JP2012202356A - カム構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】カムローブとカムシャフトを別体とし、且つ、カムローブの取り付け位置の調整を容易に行うことなどが可能なカム構造を提供する。
【解決手段】カムシャフト12と、カムローブ13と、ピン22とを備えたカム構造11であって、カムシャフトは、カムシャフトの中心軸と垂直な方向にピン22が挿通される貫通孔12aを有し、カムローブは、ベース円部14aとバルブリフト部14bとから形成されるベースカム14と、ベース円部に形成されてカムシャフトが挿通されるシャフト取り付け孔14cと、バルブリフト先端部14dに形成される切り欠き部14eに設けられるとともにシャフト取り付け孔14cの中心軸と平行な軸15aに対して回転自在なローラ15とを有し、ピンは、ローラの外周面に対向する切り欠き部の対向面14gに設けられるピン孔14jを介して貫通孔に締結されることなどを特徴とする構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関(以下、これをエンジンとも称する)のカム構造に関するものである。
エンジンの動弁機構を構成するカム構造の一種として、従来から、カムローブのベースカムにおけるバルブリフト部の先端部にローラが設けられたカム構造が知られている。このようなローラ付のカム構造はローラ付でないカム構造に比べて、例えばフリクション低減による燃費向上や、低回転域でのカム駆動トルクの低減などの優れた効果が得られる。このようなローラ付のカム構造の具体例としては、例えば下記の特許文献1,2に開示されたものがある。
特許文献1に開示されているカム構造(図示省略)は、エンジンの作動と連動して回転するカムシャフトと、前記エンジンの動弁機構の被駆動部を駆動させるカムローブとを備えた構造である。前記カムローブは、ベースカムとローラとを有している。前記ベースカムは、筒体と、筒体を挾持する2枚の板状のカムピースとから構成され、ベース円部とバルブリフト部とを有している。前記ローラは、前記バルブリフト部の先端部に設けられるとともに前記カムシャフトの中心軸と平行な軸に対して回転自在になっている。前記カムシャフトは前記ベース円部に形成されたシャフト取り付け孔に挿通され、前記ローラの回転軸は前記バルブリフト部に形成された軸取り付け孔に挿通されている。
特許文献2に開示されているカム構造(図示省略)は、エンジンの作動と連動して回転するカムシャフトと、前記エンジンの動弁機構の被駆動部を駆動させるカムローブとを備えた構造である。前記カムローブは、ベース円部とバルブリフト部とから形成されるベースカムと、前記バルブリフト部の先端部に設けられるとともに前記カムシャフトの中心軸と平行な軸に対して回転自在なローラとを有している。前記バルブリフト部は、その先端部の外周面全体が切り欠かれて切り欠き部が形成されている。前記ローラは、前記ベースカムの切り欠き部に嵌め込まれ、ローラ回転軸が前記ベースカムの両側面にビスで固定されたプレートに支持されている。前記ローラの外周面と対向する前記切り欠き部の対向面は、前記ローラ側に曲がった曲面となっている。前記対向面(曲面)の曲率半径は前記ローラの外周面の曲率半径と中心位置が同じであり、前記対向面(曲面)と前記ローラの外周面との間には一定幅の隙間を有している。
実開昭63−147505号公報 実開昭63−065806号公報
カムローブにおけるベースカムを精密に作製するという観点からは、カムローブとカムシャフトが別体のものであることが望ましい。
しかし、この場合には、カムシャフトに対するカムローブの取り付け位置の調整が面倒であるため、カムローブの取り付け位置調整を容易にすることが望まれる。
また、ピンを用いてカムローブとカムシャフトを連結する場合、カムローブのベースカムに設けるピン孔の位置によっては、カムローブの耐久性を損なうおそれがあるため、ピン孔の配置などに工夫を施す必要がある。更には、ピンを用いてカムを組み立てるとき、カムローブのベースカムに歪が発生すると、後処理が面倒であるため、ベースカムに歪が発生しにくくする工夫も望まれる。
また、ローラ付きのカム構造においては、ローラ部に確実に潤滑油を供給する工夫も必要である。
これらの点に関して、特許文献1,2には、十分には開示されていない。
従って本発明は、カムローブとカムシャフトを別体とし、且つ、カムローブの取り付け位置の調整を容易に行うことができるなど、上記の各問題点を解決することが可能なカム構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決する第1発明のカム構造は、
内燃機関の作動と連動して回転するカムシャフトと、
前記カムシャフトに組み付けられるカムローブと、
前記カムシャフトと前記カムローブとを連結するピンと
を備えたカム構造であって、
前記カムシャフトは、前記カムシャフトの中心軸と垂直な方向に前記ピンが挿通される貫通孔を有し、
前記カムローブは、ベース円部とバルブリフト部とから形成されるベースカムと、前記ベース円部に形成されて前記カムシャフトが挿通されるシャフト取り付け孔と、前記バルブリフト部の先端部に形成される切り欠き部に設けられるとともに前記シャフト取り付け孔の中心軸と平行な軸に対して回転自在なローラとを有し、
前記ピンは、前記ローラの外周面に対向する前記切り欠き部の対向面に設けられるピン孔を介して前記貫通孔に締結される
ことを特徴とする。
また、第2発明のカム構造は、第1発明のカム構造において、
前記ピン孔の径は、前記ピンが挿通された状態で、前記ピン孔の内周面と前記ピンの外周面との間に隙間が形成されるように設定されていることを特徴とする。
また、第3発明のカム構造は、第1又は第2発明のカム構造において、
前記カムシャフトは、内部に潤滑油が通る油路を備え、
前記ピンは、前記カムシャフトに連結された状態で、前記油路と連通されるとともに前記切り欠き部の対向面に位置する端部で開口する油孔を備えた
ことを特徴とする。
また、第4発明のカム構造は、第1〜第3発明の何れか1つのカム構造において、
前記切り欠き部の対向面は、前記ローラ側に曲がった曲面であり、
前記曲面の曲率半径は、前記ローラの外周面の曲率半径よりも大きく設定されている
ことを特徴とする。
第1発明のカム構造によれば、内燃機関の作動と連動して回転するカムシャフトと、前記カムシャフトに組み付けられるカムローブと、前記カムシャフトと前記カムローブとを連結するピンとを備えたカム構造であって、前記カムシャフトは、前記カムシャフトの中心軸と垂直な方向に前記ピンが挿通される貫通孔を有し、前記カムローブは、ベース円部とバルブリフト部とから形成されるベースカムと、前記ベース円部に形成されて前記カムシャフトが挿通されるシャフト取り付け孔と、前記バルブリフト部の先端部に形成される切り欠き部に設けられるとともに前記シャフト取り付け孔の中心軸と平行な軸に対して回転自在なローラとを有し、前記ピンは、前記ローラの外周面に対向する前記切り欠き部の対向面に設けられるピン孔を介して前記貫通孔に締結されることを特徴としているため、次のような作用効果を得ることができる。
即ち、カムローブをカムシャフトに組み付ける構成とし、カムローブとカムシャフトとを別体したことで、通常のカムローブにおけるベースカムよりも形状が複雑なベースカムを精密に作成することができる。
また、ピンによりカムローブとカムシャフトとを連結するため、カムローブの取り付け位置の調整が容易であり、組立性が向上する。
更に、ピン孔を切り欠き部の対向面に設けたことにより、ピン孔の一方の開口は対向面上に位置し、ピン孔の他方の開口はベース円部の外周面上に位置する。従って、バルブリフト部の外周面上にはピン孔の開口が無いため、バルブをリフトする際に大きな荷重がかかるバルブリフト部の面積を損なわず、耐久性を維持することができる。
第2発明のカム構造によれば、第1発明のカム構造において、前記ピン孔の径は、前記ピンが挿通された状態で、前記ピン孔の内周面と前記ピンの外周面との間に隙間が形成されるように設定されていることを特徴としているため、カム組み立て時にカムローブに歪みが発生しにくい。このため、後処理をすることなく、バルブリフト量即ちカムプロファイル精度の高いカムを提供することができる。また、カムローブによって掻き揚げられる潤滑油が隙間近傍で保持されやすくなるため、ローラの摺動抵抗もより低減される。
第3発明のカム構造によれば、第1又は第2発明のカム構造において、前記カムシャフトは、内部に潤滑油が通る油路を備え、前記ピンは、前記カムシャフトに連結された状態で、前記油路と連通されるとともに前記切り欠き部の対向面に位置する端部で開口する油孔を備えたことを特徴としているため、潤滑油を切り欠き部に確実に供給できる。このため、ローラと被駆動部との間の摺動抵抗をより確実に低減することができる。また、ピン内部に潤滑油が流通する油孔を設けることで、カムローブに新たに孔を設ける必要が無いため、カムローブの耐久性を維持することができる。
第4発明のカム構造によれば、第1〜第3発明の何れか1つのカム構造において、前記切り欠き部の対向面は、前記ローラ側に曲がった曲面であり、前記曲面の曲率半径は、前記ローラの外周面の曲率半径よりも大きく設定されていることを特徴としているため、切り欠き部の設定が容易となり、ローラの外径の選定の自由度を大きくすることができる。また、対向面(曲面)の曲率半径をローラの外周面の曲率半径よりも大きく設定することで、潤滑油が切り欠き部に溜まり易くなり、ローラの摺動抵抗もより低減される。更には、対向面とローラの外周面との間の隙間(空間)の拡大により、ローラの組み付け性も向上する。
(a)は本発明の実施の形態例に係るカム構造の側面図、(b)は(a)のA−A線矢視の断面図である。 図1(b)のB−B線矢視の断面図である。 ピンをカムシャフトに連結(カムシャフトのシャフト取り付け孔及びカムローブのピン孔に挿通)する前の状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態例に係るカム構造を用いた動弁機構の構成図である。 (a)は本発明の比較例に係るカム構造の側面図、(b)は(a)のC−C線矢視の断面図である。 本発明の実施の形態例に係るカム構造と本発明の比較例に係るカム構造の各領域を対比した図である。 本発明の実施の形態例に係るカム構造と本発明の比較例に係るカム構造の動弁特性(バルブリフト特性)を対比した図である。
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づき詳細に説明する。
<構成>
まず、図1(a),図1(b),図2及び図3に基づき、本発明の実施の形態例に係るカム構造11の構成について説明する。
これらの図に示すように、本実施の形態例のカム構造11は、車両の走行駆動用のエンジンの作動と連動して回転するカムシャフト12と、前記エンジンの動弁機構の被駆動部を駆動させるカムローブ13とを備えている。なお、図示は省略するが、カムローブ13は前記エンジンの各気筒におけるバルブ(吸気バルブ又は排気バルブ)に対応させて、カムシャフト12に複数設けられており、何れも同じ構造を有している。
カムローブ13は、ベースカム14とローラ15とを有している。ベースカム14は、ベース円部14aとバルブリフト部14bとから形成されており、外周面が周方向全体に亘って連続している。
カム構造11の回転方向は図1(b)に示す矢印Dの方向であり、バルブリフト部14bは、図1(b)における右側がバルブリフトの立ち上がり側(バルブが開く側)、右側がバルブリフトの立下り側(バルブが閉じる側)である。
バルブリフト部14bの先端部(カムトップ部)14dには、切り欠き部14eが設けられている。切り欠き部14eは、バルブリフト部14bの先端部14d(以下、バルブリフト先端部と称する)の幅方向(図1(b)の左右方向)の中央部に形成されている。このため、バルブリフトの立ち上がり側及び立下り側におけるバルブリフト部14bの基端部14f(以下、バルブリフト基端部と称する)では、ベース円部14aと同じ広い幅を有している一方、バルブリフト先端部14dでは、切り欠き部14eの幅の分だけ、バルブリフト基端部14fの幅よりも狭くなっている。
ローラ15は、バルブリフト先端部14dに設けられるとともに、カムシャフト12の中心軸と平行な軸に対して回転自在となっている。具体的には、ローラ15は、切り欠き部14eに嵌め込んだ状態で、回転軸15aをカムシャフト12の中心軸と平行にしてローラ15に形成された軸取り付け孔15bと、バルブリフト先端部14dに形成された軸取り付け孔14nとに挿通することにより、バルブリフト先端部14dに取り付けられている。また、ローラ15は、外周面の一部が、バルブリフト先端部14dの外周面よりも外側に出るように取り付けられている。
ローラ15の外周面と対向する切り欠き部14eの対向面14gは、ローラ15側(バルブリフト部14bの先端側)に曲がった曲面となっている。しかも、対向面(曲面)14gの曲率半径は、ローラ15の外周面の曲率半径と中心位置が異なっており、且つ、ローラ15の外周面の曲率半径よりも大きく設定されている。このため、対向面14gとローラ15の外周面との間に形成される隙間(通路)16は、左右両端部の開口16a,16bで幅が広く、中央部16cで幅が狭くなっている。なお、14h,14iは対向面14gのエッジ部である。
図1(b)に示すように、カム構造11(カムローブ13)のバルブリフトの立ち上がり側及び立下り側において、領域a1,a1’が、バルブリフト部14aのうちの、切り欠き部14eが形成されていない、幅の広い領域(動弁機構の被駆動部との接触面積が大きい領域)、領域b1,b1’が、バルブリフト部14bのうちの、切り欠き部14eが形成されている、幅の狭い領域(動弁機構の被駆動部との接触面積が大きい領域)、領域c1,c1’が、バルブリフトに関わるローラ15の領域(動弁機構の被駆動部がバルブリフト部14bからローラ15に乗り移る領域)、領域d1が、ベース円部14aの領域である。切り欠き部14eの対向面(曲面)14gの曲率半径やローラ15の外径及び取り付け位置の設定に応じて、領域a1,a1’と領域b1,b1’の境界位置や領域b1,b1’と領域c1,c1’の境界位置は変化する。
カムローブ13は、カムシャフト12と別体に形成されており、ベース円部14aに設けられたシャフト取り付け孔14cにカムシャフト12を挿通した後、対向面14gに設けられたピン孔14jを介して、ピン22によりカムシャフト12に連結されている。
更に説明すると、カムシャフト12は、カムシャフト12の中心軸と垂直な方向に沿って形成された貫通孔12aを有している。ピン22は、貫通孔12aに前記垂直な方向に挿入(圧入)されて締結されることにより、カムシャフト12に固定されている。ピン孔14jは、カムシャフト12をシャフト取り付け孔14cに挿通した状態で、カムシャフト12の中心軸と垂直な方向になるようにベースカム14に形成され、一端側の開口14kが対向面14g上に位置し、他端側の開口14mがベース円部14aの外周面上に位置している。また、ピン孔14jの径は、ピン孔14jの内周面とピン22の外周面との間に隙間23が形成されるように設定されている。
また、カムシャフト12には油路12bが形成され、ピン22には油孔22aが形成されている。油路12bは、カムシャフト12の中心軸の方向に沿ってカムシャフト12に形成され、内部に潤滑油が流れる。油孔22aは、ピン22がカムシャフト12に連結された状態で(即ちカムシャフト12の貫通孔12a及びベースカム14のピン孔14jに挿通された状態で)、油路12bと連通されるとともに切り欠き部14eの対向面14gに位置する端部で開口するようにピン22に形成されている。従って、図示しない潤滑油供給手段から供給されて油路12b内を流れる潤滑油は、油孔22aの一方の端部(開口)から油孔22aへ流入して、油孔22a内を流れ、油孔22aの他方の端部(開口)から流出して、ローラ15へ供給される。
次に、図4に基づき、本実施の形態例のカム構造11を用いた動弁機構の構成について説明する。
図4に示すように、動弁機構30は、カム構造11と、カム構造11によって駆動されるバルブタペット31(動弁機構の被駆動部)と、固定部32と、バルブタペット31と固定部32との間に介設されたバルブスプリング33とを有して成るものである。バルブタペット31には、バルブ(吸気バルブ又は排気バルブ)41の基端部が接続されている。また、カム構造11におけるベースカム14のベース円部14aと、バルブタペット31との間には僅かな隙間が設定されており、バルブ41の不要な開閉動作を防止している。
エンジンの作動と連動してカムシャフト12が矢印Dのように回転すると、このカムシャフト12とともにカムローブ13が回転する。このとき、ベースカム14のベース円部14aがバルブタペット31と対向している間は、前記隙間が設定されているため、ベース円部14aからバルブタペット31への押圧力は生じない。従って、バルブ41は開閉動作をせず、バルブスプリング33のバネ力で全閉状態に保持される。その後、カムローブ13が更に回転して、バルブタペット31がベースカム14のベース円部14aからバルブリフト部14bに乗り移ると、バルブリフト部14bに押圧される。このため、バルブスプリング33のバネ力に抗して、バルブ41がバルブタペット31とともに押し下げられることにより、開き始める(バルブリフトが立ち上がり始める)。
続いて、バルブタペット31がバルブリフト部14bからローラ15に乗り移ると、ローラ15がバルブタペット31を押圧する。このため、バルブスプリング33のバネ力に抗してバルブ41が更に押し下げられ、バルブリフトが更に増加し、ついには最大のバルブリフトとなる。その後は逆にバルブスプリング33のバネ力により、バルブ41は押し上げられて閉まり始め(バルブリフトが立下り始め)、ついには全閉となる。
次に、図5(a)及び図5(b)に基づき、本発明の比較例に係るカム構造51について説明する。
本比較例のカム構造51は、ローラ15の外周面と対向する切り欠き部14eの対向面14gが、平面になっており、その他の構成についてはカム構造11と同様である。
図5(b)に示すように、カム構造51(カムローブ13)のバルブリフトの立ち上がり側及び立下り側において、領域a2,a2’が、バルブリフト部14bのうちの、切り欠き部14eが形成されていない、幅の広い領域(動弁機構の被駆動部との接触面積が大きい領域)、領域b2,b2’が、バルブリフト部14bのうちの、切り欠き部14eが形成されている、幅の狭い領域(動弁機構の被駆動部との接触面積が大きい領域)、領域c2,c2’が、バルブリフトに関わるローラ15の領域(動弁機構の被駆動部がバルブリフト部14bからローラ15に乗り移る領域)、領域d2が、ベース円部14aの領域である。
また、カム構造11の各領域a1,a1’,b1,b1’,c1,c1’,d1と、カム構造51の各領域a2,a2’,b2,b2’,c2,c2’,d2とを対比したものが、図6である。カム構造11では対向面14gを曲面とし、カム構造51では対向面14gを平面としているため、カム構造11の領域a1,a1’の方がカム構造51の領域a2,a2’よりも広くなっている。カム構造11の領域c1,c1’,d1とカム構造51のc2,c2’,d2については、両者とも同じである。
次に、図7に基づき、カム構造11とカム構造51の動弁特性(バルブリフト特性)について説明する。図7(a)〜図7(d)には、カム構造11,51が矢印D方向への回転しているときの各カム回転角における状態を表しており、切り欠き部14eの対向面14gに関しては、カム構造11(曲面)の場合を実線で示し、カム構造51(平面)の場合を一点鎖線で示している。図7(e)において、縦軸はバルブリフト、横軸はカム回転角である。
図7(e)に示すように、カム構造11とカム構造51は同じバルブリフト特性を有している。即ち、バルブリフト特性は、切り欠き部14eの対向面14gの形状によらず一定である。図7(a),図7(b)のようにカムローブ13が回転すると、バルブリフト(バルブ41の開度)は立ち上がって増加し、カム構造3が図7(c)の状態のときにバルブリフトは最大になり、更に図7(d)のようにカムローブ13が回転すると、バルブリフトは立ち下がって減少する。
<作用効果>
以上のように、本実施の形態例のカム構造11によれば、エンジンの作動と連動して回転するカムシャフト12と、カムシャフト12に組み付けられるカムローブ13と、カムシャフト12とカムローブ13とを連結するピン22とを備えたカム構造11であって、カムシャフト12は、カムシャフト12の中心軸と垂直な方向にピン22が挿通される貫通孔12aを有し、カムローブ13は、ベース円部14aとバルブリフト部14bとから形成されるベースカム14と、ベース円部14aに形成されてカムシャフト12が挿通されるシャフト取り付け孔14cと、バルブリフト先端部14dに形成される切り欠き部14eに設けられるとともにシャフト取り付け孔14cの中心軸と平行な軸15aに対して回転自在なローラ15とを有し、ピン22は、ローラ15の外周面に対向する切り欠き部14eの対向面14gに設けられるピン孔14jを介して貫通孔12aに締結されることを特徴としているため、次のような作用効果を得ることができる。
即ち、カムローブ13をカムシャフト12に組み付ける構成とし、カムローブ13とカムシャフト12とを別体としたことで、通常のカムローブにおけるベースカムよりも形状が複雑なベースカム14を精密に作成することができる。
また、ピン22によりカムローブ13とカムシャフト12とを連結するため、カムローブ13の取り付け位置の調整が容易であり、組立性が向上する。
更に、ピン孔14jを切り欠き部14eの対向面14gに設けたことにより、ピン孔14jの一方の開口14kは対向面14g上に位置し、ピン孔14jの他方の開口14mはベース円部14aの外周面上に位置している。従って、バルブリフト部14bの外周面上にはピン孔の開口が無いため、バルブ41をリフトする際に大きな荷重がかかるバルブリフト部14bの面積を損なわず、耐久性を維持することができる。
また、本実施の形態例のカム構造11によれば、ピン孔14jの径は、ピン22が挿通された状態で、ピン孔14jの内周面とピン22の外周面との間に隙間23が形成されるように設定されていることを特徴としているため、カム組み立て時にカムローブ13に歪みが発生しにくい。このため、後処理をすることなく、バルブリフト量即ちカムプロファイル精度の高いカムを提供することができる。また、カムローブ13によって掻き揚げられる潤滑油が隙間23近傍で保持されやすくなるため、ローラ15の摺動抵抗もより低減される。
また、本実施の形態例のカム構造11によれば、カムシャフト12は、内部に潤滑油が通る油路12bを備え、ピン22は、カムシャフト12に連結された状態で、油路12bと連通されるとともに切り欠き部14eの対向面14gに位置する端部で開口する油孔22aを備えたことを特徴としているため、潤滑油を切り欠き部14eに確実に供給できる。このため、ローラ15とバルブタペット31との間の摺動抵抗をより確実に低減することができる。また、ピン22の内部に潤滑油が流通する油孔22aを設けることで、カムローブ13に新たに孔を設ける必要が無いため、カムローブ13の耐久性を維持することができる。
また、本実施の形態例のカム構造11によれば、切り欠き部14eの対向面14gは、ローラ15側に曲がった曲面であり、前記曲面の曲率半径は、ローラ15の外周面の曲率半径よりも大きく設定されていることを特徴としているため、切り欠き部14eの設定が容易となり、ローラ15の外径の選定の自由度を大きくすることができる。また、対向面(曲面)14gの曲率半径をローラ15の外周面の曲率半径よりも大きく設定することで、潤滑油が切り欠き部14eに溜まり易くなり、ローラ15の摺動抵抗もより低減される。更には、対向面14gとローラ15の外周面との間の隙間(空間)16の拡大により、ローラ15の組み付け性も向上する。
また、本実施の形態例のカム構造11によれば、切り欠き部14eの対向面(曲面)14gの曲率半径が、ローラ15の外周面の曲率半径と中心位置が異なり、且つ、ローラ15の外周面の曲率半径よりも大きく設定されていることを特徴としているため、ローラ15の外周面と切り欠き部14eの対向面14gとの間には、開口16a,16bが広く、中央部16cが狭い隙間(通路)16が形成される。従って、被駆動部30のバルブタペット31上の潤滑油を、切り欠き部14eの対向面14gのエッジ部14h,14i(特にバルブリフトの立下り側のエッジ部14i)で掻き揚げて、ローラ15の回転によりローラ15部へ供給し易くなるため、ローラ15廻りの潤滑を向上させるとともに、切り欠き部14eで潤滑油が適度に保持されるので、ローラ15とバルブタペット31との間の摺動抵抗がより低減される。
また、ローラ15の外周面と切り欠き部14eの対向面14gとの間の隙間16は開口16a,16bが広いため、当該隙間16からの切り粉等の異物の排出性もよく、ローラ15への異物の噛み込みを防止することができる。
本発明はエンジンのカム構造に関するものであり、特にローラ付のカム構造に適用して有用なものである。
11 カム構造
12 カムシャフト
12a 貫通孔
12b 油路
13 カムローブ
14 ベースカム
14a ベース円部
14b バルブリフト部
14c シャフト取り付け孔
14d バルブリフト先端部
14e 切り欠き部
14f バルブリフト基端部
14g 切り欠き部の対向面
14h,14i 対向面のエッジ部
14j ピン孔
14k,14m ピン孔の開口
14n 軸取り付け孔
15 ローラ
15a ローラ回転軸
15b 軸取り付け孔
16 切り欠き部の対向面とローラの外周面との間の隙間
16a,16b 隙間の開口
16c 隙間の中央部
22 ピン
22a 油孔
23 ピンの内周面とピンの外周面との間の隙間
30 動弁機構
31 バルブタペット
32 固定部
33 バルブスプリング
41 バルブ(吸気バルブ又は排気バルブ)
51 カム構造

Claims (4)

  1. 内燃機関の作動と連動して回転するカムシャフトと、
    前記カムシャフトに組み付けられるカムローブと、
    前記カムシャフトと前記カムローブとを連結するピンと
    を備えたカム構造であって、
    前記カムシャフトは、前記カムシャフトの中心軸と垂直な方向に前記ピンが挿通される貫通孔を有し、
    前記カムローブは、ベース円部とバルブリフト部とから形成されるベースカムと、前記ベース円部に形成されて前記カムシャフトが挿通されるシャフト取り付け孔と、前記バルブリフト部の先端部に形成される切り欠き部に設けられるとともに前記シャフト取り付け孔の中心軸と平行な軸に対して回転自在なローラとを有し、
    前記ピンは、前記ローラの外周面に対向する前記切り欠き部の対向面に設けられるピン孔を介して前記貫通孔に締結される
    ことを特徴とするカム構造。
  2. 請求項1に記載のカム構造において、
    前記ピン孔の径は、前記ピンが挿通された状態で、前記ピン孔の内周面と前記ピンの外周面との間に隙間が形成されるように設定されていることを特徴とするカム構造。
  3. 請求項1又は2に記載のカム構造において、
    前記カムシャフトは、内部に潤滑油が通る油路を備え、
    前記ピンは、前記カムシャフトに連結された状態で、前記油路と連通されるとともに前記切り欠き部の対向面に位置する端部で開口する油孔を備えた
    ことを特徴とするカム構造。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のカム構造において、
    前記切り欠き部の対向面は、前記ローラ側に曲がった曲面であり、
    前記曲面の曲率半径は、前記ローラの外周面の曲率半径よりも大きく設定されている
    ことを特徴とするカム構造。
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