JP2021176968A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱着色ムラが低減された硬化物を与えることのできる硬化性組成物を提供する。【解決手段】下記式(1)で表される化合物(A):、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する化合物(B)、及び、前記ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する化合物(B)のケイ素原子に結合する1以上の水素原子を特定の置換基に代えた化合物(C)を含み、前記化合物(B)の割合が、組成物の総重量に対して5wt%未満である、硬化性組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、熱着色ムラを生じない硬化性組成物に関する。
シリコーン変性に基づく材料設計技術を用いた、硬化性材料が知られている。例えば、
特許文献1には、特に短波長領域での光透過性に優れた硬化物を与えることができる硬化
性組成物を提供することを目的として、多環式炭化水素骨格を有する化合物であるビニル
ノルボルネンを原料に用いた反応生成物を含む硬化性組成物が開示されている。
特開2005−133073号公報
しかし、多環式炭化水素骨格を導入した反応生成物を含む硬化性組成物をシロキサン化
合物と反応させた硬化物は、長時間の耐熱後に着色ムラを生じる場合がある問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、熱着色ムラが低減された硬化物を与
えることのできる硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、所定のシリコーン樹脂を
用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
下記式(1)で表される化合物(A):
Figure 2021176968
(式(1)中、R1は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6アルコキシ基であり、
Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
1は、各々独立して、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の
多環式炭化水素基であり、
2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
pは0以上の整数である。
Figure 2021176968
(式(2)中、R2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、nは0〜100の
整数である。))、
ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する化合物(B)、及び、
前記ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する化合物(B)のケイ素
原子に結合する1以上の水素原子に代えて、下記式(5)で表される置換基を有する化合
物(C)
を含む硬化性組成物。
Figure 2021176968
(式(5)中、R1は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6アルコキシ基であり、
Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
1は、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の多環式炭化水素
基であり、
2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
pは0以上の整数である。
Figure 2021176968
(式(2)中、R2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、nは0〜100の
整数である。))
[2]
前記化合物(B)のケイ素原子に結合する1以上の水素原子に代えて、下記式(6)で
表される置換基を有する化合物(D)からなる群より選ばれる少なくとも1つをさらに含
む、[1]記載の硬化性組成物。
Figure 2021176968
(式(6)中、R1は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6アルコキシ基であり、
Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
pは0以上の整数である。
Figure 2021176968
(式(2)中、R2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、nは0〜100の
整数である。))
[3]
前記化合物(A)、(C)及び(D)が、前記式(1)、(5)及び(6)中のR1
メチルであり、且つ、前記式(2)で表される基中のR2がメチルである化合物を含む、
[1]又は[2]に記載の硬化性組成物。
[4]
前記式(1)、(5)及び(6)中のB1が、ノルボルネン骨格若しくはノルボルナン
骨格を有する多環式炭化水素基、及び/又は、B2が、ノルボルナン骨格を有する多環式
炭化水素基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[5]
前記化合物(B)が、環状シロキサンである、[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化
性組成物。
[6]
ヒドロシリル化反応触媒(E)と、
密着性改良剤(F)と、
耐熱安定剤(G)と、
保存安定剤(H)と、
をさらに含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[7]
前記化合物(B)の割合が、組成物の総重量に対して5wt%未満である、[1]〜[
6]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[8]
前記化合物(C)の構成を、
Q(x、y、z)
(xは化合物(B)の個数を表し、yは化合物Aの個数を表し、zはpの数の合計を表す

で表した場合、
MALDI−TOF/MSにて、Q(1、2、0)の化合物(C)とQ(1、2、1)
の化合物(C)とのピーク強度比、Q(1、2、0)/Q(1、2、1)が1以上100
以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[9]
前記化合物(C)の構成を、
Q(x、y、z)
(xは化合物(B)の個数を表し、yは化合物(A)の個数を表し、zはpの数の合計を
表す)で表した場合、
MALDI−TOF/MSにて、Q(1、2、0)の化合物(C)とQ(1、2、2)
の化合物(C)とのピーク強度比、Q(1、2、0)/Q(1、2、2)が10以上であ
る、[1]〜[8]のいずれかに記載の硬化性組成物。
本発明の硬化性組成物は、硬化物としたとき、熱着色ムラが低減をできる効果を有する
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が
可能である。
〔硬化性組成物〕
本実施形態の硬化性組成物は、下記式(1)で表される化合物(A):
Figure 2021176968
(式(1)中、R1は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6アルコキシ基であり、
Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
1は、各々独立して、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の
多環式炭化水素基であり、
2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
pは0以上の整数である。
Figure 2021176968
(式(2)中、R2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、nは0〜100の
整数である。))、
ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する化合物(B)、及び、
前記ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する化合物(B)のケイ素
原子に結合する1以上の水素原子に代えて、下記式(5)で表される置換基を有する化合
物(C)
を含む硬化性組成物。
Figure 2021176968
(式(5)中、R1は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6アルコキシ基であり、
Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
1は、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の多環式炭化水素
基であり、
2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
pは0以上の整数である。
Figure 2021176968
(式(2)中、R2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、nは0〜100の
整数である。))
〔化合物(A)〕
化合物(A)は、上記式(1)で表される化合物であり、下記式(3)で表される構成
単位と、B2で表される構成単位とを有する直鎖構造を有し、その両末端がB1で封鎖され
ている。化合物(A)は、上記式(1)で表される化合物の1種又は2種以上を含む。
Figure 2021176968
式(1)中のR1は、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素基であり、非置
換若しくは置換の炭素数1〜6の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1〜12の炭
化水素基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基
、sec−ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロ
アルキル基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基等のアリール基;
ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、1−ブテニ
ル基、1−ヘキセニル基等のアルケニル基;p−ビニルフェニル基等のアルケニルアリー
ル基が挙げられる。
非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素基における置換としては、特に限定さ
れないが、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、エポキシ環含有基等の置換基による置換が
挙げられる。
置換の炭素数1〜12の炭化水素基としては、特に限定されないが、具体的には、クロ
ロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン
化アルキル基;2−シアノエチル基;3−グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
また、式(1)中のR1は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり
、非置換若しくは置換の炭素数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。炭素数1〜
6のアルコキシ基としては、特に限定されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ
基等が挙げられる。非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基における置換とし
ては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、エポキシ環含有基等の置
換基による置換が挙げられる。
上記R1の中でも、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基が好ま
しい。また、工業的に製造することが容易で、入手容易性の観点から、式(1)中のR1
が、全てがメチル基であることが好ましい。
式(1)中のAは、各々独立して、上記式(2)で表される基、又は、フェニレン基で
ある。
式(2)におけるR2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化
水素基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、その具体例と
しては、上記R1と同様のものが挙げられる。R2はR1と同様の基であっても異なる基で
あってもよい。
一般式(2)におけるnは、0〜100の整数であり、0〜50の整数であることが好
ましく、0〜10の整数であることがより好ましく、0〜5の整数であることがさらに好
ましい。また、式(1)におけるAがフェニレン基である場合、隣接するケイ素原子への
2つの置換位置は、1位と2位、1位と3位、1位と4位のいずれであってもよい。
化合物(A)は、式(1)中のR1がメチルであり、且つ、式(2)で表される基中の
2がメチルである化合物を含むことが好ましい。すなわち、前記式(3)で表される構
成単位が式(4)で表される構成単位であることが好ましい。式(4)で表される構成単
位を有することにより、得られる硬化物の引張弾性率、引張伸度、及び破断エネルギーが
より向上する傾向にある。
Figure 2021176968
1は、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の多環式炭化水素
基であれば特に限定されないが、例えば、下記式(NB11)〜(NB16)で表される
ノルボルネン骨格又はノルボルナン骨格を有する多環式炭化水素基、及び、下記式(DC
P11)〜(DCP17)で表されるジシクロペンタジエン由来骨格を有する多環式炭化
水素基が挙げられる。式(1)中のB1は、ノルボルネン骨格又はノルボルナン骨格を有
する多環式炭化水素基であることが好ましい。
上記の多環式炭化水素基を有することにより、得られる硬化物の引張弾性率、引張伸度
、及び破断エネルギーがより向上する傾向にある。なお、以下のノルボルネン骨格又はノ
ルボルナン骨格を有する多環式炭化水素基をまとめて、「NB1基」と略記し、ジシクロ
ペンタジエン由来骨格を有する多環式炭化水素基をまとめて、「DCP1基」と略記する
ことがある。
Figure 2021176968
2は、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であれば特に限定されないが、例えば
、下記式(NB21)〜(NB24)で表されるノルボルナン骨格を有する多環式炭化水
素基、及び、下記式(DCP21)〜(DCP26)で表されるジシクロペンタジエン由
来骨格を有する多環式炭化水素基が挙げられる。式(1)中のB2は、ノルボルナン骨格
を有する多環式炭化水素基であることが好ましい。
上記の多環式炭化水素基を有することにより、得られる硬化物の引張弾性率、引張伸度
、及び破断エネルギーがより向上する傾向にある。なお、以下のノルボルナン骨格を有す
る多環式炭化水素基をまとめて、「NB2基」と略記し、ジシクロペンタジエン由来骨格
を有する多環式炭化水素基をまとめて、「DCP2基」と略記することがある。なお、B
2は、炭素−炭素二重結合を有していてもよい。
Figure 2021176968
なお、上記式で表されるNB2基、DCP2基は、その左右方向が上記記載のとおりに
限定されるものではなく、上記構造式は、実質上、個々の上記構造を紙面上で180度回
転させた構造であってもよい。
式(1)で表される化合物における、1分子あたりの炭素−炭素二重結合の数は、2個
以上であり、2〜6個であることが好ましく、2個であることがより好ましい。炭素−炭
素二重結合の数が2個以上であることにより、得られる硬化物の引張弾性率、引張伸度、
及び破断エネルギーがより向上する。また、炭素−炭素二重結合の数が6個以下であるこ
とにより、得られる硬化物が割れやすくなることをより抑制できる傾向にある。式(1)
で表される化合物が有する炭素−炭素二重結合は、B1に由来するものであり、炭素−炭
素二重結合を、式(3)で表される構成単位と、B2で表される構成単位とを有する直鎖
構造の末端に、又は、側鎖として有していてもよい。
前記式(1)で表される化合物(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにお
ける、前記式(1)中p≧1である化合物(以下、化合物(A2)とも称す)の面積は、
前記式(1)中p=0である化合物(以下、化合物(A1)とも称す)及び前記式(1)
中p≧1である化合物の面積の総面積に対して、0%以上50%未満であることが好まし
い。上記化合物(A2)及び化合物(A1)の面積比率は、それぞれ、化合物(A)中の
化合物(A2)及び化合物(A1)の含有量に相当する。
上記化合物(A2)の面積は、より好ましくは0%以上40%以下であり、さらに好ま
しくは0%以上35%以下であり、よりさらに好ましくは1%以上35%以下である。
化合物(A2)の面積が50%未満であることにより、得られる硬化物の引張弾性率、
引張伸度、及び破断エネルギーがより向上する。また、化合物(A2)の面積が1%以上
であることにより、ガスバリア性がより向上する。また、化合物(A2)の面積が5%以
上20%以下であることにより、破断エネルギーがさらに向上する傾向にある。
なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで得られる化合物(A1)及び化合物
(A2)の総面積に対する化合物(A2)の面積比率(含有量)は、実施例に記載の方法
により測定することができる。
化合物(A2)における式(1)中のpは、1以上であり、1〜100であることが好
ましく、1〜10の整数であることがより好ましい。化合物(A2)における式(1)中
のpが上記範囲内であることにより、耐リフロー性、ガスバリア性、破断エネルギーがよ
り向上する傾向にある。
式(1)中のpの値は、後述する化合物(A)の製造方法において、水素原子が結合し
たケイ素原子を1分子中に2個有する化合物(a)1molに対して、反応する、炭素−
炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素化合物(b)の量を増大させること
により、減少させることができる。すなわち、化合物(b)の量を増大させることにより
、化合物(A1)の含有量がより増加し、化合物(A2)の含有量がより減少する傾向に
ある。
上述した化合物(A1)としては、特に限定されないが、例えば、以下に記載するもの
が挙げられる。なお、「NB」及び「DCP」の意味するところは、上記のとおりである
。化合物(A1)は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
NB−Me2SiOSiMe2−NB
NB−Me2SiO(Me2SiO)SiMe2−NB
NB−Me2SiO(Me2SiO)4SiMe2−NB
NB−Me2SiO(Me2SiO)8SiMe2−NB
NB−Me2SiO(Me2SiO)12SiMe2−NB
NB−Me2Si−p−C64−SiMe2−NB
NB−Me2Si−m−C64−SiMe2−NB
DCP−Me2SiOSiMe2−DCP
DCP−Me2SiO(Me2SiO)SiMe2−DCP
DCP−Me2SiO(Me2SiO)4SiMe2−DCP
DCP−Me2SiO(Me2SiO)8SiMe2−DCP
DCP−Me2SiO(Me2SiO)12SiMe2−DCP
DCP−Me2Si−p−C64−SiMe2−DCP
DCP−Me2Si−m−C64−SiMe2−DCP
上述した化合物(A2)としては、特に限定されないが、例えば、以下に記載するもの
が挙げられる。なお、「NB」及び「DCP」の意味するところは、上記のとおりである
。また、下記式中、pは1以上の整数である。化合物(A2)は、1種単独でも2種以上
を組み合わせても使用することができる。
Figure 2021176968
〔化合物(A)の製造方法〕
化合物(A)は、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物(a)
と、炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素化合物(b)と、を付加
反応させることにより得ることができる。
(化合物(a))
化合物(a)としては、特に限定されないが、例えば、下記式(7)で表される化合物
が挙げられる。
Figure 2021176968
(式(7)中、R1は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6アルコキシ基であり、
Aは、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基である。
Figure 2021176968
(式(2)中、R2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、nは0〜100の
整数である。))
前記式(7)におけるAが、上記式(2)で表される基である化合物は、下記式(8)
で表される。
Figure 2021176968
(式(8)中、R1及びR2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭
化水素基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、nは0〜1
00の整数である。)
式(7)、(2)、及び(8)における炭化水素基の炭素数は、1〜12であり、1〜
6であることが好ましい。上記炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、メチ
ル基、エチル、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、イソペンチル基、ヘキシル基、sec−ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基
、p−トリル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基;
ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基等のアルケニル基;p−ビニル
フェニル基等のアルケニルアリール基が挙げられる。
式(7)、(2)、及び(8)中の、「非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水
素基」における置換としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、
エポキシ環含有基等の置換基による置換が挙げられる。
置換の炭素数1〜12の炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、クロロメ
チル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化ア
ルキル基;2−シアノエチル基;3−グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
また、式(7)、(2)、及び(8)におけるアルコキシ基の炭素原子数は、1〜6で
あり、1〜4であることが好ましい。炭素数1〜6のアルコキシ基としては、特に限定さ
れないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキ
シ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。非置換若しくは置換
の炭素数1〜6のアルコキシ基における置換基としては、特に限定されないが、例えば、
ハロゲン原子、シアノ基、エポキシ環含有基等が挙げられる。
式(7)、(2)、及び(8)における上記R1及びR2の中でも、アルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アラルキル基が好ましい。また、工業的に製造することが容易
で、入手容易性の観点から、R1及びR2が全てメチル基である化合物が好ましい。
また、式(2)及び(8)におけるnは、0〜100の整数であり、0〜50の整数で
あることが好ましく、0〜10の整数であることがより好ましく、0〜5の整数であるこ
とがさらに好ましい。
式(8)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、下記式で表される
化合物が挙げられる。なお、以下、「Me」はメチル基を意味する。なお、式(8)で表
される化合物(a)は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
HMe2SiOSiMe2
HMe2SiO(Me2SiO)SiMe2
HMe2SiO(Me2SiO)4SiMe2
HMe2SiO(Me2SiO)8SiMe2
HMe2SiO(Me2SiO)12SiMe2
前記式(7)におけるAがフェニレン基である化合物は、例えば、下記式(9)で表さ
れる。−Si(R12H基は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれであってもよい。
Figure 2021176968
(式(9)中、R1は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6アルコキシ基である。)
上記式(9)中のR1としては、式(7)、(2)、及び(8)におけるR1と同様の基
を挙げることができる。式(8)中のR1は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラルキル基が好ましく、全てがメチル基であることがより好ましい。
上記式(9)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、下記式で表さ
れるシルフェニレン化合物が挙げられる。なお、この式(9)で表される化合物は、1種
単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
HMe2Si−p−C64−SiMe2H:1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン
HMe2Si−m−C64−SiMe2H:1,3−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン
化合物(a)は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。化合
物(a)としては、本実施形態の硬化性組成物の硬化物の耐光黄変性の観点から、1,1
,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。
(化合物(b))
化合物(b)は、炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素化合物で
ある。炭素−炭素二重結合は付加反応性を有することが好ましい。なお、本実施形態にお
いて「付加反応性」とは、ヒドロシランの付加(ヒドロシリル化反応として周知)を受け
得る性質を意味する。
化合物(b)としては、特に限定されないが、例えば、(i)多環式炭化水素の多環骨
格を形成している炭素原子のうち、隣接する2つの炭素原子間に炭素−炭素二重結合が形
成されているもの;(ii)多環式炭化水素の多環骨格を形成している炭素原子に結合し
た水素原子が、炭素−炭素二重結合含有基によって置換されているもの;又は、(iii
)多環式炭化水素の多環骨格を形成している炭素原子のうち、隣接する2つの炭素原子間
に炭素−炭素二重結合が形成されており、かつ、多環式炭化水素の多環骨格を形成してい
る炭素原子に結合した水素原子が炭素−炭素二重結合含有基によって置換されているもの
が挙げられる。
化合物(b)としては、例えば、下記式(x)で表される5−ビニルビシクロ[2.2
.1]ヘプト−2−エン;下記式(y)で表される6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、これら両者の組み合わせ(以下、これら3者を区別する必要がない場合
は、「ビニルノルボルネン」と総称することがある);下記式(z)で表されるジシクロ
ペンタジエン等が挙げられる。
なお、ビニルノルボルネンのビニル基の立体配置は、シス配置(エキソ型)又はトラン
ス配置(エンド型)のいずれであってもよく、現在工業的入手できるビニルノルボルネン
は、これら両配置の異性体の混合物であるため、これら量は異性体の組み合わせであって
も差し支えない。
Figure 2021176968
(付加反応条件)
化合物(a)と化合物(b)の付加反応の条件は、SiH基が、炭素−炭素二重結合に
ヒドロシリル化反応をする条件であれば特に制限されない。以下、本実施形態において好
適な反応条件について記載するが、反応条件は以下に限定されない。
化合物(b)の使用量は、化合物(a)1molに対して、好ましくは10mol超過
30mol以下であり、より好ましくは15mol以上25mol以下である。化合物(
b)の使用量を化合物(a)の使用量に対して過剰とすることにより、(b)成分の構造
に由来する炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する化合物(A)を得ることができる
。得られる化合物(A)は、上記(a)成分に由来する残基を有する。その残基が、上記
(b)成分の構造に由来し、炭素−炭素二重結合を有しない多環式炭化水素の残基に結合
している構造を含むものであってもよい。
化合物(a)と化合物(b)の付加反応においては、必要に応じてヒドロシリル化反応
触媒を用いてもよい。ヒドロシリル化反応触媒としては、従来から公知のものを全て使用
することができる。例えば、白金金属を担持したカーボン粉末、白金黒、塩化第2白金、
塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、塩化白金酸とオレフィン類と
の錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒;パラジウム系触媒、ロジウム系触媒
等の白金族金属系触媒が挙げられる。また、その他の付加反応条件、溶媒の使用等につい
ては、特に限定されず通常のとおりとすればよい。
化合物(A)は、上記のヒドロシリル化反応触媒が含まれた状態で使用することができ
る。
[化合物(A)に含まれるビニル基割合及び内部二重結合について]
化合物(A)の合成に化合物(b)としてビニルノルボルネンを用いた場合、下記構造
式:
Figure 2021176968
で表されるビニル基、及び、下記構造式:
Figure 2021176968
で表される内部二重結合の2種類の結合ができる。
前記式(1)におけるp=0である化合物の割合が同じでも、ビニル基と内部二重結合
との比率(ビニル基:内部二重結合)が1:1に近づくと、リフロー後のガスバリア性が
向上する傾向にある。
〔化合物(B)〕
本実施形態の硬化性組成物は、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有
する化合物(B)(単に、化合物(B)とも称す)を含む。化合物(B)が有するSiH
と、化合物(A)が有する炭素−炭素二重結合とがヒドロシリル化反応することにより、
化合物(A)に対して化合物(B)が付加することができる。この際、SiHを3個以上
有する化合物(B)は3分岐以上の架橋点として機能する。これにより、3次元網状構造
の硬化物を与えることができる。
前記化合物(B)としては、特に限定されないが、例えば、下記式(10)で表される
環状シロキサン系化合物(以下、「環状シロキサン」とも称す)が好適に挙げられる。
Figure 2021176968
(式(10)中、R3は、独立して、水素原子、又は、アルケニル基以外の非置換若しく
は置換の炭素数1〜12、好ましくは1〜6の炭化水素基であり、qは3〜10、好まし
くは3〜8の整数、rは0〜7、好ましくは0〜2の整数であり、かつq及びrの和は3
〜10、好ましくは3〜6の整数である)
上記式(10)中のR3がアルケニル基以外の非置換若しくは置換の炭化水素基である
場合、例えば、かかる炭化水素基としては、メチル基、エチル、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、se
c−ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキ
ル基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基等のアリール基;ベンジ
ル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基;ビニルフェニル基等のアルケニルアリー
ル基;及びこれらの基中の炭素原子に結合した1個以上の水素原子が、ハロゲン原子、シ
アノ基、エポキシ環含有基等で置換された、例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピ
ル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハゲン化アルキル基;2−シアノエチル
基;3−グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
上記の中でも、前記R3としては、全てメチル基である式(10)で表される環状シロ
キサン系化合物が、工業的に製造することが容易であり、入手しやすいことから好ましい
化合物(B)としては、例えば、テトラキスジメチルシロキシシラン、Gelest社
のHMS−013、HMS−031、HMS−064、HMS−071、HMS−082
、HMS−151、HMS−301、HMS−H271,HMS−991,HMS−99
3,HES−992,HDP−111,HMP−502,HAM−302,HAM−30
12,HQM105,HQM107等のハイドロシロキサン等が挙げられる。
樹脂の破断エネルギー向上、耐リフロー性、及びガスバリア性の観点から、上記化合物
(B)の好適な具体例を、以下に示すが、これに限定されるものではない。
(HMeSiO)3
(HMeSiO)4
(HMeSiO)5
(HMeSiO)3(Me2SiO)
(HMeSiO)4(Me2SiO)
〔化合物(C)〕
本実施形態の硬化性組成物は、前記ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以
上有する化合物(B)のケイ素原子に結合する1以上の水素原子に代えて下記式(5)で
表される置換基を有する化合物(C)(単に、化合物(C)とも称す)を含む。
Figure 2021176968
(式(5)中、R1は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素原子数1〜6のアルコキシ基であり、
Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
1は、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の多環式炭化水素
基であり、
2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
pは0以上の整数である。
Figure 2021176968
(式(2)中、R2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、nは0〜100の
整数である。))
化合物(C)は、環状シロキサンのケイ素原子に結合する1以上の水素原子に代えてノ
ルボルネン骨格又はノルボルナン骨格を有する多環式炭化水素基を有する化合物;及び、
環状シロキサンのケイ素原子に結合する1以上の水素原子に代えて化合物(A)に由来す
るノルボルネン骨格又はノルボルナン骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なく
とも1つを含むことが好ましい。このような化合物(C)を用いることにより、得られる
硬化物の耐リフロー性、熱着色ムラを低減することができる。環状シロキサンとしては、
特に限定されないが、例えば、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等
が好適に挙げられる。
〔化合物(D)〕
本実施形態の硬化性組成物は、前記化合物(B)のケイ素原子に結合する1以上の水素
原子に代えて下記式(6)で表される置換基を有する化合物(D)(単に、化合物(D)
とも称す)を含むことが好ましい。すなわち、化合物(D)は、式(6)で表される置換
基の両端に、前記化合物(B)が結合する構造である。
Figure 2021176968
(式(6)中、R1は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、
Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
pは0以上の整数である。
Figure 2021176968
(式中、R2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素基、又
は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、nは0〜100の整数で
ある。))
化合物(D)は、前記化合物(B)のケイ素原子に結合する1以上の水素原子に代えて
ノルボルネン骨格又はノルボルナン骨格を有する多環式炭化水素基で置換された化合物、
具体的には、環状シロキサンのケイ素原子に結合する1以上の水素原子に代えて式(I)
で表される化合物中のB1に相当するノルボルネン骨格又はノルボルナン骨格に結合した
化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
このような化合物(D)を用いることにより、得られる硬化物の耐リフロー性、熱着色
ムラを低減することができる。上記環状シロキサンとしては、特に限定されないが、例え
ば、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等が好適に挙げられる。
化合物(C)及び(D)は、前記化合物(B)のSiH基に化合物(A)を反応させる
ことにより得られる。
本実施形態の硬化性組成物が化合物(C)及び(D)を含む形態をとることにより、か
かる硬化し得組成物から作製した硬化板の耐熱後の熱着色ムラの発生を抑えることができ
る。なお、熱着色ムラは、硬化性組成物に酸化防止剤を添加した場合にも顕著に発生する
前記化合物(A)、(C)及び(D)は、前記式(1)、(5)及び(6)中のR1
メチルであり、且つ、前記式(2)で表される基中のR2がメチルである化合物を含むこ
とが好ましい。
前記式(1)、(5)及び(6)中のB1は、ノルボルネン骨格若しくはノルボルナン
骨格を有する多環式炭化水素基、及び/又は、B2は、ノルボルナン骨格を有する多環式
炭化水素基であることが好ましい。
化合物(C)及び(D)は、前記化合物(B)のSiH基に化合物(A)を反応させる
ことで得られる。また、該化合物(B)としては、硬化性組成物から得られる硬化物の引
張弾性率、引張伸度、及び破断エネルギーが向上する傾向にあることから、環状シロキサ
ンが好ましく、環状シロキサンとしては、特に限定されないが、例えば、1,3,5,7
−テトラメチルシクロテトラシロキサン等が好適に挙げられる。
化合物(B)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを用いた場
合、化合物(C)としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021176968
(上記式中、p1〜p4は0以上の整数である。)
化合物(B)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを用いた場
合、化合物(D)としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021176968
(上記式中、p1〜p2は0以上の整数である。)
また、本実施形態の硬化性組成物は、前記化合物(B)のケイ素原子に結合する2以上
の水素原子に代えて、前記式(5)で表される置換基、及び、前記式(6)で表される置
換基を有する化合物(以下、「化合物(C)、及び化合物(D)の双方を含む構造の化合
物」とも称す)を含んでいてもよい。
化合物(B)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを用いた場
合、化合物(C)、及び化合物(D)の双方を含む構造の化合物としては、例えば、下記
式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021176968
(上記式中、p1〜p2は0以上の整数である。)
(付加反応条件)
化合物(C)及び(D)は、前記化合物(B)のSiH基が化合物(A)に付加反応す
ることで得られる。
化合物(A)と化合物(B)の付加反応の条件は、SiH基と、炭素−炭素二重結合と
がヒドロシリル化反応をする条件であれば特に制限されない。以下、本実施形態において
好適な反応条件について記載するが、本実施形態の反応条件は以下に限定されない。
化合物(B)の使用量は、化合物(A)中の炭素−炭素二重結合1molに対して、好
ましくは化合物(B)のSiH基が0.1〜2.0molであり、より好ましくは0.5
〜2.0molであり、さらに好ましくは0.8〜1.5molである。化合物(B)中
のケイ素原子に結合した水素原子、すなわち、SiH基の量が上記範囲内であることによ
り、硬化性組成物から得られる硬化物の硬度がより向上し、コーティング材料等の用途に
より好適に用いることができる傾向にある。
化合物(A)と化合物(B)の付加反応においては、必要に応じてヒドロシリル化反応
触媒を用いてもよい。ヒドロシリル化反応触媒としては、従来から公知のものを全て使用
することができる。例えば、白金金属を担持したカーボン粉末、白金黒、塩化第2白金、
塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、塩化白金酸とオレフィン類と
の錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒;パラジウム系触媒、ロジウム系触媒
等の白金族金属系触媒が挙げられる。また、その他の付加反応条件、溶媒の使用等につい
ては、特に限定されず通常のとおりとすればよい。
化合物(A)と化合物(B)の付加反応においては、化合物(B)のSiH基の転化率
が好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上とな
るように反応させることが好ましい。転化率はガスクロマトグラフィーで検出することが
できる。さらに、硬化性組成物の保存安定性を高めるために、保存安定剤を付加反応の反
応系中に添加することが好ましい。
化合物(A)〜(D)は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができ
る。
例えば、化合物(A)及び化合物(B)の反応物である化合物(C)及び化合物(D)
の混合物を硬化性組成物としてもよく、また、化合物(A)及び(B)の反応物である化
合物(C)及び化合物(D)の混合物に、新たに化合物(A)を添加してもよい。
本実施形態の硬化性組成物中の前記化合物(B)の割合は、耐熱後の着色ムラ発生を防
止できるという観点から、化合物(A)〜(D)の総重量に対して5wt%未満であるこ
とが好ましく、1wt%未満であることがより好ましい。
また、本実施形態の硬化性組成物を構成する化合物(A)〜(D)の全てのケイ素原子
に結合した水素原子の量は、化合物(A)〜(D)中の全ての炭素−炭素二重結合1mo
lに対して、好ましくは0.1〜2.0molであり、より好ましくは0.5〜2.0m
olであり、さらに好ましくは0.8〜1.5molである。化合物(A)〜(D)中の
ケイ素原子に結合した水素原子の量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の硬
度がより向上し、コーティング材料等の用途により好適に用いることができる傾向にある
また、本実施形態の硬化性組成物が、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に1〜
2個有する化合物(B’)を含む場合、化合物(B)及び化合物(B’)中のケイ素原子
に結合した水素原子の総量は、化合物(A)中の炭素−炭素二重結合1molに対して、
好ましくは0.5〜2.0molであり、より好ましくは0.8〜1.5molである。
化合物(B)及び化合物(B’)中のケイ素原子に結合した水素原子の量が上記範囲内で
あることにより、得られる硬化物の硬度がより向上し、コーティング材料等の用途により
好適に用いることができる傾向にある。
本実施形態の硬化性組成物が、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に1〜2個有
する化合物(B’)を含む場合、化合物(B)中のケイ素原子に結合した水素原子の量は
、化合物(B)及び化合物(B’)中のケイ素原子に結合した水素原子の量100mol
%に対して、好ましくは20〜100mol%であり、より好ましくは40〜100mo
l%である。
また、本実施形態の硬化性組成物が化合物(A)以外の炭素−炭素二重結合を有する化
合物(A’)と、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に1〜2個有する化合物(B
’)を含む場合、化合物(B)及び化合物(B’)中のケイ素原子に結合した水素原子の
総量は、化合物(A)及び化合物(A’)中の炭素−炭素二重結合1molに対して、好
ましくは0.5〜2.0molであり、より好ましくは0.8〜1.5molである。化
合物(B)及び化合物(B’)中のケイ素原子に結合した水素原子の量が上記範囲内であ
ることにより、得られる硬化物の硬度がより向上し、コーティング材料等の用途により好
適に用いることができる傾向にある。
前記化合物(A’)としては、例えば、2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,
8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、オクタビニルシルセスキオキサン等が挙げら
れる。
本実施形態の硬化性組成物が化合物(A)以外の炭素−炭素二重結合を有する化合物(
A’)を含む場合、化合物(A)中の炭素−炭素二重結合の量は、化合物(A)及び化合
物(A’)中の炭素−炭素二重結合の量100mol%に対して、好ましくは20〜10
0mol%であり、より好ましくは40〜100mol%である。
〔ヒドロシリル化反応触媒(E)〕
本実施形態の硬化性組成物は、ヒドロシリル化反応触媒(E)をさらに含んでもよい。
ヒドロシリル化反応触媒(E)としては、特に限定されないが、例えば、上記「化合物(
A)の製造方法」で記載したものと同様のものを例示することができる。
ヒドロシリル化反応触媒(E)の含有量は、触媒としての有効量であればよく、特に制
限されないが、上記化合物(A)〜(D)との合計質量に対して、白金族金属原子基準で
、好ましくは0.1〜500ppmであり、より好ましくは1〜100ppmである。ヒ
ドロシリル化反応触媒(E)の含有量が上記範囲内であることにより、硬化反応に要する
時間が適度のものとなり、硬化物の着色がより抑制される傾向にある。
〔密着性改良剤(F)〕
本実施形態の硬化性組成物は、密着性改良剤(F)をさらに含んでもよい。密着性改良
剤(F)をさらに含むことにより、基材への密着性がより向上する傾向にある。
密着性改良剤(F)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系シランカップ
リング剤(例えば、メタクリロプロピルトリメトキシシラン、メタクリロプロピルジメト
キシシラン、メタクリロプロピルトリエトキシシラン、メタクリロプロピルジエトキシシ
ラン、アクリロプロピルトリメトキシシラン、アクリロプロピルジメトキシシラン、アク
リロプロピルトリエトキシシラン、アクリロプロピルジエトキシシラン等);エポキシ系
シランカップリング剤(グリシジルプロピルトリメトキシシラン、グリシジルプロピルト
リエトキシシラン等);ノルボルニル基を有するシランカップリング剤(ノルボルニルエ
チルトリメトキシシラン、ノルボルニルエチルジメトキシシラン、ノルボルニルエチルト
リエトキシシラン、ノルボルニルエチルジエトキシシラン等)等を用いることができる。
このなかでも、密着強度向上の観点から、グリシジルプロピルトリメトキシシランが好ま
しい。
密着性改良剤(F)の含有量は、特に制限されないが、上記化合物(A)〜(D)の合
計質量に対して、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%で
ある。密着性改良剤(F)の含有量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の基
材への密着性がより向上する傾向にある。
〔他の配合成分〕
本実施形態の硬化性組成物には、上記成分に加えて、必要に応じて他の成分を配合する
ことができる。
(耐熱安定剤(G))
本実施形態の硬化性組成物の硬化物が大気中の酸素により酸化されると、硬化物が着色
する原因となる。そこで、本実施形態の硬化性組成物に、必要に応じ、耐熱安定剤(G)
を配合することにより着色を未然に防止することができる。
耐熱安定剤(G)としては、従来から公知のものが全て使用することができ、例えば、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン
、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、Irga
nox1010、Irganox1035、Irganox3114等が挙げられる。こ
れらは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
耐熱安定剤(G)の含有量は、耐熱安定剤(G)としての有効量であれば特に制限され
ないが、上記化合物(A)〜(D)との合計質量に対して、好ましくは10〜10,00
0ppmであり、より好ましくは100〜5,000ppmである。前記範囲内の含有量
とすることによって、酸化防止能力が十分発揮され、着色、白濁、酸化劣化等の発生がな
く光学的特性に優れた硬化物が得られる。
(保存安定剤(H))
本実施形態の硬化性組成物を長期間室温放置した場合、組成物の粘度が上昇し、ゲル化
する原因となる。そこで、本実施形態の硬化性組成物に、必要に応じ、保存安定剤(H)
を配合することによりゲル化を未然に防止することができる。
保存安定剤(H)としては、従来から公知のものが全て使用することができ、例えば、
1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールの付加
反応制御剤及び、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン等が挙げられる。これらは
、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
保存安定剤(H)の含有量は、保存安定剤(H)としての有効量であれば特に制限され
ないが、上記化合物(A)〜(D)との合計質量に対して、好ましくは10〜10,00
0ppmであり、より好ましくは100〜5,000ppmである。前記範囲内の含有量
とすることによって、保存安定する能力が十分発揮され、着色、白濁、酸化劣化等の発生
がなく光学的特性に優れた硬化物が得られる。
(粘度調整剤及び硬度調整剤)
本実施形態の硬化性組成物の粘度又は本実施形態の硬化性組成物から得られる硬化物の
硬度等を調整するために、ケイ素原子に結合したアルケニル基又はSiHを有する直鎖状
ジオルガノポリシロキサン若しくは網状オルガノポリシロキサン;非反応性の(即ち、ケ
イ素原子に結合したアルケニル基及びSiHを有しない)直鎖状若しくは環状ジオルガノ
ポリシロキサン、シルフェニレン系化合物等を、粘度調整剤及び/又は硬度調整剤として
配合してもよい。
本実施形態の硬化性組成物に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有する種々の構造
のオルガノポリシロキサンを配合する場合、その含有量は、上記アルケニル基と上記化合
物(A)〜(D)が有する炭素−炭素二重結合との合計量1molに対する、上記化合物
(B)〜(D)中のSiHが、通常、0.5〜2.0mol、好ましくは0.8〜1.5
molとなる量とするのがよい。また、SiHを有する種々の構造のオルガノポリシロキ
サンを配合する場合、硬化性組成物中のSiHの含有量は、前記SiHと上記化合物(B
)〜(D)が有するSiHとの合計量が、上記(A)〜(D)成分が有する炭素−炭素二
重結合1molに対して、通常、0.5〜2.0mol、好ましくは0.8〜1.5mo
lとなる量とするのがよい。
(その他の添加剤)
透明性に影響を与えない範囲で、強度を向上させるためにヒュームドシリカ等の無機質
充填剤を配合してもよいし、必要に応じて、染料、顔料、難燃剤等を配合してもよい。
更に、太陽光線、蛍光灯等の光エネルギーによる光劣化に対する抵抗性を付与するため
光安定剤を用いることも可能である。この光安定剤としては、光酸化劣化で生成するラジ
カルを補足するヒンダードアミン系安定剤が適しており、酸化防止剤と併用することで、
酸化防止効果はより向上する。光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン等が挙げられる。また、クラック防止のため可塑剤を添加してもよい。なお
、本実施形態の硬化性組成物の硬化条件については、その量により異なり、特に制限され
ないが、通常、60〜180℃、5〜600分の条件とすることが好ましい。
本実施形態の硬化性組成物は、ヒドロシリル化反応触媒(E)と、密着性改良剤(F)
と、耐熱安定剤(G)と、保存安定剤(H)と、をさらに含むことが好ましい。
〔硬化性組成物の製造方法〕
本実施形態の硬化性組成物は、化合物(A)、(B)及び(C)、ならびに、必要に応
じて、化合物(D)、ヒドロシリル化反応触媒(E)、密着性改良剤(F)、ならびに、
他の配合成分それぞれを配合することによって調製でき、前述したように、化合物(B)
のSiH基に化合物(A)を反応させることによって化合物(C)や(D)を得たのち、
必要に応じて、密着性改良剤(F)、および、他の配合成分を配合する方法によっても製
造することができる。製造の作業容易性の観点から、化合物(B)のSiH基に化合物(
A)を反応させることによって化合物(C)や(D)を得たのち、必要に応じて、密着性
改良剤(F)、および、他の配合成分を配合する方法が好ましい。
また、硬化性組成物の製造方法としては、該組成物中の各成分の相溶性の観点から、予
め化合物(A)及び/又は化合物(B)に、密着性改良剤(F)、耐熱安定剤(G)、な
らびに、他の配合成分等を共存させた後、反応する方法も好ましい。
本実施形態の硬化性組成物が保存安定剤(H)を含む場合、硬化性組成物の製造方法と
しては、化合物(A)と(B)の反応を円滑に進める観点から、化合物(B)のSiH基
に化合物(A)を反応させることによって化合物(C)や(D)を得たのち、保存安定剤
(H)を添加する方法が好ましい。
本実施形態の硬化性組成物は、前記化合物(B)のケイ素原子に結合する1つの水素原
子に代えて式(5)で表される置換基を有する化合物(C)の構成を、
Q(x、y、z)
(xは化合物(B)の個数を表し、yは化合物Aの個数を表し、zはpの数の合計を表す

で表した場合、耐リフロー性の観点から、MALDI−TOF/MSにおける、Q(1、
2、0)の化合物(C)とQ(1、2、1)の化合物の(C)とのピーク強度比(Q(1
、2、0)/Q(1、2、1))は、好ましくは1以上100以下であり、より好ましく
は5以上95以下であり、さらに好ましくは10以上90以下である。
また、耐リフロー性の観点から、MALDI−TOF/MSにおける、Q(1、2、0
)の化合物(C)とQ(1、2、2)の化合物(C)とのピーク強度比(Q(1、2、0
)/Q(1、2、2))は、好ましくは10以上であって、より好ましくは20以上であ
って、さらに好ましくは30以上である。
前記Q(1、2、0)/Q(1、2、1)や、Q(1、2、0)/Q(1、2、2)を
調整する方法としては、特に制限されず、例えば、化合物(a)と化合物(b)の付加反
応による化合物(A)の合成時における、化合物(a)と化合物(b)とのモル比を調整
する方法、加熱温度と反応時間を調整する方法が挙げられる。なお、Q(1、2、0)/
Q(1、2、1)や、Q(1、2、0)/Q(1、2、2)は、実施例に記載の方法によ
り測定することができる。
化合物(b)の物質量(モル)は、化合物の(a)物質量(モル)に対して、10〜2
0倍であることが好ましい。
また、加熱温度と反応時間によって調整する方法としては、前記Q(1、2、0)/Q
(1、2、1)や、Q(1、2、0)/Q(1、2、2)を上述の範囲にすることができ
る条件であれば特に制限されず、例えば、温度を70℃〜120℃とし、反応時間を5〜
200時間とする方法が挙げられる。
上述したように、本実施形態において、前記式(1)中、p=0で表される化合物を化
合物(A1)とし、p≧1で表される化合物を化合物(A2)とするとき、化合物(A2
)の含有量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで得られる化合物(A1)及び
化合物(A2)の総面積に対して、0面積%以上50面積%未満であることが好ましく、
0面積%以上40面積%以下であることがより好ましく、0面積%以上35面積%以下で
ありることがさらに好ましく、1面積%以上35面積%以下であることがよりさらに好ま
しい。化合物(A2)の含有量が50面積%未満であることにより、得られる硬化物の引
張弾性率、引張伸度、及び破断エネルギーがより向上する。また、化合物(A2)の含有
量が1面積%以上であることにより、耐リフロー性がより向上し、化合物(A2)の含有
量が25面積%以下であることにより、ガスバリア性がより向上する傾向にある。さらに
、化合物(A2)の含有量が5面積%以上20面積%以下であることにより、破断エネル
ギーがさらに向上する傾向にある。
化合物(A)を用いて、化合物(B)と反応させ、化合物(C)及び化合物(D)を作
製すると、前記式(1)中、前記ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで得られる化
合物(A1)及び化合物(A2)の面積比に応じて、MALDI TOF MS測定で得
られる前記化合物Q(1、2、0)、Q(1、2、1)、Q(1、2、2)のピーク強度
が変化することから、化合物(C)の構成を、MALDI−TOF/MSにより表すこと
が好ましい。
本実施形態の硬化性組成物は、例えば、加熱により硬化物とすることができる。
本実施形態の硬化性組成物は、具体的には、2cm×4cm×2mm厚の硬化板を作製
した場合、硬化板上端と硬化板下端の180℃144時間の熱暴露後のYI値差が10未
満である硬化板を提供することができる。
化合物(A)と化合物(B)からなる硬化性組成物にヒドロシリル化反応触媒(E)、
耐熱安定剤(G)を加えた硬化板を作成した場合、硬化板上端と硬化板下端の耐熱黄変性
が異なり、硬化板上端の耐熱黄変性が下端の耐熱黄変性より悪いという問題が生じる。化
合物(C)の構造が存在する事でこのような問題が解消できる傾向にある。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実
施例によって何ら限定されるものではない。本発明及び以下の実施例、比較例における物
性の測定方法、評価方法は以下のとおりである。
[化合物(A)のビニル基割合及び内部二重結合割合の算出]
化合物(A)の合成において、化合物(b)としてビニルノルボルネンを用いた場合、
化合物(A)を1wt%含む重クロロホルム溶液を調製し、日本電子(株)核磁気共鳴装
置ECZ−400Sを用いて、1H−NMR測定を行った。
得られたNMRチャートにおいて、クロロホルムのピークを7.24ppmとし、−0
.25〜0.25ppmのSi−CH3を12Hとして積分し、5.3〜6.4ppmの
二重結合由来の積分値をaとし、4.75〜5.3ppmの二重結合由来の積分値をbと
した。場合、下記構造式:
Figure 2021176968
で表されるビニル基、及び、下記構造式:
Figure 2021176968
で表される内部二重結合のモル比を以下の式より算出した。
内部二重結合2H=a−b/2
ビニル基2H=b
内部二重結合割合(%)=(内部二重結合2H/(内部二重結合2H+ビニル基2H)
)×100
ビニル割合(%)=(ビニル基2H/(内部ビニル2H+ビニル基2H))×1
00
[化合物(A)の平均分子量の算出]
例えば、合成例1−16の化合物(A)の平均分子量は以下の式により求めた。
化合物(A)を1wt%含む重クロロホルム溶液を調製し、日本電子(株)核磁気共鳴
装置ECZ−400Sを用いて、1H−NMR測定を行った。得られたNMRチャートに
おいて、クロロホルムのピークを7.24ppmとし、−0.25〜0.25ppmのS
i−CH3を12Hとして積分し、5.3〜6.4ppmの二重結合由来の積分値をaと
し、4.75−5.3ppmの二重結合由来の積分値をbとした。
二重結合4H= ((a−b/2)/2−b/2))×2
n=(4/二重結合4H)−1
化合物(A)の平均分子量=374.7+254.4×n
なお、上記数式において、「374.7」は、1,3,5,7−テトラメチルシクロテ
トラシロキサンの両末端にビニルノルボルネンが付加した構造の分子量であり、「254
.4」は1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの片末端にビニルノルボ
ルネンが付加した構造の分子量である。
[化合物(B)の配合比の算出]
上記化合物(A)で求めた平均分子量を元に、所定の前記化合物(B)中の合計のSi
H/前記化合物(A)中の合計の炭素−炭素二重結合(モル比)に合わせ、添加する化合
物(B)の配合比を算出した。
[化合物(A1)及び化合物(A2)のGPCによる面積%の測定]
化合物(A)0.1gに対して、2mlの割合でクロロホルム溶媒に溶解した溶液を測
定試料とした。この測定試料を用いて、東ソー社製LC−8020で測定した。カラムは
東ソー社製のTSKガードカラムHHR−H、TSKgel G5000HHR、TSK
gel G3000HHR、TSKgel G1000HHRを直列に連結して使用し、
クロロホルムを移動相として1ml/分の速度で分析した。検出器はRIディテクターを
使用し、Polymer Laboratories製Easy Cal PS−2(分
子量:377400、96000、19720、4490、1180、188700、4
6500、9920、2360、580)のポリスチレン、及びスチレンモノマー(分子
量104)を標準物質として数平均分子量及び重量平均分子量を求め、p=0及び、p≧
1のピークを特定し、それぞれのピークの面積比を算出した。
分子量詳細:377400、96000、19720、4490、1180、18870
0、46500、9920、2360、580
[硬化板作製]
化合物(A)、化合物(B)、及びヒドロシリル化反応触媒(C)、又は(A)、(B
)、(C)、及び(D)成分を所定量混合した硬化性組成物を撹拌脱泡後、鏡面加工した
2枚のSUS板の間に、内径4cm×2cm×2mm厚のコの字型シリコーンパッキンを
4cmが下になるように挟み、2枚のSUS板厚のコの字型パッキン内に組成物を注入後
、減圧脱気を行い脱泡した後、100℃1h150℃5hの硬化を行う事で2mm厚の硬
化板を得た。
4cmの辺の内、コノ字型パッキンに接していた方を下端、コノ字型パッキンに接してい
ない方を上端と呼ぶ。
[耐熱黄変性]
後述する実施例、比較例において作製した硬化物の測定用サンプルとして、厚さ3mm
の硬化物を用い、コニカミノルタ社製、分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(
黄色度)を測定した。
次に、当該硬化物をアルミホイルに包み、空気下で150℃、500時間加熱処理を行
った。その後、再びコニカミノルタ社製、分光測色計CM−3600d(商品名)でYI
(黄色度)を測定した。
この加熱処理前後におけるYIの変化をΔYIとし、ΔYIが2以下を○、3以上を×
と評価した。 また、上端と下端しのYI差が10以上のもの「ムラ」とした。
[耐光性]
後述する実施例、比較例において作製した硬化物の測定用サンプルとして、厚さ3mm
の硬化物を用い、コニカミノルタ社製、分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(
黄色度)を測定した。
次に、当該硬化物を50℃一定にした恒温乾燥機中にセットし、365nmバンドパス
フィルターを備えたUV照射装置(ウシオ電機社製、商品名:SP−7)を用いて、36
5nmにおける照度3W/cm2で144時間照射した。
その後、再びコニカミノルタ社製分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色
度)を測定した。このUV照射前後におけるYIの変化をΔYIとし、ΔYIが2以下を
○、3以上を×と評価した。
[硬化板の引張試験]
縦40mm、横10mm、2mm厚の硬化板を島津製AG−5000Dを用い、チャッ
ク間距離20mm、500kgfロードセルを用いて毎分5mmの引張速度で引張試験を
25℃にて行い、引張弾性率、引張伸度、破断エネルギーを求めた。破断エネルギーは、
破断点までのエネルギーとした。
[LED封止]
巨貿精密工業製505010−8R(2L)(パッケージ)に、ジェネライツ製B45
45ECI1(LED)を信越化学製KER−3000−M2(ダイボンド材)を用いて
、ダイボンド硬化を行った。田中貴金属製金SR−30(金線)でワイヤーボンドを行っ
た後、LEDフレームをLEDが4個×4個の16個の小片となるようにカットした。
化合物(A)、化合物(B)、ヒドロシリル化反応触媒(C)、及び(D)成分を所定
量混合した組成物を撹拌脱泡後、針先をシリコーン栓で塞いだシリンジに移し減圧脱気を
行った後、シリコーン栓を取り、前記パッケージに注入し、100℃1h150℃5hの
硬化を行う事で、封止を行った。
[リフロー試験]
封止後のLEDパッケージを260℃30秒相当のリフローを行った後、光学顕微鏡に
てクラックの有無を観察し、レッドインクテストを行い、リフレクター側面からの剥離を
観察し、光学顕微鏡にて底部の部分剥離の有無を観察した。
◎:クラック及び/又はリフレクター側面からの剥離や底部の部分剥離の無いもの
○:小さなクラック及び/又はリフレクター側面からの剥離はないが、底部の部分剥離の
が発生したもの
△:小さなクラック及び/又はリフレクター側面からの剥離や底部の部分剥離が発生した
もの
×:大きなクラック及び/又はリフレクター側面からの剥離や底部の部分剥離が発生した
もの
[保存安定性試験]
調製した液状の硬化性組成物を50mLサンプル瓶に10g入れ、40℃で30日間静
置後、硬化性組成物の性状を評価した。
○:流動性のある液状であるもの
×:固化したもの
[硫黄加熱によるガスバリア性評価]
丸型の密閉瓶に硫黄粉末を若干量入れ、リフロー試験を行った4個×4個のLEDフレ
ームの小片を瓶の底から約10mmとなるように乗せ、100℃に設定した恒温槽の中に
入れ、1h静置後取出し、常温に戻ってから、フレームを取出し、光学顕微鏡にて底部の
銀の腐食具合を観察した。
○:銀が黒色に腐食したもの
×:銀が黒色に腐食したもの
[MALDI−TOF/MSによる分析]
前記式(5)中のQ(1、2、0)とQ(1、2、1)の含有量は、硬化性組成物のマ
トリックス支援イオン化飛行時間型質量分析法(以下、MALDI−TOF/MS)にて
測定を行って得られる前記式(5)の各々の構造に該当する質量と、Agの質量とを合計
した質量に該当するピークの強度を表す。
なお、前記式(5)の各々の構造に該当する質量とは、前記の構造を構成する元素が同
位体を有する場合には、各々の元素の同位体の質量の内、最も存在率の大きな同位体の質
量を用いて算出された値のことをいう。
MALDI−TOF/MSの測定方法は以下の方法により行った。
<MALDI−TOF/MSの測定方法>
室温にて0.1gの後述する実施例、比較例において作製した化合物(A)と化合物(
B)の反応物1mgを1mLのテトラヒドロフランに溶解した溶液、10mgのDCTB
を1mLのテトラヒドロフランに溶解した溶液、及び1mgのAgTFAを1mLのテト
ラヒドロフランに溶解した溶液を2:2:1(体積比)混合液0.5μLをサンプルプレ
ートに溶液aを1μL滴下し、室温にて溶媒を蒸発後、下記測定条件でMALDI−TO
F/MSにて測定を行った。
(測定条件)
装置 :Bruker UltrafleXtreme
レーザー :SmartBeamII(355nmNd:YAG第三高調波)
レーザー照射径:Large
検出器形式 :リフレクトロンモード
検出器電圧 :2398V
イオン検出 :正イオン(ポジティブモード)
積算回数 :10000回
測定範囲 :m/z1〜3000
遅延引出時間 :100ns
測定回数 :n=6平均
[化合物(A)の調製]
(合成例1)
攪拌装置、冷却管、滴下ロート及び温度計を備えた4つ口フラスコに、ビニルノルボル
ネン(商品名:V0062、東京化成社製;5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エンと6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンとの略等モル量の異性体
混合物。以下、「VNB」ともいう。)1981g(16.5mol)を加え、オイルバ
スを用いて90℃に加熱した。これに、白金原子30ppm相当になるようにトルエンで
希釈した白金原子3%相当カルステッド触媒キシレン溶液を22g添加し、攪拌しながら
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(以下、「TMDS」ともいう。)73.8
7g(0.55mol)を60分間かけて滴下した。滴下終了後、更に98℃で加熱攪拌
を60時間行った後、SiH基に由来するピークの消失をNMRで確認後、室温まで冷却
した。その後、過剰のVNBを減圧留去して、無色透明なオイル状の反応生成物を得た。
反応生成物を、NMR及びGPCより分析した。その結果、得られた反応生成物は、下
記化合物(I)のみを含み、下記化合物(II)を含まないものであることが判明した。
詳細な結果を表1に示す。
(I) NB−Me2SiOSiMe2−NB
(II)NB−Me2SiOSiMe2−(NB−Me2SiOSiMe2p−NB
(p≧1)
(合成例2)
VNBの使用量を1656g(13.55mol)とし、98℃の加熱攪拌時間を48
時間としたこと以外は、合成例1と同様の操作により、無色透明なオイル状の反応生成物
を得た。反応生成物を、NMR及びGPCより分析した。その結果、得られた反応生成物
は、化合物(I)と(II)を含む混合物であることが判明した。詳細な結果を表1に示
す。
(合成例3)
VNBの使用量を1321g(11mol)とし、98℃の加熱攪拌時間を200時間
としたこと以外は、合成例1と同様の操作により、無色透明なオイル状の反応生成物を得
た。反応生成物を、NMR及びGPCより分析した。その結果、得られた反応生成物は、
化合物(I)と(II)を含む混合物であることが判明した。詳細な結果を表1に示す。
(合成例4)
98℃の加熱攪拌時間を100時間としたこと以外は、合成例3と同様の操作により、
無色透明なオイル状の反応生成物を得た。反応生成物を、NMR及びGPCより分析した
。その結果、得られた反応生成物は、化合物(I)と(II)を含む混合物であることが
判明した。詳細な結果を表1に示す。
(合成例5)
98℃の加熱攪拌時間を24時間としたこと以外は、合成例3と同様の操作により、無
色透明なオイル状の反応生成物193gを得た。反応生成物を、NMR及びGPCより分
析した。その結果、得られた反応生成物は、化合物(I)と(II)を含む混合物である
ことが判明した。詳細な結果を表1に示す。
(合成例6)
98℃の加熱攪拌時間で加熱攪拌としたこと以外は、合成例3と同様の操作により、無
色透明なオイル状の反応生成物を得た。反応生成物を、NMR及びGPCより分析した。
その結果、得られた反応生成物は、化合物(I)と(II)を含む混合物であることが判
明した。詳細な結果を表1に示す。
(合成例7)
VNBの使用量を881g(8.25mol)とし、98℃の加熱攪拌時間を24時間
としたこと以外は、合成例1と同様の操作により、無色透明なオイル状の反応生成物を得
た。反応生成物を、NMR及びGPCより分析した。その結果、得られた反応生成物は、
化合物(I)と(II)を含む混合物であることが判明した。詳細な結果を表1に示す。
(合成例8)
VNBの使用量を661g(5.5mol)とし、98℃の加熱攪拌時間を24時間と
したこと以外は、合成例1と同様の操作により、無色透明なオイル状の反応生成物を得た
。反応生成物を、NMR及びGPCより分析した。その結果、得られた反応生成物は、化
合物(I)と(II)を含む混合物であることが判明した。詳細な結果を表1に示す。
(合成例9−1)
攪拌装置、冷却管、滴下ロート及び温度計を備えた4つ口フラスコに、VNB156g
(1.3mol)を加え、オイルバスを用いて85℃に加熱した。これに、5質量%の白
金金属を担持したカーボン粉末0.05g添加し、攪拌しながらTMDS 67g(0.
5mol)を60分間かけて滴下した。滴下終了後、更に90℃で加熱攪拌を24時間行
った後、SiH基に由来するピークの消失をNMRで確認後、室温まで冷却した。その後
、白金金属担持カーボンをろ過して除去し、過剰のビニルノルボルネンを減圧留去して、
無色透明なオイル状の反応生成物170gを得た。
反応生成物を、NMR、GPC、IRより分析した結果、上記反応生成物は、(1)−
Si−O−Si−結合を1個有する化合物:NBMe2SiOSiMe2NB70mol%
、(2)−Si−O−Si−結合を2個以上有する化合物:30mol%の混合物である
ことが判明した。また、上記反応生成物は、GPC面積比で、(1)−Si−O−Si−
結合を1個有する化合物:NBMe2SiOSiMe2NB50%、(2)−Si−O−S
i−結合を2個以上有する化合物:50%の混合物であることが判明した。
(合成例9−2)
5質量%の白金金属を担持したカーボン粉末に代えて、白金原子30ppm相当になる
ようにトルエンで希釈した白金原子3%相当カルステッド触媒キシレン溶液を22g用い
たこと以外は、合成例9−1と同様の操作により、無色透明なオイル状の反応生成物17
0gを得た。得られた反応生成物を、NMR及びGPCより分析した。その結果、得られ
た反応生成物は、化合物(I)と(II)を含む混合物であることが判明した。詳細な結
果を表1に示す。
(合成例10)
攪拌装置、冷却管、滴下ロート及び温度計を備えた4つ口フラスコに、VNB39g(
0.33mol)、及びTMDS35g(0.26mol)を加え、撹拌しながら、オイ
ルバスを用いて40℃に加熱した。これに、白金原子30ppm相当になるようにトルエ
ンで希釈した白金原子3%相当カルステッド触媒キシレン溶液を0.5g添加し、235
分かけて80℃にオイルバスを昇温した。さらに80℃で24時間反応後、室温まで冷却
した。その後、過剰のビニルノルボルネンを減圧留去して、無色透明なオイル状の反応生
成物70gを得た。この反応生成物をNMRで分析すると、はSiH基が残留していたた
め、さらに、ビニルノルボルネンを9.4g添加を行い、白金原子30ppm相当になる
ようにトルエンで希釈した白金原子3%相当カルステッド触媒キシレン溶液1.5gを添
加し、75℃で3時間反応後にNMRにてSiH基に由来するピークの消失を確認した。
その後、過剰のビニルノルボルネンを減圧留去して、無色透明なオイル状の反応生成物6
9gを得た。
反応生成物を、NMR及びGPCより分析した。その結果、得られた反応生成物は、化
合物(I)と(II)を含む混合物であることが判明した。詳細な結果を表1に示す。
(合成例13)
VNBに代えて、ジシクロペンタジエン(以下、「DCPD」ともいう。)1454g
(11mol)を用いたこと以外は、合成例5と同様の操作により、無色透明なオイル状
の反応生成物を得た。反応生成物を、NMR及びGPCより分析した。その結果、得られ
た反応生成物は、下記化合物(III)と(IV)を含む混合物であることが判明した。
詳細な結果を表1に示す。
(III)DCP−Me2SiOSiMe2−DCP
(IV) DCP−Me2SiOSiMe2−(DCP−Me2SiOSiMe2p−DC
P(p≧1)
(合成例14)
DCPDの使用量を171.86g(1.3mol)とし、オイルバスの加熱温度を8
5℃とし、TMDSの使用量を67.16g(0.5mol)とし、加熱攪拌温度を90
℃としたこと以外は、合成例13と同様の操作により、無色透明なオイル状の反応生成物
170gを得た。得られた反応生成物を、NMR及びGPCより分析した。その結果、得
られた反応生成物は、化合物(III)と(IV)を含む混合物であることが判明した。
詳細な結果を表1に示す。
(合成例15)
TMDS73.87g(0.55mol)に代えて、1,4−ビス−ジメチルシリルベ
ンゼン(以下、「1,4−DMSB」ともいう。)106.931g(0.55mol)
を用いたこと以外は、合成例5と同様の操作により、無色透明なオイル状の反応生成物を
得た。反応生成物を、NMR及びGPCより分析した。その結果、得られた反応生成物は
、下記化合物(V)と(VI)を含む混合物であることが判明した。詳細な結果を表1に
示す。
(V) NB−Me2SiPhSiMe2−NB
(VI)NB−Me2SiPhSiMe2−(NB−Me2SiPhSiMe2p−NB
(p≧1)
(合成例16)
VNBの使用量を156g(1.3mol)とし、オイルバスの加熱温度を85℃とし
、1,4−DMSBの使用量を97.21g(0.5mol)とし、加熱攪拌温度を90
℃としたこと以外は、合成例15と同様の操作により、無色透明なオイル状の反応生成物
を得た。得られた反応生成物を、NMR及びGPCより分析した。その結果、得られた反
応生成物は、化合物(V)と(VI)を含む混合物であることが判明した。詳細な結果を
表1に示す。
Figure 2021176968
表1中の略号の意味は以下のとおりである。
TMDS :1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
VNB :ビニルノルボルネン
DCPD :ジシクロペンタジエン
1,4−DMSB:1,4−ビス−ジメチルシリルベンゼン
[比較例A1]
合成例1で得られた化合物(A)を100質量部と、化合物(B)としてD4Hを32
質量部と、ヒドロシリル化反応触媒(E)としてカルステッド触媒を白金金属原子基準で
化合物(A)及びD4Hの合計質量に対して2ppmと、密着性改良剤(F)としてグリ
シジルプロピルトリメトキシシランを1質量部と、を均一に混合して硬化性組成物を得た
。なお、化合物(A)中の炭素−炭素二重結合1molに対する、化合物(B)中のケイ
素原子に結合した水素原子の量は、1.0molであった。得られた硬化性組成物を用い
て、硬化板の作製とLEDの封止を行った。硬化性組成物は保存安定性試験を行い、硬化
板については、引張試験を行い、引張弾性率、引張伸度、破断エネルギーを求めた。また
、硬化板は耐熱黄変性試験及び耐光性試験を行った。LEDについては、リフロー試験、
加湿後のリフロー試験、及びリフロー試験後の硫黄加熱によるガスバリア性評価を行った
。その結果を表2に示す。
[比較例A1〜19、比較例B1〜14]
化合物(A)、化合物(B)、ヒドロシリル化反応触媒(C)、及び密着性改良剤(D
)を表1の組成とした以外は、実施例1と同様の操作により、硬化性組成物を得て、評価
を行った。その結果を表2及び3に示す。
Figure 2021176968
SiH/C=C:化合物(A)中の付加反応性炭素−炭素二重結合1molに対する、化
合物(B)中のケイ素原子に結合した水素原子の量
HMS−301:(Gelest製)
HMS−991:(Gelest製)
HQM−105:(Gelest製)
QM4H :テトラキスジメチルシロキシシラン
TMNDS :1,1,3,3−Tetramethyl−1,3−bis[2−(5
−norbornen−2−yl)ethyl]disiloxane, mixtur
e of endo and exo (アルドリッチ製、内部二重結合割合(%):ビ
ニル基割合(%)=97:3)(このTMNDSは、前記一般式(1)中、p=0で表さ
れる化合物を化合物(A1)とし、p≧1で表される化合物を化合物(A2)としたとき
、前記化合物(A2)の含有量が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで得られる
前記化合物(A1)及び前記化合物(A2)の総面積に対して、0面積%である)
KC :カルステッド触媒
LS2940 :グリシジルプロピルトリメトキシシラン
Figure 2021176968
[実施例1]
合成例5で得られた化合物(A)100質量部と、化合物(B)としてD4H 29質
量部を均一混合にして50℃で撹拌し、化合物(B)の転化率が95%以上になったこと
をガスクロマトグラフィーにより確認後、ヒドロシリル化反応触媒(E)としてカルステ
ッド触媒を白金金属原子基準で化合物(A)及び化合物(B)の合計質量に対して2pp
mと、密着性改良剤(F)としてグリシジルプロピルトリメトキシシラン 1質量部と熱
安定剤(G)としてIrganox1010を化合物(A)及びD4Hの合計質量に対し
て1500ppmと、保存安定剤(H)として1−エチニル−1−シクロヘキサノールを
化合物(A)及びD4Hの合計質量に対して1000ppmを添加後、均一に混合して硬
化性組成物を得た。なお、化合物(A)中の付加反応性炭素−炭素二重結合1molに対
する、化合物(B)中のケイ素原子に結合した水素原子の量は、1.0molであった。
得られた硬化性組成物を用いて、硬化板の作製とLEDの封止を行った。硬化性組成物は
保存安定性試験を行い、硬化板については、引張試験を行い、引張弾性率、引張伸度、破
断エネルギーを求めた。また、硬化板は耐熱黄変性試験及び耐光性試験を行った。LED
については、リフロー試験、加湿後のリフロー試験、及びリフロー試験後の硫黄加熱によ
るガスバリア性評価を行った。その結果を表4に示す。
[実施例4]
合成例5で得られた化合物(A)100質量部と、化合物(B)としてD4H 33質
量部を均一混合にして50℃で撹拌し、化合物(B)の転化率が95%以上になったこと
をガスクロマトグラフィーにより確認後、密着性改良剤(F)としてグリシジルプロピル
トリメトキシシランを1質量部と熱安定剤(G)としてIrganox1010を化合物
(A)及びD4Hの合計質量に対して1500ppmと、保存安定剤(H)として1−エ
チニル−1−シクロヘキサノールを化合物(A)及びD4Hの合計質量に対して1000
ppmを添加後、均一に混合して硬化性組成物1を得た。
別途化合物(A)を11質量部にヒドロシリル化反応触媒(E)としてカルステッド触
媒を白金金属原子基準で化合物(A)の合計質量に対して20ppmを添加後、均一に混
合した硬化性組成物2を得た。なお、化合物(A)中の付加反応性炭素−炭素二重結合1
molに対する、化合物(B)中のケイ素原子に結合した水素原子の量は、1.0mol
であった。
硬化時は、硬化性組成物1及び硬化性組成物2を均一混合した硬化性組成物を用いて、
硬化板の作製とLEDの封止を行った。硬化性組成物は保存安定性試験を行い、硬化板に
ついては、引張試験を行い、引張弾性率、引張伸度、破断エネルギーを求めた。また、硬
化板は耐熱黄変性試験及び耐光性試験を行った。LEDについては、リフロー試験、加湿
後のリフロー試験、及びリフロー試験後の硫黄加熱によるガスバリア性評価を行った。そ
の結果を表4に示す。
[実施例2〜3、5〜13、比較例C2〜8]
化合物(A)、化合物(B)、ヒドロシリル化反応触媒(E)、密着性改良剤(F)、
熱安定剤(G)、及び保存安定剤(H)を表4、及び表5の組成とした以外は、実施例1
と同様の操作により、硬化性組成物を得て、評価を行った。その結果を表4、及び表5に
示す。
なお、実施例1〜13の硬化性組成物中に化合物(A)が存在することはMALDI−
TOF−MSにより確認した。
Figure 2021176968
Figure 2021176968
本実施形態の硬化性組成物は、発光ダイオード素子等の半導体素子の保護、封止、及び
接着や、発光ダイオード素子から発せられる光の波長の変更又は調整、並びに、レンズ等
の用途に好適に用いることができる。さらに、本発明の硬化性組成物は、レンズ材料、光
学デバイス・光学部品用材料、ディスプレイ材料等の各種の光学用材料、電子デバイス・
電子部品用絶縁材料、コーティング材料等の用途にも好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される化合物(A):
    Figure 2021176968
    (式(1)中、R1は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
    基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6アルコキシ基であり、
    Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
    1は、各々独立して、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の
    多環式炭化水素基であり、
    2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
    pは0以上の整数である。
    Figure 2021176968
    (式(2)中、R2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
    基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、nは0〜100の
    整数である。))、
    ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する化合物(B)、及び、
    前記ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する化合物(B)のケイ素
    原子に結合する1以上の水素原子に代えて、下記式(5)で表される置換基を有する化合
    物(C)
    を含む硬化性組成物。
    Figure 2021176968
    (式(5)中、R1は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
    基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6アルコキシ基であり、
    Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
    1は、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の多環式炭化水素
    基であり、
    2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
    pは0以上の整数である。
    Figure 2021176968
    (式(2)中、R2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
    基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、nは0〜100の
    整数である。))
  2. 前記化合物(B)のケイ素原子に結合する1以上の水素原子に代えて、下記式(6)で
    表される置換基を有する化合物(D)からなる群より選ばれる少なくとも1つをさらに含
    む、請求項1記載の硬化性組成物。
    Figure 2021176968
    (式(6)中、R1は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
    基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6アルコキシ基であり、
    Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
    2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
    pは0以上の整数である。
    Figure 2021176968
    (式(2)中、R2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素
    基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、nは0〜100の
    整数である。))
  3. 前記化合物(A)、(C)及び(D)が、前記式(1)、(5)及び(6)中のR1
    メチルであり、且つ、前記式(2)で表される基中のR2がメチルである化合物を含む、
    請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記式(1)、(5)及び(6)中のB1が、ノルボルネン骨格若しくはノルボルナン
    骨格を有する多環式炭化水素基、及び/又は、B2が、ノルボルナン骨格を有する多環式
    炭化水素基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記化合物(B)が、環状シロキサンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬
    化性組成物。
  6. ヒドロシリル化反応触媒(E)と、
    密着性改良剤(F)と、
    耐熱安定剤(G)と、
    保存安定剤(H)と、
    をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記化合物(B)の割合が、組成物の総重量に対して5wt%未満である、請求項1〜
    6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記化合物(C)の構成を、
    Q(x、y、z)
    (xは化合物(B)の個数を表し、yは化合物Aの個数を表し、zはpの数の合計を表す

    で表した場合、
    MALDI−TOF/MSにて、Q(1、2、0)の化合物(C)とQ(1、2、1)
    の化合物(C)とのピーク強度比、Q(1、2、0)/Q(1、2、1)が1以上100
    以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記化合物(C)の構成を、
    Q(x、y、z)
    (xは化合物(B)の個数を表し、yは化合物(A)の個数を表し、zはpの数の合計を
    表す)で表した場合、
    MALDI−TOF/MSにて、Q(1、2、0)の化合物(C)とQ(1、2、2)
    の化合物(C)とのピーク強度比、Q(1、2、0)/Q(1、2、2)が10以上であ
    る、請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
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