JP6854475B2 - 泥水固化体の強度管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地中孔を満たす安定液を原位置にて固化させることで構築される泥水固化体の強度管理方法に関する。
従来より、既設構造物を解体して新設構造物を構築するにあたっては、既設構造物の解体時に、地中に埋設されている既設杭を引き抜くとともに引抜き跡に形成された杭抜き孔を埋戻し、地盤の変形を防止したうえで新設構造物を支持する新設の基礎構造を構築している。
例えば、特許文献1では杭抜き孔を埋戻する際に、既設杭を引き抜きつつ周辺地盤の土地質に合うよう調整した埋戻剤を充填することにより、孔壁の崩れにより発生する土砂や地下水等が孔底に溜まる現象を防止している。このような方法によれば、杭抜き孔全体に埋戻剤を行き渡らせて、埋戻剤の硬化体とその周辺地盤の土地質を空隙なく一致させることができる。
しかし、埋戻剤としてセメントミルクやモルタルに流動化剤を混合したものを用いていることから、既設杭の引き抜き作業に時間を要する場合や既設杭が長尺な場合には、作業途中で充填材が硬化することも考えられ、施工性に課題が生じる。
一方で、地中孔を埋め戻す方法の一つとして、地中孔を満たした安定液にセメント系硬化材を添加し、原位置にて混合撹拌することで泥水固化体を構築する方法が知られている。
例えば、特許文献2では、泥水を供給しながら地中のコンクリートガラや転石、木杭等の地中障害物を撤去しつつ掘削を進め、所定の深度に達したところで掘削を終了する。そして、あらかじめ設計した数量のセメントを掘削孔内に貯留した泥水に添加し、これを固化させる方法が開示されている。
特開2012−112149号公報 特開平9−13373号公報
上記の方法では、掘削孔内に貯留する泥水に地中障害物に起因するアルカリ成分や孔壁から生じる土粒子等が浮遊することが想定され、これらが浮遊した状態のままの泥水にセメントを添加しても、固化後の泥水固化体に目標圧縮強度を満足する一軸圧縮強度を発現させることが困難となる。一方で、泥水中に浮遊する土粒子量やベントナイト量の変化等を把握する手段も確立されていない。そこで、一般には安全性を考慮し、目標圧縮強度よりも発現強度が大きくなるよう、セメント系硬化材の配合量を過大に設計するといった対策を講じている。
しかし、上記の対策を講じた場合には、コストが増大するだけでなく、掘削孔内に構築される泥水固化体の一軸圧縮強度が、目標圧縮強度を大きく上回る。このため、例えば泥水固化体を含む敷地に、新設建築物を構築しようとすると、その基礎設計において泥水固化体が設計の自由度を奪う障害物となりやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、地中孔に満たされた安定液の性状の変化を的確に捉えて、地中孔に構築する泥水固化体に発現する一軸圧縮強度を、目標圧縮強度を含む一定の範囲内に収めるよう制御することの可能な、泥水固化体の強度管理方法を提供することである。
かかる目的を達成するため本発明の泥水固化体の強度管理方法は、地中孔に満たされた安定液を原位置にて固化することにより構築される泥水固化体の強度管理方法であって、メチレンブルー吸着量を、泥水固化体の一軸圧縮強度に影響を与える土粒子とベントナイトとを足し合わせた微細粒分の量を示す指標として取り扱い、前記地中孔を満たしている安定液からサンプルを採取し、メチレンブルー吸着量を測定する工程と、測定した前記メチレンブルー吸着量と前記泥水固化体に要求される目標圧縮強度とに基づいて、前記安定液を固化するべく添加するセメント系硬化材の配合量を決定する工程と、を備えることを特徴とする。
上述する本発明の泥水固化体の強度管理方法によれば、外的要因によりベントナイト濃度が変動する、もしくは浮遊する微細粒分が増大するなどして、地中孔内を満たす安定液の性状が作液時と比較して大きく変化した場合にも、地中孔に満たされた安定液から測定したメチレンブルー吸着量にて性状の変化を的確に捉えて、これまで把握することのできなかった泥水固化体を構築する際に一軸圧縮強度に影響を与える土粒子とベントナイトとを足し合わせた微細粒分の総量を把握することが可能となる。
また、メチレンブルー吸着量を測定することにより、安定液を固化するべく添加するセメント系硬化材の配合量を、安定液中の微細粒分の総量を考慮して決定できるため、構築した泥水固化体に発現する一軸圧縮強度を、目標圧縮強度を含む一定の範囲内に制御することが可能となる。
本発明の泥水固化体の強度管理方法は、前記セメント系硬化材の配合量を決定するにあたり、前記メチレンブルー吸着量ごとに、前記セメント系硬化材の配合量とこれに対応する前記泥水固化体の一軸圧縮強度との関係を、あらかじめ求めておくことを特徴とする。
上述する本発明の泥水固化体の強度管理方法によれば、要求される目標圧縮強度を発現させるために最適なセメント系硬化材の配合量を、メチレンブルー吸着量から容易に決定できるため、泥水固化体の構築に関する施工管理の省力化を図ることが可能となる。
本発明の泥水固化体の強度管理方法は、前記地中孔が、既設杭の引抜き跡に形成された杭抜き孔であることを特徴とする。
上述する本発明の泥水固化体の管理方法によれば、杭抜き孔に構築する泥水固化体の泥水固化体の目標圧縮強度を、例えば、敷地の地耐力と同程度に設定しておくことにより、泥水固化体構築後の敷地全体を一様な地耐力を有する地盤として取り扱うことが可能となる。このため、既設建築物を撤去した敷地に新設建築物を構築する場合に、従来のように既設杭の引抜いた跡の引抜き穴を、砂利や地盤改良度等の埋め戻し材にて埋め戻す場合と異なり、引抜き穴の位置に制約を受けることなく、新設建築物の基礎設計を行うことが可能となる。
本発明によれば、メチレンブルー吸着量を用いて地中孔を満たす安定液中の、泥水固化体を構築する際に一軸圧縮強度に影響を与える土粒子とベントナイトとを足し合わせた微細粒分の総量を正確に把握したうえで、セメント系硬化材の配合量を決定できるため、泥水固化体に発現する一軸圧縮強度を、容易に要求される目標圧縮強度を含む一定の範囲内に制御することが可能となる。
本発明における泥水固化体の強度管理方法の手順を示す図である(その1)。 本発明における泥水固化体の強度管理方法の手順を示す図である(その2)。 本発明における泥水固化体の強度管理方法の手順を示す図である(その3)。 本発明における泥水固化体の強度管理方法の手順を示す図である(その4)。 本発明におけるメチレンブルー吸着量ごとの泥水固化体に添加するセメント系硬化材の安定液中の水1m3に対するセメント系硬化材の配合量と泥水固化体の一軸圧縮強度の関係を示す図である。
本発明の泥水固化体の強度管理方法は、地中孔を満たす安定液を原位置にて固化させることで構築される泥水固化体の一軸圧縮強度を、泥水固化体に要求される目標圧縮強度を含む一定の範囲内に収めるよう制御・管理するための方法である。安定液を満たす地中孔は、いずれの要因により形成された孔であってもよいが、本実施の形態では、場所打ちコンクリート造の既設杭を撤去した跡の杭抜き孔を事例とし、図1〜図5を参照して以下に詳述する。
図1(a)で示すように、場所打ちコンクリート造の既設杭1を撤去した引抜き跡に形成された杭抜き孔2は、図1(b)で示すように、安定液3が充填された状態となっている。これら杭抜き孔2を満たす安定液3は、以下の方法により原位置において、セメントミルクを主材とする泥水固化材4と混合撹拌され、図4(c)で示すような泥水固化体5が構築される。
まず、図2(a)で示すように、杭抜き孔2の孔底にたまったスライムを除去する一次底浚いを行った上で、図2(b)で示すように、孔壁の壁面清掃を行いつつ必要に応じて目荒らし工を行って孔壁に凹凸8に形成した後、二次底浚いを行う。次に、図3(a)で示すように、杭抜き孔2内の深度方向で安定液3の比重を均一にするべく、例えば、エアブロー管7を用いた気泡によるエアブロー撹拌にて、安定液3の撹拌を行う。
所定時間のエアブロー撹拌を行って、安定液3の比重を杭抜き孔2内全体で均質にした後、図3(b)で示すように、採取管8を用いて安定液3のサンプルを採取する。少なくとも孔底近傍および孔口近傍の各々にてサンプルを採取して比重を測定し、両者の比重が目標とする規定範囲内に収まっているか否かの確認を行い、深度方向における比重の均質度合いを把握する。
安定液3の比重が深度方向で均質となったことが確認されたところで、図4(a)で示すように、安定液3に対して原位置でトレミー管9を介して、セメントミルクを主材とする泥水固化材4を供給する。この後、図4(b)で示すように、エアブロー管7を用いた気泡によるエアブロー撹拌により、杭抜き孔2内にて安定液3と泥水固化材4とを所定時間混合撹拌する。
この後、泥水固化材4と安定液3の混合物から採取管8を用いてサンプルを採取し、孔底近傍および孔口近傍各々の比重を把握し、比重が目標とする規定範囲内に収まり均質となったことが確認されたところで、図4(c)で示すように、泥水固化材4と安定液3の混合物を養生固化させ、泥水固化体5を構築する。
ところで、安定液3に供給するセメントミルクを主材とする泥水固化材4は、作液時における安定液3中のベントナイトの種類や濃度等を勘案し、最終的に構築される泥水固化体5が、所望の性能(例えば、一軸圧縮強度や透水性等)を満足するよう配合設計した際に設定された安定液3中の水1m3に対するセメント系硬化材の配合量に基づいて、作製されている。しかし、安定液3は、杭抜き孔2に充填された状態において、さまざまな外的要因によりその性状が変化する。
例えば、安定液3中のベントナイトは、杭抜き孔2に充填された状態において、地層中に浸透して薄い泥のケーキを形成する。また、既設杭1の撤去時に孔壁が削られるなどして安定液3中に混入した土粒子などと結合し、これら土粒子を沈澱させることなく安定液3中に留める。さらには、既設杭1を撤去する際に安定液3中に混入するセメント成分と凝集する。一方で、既設杭1の撤去作業期間中に、杭抜き孔2に雨水や地下水等が流入すると、安定液3中の水分量も変化する。こうして、杭抜き孔2に充填された状態の安定液3は、そのベントナイト濃度が作液時と比較して大きく変化する。
また、杭抜き孔2に充填される安定液3は循環使用されることから、既成杭1の撤去作業期間中に安定液3中に混入した土粒子のうち、再生処理時に用いるデカンタでも除去できない程度の微細粒分は安定液3中に留まり、安定液3を固化させる際の固化成分として機能する。このように、安定液3は既成杭1の撤去作業期間中に、ベントナイト濃度の変化や固化要因として機能する微細粒分の混入等により性状が変化することから、あらかじめ設計したセメント系硬化材の配合量に基づいて作製した泥水固化材4を添加しても、構築しようとする泥水固化体5に要求される目標圧縮強度を満足するような、一軸圧縮強度を発現させることができない場合が生じる。
そこで、本実施の形態では、泥水固化材4を添加する直前の杭抜き孔2を充填する安定液3に含有される、泥水固化体5を構築する際に一軸圧縮強度に影響を与える土粒子とベントナイトとを足し合わせた微細粒分の総量を把握する。そして、これらの数量に基づいて、泥水固化体5の目標圧縮強度を満足するよう安定液3中の水1m3に対するセメント系硬化材の配合量を決定するとともに、このセメント系硬化材の配合量に基づいて泥水固化材4を作成し直し、杭抜き孔2を充填する安定液3に添加することとした。
具体的には、図3(b)で示すように、安定液3の比重を測定する場合と同様に、採取管8を用いて杭抜き孔2を充填する安定液3からサンプルを採取し、採取したサンプルに対してメチレンブルー吸着量測定方法を実施する。メチレンブルー吸着量測定方法は従来より広く知られた試験方法であり、日本ベントナイト工業会が定めるメチレンブルー吸着量測定方法(JBAS−107−91)にしたがって測定を実施する。
一般に、メチレンブルー吸着量測定方法の測定結果として得られるメチレンブルー吸着量は、溶液中に含まれるベントナイトの添加量を決定する指標として採用されている。しかし、発明者らは鋭意検討の結果、このメチレンブルー吸着量測定方法の試料として安定液3を採用すると、測定したメチレンブルー吸着量から、安定液3中に含まれるベントナイト量だけでなく、再生処理時に用いるデカンタでも除去できない程度の微細粒分、つまりセメント系硬化材と反応し、泥水固化体5を構築する際に一軸圧縮強度に影響を与える土粒子の数量についても、併せて検出することができるとの知見を得た。したがって、本実施の形態では、杭抜き孔2を満たす安定液3から採取したサンプルに対してメチレンブルー吸着量測定方法を実施し、測定結果として得られたメチレンブルー吸着量を、泥水固化体5を構築する際に一軸圧縮強度に影響を与える土粒子とベントナイトとを足し合わせた微細粒分の総量を示す指標として取り扱うこととした。
一方で、メチレンブルー吸着量測定方法によるメチレンブルー吸着量の測定と併せて、同じく安定液3のサンプルを利用して比重および砂分率を測定する。そして、比重から安定液3における水量と固形分の含有量を把握するとともに、固形分中に含まれる砂分の含有量を、砂分率を測定することにより把握する。これにより、安定液1.0m3あたりの水量、砂分量、および泥水固化体5を構築する際に一軸圧縮強度に影響を与える土粒子とベントナイトとを足し合わせた微細粒分の総量を把握できるから、これらを利用して再度配合設計を行い、泥水固化体5に要求される目標圧縮強度を満足するのに最適な安定液3中の水1m3に対するセメント系硬化材の配合量を決定する。
このように、メチレンブルー吸着量に基づいて、構築しようとする泥水固化体5の目標圧縮強度を満足するセメント系硬化材の配合量を決定できるため、構築後の泥水固化体5が発現する一軸圧縮強度を、要求される目標圧縮強度を含む一定の範囲内に制御することが可能となる。
なお、セメント系硬化材に占める砂分容積が20%を超えると、硬化物の一軸圧縮強度は50〜100%程度増加することが知られているため、本実施の形態では砂分量も測定しているが、一般に、泥水固化体5において砂分容積が20%を超えることはない。したがって、泥水固化体5の一軸圧縮強度は、安定液3に含有する、泥水固化体5を構築する際に一軸圧縮強度に影響を与える土粒子とベントナイトとを足し合わせた微細粒分の総量と、安定液3に添加するセメント系硬化材の配合量とを把握することにより制御することができる。
そこで、本実施の形態では、泥水固化体5を構築する際に一軸圧縮強度に影響を与える土粒子とベントナイトとを足し合わせた微細粒分の総量を、これら微細粒分の総量を示す指標であるメチレンブルー吸着量に置き換え、数量の異なるメチレンブルー吸着量ごとに、安定液3に添加したセメント系硬化材の配合量と、固化後の泥水固化体5の一軸圧縮強度との関係を把握することとした。
具体的には、メチレンブルー吸着量が異なる複数種類の安定液3を用意し、これら複数種の安定液3各々に対して、セメント系硬化材の配合量が異なるよう作成した複数の泥水固化材4を添加してそれぞれに供試体を作成した。これら供試体を所定期間養生したのちに一軸圧縮強度を測定し、図5で示すような、安定液3中の水1m3に対するセメント系硬化材の配合量をX軸、一軸圧縮強度をY軸に設定したグラフ上にプロットした。そしてプロットよりなる点群データから、数式(1)で示すような、セメント系硬化材の配合量と一軸圧縮強度の関係を示す指数近似曲線を得た。
qu=Ceax+b −(1)
qu:一軸圧縮強度
C :メチレンブルー吸着量に応じた係数
X :安定液3中の水1m3に対するセメント系硬化材の配合量
b :近似曲線を適合させる係数
a :回帰係数
図5を見ると、メチレンブルー吸着量が大きいほど、つまり、泥水固化体5を構築する際に一軸圧縮強度に影響を与える土粒子とベントナイトとを足し合わせた微細粒分の総量が多いほど、小さいセメント系硬化材の配合量でも高い一軸圧縮強度を得られることがわかる。したがって、原位置にて泥水固化体5を構築するにあたり、あらかじめ図5で示すような指数近似曲線を作成しておくと、現場において杭抜き孔2を充填する安定液3のサンプルを採取し、メチレンブルー吸着量を測定するのみで、構築しようとする泥水固化体5に要求される目標圧縮強度を得るのに最適な安定液3中の水1m3に対するセメント系硬化材の配合量を把握することが可能となる。
以下に、目標圧縮強度を満足するセメント系硬化材の添加量を決定するための、泥水固化体5の強度管理方法を説明する。
<前処理工程>
あらかじめ、安定液3の種類、のちに泥水固化材4に含まれるセメント系硬化材の種類、杭抜き孔2に構築しようとする泥水固化体5の目標圧縮強度の上下限値を設定しておく。また、前述したように、数量の異なるメチレンブルー吸着量ごとで、安定液3に添加したセメント系硬化材の配合量と、固化後の泥水固化体5の一軸圧縮強度との関係を把握しておく。
本実施の形態では、図5で示すように、安定液3におけるメチレンブルー吸着量の濃度が5.0〜7.0%の範囲内で、濃度を0.5%ずつ異なる安定液3を5種類用意し、合計5本の指数近似曲線を作成している。なお、指数近似曲線を作成するメチレンブルー吸着量の範囲や、いずれの数量のメチレンブルー吸着量ごとに指数近似曲線を作成するかは、当業者が適宜設定すればよい。
<第1の工程>
先にも述べたように、図3(a)で示すように、杭抜き孔2を充填する安定液3のエアブロー撹拌を行った後、比重が深度方向で均質となったことを確認すべく、図3(b)で示すように、採取管8を用いて安定液3のサンプルを採取する。そこで、本実施の形態では、このサンプルを利用して比重だけでなく、砂分率を測定するとともにメチレンブルー吸着量測定方法によりメチレンブルー吸着量を測定する。
<第2の工程>
図5で示すメチレンブルー吸着量ごとにあらかじめ作成した複数の指数近似曲線のうち、安定液3のサンプルから測定したメチレンブルー吸着量と合致する指数近似曲線を選択し、この指数近似曲線から構築しようとする泥水固化体5に要求される目標圧縮強度を得るのに最適な安定液3中の水1m3に対するセメント系硬化材の配合量を決定する。この後、最適なセメント系硬化材の配合量と配合設計時のセメント系硬化材の配合量とを比較し、安定液3に添加する泥水固化材4の見直しを行う。
セメント系硬化材の配合量を変更しなくとも、構築後の泥水固化体5に発現される一軸圧縮強度が、前処理工程であらかじめ設定した目標圧縮強度を含む上下限値に収まるものと決定できる場合には、設計変更を行うことなく配合設計時のセメント系硬化材の配合量い基づいて作成した泥水固化材4を、杭抜き孔2の安定液3に添加する。一方、構築後の泥水固化体5に発現される一軸圧縮強度が、目標圧縮強度の上下限値に収めるべく、セメント系硬化材の配合量の変更が必要な場合には、最適なものと決定したセメント系硬化材の配合量に基づいて泥水固化材4を作成し直し、図4(a)で示すように、これを杭抜き孔2の安定液3に添加する。
これにより、例えば、泥水固化体5の目標圧縮強度を敷地の地耐力と同程度に設定しておくことにより、泥水固化体5構築後の敷地全体を一様な地耐力を有する地盤として取り扱うことが可能となる。このため、既設建築物を撤去した敷地に新設建築物を構築する場合に、従来のように既設杭1の引抜いた跡の杭抜き孔2を砂利や地盤改良度等の埋め戻し材にて埋め戻す場合と異なり、杭抜き孔2の位置に制約を受けることなく、新設建築物の基礎設計を行うことが可能となる。
上述する本発明の泥水固化体5の強度管理方法によれば、外的要因により安定液3中のベントナイト濃度が変動する、もしくは浮遊する微細粒分が増大するなどして、杭抜き孔2内を充填する安定液3の性状が作液時と比較して変化した場合にも、杭抜き孔2に満たされた安定液3から測定したメチレンブルー吸着量にて、安定液3の性状の変化を的確に捉えて、これまで把握することのできなかった泥水固化体5を構築する際に一軸圧縮強度に影響を与える土粒子とベントナイトとを足し合わせた微細粒分の総量を把握することが可能となる。
また、メチレンブルー吸着量の測定値に基づいて安定液3中の水1m3に対するセメント系硬化材の配合量の添加量が決定できるため、決定したセメント系硬化材の配合量に基づいてセメントミルクを主材とする泥水固化材4を作成し、これを安定液3に供給する。これにより、構築した泥水固化体5に発現する一軸圧縮強度を、目標圧縮強度を含む一定の範囲内に制御することが可能となる。
さらに、数量の異なるメチレンブルー吸着量ごとで、安定液3中に添加したセメント系硬化材の配合量と、固化後の泥水固化体5の一軸圧縮強度との関係を、あらかじめ把握しておけば、現場にて安定液3のメチレンブルー吸着量を測定するのみで、構築しようとする泥水固化体5に要求される目標圧縮強度を発現させるために最適な安定液3中の水1m3に対するセメント系硬化材の配合量を容易に決定できる。これにより、泥水固化体5の構築に関する施工管理の省力化を図ることが可能となる。
本発明の泥水固化体の強度管理方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、杭抜き孔2に構築する泥水固化体5が周辺地盤の地耐力と同程度の一軸圧縮強度を発現するように管理したが、必ずしもこれに限定するものではなく、遮水癖や防振壁、土留め壁として利用するべく泥水固化体5を構築する場合等に採用してもよい。
1 既成杭
2 杭抜き孔
3 安定液
4 泥水固化材
5 泥水固化体
6 凹凸
7 エアブロー管
8 トレミー管

Claims (3)

  1. 地中孔に満たされた安定液を原位置にて固化することにより構築される泥水固化体の強度管理方法であって、
    メチレンブルー吸着量を、泥水固化体の一軸圧縮強度に影響を与える土粒子とベントナイトとを足し合わせた微細粒分の量を示す指標として取り扱い
    前記地中孔を満たしている安定液からサンプルを採取し、前記メチレンブルー吸着量を測定する工程と、
    測定した前記メチレンブルー吸着量と前記泥水固化体に要求される目標圧縮強度とに基づいて、前記安定液を固化するべく添加するセメント系硬化材の配合量を決定する工程と、を備えることを特徴とする泥水固化体の強度管理方法。
  2. 請求項1に記載の泥水固化体の強度管理方法であって、
    前記セメント系硬化材の配合量を決定するにあたり、前記メチレンブルー吸着量ごとに、前記セメント系硬化材の配合量とこれに対応する前記泥水固化体の一軸圧縮強度との関係を、あらかじめ求めておくことを特徴とする泥水固化体の強度管理方法。
  3. 請求項1に記載の泥水固化体の強度管理方法であって、
    前記地中孔が、既設杭の引抜き跡に形成された杭抜き孔であることを特徴とする泥水固化体の強度管理方法。
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