、0.1%未満とするのが一層望ましく、0.05%未満とするのが一層望ましい。
ここで、炭化物面積率比率について、その限定理由を説明する。
Ni基超合金では、時効処理により、粒内にγ’相が析出し、強度が向上するが、粒内の強度が増加した場合には、粒内と比較して相対的に結晶粒界の強度が低くなってしまうため、結晶粒界で破断が生じ、延性が低下する。そのため、多くのNi基超合金では結晶粒界に炭化物を析出させて、結晶粒界を強化し、粒内強度と粒界強度をバランスさせて強度と延性を向上させる。しかしながら、室温における延性、靭性と高温における延性、クリープ強度では、機械的特性を向上させるために必要となる粒界炭化物の析出量は異なっている。つまり、高温延性、クリープ強度には、炭化物の析出量は多い方が有効だが、炭化物が多すぎると室温延性、靭性は大きく低下する。本発明によれば、粒内、および結晶粒界に析出する炭化物の析出量の比率を制御することによって、特許文献1で示されるNi基超合金の室温、高温での強度・延性の何れも低下させることなく、室温の延性、靭性を向上させることが可能となる。なお、炭化物の面積率比率は、ある平面における粒内と結晶粒界の炭化物のそれぞれの面積率から以下の式で算出することができる。
炭化物面積率比率=結晶粒界の炭化物の面積率/粒内の炭化物の面積率・・(1)
炭化物の析出は溶体化処理前の鍛造工程における加熱、冷却過程で生じる。鍛造後の冷却速度が十分遅い場合には、母相中に固溶していた炭素原子は炭化物として析出し、その殆どが消費される。その後に実施する溶体化処理は、通常、加工組織を再結晶させるとともに、凝固時に生成した1次炭化物を除く他の殆どの析出相を一旦母相に固溶させ、その後の時効処理で均一な組織を得るために実施する。ここで、鍛造工程中に析出した炭化物も母相に再固溶し、その後の時効によって再結晶した結晶粒界に炭化物として再析出する。本発明の組成においては、溶体化処理温度が1050℃未満だと鍛造工程にて析出した炭化物は十分に固溶せず、時効後の結晶粒界に析出する炭化物の析出量が少なくなり、炭化物面積率比率が0.6未満になる。一方、1120℃より高い温度では、鍛造工程中に析出した炭化物が過剰に固溶するため、その後の時効において、結晶粒界に析出する炭化物の析出量が多くなり、炭化物面積率比率が3.0よりも大きくなる。したがって、溶体化処理温度は1050〜1120℃であることが望ましい。また、溶体化処理で十分な効果を得るためには1時間以上保持する必要がある。しかし、20時間以上の保持は逆に炭化物の析出量を増加させるため、保持時間は1〜20時間の範囲とすることが望ましい。なお、大型の鍛鋼品では、外表部と中心部で均熱に要する時間が異なるため、保持時間は材料の大きさに合わせて1〜20時間の範囲で設定することができる。
2段目の時効:700〜780℃、1〜50時間(1段目の時効温度より低い温度)
時効処理における加熱温度と加熱時間は、γ’相の析出の他に、最終時効後の結晶粒界にM23C6が点在して、その間にMCを存在させることにより、長時間組織安定性を向上させることが可能な条件とした。なお、MCの析出量としては、ある一断面を見た例として、結晶粒径100μmの結晶粒界にMCが数100〜1000個程度析出していることが望ましい。MCの析出量が少ないと、M23C6の間にMCが存在しなくなり、長時間の使用によって、M23C6の凝集・粗大化が促進され、室温の延性、および靭性が低下する。
本発明のNi基合金材は常法により溶製することができ、その製造方法が特に限定をされるものではない。ただし、本発明に用いる合金は、Mn、P、S、O、Nの不純物をできる限り含有しないのが望ましく、したがって、好適には、VIM−ESRプロセスをとる所謂ダブルメルト法、あるいはVIM−ESR−VARプロセスをとる所謂トリプルメルト法などの溶解法が望ましい。なお、好適には、それぞれ、Mn:0.2%以下、P:0.01%以下、S:0.005%以下、O:30ppm以下、N:60ppm以下が望ましい。
上記熱間鍛造後に、再結晶温度以上に加熱して溶体化処理を行う。この溶体化処理は、例えば1050〜1120℃において行う。溶体化処理時間としては、材料の大きさ、形状などに応じて、適宜の時間(例えば1〜20時間)を設定する。溶体化処理は、既知の加熱炉を用いて行うことができ、本発明としては加熱方法や加熱設備が特に限定されるものではない。溶体化処理後には、空冷などにより冷却する。
なお、第1回目の時効処理から第2回目の時効処理にかけては、炉冷、あるいはファン冷却などによって冷却をして、連続的に行うのが望ましく、その際の冷却速度は10℃/時間以上とするのが望ましい。
第2回目の時効処理は、例えば700〜780℃の温度で1〜50時間行われる。
第2回目の時効処理後は、特に冷却速度が限定されるものではなく、放冷、強制冷却などにより冷却することができる。なお、本発明方法では、上記のように第1回目、第2回目の時効処理について規定をしているが、それ以降の時効処理を排除するものではなく、必要に応じて第3回目以降の時効処理を施すことも可能である。
表1の組成(残部Niおよび不可避不純物)の供試材(供試材No.a〜c)を真空誘導溶解炉(VIM)によって50kg鋳塊に溶製した。該試験鋳塊を拡散処理後、熱間鍛造を行い、熱間鍛造にて厚さ30mmの板材とした。その板材に表2の熱処理を施した後、引張試験片(平行部直径φ6mm、評点距離30mm)を採取し、室温および700℃でそれぞれ引張試験を行った。
さらに、表2の熱処理を施した板材からサイコロ状の試料を採取し、鏡面研磨を行った後、王水を用いて腐食を行い、炭化物を現出させた。その腐食後の試料の表面から、ランダムで40視野(42×32μm)の走査電子顕微鏡(SEM)観察(倍率3000倍)を行い、得られたSEM像を画像解析(円相当径で200nm以上)することによって、表面断面における粒内と結晶粒界の炭化物の平均面積率をそれぞれ求め、前記(1)式により炭化物面積率比率を算出した。
表2に、各供試材における炭化物面積率比率を示した。なお、表2の冷却条件において、表中の(連続)は1段目の時効から2段目の時効までの冷却を連続的に行ったことを示している。また、表中のA.Cは、空冷を示している。
図1から、供試材の炭化物面積率比率を0.6〜3.0の範囲内にした発明材(試験材No.1〜10)は、室温、700℃の延性が両方とも良好であり、700℃における引張強さも比較材よりも優れていることが確認された。
一方、炭化物面積率比率が3.0よりも高い比較材12、14、17、18では、図1に示すように、室温延性が発明材よりも大幅に低かった。また、炭化物面積率比率が0.6未満である比較材11、13、15、16、19では、いずれも700℃の延性が発明材よりも大幅に低かった。このように、発明材は比較材よりも室温、高温の機械的特性が大幅に改善されていることが確認された。
なお、走査型電子顕微鏡写真において、白くなっている部分が炭化物を示している。
発明材である試験材No.1は、比較材である試験材No.11、試験材No.12と比べて、結晶粒界の炭化物の形態が異なっており、結晶粒界にM23C6が点在して、その間にMCが存在していることが分かる。一方、試験材No.11では、MCが粒界に連なって存在しており、M23C6は、所々に見られるに過ぎない。また、試験材No.12では、M23C6が粒界に連なって存在している。
本発明材である試験材No.1は熱処理後、700℃×10000時間の加熱後でも室温、700℃の伸びは殆ど変化しておらず、長時間組織安定性が高いことが確認された。一方、比較材である試験材No.11では、熱処理後、700℃×10000時間加熱後の室温、700℃の伸びの変化は殆どないものの、700℃における伸びが発明材と比較して大幅に低かった。また、試験材No.12は700℃×10000時間の加熱後に室温伸びが大幅に低下した。これはM23C6の凝集・粗大化によるものであると考えられる。
このように本発明材のNi基超合金は、炭化物面積率比率を適正化し、さらに結晶粒界にM23C6が点在して、その間にMCが存在した炭化物の形態にすることで、室温、高温、さらに長時間時効後において良好な機械的特性が得ることが可能である。
Claims (8)
- 質量%で、C:0.005〜0.15%、Cr:8〜22%、Co:5〜30%、Mo:1〜9%未満、W:5〜20%、Al:0.1〜2.0%、Ti:0.3〜2.5%、B:0.015%以下、Mg:0.01%以下を含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなるNi基超合金材の最終時効後の組織において、以下の式(1)で定義する結晶粒界、および結晶粒内に析出している炭化物の表面断面における面積率の比率(炭化物面積率比率)が、0.6〜3.0であることを特徴とするNi基超合金材。
炭化物面積率比率=結晶粒界の炭化物の面積率/結晶粒内の炭化物の面積率・・(1) - 質量%で、さらに、Zr:0.2%以下、Hf:0.8%以下の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1記載のNi基超合金材。
- さらに、質量%で、Nb含有量+1/2Ta含有量≦1.5%の条件で、NbとTaの1種または2種とを含有することを特徴とする請求項1または2に記載のNi基超合金材。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のNi基超合金材からなることを特徴とするタービンロータ。
- 請求項1〜3記載のいずれか1項に記載の組成を有するNi基超合金を鍛造する鍛造工程後、溶体化処理を1050〜1120℃、1〜20時間の条件で実施した後、770〜830℃、1〜50時間の条件で1段目の時効を行い、その後、1段目の時効温度よりも低い温度で、さらに700〜780℃、1〜50時間の条件で2段目の時効を行うことを特徴とするNi基超合金材の製造方法。
- 請求項1〜3記載のいずれか1項に記載の組成を有するNi基超合金を鍛造する鍛造工程後、溶体化処理を1050〜1120℃、1〜20時間の条件で実施した後、770〜830℃、1〜50時間の条件で1段目の時効を行って結晶粒界にMC炭化物を析出させ、その後、前記1段目の時効温度よりも低い温度で、700〜780℃、1〜50時間の条件で2段目の時効を行って結晶粒界にM23C6を析出させることにより、最終時効後の結晶粒界に、前記M23C6が点在し、その間に前記MC炭化物が存在した組織にすることを特徴とするNi基超合金材の製造方法。
- 前記1段目の時効後に10℃/時間以上の冷却速度で前記2段目の時効温度まで冷却し、連続して700〜780℃、1〜50時間で前記2段目の時効を行うことを特徴とする請求項5または6に記載のNi基超合金材の製造方法。
- 請求項5〜7記載のいずれか1項に記載の製造方法を製造工程として含むことを特徴とするタービンロータの製造方法。
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