JP2021075910A - スラリー硬化物の物性値推定方法 - Google Patents

スラリー硬化物の物性値推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スラリーの硬化物の物性値を高精度で推定する方法を提供する。【解決手段】土木又は建築の現場で使用する水硬性粉体と前記現場の土壌と水とを含有するスラリーの硬化物の物性値推定方法である。前記水硬性粉体と事前検証用土壌と水とを含有する事前検証用スラリーについて、その単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量と、前記事前検証用スラリーに発熱剤を添加する事前検証における前記事前検証用スラリーの前記発熱剤の添加後の温度関連情報との関係についての情報に基づき、前記スラリーに、前記発熱剤を、前記事前検証と同一条件となるように添加したときにおける前記スラリーの前記発熱剤の添加後の温度関連情報から、前記スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量を推定する。前記推定した前記スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量から、前記スラリーの硬化物の物性値を推定する。【選択図】なし

Description

本発明は、スラリー硬化物の物性値推定方法及びスラリーにおける水硬性粉体含有量の推定方法に関する。
プレボーリング杭工法、深層混合処理工法、パワーブレンダー工法等の地盤改良では、セメントスラリーが用いられるとともに、その硬化物により地盤強化が図られる。このとき、品質管理の観点から、セメントスラリーの硬化物の圧縮強度の適否を判定することが行われる。ところが、例えば掘削によって発生した泥土化した土壌をセメントスラリーを用いて固化させるような場合、セメントスラリーには、現場の土壌が混入するため、土壌混入前のセメントスラリーの硬化物の強度に基づいて判定したのでは、精度の高い判定を行うことができない。これに対し、特許文献1には、現場で採取したセメントスラリーについて、その硬化に伴う温度変化を測定し、その測定で得られた最高温度から、セメントスラリーの最高温度とセメント水比との相関関係を示す関係式に基づいて、セメントスラリーのセメント水比を算出し、その算出されたセメント水比から、セメントスラリーのセメント水比とその硬化物の圧縮強度との相関関係を示す関係式に基づいて、セメントスラリーの硬化物の圧縮強度を算出して推定する方法が開示されている。
特開2016−75114号公報
本発明の課題は、スラリーの硬化物の物性値を高精度で推定する方法を提供することである。
本発明は、土木又は建築の現場で使用する水硬性粉体と、前記現場の土壌と、水とを含有するスラリーの硬化物の物性値を推定する方法であって、前記水硬性粉体と、事前検証用土壌と、水とを含有する事前検証用スラリーについて、前記事前検証用スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量と、前記事前検証用スラリーに、前記水硬性粉体と反応して発熱する発熱剤を添加する事前検証における前記事前検証用スラリーの前記発熱剤の添加後の温度関連情報との関係についての第1情報に基づき、前記スラリーに、前記発熱剤を、前記事前検証と同一条件となるように添加したときにおける前記スラリーの前記発熱剤の添加後の温度関連情報から、前記スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量を推定し、前記推定した前記スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量から、前記スラリーの硬化物の物性値を推定するものである。
本発明は、土木又は建築の現場で使用する水硬性粉体と、前記現場の土壌と、水とを含有するスラリーにおける前記水硬性粉体の含有量を推定する方法であって、前記水硬性粉体と、事前検証用土壌と、水とを含有する事前検証用スラリーについて、前記事前検証用スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量と、前記事前検証用スラリーに、前記水硬性粉体と反応して発熱する発熱剤を添加する事前検証における前記事前検証用スラリーの前記発熱剤の添加後の前記温度関連情報との関係についての情報に基づき、前記スラリーに、前記発熱剤を、前記事前検証と同一条件となるように添加したときにおける前記スラリーの前記発熱剤の添加後の温度関連情報から、前記スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量を推定するものである。
本発明によれば、スラリーに発熱剤を添加したときの発熱特性を利用することにより、スラリーの硬化物の物性値を高精度で推定することができる。
事前検証用スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、事前検証用スラリーの発熱剤の添加後の温度Yとの関係を示すグラフである。 事前検証用スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、事前検証用スラリーの発熱剤の添加前後の上昇温度ΔYとの関係を示すグラフである。 事前検証用スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、事前検証用スラリーの硬化物の物性値Zとの関係を示すグラフである。 実施例における事前検証用スラリーの単位体積当たりの普通ポルトランドセメントの含有量と、事前検証用スラリーの発熱剤の添加後の温度との関係を示すグラフである。 実施例における事前検証用スラリーの単位体積当たりの普通ポルトランドセメントの含有量と、事前検証用スラリーの硬化物の材齢7日の圧縮強度との関係を示すグラフである。
以下、実施形態について詳細に説明する。
実施形態に係るスラリー硬化物の物性値推定方法では、土木又は建築の現場で使用するスラリー(以下「現場スラリー」という。)の硬化物の物性値を推定する。
ここで、土木又は建築の現場としては、例えば、プレボーリング杭工法や中堀り杭工法などの埋め込み工法、セメント固化工法、深層混合処理工法、パワーブレンダー工法等を使用する現場が挙げられる。
これらの現場で使用する現場スラリーは、現場の泥土化した土壌を固化させる等のため、水硬性粉体と水とを混練して調製したオリジナルスラリーが現場で注入されて現場の土壌と更に混練される。したがって、現場スラリーは、水硬性粉体と、現場の土壌と、水とを含有する。
本出願における「水硬性粉体」とは、水和反応により硬化する物性を有する粉体である。かかる水硬性粉体としては、例えば、セメント、石膏等が挙げられる。セメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、エコセメント等が挙げられる。水硬性粉体は、これらのうちの1種又は2種以上のセメントを含むことが好ましい。現場の土壌は、オリジナルスラリーが接触する土壌であり、例えば、現場のオリジナル土壌そのものであってもよく、また、現場のオリジナル土壌が掘削液と混ざり合って泥土化した土壌であってもよい。オリジナルスラリー及び現場スラリーにおける水硬性粉体の含有量に対する水の含有量の比の質量百分率(W/C)は、例えば30質量%以上200質量%以下である。オリジナルスラリー及び現場スラリーは、水硬性粉体及び水以外に、骨材、分散剤等を含有していてもよい。
現場スラリーの硬化物の物性値としては、例えば、圧縮強度、曲げ強度、割裂引張強度等が挙げられる。圧縮強度は、JIS A 1108:2018に基づいて測定される。曲げ強度は、JIS A 1106:2006に基づいて測定される。割裂引張強度は、JIS A 1113:2018に基づいて測定される。これらのうち土木又は建築の現場で使用する現場スラリーの硬化物の強度評価指標として重要度が高いのは圧縮強度である。
<第1及び第2情報の準備>
実施形態に係るスラリー硬化物の物性値推定方法では、各々、現場スラリーと同一の水硬性粉体を含有するとともに、単位体積当たりの水硬性粉体の含有量が異なる複数の事前検証用スラリーを調製し、それらの事前検証用スラリーに、水硬性粉体と反応して発熱する発熱剤を添加する事前検証を行い、その結果から、事前検証用スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量と、事前検証用スラリーの発熱剤の添加後の温度関連情報との関係についての第1情報を得る。
本発明者は、スラリーに水硬性粉体と反応して発熱する物質を添加したときの温度が水硬性粉体の含有量と相関関係を有することから、それらの相関関係を予め把握しておくことにより、その物質を添加したときの温度からスラリーにおける水硬性粉体の含有量を推定できることを見出した。
例えば、水硬性粉体である普通ポルトランドセメントは、酸化カルシウム、酸化ケイ素、及び酸化アルミニウムで形成された3CaO・SiO(C3S)、2CaO・SiO(C2S)、3CaO・Al(C3A)等のクリンカー由来の成分と、硫酸カルシウム(CaSO)水和物であるせっこうとで構成されている。これを用いたセメントスラリーでは、セメントが水と接すると、まず反応性の高いC3Aとせっこうとが水和反応し、C3A・3CaSO・32HOの組成式で表せられるエトリンガイトと呼ばれる針状結晶を生成する。次いで、数時間乃至数十時間後にC3S及びC2Sの本格的な水和反応が始まり、硬化反応が進行する。これらの水和反応のうち、エトリンガイトの生成反応は、反応速度が速く且つ発熱を伴う反応であり、初期反応の進行度を測る上で注目すべき反応である。このエトリンガイトの生成反応は、単純にセメントが水に接するだけであれば、何等の支障も無く進行する。ところが、地盤改良工事等における土壌掘削によって発生した掘削排泥をセメントスラリーを用いて固化させる場合、現場の土壌に由来する有機質成分(腐植物質)によって、セメントやC3Aの表面が被覆され、分子サイズが比較的大きいイオン(カルシウムイオン、アルミニウムイオン、硫酸イオン)の溶出が妨げられ、エトリンガイトの生成反応が抑制されてしまうこととなる。そこで、掘削排泥が混入したセメントスラリーに、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、及び硫酸イオンを含み、溶解速度が速く且つ腐植の影響を受けにくい無機塩である硫酸アルミニウムや硫酸カルシウムを適切な比率で添加すると、それがセメント由来で且つ腐植の被覆によって溶出を妨げられにくい水酸化物イオンと水和反応してエトリンガイトを生成するとともに、その水和反応により発熱してセメントスラリーの温度が上昇する。このセメントスラリーの温度の上昇は、セメント由来の水酸化物イオンの含有量、したがって、セメントの含有量と相関関係を有することになるので、それらの相関関係を予め把握しておくことにより、セメントスラリーに硫酸アルミニウムや硫酸カルシウムを添加した後の温度から、セメントスラリーにおけるセメントの含有量を推算することができる。
ここで、事前検証用スラリーは、現場スラリーと同一の水硬性粉体に加え、事前検証用土壌と、水とを含有する。このとき、事前検証用土壌として複数種の土壌を用い、それらを事前検証して複数の第1情報をデータベース化しておき、その複数種の土壌のうち、現場の土壌に最も類似する土壌を選択して用いたときの第1情報を得てもよい。このようにすれば、現場毎の事前検証が不要となるので、後述の現場スラリーの硬化物の推定した物性値に基づく判定を極めて短時間で行うことができる。この場合、土壌の類似性は、その含水比(土壌に含まれる水の質量のその乾燥土に対する百分率)により特徴付けることができるので、事前検証用土壌として、複数種の土壌のうち、含水比が現場の土壌の含水比の±50%の範囲にあり且つ現場の土壌の含水比に最も近い土壌を選択することが好ましい。また、精度の高い第1情報を得る観点からは、事前検証用土壌として、現場の土壌を用いることが好ましい。
事前検証で用いる事前検証用スラリーの量は、特に限定されるものではないが、大量である必要はなく、例えば100g以上1000g以下程度であればよい。複数の事前検証用スラリーについて事前検証で用いる量は、同量であっても、同量でなくても、どちらでもよい。
発熱剤としては、例えば、硫酸アルミニウムや硫酸カルシウムなどの硫酸塩等が挙げられる。発熱剤は、硫酸アルミニウムを含むことが好ましく、硫酸アルミニウムに加えて更に硫酸カルシウムを含み、硫酸アルミニウム及び硫酸カルシウムの両方を含むことがより好ましい。発熱剤が硫酸アルミニウム及び硫酸カルシウムの両方を含む場合、硫酸アルミニウムの含有量の硫酸カルシウムの含有量に対する質量比(硫酸アルミニウムの含有量/硫酸カルシウムの含有量)は、好ましくは30/70以上90/10以下、より好ましくは40/60以上80/20以下である。また、硫酸アルミニウムの含有量は、硫酸カルシウムの含有量よりも多いことが好ましい。
発熱剤の添加量は、例えば事前検証用スラリー100質量部に対して5質量部以上30質量部以下である。発熱剤の添加量は、未反応の発熱剤が残る過剰量であってもよい。複数の事前検証用スラリーについての発熱剤の添加量は、基本的には同量であることが好ましいが、未反応の発熱剤が残る過剰量を添加するのであれば、必ずしも同量でなくてもよい。
第1情報としては、事前検証用スラリーの発熱剤の添加後の温度Yを温度関連情報とする、事前検証用スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、事前検証用スラリーの発熱剤の添加後の温度Yとの関係式Y=F(X)が挙げられる。この関係式Y=F(X)は、事前検証で用いた複数の事前検証用スラリーについて、単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、発熱剤の添加後の温度Yとの組み合わせのデータから、最小二乗近似法等により得ることができる。
第1情報としては、事前検証用スラリーの発熱剤の添加前後の上昇温度ΔYを温度関連情報とする、事前検証用スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、事前検証用スラリーの発熱剤の添加前後の上昇温度ΔYとの関係式ΔY=F’(X)が挙げられる。この関係式ΔY=F’(X)は、事前検証で用いた複数の事前検証用スラリーについて、単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、発熱剤の添加後の温度Yから添加前の温度を減じたΔYとの組み合わせのデータから、最小二乗近似法等により得ることができる。
また、第1情報としては、事前検証用スラリーの発熱剤の添加後の温度Yを温度関連情報とする、図1Aに示すような事前検証用スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、事前検証用スラリーの発熱剤の添加後の温度Yとの関係図が挙げられる。この関係図は、事前検証で用いた複数の事前検証用スラリーについて、単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、発熱剤の添加後の温度Yとの組み合わせのデータをX−Y座標にプロットし、それらの近似線を引くことにより得ることができる。
第1情報としては、事前検証用スラリーの発熱剤の添加前後の上昇温度ΔYを温度関連情報とする、図1Bに示すような事前検証用スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、事前検証用スラリーの発熱剤の添加後の上昇温度ΔYとの関係図が挙げられる。この関係図は、事前検証で用いた複数の事前検証用スラリーについて、単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、発熱剤の添加後の温度Yから添加前の温度を減じたΔYとの組み合わせのデータをX−Y座標にプロットし、それらの近似線を引くことにより得ることができる。
実施形態に係るスラリー硬化物の物性値推定方法では、第1情報を得るのに用いた事前検証用スラリーを硬化させ、その硬化物の物性値を測定し、事前検証用スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、事前検証用スラリーの硬化物の物性値Zとの関係についての第2情報を得る。
第2情報としては、事前検証用スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、事前検証用スラリーの硬化物の物性値Zとの関係式Z=F(X)が挙げられる。この関係式Z=F(X)は、事前検証で用いた複数の事前検証用スラリーについて、事前検証用スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、事前検証用スラリーの硬化物の物性値Zの組み合わせのデータから、最小二乗近似法等により得ることができる。
また、第2情報としては、図2に示すような事前検証用スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、事前検証用スラリーの硬化物の物性値Zとの関係図が挙げられる。この関係図は、事前検証で用いた複数の事前検証用スラリーについて、単位体積当たりの水硬性粉体の含有量Xと、事前検証用スラリーの硬化物の物性値Zとの組み合わせのデータをX−Z座標にプロットし、それらの近似線を引くことにより得ることができる。
なお、これらの第1及び第2情報を得るための事前検証及び硬化物の物性値の測定は、現場で行ってもよいが、後述の現場スラリーの硬化物の推定した物性値に基づく判定を短時間で行う観点からは、現場での施工前にラボ等で事前に行うことが好ましい。
また、これらの第1及び第2情報を得るための事前検証及び硬化物の物性値の測定は、後述の水硬性粉体の含有量の推定及び現場スラリー硬化物の物性値の推定の実施主体とは異なる他者により行われてもよい。この場合、水硬性粉体の含有量の推定及び現場スラリー硬化物の物性値の推定の実施主体は、その他者からの提供により第1及び第2情報を準備することとなる。
<水硬性粉体の含有量の推定>
実施形態に係るスラリー硬化物の物性値推定方法では、第1情報に基づき、現場スラリーに、事前検証で用いたのと同一の発熱剤を、事前検証と同一条件となるように添加したときにおける現場スラリーの発熱剤の添加後の温度関連情報から、現場スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量xを推定する。
ここで、「現場スラリーに発熱剤を事前検証と同一条件となるように添加する」とは、基本的には、現場スラリー100質量部に対する発熱剤の添加量を、事前検証用スラリー100質量部に対する発熱剤の添加量に一致させることを意味するが、現場スラリー及び事前検証用スラリーに未反応の発熱剤が残る過剰量を添加するのであれば、必ずしもそれらが一致していなくてもよい。
第1情報が関係式Y=F(X)の場合、これにY=yの方程式を解くことにより、発熱剤の添加後の温度yのときの現場スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量xを算出して推定することができる。同様に、第1情報が関係式ΔY=F’(X)の場合、これにΔY=Δyの方程式を解くことにより、発熱剤の添加後の上昇温度Δyのときの現場スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量xを算出して推定することができる。
第1情報が図1Aに示す関係図の場合、Y軸のY=yでの近似線の対応位置におけるX軸の数値を読み取ることにより、現場スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量xを推定することができる。同様に、第1情報が図1Bに示す関係図の場合、Y軸のΔY=Δyでの近似線の対応位置におけるX軸の数値を読み取ることにより、現場スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量xを推定することができる。
<現場スラリー硬化物の物性値の推定>
実施形態に係るスラリー硬化物の物性値推定方法では、第2情報に基づき、現場スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量xから、現場スラリーの硬化物の物性値zを推定する。
第2情報が関係式Z=F(X)の場合、これにX=xを代入することにより、現場スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量xのときの現場スラリーの硬化物の物性値zを算出して推定することができる。
第2情報が図1Bに示す関係図の場合、X軸のX=xでの近似線の対応位置におけるZ軸の数値を読み取ることにより、現場スラリーの単位体積当たりの水硬性粉体の含有量xのときの現場スラリーの硬化物の物性値zを推定することができる。
そして、推定した現場スラリーの硬化物の物性値zに基づき、その適否を判定し、必要な場合には、現場スラリーの設計変更を行う。
(事前検証用スラリー)
比重2.65g/cmの粘土粉(住友大阪セメント社製 スミクレー)とイオン交換水とを、前者/後者=265g/165gの比率で混合し、事前検証用土壌として比重1.62g/cmの模擬掘削泥水430g(265g/cm)を4つ作製した。
水硬性粉体としての普通ポルトランドセメント21.3gに、イオン交換水12.75gを添加し、市販のハンドミキサーを用いて1分間混錬することによりセメントペースト(1)34.05g(W/C=60%)を作製した。
この後、上記模擬掘削泥水の1つにセメントペースト(1)を添加し、市販のハンドミキサーを用いて3分間混錬することにより事前検証用スラリー(1)464gを調製した。事前検証用スラリー(1)の単位体積当たりの普通ポルトランドセメントの含有量は80Kg/mである。
同様にして、表1に示す構成の事前検証用スラリー(2)及び(3)も調製した。
Figure 2021075910
(第1及び第2情報)
セメントペーストを添加していない模擬掘削泥水430gに、発熱剤としての無水硫酸アルミニウム(A)及び無水硫酸カルシウム(B)の混合物(A/B質量比=60/40)を、模擬掘削泥水の10質量%の43g添加し、市販のハンドミキサーを用いて3分間混錬した後、安定した模擬掘削泥水の温度を温度計にて測定した。
同様にして、事前検証用スラリー(1)〜(3)のそれぞれについても、発熱剤としての無水硫酸アルミニウム(A)及び無水硫酸カルシウム(B)の混合物を添加した後の安定した温度を測定した。なお、事前検証用スラリー(3)には、発熱剤の添加量を、事前検証用スラリー(3)の11質量%とした。
表2に、模擬掘削泥水及び事前検証用スラリー(1)〜(3)の発熱剤の添加後の温度Yを示す。そして、この結果から、第1情報として、図3Aに示す、単位体積当たりの普通ポルトランドセメントの含有量Xと、発熱剤の添加後の温度Yとの関係図を得た。
次に、事前検証用スラリー(1)〜(3)のそれぞれについて、7日間静置して硬化させ、JIS A 1108:2018に基づいて、調製から7日後の硬化物の圧縮強度を測定した。
表2に、事前検証用スラリー(1)〜(3)の硬化物の材齢7日の圧縮強度Zを示す。そして、この結果から、第2情報として、図3Bに示す、単位体積当たりの普通ポルトランドセメントの含有量Xと、材齢7日の圧縮強度Zとの関係図を得た。
Figure 2021075910
(圧縮強度の推定)
例えば、土木又は建築の現場において、水硬性粉体を普通ポルトランドセメントとするオリジナルスラリーが用いられた現場スラリーに、発熱剤の無水硫酸アルミニウム(A)及び無水硫酸カルシウム(B)の混合物を添加した後の安定温度が65℃であったとすると、図3Aより、現場スラリーの単位体積当たりの普通ポルトランドセメントの含有量を137Kg/mと推測することができる。また、図3Bより、現場スラリーの単位体積当たりの普通ポルトランドセメントの含有量が137Kg/mであるときの現場スラリーの硬化物の材齢7日の圧縮強度を372kN/mと推測することができる。そして、この推定した現場スラリーの硬化物の圧縮強度に基づき、その適否を判定し、必要に応じて、現場スラリーの設計変更を行うことができる。
本発明は、スラリー硬化物の物性値推定方法及びスラリーにおける水硬性粉体含有量の推定方法の技術分野について有用である。

Claims (13)

  1. 土木又は建築の現場で使用する水硬性粉体と、前記現場の土壌と、水とを含有するスラリーの硬化物の物性値を推定する方法であって、
    前記水硬性粉体と、事前検証用土壌と、水とを含有する事前検証用スラリーについて、前記事前検証用スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量と、前記事前検証用スラリーに、前記水硬性粉体と反応して発熱する発熱剤を添加する事前検証における前記事前検証用スラリーの前記発熱剤の添加後の温度関連情報との関係についての第1情報に基づき、
    前記スラリーに、前記発熱剤を、前記事前検証と同一条件となるように添加したときにおける前記スラリーの前記発熱剤の添加後の温度関連情報から、前記スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量を推定し、
    前記推定した前記スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量から、前記スラリーの硬化物の物性値を推定する、スラリー硬化物の物性値推定方法。
  2. 前記第1情報が、前記事前検証用スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量と、前記事前検証用スラリーの前記発熱剤の添加後の温度との関係式である、請求項1に記載されたスラリー硬化物の物性値推定方法。
  3. 前記スラリーの硬化物の物性値の推定を、前記事前検証用スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量と、前記事前検証用スラリーの硬化物の物性値との関係についての第2情報に基づいて行う、請求項1又は2に記載されたスラリー硬化物の物性値推定方法。
  4. 前記第2情報が、前記事前検証用スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量と、前記事前検証用スラリーの硬化物の物性値との関係式である、請求項3に記載されたスラリー硬化物の物性値推定方法。
  5. 前記事前検証用スラリーの前記事前検証用土壌として、複数種の土壌のうち、含水比が前記現場の土壌の含水比の±50%の範囲にあり且つ前記現場の土壌の含水比に最も近い土壌が選択されて用いられている、請求項1乃至4のいずれかに記載されたスラリー硬化物の物性値推定方法。
  6. 前記事前検証用スラリーの前記事前検証用土壌として前記現場の土壌が用いられている、請求項1乃至5のいずれかに記載されたスラリー硬化物の物性値推定方法。
  7. 前記物性値が圧縮強度である、請求項1乃至6のいずれかに記載されたスラリー硬化物の物性値推定方法。
  8. 前記水硬性粉体がセメントを含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の物性値推定方法。
  9. 前記発熱剤が硫酸アルミニウムを含む、請求項1乃至8のいずれかに記載の物性値推定方法。
  10. 前記発熱剤が硫酸カルシウムを更に含む、請求項9に記載の物性値推定方法。
  11. 前記現場が埋め込み工法を使用する現場である、請求項1乃至10のいずれかに記載の物性値推定方法。
  12. 前記現場がセメント固化工法を使用する現場である、請求項1乃至10のいずれかに記載の物性値推定方法。
  13. 土木又は建築の現場で使用する水硬性粉体と、前記現場の土壌と、水とを含有するスラリーにおける前記水硬性粉体の含有量を推定する方法であって、
    前記水硬性粉体と、事前検証用土壌と、水とを含有する事前検証用スラリーについて、前記事前検証用スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量と、前記事前検証用スラリーに、前記水硬性粉体と反応して発熱する発熱剤を添加する事前検証における前記事前検証用スラリーの前記発熱剤の添加後の温度関連情報との関係についての情報に基づき、
    前記スラリーに、前記発熱剤を、前記事前検証と同一条件となるように添加したときにおける前記スラリーの前記発熱剤の添加後の温度関連情報から、前記スラリーの単位体積当たりの前記水硬性粉体の含有量を推定する、スラリーにおける水硬性粉体含有量の推定方法。
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