JP2012201863A - 変性共役ジエン系重合体組成物及びその製造方法 - Google Patents

変性共役ジエン系重合体組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乾燥工程において使用する乾燥機等の金属部分への付着を抑え、かつ乾燥性に優れ、さらに、その分子量分布の経時変化が少ない変性共役ジエン系重合体組成物、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】アミノ基とアルコキシシリル基を有する化合物に基づく変性基が結合した変性共役ジエン系重合体(A)100質量部に対し、有機酸由来の化合物(B)を0.002〜0.2質量部含む変性共役ジエン系重合体組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、変性共役ジエン系重合体組成物及びその製造方法に関する。
共役ジエン系重合体は、反発弾性、低温特性に優れた特性を有することから、シリカ及びカーボン等の充填剤を配合することにより、自動車タイヤ用途、履物用途、防振ゴム用途等の分野に広く利用されている。近年、これらの共役ジエン系重合体の反発弾性、耐摩耗性等の物性、加工性を改良する方法として、炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を開始剤として重合された共役ジエン系重合体の末端に官能基を導入する種々の方法が提案されている。
シリカとの親和性を高める方法として、アミノ基とアルコキシシリル基を導入する方法等が行われている。例えば、共役ジエン系重合体に、分子中に3級アミノ基を2個以上およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物に基づく変性基を結合している変性共役ジエン系重合体が提案されている(特許文献1)。
その他にも、例えば、有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体の該活性部位にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる変性反応を行い、該反応の途中及び/又は終了後に反応系に縮合促進剤を加える変性重合体の製造方法が提案されている(特許文献2)。
また、炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を開始剤として用いて共役ジエン系単量体を重合させてリビング重合体を製造し、それにアミノ基含有アルコキシシラン系化合物を反応させた後、脱溶媒時にアルカリ性化合物を添加し、pH8〜12で処理する方法が提案されている(特許文献3)。
国際公開第2008−013090号公報 国際公開第2003−087171号公報 国際公開第2005−087814号公報
しかしながら、官能基導入剤としてアルコキシシラン系化合物を用いた場合、アルコキシシリル基が加水分解や縮合してしまうため、得られる共役ジエン系重合体の分子量が時間の経過とともに変化するという問題を有している。また、特許文献3では、得られる変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度の経時変化を抑えても、生産工程、特に乾燥工程において金属部分への付着が激しく、また組成物自体の加工性を安定的に得ることが困難であるという問題を有する。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、乾燥工程において使用する乾燥機等の金属部分への付着を抑え、かつ乾燥性に優れ、さらに、その分子量分布の経時変化が少ない変性共役ジエン系重合体組成物、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物に基づく変性基が結合した変性共役ジエン系重合体(A)と、特定量の有機酸由来の化合物(B)とを含む組成物とすることにより、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕アミノ基とアルコキシシリル基を有する化合物に基づく変性基が結合した変性共役ジエン系重合体(A)100質量部に対し、有機酸由来の化合物(B)を0.002〜0.2質量部含む変性共役ジエン系重合体組成物。
〔2〕有機酸由来の化合物(B)が、脂肪族カルボン酸由来の化合物(B1)及び/又はリン酸エステル由来の化合物(B2)である上記〔1〕記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔3〕変性共役ジエン系重合体(A)が、窒素原子を1個以上及びアルコキシシリル基を2個以上有する化合物に基づく変性基が結合した変性共役ジエン系重合体である上記〔1〕又は〔2〕に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔4〕下記工程(1)〜(3)をこの順序で行う、変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法。
工程(1):共役ジエン系重合体と、アミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物と 反応させることにより変性共役ジエン系重合体(A)を得る工程、
工程(2):変性共役ジエン系重合体(A)100質量部に、有機酸由来の化合物(B) 0.002〜0.2質量部を添加することにより変性共役ジエン系重合体組 成物を得る工程、
工程(3):工程(2)で得られた変性共役ジエン系重合体組成物を乾燥する工程。
〔5〕前記工程(2)において、有機酸由来の化合物(B)が、脂肪族カルボン酸由来の化合物(B1)、及び/又はリン酸エステル由来の化合物(B2)である上記〔4〕に記載の変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法。
〔6〕前記工程(2)において、炭酸ガスを更に添加する上記〔4〕又は〔5〕に記載の変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法。
本発明によれば、乾燥工程において使用する乾燥機等の金属部分への付着が抑制され、かつ乾燥性に優れ、さらに分子量分布の経時変化が少ない変性共役ジエン系重合体組成物、及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、アミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物に基づく変性基が結合した変性共役ジエン系重合体(A)100質量部と、有機酸由来の化合物(B)0.002〜0.2質量部とを含む。
本実施形態における変性共役ジエン系重合体(A)は、1種の共役ジエン化合物を重合して得られる重合体、2種以上の共役ジエン化合物を共重合して得られる共重合体、又は1種もしくは2種以上の共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とを共重合して得られる共重合体に、アミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物に基づく変性基が結合したものである。アミノ基及びアルコキシシリル基は、後述するように、アミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物を共役ジエン系重合体に結合させることで導入することができる。
共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましい化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。
ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、2−ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、ジフェニルエチレン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましい化合物としては、スチレンが挙げられる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体(A)を構成する、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物を共重合して得られる共役ジエン系重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。共役ジエン共重合体の重合に用いる全単量体量におけるビニル芳香族化合物の含有量は、反発弾性の観点から好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは5〜50質量%である。
ブロック共重合体の製造方法としては、特に限定されず、例えば、特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号公報、特公昭51−49567号公報、特開昭59−166518号公報等に記載された方法が挙げられる。
ブロック共重合体の構造としては、例えば、式(X−Y)n、(X−Y)n−X、Y−(X−Y)n、で表される(ここで、Xはビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックを表し、Yは共役ジエンを主体とする重合体ブロックを表す。XブロックとYブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。また、nは1以上の整数であり、好ましくは1〜5の整数である)。
上記において、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックXは、ビニル芳香族化合物を50質量%以上、好ましくは70質量%以上含有するビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体ブロック及び/又はビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックである。共役ジエンを主体とする重合体ブロックYは、共役ジエンを当該ブロック中に50質量%を超える量を、好ましくは60質量%以上含有する共役ジエンとビニル芳香族化合物との共重合体ブロック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックをいう。
共重合体ブロック中のビニル芳香族化合物は均一に分布していても、テーパー状に分布していてもよい。共重合体ブロック部分には、ビニル芳香族化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。更に、共重合体ブロック部分には、ビニル芳香族化合物含有量が異なる部分が複数個共存してもよい。本実施形態で使用するブロック共重合体は、上記式で表されるブロック共重合体の任意の混合物でもよい。
本実施形態において、ブロック共重合体に組み込まれているビニル芳香族化合物重合体ブロックの割合(ビニル芳香族化合物のブロック率という)は、特に限定されないが、耐摩耗性と強度のバランスに一層優れた組成物を得る観点から、3〜50質量%であることが好ましく、5〜35質量%であることがより好ましい。かかる組成物は、例えば、各種履物用の組成物としてとりわけ好適である。また、反発弾性とウェットスキッド性のバランスに一層優れた組成物を得る場合には、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下に調整することが推奨される。かかる組成物は、例えば、タイヤ用組成物としてとりわけ好適である。
ブロック共重合体に組み込まれているビニル芳香族化合物のブロック率は、四酸化オスミウムを触媒としてターシャリブチルパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法により測定される(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体(A)のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)は、後述する極性化合物等の使用により任意に変えることができる。一般にビニル結合量が高くなると耐摩耗性が低下するため、実用的にはビニル結合量は、好ましくは65%以下であり、より好ましくは45%以下である。かかるビニル結合量は後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態において、変性共役ジエン系重合体(A)の製造に用いられる溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、あるいはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒が使用できる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン系重合体の製造に用いられる有機リチウム化合物は、分子中に1個以上のリチウム原子を結合した化合物であり、例えば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機リチウム化合物は、一括添加してもよいし、共役ジエン系重合体の重合反応途中で複数回に分けて分割添加してもよい。
本実施形態において、共役ジエン系重合体の製造時における重合速度の調整、重合した共役ジエン部分のミクロ構造の制御、共役ジエンとビニル芳香族化合物との反応性比の調整等の目的で、極性化合物を使用することができる。
極性化合物としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;N,N,N‘,N’テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の3級アミン化合物;カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、ナトリウム−t−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、共役ジエン系重合体を製造する際の重合温度は、好ましくは−10〜150℃、より好ましくは30〜120℃である。重合に要する時間は、反応条件によって異なるが、通常48時間以内であり、好ましくは0.1〜10時間である。重合系の雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液相に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特に限定されるものでない。更に、重合系内は触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば、水、酸素、炭酸ガス等が混入しないようにすることが好ましい。
本実施形態において、変性共役ジエン系重合体(A)は、共役ジエン系重合体と、アミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物とを反応させることにより得ることができる。ここで、共役ジエン系重合体は、上記したように、1種の共役ジエン化合物を重合して得られるものでもよく、2種以上の共役ジエン化合物を共重合して得られるものでもよく、1種又は2種以上の共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とを共重合して得られるものであってもよい。
本実施形態において使用されるアミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物としては、窒素原子を1個以上及びアルコキシシリル基を2個以上有する化合物が好ましい。
アミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物としては、例えば、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−3−メチルイミダゾリジン、1−[3−(ジエトキシシリル)プロピル]−3−エチルイミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、3−[3−(トリブトキシシリル)プロピル]−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、3−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、1−(2−エトキシエチル)−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イミダゾリジン、(2−{3−[3−(トリメチルシリル)プロピル]テトラヒドロピリミジン−イル}エチル)ジメチルアミン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(トリブトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)プロピル]−3−(トリエチルシリル)イミダゾリジン、2−(トリメトキシシラニル)−1,3−ジメチルイミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)イミダゾリジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)ヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)ヘキサヒドロピリミジン、1−[4−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン等が挙げられる。
また、例えば、2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,3−ジメチルイミダゾリジン、2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,3−(ビストリメチルシリル)イミダゾリジン、2−(ジエトキシジエチルシリル)−1,3−ジエチルイミダゾリジン、2−(トリエトキシシリル)−1,4−ジエチルピペラジン、2−(ジメトキシメチルシリル)−1,4−ジメチルピペラジン、5−(トリエトキシシリル)−1,3−ジプロピルヘキサヒドロピリミジン、5−(ジエトキシエチルシリル)−1,3−ジエチルヘキサヒドロピリミジン、{2−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−2−(エチルジメトキシシリル)−イミダゾリジン−1−イル]−エチル}−ジメチルアミン、5−(トリメトキシシリル)−1,3−ビス−(2−メトキシエチル)−ヘキサヒドロピリミジン、5−(エチルジメトキシシリル)−1,3−ビス−(2−トリメチルシリルエチル)−ヘキサヒドロピリミジンル−1,3−ジメチルイミダゾリジン、2−(3−ジエトキシエチルシリル−プロピル)−1,3−ジエチルイミダゾリジン、2−(3−トリエトキシシリル−プロピル)−1,4−ジエチルピペラジン、2−(3−ジメトキシメチルシリル−プロピル)−1,4−ジメチルピペラジン、5−(3−トリエトキシシリル−プロピル)−1,3−ジプロピルヘキサヒドロピリミジン、5−(3−ジエトキシエチルシリル−プロピル)−1,3−ジエチルヘキサヒドロピリミジン、{2−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−2−(3−エチルジメトキシシリル−プロピル)−イミダゾリジン−1−イル]−エチル}−ジメチルアミン、5−(3−トリメトキシシリル−プロピル)−1,3−ビス−(2−メトキシエチル)−ヘキサヒドロピリミジン、5−(3−エチルジメトキシシリル−プロピル)−1,3−ビス−(2−トリメチルシリルエチル)−ヘキサヒドロピリミジン、2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,3−ビス(トリメチルシリル)イミダゾリジン、2−(ジエトキシエチルシリル)−1,3−ビス(トリエチルシリル)イミダゾリジン、2−(トリエトキシシリル)−1,4−ビス(トリメチルシリル)ピペラジン、2−(ジメトキシメチルシリル)−1,4−ビス(トリメチルシリル)ピペラジン、5−(トリエトキシシリル)−1,3−ビス(トリプロピルシリル)ヘキサヒドロピリミジン等が挙げられる。
また、例えば、[3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル]トリエトキシシラン、[3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル]トリメトキシシラン、[2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル]トリエトキシシラン、[2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル]トリメトキシシラン、[3−(1−ピロリジニル)プロピル]トリエトキシシラン、[3−(1−ピロリジニル)プロピル]トリメトキシシラン、[3−(1−ヘプタメチレンイミノ)プロピル]トリエトキシシラン、[3−(1−ドデカメチレンイミノ)プロピル]トリエトキシシラン、[3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル]ジエトキシメチルシシラン、[3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル]ジエトキシエチルシラン、N−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−[2−(トリメトキシシラニル)−エチル]−N,N’,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
また、例えば、[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、[2−(ジメチルアミノ)エチル]トリエトキシシラン、[2−(ジメチルアミノ)エチル]トリメトキシシラン、[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ジエトキシメチルシラン、[3−ジブチルアミノプロピル]トリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルとリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
また、例えば、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン及びN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシシラン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシシラン、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、例えば、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−メチルジエトキシプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール等が挙げられる。
また、例えば、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリイソプロポキシシラン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
また、例えば、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシシランシクロペンタン、N−エチル−アザ−2,2−ジエトキシ−4−メチルシラシクロペンタン、N−アリル−アザ−2,2−ジメトキシシラシクロペンタン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン等が挙げられる。
これらの中でも、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−3−メチルイミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)イミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)ヘキサヒドロピリミジン、2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,3−ジメチルイミダゾリジン、2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,3−(ビストリメチルシリル)イミダゾリジンが好ましく、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジンがより好ましい。
なお、これらの化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において使用されるアミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物の添加量は、使用されるリチウムに対して、好ましくは0.2〜2.0倍モルである。変性共役ジエン系重合体における化合物の変性率は好ましくは5%以上であり、より好ましくは20%以上であり、更に好ましくは50%以上であり、より更に好ましくは70%以上であり、より一層好ましくは75%以上である。上記変性率を50%以上とすることで、官能基を有する高分子物質と、シリカとの親和力等を一層向上させることができるので好ましい。変性率は後述されるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される。
本実施形態では、例えば、共役ジエン化合物、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物を重合させて重合体を得た後、重合体の末端と前記化合物を反応させる前又は後に、その他の変性剤を反応させてもよい。
その他の変性剤としては、好ましくは、エポキシ基、カルボニル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、酸無水物基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基、エピチオ基、チオカルボニル基、チオカルボン酸エステル基、ジチオカルボン酸エステル基、チオカルボン酸アミド基、イミノ基、エチレンイミノ基、ハロゲン基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、共役ジエン基、アリールビニル基から選択される1種以上の官能基を有する化合物等が挙げられる。
なお、官能基のモル数の計算において、例えば、エポキシ基、カルボニル基、エピチオ基、チオカルボニル基、イミノ基、ハロゲン基、共役ジエン基、アリールビニル基、アルコキシシリル基の1個あたりのアルコキシ基は1官能として、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、酸無水物基、チオカルボン酸エステル基、ジチオカルボン酸エステル基、チオカルボン酸アミド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基は2官能として、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基は3官能として計算されるべきである。本実施形態において好ましい変性剤は、1分子中の上記の官能基の官能数の和が2以上のものである。好ましくは官能数の和が3以上の変性剤である。
かかる変性剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ジグリシジル化ビスフェノールA等の2個以上のフェニル基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル、1,4−ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物、4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、エポキシ変成シリコーン、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等のエポキシ基と他の官能基を有する化合物等が挙げられる。
また、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、アルキルトリフェノキシシラン等のアルコキシシラン化合物、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリブトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール等のイミノ基とアルコキシシリル基を有する化合物等が挙げられる。
また、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3,5−ベンゼントリイソシアネート等のイソシアネート化合物等が挙げられる。
さらに、例えば、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、モノメチルトリクロロケイ素、モノエチルトリクロロケイ素、モノブチルトリクロロケイ素、モノヘキシルトリクロロケイ素、モノメチルトリブロモケイ素、ビストリクロロシリルエタン等のハロゲン化シラン化合物、モノクロロトリメトキシシラン、モノブロモトリメトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、ジブロモジメトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、トリブロモメトキシシラン等のアルコキシハロゲン化シラン化合物等が挙げられる。
さらに、例えば、四塩化錫、四臭化錫、モノメチルトリクロロ錫、モノエチルトリクロロ錫、モノブチルトリクロロ錫、モノフェニルトリクロロ錫、ビストリクロロスタニルエタン等のハロゲン化錫化合物、トリクロルフォスフィン、トリブロモフォスフィン等のポリハロゲン化リン化合物等、さらに、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト等の亜リン酸エステル化合物、トリメチルフォスフェイト、トリエチルフォスフェイト等のリン酸エステル化合物等が挙げられる。
また、例えば、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル等のカルボン酸エステル化合物、無水ピロメリット酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体等の酸無水物基含有化合物、アジピン酸ビスジメチルアミド、ポリメタクリル酸ジメチルアミド等のアミド基含有化合物、4,4’−ジアセチルベンゾフェノン、3−アセチルプロポキシトリメトキシシラン等のカルボニル基含有化合物、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼンオリゴマー等のアリールビニル基含有化合物、トリクロロプロパン、トリブロモプロパン、テトラクロロブタン、3−クロロプロポキシトリメトキシシラン等のハロゲン化炭化水素基含有化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
更に好ましい変性剤としては、シリカとの親和性の大きい官能基を有する変性剤が挙げられ、またカップリングによる分子量の向上効果の大きい4〜6官能のポリエポキシ化合物、あるいは合計で4〜6官能のエポキシ基とアルコキシシリル基の両方を有する化合物が挙げられる。より更に好ましくは、分子中にアミノ基を含むグリシジル化合物、更には1分子中にジグリシジルアミノ基を2個又は3個有する化合物である。例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。これらの変性剤は1種単独又は2種以上を併用することもできる。
本実施形態において変性剤を使用する場合には、共役ジエン化合物、あるいは共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を重合させた後、その活性末端と反応させる分子中にアミノ基含有アルコキシシラン系化合物及び変性剤を反応させる順序は限定されず、変性剤でカップリング反応を行い、次いで残りの活性末端とアミノ基含有アルコキシシラン系化合物を反応させてもよく、アミノ基含有アルコキシシラン系化合物を反応させてから残りの活性末端と変性剤を反応させてもよく、これらを同時に反応させてもよい。特に、変性剤でカップリング反応を行い、次いで残りの活性末端とアミノ基含有アルコキシシラン系化合物を反応させることが好ましい。
共役ジエン系重合体の活性末端のモル数に対して、アミノ基含有アルコキシシラン系化合物及び変性剤の添加量がそれぞれ0.01〜5倍モルの範囲であることが好ましく、0.02〜3倍モルの範囲であることがより好ましく、0.05〜2倍モルの範囲であることが更に好ましい。0.01倍モル以上とすることで、充分な機械強度を有する、バランスに優れた性能である組成物を得ることができ、5倍モル以下とすることにより、未反応物の除去等を効率よく行うことができ、経済性を一層優れたものにできる。なお、本実施形態の製造方法においては、共役ジエン化合物、あるいは共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を重合させた後、その活性末端と反応させる分子中にアミノ基含有アルコキシシラン系化合物及び変性剤をそれぞれ単独に反応させた後、これらの2種以上の変性重合体溶液を適量の範囲でブレンドして共役ジエン系重合体を製造することもできる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体(A)を構成する共役ジエン系重合体は、共役ジエン系重合体の二重結合の全部又は一部が水素添加された水素化変性共役ジエン系重合体であってもよい。このような二重結合の全部又は一部が水素添加された変性共役ジエン系重合体(A)は、耐熱性、耐侯性が高まるため、高温で加工する場合の製品の劣化を防止することができ、また、他の高分子物質との相容性を改善することができる。
水添触媒としては、特に限定されず、従来から公知であるである(1)Ni,Pt,Pd,Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水素触媒、(2)Ni,Co,Fe,Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチ−グラ型水添触媒、(3)Ti,Ru,Rh,Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。具体的な水添触媒としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報に記載された水添触媒を使用することができる。好ましい水添触媒としてはチタノセン化合物及び/又は還元性有機金属化合物との混合物が挙げられる。
チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物が使用でき、具体例としては、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格あるいはフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも一つ以上もつ化合物が挙げられる。
還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物あるいは有機亜鉛化合物等が挙げられる。
水添反応の反応条件は特に限定されず、通常は0〜200℃、好ましくは30〜150℃の温度範囲で実施される。水添反応に使用される水素の圧力は特に限定されず、通常は0.1〜15MPa、好ましくは0.2〜10MPa、より好ましくは0.3〜5MPaが推奨される。水添反応時間は3分間〜10時間、好ましくは10分間〜5時間である。水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、あるいはそれらの組み合わせのいずれでも用いることができる。
水素添加された変性共役ジエン系重合体(A)に関して、共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の全水素添加率は、特に限定されず、所望する物性や目的等に合わせて任意に選択できる。共役ジエン系重合体中の共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上が水添されていてもよいし、一部のみが水添されていてもよい。一部のみを水添する場合、水添率は好ましくは10%以上70%未満であり、より好ましくは15%以上65%未満であり、更に好ましくは20%以上60%未満の範囲である。水素添加された変性共役ジエン系重合体の水添率は核磁気共鳴装置(NMR)により測定される。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体(A)の重量平均分子量は、機械的強度及び加工性とのバランスの観点から、10万〜200万が好ましい、より好ましくは20万〜100万である。変性共役ジエン系重合体(A)の重量平均分子量は、GPCによる測定を行い、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線を使用して測定される。
本実施形態では、共役ジエン系重合体と、アミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物と反応させた後、重合体溶液中に、必要に応じて反応停止剤を添加してもよい。反応停止剤としては、通常、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、水等が使用できる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、下記工程(1)〜(3)をこの順序で行うことにより得ることができる。
工程(1):共役ジエン系重合体と、アミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物と 反応させることにより変性共役ジエン系重合体(A)を得る工程、
工程(2):変性共役ジエン系重合体(A)100質量部に、有機酸由来の化合物(B) 0.002〜0.2質量部を添加することにより変性共役ジエン系重合体組 成物を得る工程、
工程(3):工程(2)で得られた変性共役ジエン系重合体組成物を乾燥する工程。
工程(2)で使用される有機酸由来の化合物(B)は、広い意味で酸性を有する有機化合物由来の化合物で、例えばカルボン酸、リン酸、スルホン酸、フェノール、スルフィン酸等を有する有機化合物由来の化合物が挙げられる。好ましくは、カルボン酸、リン酸等を有する有機化合物由来の化合物であり、特に好ましくは脂肪族カルボン酸由来の化合物(B1)、リン酸エステル由来の化合物(B2)である。
脂肪族カルボン酸由来の化合物(B1)としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、オクタン酸、デカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、アラキジン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リシノレン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリストレイン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の不飽和脂肪族カルボン酸、さらに、これらの脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、及びカリウム塩等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪族カルボン酸由来の化合物(B1)の含有量は、変性共役ジエン系重合体(A)100質量部に対して、0.002〜0.2質量部であり、好ましくは0.01〜0.15質量部であり、より好ましくは0.03〜0.15質量部である。上記含有量が0.002質量部未満では、乾燥工程(上記工程(3))において使用する乾燥機等の金属部分へ重合体の付着が激しく、また乾燥性が劣り好ましくない。一方、上記含有量が0.2質量部を超えると、重合体の分子量分布の経時変化が大きくなり、物性が不安定となり好ましくない。
リン酸エステル由来の化合物(B2)としては、下記一般式〔I〕で表されるリン酸エ
ステル、一般式〔II〕及び〔III〕で表されるリン酸エステルのアルカリ金属塩が好
ましい。
ここでAとBはそれぞれ、−OH基、R3O−(R4−O)m−で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル基、ポリオキシアルキレンアルケニールエーテル基、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル基、及びポリオキシアルキレンアルケニールアリール基から選択される基である。
ここでR1とR3は、水素、アルキル基、アルケニール基、アルキルアリール基、アルケニールアリール基から選択される基である。アルキル基は炭素数1〜20個の直鎖及び分岐鎖の炭化水素鎖であり、メチル基、エチル基、プロピル基、直鎖ならびに分岐鎖のブチル基、オクチル基、ドデシル基、及びトリデシル基等が挙げられる。アルケニール基は炭素数2〜20個の不飽和炭化水素である。アルケニール基を代表する基としてアリル基とオレイール基が挙げられるが、その他のアルケニール基も使用できる。アルキルアリール基は、前述のアルキル基とアリール基を含む基であり、代表する基としてノニルフェノール基、ドデシルフェノール基が挙げられるが、他のアルキルアリール基も使用できる。アルケニールアリール基は、前述のアルケニール基とアリール基を含む基であり、代表する基としてオレイールフェノール基が挙げられるが、他のアルケニールアリール基も使用できる。R1、R3は独立に選択され、同一であっても異なっていてもよい。
2とR4は、ポリオキシアルキレン基のアルキレン基であり、炭素数2〜4個の直鎖又は分岐鎖の炭化水素より選択される基である。このアルキレン基にはエチレン基、プロピレン基及び直鎖ならびに分岐鎖のブチレン基が含まれる。R2、R4は独立に選択され、同一であっても異なっていてもよい。ポリオキシアルキレン基を示す −(R2−O)n−と −(R4−O)m−におけるnとmはオキシアルキレンの付加数を示すものであり、1〜100、好ましくは2〜60の整数である。
上記一般式〔I〕で表されるリン酸エステルとしては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシアルキレンアルケニールエーテルリン酸、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸、及びポリオキシアルキレンアルケニールアリールエーテルリン酸が挙げられる。
5とR7はアルキル基、アルケニール基、アルキルアリール基およびアルケニールアリール基を示し、これらの基は前述のR1及びR3と同一の定義である。R6とR8はオキシアルキレン基のアルキル基を示し、これらの基は前述のR2及びR4と同一の定義である。sとtは前述のn及びmと同一の定義である。Meはアルカリ金属を示し、リチウム、ナトリウム、カリウムはアルカリ金属を代表するものであるが、その他もアルカリ金属も使用できる。
上記一般式[II]及び[III]で表されるリン酸エステルのアルカリ金属塩として
は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシアルキレンアルケニールエーテルリン酸、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸、及びポリオキシアルキレンアルケニールアリールエーテルリン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。
本実施形態において好適なリン酸エステル及びリン酸エステルのアルカリ金属塩は、R5及びR7がドデシル基、トリデシル基、ノニルフェノール基、ドデシルフェノール基から選ばれ、s及びtが2〜60の範囲のものである。また、Meはリチウム、ナトリウム、カリウムから選ばれるものである。
工程(2)において、リン酸エステル由来の化合物(B2)は、変性共役ジエン系重合体(A)溶液に添加してもよいし、スチームストリッピング工程において水に添加してもよい。
本実施形態において、リン酸エステル由来の化合物(B2)をスチームストリッピング工程で添加する場合、リン酸エステル由来の化合物(B2)に加えてLi、Na、Mg、Ca、Al、Zn等の金属の水溶性塩をクラムの分散助剤として用いることもできる。これら水溶性金属塩は、一般に、リン酸エステル由来の化合物(B2)に対して1〜100質量%の範囲で使用される。
リン酸エステル由来の化合物(B2)の含有量は、変性共役ジエン系重合体(A)100質量部に対して、0.002〜0.2質量部であり、好ましくは0.005〜0.15質量部であり、より好ましくは0.01〜0.1質量部である。上記含有量が0.002質量部未満では、上記工程(3)において使用する乾燥機等の金属部分への重合体の付着が激しくなり好ましくない。一方、上記含有量が0.2質量部を超えると、スチームストリッピング時の発泡が激しく、脱溶媒が効率的に行えないため好ましくない。
スチームストリッピングにおいて、水中に分散したクラム状の重合体の濃度は、溶媒除去効率やクラムのサイズの点から、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、更に好ましくは1〜10質量%である。また、スチームストリッピングの温度は、溶媒除去効率や得られるクラムのサイズの点から、85〜120℃が好ましく、88〜115℃がより好ましく、90〜110℃が更に好ましい。
本実施形態では、有機酸由来の化合物(B)に加えて、炭酸ガスを更に添加することが好ましい。炭酸ガスは、有機酸由来の化合物(B)の機能を強化するために必要に応じて用いられ、クラムの着色抑制効果、重合体の分子量分布の経時変化の抑制効果を強化することができる。炭酸ガスは、脂肪族カルボン酸由来の化合物(B1)を添加する場合は、脂肪族カルボン酸由来の化合物(B1)を添加した後に添加することが好ましい。炭酸ガスを後に添加することにより、重合体の分子量分布の経時変化をより一層制御することができ、物性安定性をより一層向上させることができる。
工程(2)において、変性共役ジエン系重合体(A)組成物は、必要に応じて脱溶媒を行い、重合体溶液から重合体組成物を回収することができる。脱溶媒の方法としては、上述の重合体溶液を撹拌下熱湯中に投入しスチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、重合後又は水添後の溶液に、重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒、例えばアセトン又はアルコール等を加えて重合体を沈澱させて回収する方法、フラッシングタンクで濃縮し更にベント押出機等で脱揮する方法、又は直接重合体溶液を加熱して溶媒を留去する方法等が挙げられる。
本実施形態において、変性共役ジエン系重合体(A)には、各種フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定剤等の安定剤を添加することができる。
次に、本実施形態の工程(3)は、工程(2)で得られた変性共役ジエン系重合体組成物を乾燥する工程である。ここで「乾燥する」とは、溶媒を除去して回収した重合体組成物スラリやセメントを乾燥し、ゴムクラムやゴムベールを得る工程であり、回転式スクリーン、振動式スクリーン、遠心脱水機、スクリュー型押出機、ニーダー型押出機、ロール型乾燥機、エキスパンダー乾燥機、熱風乾燥機等による乾燥工程や、ベール成形機によりベールを得る工程をいう。
乾燥後の含水率は、変性基の効果を充分に発現するという観点から、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。
なお、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、有機酸由来の化合物(B)を0.002〜0.2質量部含むことにより、工程(3)において、乾燥機の金属面への重合体の付着が抑えられ、かつ乾燥性に優れる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、本実施形態の効果の範囲内で、必要に応じて、その他の成分を添加してもよい。例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム等とブレンドしてもよい。ブレンド比は、変性共役ジエン系重合体/上述したゴム状重合体として、20/80〜100/0が好ましく、30/70〜90/10がより好ましく、50/50〜80/20が更に好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物に、カーボンブラック、シリカ系無機充填剤等の補強材をブレンドしてもよい。
(カーボンブラック)
変性共役ジエン系重合体組成物には、シリカ系無機充填剤以外の補強性充填剤として、カーボンブラックを添加してもよい。カーボンブラックは、SRF、FEF、HAF、ISAF、SAF等の各クラスのカーボンブラックが使用でき、窒素吸着比表面積が50mg/g以上であり、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が80mL/100g以上のカーボンブラックが好ましい。なお、ここでいう窒素吸着比表面積はJIS K6217に準拠した方法により測定され、DBP吸油量はASTM D2414に準拠した方法により測定される。
(シリカ系無機充填剤)
変性共役ジエン系重合体組成物に含有されているシリカ系無機充填剤としては、SiO2、又はSi3Alを構成単位の主成分とする固体粒子を用いることができる。ここで、「主成分」とは、全重量のうち50質量%以上を含有するものをいい、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上である。具体例としては、例えば、シリカ、クレイ、タルク、マイカ、珪藻土、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、ガラス繊維等の無機繊維状物質等が挙げられる。また、表面を疎水化したシリカ系無機充填剤や、シリカ系無機充填剤とシリカ系以外の無機充填剤との混合物も使用できる。これらの中でも、シリカ及びガラス繊維が好ましく、シリカがより好ましい。
シリカとしては、例えば、乾式シリカ、湿式シリカ、合成ケイ酸塩シリカ等を用いることができ、これらの中でも破壊特性の改良効果並びにウェットスキッド抵抗性の両立効果が最も顕著である湿式シリカが好ましい。変性共役ジエン系重合体組成物において、実用上良好な耐摩耗性や破壊特性を得る観点から、シリカ系無機充填剤のBET吸着法で求められる窒素吸着比表面積は、170〜300mm2/gであることが好ましく、200〜300mm2/gであることがより好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物の補強材として使用されるカーボンブラック、シリカ系無機充填剤の充填量は使用目的によって異なるが、タイヤ用ゴム、履物用ゴム等の用途には、変性共役ジエン系重合体組成物100質量部に対して、1〜150質量部であることが好ましく、10〜120質量部であることがより好ましい。
(シランカップリング剤)
補強材としてシリカ系無機充填剤を用いる場合、その補強効果を高める目的で、シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤は、ゴム成分とシリカ系無機充填剤との相互作用を緊密にする機能を有しており、ゴム成分とシリカ系無機充填剤のそれぞれに対する親和性又は結合性の基を有している。シランカップリング剤としては、例えば、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド、ビス−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]−テトラスルフィド等が挙げられる。
シランカップリング剤の配合量は、上述したシリカ系無機充填剤100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましく、1〜15質量部であることが更に好ましい。シランカップリング剤の配合量を上記範囲とすることで有効な配合効果が得られるとともに経済性に優れる。
変性共役ジエン系重合体組成物と、シリカ系無機充填剤、カーボンブラックやその他の充填剤、及びシランカップリング剤とを混合する方法については特に限定されず、公知の方法を採用してもよく、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解混合後、溶剤を加熱除去する方法等が挙げられる。これらの中でも、生産性、良混練性の観点から、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機による溶融混練法が好ましい。また、変性共役ジエン系重合体組成物と各種配合剤とを一度に混練する方法、複数の回数に分けて混合する方法のいずれも適用可能である。
(加硫剤)
本実施形態における変性共役ジエン系重合体組成物は、加硫剤により加硫処理を施した加硫組成物としてもよい。加硫剤としては、例えば、有機過酸化物及びアゾ化合物等のラジカル発生剤、オキシム化合物、ニトロソ化合物、ポリアミン化合物、硫黄、硫黄化合物等が挙げられる。硫黄化合物には、一塩化硫黄、二塩化硫黄、ジスルフィド化合物、高分子多硫化合物等が含まれる。
加硫剤の使用量は、通常は、変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対して0.01〜20質量部であるものとし、0.1〜15質量部であることが好ましい。
加硫方法としては、従来公知の方法を適用でき、加硫温度は、通常は、120〜200℃であり、好ましくは140〜180℃とすることができる。
(加硫促進剤、加硫助剤)
また、加硫に際しては、必要に応じて加硫促進剤を用いてもよい。加硫促進剤としては、従来公知の材料を用いることができ、例えば、スルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系等の加硫促進剤等が挙げられる。また、加硫助剤としては、亜鉛華、ステアリン酸等が挙げられる。
加硫促進剤の使用量は、通常、変性共役ジエン系重合体を含有するゴム成分100質量部に対し0.01〜20質量部であるものとし、0.1〜15質量部であることが好ましい。
(ゴム用軟化剤)
本実施形態における変性共役ジエン系重合体組成物には、加工性の改良を図るために、ゴム用軟化剤を配合してもよい。ゴム用軟化剤としては、鉱物油、又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤が好適である。ゴムの軟化、増容、加工性の向上を図るために使用されているプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖の混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン系、芳香族炭素数が30%を超えるものが芳香族系と呼ばれている。本実施形態において用いるゴム用軟化剤としては、ナフテン系及び/又はパラフィン系のものが好ましい。
ゴム用軟化剤の配合量は、変性共役ジエン系重合体組成物を含有するゴム成分100質量部に対して0〜100質量部であることが好ましく、10〜90質量部であることがより好ましく、30〜90質量部であることが更に好ましい。ゴム用軟化剤の配合量を前記ゴム成分100質量部に対して100質量部以下とするとブリードアウトを効果的に抑制することができ、組成物表面にベタツキを防止できるので好ましい。
(変性共役ジエン系重合体組成物以外のゴム成分)
本実施形態における変性共役ジエン系重合体組成物においては、上述した変性共役ジエン系重合体組成物以外のゴム状重合体を変性共役ジエン系重合体組成物と組み合わせて使用することもできる。
このようなゴム状重合体としては、例えば、共役ジエン系重合体又はその水添物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物のランダム共重合体又はその水添物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物のブロック共重合体又はその水添物、非ジエン系重合体、天然ゴム等が挙げられる。
具体的には、ブタジエンゴム又はその水素添加物、イソプレンゴム又はその水素添加物、スチレン−ブタジエンゴム又はその水素添加物、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体又はその水素添加物等のスチレン系エラストマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はその水素添加物等が挙げられる。
また、非ジエン系重合体としては、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチレン−ヘキセンゴム、エチレン−オクテンゴム等のオレフィン系エラストマー、ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、α、β−不飽和ニトリル−アクリル酸エステル−共役ジエン共重合ゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム等が挙げられる。
上述した各種ゴム状重合体は、官能基を有する変性ゴムであってもよい。これらのゴム状重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態における変性共役ジエン系重合体組成物に、上述したゴム状重合体を組み合わせて使用する場合、これらの質量比率は、変性共役ジエン系重合体/上述したゴム状重合体として、20/80〜100/0が好ましく、30/70〜90/10がより好ましく、50/50〜80/20が更に好ましい。
本実施形態における変性共役ジエン系重合体組成物には、本実施形態の目的を損なわない範囲内で、上述した以外の軟化剤や充填剤、さらに、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、滑剤等の各種添加剤等を配合してもよい。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
目的とする製品の硬さや流動性を調節するために、必要に応じて配合する軟化剤としては、例えば、流動パラフィン、ヒマシ油、アマニ油等が挙げられる。
耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、滑剤としては、公知の材料を適用できる。
このように、本実施形態における変性共役ジエン系重合体組成物は、シリカ、カーボンブラック等の補強性充填剤を均一に分散させることが可能であり、機械強度、反発弾性、耐摩耗性等の物性や加工性に優れるので、自動車タイヤ、履物、防振ゴム等の各種部材の材料として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例により何ら制限を受けるものではない。なお、試料の分析は以下に示す方法によって行った。
(1)結合スチレン量
試料をクロロホルム溶液とし、スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により結合スチレン量(質量%)を測定した。(UV測定器:JASCO製、V−550)
(2)ブロックスチレン量
試料をクロロホルム溶液とし、これにターシャリーブチルヒドロペルオキシドとオスミウムテトラオキシドを添加した後、攪拌しながら80℃湯浴中で20分間分解した。この分解溶液に10倍容量のメタノールを添加した後、沈殿物を濾別してクロロホルムに溶解させた。得られた溶液はUV測定器を用いて吸光度を測定して、下記式からブロックスチレン量を求めた。
ブロックスチレン量(質量%)=(F)×(吸光度)×100/試料質量(g)
(ただし、(F)は標準サンプルを測定して求めた係数)
(3)ブタジエン部分のミクロ構造(ビニル結合量)
試料を二硫化炭素溶液とし、溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600〜1000cm-1の範囲で測定し、所定の波数における吸光度によりハンプトン(スチレン−ブタジエン共重合体)及びモレロ(ポリブタジエン)の方法の計算式に従いブタジエン部分のミクロ構造を求めた。フーリエ変換赤外分光分析装置は、パーキンエルマー社製のSpectrum100を用いた。
(4)ムーニー粘度
JIS K 6300に従ってLローター100℃で1分間予熱を行った後、4分間室温にて静置した後の粘度を測定した。
(5)変性率
シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに変性した成分が吸着する特性を応用し、試料及び重量平均分子量5000の標準ポリスチレン(ポリスチレンはカラムに吸着しない)を含む試料溶液を用いて、前記ポリスチレン系ゲルカラムのGPCと、シリカ系カラム(ガードカラム:DIOL 4.6×12.5mm 5micron、カラム:Zorbax PSM−1000S、PSM−300S、PSM−60S、オーブン温度40℃、THF流量0.5mL/分)のGPC(東ソー製CCP8020シリーズ ビルドアップ型GPCシステム:AS−8020、SD−8022、CCPS、CO−8020、RI−8021)の両クロマトグラムを、RI検出器を用いて測定し、それらの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定し変性率を求めた。
試料は、20mLのTHFに対して10mgを標準ポリスチレン5mgとともに溶解し、200μL注入して測定した。
具体的な手順としては、ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、サンプルピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2とし、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、サンプルピーク面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、変性率(%)を[1−(P2×P3)/(P1×P4)]×100の計算式により算出した。
(6)GPCメインピーク高さ
ポリスチレン系ゲル(昭和電工製、Shodex)のGPC(東ソー製、HLC−8220)を使用して試料のクロマトグラムを測定し、メインピーク(最も低分子量側のピーク)のピーク高さの減少率を算出した。ポリマー調製直後(クラミング前)のピーク高さを100%とした。
(7)リン含有量の測定
ICP発光分析装置(ICPS−8100、島津製作所社製)を使用して、変性共役ジエン系重合体組成物のリン含有量を求めた。
(8)ロール乾燥後水分及びロール剥離性
櫻井製作所製、合成ゴム用6インチロールを使用して、スチームストリッピング後の含水クラムを120℃で所定時間乾燥後、水分量測定及び剥離性判定を実施した。水分量測定は、ハロゲン水分計にて試料を110℃で20分間加熱し、その減量により求めた。ロール剥離性判定は、ロールを使用して120℃で10分間乾燥後、剥離時のロール面からの剥離性を○〜×で判定した。
○:簡単に剥がれた。
△:ヘラで剥がせば、簡単にきれいに剥がれた。
×:ヘラで剥がせば何とか剥がれた。
(9)SUS板剥離強度
変性共役ジエン系重合体組成物1.5gをステンレス板(SUS板)に挟み、プレス機を用いて、変性共役ジエン系重合体組成物の層の厚みが1.5mmになる条件で、60℃で5分間予熱を行い、25秒間加圧(圧力50kg)して試料を得た。その後、引張試験機を用いて、60℃下で引張速度100mm/分の条件で、試料についてせん断剥離試験を実施した。
(10)ゴム組成物の引張強度
JIS K6251の引張試験法に従って測定した。
(11)ゴム組成物の耐摩耗性
JIS K6246−2のDIN摩耗試験法に従って摩耗量を測定した。
(12)ゴム組成物の粘弾性パラメータ
レオメトリックス・サイエンティフィック社製の粘弾性試験機(ARES)を使用し、ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。0℃において周波数10Hz、ひずみ1%で測定したtanδをウェットグリップ性能の指標とした。また、50℃において周波数10Hz、ひずみ3%で測定したtanδを省燃費性の指標とした。
<変性共役ジエン系重合体(ア)の製造>
内容積10リットルの撹拌機及びジャケットを付けた温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用した。不純物を除去したブタジエン424g、スチレン360g、シクロヘキサン5600g、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.16gを反応器へ入れ、反応器の内温を50℃に保持した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム11.25mmolを反応器に供給した。反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度が79℃に達した後、ブタジエン16gを30秒で供給した。重合反応終了後、反応器に3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシランを7.5mmolを添加し、5分間攪拌して変性反応を実施し、変性共役ジエン系重合体(ア)を得た。変性共役ジエン系重合体(ア)を分析した結果、結合スチレン量は45質量%、ブロックスチレン量は15質量%、ビニル結合量は28%であり、重合体のムーニー粘度は58であった。シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は77%であった。
<変性共役ジエン系重合体(イ)の製造>
変性共役ジエン系重合体(ア)と同様の方法で重合を行い、重合反応後、反応器にテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.281mmolを添加し、30秒間攪拌した後、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシランを6.375mmolを添加して5分間攪拌して変性反応を実施し、変性共役ジエン系重合体(イ)を得た。変性共役ジエン系重合体(イ)を分析した結果、結合スチレン量は45質量%、ブロックスチレン量は14質量%、ビニル結合量は27%であり、重合体のムーニー粘度は59であった。シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は77%であった。
<変性共役ジエン系重合体(ウ)の製造>
内容積10リットルの撹拌機及びジャケットを付けた温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、不純物を除去したブタジエン592g、スチレン208g、シクロヘキサン5600g、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.8gを反応器へ入れ、反応器の内温を50℃に保持した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム8.75mmolを反応器に供給した。反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度が79℃に達した。重合反応終了後、反応器に3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン4.375mmolを添加し、5分間攪拌して変性反応を実施し、変性共役ジエン系重合体(ウ)を得た。変性共役ジエン系重合体(ウ)を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、ビニル結合量は55%であり、重合体のムーニー粘度は61であった。シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は80%であった。
<変性共役ジエン系重合体(エ)の製造>
変性共役ジエン系重合体(ウ)と同様の方法で重合を行い、重合反応後、反応器にテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.219mmolを添加し、30秒間攪拌した後、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシランを4.375mmolを添加して5分間攪拌して変性反応を実施し、変性共役ジエン系重合体(エ)を得た。変性共役ジエン系重合体(エ)を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、ビニル結合量は55%であり、重合体のムーニー粘度は62であった。シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は80%であった。
<変性共役ジエン系重合体(オ)の製造>
内容積10リットルの撹拌機及びジャケットを付けた温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、不純物を除去したブタジエン800g、シクロヘキサン5600gを反応器へ入れ、反応器内温を50℃に保持した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム10.25mmolを反応器に供給した。重合反応後、反応器にテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを1.025mmolを添加し、30秒間攪拌した後、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシランを5.125mmolを添加して5分間攪拌して変性反応を実施し、変性共役ジエン系重合体(オ)を得た。変性共役ジエン系重合体(オ)を分析した結果、ビニル結合量は17%であり、重合体のムーニー粘度は56であった。シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は84%であった。
[実施例1〜12、比較例1〜7]
変性共役ジエン系重合体(ア)〜(オ)に水1.0gを加えた後、表1及び表2に示す量の脂肪族カルボン酸A(花王株式会社製ルナックTH(オレイン酸40質量%、パルミチン酸27質量%、ステアリン酸24質量%、ミリスチン酸4質量%、その他脂肪族カルボン酸5%からなる脂肪族カルボン酸))又はB(花王株式会社製ルナックS90(ステアリン酸93質量%、パルミチン酸6質量%、その他脂肪族カルボン酸1質量%からなる脂肪族カルボン酸))と、炭酸ガスとを添加し攪拌した。その後、安定剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート(チバ・ジャパン株式会社製、製品名イルガノックス1076)を実施例1〜11及び比較例1〜6では3.0g、実施例12及び比較例7では4.8g、及び2,4−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(チバ・ジャパン株式会社製、製品名イルガノックス1520L)を実施例1〜11及び比較例1〜6では1.2g、実施例12及び比較例7では1.6g添加し、95℃で30分間スチームストリッピングにより溶媒を除去して変性共役ジエン系重合体組成物A〜Sを得た。スチームストリッピングするにあたり、スチームストリッピング槽内の水に、表1及び表2に記載のリン酸エステル化合物A〜C(リン酸エステル化合物A:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸と水酸化カルシウムの混合物(東邦化学社製SAX−8)、リン酸エステル化合物B:ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体Na塩(日本油脂製ポリスターOM)、リン酸エステル化合物C:硫酸マグネシウム)を添加し、スチームを吹きこむことにより水温95℃とし、表1及び表2に記載のリン酸エステル化合物を添加して30分間スチームストリッピングを行った。
得られた変性共役ジエン系重合体組成物のGPCメインピーク高さ(%)、ロール乾燥後水分、ロール剥離性、及びSUS板剥離強度を表1及び表2に示す。
表1及び表2に示すように、実施例1〜12の変性共役ジエン系重合体組成物は、GPCメインピーク高さの経時変化が小さく、かつ乾燥性、剥離性に優れるのに対し、比較例1、3、4、5はGPCの経時変化が大きく、比較例2、6、7は乾燥性と剥離性に劣る結果となった。特に、比較例2は、SUS板と引張試験機のチャックの間で剥離した(チャックスリップ)。また比較例3及び4はクラムが薄黄色に着色した。
[実施例13、比較例8]
変性共役ジエン系重合体組成物E及びIを用いて、表3に示す配合比でゴム組成物を作製し、引張強度と耐摩耗性を測定した。測定結果を表4に示す。引張強度、耐摩耗性とも変性共役ジエン系重合体Iの組成物の性能を100とした指数で表しており、数値が大きいほど好ましい。
[実施例14、比較例11]
変性共役ジエン系重合体組成O及びRを用いて、表5に示す配合比でゴム組成物を作製し、粘弾性パラメータを測定した。測定結果を表6に示す。0℃でのtanδ値、50℃でのtanδ値とも変性共役ジエン系重合体Tの組成物の性能を100とした指数で表しており、数値が大きいほど好ましい。
本発明に係る共役ジエン系重合体組成物は、その特性を活用し、自動車タイヤ用途、履物用途、防振ゴム用途等の分野に利用できる。

Claims (6)

  1. アミノ基とアルコキシシリル基を有する化合物に基づく変性基が結合した変性共役ジエン系重合体(A)100質量部に対し、有機酸由来の化合物(B)を0.002〜0.2質量部含む変性共役ジエン系重合体組成物。
  2. 有機酸由来の化合物(B)が、脂肪族カルボン酸由来の化合物(B1)、及び/又はリン酸エステル由来の化合物(B2)である請求項1記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
  3. 変性共役ジエン系重合体(A)が、窒素原子を1個以上及びアルコキシシリル基を2個以上有する化合物に基づく変性基が結合した変性共役ジエン系重合体である請求項1又は2に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
  4. 下記工程(1)〜(3)をこの順序で行う、変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法;
    工程(1):共役ジエン系重合体と、アミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物と 反応させることにより変性共役ジエン系重合体(A)を得る工程、
    工程(2):変性共役ジエン系重合体(A)100質量部に、有機酸由来の化合物(B) 0.002〜0.2質量部を添加することにより変性共役ジエン系重合体組 成物を得る工程、
    工程(3):工程(2)で得られた変性共役ジエン系重合体組成物を乾燥する工程。
  5. 前記工程(2)において、前記有機酸由来の化合物(B)が、脂肪族カルボン酸由来の化合物(B1)、及び/又はリン酸エステル由来の化合物(B2)である請求項4に記載の変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法。
  6. 前記工程(2)において、炭酸ガスを更に添加する請求項4又は5に記載の変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法。
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