JP2012219326A - 希土類元素の分離回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来技術よりも更に高収率で希土類元素の分離回収が可能な方法を提供する。
【解決手段】本発明は、複数種の希土類元素を分離回収する方法であって、前記複数種の希土類元素のハロゲン化物を含む混合物に対して酸素源の存在下で化学反応させることにより、または前記複数種の希土類元素の酸化物を含む混合物に対してハロゲン源の存在下で化学反応させることにより第1群の希土類元素の希土類ハロゲン化物と第2群の希土類元素の希土類オキシハライドとを化学平衡状態に到達させる工程と、前記希土類ハロゲン化物と前記希土類オキシハライドとを水中に投入することにより前記希土類ハロゲン化物を選択的に水に溶解させて液相中に抽出し、前記希土類オキシハライドを固相として残存させる工程と、前記希土類ハロゲン化物が抽出された液相と残存した前記希土類オキシハライドの固相とを固液分離することによって前記第1群の希土類元素と前記第2群の希土類元素とを分離する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、希土類元素を分離回収する技術に関し、特に、複数種の希土類元素を含む組成物から希土類元素を分離回収する方法に関するものである。
近年、持続的な地球環境保護の重要性が認識され、化石燃料の使用を最小化できる産業システムや交通システム等の開発が精力的に行われている。そのような環境適合型のシステム・製品としては、例えば、風力発電システム、鉄道システム、ハイブリッド自動車、電気自動車、省エネルギーエアコンなどが挙げられる。
これらの環境適合型システム・製品の主要デバイスの1つに高効率回転電機(モータや発電機)があり、この高効率回転電機には希土類元素を含む磁石(いわゆる、希土類磁石)が広く使用されている。例えば、ハイブリッド自動車の駆動モータや空調機のコンプレッサーなどの回転電機に用いられる希土類磁石は、高温環境(例えば、約200℃)でも高い保磁力を有することが要求され、ネオジム、鉄、ホウ素に加えて高価な重希土類元素(例えば、ジスプロシウム)を多く含んでいる。希土類磁石は、今やなくてはならない存在となっており、今後も需要の拡大が予想されている。
一方、希土類元素は、単独の元素を分離精製することが難しく高価であることから、磁石の性能を維持しつつ使用量を削減する技術や代替材料の開発が鋭意検討されている。しかしながら、それら技術の実用化にはまだまだ時間が掛かる様子である。そのため、廃材(例えば、廃棄モータ中の希土類磁石や、希土類磁石の生産工程中で発生する削り粉(スラッジ)等)から希土類元素を分離回収してリサイクルすることは重要な技術である。
例えば、特許文献1には、複数の希土類元素又はその化合物を含む混合物中の希土類元素をハロゲン化することにより、2種以上の希土類イオンの平均価数が2以上3以下の2価3価混合希土類ハロゲン化物であって、水溶液又は有機溶媒に溶解した状態でないものを含む混合物を製造し、その後、2価希土類ハロゲン化物と3価希土類ハロゲン化物の性質の違いを利用して、前記複数の希土類元素を、少なくとも2つの群に分離することを特徴とする希土類元素の分離方法が提案されている。特許文献1によると、希土類元素間の分離係数を飛躍的に増大でき、従来の方法と比較して相互分離を効率よく行うことができるとされている。さらに、リン酸塩などの希土類精鉱から分離する場合、従来の湿式法では必要不可欠である精鉱の酸溶解、ろ過、不純物の沈殿除去、濃縮、中和、乾燥といった工程を省略でき、分離コストを大幅に低減できるとされている。
また、特許文献2には、希土類元素と鉄族元素を含んだ物質から希土類元素を回収する方法であって、気体もしくは溶融状態の鉄塩化物に、希土類磁石のスクラップもしくはスラッジ等、希土類元素と鉄族元素を含んだ物質を接触させ、前記物質中の鉄族元素の金属状態を保ったまま前記物質中の希土類元素の塩化反応を進行させて、前記物質中から希土類元素を塩化物として選択的に回収する工程を有することを特徴とする希土類元素の回収方法が提案されている。特許文献2によると、希土類磁石のスクラップもしくはスラッジ等、希土類元素と鉄族元素を含む物質、特に廃棄物から、高純度の希土類成分のみを抽出・分離することが可能となり、より低コストの希土類磁石リサイクル法を確立できるとされている。
特開2001−303149号公報 特開2003−73754号公報
前述したように、希土類磁石は今後も需要の拡大が予想されている。一方で、希土類磁石の原料となるネオジムやジスプロシウムなどの希土類元素は地球上に偏在しており、原料の安定的確保の観点および資源の有効活用の観点から、希土類元素を分離回収・リサイクルする技術が以前よりも増して重要になってきている。
したがって、本発明の目的は、従来技術よりも更に高収率で希土類元素の分離回収が可能な方法を提供することにある。
(I)本発明の1つの態様は、上記目的を達成するため、複数種の希土類元素を分離回収する方法であって、前記複数種の希土類元素のハロゲン化物を含む混合物に対して酸素源の存在下で化学反応させることにより第1群の希土類元素の希土類ハロゲン化物と第2群の希土類元素の希土類オキシハライドとを化学平衡状態に到達させる工程と、前記希土類ハロゲン化物と前記希土類オキシハライドとを水中に投入することにより前記希土類ハロゲン化物を選択的に水に溶解させて液相中に抽出し、前記希土類オキシハライドを固相として残存させる工程と、前記希土類ハロゲン化物が抽出された液相と残存した前記希土類オキシハライドの固相とを固液分離することによって前記第1群の希土類元素と前記第2群の希土類元素とを分離する工程とを有することを特徴とする希土類元素の分離回収方法を提供する。なお、本発明において、希土類ハロゲン化物とは、希土類元素のフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物を意味し、一般化学式REX3(RE:希土類元素、X:ハロゲン元素)で表わされるものとする。また、希土類オキシハライドは、一般化学式REOX(O:酸素)で表わされるものとする。
(II)本発明の他の態様は、上記目的を達成するため、複数種の希土類元素を分離回収する方法であって、前記複数種の希土類元素の酸化物を含む混合物に対してハロゲン源の存在下で化学反応させることにより第1群の希土類元素の希土類ハロゲン化物と第2群の希土類元素の希土類オキシハライドとを化学平衡状態に到達させる工程と、前記希土類ハロゲン化物と前記希土類オキシハライドとを水中に投入することにより前記希土類ハロゲン化物を選択的に水に溶解させて液相中に抽出し、前記希土類オキシハライドを固相として残存させる工程と、前記希土類ハロゲン化物が抽出された液相と残存した前記希土類オキシハライドの固相とを固液分離することによって前記第1群の希土類元素と前記第2群の希土類元素とを分離する工程とを有することを特徴とする希土類元素の分離回収方法を提供する。
また、本発明は、上記の希土類元素の分離回収方法(I),(II)において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(i)前記ハロゲンが塩素である。
(ii)前記第1群の希土類元素としてネオジムを含み、前記第2群の希土類元素としてジスプロシウムを含む。
(III)本発明の更に他の態様は、上記目的を達成するため、複数種の希土類元素を分離回収する方法であって、前記複数種の希土類元素、鉄、ホウ素を含有する化合物に対して塩化鉄を用いて塩化することにより塩化物を含む混合物を生成する工程と、前記塩化物を含む混合物に対して蒸留することにより前記塩化物を含む混合物から前記複数種の希土類元素の塩化物の混合物を分離する工程と、前記複数種の希土類元素の塩化物の混合物に対して酸素源の存在下で化学反応させることにより第1群の希土類元素の希土類塩化物と第2群の希土類元素の希土類オキシ塩化物とを化学平衡状態に到達させる工程と、前記希土類塩化物と前記希土類オキシ塩化物とを水中に投入することにより前記希土類塩化物を選択的に水に溶解させて液相中に抽出し、前記希土類オキシ塩化物を固相として残存させる工程と、前記希土類塩化物が抽出された液相と残存した前記希土類オキシ塩化物の固相とを固液分離することによって前記第1群の希土類元素と前記第2群の希土類元素とを分離する工程とを有することを特徴とする希土類元素の分離回収方法を提供する。
(IV)また、本発明の更に他の態様は、上記目的を達成するため、複数種の希土類元素を分離回収する方法であって、前記複数種の希土類元素、鉄、ホウ素を含有する化合物に対して焙焼処理を施す工程と、焙焼処理を施した前記化合物を酸に浸して前記複数種の希土類元素を選択的に酸浸出する工程と、酸浸出液から前記複数種の希土類元素の沈殿物を生成する工程と、前記沈殿物から前記複数種の希土類元素の酸化物の混合物を生成する工程と、前記複数種の希土類酸化物の混合物に対して塩素源の存在下で化学反応させることにより第1群の希土類元素の希土類塩化物と第2群の希土類元素の希土類オキシ塩化物とを化学平衡状態に到達させる工程と、前記希土類塩化物と前記希土類オキシ塩化物とを水中に投入することにより前記希土類塩化物を選択的に水に溶解させて液相中に抽出し、前記希土類オキシ塩化物を固相として残存させる工程と、前記希土類塩化物が抽出された液相と残存した前記希土類オキシ塩化物の固相とを固液分離することによって前記第1群の希土類元素と前記第2群の希土類元素とを分離する工程とを有することを特徴とする希土類元素の分離回収方法を提供する。
また、本発明は、上記の希土類元素の分離回収方法(III),(IV)において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(iii)前記複数種の希土類元素としてネオジムとジスプロシウムとを含む。
(iv)前記希土類塩化物はネオジム塩化物であり、前記希土類オキシ塩化物はジスプロシウムオキシ塩化物である。
本発明によれば、従来技術よりも高収率で希土類元素の分離回収が可能な方法を提供できる。その結果、希土類磁石の廃棄物(例えば、不用品、不良品、スラッジ等)から希土類元素(例えば、ネオジム、ジスプロシウム等)を高精度に分離することができ、分離した希土類元素を原料として再生することができる。これにより、資源の有効活用および希土類原料の安定的確保に貢献できる。
727℃(1000 K)におけるネオジム−酸素−塩素(Nd-O-Cl)系化学ポテンシャル図とジスプロシウム−酸素−塩素(Dy-O-Cl)系化学ポテンシャル図を重ねて示した平衡状態図である。 希土類元素と他元素との分離工程に用いる蒸留装置の一例で分離工程直後の状態を示す断面模式図である。 実施例1で得られた粉末X線回折パターンの一例を示すチャートである。 水に溶解した希土類元素(Nd,Dy)の濃度と蒸留温度との関係を示すグラフである。 図4より求められるNdの濃度比(Nd/(Nd+Dy))と蒸留温度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。なお、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。
[希土類元素分離方法の基本原理]
まず、本発明における希土類元素の分離方法の基本原理を述べる。ここでは、一例としてネオジムとジスプロシウムの塩化物を用いた場合の分離を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、727℃(1000 K)におけるネオジム−酸素−塩素(Nd-O-Cl)系化学ポテンシャル図とジスプロシウム−酸素−塩素(Dy-O-Cl)系化学ポテンシャル図を重ねて示した平衡状態図である。図1において、実線はネオジムの化学ポテンシャル図であり、破線はジスプロシウムの化学ポテンシャル図である。図1に示したように、いずれの場合も、酸素ポテンシャルが高く塩素ポテンシャルが低い領域では酸化物(RE2O3)が安定であり、塩素ポテンシャルが高く酸素ポテンシャルが低い領域では塩化物(RECl3またはRECl2)が安定であり、酸素ポテンシャルが低く塩素ポテンシャルも低い領域では金属(RE)が安定となっている。また、酸化物の安定領域と塩化物の安定領域との間には、オキシ塩化物(REOCl)の安定領域が存在する。
ここで、図1に示したABCDEに囲まれた領域では、ネオジムは三価の塩化物(NdCl3)が安定であり、ジスプロシウムはジスプロシウムオキシ塩化物(DyOCl)が安定である。従って、このABCDE領域内に入るように塩素と酸素のポテンシャルを制御できれば、ネオジム塩化物とジスプロシウムオキシ塩化物を共存させることが可能となる。
このABCDE領域内に入るように塩素と酸素のポテンシャルを固定する方法の一例として、出発原料としてNdCl3およびDyCl3の混合物を用い、脱塩素剤としてマグネシウム(Mg)を用いてルツボ内で混合し、適当な酸素源の存在下で化学反応させる場合について述べる。図1の平衡状態図には、下記の化学式(1)、化学式(2)に基づくMg/MgCl2平衡線とMg/MgO平衡線とが太い実線にて示されている。なお、MgO/MgCl2平衡線も存在するが、本発明では金属Mgが共存する系を中心に考えることとし、図1では割愛した。
Figure 2012219326
Figure 2012219326
図1における化学式(1)に基づく平衡線と化学式(2)に基づく平衡線との交点、すなわちMg/MgCl2/MgOの三相平衡点(点F)に着目する。この三相平衡点では、NdとDyはそれぞれNdCl3とDyOClが安定状態であることが判る。ここで、DyCl3→DyOClの化学反応を実現するための重要な条件を考えると、DyCl3が反応系内の酸素を適切に取り込むこと、およびDyCl3からの脱塩素反応が十分に進行することが挙げられる。脱塩素反応を十分に進行させるためには、化学式(1)の反応がスムーズに右辺に進行するようにMgを当量よりも過剰に加えてMgの活量の低下を抑制することが望ましい。
一方、酸素源としては、塩化物に吸着した水分、ルツボ表面に存在するであろう酸化物、ロータリーポンプ等による排気では除去しきれないで残存する酸素ガス等が挙げられる。本発明においては、これら酸素源の量を厳密に制御しなくても、過剰のMgが存在すれば、酸素はMgOとして固定されるので、Mg/MgCl2/MgOの三相平衡点(点F)に系のポテンシャルを制御することができる。
上記条件下で化学反応を進めると、反応終了後には主にMg、MgCl2、NdCl3、DyOClが残渣として残存することとなる。この残渣のうち、MgおよびMgCl2は蒸気圧が高いため、ロータリーポンプ等で排気・蒸留することにより系外に排出することができる。その結果、NdCl3とDyOClとがルツボ中に残存する。
次に、NdCl3とDyOClとからなる残渣を水中に投入する。NdCl3は水に可溶であるがDyOClは不溶であるため、これら残渣を水中に投入すると、NdCl3のみが水に溶解し(液相中に抽出され)、DyOClは固相として残存する。これを固液分離することによりネオジムとジスプロシウムとを分離回収することができる。
[希土類元素とその他元素の分離工程]
次に、希土類磁石のような希土類元素と他の元素との化合物から、ネオジムとジスプロシウムを分離する方法について述べる。まず、ネオジム、ジスプロシウム、鉄、ホウ素を主成分として含有する希土類磁石から塩化ネオジムおよび塩化ジスプロシウムの混合物を得る手順について説明する。なお、該希土類磁石には希土類元素の他の一つであるプラセオジムがしばしば含まれるが、ネオジムとプラセオジムの物理的・化学的挙動は非常に似ているため、ここではプラセオジムはネオジム側に随伴すると考える。
希土類元素と他元素との分離工程(手順)は、特許文献2に開示された工程と基本的に同様であるが、具体的には次のとおりである。元素の分離に供する希土類磁石としては、前述したように廃棄物(例えば、不用品、不良品、スラッジ等)を用いることが好ましく、分離回収効率(化学反応効率)の観点から粉末状であることが好ましい。以下では、希土類磁石のスラッジ粉末からの分離を例として説明する。
図2は、希土類元素と他元素との分離工程に用いる蒸留装置の一例で分離工程直後の状態を示す断面模式図である。図2に示したように、蒸留装置20は、縦型の炉心管4の外周に上下2段のヒータ(上段ヒータ1、下段ヒータ2、熱電対3,3’)を有する円筒縦型電気炉を基本構造としている。炉心管4は、内部を排気・ガス置換できるように、排気口5、ガス導入口6、上部蓋7を有している。排気口5は、ロータリーポンプ等(図示せず)に接続されている。なお、図2では、有底の炉心管4を図示したが、下部蓋で封じる構成であってもよい。また、排気口5やガス導入口6の設置箇所も特に限定されない。
炉心管4の内部には、下段ヒータ2の領域内に高温側回収部8が設置され、上段ヒータ1の領域内に低温側回収部9が配設される。蒸留分離する材料を入れたルツボ10は、高温側回収部8の底に設置される。
はじめに、乾燥機等を用いて乾燥させたスラッジ粉末を解砕する。その後、解砕したスラッジ粉末、黒鉛粉末および化学量論量よりも過剰の二塩化鉄(FeCl2)を混合し、ルツボ10内に充填する。ルツボ10を高温側回収部8の底に設置し、蒸留装置20の炉心管4内に挿入する。炉心管4の内部を真空排気しアルゴンガス等の不活性ガスで置換した後、不活性ガスを流しながら700〜900℃で加熱処理する。この加熱処理の結果、ルツボ10内の混合材料が化学反応し、ルツボ10内に希土類塩化物、未反応の二塩化鉄、鉄または鉄族元素の合金の混合物が得られる(塩化物を含む混合物を生成する工程)。なお、希土類磁石スラッジ粉末中に固定されていた酸素成分は黒鉛粉末(炭素成分)によってガス化され、発生したガスは流気の不活性ガスによって系外に排出される。
次に、得られた希土類塩化物、二塩化鉄、鉄または鉄族元素の合金の混合物に対して、ロータリーポンプで減圧しながら加熱することにより蒸留分離を行う。このとき、上段ヒータ1の温度(低温側回収部9の最高温度)を400〜500℃に保持し、下部ヒータ2の温度(高温側回収部8の最高温度)を700〜1100℃に保持することが好ましい。この蒸留分離の結果、低温側回収部9内に二塩化鉄の凝縮相が形成され、高温側回収部8内に希土類塩化物の凝縮相が形成され、ルツボ10内に鉄および鉄族元素の合金が残渣として残存する(複数種の希土類元素の塩化物の混合物を分離する工程)。高温側回収部8内の凝縮相を回収すると、複数種の希土類塩化物の混合物が得られる。本事例の場合、具体的にはネオジム塩化物およびジスプロシウム塩化物の混合物が得られる。
[複数種の希土類元素の分離工程]
次に、上記で回収した複数種の希土類塩化物の混合物から希土類元素を相互に分離する工程について説明する。この工程においても図2に示した蒸留装置20を使用することができる。回収した複数種の希土類塩化物の混合物と当量よりも過剰量の金属マグネシウム(Mg)とを混合し、モリブデン製のルツボ10内に充填する。この際、希土類塩化物は吸湿性に富んでいるので、必要以上の吸湿を避けるために秤量・混合・充填は乾燥した環境内(例えば、乾燥室、グローブボックス等)で手早く行うことが望ましい。また、化学反応させる系内の過剰の酸素を除去するために黒鉛粉末を添加してもよい。
充填したルツボ10を高温側回収部8の底に設置し、蒸留装置20の炉心管4内に挿入する。炉心管4の内部を真空排気しアルゴンガス等の不活性ガスで置換した後、、不活性ガスを流しながら700〜900℃で6〜24時間の加熱処理を施す。この加熱処理の結果、ルツボ10内の混合材料が化学反応し、ルツボ10内にジスプロシウムオキシ塩化物および塩化マグネシウムが生成物として得られ、ネオジム塩化物および金属マグネシウムが未反応物として得られる(第1群の希土類元素の希土類塩化物と第2群の希土類元素の希土類オキシ塩化物とを化学平衡状態に到達させる工程)。
上記の化学反応が化学平衡状態に到達した後、炉体を高温に保ったままロータリーポンプで真空排気することにより蒸留分離を行う。このとき、上段ヒータ1の温度を400〜500℃に保持し、下段ヒータ2の温度を900〜1100℃に保持することが好ましい。この蒸留分離の結果、低温側回収部9内に金属マグネシウムの凝縮相12と塩化マグネシウムの凝縮相13とが形成され、ルツボ10内にネオジム塩化物とジスプロシウムオキシ塩化物とが主たる残渣成分として残存する。
蒸留分離の後、蒸留装置20を室温まで冷却する。ルツボ10内に残存した残渣を純水中に投入し撹拌する。その結果、ネオジム塩化物が優先的に純水中に溶解して抽出され、ジスプロシウムオキシ塩化物は固相の残渣として残る(希土類塩化物を液相中に抽出し、希土類オキシ塩化物を固相として残存させる工程)。これにより、ネオジムを液相中に濃縮させることができる。次に、ネオジム塩化物が抽出された液相と残存したジスプロシウムオキシ塩化物の固相とを固液分離する(第1群の希土類元素と第2群の希土類元素とを分離する工程)。これにより、ネオジムとジスプロシウムとを分離することができる。
[希土類酸化物の合成工程]
上記で得られたネオジム塩化物水溶液に対してpH調整を行った後、沈殿剤(例えば、炭酸アンモニウム((NH4)2CO3)、炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、シュウ酸((COOH)2)、シュウ酸ナトリウム((COONa)2)、水酸化アンモニウム(NH4OH)等)を添加することにより水に難溶性のネオジム塩の沈殿物を生成させる。該沈殿物を濾過、乾燥した後、大気中900℃程度で焙焼することにより酸化ネオジムを回収することができる。
一方、上記で得られた固相のジスプロシウムオキシ塩化物に対しては、酸(希塩酸、希硝酸等)で溶解して該水溶液にpH調整を行った後、沈殿剤(例えば、炭酸アンモニウム((NH4)2CO3)、炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、シュウ酸((COOH)2)、シュウ酸ナトリウム((COONa)2)、水酸化アンモニウム(NH4OH)等)を添加することにより水に難溶性のジスプロシウム塩の沈殿物を生成させる。該沈殿物を濾過、乾燥した後、大気中900℃程度で焙焼することにより酸化ジスプロシウムを回収することができる。
[希土類金属への還元工程]
上記で回収された酸化ネオジムおよび酸化ジスプロシウムに対して、フッ化物浴等を用いた溶融塩電解を行うことにより金属ネオジムおよび金属ジスプロシウムに還元することができる。これら希土類金属は、希土類磁石の原料として再利用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
希土類酸化物の混合物からの分離・回収を検討した。希土類酸化物の出発原料としてネオジム酸化物(Nd2O3)粉末とジスプロシウム酸化物(Dy2O3)粉末とを用い、塩素源の出発原料として無水ジスプロシウム塩化物(DyCl3)粉末を用いた。出発原料の粉末試薬は、いずれも(株)高純度化学研究所製の3Nグレードのものを用いた。乾燥室内で2.5 mmol(0.84 g)のNd2O3粉末と、2.5 mmol(0.93 g)のDy2O3粉末と、5.0 mmol(1.34 g)のDyCl3粉末とを秤量・混合して、ステンレス製の反応容器中に窒素雰囲気下で投入・密封した。密封は、ステンレス製反応容器に蓋をし、アルゴン溶接することによって行った。
原料粉末を密封した反応容器を電気炉中に入れ、800℃で6時間の加熱処理により化学反応させ、室温まで放冷した。室温になった反応容器を電気炉から取り出し、反応容器をパイプカッター等で切断し、化学反応後の粉末の一部を反応容器から水中に素早く投入してスターラで撹拌した。一方、化学反応後の粉末の残部に対して粉末X線回折測定を行い結晶相の同定を行った。粉末X線回折測定の結果を図3に示す。図3は、実施例1で得られた粉末X線回折パターンの一例を示すチャートである。
図3に示したように、化学反応後の粉末のX線回折パターンからは、NdCl3・6H2OとDyOClとが同定されたが、希土類酸化物および塩素源の出発原料として用いたNd2O3、Dy2O3、DyCl3のピークは観察されなかった。すなわち、希土類酸化物と塩素源との混合粉末は加熱処理により化学反応して、希土類塩化物と希土類オキソ塩化物との混合物に変化していることが確認された。なお、塩化ネオジムが六水和物となっていたが、これは反応容器からサンプリング後、粉末X線回折測定までの間に吸着したものと考えられる。
一方、水中に投入した試料において、不溶解成分を濾別した後、濁りのない濾液に対してNd成分とDy成分とをICP-AES法(誘導結合プラズマ発光分光分析法)により定量分析した。その結果、Nd濃度が900 mg/Lで、Dy濃度が700 mg/Lと検出された。本実施例では、原料粉末には金属換算で5 mmol(0.72 g)のNdと、10 mmol(1.63 g)のDyとが混合されていることから、NdとDyとが等価に溶出する場合の溶出量は質量比でNd:Dy=31:69となるはずである。それに対し、上記の結果は質量比でNd:Dy=56:44となっており、ネオジム塩化物の方が選択的に水中に抽出されることが確認された。
[実施例2]
希土類塩化物の混合物からの分離・回収を検討した。希土類塩化物の出発原料として(株)高純度化学研究所製の無水NdCl3粉末と無水DyCl3粉末とを用い、マグネシウムの出発原料として和光純薬工業(株)製の金属Mg粉末(粒径:0.5 mm程度、純度:99.93%)を用いた。乾燥室内でNdCl3粉末とDyCl3粉末とを各2.5 g秤量し、Mg粉末を5.0 g秤量してモリブデン製のルツボ10内に充填した。これらの粉末を薬匙で撹拌・混合した後、高温処理した黒鉛粉末0.2 gを別途秤量して先に仕込んだ希土類塩化物粉末を覆うようにして投入した。乾燥室内にデシケータを予め準備しておき、原料粉末を仕込んだルツボを該デシケータ内に一旦封入した。
このデシケータを図2に示した蒸留装置20の近くまで持っていき、デシケータの蓋を開封後、直ちにルツボ10を取り出して高温側回収部8の底に設置し、蒸留装置20のインコネル製の炉心管4内に挿入した。続けて、直ちに炉心管4を上部蓋7で封じ、排気口5を介してロータリーポンプにて炉心管4内を減圧した。なお、デシケータ開封後の操作はいずれも手早く行ったが、酸素源となる空気中水分が、原料粉末やルツボ表面、蒸留装置の内壁にいくらか付着したと考えられる。
次に、蒸留装置20を300℃に昇温し12時間以上保持して、原料粉末と炉心管4内とを真空加熱乾燥した後、アルゴンガスを導入して系内を大気圧とした。炉心管4内、ガス導入口6等に残留する余剰の酸素を極力除去するため、更にガスの排気・導入の操作を5回繰り返した。アルゴンガス導入後はガス気流を保持した。その後、アルゴン気流雰囲気下で下段ヒータ2の温度を800℃とし、上段ヒータ1の温度を400℃として6時間保持し、原料粉末を化学反応させた。
その後、そのままの温度を維持しながらロータリーポンプで3時間真空排気して、ルツボ10内に残存すると考えられる過剰なMgと反応生成物のMgCl2との蒸留分離を行った。蒸留分離の後、真空に排気したまま蒸留装置20を室温まで冷却した。同様の手順により、下段ヒータ2の温度を900℃とし上段ヒータ1の温度を450℃とした条件の場合、および下段ヒータ2の温度を1000℃とし上段ヒータ1の温度を500℃とした条件の場合を別途行った。
室温に冷却後、蒸留装置20からルツボ10を取り出してサンプリングを行った。ルツボ10内の残渣を0.5 g量り取り、純水50 mL中に素早く投入してスターラで24時間撹拌した。このとき、蒸留温度(高温側回収部8の最高温度)が800℃の場合と900℃の場合には、顕著に気泡を発生して残渣の一部が溶解する様子が観察された。一方、蒸留温度が1000℃の場合は、気泡の発生が見られず残渣が溶解する様子は観察されなかった。
不溶解成分を濾別した後、濁りのない濾液に含有される希土類成分をICP-AES法により定量分析した。結果を図4,5に示す。図4は、水に溶解した希土類元素(Nd,Dy)の濃度と蒸留温度との関係を示すグラフである。図5は、図4より求められるNdの濃度比(Nd/(Nd+Dy))と蒸留温度との関係を示すグラフである。図4、図5から判るように、蒸留温度が1000℃の場合、濾液中にはNd、Dyとも検出されなかった。一方、蒸留温度が800℃と900℃の場合、溶液中にはDyに比べてNdが顕著に検出された。このときのNd濃度とDy濃度との比は、蒸留温度が800℃のときNd:Dy=87:13であり、900℃のときNd:Dy=89:11であった。
前述したように、本実施例では、希土類塩化物の仕込み組成はNdCl3とDyCl3とがそれぞれ2.5 gであることから(すなわち、Nd元素とDy元素の仕込みモル比は49:51であることから)。上記の結果は、Nd塩化物が顕著に水に溶解すること、Dyオキシ塩化物はNd塩化物と比較して水に溶解しにくく固相として残存しやすいことを示している。すなわち、ネオジムとジスプロシウムとを効率よく分離できることが確認された。
[実施例3]
ネオジム、ジスプロシウム、プラセオジム、鉄、ホウ素を含有する希土類磁石(RE2Fe14B)の廃材からの希土類元素の分離・回収を検討した。用いた希土類磁石の質量組成は、61.2%Fe-23.1%Nd-3.5%Dy-2.0%Pr-1.0%Bであった。該廃磁石は、製造工程でニッケルめっきを施した後、割れや欠け等が発生したため不良品となったものである。
はじめに、電気炉を用いて水素雰囲気中800℃で加熱することにより、廃磁石の粗粉砕を行った。上述したように、該廃磁石はニッケルめっきが施されていたが、ニッケルめっき膜は水素粉砕工程により剥離することが可能であるため、剥離後のめっき膜を篩選別によって磁石粉末と分離した。
得られた磁石粉末に対して塩素源としてFeCl2粉末を混合して鉄製のルツボ10に入れ、図2に示した蒸留装置20内に配置した。インコネル製の炉心管4内をロータリーポンプで排気した後アルゴンガスで置換し、下段ヒータ2の温度を800℃とし、上段ヒータ1の温度を400℃として10〜15時間保持し、磁石粉末の塩化反応を行った。その後、下段ヒータ2の温度を1000℃、上段ヒータ1の温度を500℃まで昇温し、ロータリーポンプで排気しながら3時間真空蒸留を行った。真空蒸留後、炉心管4内を真空に保ったまま炉冷した。
室温まで炉冷後、高温側回収部8および低温側回収部9の凝縮物付着状況を観察したところ、高温側回収部8の800〜500℃の領域には薄紫色粉状、薄緑色粉状、白色粉状の物質が凝縮し、低温側回収部9の500℃より低温の領域にはオレンジ色粉状の物質が凝縮していた。これらの凝縮物質は、一般的な室内に放置しておくと短時間で吸湿していく様子が観察された。一方、これらの凝縮物質を素早く回収しXRF装置(蛍光X線分析装置)で半定量分析したところ、800〜500℃の領域の凝縮物質は主に希土類元素(ネオジム、プラセオジム、ジスプロシウム)の化合物からなり、その含有率は98%であることが確認された。
上記で回収した希土類化合物の混合物に対して、前述の実施例1および/または実施例2と同様の処理を行えば、ネオジム、プラセオジム、ジスプロシウムを相互に分離することが可能である。
1…上段ヒータ、2…下段ヒータ、3,3’…熱電対、4…炉心管、5…排気口、
6…ガス導入口、7…上部蓋、8…高温側回収部、9…低温側回収部、10…ルツボ、
11,12,13…凝縮相、20…蒸留装置。

Claims (8)

  1. 複数種の希土類元素を分離回収する方法であって、
    前記複数種の希土類元素のハロゲン化物を含む混合物に対して酸素源の存在下で化学反応させることにより第1群の希土類元素の希土類ハロゲン化物と第2群の希土類元素の希土類オキシハライドとを化学平衡状態に到達させる工程と、
    前記希土類ハロゲン化物と前記希土類オキシハライドとを水中に投入することにより前記希土類ハロゲン化物を選択的に水に溶解させて液相中に抽出し、前記希土類オキシハライドを固相として残存させる工程と、
    前記希土類ハロゲン化物が抽出された液相と残存した前記希土類オキシハライドの固相とを固液分離することによって前記第1群の希土類元素と前記第2群の希土類元素とを分離する工程とを有することを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  2. 複数種の希土類元素を分離回収する方法であって、
    前記複数種の希土類元素の酸化物を含む混合物に対してハロゲン源の存在下で化学反応させることにより第1群の希土類元素の希土類ハロゲン化物と第2群の希土類元素の希土類オキシハライドとを化学平衡状態に到達させる工程と、
    前記希土類ハロゲン化物と前記希土類オキシハライドとを水中に投入することにより前記希土類ハロゲン化物を選択的に水に溶解させて液相中に抽出し、前記希土類オキシハライドを固相として残存させる工程と、
    前記希土類ハロゲン化物が抽出された液相と残存した前記希土類オキシハライドの固相とを固液分離することによって前記第1群の希土類元素と前記第2群の希土類元素とを分離する工程とを有することを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の希土類元素の分離回収方法において、
    前記ハロゲンが塩素であることを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の希土類元素の分離回収方法において、
    前記第1群の希土類元素としてネオジムを含み、前記第2群の希土類元素としてジスプロシウムを含むことを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  5. 複数種の希土類元素を分離回収する方法であって、
    前記複数種の希土類元素、鉄、ホウ素を含有する化合物に対して塩化鉄を用いて塩化することにより塩化物を含む混合物を生成する工程と、
    前記塩化物を含む混合物に対して蒸留することにより前記塩化物を含む混合物から前記複数種の希土類元素の塩化物の混合物を分離する工程と、
    前記複数種の希土類元素の塩化物の混合物に対して酸素源の存在下で化学反応させることにより第1群の希土類元素の希土類塩化物と第2群の希土類元素の希土類オキシ塩化物とを化学平衡状態に到達させる工程と、
    前記希土類塩化物と前記希土類オキシ塩化物とを水中に投入することにより前記希土類塩化物を選択的に水に溶解させて液相中に抽出し、前記希土類オキシ塩化物を固相として残存させる工程と、
    前記希土類塩化物が抽出された液相と残存した前記希土類オキシ塩化物の固相とを固液分離することによって前記第1群の希土類元素と前記第2群の希土類元素とを分離する工程とを有することを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  6. 複数種の希土類元素を分離回収する方法であって、
    前記複数種の希土類元素、鉄、ホウ素を含有する化合物に対して焙焼処理を施す工程と、
    焙焼処理を施した前記化合物を酸に浸して前記複数種の希土類元素を選択的に酸浸出する工程と、
    酸浸出液から前記複数種の希土類元素の沈殿物を生成する工程と、
    前記沈殿物から前記複数種の希土類元素の酸化物の混合物を生成する工程と、
    前記複数種の希土類酸化物の混合物に対して塩素源の存在下で化学反応させることにより第1群の希土類元素の希土類塩化物と第2群の希土類元素の希土類オキシ塩化物とを化学平衡状態に到達させる工程と、
    前記希土類塩化物と前記希土類オキシ塩化物とを水中に投入することにより前記希土類塩化物を選択的に水に溶解させて液相中に抽出し、前記希土類オキシ塩化物を固相として残存させる工程と、
    前記希土類塩化物が抽出された液相と残存した前記希土類オキシ塩化物の固相とを固液分離することによって前記第1群の希土類元素と前記第2群の希土類元素とを分離する工程とを有することを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の希土類元素の分離回収方法において、
    前記複数種の希土類元素としてネオジムとジスプロシウムとを含むことを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の希土類元素の分離回収方法において、
    前記希土類塩化物はネオジム塩化物であり、前記希土類オキシ塩化物はジスプロシウムオキシ塩化物であることを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
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