JP2012201754A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、半田リフローや熱衝撃によってクラックの生じない透明な硬化物を与える硬化性組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 (A)(a)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素化合物との付加反応生成物であり、かつ、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する付加反応生成物、
(B)前記(a)成分と前記(b)成分との付加反応生成物であり、かつ、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する付加反応生成物、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有するシロキサン、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に3個以上有するシロキサン、及びこれらの混合物のうちのいずれか、及び
(D)ヒドロシリル化反応触媒を含むものであることを特徴とする硬化性組成物を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は硬化性組成物に関し、特に光学材料用部材、電子材料用絶縁材またはコーティング用として有用な硬化性組成物に関する。
近年、光エネルギーの大きな青色発光ダイオード(青色LED)や白色発光ダイオード(白色LED)は様々な用途への利用が進んでいる。こうした状況下、様々な形状のLEDが必要とされており、かつ、耐久性の向上、すなわちLED封止技術の向上が望まれている。
現在、耐久性に優れたLED用封止材としてシリコーン樹脂が用いられているが、耐光性や耐熱性に優れる反面、ガスバリア性が低いことやクラックが発生するなどの欠点を有している。
先に、本発明者は、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素骨格含有化合物とケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個以上有するシリコーン系化合物とを主成分として含む硬化性組成物を提案している(特許文献1)。また、ケイ素−水素結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素骨格含有化合物と付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個以上有するシロキサン系化合物とを主成分として含む硬化性組成物を提案している(特許文献2)。
特開2005−133073号公報 特開2008−274185号公報
上記硬化性組成物は多環式炭化水素化合物とシリコーン材料からなるものであり、シリコーン樹脂封止材料と比較してガスバリア性や耐クラック性に優れるものである。しかしながら、小さなLEDパッケージに使用することは可能であったが、大型のLEDパッケージに使用した場合は、半田リフローや熱衝撃によってクラックが発生する場合があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、硬化により発生する内部応力を低減し、半田リフローや熱衝撃によってクラックの生じない透明な硬化物を与える硬化性組成物を提供することを目的とする。本発明の硬化性組成物は、レンズ材料、光学材料用封止材、ディスプレイ材料等の各種の光学用材料、LED用封止材、光学材料用部材、電子材料用絶縁材、コーティング用に有用で、特に、大型の表面実装型LEDに使用した場合においても、半田リフローや熱衝撃によってクラックが発生せず、種々の大きさの発光ダイオード素子の封止や保護の用途に好適に使用することができる。
上記課題を解決するため、本発明では、
(A)(a)下記一般式(1):
Figure 2012201754
[式中、Rは独立に非置換の又はハロゲン原子、シアノ基もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。]
で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素化合物との付加反応生成物であり、かつ、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する付加反応生成物、
(B)前記(a)成分と前記(b)成分との付加反応生成物であり、かつ、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する付加反応生成物、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有するシロキサン、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に3個以上有するシロキサン、及びこれらの混合物のうちのいずれか、及び
(D)ヒドロシリル化反応触媒を含むものであることを特徴とする硬化性組成物を提供する。
このような(A)成分及び(B)成分は、硬化により発生する内部応力を低減することができ、(C)成分は三次元網状の硬化物を与えることに寄与できるため、これらを含む硬化性組成物は半田リフローや熱衝撃によってクラックの生じない透明な硬化物を与える硬化性組成物となる。
前記(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素は、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、及びこれらの組み合わせのうちのいずれかであり、前記(A)成分は下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2012201754
[式中、nは0及び正の整数である。Rは上記一般式(1)と同様な置換基を表す。]
このような(A)成分であれば、硬化により発生する内部応力を一層低減することができる硬化性組成物となる。
前記(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素は、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、及びこれらの組み合わせのうちのいずれかであり、前記(B)成分は下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2012201754
[式中、mは正の整数である。Rは上記一般式(1)と同様な置換基を表す。]
このような(B)成分であれば、硬化により発生する内部応力を一層低減することができる硬化性組成物となる。
また、前記硬化性組成物は光学デバイス又は光学部品用の材料として好適に用いられる。
前記硬化性組成物は、硬化により発生する内部応力を低減することができるため、半田リフローや熱衝撃によってクラックの生じない透明な硬化物を与え、光学デバイス又は光学部品用の材料として好適であり、特に大型の光学デバイス又は光学部品用の材料として好適に有用である。
以上説明したように、本発明によれば、硬化により発生する内部応力を低減し、半田リフローや熱衝撃によってクラックの生じない透明な硬化物を与える硬化性組成物を提供することができる。また、本発明の硬化性組成物は、レンズ材料、光学材料用封止材、ディスプレイ材料等の各種の光学用材料、LED用封止材、光学材料用部材、電子材料用絶縁材、コーティング用に有用で、特に、大型の表面実装型LEDに使用した場合においても、半田リフローや熱衝撃によってクラックが発生せず、種々の大きさの発光ダイオード素子の封止や保護の用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の硬化性組成物について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前述のように、大型のLEDパッケージに使用した場合は、半田リフローや熱衝撃によってクラックが発生する問題があり、これを解決できる硬化性組成物が必要とされていた。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、二官能性の材料である下記(A)、(B)成分を組成物の主成分とすることで硬化により発生する内部応力を低減することができる硬化性組成物となることを見出し、種々の大きさの発光ダイオード素子の封止や保護の用途に好適に使用でき半田リフローや熱衝撃によってクラックの生じない透明な硬化物を与えることを見出して、本発明を完成させた。以下、詳細に説明する。
すなわち、本発明は、
(A)(a)下記一般式(1):
Figure 2012201754
[式中、Rは独立に非置換の又はハロゲン原子、シアノ基もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。]
で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素化合物との付加反応生成物であり、かつ、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する付加反応生成物、
(B)前記(a)成分と前記(b)成分との付加反応生成物であり、かつ、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する付加反応生成物、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有するシロキサン、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に3個以上有するシロキサン、及びこれらの混合物のうちのいずれか、及び
(D)ヒドロシリル化反応触媒を含むものであることを特徴とする硬化性組成物を提供する。
[(A)成分]
本発明にかかる(A)成分は、(a)下記一般式(1):
Figure 2012201754
[式中、Rは独立に非置換の又はハロゲン原子、シアノ基もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。]
で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素化合物との付加反応生成物であり、かつ、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する付加反応生成物である。なお、(A)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
((a)成分)
前記(a)成分は、上記一般式(1)で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物である。上記一般式(1)中のRは、独立に非置換の又はハロゲン原子、シアノ基もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。尚、上記一般式(1)中、−SiRHで示される基は互いにオルト位、メタ位、パラ位をとることができる。
上記式中、Rが上記1価炭化水素基である場合としては、例えば、メチル基、エチル、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、sec−ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、o−,m−,p−トリル等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基等のアルケニル基;p−ビニルフェニル基等のアルケニルアリール基;およびこれらの基中の炭素原子に結合した1個以上の水素原子が、ハロゲン原子、シアノ基、エポキシ環含有基等で置換された、例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;2−シアノエチル基;3−グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
また、Rが上記アルコキシ基である場合としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
上記の中でも、上記Rとしては、アルケニル基およびアルケニルアリール基以外のものが好ましく、特に、その全てがメチル基であるものが好ましい。この一般式(1)で表される化合物としては、例えば、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,2−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン等のシルフェニレン化合物が挙げられる。なお、(a)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
((b)成分)
前記(b)成分は、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素化合物である。ここで、「付加反応性」とは、ケイ素原子に結合した水素原子(以下、「SiH」ということがある)と周知のヒドロシリル化反応により付加反応し得る性質を意味する。この(b)成分としては、例えば、下記構造式(x):
Figure 2012201754
で表される5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
下記構造式(y):
Figure 2012201754
で表される6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、及びこれらの組み合わせのうちいずれも好ましい(以下、これら2者を区別する必要がない場合は、「ビニルノルボルネン」と総称することがある。)。なお、前記ビニルノルボルネンのビニル基の配置は、シス配置(エキソ形)またはトランス配置(エンド形)のいずれであってもよく、また、前記配置の相違によって、該(b)成分の反応性等に特段の差異がないことから、前記両配置の異性体の組み合わせであっても差し支えない。また、(b)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
<(A)成分の調製>
本発明の硬化性組成物の(A)成分は、SiHを1分子中に2個有する上記(a)成分1モルに対して、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する上記(b)成分を1モルを越え10モル以下、好ましくは1モルを越え5モル以下の過剰量を、ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応させることにより得ることができる。このように、(A)成分の付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する付加反応生成物は、その調製に際し、上記(a)成分に対して過剰量の上記(b)成分を反応させることから、上記(b)成分の構造に由来する付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有するものとなる。
前記ヒドロシリル化反応触媒としては、従来から公知のものを全て使用することができる。例えば、白金金属を担持したカーボン粉末、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒;パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族金属系触媒が挙げられる。また、付加反応条件、溶媒の使用等については、特に限定されず通常のとおりとすればよい。
例えば、この付加反応は、溶媒の非存在下で行ってもよいし、トルエンなどの溶媒の存在下で行ってもよい。反応温度は、通常、50〜150℃、好ましくは80〜120℃である。反応時間は10〜30時間程度でよい。ヒドロシリル化反応触媒の添加量は、上記付加反応を促進できる有効量であればよく、通常、白金族金属量に換算して原料化合物の合計に対して1ppm(質量基準。以下、同様)〜1質量%の範囲であり、好ましくは10〜500ppmの範囲である。該添加量がこの範囲内にあると、付加反応が十分に促進されやすく、また、該添加量の増加に応じて付加反応の速度が向上しやすいので、経済的にも有利となりやすい。
(A)成分の好適な具体例を式(2)に示すが、これに限定されるものではない。尚、下記式(2)は上記一般式(1)で示される(a)成分の1モルに対して、(b)成分として上記構造式(x)、(y)及びこれらの組み合わせを過剰量反応させることで得ることができる。
Figure 2012201754
[式中、nは0及び正の整数である。Rは上記一般式(1)と同様な置換基を表す。]
[(B)成分]
本発明にかかる(B)成分は、前記(a)成分と前記(b)成分との付加反応生成物であり、かつ、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する付加反応生成物である。(B)成分を構成する(a)成分と(b)成分としては前述のものと同様のものが挙げられる。なお、(B)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
<(B)成分の調製>
本発明の硬化性組成物の(B)成分は、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する上記(b)成分1モルに対して、SiHを1分子中に2個有する上記(a)成分を1モルを越え10モル以下、好ましくは1モルを越え5モル以下の過剰量を、ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応させることにより得ることができる。このように、(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する付加反応生成物は、その調製に際し、上記(b)成分に対して過剰量の上記(a)成分を反応させることから、上記(a)成分の構造に由来するSiHを1分子中に2個有するものとなる。
前記ヒドロシリル化反応触媒としては、(A)成分の調整に使用したものと同様な化合物を使用することが可能であり、また、付加反応条件、溶媒の使用等については、特に限定されず通常のとおりとすればよく、上記の付加反応条件を用いることもできる。
上記の該成分の好適な具体例を式(3)に示すが、これに限定されるものではない。この化合物は、多環式炭化水素基およびフェニレン基を含有しているため、この化合物を含む硬化性組成物から得られる硬化物は、特に、高硬度であり、透明性、耐クラック性、耐熱性に優れる。
Figure 2012201754
[mは正の整数である。Rは上記一般式(1)と同様な置換基を表す。]
[(C)成分]
本発明の硬化性組成物の(C)成分は、(C−1)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有するシロキサン、(C−2)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に3個以上有するシロキサン、及びこれらの混合物のうちのいずれかである。
(C)成分の3個以上の反応性基(SiH及び/又はアルケニル基)は、(A)成分の付加反応性炭素−炭素二重結合、及び/又は(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応により付加反応して、3次元網状構造の硬化物を与えるものである。
(C−1)のケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有するシロキサンとしては、下記一般式(4)で表される鎖状シロキサン化合物や下記一般式(5)で示される環状シロキサンが挙げられる。
R’SiO−(R’SiO)−SiR’ (4)
(R’SiO) (5)
[R’は、独立に水素原子、非置換の又はハロゲン原子、シアノ基もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、またはフェニル基であり、少なくとも1分子中に3個は水素原子である。pは0〜100の数を示す。qは3〜30の数を示す。]
上記一般式(4)、(5)中のR’は、独立に水素原子、非置換の又はハロゲン原子、シアノ基もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、またはフェニル基である。R’が上記1価炭化水素基である場合としては、例えば、メチル基、エチル、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、sec−ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、o−,m−,p−トリル等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基;p−ビニルフェニル基等のアルケニルアリール基;およびこれらの基中の炭素原子に結合した1個以上の水素原子が、ハロゲン原子、シアノ基、グリシドキシ基等で置換された、例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;2−シアノエチル基;3−グリシドキシプロピル基等が挙げられる。上記の中でも、前記R’としては、特に、その全てがメチル基であるものが、工業的に製造することが容易であり、入手しやすいことから好ましい。
上記(C−1)成分の好適な具体例を以下に示すが、これに限定されるものではない。尚、以下でMeとはメチル基を示し、Phとはフェニル基を示す。
MeSiO−(MeHSiO)(PhSiO)−SiMe
MeSiO−(MeHSiO)(PhSiO)−SiMe
HMeSiO−(MeHSiO)(PhSiO)−SiMe
HMeSiO−(MeHSiO)(PhSiO)−SiMe
(HMeSiO)
(HMeSiO)
(HMeSiO)(MeSiO)
(HMeSiO)(MeSiO)
また、本発明の(C−1)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
次に、(C−2)のケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に3個以上有するシロキサンとしては、下記一般式(6)で表される鎖状シロキサン化合物や下記一般式(7)で示される環状シロキサンが挙げられる。
R”SiO−(R”SiO)−SiR” (6)
(R”SiO) (7)
[R”は、独立にアルケニル基、非置換の又はハロゲン原子、シアノ基もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、またはフェニル基であり、少なくとも1分子中に3個はアルケニル基である。pは0〜100の数を示す。qは3〜30の数を示す。]
上記R”は、独立にアルケニル基、非置換の又はハロゲン原子、シアノ基もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、またはフェニル基である。R”が上記1価炭化水素基である場合としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基等が挙げられる。これらの中でも、上記環状シロキサン系化合物および上記直鎖状シロキサン系化合物を工業的に入手することが容易であることから、上記R”は、アルケニル基である場合にはビニル基であることが好ましく、また、アルケニル基以外の一価炭化水素基である場合にはメチル基であることが好ましい。
上記(C−2)成分の好適な具体例を、以下に示すが、これに限定されるものではない。尚、以下でMeとはメチル基を示し、Viとはビニル基を示し、Phとはフェニル基を示す。
MeSiO−(ViMeSiO)(MeSiO)−SiMe
MeSiO−(PhSiO)(ViMeSiO)(MeSiO)−SiMe
ViMeSiO−(ViMeSiO)(MeSiO)−SiMeVi
(ViMeSiO)
(ViMeSiO)
(ViMeSiO)(MeSiO)
(ViMeSiO)(MeSiO)
また、本発明の(C−2)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
さらに、本発明の(C)成分は(C−1)成分と(C−2)成分との混合物を用いることも可能である。
[(D)成分]
本発明の(D)成分であるヒドロシリル化反応触媒は、従来から公知のものを使用することができる。例えば、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族金属系触媒が挙げられる。本発明の硬化性組成物への(D)成分の配合量は、触媒としての有効量であればよく、特に制限されないが、上記(A)成分、(B)成分および(C)成分との合計質量に対して、白金族金属原子として、通常、1〜500ppm、特に2〜100ppm程度となる量を配合することが好ましい。前記範囲内の配合量とすることで、硬化反応に要する時間が適度のものとなり、硬化物が着色する等の問題を生じることがないため好ましい。なお、(D)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
[(A),(B)および(C)成分の配合量]
また、上記(A)、(B)および(C)成分の配合量は、これら各成分中の付加反応性炭素−炭素二重結合の合計1モル当り、組成物中に含まれるSiHの合計の量が、通常、0.5〜3.0モル、好ましくは0.8〜1.5モルとなる量とするのがよい。前記範囲内の配合量とすることで、封止材料等の用途に充分な硬度を有する硬化物を得ることができる。
なお、後記のその他の成分として、上記(A)、(B)および(C)成分以外の、SiHを有するケイ素系化合物、付加反応性炭素−炭素二重結合を有するケイ素系化合物またはこれらの組み合わせを配合する場合においては、組成物中に含まれる付加反応性炭素−炭素二重結合の合計1モル当り、組成物中に含まれるSiHの合計の量が、上記と同じく、通常、0.5〜3.0モル、好ましくは0.8〜1.5モルの範囲となるようにするのがよい。
[その他の成分]
<接着性付与材>
本発明には、接着性付与材として、アルコキシシリル基とケイ素原子に結合した水素原子とを有する化合物、エポキシ基で置換された有機基とケイ素原子に結合した水素原子とを有する化合物、またはこれらの組み合わせを使用することが可能である。接着性付与材は組成物中の付加反応性炭素−炭素二重結合とヒドロシリル化反応により付加して硬化物を与えるとともに、基板材料との接着性を付与するため好ましい。
このような接着性付与材の具体例としては、1−(2−トリメトキシシリルエチル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−(3−グリシドキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−(2−トリメトキシシリルエチル)−3−(3−グリシドキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
<酸化防止剤>
本発明の硬化性組成物の硬化物中には、上記(A)成分中の付加反応性炭素−炭素二重結合が未反応のまま残存している場合があるため、必要に応じて、酸化防止剤を配合することにより前記着色を未然に防止することができる。
この酸化防止剤としては、従来から公知のものが全て使用することができ、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
なお、この酸化防止剤を使用する場合、その配合量は、酸化防止剤としての有効量であればよく、特に制限されないが、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分との合計質量に対して、通常、10〜10,000ppm、特に100〜1,000ppm程度配合することが好ましい。前記範囲内の配合量とすることによって、酸化防止能力が十分発揮され、着色、白濁、酸化劣化等の発生がなく光学的特性に優れた硬化物が得られる。
<光安定化剤>
更に、光エネルギーによる光劣化に抵抗性を付与するため光安定剤を用いることも可能である。この光安定剤としては、光酸化劣化で生成するラジカルを補足するヒンダードアミン系安定剤が適しており、酸化防止剤と併用することで、酸化防止効果はより向上するため好ましい。光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
<粘度・硬度調整剤>
本発明の硬化性組成物の粘度もしくは本発明の硬化性組成物から得られる硬化物の硬度等を調整するために、ケイ素原子に結合したアルケニル基またはSiHを有する直鎖状オルガノポリシロキサン、網状オルガノポリシロキサンもしくはシルフェニレン系化合物、あるいは非反応性の(即ち、ケイ素原子に結合したアルケニル基およびSiHを有しない)直鎖状もしくは環状オルガノポリシロキサン、シルフェニレン系化合物等を配合してもよい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
<その他>
また、ポットライフを確保するために、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等の付加反応制御剤を配合することができる。更に、透明性に影響を与えない範囲で、強度を向上させるためにヒュームドシリカ等の無機質充填剤を配合してもよいし、必要に応じて、染料、顔料、難燃剤等を配合してもよい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
また、本発明の硬化性組成物を封止材料として用いる場合には、基材との接着性を向上させるためにシランカップリング剤を配合してもよいし、クラック防止のため可塑剤を添加してもよい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
[硬化性組成物の硬化方法]
なお、本発明の硬化性組成物の硬化条件については、その量により異なり、特に制限されないが、通常、60〜180℃で1〜7時間の条件とすることが好ましい。
[硬化性組成物の用途]
前記硬化性組成物は、硬化により発生する内部応力を低減することができるため、半田リフローや熱衝撃によってクラックの生じない透明な硬化物を与え、光学デバイス又は光学部品用の材料として好適であり、特に大型の光学デバイス又は光学部品用の材料として好適に有用である。
以下、本発明の硬化性組成物の実施例および比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、下記でMeとはメチル基を示し、Viとはビニル基を示し、Phとはフェニル基を示す。
[合成例1](A)成分の調製
攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた5Lの4つ口フラスコに、ビニルノルボルネン(商品名:V0062、東京化成社製;5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンと6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンとの混合物)1785g(14.88モル)、および、トルエン455gを加え、オイルバスを用いて85℃に加熱した。これに、5質量%の白金金属を担持したカーボン粉末3.6gを添加し、攪拌しながら1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン1698g(8.75モル)を180分間かけて滴下した。滴下終了後、更に110℃で加熱攪拌を24時間行った後、室温まで冷却した。その後、白金金属担持カーボンをろ過して除去し、トルエンおよび未反応のビニルノルボルネンを減圧留去して、無色透明なオイル状の付加反応生成物(25℃における粘度:12820mPa・s)として本発明の(A)成分を3362g得た。
反応生成物を、FT−IR、NMR、GPC等により分析した結果、この付加反応生成物は、下記式で表される化合物であり、n=1:41%、n=2:32%、n=4:27%からなる混合物であることが判明した。また、前記混合物全体としての付加反応性炭素−炭素二重結合の含有割合は、0.36モル/100gであった。
Figure 2012201754
[合成例2](B)成分の調製
攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン194g(1モル)および溶媒としてトルエン100gを加え、オイルバスを用いて85℃に加熱した。これに、5質量%の白金金属を担持したカーボン粉末0.1g添加し、攪拌しながらビニルノルボルネン(商品名:V0062、東京化成社製;5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンと6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンとの混合物)60g(0.5モル)を60分間かけて滴下した。滴下終了後、更に120℃で加熱攪拌を24時間行った後、室温まで冷却した。その後、白金金属担持カーボンをろ過して除去し、トルエン及び未反応の原料を減圧留去して、無色透明なオイル状の付加反応生成物(25℃における粘度:300Pa・s)として本発明(B)成分を206g得た。
反応生成物を、FT−IR、NMR、GPC等により分析した結果、この付加反応生成物は、下記式の構造であり、m=1:38%、m=2:20%、m=3:16%、m=4〜10:26%からなる混合物であることが判明した。また、前記混合物全体としてのケイ素−水素結合の含有割合は、2.00モル/100gであった。
Figure 2012201754
[実施例1]
(A) 合成例1で得られた付加反応生成物:52質量部、
(B) 合成例2で得られた付加反応生成物:30質量部、
(C) (MeHSiO):10質量部、
(その他) 1−(2−トリメトキシシリルエチル)−3−(3−グリシドキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン:8質量部
(なお、上記(A)〜(その他)の組成物中のSiH/炭素−炭素二重結合のモル比は1.37である。)
(D) 白金−ビニルシロキサン錯体:白金金属原子として、上記(A)〜(その他)の組成物合計質量に対して20ppmとなる量、並びに
1−エチニルシクロヘキサノール:0.03質量部を均一に混合して本発明の硬化性組成物を得た。
[実施例2]
(A) 合成例1で得られた付加反応生成物:12質量部、
(B) 合成例2で得られた付加反応生成物:70質量部、
(C) (ViMeSiO):10質量部、
(その他) 1−(2−トリメトキシシリルエチル)−3−(3−グリシドキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン:8質量部
(なお、上記(A)〜(その他)の組成物中のSiH/炭素−炭素二重結合のモル比は1.08である。)
(D) 白金−ビニルシロキサン錯体:白金金属原子として、上記(A)〜(その他)の組成物合計質量に対して20ppmとなる量、並びに
1−エチニルシクロヘキサノール:0.03質量部を均一に混合して本発明の硬化性組成物を得た。
[実施例3]
(A) 合成例1で得られた付加反応生成物:42質量部、
(B) 合成例2で得られた付加反応生成物:40質量部、
(C) HMeSiO(MeHSiO)(PhSiO)SiMeH:10質量部、
(その他) 1−(2−トリメトキシシリルエチル)−3−(3−グリシドキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン:8質量部
(なお、上記(A)〜(その他)の組成物中のSiH/炭素−炭素二重結合のモル比は1.14である。)
(D) 白金−ビニルシロキサン錯体:白金金属原子として、上記(A)〜(その他)の組成物合計質量に対して20ppmとなる量、並びに
1−エチニルシクロヘキサノール:0.03質量部を均一に混合して本発明の硬化性組成物を得た。
[実施例4]
(A) 合成例1で得られた付加反応生成物:22質量部、
(B) 合成例2で得られた付加反応生成物:60質量部、
(C) MeSiO−(PhSiO)(ViMeSiO)(MeSiO)−SiMe:10質量部、
(その他) 1−(2−トリメトキシシリルエチル)−3−(3−グリシドキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン:8質量部
(なお、上記(A)〜(その他)の組成物中のSiH/炭素−炭素二重結合のモル比は1.45である。)
(D) 白金−ビニルシロキサン錯体:白金金属原子として、上記(A)〜(その他)の組成物合計質量に対して20ppmとなる量、並びに
1−エチニルシクロヘキサノール:0.03質量部を均一に混合して本発明の硬化性組成物を得た。
[比較例1]
(A) 合成例1で得られた付加反応生成物:59質量部、
(C) HMeSiO(MeHSiO)(PhSiO)SiMeH:33質量部、
(その他) 1−(2−トリメトキシシリルエチル)−3−(3−グリシドキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン:8質量部
(なお、上記(A)〜(その他)の組成物中のSiH/炭素−炭素二重結合のモル比は1.09である。)
(D) 白金−ビニルシロキサン錯体:白金金属原子として、上記(A)〜(その他)の組成物合計質量に対して20ppmとなる量、並びに
1−エチニルシクロヘキサノール:0.03質量部を均一に混合して、(B)成分を欠く硬化性組成物を得た。
[比較例2]
(B) 合成例2で得られた付加反応生成物:50質量部、
(C) MeSiO−(PhSiO)(ViMeSiO)(MeSiO)−SiMe:42質量部、
(その他) 1−(2−トリメトキシシリルエチル)−3−(3−グリシドキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン:8質量部
(なお、上記(B)〜(その他)の組成物中のSiH/炭素−炭素二重結合のモル比は1.31である。)
(D) 白金−ビニルシロキサン錯体:白金金属原子として、上記(B)〜(その他)の組成物合計質量に対して20ppmとなる量、並びに
1−エチニルシクロヘキサノール:0.03質量部を均一に混合して、(A)成分を欠く硬化性組成物を得た。
<評価方法>
各実施例および比較例で得られた組成物について硬化物を作製し、性能評価を実施した。硬化物は100℃で1時間、さらに、150℃で5時間の硬化条件で、加熱硬化を行なって作製した。下記(1)から(4)の試験結果を表1にまとめて示す。
(1)外観
2枚のガラス板間に2mm厚のスペーサーを装着し、15mm×40mm×2mmの空間に実施例および比較例で得られた組成物を収め、上記の加熱硬化を行い、外観を目視で評価した。
(2)硬度
(1)外観で作製した硬化物を用いて、硬度(Shore D)を測定した。
(3)リフロー試験
小型のLEDパッケージ(3020パッケージ:縦3.0mm×横2.0mm)と大型のLEDパッケージ(5050パッケージ:縦5.0mm×横5.0mm)に実施例と比較例で得られた組成物を充填し、上記の加熱硬化を行った。樹脂封止されたLEDパッケージについて、CIF社製リフロー炉FT101型を用いて、260℃(10秒)のリフロー試験を行った。試験後のサンプルを顕微鏡で観察し、封止樹脂のクラックの有無を観察した。クラックのないものを良好とした。
(4)熱衝撃試験
(3)リフロー試験と同様に、実施例と比較例で得られた組成物を用いて樹脂封止した小型パッケージと大型パッケージを用いて熱衝撃試験を行った。熱衝撃試験はエスペック製TSE−11−A型熱衝撃試験機を用い、−40℃(30分間)と100℃(30分間)のヒートサイクルを300サイクル実施した。試験後のサンプルを顕微鏡で観察し、封止樹脂のクラックの有無を観察した。クラックのないものを良好とした。
Figure 2012201754
[評価]
このように、本発明の(A)成分又は(B)成分を含有しない比較例1及び2の組成物は、小さなLEDパッケージにおいてはリフロー試験及び熱衝撃試験での耐久性を満足するが、大型LEDパッケージにおいてはクラックが発生した。一方で、本発明の実施例の硬化物は、いずれも透明性に優れ高硬度であるにもかかわらず、小型LEDパッケージおよび大型LEDパッケージの耐久試験においてクラックが無く、良好な結果であった。
以上説明したように、本発明によれば、硬化により発生する内部応力を低減し、半田リフローや熱衝撃によってクラックの生じない透明な硬化物を与える硬化性組成物を提供することができることが示された。また、本発明の硬化性組成物は、レンズ材料、光学材料用封止材、ディスプレイ材料等の各種の光学用材料、LED用封止材、光学材料用部材、電子材料用絶縁材、コーティング用に有用で、特に、大型の表面実装型LEDに使用した場合においても、半田リフローや熱衝撃によってクラックが発生せず、種々の大きさの発光ダイオード素子の封止や保護の用途に好適に使用することができることが示された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (4)

  1. (A)(a)下記一般式(1):
    Figure 2012201754
    [式中、Rは独立に非置換の又はハロゲン原子、シアノ基もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。]
    で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素化合物との付加反応生成物であり、かつ、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する付加反応生成物、
    (B)前記(a)成分と前記(b)成分との付加反応生成物であり、かつ、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する付加反応生成物、
    (C)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有するシロキサン、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に3個以上有するシロキサン、及びこれらの混合物のうちのいずれか、及び
    (D)ヒドロシリル化反応触媒を含むものであることを特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素は、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、及びこれらの組み合わせのうちのいずれかであり、前記(A)成分は下記式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
    Figure 2012201754
    [式中、nは0及び正の整数である。Rは上記一般式(1)と同様な置換基を表す。]
  3. 前記(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素は、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、及びこれらの組み合わせのうちのいずれかであり、前記(B)成分は下記式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硬化性組成物。
    Figure 2012201754
    [式中、mは正の整数である。Rは上記一般式(1)と同様な置換基を表す。]
  4. 光学デバイス又は光学部品用の材料として用いられる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
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