JP2012201865A - 銅塩微粒子分散樹脂の製造方法、および銅塩微粒子分散樹脂 - Google Patents

銅塩微粒子分散樹脂の製造方法、および銅塩微粒子分散樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、様々なサイズの光学材料を好適に製造することが可能であり、かつ、耐熱性に優れる光学材料を得ることが可能な、銅塩微粒子分散樹脂を製造する方法を提供すること。
【解決手段】本発明の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法は、平均粒径1nm〜10μmの近赤外線吸収性銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物を、溶媒で洗浄した後、前記銅塩微粒子を沈降させ、上澄み液を除去し、前記銅塩微粒子を得る工程A、前記工程Aで得られた銅塩微粒子を分散媒中に分散し、分散液を得る工程B、前記分散液を樹脂と混合し、銅塩微粒子分散樹脂を得る工程Cを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、銅塩微粒子分散樹脂の製造方法、および銅塩微粒子分散樹脂に関する。
銅イオンは、近赤外領域の光(以下、「近赤外線」ともいう)の吸収特性に優れており、銅イオンが有する近赤外線の吸収特性を利用した光学材料が従来から提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。特許文献1には、特定のリン酸エステル化合物と銅化合物とから形成されるリン酸エステル銅化合物を含有する光学材料が開示されている。特許文献2には、特定のリン酸エステル化合物、銅化合物および樹脂を含有する樹脂組成物から形成されたディスプレイ前面板が開示されている。特許文献3には、特定のリン酸エステル化合物と、銅化合物とから形成されるリン酸エステル銅化合物を含有する近赤外線吸収層を有する光学フィルターが開示されている。また、特許文献4には、特定のリン酸エステル化合物と、銅イオンとを含有してなる近赤外線吸収性組成物が開示されている。
従来から提案されている銅イオンを含む近赤外線吸収剤を含有する光学材料は、重合用セルに、近赤外線吸収剤およびモノマーを充填し、重合を行うことにより製造されていた。しかしながら、重合用セルを用いた光学材料の製造方法は、サイズの大きな光学材料を得ることが困難であり、また製造コストが大きくなる傾向があった。
また、従来の銅イオンを含む近赤外線吸収剤を含有する光学材料の耐熱性は充分に検討されておらず、未だ改良の余地があった。
特開2001−83318号公報 特開2001−83890号公報 特開2001−154015号公報 国際公開第01/77250号パンフレット
本発明は、上記背景技術に鑑み、様々なサイズの光学材料を好適に製造することが可能であり、かつ、耐熱性に優れる光学材料を得ることが可能な、銅塩微粒子分散樹脂を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、重合用セルを用いて、光学材料を製造するのではなく、銅塩微粒子が樹脂中に分散した、銅塩微粒子分散樹脂を用いれば、様々なサイズの光学材料を好適に製造することが可能であること、および前記銅塩微粒子分散樹脂は耐熱性に優れることを見出した。
また、本発明者らは、銅塩微粒子分散樹脂を製造する際に、近赤外線吸収性銅塩微粒子と分散剤との混合物を洗浄する工程を設けることにより、耐熱性がより優れる銅塩微粒子分散樹脂が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法は、平均粒径1nm〜10μmの近赤外線吸収性銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物を、溶媒で洗浄した後、前記銅塩微粒子を沈降させ、上澄み液を除去し、前記銅塩微粒子を得る工程A、前記工程Aで得られた銅塩微粒子を分散媒中に分散し、分散液を得る工程B、前記分散液を樹脂と混合し、銅塩微粒子分散樹脂を得る工程Cを含むことを特徴とする。
前記銅塩微粒子の平均粒径が5〜1000nmであることが好ましい。
前記工程Aが、前記銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物を、溶媒で洗浄した後、前記銅塩微粒子を、遠心分離または自然沈降により沈降させ、上澄み液を除去し、前記銅塩微粒子を得る工程であることが好ましい。
前記工程Bが、前記工程Aで得られた銅塩微粒子を、分散剤存在下で分散媒中に分散し、分散液を得る工程であることが好ましい。
前記樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびノルボルネン樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂であることが好ましく、ポリビニルブチラール樹脂、またはエチレン‐酢酸ビニル共重合体であることがより好ましい。
前記銅塩の少なくとも一部が、下記一般式(1)で表わされる銅塩であることが好ましく、下記一般式(2)で表わされる銅塩であることがより好ましい。
Figure 2012201865
[一般式(1)中、Rは、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、置換基で置換されていてもよいフェニル基、置換基で置換されていてもよいベンジル基、または‐OR1基であり、R1はフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、置換基で置換されていてもよいフェニル基、置換基で置換されていてもよいベンジル基である。]
Figure 2012201865
[一般式(2)中、R2は、−CH2CH2−R11で表される1価の基であり、R11は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜20のフッ素化アルキル基を示す。]
本発明の銅塩微粒子分散樹脂は、前記製造方法で得られる。
本発明の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法は、近赤外線吸収性銅塩微粒子と分散剤との混合物を洗浄する工程を有するため、耐熱性に優れる銅塩微粒子分散樹脂を得ることが可能である。本発明の銅塩微粒子分散樹脂は、公知の成形法により、成形することにより近赤外線吸収フィルム等の光学材料として好適に用いることができる。
次に本発明について具体的に説明する。
本発明の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法は、平均粒径1nm〜10μmの近赤外線吸収性銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物を、溶媒で洗浄した後、前記銅塩微粒子を沈降させ、上澄み液を除去し、前記銅塩微粒子を得る工程A、前記工程Aで得られた銅塩微粒子を分散媒中に分散し、分散液を得る工程B、前記分散液を樹脂と混合し、銅塩微粒子分散樹脂を得る工程Cを含むことを特徴とする。
本発明の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法は、前記銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物を、溶媒で洗浄し、銅塩微粒子を得る工程Aを有することにより、本発明の製造方法で得られる銅塩微粒子分散樹脂は耐熱性に優れる。
本発明の製造方法に用いられる、平均粒径が1nm〜10μmの近赤外線吸収性銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物について、まず説明する。
[平均粒径が1nm〜10μmの近赤外線吸収性銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物]
本発明の製造方法では、平均粒径が1nm〜10μmの近赤外線吸収性銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物が用いられる。
本発明の製造方法では、平均粒径が1nm〜10μmの近赤外線吸収性銅塩微粒子を用いることにより、近赤外線吸収性銅塩微粒子が偏在することなく存在する銅塩微粒子分散樹脂を得ることができる。平均粒径としては、製造の容易さ、透明性の保持の観点から5〜1000nmであることが好ましく、5〜300nmであることがより好ましい。
なお、平均粒径が1nm〜10μmの近赤外線吸収性銅塩微粒子を単に銅塩微粒子とも記す。
また、銅塩微粒子としては、耐熱性に優れ、銅塩微粒子分散樹脂の着色を起こし難い銅塩微粒子が好ましい。銅微粒子を構成する銅塩としては、銅塩の少なくとも一部が、下記一般式(1)で表わされる銅塩であることが好ましい。
Figure 2012201865
[一般式(1)中、Rは、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、置換基で置換されていてもよいフェニル基、置換基で置換されていてもよいベンジル基、または‐OR1基であり、R1はフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、置換基で置換されていてもよいフェニル基、置換基で置換されていてもよいベンジル基である。]
前記フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基としては、後述の一般式(2)におけるR2が挙げられる。R2以外のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基としては、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロへキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロデシル基等が挙げられる。
前記置換基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、直鎖または分岐した炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルフェニル基、直鎖または分岐した炭素数1〜20のアルコキシ基を有するアルコキシフェニル基、アミノフェニル基、チオフェニル基、ヒドロキシフェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、直鎖または分岐した炭素数1〜20のアルコキシ基を有するアルコキシカルボニルフェニル基、アシルフェニル基、カルボキシルフェニル基等が挙げられる。これら置換基はリン原子のオルト位、メタ位、パラ位いずれの位置に置換されていてもよいし、2ヶ所以上置換されていてもよい。また、これらの置換基で置換されていてもよいフェニル基が有する水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換されていてもよい。
前記置換基で置換されていてもよいベンジル基としては、ベンジル基、直鎖または分岐した炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルベンジル基、直鎖または分岐した炭素数1〜20のアルコキシ基を有するアルコキシベンジル基、アミノベンジル基、チオベンジル基、ヒドロキシベンジル基、ニトロベンジル基、シアノベンジル基、直鎖または分岐した炭素数1〜20のアルコキシ基を有するアルコキシカルボニルベンジル基、アシルベンジル基、カルボキシルベンジル基等が挙げられる。これら置換基は、リン原子と結合するメチレン基のオルト位、メタ位、パラ位いずれの位置に置換されていてもよいし、2ヶ所以上置換されていてもよい。また、これらの置換基で置換されていてもよいベンジル基が有する水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された基であってもよい。
前記一般式(1)で表わされる銅塩としては、Rが、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基であることが、近赤外線の吸光特性に優れるため好ましい。また、前記銅塩の少なくとも一部が、下記一般式(2)で表わされるアルキルホスホン酸銅塩であると、近赤外線の吸光特性に特に優れるためより好ましい。
Figure 2012201865
[一般式(2)中、R2は、−CH2CH2−R11で表される1価の基であり、R11は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜20のフッ素化アルキル基を示す。]
前記R11としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロへキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロデシル基等が挙げられる。
本発明に用いる、銅塩微粒子の製造方法としては特に限定はないが、通常は銅塩微粒子を分散剤存在下で製造することにより、銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物として得る。
なお、銅塩微粒子の製造方法の一例としては、銅塩として、前記一般式(2)で表わされるアルキルホスホン酸銅塩を用いる場合には、以下の方法で製造することができる。
銅塩が、前記一般式(2)で表わされる銅塩である銅塩微粒子の製造方法としては例えば、溶媒中で、下記一般式(3)で表わされるホスホン酸化合物と、銅塩とを、通常は分散剤存在下で混合し、反応混合物を得る工程(以下、反応工程とも記す)、該反応混合物中の溶媒を除去することにより銅塩微粒子を得る工程(以下、溶媒除去工程とも記す)を有する方法が挙げられる。なお、前記溶媒除去工程においては、反応工程において分散剤を用いた場合には、銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物が得られる。
Figure 2012201865
[一般式(3)中、R2は、−CH2CH2−R11で表される1価の基であり、R11は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜20のフッ素化アルキル基を示す。]
前記R11としては例えば、前記一般式(2)におけるR11と同様のものが挙げられる。なお、一般式(3)で表されるホスホン酸化合物としては、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
前記銅塩としては、2価の銅イオンを供給することが可能な銅塩が通常用いられる。前記銅塩としては前記一般式(2)で表わされるアルキルホスホン酸銅塩以外の銅塩であればよく、例えば、無水酢酸銅、無水蟻酸銅、無水ステアリン酸銅、無水安息香酸銅、無水アセト酢酸銅、無水エチルアセト酢酸銅、無水メタクリル酸銅、無水ピロリン酸銅、無水ナフテン酸銅、無水クエン酸銅等の有機酸の銅塩、該有機酸の銅塩の水和物もしくは水化物;酸化銅、塩化銅、硫酸銅、硝酸銅、リン酸銅、塩基性硫酸銅、塩基性炭酸銅等の無機酸の銅塩、該無機酸の銅塩の水和物もしくは水化物;水酸化銅が挙げられる。なお、銅塩としては、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
銅塩としては、無水酢酸銅、酢酸銅1水和物が、溶解性や副生成物の除去の点から好ましく用いられる。
銅塩が、前記一般式(2)で表わされるアルキルホスホン酸銅塩である近赤外線吸収性銅塩微粒子を製造する際には、通常は分散剤が用いられる。分散剤を用いると、一般式(2)で表わされるアルキルホスホン酸銅塩の分散性が向上するため好ましい。前記分散剤としては、例えば一般式(4a)で表されるリン酸エステル化合物および一般式(4b)で表されるリン酸エステル化合物から選択される少なくとも1種のリン酸エステル化合物が挙げられる。一般式(4a)で表されるリン酸エステル化合物および一般式(4b)で表されるリン酸エステル化合物から選択される少なくとも1種のリン酸エステル化合物としては、例えば、NIKKOL DOP−8NV、NIKKOL DLP−10、NIKKOL DDP−6、NIKKOL DDP−8、NIKKOL DDP−10、NIKKOL TDP−6、NIKKOL TDP−8、NIKKOL TDP−10(以上、日光ケミカルズ(株)製)や、プライサーフA219B、プライサーフA217E、プライサーフA210G(以上、第一工業製薬(株)製)等の市販品を用いることもできる。また、これらの化合物中のリン酸(P−OH)を適当な塩基で中和することにより得られる、リン酸エステル化合物の中和物を用いることもできる。中和に使用する塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の無機塩基や、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリイソブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の3級アミンが挙げられる。
Figure 2012201865
[一般式(4a)および(4b)中、R21、R22およびR23は、−(CH2CH2O)n5で表される1価の基であり、nは4〜45の整数であり、R5は、炭素数6〜25のアルキル基または炭素数6〜25のアルキルフェニル基を示す。ただし、R21、R22およびR23は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
前記nは6〜30の整数であるとより好ましい。nが4未満である場合には、近赤外線吸収フィルム等の光学材料を製造した際に透明性が不充分となる場合がある。また、nが45を超えると、充分な透明性を有する近赤外線吸収フィルム等の光学材料を得るために必要な、リン酸エステル化合物の量が増え、コスト高の原因となる傾向がある。
また、R5は、炭素数6〜25のアルキル基または炭素数6〜25のアルキルフェニル基であり、炭素数6〜25のアルキル基であることが好ましく、10〜20のアルキル基であることがより好ましい。R5が、炭素数6未満の基であると、近赤外線吸収フィルム等の光学材料を製造した際に透明性が不充分となる場合がある。また、R5が、炭素数25を超える基であると、充分な透明性を有する近赤外線吸収フィルム等の光学材料を得るために必要な、リン酸エステル化合物の量が増え、コスト高の原因となる傾向がある。
本発明に用いる銅塩微粒子を得る際には、前記一般式(4a)で表されるリン酸エステル化合物、前記一般式(4b)で表されるリン酸エステル化合物の少なくとも一方あるいはその中和物が用いられることが好ましいが、前記一般式(4a)で表されるリン酸エステル化合物、前記一般式(4b)で表されるリン酸エステル化合物の両方あるいはその中和物を用いることがより好ましい。前記一般式(4a)で表されるリン酸エステル化合物および前記一般式(4b)で表されるリン酸エステル化合物あるいはその中和物を用いると、近赤外線吸収フィルム等の光学材料の透明性、耐熱性に優れる傾向があり好ましい。前記一般式(4a)で表されるリン酸エステル化合物、前記一般式(4b)で表されるリン酸エステル化合物の両方あるいはその中和物を用いる場合には、一般式(4a)で表されるリン酸エステル化合物と、一般式(4b)で表されるリン酸エステル化合物との割合は、特に限定されないが、通常はモル比((4a):(4b))で10:90〜90:10である。
また、前記一般式(4a)で表されるリン酸エステル化合物としては、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよく、前記一般式(4b)で表されるリン酸エステル化合物としては、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
なお、銅塩微粒子を製造する際には、前記銅塩1モルあたり、一般式(3)で表されるホスホン酸化合物を0.9〜1.1モル用いることが好ましい。また、分散剤が、一般式(4a)で表されるリン酸エステル化合物および一般式(4b)で表されるリン酸エステル化合物から選択される少なくとも1種のリン酸エステル化合物あるいはその中和物である場合には、前記銅塩1モルあたり、0.005〜0.5モル用いることが好ましい。
前記溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルム、水等が挙げられ、良好に反応を行う観点から、エタノール、トルエン、THFまたはDMFが好ましい。また、反応工程は、好ましくは5〜60℃、より好ましくは10〜40℃の温度条件で、好ましくは0.5〜50時間、より好ましくは1〜30時間行われる。
前記反応工程では、前記一般式(3)で表されるホスホン酸化合物と、前記銅塩とが反応し、該反応によって、前記溶媒に溶解しない微粒子状の一般式(2)で表わされるホスホン酸銅塩が生成する。前記一般式(4a)で表されるリン酸エステル化合物および一般式(4b)で表されるリン酸エステル化合物から選択される少なくとも1種のリン酸エステル化合物あるいはその中和物は、反応時に良好な分散剤として作用することができるため、前記ホスホン酸銅塩は分散性が高く保たれ、凝集を抑制することができる。
なお、前記反応工程では、前記一般式(3)で表されるホスホン酸化合物と銅塩との反応のみではなく、例えば前記一般式(4a)で表されるリン酸エステル化合物および一般式(4b)で表されるリン酸エステル化合物から選択される少なくとも1種のリン酸エステル化合物あるいはその中和物と、銅塩の一部とが反応してもよい。また、原料の一部が反応せずに残存していてもよい。
なお、前記銅塩微粒子の製造方法では、通常、前記反応混合物から、少なくとも前記溶媒の一部を除去することにより、銅塩微粒子を得る。
溶媒除去工程では、反応混合物中から、少なくとも前記溶媒の一部を除去する。溶媒除去工程では、溶媒以外にも、反応混合物中の液体成分を合わせて除去してもよい。
溶媒除去工程では、通常反応混合物を加熱することにより、少なくとも前記溶媒の一部を除去するが加熱条件は、通常、室温〜70℃であり、好ましくは40〜60℃である。また、溶媒除去工程は、常圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。減圧下で溶媒除去工程を行う場合には、加熱を行わなくてもよい場合や、加熱温度が低くてもよい場合がある。
前記分散剤を用いて銅塩微粒子を製造した場合には、前記銅塩微粒子は、銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物として得られる。なお、該混合物には、溶媒の一部や、副生成物等が含まれていてもよい。
本発明の製造方法に用いられる近赤外線吸収性銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物は、例えば前記方法によって調製することが可能であり、該混合物は、通常銅塩微粒子100質量部に対して、分散剤を1〜300質量部含む。
また、溶媒除去工程を行った後に、近赤外線吸収性銅塩微粒子中に含まれる揮発性の不純物を共沸によって除去することを目的として、近赤外線吸収性銅塩微粒子を、分散媒に分散した後に、該分散媒を除去する工程を設けてもよい。
前記分散媒としては、例えばトルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられる。
次に、本発明の製造方法に用いられる、樹脂について説明する。
[樹脂]
本発明には、樹脂が用いられる。本発明に用いられる樹脂としては、前述の近赤外線吸収性銅塩微粒子を分散することが可能であればよく特に限定はないが、例えば以下の樹脂を用いることができる。
本発明に用いる樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびノルボルネン樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂が、近赤外線吸収性銅塩微粒子を良好に分散することが可能であり、かつ可視光の透過性に優れることが好ましい。
本発明に用いる樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、およびエチレン‐酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種の樹脂であることがより好ましく、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)、およびエチレン‐酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種の樹脂であることが特に好ましく、ポリビニルブチラール樹脂、またはエチレン‐酢酸ビニル共重合体が最も好ましい。ポリビニルアセタール樹脂を用いると、前述の近赤外線吸収性銅塩微粒子の分散性に優れ、本発明の製造方法で得られる銅塩微粒子分散樹脂を用いて、光学材料を製造する際に、ガラス等への密着性に優れ、銅塩微粒子分散樹脂が柔軟であり、かつ温度変化に伴う銅塩微粒子分散樹脂の変形が起こり難いため好ましい。また、ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)を用いることが、ガラス密着性、分散性、透明性、耐熱性、耐光性などの観点から好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂は、必要な物性に応じて、二種以上を組み合わせたブレンド物であってもよく、アセタール化時にアルデヒドを組み合わせてアセタール化することにより得られるポリビニルアセタール樹脂であってもよい。上記ポリビニルアセタール樹脂の分子量、分子量分布およびアセタール化度は特に限定されないが、アセタール化度は、一般に40〜85%であり、好ましい下限は60%、上限は75%である。
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂をアルデヒドによりアセタール化することにより得ることができる。上記ポリビニルアルコール樹脂は、一般にポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られるものであり、鹸化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコール樹脂が一般的に用いられる。上記ポリビニルアルコール樹脂の粘度平均重合度は好ましい下限は200、上限は3000である。200未満であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下する場合がある。3000を超えると、銅塩微粒子分散樹脂の成形性が悪くなる場合があり、しかも銅塩微粒子分散樹脂の剛性が大きくなり過ぎ、加工性が悪くなる。より好ましい下限は500、上限は2200である。なお、ポリビニルアルコール樹脂の粘度平均重合度、および鹸化度は、例えば、JISK 6726「ポリビニルアルコール試験方法」に基づいて測定することができる。
アルデヒドとしては特に限定されず、例えば、炭素数が1〜10のアルデヒド等が挙げられ、より具体的には、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルテヒド、n−へキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−へキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒド等が好ましい。より好ましくは、炭素数が4のブチルアルデヒドである。
また、エチレン‐酢酸ビニル共重合体を用いると、前述の近赤外線吸収性銅塩微粒子の分散性に優れ、ガラス密着性、分散性、透明性、耐熱性、耐光性などの観点から好ましい。
本発明の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法は、前述のように平均粒径1nm〜10μmの近赤外線吸収性銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物を、溶媒で洗浄した後、前記銅塩微粒子を沈降させ、上澄み液を除去し、前記銅塩微粒子を得る工程A、前記工程Aで得られた銅塩微粒子を分散媒中に分散し、分散液を得る工程B、前記分散液を樹脂と混合し、銅塩微粒子分散樹脂を得る工程Cを有する。以下、本発明の製造方法における各工程について説明する。
[工程A]
本発明の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法では、まず、平均粒径1nm〜10μmの近赤外線吸収性銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物を、溶媒で洗浄した後、前記銅塩微粒子を沈降させ、上澄み液を除去し、前記銅塩微粒子を得る工程Aを行う。
工程Aでは、まず前記銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物を溶媒で洗浄する。洗浄は、通常前記混合物と、溶媒とを混合し、攪拌することにより行われる。また、凝集した銅塩の塊を粉砕するために、前記混合物と溶媒とを混合した液に対し、超音波を照射してもよい。該洗浄により、前記混合物中の分散剤や、混合物中に存在すると考えられる溶媒に可溶な副成分を、溶媒に溶解することが可能である。なお、洗浄を行う際の前記混合物と溶媒との量比としては特に限定はないが、好適に攪拌等により洗浄を行うことが可能な量が好ましく、具体的には前記混合物100質量部に対して溶媒が300〜30000質量部であることが好ましく、500〜10000質量部であることがより好ましい。攪拌は、前記分散液に攪拌子を入れ、マグネチックスターラーで攪拌してもよいし、試験管ミキサーで攪拌しても良い。攪拌速度は、通常10rpm〜1000rpmであり、攪拌時間は、通常1分間〜1時間である。また超音波を照射する場合は、凝集した銅塩の塊が目視で1mm以下程度とするのに十分な時間を照射すればよく、具体的には、通常1分間〜3時間である。
なお、溶媒としては、分散剤を溶解可能であればよく、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、水等が挙げられ、メタノール、エタノール等が好ましい。また、溶媒は複数の成分からなる混合溶媒であってもよい。
工程Aでは洗浄した後、前記銅塩微粒子を沈降させる。沈降させる方法としては、例えば攪拌することにより洗浄を行った場合には、攪拌を止め静置することにより、自然沈降させる方法や、遠心分離により沈降させる方法が挙げられる。
なお、沈降させる方法としては、コストの観点からは自然沈降が好ましい。しかしながら、銅塩微粒子の粒径が小さい場合には、自然沈降が困難な場合や、自然沈降に長時間必要な場合がある。このような場合には遠心分離を行うことにより、銅塩微粒子を沈降させることが好ましい。遠心分離の回転条件としては、通常500rpm〜10000rpmで行う。遠心分離の時間としては、通常1分間〜3時間である。
また、工程Aでは前記銅塩微粒子を沈降させた後に、上澄み液の除去を行い、銅塩微粒子を得る。上澄み液の除去方法としては、本発明を行うスケールによっても異なるが、例えば上澄み液をパスツールピペット、スポイト等を用いて除去する方法や、上澄み液をデカンテーションにより除去する方法等が挙げられる。
工程Aでは、前記洗浄、沈降、上澄み液の除去を行うことにより、前記混合物中の分散剤や、前記溶媒に可溶な副成分が除去された銅塩微粒子を得ることができる。また、銅塩微粒子の純度を高める目的で、前記洗浄、沈降、上澄み液の除去を繰り返し行うことが好ましい。前記洗浄、沈降、上澄み液の除去を繰り返し行うと、銅塩微粒子分散樹脂の耐熱性がより向上する傾向があるため好ましい。なお、繰り返し行う場合の回数としては特に限定はないが、本発明の製造方法で得られる銅塩微粒子分散樹脂の耐熱性が充分向上する範囲、例えば1〜3回繰り返すことが好ましい。なお1回繰り返すとは、前記洗浄、沈降、上澄み液の除去を行った後に、得られた銅塩微粒子に再度溶媒を添加して、洗浄、沈降、上澄み液の除去を行うことを意味する。
本発明の製造方法で得られた銅塩微粒子分散樹脂が耐熱性に優れる理由は明らかではないが、本発明者らは、工程Aを行うことにより、前記溶媒に可溶な副成分が除去され、このことが、銅塩微粒子分散樹脂の耐熱性の向上に寄与すると推測した。
また、工程Aと後述する工程Bとの間に、工程Aで得られた銅塩微粒子を再度前記溶媒等に分散させ、次いで前記溶媒を、減圧留去し、前記銅塩微粒子を得る工程を設けてもよい。該工程を設けると、銅塩微粒子の凝集を防止する観点から好ましい。
[工程B]
本発明の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法では、前記工程Aを行った後に、前記工程Aで得られた銅塩微粒子を分散媒中に分散し、分散液を得る工程Bを行う。
工程Bでは、前記工程Aで得られた銅塩微粒子を分散媒に分散する。分散媒としては、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、塩化メチレン、クロロホルム、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)等が挙げられる。
銅塩微粒子を分散媒に分散させる方法としては、特に限定はなく、分散媒に銅塩微粒子を加え、超音波を照射して分散させる方法、分散媒に銅塩微粒子を加え、攪拌することにより分散させる方法、分散媒に銅塩微粒子を加え、ボールミルで粉砕して分散する方法等が挙げられる。
工程Bで用いる分散媒の量としては、特に限定はないが、製造設備のサイズの観点から、通常は、銅塩微粒子を100質量部とすると、分散媒は300〜30000質量部用いられる。
なお、工程Bでは、前記銅塩微粒子を、分散剤存在下で分散媒中に分散し、分散液を得ることが好ましい。工程Bで用いる分散剤としては、前記銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物の項で説明した分散剤を用いることができる。また、分散剤としては、銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物を合成する時に使用した分散剤と同じ分散剤を使用しても良いし、異なるものを使用してもよい。
工程Bで用いる分散剤の量としては、特に限定はないが、銅塩微粒子を100質量部とすると、通常は1〜300質量部用いられる。
また、該工程Bにおいては、他の添加剤を溶媒に加えてもよい。他の添加剤としては、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、脱水剤、接着力調整剤、シランカップリング剤、顔料等が挙げられる。
[工程C]
本発明の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法では、前記工程Bを行った後に、前記工程Bで得られた前記分散液を樹脂と混合し、銅塩微粒子分散樹脂を得る工程Cを行う。
工程Cでは、前記分散液を樹脂と混合することにより銅塩微粒子分散樹脂を得るが、通常は工程Cでは分散媒の少なくとも一部を除去する。
また、本発明の製造方法で得られる銅塩微粒子分散樹脂に分散する銅塩微粒子の量としては特に限定はないが、銅塩微粒子が通常は0.1〜15質量%であり、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。
工程Cの具体的態様としては、特に限定はないが、例えば前記分散液を樹脂と混合し、分散媒の少なくとも一部を除去することにより、銅塩微粒子分散樹脂を得る工程(以下、工程C−1とも記す。)、前記分散液を少量の樹脂と混合し、分散媒の少なくとも一部を除去することにより、銅塩微粒子分散樹脂のマスターバッチを得た後に、該マスターバッチを樹脂と混練することにより、銅塩微粒子分散樹脂を得る工程(以下、工程C−2とも記す。)等が挙げられる。
工程Cとして、工程C−1を行う場合には、前記分散液と樹脂とを混合することにより、分散液と樹脂との混合物を得る工程C−1−1、該混合物中の分散媒の少なくとも一部を除去し、銅塩微粒子分散樹脂を得る工程C−1−2が行われる。
前記工程C−1−1は、通常前記分散液に、樹脂を添加し、混合することにより行われる。
前記工程C−1−1で用いる銅塩微粒子の量としては特に限定はないが、工程C−1−2で得られる銅塩微粒子分散樹脂に分散する銅塩微粒子の量が、通常は0.1〜15質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5.0質量%となる量で用いられる。また、該工程で用いる樹脂の量としては特に限定はないが、工程C−1−2で得られる銅塩微粒子分散樹脂に含まれる樹脂の量が、通常は50〜99質量%、好ましくは60〜99質量%、より好ましくは65〜95質量%となる量で用いられる。
また、工程C−1−1においては、他の添加剤を、分散液および樹脂と混合してもよい。他の添加剤としては、可塑剤(例えば、3GO(トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート))等が挙げられる。さらに、樹脂の溶解性を高めることを目的として、塩化メチレン、クロロホルム、エタノール/トルエン混合溶媒等の溶媒を添加してもよい。
工程C−1−1では、分散液の状態で樹脂と混合するため、近赤外線吸収性銅塩微粒子を、直接樹脂と混合する場合と比べて、近赤外線吸収性銅塩微粒子を樹脂中に均一に分散することができる。
前記工程C−1−2では、前記工程C−1−1で得られた分散液と樹脂との混合物中の分散媒の少なくとも一部を除去すればよい。
分散媒の除去方法としては特に限定はなく、分散媒の沸点によっても異なるが、加熱乾燥、真空乾燥、加熱真空乾燥等の方法が用いられる。乾燥の際には、樹脂の変質を抑制する観点から、加熱する場合であっても温度が、室温〜100℃であることが好ましい。
該工程C−1−2によって、銅塩微粒子分散樹脂を得ることができる。
工程Cとして、工程C−2を行う場合には、前記分散液と樹脂とを混合することにより、分散液と樹脂との混合物を得る工程C−2−1、該混合物中の分散媒の少なくとも一部を除去することによりマスターバッチを得る工程C−2−2、前記マスターバッチと樹脂とを混練することにより、銅塩微粒子分散樹脂を得る工程C−2−3が行われる。
前記工程C−2−1は、通常前記分散液に、樹脂を添加し、混合することにより行われる。
前記工程C−2−1で用いる樹脂の量としては通常、後述のマスターバッチを得る工程C−2−2において、銅塩微粒子が1〜30質量%分散したマスターバッチが得られる範囲であればよい。マスターバッチには、銅塩微粒子と、樹脂とが含まれ、さらに分散剤等の添加剤が含まれる。樹脂の使用量としては、マスターバッチ全体を100質量%とした際に、銅塩微粒子が1〜30質量%となる範囲で用いればよく、特に限定はされないが、マスターバッチ全体を100質量%とした際に、通常は樹脂が30〜95質量%となる範囲で用いられ、好ましくは50〜90質量%となる範囲で用いられる。
また、該工程C−2−1においては、他の添加剤を、分散液および樹脂と混合してもよい。他の添加剤としては、可塑剤(例えば、3GO(トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート))等が挙げられる。さらに、樹脂の溶解性を高めることを目的として、塩化メチレン、クロロホルム、エタノール/トルエン混合溶媒等の溶媒を添加してもよい。
前記工程C−2−1では、分散液の状態で樹脂と混合するため、近赤外線吸収性銅塩微粒子を、直接樹脂と混合する場合と比べて、近赤外線吸収性銅塩微粒子を樹脂中に均一に分散することができる。
前記工程C−2−2では、前述の工程C−2−1に続いて、前記混合物中の分散媒の少なくとも一部を除去することによりマスターバッチを得る。なお、該マスターバッチは通常銅塩微粒子が1〜30質量%分散している。
該工程C−2−2では、前記混合物中の分散媒を除去すればよい。具体例としては、前記混合物を、キャスト成形法で、所望の形状に成形した後に分散媒の除去を行いマスターバッチを得てもよく、スプレードライ法等によって粉末(マスターバッチ)を得ると同時に分散媒の除去を行ってもよい。
分散媒の除去方法としては、分散媒の沸点によっても異なるが、加熱乾燥、真空乾燥、加熱真空乾燥等の方法が用いられる。乾燥の際には、樹脂の変質を抑制する観点から、加熱する場合であっても温度が、室温〜100℃であることが好ましい。
該工程によって、銅塩微粒子が通常1〜30質量%分散したマスターバッチを得ることができる。マスターバッチには、前述の分散液を得る工程、工程C−2−1等で用いた添加剤が含まれていてもよい。該工程で得られるマスターバッチは、銅塩微粒子を、直接樹脂と混練することにより得られたマスターバッチと比べて、銅塩微粒子を樹脂中に均一に分散することができる。
前記工程C−2−3では、前記工程C−2−2で得られたマスターバッチと樹脂とを混練することにより、銅塩微粒子分散樹脂を得る工程である。該工程で得られる銅塩微粒子分散樹脂は、樹脂および銅塩微粒子から形成される、銅塩微粒子が0.1〜15質量%分散した銅塩微粒子分散樹脂であることが好ましい。
該工程C−2−3により、各種用途に用いる際の所望の銅塩微粒子含有量に調整された銅塩微粒子分散樹脂を得ることができる。
該工程C−2−3に用いる樹脂としては、前記工程C−2−1で用いる樹脂と同様の樹脂を用いても、異なる樹脂を用いてもよいが、樹脂の相溶性、分散性、透明性の観点から、通常は同様の樹脂が用いられる。
混練は、通常混練機を用いて、前記マスターバッチおよび樹脂を混練することにより行われる。混練機としては例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミル、ニーダー等が用いられる。
混練は、通常温度150〜240℃の範囲で行われる。
また、該工程C−2−3では、添加剤を用いてもよい。添加剤としては、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、脱水剤、接着力調整剤、シランカップリング剤、顔料等が挙げられる。
該工程C−2−3で用いる樹脂の量としては、銅塩微粒子が0.1〜15質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5.0質量%分散した銅塩微粒子分散樹脂が得られればよい。銅塩微粒子分散樹脂には、銅塩微粒子と、樹脂とが含まれ、さらに分散剤等の添加剤が含まれる。樹脂の使用量としては、銅塩微粒子分散樹脂全体を100質量%とした際に、銅塩微粒子が0.1〜15質量%となる範囲で用いればよく、特に限定はされないが、マスターバッチ100質量部に対して、通常は樹脂が50〜3000質量部用いられ、好ましくは100〜1500質量部用いられる。
本発明の製造方法で得られる銅塩微粒子分散樹脂は、前記工程Aを有する製造方法によって得られるため、耐熱性に優れる。また、該銅塩微粒子分散樹脂は、押出成形、キャスト成形、射出成形等の様々な成形法により成形可能であるため、様々なサイズの光学材料を好適に製造することが可能である。
なお、本発明の銅塩微粒子分散樹脂から形成される光学材料としては、ディスプレイ用の近赤外線吸収フィルム、フォトダイオード等の受光部等に配置される視感度補正フィルター等が挙げられる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
(銅塩分散液の調製)
200mlナスフラスコに、酢酸銅1水和物1.16g(5.83mmol)、エタノール34.9gを加え、20℃で攪拌して完全に溶かした。これに、プライサーフA219B(第一工業化学製)のナトリウム中和物0.5gを加え、2.5時間、20℃で攪拌し、溶液(A液)を得た。エチルホスホン酸449mg(4.08mmol)、1−デシルホスホン酸389mg(1.75mmol)をエタノール11.6gに溶かした溶液(B液)を作成した。A液に対し、B液を約5分間で滴下した。この反応液を20℃で10時間撹拌後、エバポレーター(水浴60℃)で溶媒を留去し、乾固させた。これにトルエン30gを加え、恒量になり、酢酸臭がしなくなるまでエバポレーターで留去した。収量1.69g(収率100%)であった。これにトルエン20gを添加し、超音波を10時間照射して、銅塩を分散させ、トルエン分散液を得た。
(銅塩洗浄・上澄み液除去、再分散操作(工程Aおよび工程B))
ナスフラスコに、上記トルエン分散液を2.82gとり、エバポレーターでトルエンを留去した。これにエタノール10gを添加し、超音波照射、攪拌等を行い、塊が出来ないようにした。この分散液を1時間攪拌して固体を洗浄した。この分散液を試験管に移して試験管ミキサーで攪拌した後、遠心分離機で遠心分離操作を行った(3000rpm、10分間)。上澄み液をパスツールピペットで除去した。試験管にエタノール10gを加え、試験管ミキサーで攪拌した後、遠心分離機で遠心分離操作を行った(3000rpm、10分間)。上澄み液をパスツールピペットで除去した。得られた沈殿物をエタノールに懸濁させてナスフラスコに移し、エバポレーターで濃縮し、170mgの薄い水色の固体を得た。これにプライサーフA219Bナトリウム中和物39mg、トルエン10gを添加し、超音波を4.5時間照射して銅塩を分散させた。
(銅塩微粒子分散樹脂の調製(工程C))
500mlビーカーに、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)2.43g、塩化メチレン300ml、上記の銅塩洗浄・上澄み液除去・再分散操作後のトルエン分散液10.21g、ポリビニルブチラール(PVB、ソルーシア製)6.38gを加えて0.5時間攪拌後、テフロン製のバットに溶液を広げ、12時間、20℃で風乾した。得られた樹脂を50℃で3時間真空乾燥し、銅塩微粒子が分散したPVB樹脂を得た。
(評価)
前記銅塩微粒子が分散したPVB樹脂を、厚さ0.8mmの型枠および(株)神藤金属工業所製の圧縮成形機を用い、120℃、3MPaで予熱1分間を行った後、15MPaで3分間プレスし、樹脂シート(1)を得た。
<測定サンプル(1)の作成>
前記樹脂シート(1)の両面を、スライドガラス(厚み1.2〜1.5mm)で挟み、70℃のプレート上で合わせガラス(1)とした。
該合わせガラス(1)をオートクレーブ内で、窒素雰囲気下、圧力1.5MPa、130℃で0.5時間加熱し、樹脂シートの両面にスライドガラスが配設された測定サンプル(1)を得た。
<測定サンプル(2)の作成>
前記樹脂シート(1)を、さらに厚さ0.8mmの型枠および(株)神藤金属工業所製の圧縮成形機を用い、200℃、3MPaで予熱1分間を行った後、10MPaで15分間プレスし、樹脂シート(2)を得た。
樹脂シート(1)を樹脂シート(2)に代えた以外は、前記測定サンプル(1)の作成と同様に行い、樹脂シートの両面にスライドガラスが配設された測定サンプル(2)を得た。
<耐熱性の評価>
前記測定サンプル(1)および(2)の分光をそれぞれ以下の方法で測定した。
該測定サンプルの分光は、250〜2500nmの波長範囲で、分光光度計(U−4000形、(株)日立製作所製)を使用して測定した。C光源を使用し、三刺激値(X,Y,Z)の値を計算した。
測定サンプル(1)のYI(黄色度指数)は、3.4であり、測定サンプル(2)のYIは、5.6であった。なおYIの値の計算は、下式により行った。
YI=(128X−106Z)/Y
測定サンプル(1)のYIと測定サンプル(2)のYIとの差(測定サンプル(2)のYI−測定サンプル(1)のYI)をΔYIとすると、ΔYIは2.2であった。
測定サンプル(2)を、100℃の恒温オーブンに400時間保管した。400時間経過後、サンプルを取り出し分光を測定しYIを求めたところ、YIは8.0であった。
〔比較例1〕
(銅塩微粒子分散樹脂の調製)
500mlビーカーに、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)2.43g、塩化メチレン300ml、実施例1の銅塩分散液の調製の項と同様の方法で得られたトルエン分散液2.82g、ポリビニルブチラール(PVB、ソルーシア製)6.38gを加えて0.5時間攪拌後、テフロン製のバットに溶液を広げ、12時間、20℃で風乾した。得られた樹脂を50℃で3時間真空乾燥し、銅塩微粒子が分散したPVB樹脂を得た。
(評価)
実施例1の樹脂シート(1)の作成に用いた銅塩微粒子が分散したPVB樹脂を、比較例1、銅塩微粒子分散樹脂の調製の項で得られた前記銅塩微粒子が分散したPVB樹脂に代えた以外は、実施例1と同様な条件(120℃、15MPa)でプレスを行い、樹脂シート(c1)を得た。
<測定サンプル(c1)の作成>
樹脂シート(1)を、樹脂シート(c1)に代えた以外は実施例1の、測定サンプル(1)の作成の項と同様に行い、測定サンプル(c1)を得た。
<測定サンプル(c2)の作成>
樹脂シート(1)を、樹脂シート(c1)に代えた以外は実施例1の、測定サンプル(2)の作成の項と同様に行い、測定サンプル(c2)を得た。
<耐熱性の評価>
前記測定サンプル(c1)、測定サンプル(c2)の分光を実施例1に示した方法と同様に測定した。測定サンプル(c1)のYIは、2.8であり、測定サンプル(c2)のYIは、7.1であった。測定サンプル(c1)と測定サンプル(c2)のΔYIは4.3であった。
測定サンプル(c2)を、100℃の恒温オーブンに400時間保管した。400時間経過後、サンプルを取り出し分光を測定しYIを求めたところ、YIは12.1であった。
〔実施例2〕
(銅塩分散液の調製)
1Lナスフラスコに、酢酸銅1水和物4.656g(23.32mmol)、エタノール140gを加え、20℃で攪拌して完全に溶かした。これに、プライサーフA219B(第一工業化学製)のナトリウム中和物4.0gを加え、2時間、20℃で攪拌し、溶液(A液)を得た。エチルホスホン酸1.80g(16.32mmol)、1−デシルホスホン酸1.56g(7.0mmol)をエタノール46gに溶かした溶液(B液)を作成した。A液に対し、B液を約20分間で滴下した。この反応液を20℃で10時間撹拌後、エバポレーター(水浴60℃)で溶媒を留去し、乾固させた。これにトルエン80gを加え、恒量になり、酢酸臭がしなくなるまでエバポレーターで留去した。収量8.2g(収率100%)であった。これにトルエン80gを添加し、超音波を20時間照射して、銅塩を分散させ、トルエン分散液を得た。
(銅塩洗浄・上澄み液除去、再分散操作(工程Aおよび工程B))
50mlナスフラスコに、上記トルエン分散液を2.82gとり、エバポレーターでトルエンを留去した。これにエタノール10gを添加し、超音波照射、攪拌等を行い、塊が出来ないようにした。この分散液を1時間攪拌して固体を洗浄した。この分散液を試験管に移して試験管ミキサーで攪拌した後、遠心分離機で遠心分離操作を行った(3000rpm、1時間)。上澄み液をパスツールピペットで除去した。さらに試験管にエタノール10gを加え、試験管ミキサーで攪拌した後、遠心分離機で遠心分離操作を行った(3000rpm、30分間)。上澄み液をパスツールピペットで除去した。さらに試験管にエタノール10gを加え、試験管ミキサーで攪拌した後、遠心分離機で遠心分離操作を行った(3000rpm、30分間)。上澄み液をパスツールピペットで除去した。得られた沈殿物をエタノールに懸濁させてナスフラスコに移し、エバポレーターで濃縮し、240mgの薄い水色の固体を得た。これにプライサーフA219Bセシウム中和物44mg、トルエン10gを添加し、超音波を6時間照射して銅塩を分散させた。
(銅塩微粒子分散樹脂の調製(工程C))
500mlビーカーに、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)2.43g、塩化メチレン300ml、上記の銅塩洗浄・上澄み液除去・再分散操作後のトルエン分散液10.28g、ポリビニルブチラール(PVB、ソルーシア製)6.38gを加えて、20℃で2.5時間攪拌後、テフロン製のバットに溶液を広げ、12時間、20℃で風乾した。得られた樹脂を50℃で3.5時間真空乾燥し、銅塩微粒子が分散したPVB樹脂を得た。
(評価)
実施例1の樹脂シート(1)の作成に用いた銅塩微粒子が分散したPVB樹脂を、実施例2、銅塩微粒子分散樹脂の調製の項で得られた前記銅塩微粒子が分散したPVB樹脂に代えた以外は、実施例1と同様な条件(120℃、15MPa)でプレスを行い、樹脂シート(2)を得た。
<測定サンプル(3)の作成>
樹脂シート(1)を、樹脂シート(2)に代えた以外は実施例1の、測定サンプル(1)の作成の項と同様に行い、測定サンプル(3)を得た。
<測定サンプル(4)の作成>
樹脂シート(1)を、樹脂シート(2)に代えた以外は実施例1の、測定サンプル(2)の作成の項と同様に行い、測定サンプル(4)を得た。
<耐熱性の評価>
前記測定サンプル(3)、測定サンプル(4)の分光を実施例1に示した方法と同様に測定した。測定サンプル(3)のYIは、5.6であった。測定サンプル(4)のYIは、9.3であった。測定サンプル(3)と測定サンプル(4)のΔYIは3.7であった。
測定サンプル(4)を、100℃の恒温オーブンに400時間保管した。400時間経過後、サンプルを取り出し分光を測定しYIを求めたところ、YIは10.9であった。

Claims (9)

  1. 平均粒径1nm〜10μmの近赤外線吸収性銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物を、溶媒で洗浄した後、前記銅塩微粒子を沈降させ、上澄み液を除去し、前記銅塩微粒子を得る工程A、
    前記工程Aで得られた銅塩微粒子を分散媒中に分散し、分散液を得る工程B、
    前記分散液を樹脂と混合し、銅塩微粒子分散樹脂を得る工程Cを含む銅塩微粒子分散樹脂の製造方法。
  2. 前記銅塩微粒子の平均粒径が5〜1000nmである請求項1に記載の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法。
  3. 前記工程Aが、前記銅塩微粒子と分散剤とを含む混合物を、溶媒で洗浄した後、前記銅塩微粒子を、遠心分離または自然沈降により沈降させ、上澄み液を除去し、前記銅塩微粒子を得る工程である請求項1または2に記載の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法。
  4. 前記工程Bが、前記工程Aで得られた銅塩微粒子を、分散剤存在下で分散媒中に分散し、分散液を得る工程である請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法。
  5. 前記樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびノルボルネン樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂である請求項1〜4のいずれか一項に記載の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法。
  6. 前記樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂、またはエチレン‐酢酸ビニル共重合体である請求項1〜4のいずれか一項に記載の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法。
  7. 前記銅塩の少なくとも一部が、下記一般式(1)で表わされる銅塩である請求項1〜6のいずれか一項に記載の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法。
    Figure 2012201865
    [一般式(1)中、Rは、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、置換基で置換されていてもよいフェニル基、置換基で置換されていてもよいベンジル基、または‐OR1基であり、R1はフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、置換基で置換されていてもよいフェニル基、置換基で置換されていてもよいベンジル基である。]
  8. 前記銅塩の少なくとも一部が、下記一般式(2)で表わされるアルキルホスホン酸銅塩である請求項1〜6のいずれか一項に記載の銅塩微粒子分散樹脂の製造方法。
    Figure 2012201865
    [一般式(2)中、R2は、−CH2CH2−R11で表される1価の基であり、R11は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜20のフッ素化アルキル基を示す。]
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法で得られる、銅塩微粒子分散樹脂。
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