JP2012218786A - フィルム付きボトルの製造方法 - Google Patents

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明彦 白石
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正浩 渡邉
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Abstract

【課題】簡便に低コストに熱収縮性フィルムをボトルに取り付けることができるフィルム付きボトルの製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】熱収縮性フィルム1をボトル3に巻き付け、溶剤と粘度向上剤を含有する溶剤組成物2により熱収縮性フィルム1の先端部1aと後端部1bを貼り合わせる巻き付け工程と、ボトル3に巻き付けた熱収縮性フィルム1を加熱して収縮させる熱収縮工程を有するフィルム付きボトルの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルム付きボトルの製造方法に関する。
飲料や調味料等のボトルの表面には、内容物の表示等を印刷した熱収縮性フィルムが取り付けられる。
熱収縮性フィルムをボトル表面に取り付ける方法としては、例えば、熱収縮性フィルムの端部同士をヒートシールして筒状にし、その筒状の熱収縮性フィルムをボトルに被せ、加熱することで該熱収縮性フィルムを収縮させて取り付ける方法が知られている。しかし、該方法は、熱収縮性フィルムを筒状にする工程と、筒状にした熱収縮性フィルムをボトルに被せる工程を別々に行うので、工程が煩雑になる。熱収縮性フィルムをボトルに巻き付けた状態で、該熱収縮性フィルムの両端をヒートシールしようとすると、熱によってボトルの変形や穴の形成が生じるおそれがある。
一方、熱収縮性フィルムをボトルに巻き付けながらその端部同士をシールした後、加熱して熱収縮性フィルムをボトルの側面に取り付ける方法も知られている。例えば、以下の方法がある。
(1)端部に紫外線硬化型接着剤を塗布した熱収縮性フィルムをボトルに巻き付け、紫外線を照射することで端部同士をシールした後、加熱して熱収縮性フィルムをボトルに取り付ける方法(例えば、特許文献1)。
(2)端部にレーザー光吸収剤層および感熱接着剤層を設けた熱収縮性フィルムをボトルに巻き付け、レーザー光を照射することで端部同士をシールした後、加熱して熱収縮性フィルムをボトルに取り付ける方法(例えば、特許文献2)。
しかし、前記方法(1)、(2)は、紫外線やレーザー光を照射するための高価な設備を必要とするため、コストが高くなる。
特開2007−308165号公報 特開2010−152028号公報
本発明は、簡便に低コストで熱収縮性フィルムをボトルに取り付けることができるフィルム付きボトルの製造方法の提供を目的とする。
本発明のフィルム付きボトルの製造方法は、下記巻き付け工程および熱収縮工程を有する方法である。
巻き付け工程:熱収縮性フィルムをボトルに巻き付け、溶剤と粘度向上剤を含有する溶剤組成物により前記熱収縮性フィルムの両端を貼り合わせる工程。
熱収縮工程:前記ボトルに巻き付けた熱収縮性フィルムを加熱して収縮させる工程。
本発明のフィルム付きボトルの製造方法は、前記粘度向上剤が前記熱収縮性フィルムを形成する樹脂と同じ樹脂であることが好ましい。
本発明のフィルム付きボトルによれば、簡便に低コストで熱収縮性フィルムをボトルに取り付けることができる。
本発明の製造方法に使用するフィルム付きボトル製造装置の一例を示した概略平面図である。 熱収縮性フィルムの先端部をボトルに接着した様子を示した正面図である。 熱収縮性フィルムをボトルに巻き付けた様子を示した正面図である。
以下、本発明のフィルム付きボトルの製造方法の一例として、図1に例示したフィルム付きボトル製造装置100(以下、「製造装置100」という。)を用いた方法について説明する。
製造装置100は、図1に示すように、熱収縮性フィルム1が巻き回されたロール11と;ロール11から熱収縮性フィルム1を送り出す駆動ロール12およびピンチロール13と;熱収縮性フィルム1を所定の長さに切断するカッター14と;切断された熱収縮性フィルム1を保持する真空ドラム15と;溶剤組成物2を収容する容器16と、容器16に収容された溶剤組成物2を熱収縮性フィルム1の先端部1aおよび後端部1bに塗布するアプリケータ17と;真空ドラム15に隣接して設けられ、回転軸18aを中心に回転することによりボトル3を位置(I)から位置(VI)まで移送するタレット18と;熱収縮性フィルム1をボトル3に押し付けて、ボトル3に巻き付けられる熱収縮性フィルム1の後端部1bと先端部1aを貼り合わせる押圧部材19と;ボトル3に巻き付けられた熱収縮性フィルム1に熱風または蒸気を吹き付けて収縮させる収縮トンネル20と;を有している。
アプリケータ17は、容器16に収容された溶剤組成物2が充填される溝が外周面に形成されており、真空ドラム15の回転に連動して回転し、アプリケータ17の溝の部分に接触する熱収縮性フィルム1の先端部1aおよび後端部1bに溶剤組成物2を塗布するようになっている。
タレット18は、外周部分にボトル3を立てた状態で保持し、そのボトル3を回転させながら位置(I)から位置(VI)まで移送するようになっている。
真空ドラム15とタレット18は、位置(IV)において、真空ドラム15と、タレット18に保持されたボトル3が接する程度の距離に設けられ、位置(IV)において真空ドラム15に保持した熱収縮性フィルム1の先端部1aをボトル3の表面に接着できるようになっている。
押圧部材19は、タレット18に保持されたボトル3に接触し、ボトル3に巻き付けられた熱収縮性フィルム1を押圧するように設けられている。押圧部材19により、シワ等を発生させずに熱収縮性フィルム1をボトル3の外周に容易に巻き付けることができる。
押圧部材19としては、例えば、板状、ブラシ状等の部材が挙げられる。
収縮トンネル20は、熱収縮性フィルム1が巻き付けられたボトル3を内部に移送できるようになっており、内部において熱収縮性フィルム1に熱風または蒸気を吹き付けることができるようになっている。これにより、熱収縮性フィルム1が加熱されて収縮し、ボトル3に密着させることができる。
製造装置100を用いたフィルム付きボトルの製造方法としては、下記巻き付け工程および熱収縮工程を有する方法が挙げられる。
巻き付け工程:図1に示すように、熱収縮性フィルム1をボトル3に巻き付け、溶剤と粘度向上剤を含有する溶剤組成物2により熱収縮性フィルム1の両端を貼り合わせる工程。
熱収縮工程:ボトル3に巻き付けた熱収縮性フィルム1を加熱して収縮させる工程。
巻き付け工程:
ロール11に巻き回された熱収縮性フィルム1を駆動ロール12およびピンチロール13によって送り出し、回転している真空ドラム15で熱収縮性フィルム1を保持し、カッター14によってボトル3の外周と接着しろを合計した所定の長さに切断する。次いで、回転している真空ドラム15に保持された所定の長さの熱収縮性フィルム1の先端部1aと後端部1bのそれぞれに、アプリケータ17によって容器16に収容された溶剤組成物2を塗布する。熱収縮性フィルム1の先端部1aと後端部1bを除く部分には、溶剤組成物2は塗布されない。溶剤組成物2が塗布された熱収縮性フィルム1の先端部1aと後端部1bは、粘着性を生じる。さらに、溶剤組成物2を塗布した熱収縮性フィルム1を、回転する真空ドラム15に保持した状態でタレット18の方まで移送する。
熱収縮性フィルム1に塗布する際の溶剤組成物2の温度は、10〜35℃が好ましく、20〜30℃がより好ましい。
一方、ボトル供給部(図示略)から位置(I)にボトル3を供給し、タレット18によって位置(II)で立てた状態でボトル3を保持させ、ボトル3自体を回転させながら位置(IV)まで移送する。そして、位置(IV)において、図2に示すように、真空ドラム15に保持された熱収縮性フィルム1の先端部1aを立てた状態のボトル3の外周面に接着する。さらにボトル3を回転させ、熱収縮性フィルム1をボトル3に押し付けながら熱収縮性フィルム1をボトル3の外周に巻き付け、位置(V)において、図3に示すように、熱収縮性フィルム1の後端部1bと先端部1aを重ね合わせて接着する。その後、熱収縮性フィルム1を巻き付けたボトル3は、タレット18から外れて位置(VI)へ送り出す。
この例では、図2に示すように、熱収縮性フィルム1の先端部1aに溶剤組成物2を塗布する際、熱収縮性フィルム1の先端部1aの中央部分はボトル3の外周面に接触しないので、先端部1aの上部分と下部分の2箇所に溶剤組成物2を塗布している。熱収縮性フィルム1の先端部1aに溶剤組成物2を塗布する形態は、この形態には限定されず、ボトル3の形状に応じて適宜決定すればよい。例えば、ボトル3の形状によっては、熱収縮性フィルムの先端部1aに沿って上から下まで連続的に溶剤組成物2を塗布してもよく、先端部1aの上部、中央部、下部にそれぞれ点状に溶剤組成物2を塗布してもよい。
また、熱収縮性フィルム1の後端部1bに対する溶剤組成物2の塗布は、図3に示すように、この例では後端部1bに沿って連続的に行っているが、この形態には限定されない。例えば、熱収縮性フィルム1の後端部1bに沿って、破線状に不連続に溶剤組成物2を塗布してもよい。
先端部1aと後端部1bの接着部分は、ボトル3の前面にあっても背面にあってもよいが、ボトル3の前面にある方が好ましい。
熱収縮性フィルム1の材質としては、一般的な溶剤に溶ける樹脂、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。熱収縮性フィルム1は、一軸延伸フィルムであってもよく、二軸延伸フィルムであってもよい。また、熱収縮性フィルム1は、単層フィルムであってもよく、多層フィルムであってもよい。
熱収縮性フィルム1の表面には、必要に応じてコロナ処理等の粗面化処理が施されていてもよい。また、熱収縮性フィルム1には、内容物名、商品名、図柄等が印刷されていてもよい。
溶剤組成物2は、溶剤と粘度向上剤を含有する組成物である。
溶剤としては、溶剤シールに通常使用される溶剤が使用でき、例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸メチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類等が挙げられる。なかでも、揮発性の違いでの組み合わせの点から、エステル類とアルコール類の混合での組み合わせが好ましい。
粘度向上剤としては、溶剤組成物2を熱収縮性フィルム1の先端部1aおよび後端部1bに塗布した際に、溶剤組成物2が垂れないような粘度に調整できるものであればよく、溶剤が揮発した後に透明になる点から、熱収縮性フィルム1を形成する樹脂と同じ樹脂が好ましい。
粘度向上剤は、熱収縮性フィルム1を形成する樹脂と同じ樹脂には限定されず、例えば、合成系接着剤のアクリル樹脂系、αオレフィン系、ウレタン樹脂系、エーテル系セルロース、エチレン−酢酸ビニル樹脂系、エポキシ樹脂系、塩化ビニル樹脂系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、シリコーン系、スチレン−ブタジエンゴム系、ニトリルゴム系、ニトロセルロース系、フェノール樹脂系、ポリアミド樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ポリオレフィン樹脂系、ポリ酢酸ビニル樹脂溶液系、ポリスチレン樹脂溶剤系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン樹脂系、ポリビニルブチラール樹脂系、ポリメタクリレート樹脂溶液系等が挙げられる。
溶剤組成物2の粘度(23℃)は、500〜7000mPa・sが好ましく、1000〜5000mPa・sがより好ましく、2500〜4000mPaがさらに好ましい。溶剤組成物2の粘度が下限値以上であれば、熱収縮性フィルム1に塗布した溶剤組成物2が垂れ難く、より安定して熱収縮性フィルム1をボトル3に巻きつけることができる。溶剤組成物2の粘度向上剤が上限値以下であれば、溶剤組成物2の塗布作業が容易になる。
なお、本発明における粘度は、E型粘度計(例えば、トキメック社製)を用い、上記温度にて測定した値である。
ボトル3としては、例えば、ガラスボトル、ポリエチレンテレフタレート(PET)ボトル等のプラスチックボトル、アルミニウムボトル等の金属ボトル等が挙げられる。
ボトル3の形状としては、例えば、略筒状、角柱状、ひょうたん状等が挙げられる。
熱収縮工程:
収縮トンネル20内において、ボトル3に巻き付けた熱収縮性フィルム1に熱風または蒸気を吹き付け、熱収縮性フィルム1を加熱することで収縮させ、ボトル3の外周面に密着させる。
熱収縮性フィルム1の加熱温度は、熱収縮性フィルム1の材質により適宜選定すればよい。
以上説明した本発明のフィルム付きボトルの製造方法によれば、溶剤組成物の粘度が充分に高いために熱収縮性フィルムに塗布した際に垂れることを抑制できるので、製造工程中にボトルを立てた状態で取り扱う場合でも、ボトルに巻き付けた熱収縮性フィルムの端部同士を溶剤シールによって容易に接着できる。そのため、簡便に低コストでフィルム付きボトルを製造できる。
なお、本発明のフィルム付きボトルの製造方法は、前述した製造装置100を使用する方法には限定されない。例えば、製造装置100を使用する方法は、ボトル3を垂直に立てた状態で移送する形態であったが、ボトルを垂直方向に対して傾斜させた状態で移送する形態であってもよく、ボトルを水平にして移送する形態であってもよい。本発明のフィルム付きボトルの製造方法においては、最も簡便で生産性がより優れる点から、垂直に立てた状態のボトルに熱収縮性フィルムを巻き付け、該熱収縮性フィルムの両端を貼り合せる方法が好ましい。
1 熱収縮性フィルム
2 溶剤組成物
3 ボトル

Claims (2)

  1. 下記巻き付け工程および熱収縮工程を有するフィルム付きボトルの製造方法。
    巻き付け工程:熱収縮性フィルムをボトルに巻き付け、溶剤と粘度向上剤を含有する溶剤組成物により前記熱収縮性フィルムの両端を貼り合わせる工程。
    熱収縮工程:前記ボトルに巻き付けた熱収縮性フィルムを加熱して収縮させる工程。
  2. 前記粘度向上剤が前記熱収縮性フィルムを形成する樹脂と同じ樹脂である請求項1に記載のフィルム付き物品の製造方法。
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