JP2012215013A - 現場状況を考慮した基礎杭構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持層地盤から採取した土が、細粒分含有率条件Aを満たすように「配合条件」「施工条件」を決める。この「配合条件」「掘削条件」で、「試験掘削」をして支持層地盤の未固結試料を採取する。採取した未固結試料が「土塊の状態B」「基準比重C」「基準固化強度D」を満たした場合に、前記条件で本施工を行う。B〜Cの条件を満たさない場合には、当初設定した条件を、B〜Cの条件を満たすように「配合条件」「掘削条件」を修正して、修正した条件で本施工をする。
【選択図】図1
Description
・工法
・掘削深さ、掘削径、
・注入するセメントミルクの配合など
を決めて、本施工していた。
一般的には、予め設計した施工仕様通りに施工していた。とりわけ、根固め部は、支持力に与える影響が大きいため、掘削している最中に掘削ヘッドの電流値などのデータを元に、掘削位置で異なる支持層地盤をその杭ごとに判断して最適な施工をする工法も提案されている(特許文献1)。
従って、掘削位置、すなわち基礎杭構築位置の土の性状は、固化セメントミルクやソイルセメントの性能に影響を及ぼすことも考えられる。
(1) 支持層地盤から採取した土が、予め設定した「細粒分含有率A%」以下となるように、本施工時又は「試験掘削」時のセメント系材料の「配合条件」を決める。
(2) 前記「配合条件」と「掘削条件」で、「試験掘削」として、杭穴を掘削して、前記支持層地盤付近の未固結試料を採取して、地上で、予め定めた「土塊の状態B」を満たすかどうかを判定する。
(3) 前記「土塊の状態B」を満たさない場合には、前記「掘削条件」を再設定して、再度「試験掘削」をする。
(4-1) 前記「土塊の状態B」を満たす場合には、予め定めた「基準比重C」を満たすか否かを判定して、満たす場合には、速成養生条件での固化強度を測定して「早期固化強度」とする。
(4-2) 前記「基準比重C」を満たさない場合には、前記「配合条件」を再設定して、再度「試験掘削」をする。
(4-3) 前記「早期固化強度」が予め定めた「基準固化強度D」の条件を満さない場合には、再度「配合条件」を設定して、再度「試験掘削」を行う。
(4-4) 前記「早期固化強度」が予め定めた「基準固化強度D」の条件を満たす場合には、本施工を行う。
(5)前記本施工は、当初又は変更された「掘削条件」で杭穴を掘削して、該杭穴内に当初又は変更された「配合条件」のセメント材料を充填すると共に、前記杭穴内に杭構造物を埋設して基礎杭構造を構築する。
(1) 支持層地盤から採取した土が、予め設定した「細粒分含有率A%」以下となるように、「配合条件」を決める。
(2) 前記「配合条件」と設定「掘削条件」で、「試験掘削」として、杭穴を掘削して、前記支持層地盤付近の未固結試料を採取して、以下の条件の少なくとも1つを満たした場合に、本施工をする。
(a)前記未固結試料が、予め定めた「土塊の状態B」を満たす。
(b)前記未固結試料が、予め定めた「基準比重C」を満たす。
(c)前記未固結試料を速成特殊養生で固化強度を測定して「早期固化強度」とし、「早期固化強度」が予め定めた「基準固化強度D」を満たす。
(3) 前記本施工は、当初又は変更された「掘削条件」で杭穴を掘削して、該杭穴内に当初又は変更された「配合」のセメント材料を充填すると共に、前記杭穴内に杭構造物を埋設して基礎杭構造を構築する。
(1)予め設定した「配合条件」「掘削条件」で、「試験掘削」として、杭穴を掘削して、前記支持層地盤付近の未固結試料を採取して、以下の条件の少なくとも1つを満たした場合に、本施工をする。
(a) 前記「試験掘削」またはその他の方法により、支持層地盤から採取した土が、予め設定した「細粒分含有率A%」以下の条件を満たす。
(b) 前記未固結試料が、予め定めた「土塊の状態B」を満たす。
(c) 前記未固結試料が、予め定めた「基準比重C」を満たす。
(d) 前記未固結試料を速成特殊養生で固化強度を測定して「早期固化強度」とし、「早期固化強度」が予め定めた「基準固化強度D」を満たす。
(2) 前記本施工は、当初又は変更された「掘削条件」で杭穴を掘削して、該杭穴内に当初又は変更された「配合」のセメント材料を充填すると共に、前記杭穴内に杭構造物を埋設して基礎杭構造を構築する。
「細粒分含有率A%」を、「15%」とする。
「土塊の状態B」を、「予め設定した大きさの土塊が存在しないこと」とする。
「基準比重C」を、「比重値1.6以上」とする。
「基準固化強度D」を、「7N/mm2」とする。
ことを特徴とする現場状況を考慮した基礎杭の構築方法である。
(2) この発明は、本施工に先立ち、支持層地盤から採取した土に対して、粒土試験を行い、細粒分含有率条件Aを満たすように「配合条件」「施工条件」を再度決める。
(3) (2)で定めた「配合条件」「掘削条件」で、構築現場にて「試験掘削」をして支持層地盤の未固結試料を採取する。
(4) 採取した未固結試料が「土塊の状態B」「基準比重C」「基準固化強度D」を満たした場合に、前記条件で本施工を行う。
B〜Cの条件を満たさない場合には、当初設定した条件を、B〜Cの条件を満たすように「配合条件」「掘削条件」を修正して、修正した条件で本施工をする。
「掘削条件」で行う。
また、「掘削条件」として、掘削ロッドを回転して、杭穴内を掘削しながら杭穴残存物と撹拌する場合、回転数、下降速度などを設定する。また。上記配合のセメントミルクの注入量、注入位置、注入方法(撹拌か置換かも含めて)なども設定する。従って、試験掘削では、本施工と同じ穴径、深さで施工することになるが、本施工を再現できれば縮小寸法で施工することもできる。
構築現場でのボーリングの際又はその他の方法により採取した支持層地盤の土を粒度試験をする。試験方法は、ふるい試験など通常行われる方法による。粒度試験の結果の細粒分含有率A1%を算出する。現場で要求される条件から、予め細粒分含有率A0%を設定しておく。
がこの条件を満たす条件である。ここで、たとえば、
A0≧15%
とする。なお、A0は上記数値が好ましいが、土質にもよるが、0〜100%の範囲で適宜設定できる。例えば、土丹層であれば、細粒分100%の場合もあるが、施工によりセメントミルクと混合・置換を行えば充分な強度を確保できるので、細粒分が多い場合には施工方法の検討も行う。
試験掘削の結果、支持層地盤から採取した未固結試料を目視で土塊の有無を確認する。未固結試料は、杭穴内にセメントミルクを注入して杭穴残存物と撹拌して、ソイルセメントとしたものである。
「予め設定した土塊の大きさ(例えば、5mm)以上の土塊が存在しない」するか否かで、この条件を満たすかどうかを判断する。なお、土塊の大きさは上記数値が好ましいが、10cm以下の範囲で適宜設定できる。また、未固結試料内の土塊混入率が20%(体積比)以下となることが好ましい。
試験掘削の結果、支持層地盤から採取した未固結試料の温度及び比重を測定する。測定した比重は、試料中のセメントミルクの量(セメント成分の含有量)が多ければ比重は増加し、土の粒子が多ければ比重は減少するので、比重と固化強度は統計的に比例関係にあり、固化強度を算出できるので、これを利用して、比重から、所定の固化強度を得られるかどうかを推定するものである。
この場合、温度を併せて測定することが望ましい。セメントミルクの温度・セメントミルク注入前の杭穴残地物の温度と、未固結試料の温度を比較することにより、セメント成分の固化反応熱による上昇温度分がわかる。上昇温度により、セメント成分の固化反応がどの程度進行しているか推定できる。固化反応の進行により、比重が変化(増加)するからである。従って、温度により、比重を修正することもできる。
たとえば、測定した比重値をC1とした場合、予め設定した基準比重値をC0とした場合、
C1≧C0
となっていればこの条件を満たす。C0は例えば「1.75」とする。C0は上記数値が好ましいが、1.6以上の範囲で適宜設定できる。
試験掘削の結果、支持層地盤から採取した未固結試料を養生する。一般的に、固化強度は28日の標準養生したテストピースで圧縮試験を行って判断するが、養生期間が長すぎ、現場では使用することができない。そこで、予め条件を定めた養生条件での圧縮強度と、標準養生での圧縮強度とが、統計的に比例することがわかっている。前記養生は、例えば、材令3日又は1週間の常温の自然養生とする。
これを利用して、圧縮試験をして固化強度を測定して「早期固化強度D1」として、予め設定した同じ養生での「基準固化強度D0」を比較する。
D1≧D0
であれば、この条件を満たす。D0は例えば、7N/mm2 とする。D0は、上記数値が好ましいが、5N/mm2 以上の範囲で適宜設定できる。上記データは普通セメントを使用した「配合条件」での値であるが、異なる種類のセメントを使用することもできる。例えば、高炉セメントを使用した場合には、普通セメントとは異なる温度上昇曲線を生じるため、材令3日で、圧縮強度2N/mm2 程度でも充分な固化強度を達成できる。
A1<15%
を満たしていない場合には、上記「配合条件」を見直して、「修正配合条件」を設定する。また、結果によっては、「施工条件」を修正することもでき、この場合には「修正施工条件」を設定する。
細粒分含有率条件を満たしている場合には、当初の「配合条件」で試験掘削をする。
また、前記において、各条件B、C、Dを満たしていない場合に、それぞれ新たに「試験掘削」をしたが、「配合条件」「施工条件」の一方又は両方を修正することにより、各条件B、C、Dを満たすことが統計的などによりわかっている場合もある。この場合には、「配合条件」「施工条件」の一方又は両方を修正して、修正条件で本施工を行う。したがって、この場合には、「試験掘削」は最低1回行えば良いことになる。
(1) 第1の構築方法と同様に、予め「配合条件」「掘削施工条件」を設定して、粒度試験をして、細粒分含有条件Aを満たしていない場合には「修正配合条件」を設定する。
(2) 第1の構築方法と同様に、試験掘削をして、「未固結試料」を採取する。
(3) 地上で、
(a)土塊条件B
(b)比重条件C
(c)早期固化強度条件D
の内で、現場で最も重視する条件の1つ又は複数を、試験して、条件を満たすか否かを確認する。
(4)設定した1又は複数の条件を満たさない場合には、「配合条件」「施工条件」の一方又は両方を修正することにより、条件を満たすことを推定して、修正条件で本施工を行う。
設定した1又は複数の条件を満たしている場合には、当然ながら、そのままの「配合条件」「施工条件」で本施工を行う。
(5) 本施工は、前記第1の構築方法と同様である。
Claims (6)
- 以下のようにして、「試験掘削」をして、各条件をクリアした状態で、本施工を行うことを特徴とする現場状況を考慮した基礎杭の構築方法。
(1) 支持層地盤から採取した土が、予め設定した「細粒分含有率A%」以下となるように、本施工時又は「試験掘削」時のセメント系材料の「配合条件」を決める。
(2) 前記「配合条件」と「掘削条件」で、「試験掘削」として、杭穴を掘削して、前記支持層地盤付近の未固結試料を採取して、地上で、予め定めた「土塊の状態B」を満たすかどうかを判定する。
(3) 前記「土塊の状態B」を満たさない場合には、前記「掘削条件」を再設定して、再度「試験掘削」をする。
(4-1) 前記「土塊の状態B」を満たす場合には、予め定めた「基準比重C」を満たすか否かを判定して、満たす場合には、速成養生条件での固化強度を測定して「早期固化強度」とする。
(4-2) 前記「基準比重C」を満たさない場合には、前記「配合条件」を再設定して、再度「試験掘削」をする。
(4-3) 前記「早期固化強度」が予め定めた「基準固化強度D」の条件を満さない場合には、再度「配合条件」を設定して、再度「試験掘削」を行う。
(4-4) 前記「早期固化強度」が予め定めた「基準固化強度D」の条件を満たす場合には、本施工を行う。
(5)前記本施工は、当初又は変更された「掘削条件」で杭穴を掘削して、該杭穴内に当初又は変更された「配合条件」のセメント材料を充填すると共に、前記杭穴内に杭構造物を埋設して基礎杭構造を構築する。 - 以下のようにして、「試験掘削」をして、各条件A〜Dをクリアした状態で、本施工を行うことを特徴とする現場状況を考慮した基礎杭の構築方法。
(2) 支持層地盤から採取した土が、予め設定した「細粒分含有率A%」以下となるように、「配合条件」を決める。
(2) 前記「配合条件」と設定「掘削条件」で、「試験掘削」として、杭穴を掘削して、前記支持層地盤付近の未固結試料を採取して、以下の条件の少なくとも1つを満たした場合に、本施工をする。
(a)前記未固結試料が、予め定めた「土塊の状態B」を満たす。
(b)前記未固結試料が、予め定めた「基準比重C」を満たす。
(c)前記未固結試料を速成特殊養生で固化強度を測定して「早期固化強度」とし、「早期固化強度」が予め定めた「基準固化強度D」を満たす。
(3) 前記本施工は、当初又は変更された「掘削条件」で杭穴を掘削して、該杭穴内に当初又は変更された「配合」のセメント材料を充填すると共に、前記杭穴内に杭構造物を埋設して基礎杭構造を構築する。 - (2)(a)(b)(c)の総ての条件を満たさない場合に、「配合条件」と「掘削条件」を変更して、再度、「試験掘削」をすることを特徴とする請求項2記載の現場状況を考慮した基礎杭の構築方法。
- (2)(a)(b)(c)の総ての条件を満たさない場合に、「配合条件」と「掘削条件」を変更して、変更「土塊の状態」、変更「比重値」、変更「推定固強度」を算出して、試験掘削をすることなく、前記(2)(a)(b)(c)のいずれか1つの条件を満たすことを確認して、その変更「配合条件」、変更「掘削条件」で本施工をすること特徴とする請求項2記載の現場状況を考慮した基礎杭の構築方法。
- 以下のようにして、「試験掘削」をして、各条件A〜Dをクリアした状態で、本施工を行うことを特徴とする現場状況を考慮した基礎杭の構築方法。
(1)予め設定した「配合条件」「掘削条件」で、「試験掘削」として、杭穴を掘削して、前記支持層地盤付近の未固結試料を採取して、以下の条件の少なくとも1つを満たした場合に、本施工をする。
(a) 前記「試験掘削」またはその他の方法により、支持層地盤から採取した土が、予め設定した「細粒分含有率A%」以下の条件を満たす。
(b) 前記未固結試料が、予め定めた「土塊の状態B」を満たす。
(c) 前記未固結試料が、予め定めた「基準比重C」を満たす。
(d) 前記未固結試料を速成特殊養生で固化強度を測定して「早期固化強度」とし、「早期固化強度」が予め定めた「基準固化強度D」を満たす。
(2) 前記本施工は、当初又は変更された「掘削条件」で杭穴を掘削して、該杭穴内に当初又は変更された「配合」のセメント材料を充填すると共に、前記杭穴内に杭構造物を埋設して基礎杭構造を構築する。 - 「細粒分含有率A%」を、「15%」とする。
「土塊の状態B」を、「予め設定した大きさの土塊が存在しないこと」とする。
「基準比重C」を、「比重値1.6以上」とする。
「基準固化強度D」を、「7N/mm2」とする。
ことを特徴とする請求項1、2、5のいずれか1項に記載の現場状況を考慮した基礎杭の構築方法。
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