JP6298241B2 - カム構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの動弁機構を構成するローラ付きのカム構造に関する。
エンジンの動弁機構を構成するカムの一種として、ローラ付きのカム構造が知られている。例えば特許文献1,2には、ベース円部とバルブリフト部とを有するベースカムにローラが取り付けられたカム構造が開示されている。ローラは、バルブリフト部の先端に形成された切欠部に設けられており、その外周面の一部がバルブリフト部の外周面よりも外側に突出するように取り付けられている。
このようなローラ付きのカムは、カムシャフトに組み付けられ、エンジンのクランクシャフトと連動してカムシャフトとともに回転し、バルブの基端部に設けられるタペットを駆動する。ローラ付きのカムは、カムシャフトの回転に伴って、まずはバルブリフト部がタペットと接触してタペットを押圧し、続いてタペットとの接触位置がバルブリフト部からローラへと移り、今度はローラがタペットを押圧する。ローラは、タペット上を回転しながら移動してタペットを押圧する。
これにより、ローラ付きのカムは、ローラがタペット上を転がりながら移動してタペットを押圧する分、ローラが付いていないカムに比べて、摩擦を低減して燃費を向上させることができる。また、ローラ自体がタペット上で回転するため、低回転域でのカム駆動トルクを低減することができるなど、優れた効果が得られるとされている。
ところで、カムにより駆動されるタペットには、カムと接触する面(頂面)に球面状のクラウニングが形成されているものがある。また、カムのタペットと接触する面(カム面)にもクラウニングが形成されたものがある。例えば特許文献3には、タペットの頂面とカム面とにそれぞれクラウニングが形成された動弁機構が開示されており、それぞれのクラウニングのクラウニング量及び曲率半径の設定により、ミスアライメントによる摩擦の増大や偏摩耗の発生を抑制できるとされている。
特開2011−80372号公報 特開2012−202355号公報 特開2011−117415号公報
しかしながら、上記の特許文献3のようにタペットの頂面とカムのカム面とにそれぞれクラウニングが形成されている場合、タペットとカムとの接触位置によっては、カムに対して軸方向のスラスト荷重が発生して摩擦が増大するおそれがある。特に、ローラ付きのカム構造の場合、ローラに対して軸方向のスラスト荷重が発生すると、ローラが軸方向に滑り、摩擦増大のおそれがあるため、スラスト荷重の発生をできる限り抑制することが望まれる。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、タペットとの接触時にローラ軸方向のスラスト荷重の発生を抑制して摩擦を低減することができるようにした、カム構造を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示するカム構造は、円形の頂面に球状のクラウニングを有し、エンジンの吸気弁又は排気弁の基端部に接続されたタペットを駆動するカム構造であって、前記エンジンのクランクシャフトと連動して回転するカムシャフトと、前記カムシャフトに組み付けられるカムローブと、を備える。前記カムシャフトは中空であり、前記カムローブは、前記カムシャフトの取付孔を有するベース円部と先端部の幅方向中間部に欠成された切欠部を有するバルブリフト部とから形成されたベースカムと、前記切欠部に設けられるとともに、前記タペットの頂面と接触する部分に一定の径で形成された円筒部を有するローラと、から構成されている。前記カムローブは、前記ベースカムの幅方向中心部が前記タペットの頂面の中心から偏心した位置で前記タペットと接触するとともに、前記円筒部が前記タペットの頂面の中心と接触するように設けられる。また、前記カムシャフト及び前記ベースカムには、前記カムシャフトの中空内部と前記切欠部とを連通し、前記中空内部を流通するオイルを前記ローラへ供給するためのオイル通路が設けられる。さらに、前記オイル通路は、前記ローラの外周面に対向する前記切欠部の対向面に開口した油溜り部と、該油溜り部よりも前記中空内部側に形成され前記油溜り部よりも流路断面積が小さい絞り部と、前記カムシャフトの中空内部から前記絞り部にオイルを供給するとともに前記カムシャフトの外周面を貫通した給油部と、を有する。前記絞り部は、前記カムシャフトの前記外周面に凹設された溝であり、前記油溜り部は、前記カムシャフトの前記取付孔に開口するように前記ベースカムに形成された貫通孔である
前記カムシャフトは、前記タペットの頂面の中心線(以下、タペット中心線という)上に軸心が位置するように配置されている。したがって、前記カムシャフトの軸方向と前記タペット中心線とに直交する方向から前記カム構造及び前記タペットを見たときに、前記カムローブは、前記タペット中心線が、前記ベースカムの幅方向中心部を通る線(以下、ベースカム中心線という)と一致しないように配置されている。また、前記タペット中心線上に前記ローラの前記円筒部が位置するように設けられている。
(2)前記ローラは、前記ベースカムの幅方向中心部に欠成された前記切欠部に、前記ローラの軸方向中心部と前記ベースカムの幅方向中心部とが一致するように設けられることが好ましい。すなわち、前記カムシャフトの軸方向と前記タペット中心線とに直交する方向から見たときに、前記ローラの軸方向中心部を通る線(以下、ローラ中心線という)と前記ベースカム中心線とが一致していることが好ましい。
(3)このとき、前記カムローブは、前記バルブリフト部の立上り部と立下り部とが同一のカムプロフィールに形成されていることが好ましい。
開示のカム構造によれば、ローラに径が一定の円筒部が設けられており、円筒部がタペットの頂面の中心に接触するように設けられているため、ローラとタペットの頂面との接触時にローラに軸方向のスラスト荷重が発生することを防ぐことができる。これにより、ローラの摩擦を低減して摩耗を抑制することができるとともに燃費を向上させることができる。さらに、低回転域でのカム駆動トルクを低減することができる。
また、ベースカムの幅方向中心部がタペットの頂面の中心から偏心した位置でタペットと接触するように設けられているため、タペットの中心を通る軸回りにそのタペットを回転させることができる。これにより、カムローブとタペットとの摩擦低減や、タペットの頂面上の油膜切れを回避することができるとともに、カムローブが同じ箇所に接触し続けることによる偏摩耗を防止することができる。
さらに、タペットは、その頂面に球状のクラウニングが形成されているため、ミスアライメントによりカムローブのエッジ(角部)がタペットの頂面に当たることを防ぎ、面圧の上昇を抑制することができる。
一実施形態にかかるカム構造を説明するための図であり、(a)はローラとタペットとが接触した状態を表した図2(b)のB−B矢視断面図であり、(b)は図1(a)のタペット中心P付近の拡大図である。 一実施形態にかかるカム構造を示す模式図であり、(a)は側面図、(b)は図2(a)のA−A矢視断面図である。 一実施形態にかかるカム構造を用いた動弁機構の構成を示す断面図である。 一実施形態にかかるカム構造の潤滑について説明するための図であり、(a)はポンプ能力が比較的高い場合の図1(a)に対応する断面図、(b)は図4(a)のE部拡大図、(c)はポンプ能力が不足した場合の図1(a)に対応する断面図である。 一実施形態にかかるカム構造のオイル通路の変形例を示す断面図であり、(a)は第一変形例、(b)は第二変形例を示す。
以下、図面を用いて実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。
[1.構成]
[1−1.全体構造]
図3に示すように、本実施形態にかかるカム構造10は、車両に搭載されるエンジン(何れも図示略)の動弁機構1を構成する部品の一つであり、エンジンのクランクシャフト(図示略)と連動して回転するカムシャフト20と、カムシャフト20に組み付けられるカムローブ30とを備えている。
動弁機構1は、カム構造10と、カム構造10によって駆動される有蓋円筒型のタペット11と、図示しないシリンダヘッドに固定される固定部12と、タペット11と固定部12との間に介設されたスプリング13とを備えている。タペット11はバルブリフターとも呼ばれ、カムシャフト20の回転運動を往復運動に変換するものである。タペット11には、エンジンの各気筒における吸気弁又は排気弁(以下、バルブ2という)の基端部が接続されている。
タペット11は、バルブ2側に開口が位置するように設けられ、円筒内部にバルブ2の基端部及びスプリング13の一部が配置される。タペット11は、カムローブ30が接触する円形の頂面11a(以下、タペット頂面11aという)に、カム構造10側に向かって凸となる部分球面状のクラウニングが形成されている。つまり、タペット頂面11aは、その中心Pが最もカム構造10側に突出する曲率を持った球面の一部となるように形成されている。なお、曲率円の中心は、バルブ2の軸心上に位置している。図2(b)に示すように、タペット頂面11aの中心Pを通る法線CT(以下、タペット中心線CTという)の上には、カムシャフト20の軸心SCが位置している。なお、動弁機構1の動作については後述する。
[1−2.カム構造]
図2(a)及び(b)に示すように、カムシャフト20は中空のパイプで構成され、エンジンのクランクシャフトからタイミングチェーンやタイミングベルト(何れも図示略)を介して回転が伝達されて回転する。カムシャフト20の中空内部には、オイルポンプ(図示略)で圧送されたエンジンオイル(潤滑油,以下、単にオイルという)が流通する。
カムシャフト20は、支持部40によりエンジン本体に支持されており、支持部40に対して回転する。そのため、カムシャフト20の支持部40が取り付けられる部分には、カムシャフト20の外周面と支持部40の内周面との接触部にオイルを供給するための貫通孔部44が設けられている。カムシャフト20の中空内部を流通するオイルは、この貫通孔部44を通じてカムシャフト20と支持部40との接触部に供給され、この接触部を潤滑する。
カムシャフト20の軸方向には、バルブ2を開閉するためのカムローブ30が、バルブ2の個数に応じて複数固定されている。カムローブ30は、何れも同様の構成を有しているため、ここでは一つのカムローブ30を示し、その構造について説明する。
カムローブ30は、カム本体であるベースカム31と、ベースカム31に取り付けられるローラ32とから構成される。ベースカム31は、ベース円部31aとバルブリフト部31bとから形成されており、外周面が周方向全体に亘って連続している。ベース円部31aは、ベースカム31の円形の部分を意味し、中央にカムシャフト20が取り付けられる円形の孔部31h(以下、カムシャフト取付孔31hという)が形成されている。言い換えると、ベース円部31aは、カムシャフト20(カムシャフト取付孔31h)の軸心SCからの距離が一定の部分に対応する。なお、ベース円部31aとタペット頂面11aとの間には僅かな隙間が設けられており、バルブ2の不要な開閉動作が防止される。
バルブリフト部31bは、ベース円部31aから突出した部分であり、タペット頂面11aを押圧してバルブ2を開閉動作させる部分である。図2(b)には、ベース円部31aとバルブリフト部31bとの境界線を二点鎖線で示している。バルブリフト部31bの図2(b)における右側は、カムローブ30が図中の矢印Cの方向に回転したときにベース円部31aの次にタペット頂面11aに対向する部分であり、バルブリフトの立上り部31b1(バルブ2が開く側)である。
バルブリフト部31bの図2(b)における左側は、カムローブ30が図中の矢印Cの方向に回転したときに、ローラ32がタペット頂面11aに対向した後にタペット頂面11aに対向する部分であり、バルブリフトの立下り部31b2(バルブ2が閉じる側)である。バルブリフト部31bの立上り部31b1及び立下り部31b2の各基端部31dは、ベース円部31aとバルブリフト部31bとの境界線上にある。ここでは、バルブリフト部31bの立上り部31b1と立下り部31b2とが同一のカムプロフィールに形成されている。つまり、図2(b)に示すように、ベースカム31はカムシャフト20の軸心SCとバルブリフト部31bの先端部31cとを通る面を中心に面対称となっている。
バルブリフト部31bは、その先端部(カムトップ部)31cに切欠部31nを有する。切欠部31nは、バルブリフト部31bの先端部31cからベース円部31aの一部にかけて、ベースカム31の幅方向(カムシャフト20が挿通される方向)の中間部に、立上り部31b1から立下り部31b2までを貫通するように切り欠いて形成された空間である。この切欠部31nには、後述するローラ32がベースカム31に対して回転自在となるように設けられる。
ベースカム31に欠成された切欠部31nの幅方向両側には、対向する一対のヨーク部31y,31yが形成される。対向する一対のヨーク部31y,31yは、図2(b)に示すように軸方向から見て切欠部31nと同一形状をなし、図1(a)及び図2(a)に示すように軸方向に直交する方向から見て同一の幅を有している。つまり、切欠部31nは、ベースカム31の幅方向中心部に形成されており、図1(a)に示すように、ベースカム31の幅方向中心部を通る線CB(以下、ベースカム中心線CBという)を中心に面対称となっている。
対向する一対のヨーク部31y,31yには、幅方向に貫通した孔部31m,31mが一直線上に設けられている。孔部31mは、その中心軸がベース円部31aに形成されたカムシャフト取付孔31hの軸心SCと平行になるように形成されている。この孔部31mには、ローラ32をベースカム31に取り付けるためのローラシャフト33が挿通され、かしめによりベースカム31に組み付けられて固定される。以下、この孔部31mをローラシャフト取付孔31mという。
ローラ32は、図1(b)中に二点鎖線で示すように、軸方向中間部に径が一定の円筒部32aを有する。円筒部32aは、クラウニングが設けられていない部分であり、ローラ32がタペット頂面11aを押圧するときにタペット頂面11aに接触する部分に設けられている。ローラ32は、円筒部32aとタペット頂面11aの中心Pとが接触するように配置される。円筒部32aは一定の径で形成された円筒形状であり、ローラ32の軸方向に沿う断面では直線状となる。さらに、ローラ32の軸方向両端部(円筒部32aの両端部)には、端部に向かって円弧状に縮径したクラウニング部32bが設けられている。すなわちローラ32は、ローラ32の軸方向に沿う断面では角にアールがつけられた、いわゆるパーシャルクラウニングに形成されている。
ローラ32の中心には、ローラシャフト33が挿通される貫通孔32hが形成されている。ローラ32は、貫通孔32hがベースカム31のヨーク部31y,31yに形成されたローラシャフト取付孔31mと重なるように切欠部31nに配置される。そして、カムシャフト20の中心軸SC(カムシャフト取付孔31hの中心軸)と平行になるように、ローラシャフト33がローラシャフト取付孔31mと貫通孔32hとに挿通され、ローラ32がベースカム31に取り付けられる。
ローラ32は、外周面の一部がバルブリフト部31bの先端部31cの外周面よりも外側に突出するように取り付けられる。また、ローラ32は、二つのヨーク部31y,31yとの隙間が略同等となるように、切欠部31nの幅方向中心部に配置される。また、ローラ32の外周面と対向する切欠部31nの対向面31fは、ローラ32側(バルブリフト部31bの先端側)に曲がった曲面形状をなしている。
ローラ32は、ベースカム31に固定されたローラシャフト33に対して回転する。そのため、ローラ32の貫通孔32hの内周面とローラシャフト33の外周面との接触面は滑りながら動く部分(摺動部)となり、適切な潤滑が必要となる。本カム構造10は、この摺動部へ潤滑油としてのオイルを供給するための後述するオイル通路34を備えている。
図1(a)に示すように、カムローブ30は、カムシャフト20の軸方向とタペット中心線CTとに直交する方向からカム構造10及びタペット11を見たときに、タペット中心線CTに対して、ベースカム中心線CBが一致しないように設けられている。図1(a)では、ベースカム中心線CBがタペット中心線CTに対して右側に偏移して設けられている。なお、ここではベースカム中心線CBとローラ32の軸方向中心部を通る線CR(以下、ローラ中心線CRという)とが一致して設けられている。
言い換えると、ベースカム中心線CBとローラ中心線CRとが一致し、これらベースカム中心線CB及びローラ中心線CRとタペット中心線CTとが一致しないように設けられている(CB=CR≠CT)。すなわち、ベースカム31のバルブリフト部31bがタペット頂面11aに接触するときは、ベースカム31の幅方向中心部がタペット頂面11aの中心Pから偏心した位置でタペット頂面11aに接触するように設けられている。
また、ローラ32は、円筒部32aがタペット頂面11aの中心Pに接触するように設けられている。つまり、図1(b)に示すように、タペット中心線CTとローラ中心線CRとのずれ(偏移量)をXとし、ローラ中心線CRから円筒部32aの端部までの長さ(すなわち円筒部32aの幅方向長さの半分)をWとすると、ローラ32とタペット11とは以下の式(1)を満たすように配置される。
0≦X≦W ・・・(1)
なお、ここではローラ中心線CRとベースカム中心線CBとは一致して設けられており、ベースカム中心線CBとタペット中心線CTとは偏移して設けられているため、偏移量Xは0よりも大きい値となる(0<X≦W)。
[1−3.オイル通路の構造]
次に、本実施形態に係るカム構造10のオイル通路34について、図1(a)及び図2(b)を用いて説明する。オイル通路34は、カムシャフト20の中空内部を流通するオイルをローラ32の摺動部へ供給するための流路であり、カムローブ30がカムシャフト20に組み付けられた状態でカムシャフト20の中空内部とベースカム31に形成された切欠部31nとが連通するように設けられている。つまり、カムシャフト20とベースカム31とには、予めオイル通路34を構成する部分がそれぞれ形成されており、カムシャフト20とカムローブ30とが組み付けられることで一つの流路(すなわちオイル通路34)を形成するようになっている。
オイル通路34は、流路断面積の異なる二つの部分から構成されている。一つは、ローラ32側へ供給されるオイルの流量を制限するための絞り部34aであり、もう一つは、オイルを蓄えておくための油溜り部34bである。絞り部34aはカムシャフト20に設けられており、油溜り部34bはベースカム31に設けられている。
絞り部34aは、カムシャフト20の外周面を貫通する貫通孔として形成されており、一端がカムシャフト20の中空内部に開口し、他端がカムシャフト20の外周面に開口している。絞り部34aは、油溜り部34bよりもカムシャフト20の中空内部側(オイル通路34の上流側)に設けられ、カムシャフト20の中空内部からローラ32側へ供給されるオイルが最初に流入してくる部分である。絞り部34aの流路断面積は、油溜り部34bの流路断面積よりも小さく形成されている。なお、絞り部34aの流路断面積は、上記したカムシャフト20と支持部40との接触部を潤滑するための貫通孔部44の流路断面積よりも小さい。
一方、油溜り部34bは、一端が切欠部31nの対向面31fに開口し、他端がカムシャフト取付孔31hに開口している。つまり、油溜り部34bはカムシャフト取付孔31hから切欠部31nの対向面31fまでを貫通する貫通孔として形成されている。油溜り部34bは、絞り部34aを流通してきたオイルが流入してローラ32側へ漏れ出ていく部分であるとともに、オイルの粘度によってローラ32側へ漏出しなかったオイルが蓄えられる部分でもある。なお、カムシャフト20とカムローブ30との組み付け時には、これら絞り部34aと油溜り部34bとが連通状態となって一つのオイル通路34を形成するように組み付けられる。
[2.作用・動作]
まず、本カム構造10を備えた動弁機構1の動作について、図3を用いて説明する。図3に示すように、エンジンのクランクシャフトと連動してカムシャフト20が矢印Cの方向に回転すると、カムシャフト20とともにカムローブ30が回転する。このとき、ベースカム31のベース円部31aがタペット頂面11aと対向している間(すなわち図3の状態となる前)は、上記のようにベース円部31aとタペット頂面11aとの間に隙間が設けられているため、ベース円部31aからタペット11への押圧力は生じない。したがって、バルブ2は開閉動作をせず、スプリング13の弾性力により全閉状態に保持される。
その後、カムローブ30がさらに回転して、タペット頂面11aがベースカム31のベース円部31aからバルブリフト部31bに乗り移ると、タペット11はバルブリフト部31bに押圧される。このため、スプリング13の弾性力に抗して、バルブ2がタペット11とともに押し下げられて開き始める(バルブリフトが立ち上がり始める)。
このとき、バルブリフト部31bは、図1(a)に示すように、その幅方向中心部がタペット頂面11aの中心Pから偏心した位置でタペット頂面11aに接触するため、カムシャフト20の回転運動に伴って、タペット11はタペット中心線CTを軸として回転する。これにより、バルブリフト部31bとタペット頂面11aとの接触点が常に同一となることが防止される。
さらにカムローブ30が回転し、タペット頂面11aがバルブリフト部31bからローラ32に乗り移って図3の状態となると、ローラ32がタペット頂面11aの上を図中の矢印Dの方向に回転しながら移動する。つまり、ローラ32がタペット11を押圧することになる。これにより、スプリング13の弾性力に抗してバルブ2がさらに押し下げられ、バルブリフトが増加し、ついには最大のバルブリフトとなる。このとき、図1(a)及び(b)に示すように、ローラ32は、常に円筒部32aがタペット頂面11aの中心Pと接触するため、軸方向のスラスト荷重が発生しない。
バルブリフト量が最大となった後は、反対にタペット頂面11aがローラ32からバルブリフト部31bに乗り移り、スプリング13の弾性力によりバルブ2は押し上げられて閉まり始める(バルブリフトが立ち下がり始める)。そして、タペット頂面11aがバルブリフト部31bからベース円部31aに乗り移ると、タペット11への押圧力はなくなり、バルブ2は全閉となる。動弁機構1は、このような動作をカムシャフト20の回転中に繰り返す。
次に、カム構造10におけるローラ32の摺動部への潤滑について、図4(a)〜(c)を用いて説明する。図4(a)に示すように、エンジンオイルの油圧が高い場合は、オイルポンプにより圧送されたオイルは、図中白抜き矢印で示すようにカムシャフト20の中空内部を流通し、矢印で示すようにオイル通路34を通って切欠部31nに供給される。切欠部31nに供給されたオイルは、カムローブ30とタペット頂面11aとの間に図示しない油膜を形成するとともに、ローラ32の摺動部に油膜Fを形成する。
すなわち、ローラ32はタペット頂面11aに乗り移ると回転するため、図4(b)に示すように、ローラ32の回転によるくさび効果によって、切欠部31nに供給されたオイルがローラ32の内周面とローラシャフト33の外周面との間に引き込まれる。これにより、ローラ32の内周面とローラシャフト33の外周面との間に油膜Fが形成され、この油膜Fによってローラ32の摺動部の摩擦が低減される。
ここで、オイル通路34の上流側(すなわち、カムシャフト20の中空内部側)には流路断面積の小さい絞り部34aが設けられているため、この絞り部34aによりオイルの流量が制限される。このため、オイルポンプの能力が比較的高くエンジンオイルの油圧が高い場合に、大量のオイルがローラ32側へ供給されて油圧が低下してしまうことを防いで、適度な量のオイルを切欠部31nに供給することができる。また、絞り部34aの下流側に位置する油溜り部34bには、切欠部31nに漏出しきらなかったオイルが蓄えられる。
油溜り部34bに蓄えられたオイルは、アイドル運転時や始動時のようにエンジンの回転速度が極低回転であり、エンジンオイルの油圧が低い場合に活用される。図4(c)に示すように、エンジンオイルの油圧が低い場合であってもオイルポンプにより圧送されたオイルは、図中白抜き矢印で示すようにカムシャフト20の中空内部を流通するが、オイル通路34の絞り部34aを通過することができない。
そのため、この場合は油溜り部34bに蓄えられたオイルが、ローラ32とタペット11との接触時(すなわち、切欠部31nが油溜り部34bの下方に位置するとき)に、切欠部31nへ漏れ出す。そして、図4(b)に示すくさび効果により、上記と同様、ローラ32の摺動部に油膜Fが形成されて摩擦が低減される。
また、切欠部31nからタペット頂面11aに漏出したオイルによって、タペット頂面11aにも油膜が形成される。すなわち、油溜り部34bは、エンジンオイルの油圧変動の有無にかかわらず、過不足なく安定したオイル供給を実現するためのバッファー(変化を均すもの)として機能する。特に、本カム構造10は、ローラ32に円筒部32aが設けられているため、ミスアライメントが発生した場合にタペット頂面11aとローラ32との間の油膜が極小となりうるが、油溜り部34bが設けられているため、オイル不足となる事態が防がれる。
[3.効果]
したがって、本実施形態に係るカム構造10によれば、ローラ32に径が一定の円筒部32aが設けられており、円筒部がタペットの頂面の中心に接触するように設けられているため、ローラ32とタペット頂面11aとの接触時にローラ32に軸方向のスラスト荷重が発生することを防ぐことができる。これにより、ローラ32の摩擦を低減して摩耗を抑制することができるとともに燃費を向上させることができる。さらに、低回転域でのカム駆動トルクを低減することができる。
また、ベースカム31の幅方向中心部がタペット頂面11aの中心Pから偏心した位置でタペット11と接触するように設けられているため、タペット11をタペット中心線CT回りに回転させることができる。これにより、カムローブ30とタペット11との摩擦低減や、タペット頂面11a上の油膜切れを回避することができるとともに、カムローブ30が同じ箇所に接触し続けることによる偏摩耗を防止することができる。
さらに、タペット11は、その頂面11aに球面状のクラウニングが形成されているため、ミスアライメントによりカムローブ30のエッジ(角部)がタペット頂面11aに当たることを防ぎ、面圧の上昇を抑制することができる。
また、ベースカム31の幅方向中心部に切欠部31nが形成され、この切欠部31nに設けられるローラ32の軸方向中心部とベースカム31の幅方向中心部とが一致しているため、一対のヨーク部31y,31yとローラ32との間に形成される隙間を同一にすることができる。これにより、ローラ32を潤滑するためのオイルがどちらか一方の隙間に片寄ってオイル不足になることを防ぎ、ローラ32の潤滑を良好なものとすることができる。
さらに、カムローブ30が、バルブリフト部31bの立上り部31b1と立下り部31b2とが同一のカムプロフィールに形成されているため、カムローブ30の組み付け方向をなくすことができる。すなわち、カムローブ30の表裏が同一となるため、どちらの向きからでもカムシャフト20に組み付けることができる。これにより、カムローブ30の表裏を確認する作業が不要となり、工数を削減することができる。また、カムローブ30の組み付け方向を誤るおそれをなくすことができるため、生産性を高めることができる。
また、本カム構造10は、カムシャフト20の中空内部とベースカム31の切欠部31nとを連通するオイル通路34の絞り部34aによって、ローラ32側に供給されるオイルの流量を制限することができ、エンジンオイルの油圧低下を防止することができる。これにより、オイルポンプの駆動仕事を低減することができ、さらに燃費を向上させることができる。
また、オイル通路34に絞り部34aを設けることで、アイドル運転時や始動時のようにエンジンの回転速度が低くエンジンオイルの油圧が低い場合に、カムシャフト20の中空内部を流通するオイルがオイル通路34に流入できない(絞り部34aを通過できない)場合が生じうる。これに対して、本カム構造10であれば、オイル通路34の油溜り部34bにオイルを蓄えることができるため、このような油圧低下時であっても油溜り部34bから切欠部31nへオイルを供給することができる。これにより、エンジンオイルの油圧低下を防止しながら、ローラ32の摺動部の摩擦を低減することができる。
さらに、本カム構造10では、ローラ32のタペット頂面11aと接触する部分に円筒部32aが設けられているため、ミスアライメントが発生した場合にタペット頂面11aとローラ32との間の油膜が極小となりうるが、オイル通路34に油溜り部34bが設けられているため、オイル不足となることを防ぎ、タペット頂面11aの摩擦も低減することができる。
また、流路断面積の異なる絞り部34aと油溜り部34bとが、それぞれカムシャフト20とベースカム31とに形成されているため、カムシャフト20とカムローブ30とを圧入等で組み付ける場合に、カムシャフト20の軸方向の精度の高低にかかわらず、オイル流通性を確保することができる。つまり、組付け性の向上と潤滑性の向上とを両立することができる。また、カムシャフト20とベースカム31とにそれぞれ絞り部34aと油溜り部34bとを形成するため、容易に加工することができる。
特に本実施形態では、油溜り部34bがカムシャフト取付孔31hと切欠部31nとにそれぞれ開口するようにベースカム31に形成された貫通孔である。また、絞り部34aがカムシャフト20の外周面を貫通する貫通孔である。そして、これら二つの貫通孔が組み合わされて一つのオイル通路34を構成するため、加工が容易であるとともに、オイル通路34を形成するための工数を抑制することができる。
また、カムシャフト20の支持部40が取り付けられる部分には、カムシャフト20の外周面と支持部40の内周面との接触部にオイルを供給するための貫通孔部44が設けられており、カムシャフト20と支持部40との接触部にはこの貫通孔部44を通じてオイルが供給される。カムシャフト20と支持部40とは強く接触しているため、貫通孔部44を絞り部34aの流路断面積よりも大きく形成することでカムシャフト20と支持部40との接触部の摩擦を確実に低減することができる。また、カムシャフト20と支持部40との接触部は、ローラ32の摺動部に比べて接触が強いため、オイル漏れがほとんど発生せずエンジンオイルの油圧は低下し難い。
なお、本実施形態では、ローラ32が円筒部32aとクラウニング部32bとを有するパーシャルクラウニング形状に形成されているため、ミスアライメントが生じた場合にローラ32のエッジがタペット頂面11aを傷つけることをより防ぐことができる。
[4.変形例]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
[4−1.オイル通路の変形例]
例えば、上記実施形態で説明したカム構造10に設けられるオイル通路34を、図5(a),(b)に示すような構成に変更してもよい。
図5(a)に示すオイル通路35は、ローラ32側へ供給されるオイルの流量を制限するための絞り部35aと、オイルを蓄えておくための油溜り部35bとに加え、絞り部35aにオイルを供給する給油部35cを備えている。絞り部35a及び給油部35cはカムシャフト20に設けられ、油溜り部35bはベースカム31に設けられている。なお、油溜り部35bは上記実施形態の油溜り部34bと同一であるため、その説明は省略する。
給油部35cは、カムシャフト20の外周面を貫通する貫通孔として形成されており、一端がカムシャフト20の中空内部に開口し、他端がカムシャフト20の外周面に開口している。給油部35cは、絞り部35a及び油溜り部35bよりもカムシャフト20の中空内部側(オイル通路35の最上流部)に設けられ、カムシャフト20の中空内部からローラ32側へ供給されるオイルが最初に流入してくる部分である。給油部35cの大きさは任意であり、後述する絞り部35aの溝幅と同等か、溝幅よりもやや大きいことが好ましい。また、給油部35cの周方向位置も任意であり、カムローブ30の向きに関わらず加工が可能である。
絞り部35aは、少なくとも給油部35cと油溜り部35bとの間においてカムシャフト20の外周面に凹設された溝である。なおここでは、カムシャフト20の外周面を一周するように形成された環状溝として構成されている。溝の大きさ(つまり、溝の幅及びカムシャフト20の外周面からの深さ)は、絞り部35aの流路断面積に相当し、油溜り部35bの流路断面積よりも小さくなるように設定されている。
給油部35cは、絞り部35aの一部と重なる位置に穿孔されている。カムシャフト20とカムローブ30との組み付け時には、カムシャフト20の外周面に形成された溝としての絞り部35aが油溜り部35bと重なり、給油部35c,絞り部35a及び油溜り部35bによって一つのオイル通路35が形成されるように組み付けられる。
つまり、本変形例にかかるカム構造10のオイル通路35は、上流側(カムシャフト20の中空内部側)から給油部35c,絞り部35a,油溜り部35bの順に設けられており、カムシャフト20の中空内部を流通するオイルは、給油部35cを通って絞り部35aへ流入し、カムシャフト20の外周面の絞り部35aで流量が制限され、油溜り部35bへ流れる。そして、油溜り部35bから切欠部31nにオイルが供給されて、ローラ32の摺動部に油膜が形成される。
したがって、本変形例にかかるカム構造10によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができ、さらに、絞り部35aがカムシャフト20の外周面に凹設された溝であるため、上記実施形態のように絞り部34aを貫通孔として形成する場合と比較して、絞り部35aを形成する回転方向位置をカムローブ30の向きに合わせる必要がない。また、給油部35cの回転方向位置も任意に設定可能であるため、オイル通路35の加工をより簡単にすることができる。
なお、絞り部35aは、少なくとも給油部35cと油溜り部35bとの間に形成されていればよく、カムシャフト20の外周面の代わりにベースカム31に形成されていてもよい。つまり、絞り部35aが、少なくとも給油部35cと油溜り部35bとの間において、ベースカム31に形成されたカムシャフト取付孔31hに凹設された溝として構成されていてもよい。このように構成されたオイル通路35であっても、上記した効果と同様の効果を得ることができる。
また、図5(b)に示すオイル通路36は、ローラ32側へ供給されるオイルの流量を制限するための絞り部36aと、オイルを蓄えておくための油溜り部36bと、絞り部36aにオイルを供給する給油部36cとを備えて構成されている。給油部36cはカムシャフト20に設けられ、絞り部36a及び油溜り部36bはベースカム31に設けられている。
給油部36cは、図5(a)に示す給油部35cと同様、カムシャフト20の外周面を貫通する貫通孔として形成されており、一端がカムシャフト20の中空内部に開口し、他端がカムシャフト20の外周面に開口している。給油部36cは、絞り部36a及び油溜り部36bよりもカムシャフト20の中空内部側(オイル通路36の最上流部)に設けられ、カムシャフト20の中空内部からローラ32側へ供給されるオイルが最初に流入してくる部分である。給油部36cは、後述する絞り部36aの流路断面積よりも大きい。
絞り部36a及び油溜り部36bは、何れもベースカム31に形成され、一つの貫通孔を構成する。つまり、一端がカムシャフト取付孔31hに開口し、他端が切欠部31nに開口するようにベースカム31に形成された貫通孔が、長手方向で異なる径を有する段付き孔となっている。絞り部36aは、この段付き孔のうちカムシャフト20の中空内部側に位置し、カムシャフト取付孔31hに開口する。
油溜り部36bは、絞り部36aよりもローラ32側に位置し、絞り部36aよりも流路断面積が大きく、切欠部31nに開口する。カムシャフト20とカムローブ30との組み付け時には、給油部36cと絞り部36aとが連通するように回転方向位置が合わせられる。すなわち、給油部36c,絞り部36a及び油溜り部36bによって一つのオイル通路36が形成されるように組み付けられる。
つまり、本変形例にかかるカム構造10のオイル通路36は、上流側(カムシャフト20の中空内部側)から給油部36c,絞り部36a,油溜り部36bの順に設けられており、カムシャフト20の中空内部を流通するオイルは、給油部36cを通って絞り部36aへ流入し、絞り部36aで流量が制限され、油溜り部36bへ流れる。そして、油溜り部36bから切欠部31nにオイルが供給されて、ローラ32の摺動部に油膜が形成される。
したがって、本変形例にかかるカム構造10によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができ、さらに、ベースカム31に段付きの貫通孔を追加加工するだけで従来のカム構造を本カム構造10に変化させることができる。そのため、製造コストを削減することができる。また、本変形例のオイル通路36は、カムローブ30に絞り部36aが設けられているため、絞り部36aの流路長さをカムシャフト20の外周面の厚みと異なる長さに設定することができる。つまり、絞り部36aで制限されるオイルの絞り量を調整することができる。
[4−2.その他]
上記実施形態では、ローラ32がパーシャルクラウニング形状であるものを例示したが、少なくとも円筒部32aが設けられているローラであればよい。すなわち、ローラが軸方向に一定の径で形成されたものであってもよい。クラウニング部32bを有さないローラであっても、ミスアライメントが生じた場合はタペット頂面11aのクラウニングによりローラのエッジがタペット頂面11aに接触することを防ぐことができる。
また、上記実施形態では、ベースカム31に形成された切欠部31nが、バルブリフト部31bの先端部31cの幅方向中間部のうち中央に位置している場合を例示しているが、切欠部31nの位置は中央に限られず、片寄って設けられていてもよい。また、切欠部31nがバルブリフト部31bの先端部31cからベース円部31aの一部にかけて形成されているベースカム31を例示しているが、バルブリフト部31bのみを欠成して設けられていてもよい。また、切欠部31nの対向面31fの形状も上記したものに限られず、平面であってもよい。
また、ベースカム31の立上り部31b1及び立下り部31b2が同一のカムプロフィールに形成されていなくてもよく、具体的な形状(リフト量及び作用角)をエンジンの仕様により適宜設定してもよい。また、ローラ32の大きさやローラ32のベースカム31に対する突出量も図示したものに限られず、適宜設定可能である。
また、上記実施形態では、ローラ32の軸方向中心部とベースカム31の幅方向中心部とが一致して設けられ、何れもタペット頂面11aの中心Pから偏心した位置で接触するようにカムローブ30が設けられているが、ローラ中心線CRとベースカム中心線CBとがずれていてもよい(CR≠CB)。また、切欠部31nの幅方向両側に設けられる一対のヨーク部31y,31yが同一の幅で形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、ローラ32がベースカム31に固定されたローラシャフト33に対して回転するカム構造10を説明したが、ローラ32とローラシャフト33とが固定され、ローラシャフト33がベースカム31に対して回転するカム構造であってもよい。また、ローラ32がローラシャフト33に対して回転自在であり、さらにローラシャフト33もベースカム31に対して回転自在であってもよい。このような場合であっても、切欠部31nにオイルが供給されることにより摺動部に油膜が形成され、摩擦を低減することができる。
1 動弁機構
2 バルブ(吸気弁又は排気弁)
10 カム構造
11 タペット
20 カムシャフト
30 カムローブ
31 ベースカム
31a ベース円部
31b バルブリフト部
31c 先端部
31f 対向面
31h カムシャフト取付孔
31m ローラシャフト取付孔
31n 切欠部
31y ヨーク部
32 ローラ
32h 貫通孔
33 ローラシャフト
34,35,36 オイル通路
34a,35a,36a 絞り部
34b,35b,36b 油溜り部
35c,36c 給油部
40 支持部
44 貫通孔部

Claims (3)

  1. 円形の頂面に球状のクラウニングを有し、エンジンの吸気弁又は排気弁の基端部に接続されたタペットを駆動するカム構造であって、
    前記エンジンのクランクシャフトと連動して回転するカムシャフトと、
    前記カムシャフトに組み付けられるカムローブと、を備え、
    前記カムシャフトは中空であり、
    前記カムローブは、
    前記カムシャフトの取付孔を有するベース円部と、先端部の幅方向中間部に欠成された切欠部を有するバルブリフト部とから形成されたベースカムと、
    前記切欠部に設けられるとともに、前記タペットの頂面と接触する部分に径が一定の円筒部を有するローラと、から構成され、
    前記ベースカムの幅方向中心部が前記タペットの頂面の中心から偏心した位置で前記タペットと接触するとともに、前記円筒部が前記タペットの頂面の中心と接触するように設けられ、
    前記カムシャフト及び前記ベースカムには、前記カムシャフトの中空内部と前記切欠部とを連通し、前記中空内部を流通するオイルを前記ローラへ供給するためのオイル通路が設けられ、
    前記オイル通路は、前記ローラの外周面に対向する前記切欠部の対向面に開口した油溜り部と、該油溜り部よりも前記中空内部側に形成され前記油溜り部よりも流路断面積が小さい絞り部と、前記カムシャフトの中空内部から前記絞り部にオイルを供給するとともに前記カムシャフトの外周面を貫通した給油部と、を有し、
    前記絞り部は、前記カムシャフトの前記外周面に凹設された溝であり、
    前記油溜り部は、前記カムシャフトの前記取付孔に開口するように前記ベースカムに形成された貫通孔である
    ことを特徴とする、カム構造。
  2. 前記ローラは、前記ベースカムの幅方向中心部に欠成された前記切欠部に、前記ローラの軸方向中心部と前記ベースカムの幅方向中心部とが一致するように設けられる
    ことを特徴とする、請求項1記載のカム構造。
  3. 前記カムローブは、前記バルブリフト部の立上り部と立下り部とが同一のカムプロフィールに形成されている
    ことを特徴とする、請求項2記載のカム構造
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