JP6867839B2 - 硬化性組成物 - Google Patents
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- FVIYJUPMNAEKIM-UHFFFAOYSA-N C=CC1C(CC2)C=C=C2C1 Chemical compound C=CC1C(CC2)C=C=C2C1 FVIYJUPMNAEKIM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Description
例えば、特許文献1には、特に短波長領域での光透過性に優れた硬化物を与えることができる硬化性組成物を提供することを目的として、付加反応性炭素−炭素二重結合を2つ以上有する多環式炭化水素化合物を原料に用いた反応生成物を含む硬化性組成物が開示されており、ヒンダートフェノール系の酸化防止剤を用いることが開示されている。
[1]
下記式(1)で表される化合物(A):
Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
B1は、各々独立して、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
B2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
pは0以上の整数である。
下記式(12)で表される化合物(E):
Xは、単結合を表すか、又は、−CO−L−(Lは、直鎖又は分岐鎖を有する炭素数1〜30のアルキレン基を表す。−COは、Aに結合する。)を表し、
Aは、下記式で表される基である。
を含む硬化性組成物であって、
前記式(1)で表される化合物(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにおける、前記式(1)中p≧1である化合物の面積が、前記式(1)中p=0である化合物及び前記式(1)中p≧1である化合物の面積の総面積に対して、0%以上50%未満である、硬化性組成物。
[2]
化合物(F)としてヒンダートフェノール系酸化防止剤をさらに含む、[1]に記載の硬化性組成物。
[3]
前記化合物(A)が、前記式(1)中のR1がメチルであり、且つ、前記式(2)で表される基中のR2がメチルである化合物を含む、[1]又は[2]に記載の硬化性組成物。
[4]
前記式(1)中のB1が、ノルボルネン骨格若しくはノルボルナン骨格を有する多環式炭化水素基、及び/又は、B2が、ノルボルナン骨格を有する多環式炭化水素基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[5]
ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する化合物(B)と、
ヒドロシリル化反応触媒(C)と、をさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[6]
密着性改良剤(D)をさらに含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[7]
前記化合物(B)が、環状シロキサン;環状シロキサンのケイ素原子に結合する1以上の水素原子に代えてノルボルネン骨格又はノルボルナン骨格を有する多環式炭化水素基を有する化合物;及び、環状シロキサンのケイ素原子に結合する1以上の水素原子に代えて下記式(5)で表される置換基を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、[5]又は[6]に記載の硬化性組成物。
Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
B1は、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
B2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
pは0以上の整数である。
Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
B1は、各々独立して、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
B2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
pは0以上の整数である。
下記式(12)で表される化合物(E):
Xは、単結合を表すか、又は、−CO−L−(Lは、直鎖又は分岐鎖を有する炭素数1〜30のアルキレン基を表す。−COは、Aに結合する。)を表し、
Aは、下記式で表される基である。
を含む硬化性組成物である。
また、前記式(1)で表される化合物(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにおける、前記式(1)中p≧1である化合物の面積が、前記式(1)中p=0である化合物及び前記式(1)中p≧1である化合物の面積の総面積に対して、0%以上50%未満である。
化合物(A)は、上記式(1)で表される化合物であり、下記式(3)で表される構成単位と、B2で表される構成単位とを有する直鎖構造を有し、その両末端がB1で封鎖されている。化合物(A)は、上記式(1)で表される化合物の1種又は2種以上を含む。
置換の炭素数1〜12の炭化水素基としては、特に限定されないが、具体的には、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;2−シアノエチル基;3−グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
式(2)におけるR2は、各々独立して、非置換若しくは置換の炭素数1〜12の炭化水素基、又は、非置換若しくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、その具体例としては、上記R1と同様のものが挙げられる。R2はR1と同様の基であっても異なる基であってもよい。
上記の多環式炭化水素基を有することにより、得られる硬化物の引張弾性率、引張伸度、及び破断エネルギーがより向上する傾向にある。なお、以下のノルボルネン骨格又はノルボルナン骨格を有する多環式炭化水素基をまとめて、「NB1基」と略記し、ジシクロペンタジエン由来骨格を有する多環式炭化水素基をまとめて、「DCP1基」と略記することがある。
上記の多環式炭化水素基を有することにより、得られる硬化物の引張弾性率、引張伸度、及び破断エネルギーがより向上する傾向にある。なお、以下のノルボルナン骨格を有する多環式炭化水素基をまとめて、「NB2基」と略記し、ジシクロペンタジエン由来骨格を有する多環式炭化水素基をまとめて、「DCP2基」と略記することがある。なお、B2は、炭素−炭素二重結合を有していてもよい。
上記化合物(A2)の面積は、好ましくは0%以上40%以下であり、より好ましくは0%以上35%以下であり、さらに好ましくは1%以上35%以下である。
化合物(A2)の面積が50%未満であることにより、得られる硬化物の引張弾性率、引張伸度、及び破断エネルギーがより向上する。化合物(A2)の面積が1%以上であることにより、耐リフロー性がより向上する。また、化合物(A2)の面積が25%以下であることにより、ガスバリア性がより向上する傾向にある。さらに、化合物(A2)の面積が5%以上20%以下であることにより、破断エネルギーがさらに向上する傾向にある。
なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで得られる化合物(A1)及び化合物(A2)の総面積に対する化合物(A2)の面積比率(含有量)は、実施例に記載の方法により測定することができる。
NB−Me2SiO(Me2SiO)SiMe2−NB
NB−Me2SiO(Me2SiO)4SiMe2−NB
NB−Me2SiO(Me2SiO)8SiMe2−NB
NB−Me2SiO(Me2SiO)12SiMe2−NB
NB−Me2Si−p−C6H4−SiMe2−NB
NB−Me2Si−m−C6H4−SiMe2−NB
DCP−Me2SiOSiMe2−DCP
DCP−Me2SiO(Me2SiO)SiMe2−DCP
DCP−Me2SiO(Me2SiO)4SiMe2−DCP
DCP−Me2SiO(Me2SiO)8SiMe2−DCP
DCP−Me2SiO(Me2SiO)12SiMe2−DCP
DCP−Me2Si−p−C6H4−SiMe2−DCP
DCP−Me2Si−m−C6H4−SiMe2−DCP
化合物(A)は、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物(a)と、炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素化合物(b)と、を付加反応させることにより得ることができる。
化合物(a)としては、特に限定されないが、例えば、下記式(6)で表される化合物が挙げられる。
Aは、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基である。
置換の炭素数1〜12の炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;2−シアノエチル基;3−グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
HMe2SiO(Me2SiO)SiMe2H
HMe2SiO(Me2SiO)4SiMe2H
HMe2SiO(Me2SiO)8SiMe2H
HMe2SiO(Me2SiO)12SiMe2H
HMe2Si−m−C6H4−SiMe2H:1,3−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン
化合物(b)は、炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素化合物である。炭素−炭素二重結合は付加反応性を有することが好ましい。なお、本実施形態において「付加反応性」とは、ヒドロシランの付加(ヒドロシリル化反応として周知)を受け得る性質を意味する。
なお、ビニルノルボルネンのビニル基の立体配置は、シス配置(エキソ型)又はトランス配置(エンド型)のいずれであってもよく、現在工業的入手できるビニルノルボルネンは、これら両配置の異性体の混合物であるため、これら量は異性体の組み合わせであっても差し支えない。
化合物(a)と化合物(b)の付加反応の条件は、SiH基が、炭素−炭素二重結合にヒドロシリル化反応する条件であれば特に制限されない。以下、本実施形態における好適な反応条件について記載するが、反応条件は以下に限定されない。
本実施形態の硬化性組成物は、下記式(12)で表される化合物(E)を含む。式(12)で表される化合物(E)は、NOアルキル型のヒンダートアミン系酸化防止剤である。
Xは、単結合を表すか、又は、−CO−L−(Lは、直鎖又は分岐鎖を有する炭素数1〜30のアルキレン基を表す。−COは、Aに結合する。)を表し、
Aは、下記式で表される基である。
式(12)のRにおける炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシ−tert−ブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシイソペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシ−sec−ヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシラウリル基、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデデシル基、ヒドロキシイコシル基、ヒドロキシトリアコンチル基等が挙げられる。これらのヒドロキシアルキル基は、ヒドロキシ基の置換位置が異なる構造異性体を含む。
式(12)のRにおける炭素数2〜30のアルケニル基としては、特に限定されないが、例えば、エテニル基、プロぺニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基、トリアコンテニル基等が挙げられる。これらのアルケニル基は、二重結合の位置が異なる構造異性体を含み、シス体及びトランス体の幾何異性体も含む。
上記4−ヒドロキシ−1−(RO)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン2分子を、少なくとも1つのカルボニル基を介して連結する工程(以下、2段階目ともいう)と
を含む、製造方法によって製造することができる。
1段階目においては、4−ヒドロキシ−1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと、R−COO−OOC−Rで表されるペルオキシド化合物とを反応させる。
R−COO−OOC−Rで表されるペルオキシド化合物としては、上記4−ヒドロキシ−1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン中のオキシ基と反応して式(12)中のORを形成するものであれば特に制限されず、例えば、ジヘキサノイルペルオキシド、ジヘプタノイルペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジヘノナイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジウンデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジトリデカノイルペルオキシド、ジテトラデカノイルペルオキシド、ジペンタデカノイルペルオキシド、ジヘキサデカノイルペルオキシド、ジヘプタデカノイルペルオキシド、ジオクタデカノイルペルオキシド、ジイコサノイルペルオキシド等を挙げることができる。
4−ヒドロキシ−1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと、R−COO−OOC−Rで表されるペルオキシド化合物との反応条件は、特に制限されない。化合物の使用量、反応温度、溶媒の使用、精製の方法等については、特に限定されず通常行われる方法を適宜選択すればよい。
2段階目では、上記4−ヒドロキシ−1−(RO)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン2分子を、少なくとも1つのカルボニル基を介して連結する。上記連結としては、例えば、4−ヒドロキシ−1−(RO)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと、ホスゲン、又は、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸等のジカルボン酸とを反応させる方法等が挙げられる。
4−ヒドロキシ−1−(RO)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと、ホスゲン、又は、ジカルボン酸との反応条件は、特に制限されない。化合物の使用量、反応温度、溶媒の使用、精製の方法等については、特に限定されず通常行われる方法を適宜選択すればよい。
また、別の酸化防止剤としては、ヒンダートフェノール系酸化防止剤(以下、化合物(F)ともいう。)を併用することが好ましい。ヒンダートフェノール系酸化防止剤を併用することによって、LEDを点灯させた場合に、光及び熱の同時に暴露される際の耐黒変性がさらに良好になる。
併用の方法としては、具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールと、Irganox1010と、並びに、LA81及び/又はTINUVIN123とを添加することや、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールと、Irgano3114と、並びに、LA81及び/又はTINUVIN123とを添加することが挙げられる。
本実施形態の硬化性組成物は、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する化合物(B)(化合物(B)とも称す)をさらに含んでもよい。化合物(B)が有するSiHと、化合物(A)が有する炭素−炭素二重結合とがヒドロシリル化反応することにより、化合物(A)に対して化合物(B)が付加することができる。この際、SiHを3個以上有する化合物(B)は3分岐以上の架橋点として機能する。これにより、3次元網状構造の硬化物を与えることができる。
上記の中でも、前記R3は、全てメチル基であるが、工業的に製造することが容易であり、入手しやすいことから好ましい。
(HMeSiO)4
(HMeSiO)5
(HMeSiO)3(Me2SiO)
(HMeSiO)4(Me2SiO)
このような化合物(B)を用いることにより、得られる硬化物の引張弾性率、引張伸度、及び破断エネルギーが非環状シロキサン骨格を有するSiH化合物を用いた場合に比べ、不連続に向上する傾向にある。環状シロキサンとしては、特に限定されないが、例えば、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
B1は、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
B2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
pは0以上の整数である。
上記環状シロキサンとしては、例えば、前記式(9)で表される環状シロキサン系化合物が挙げられる。
上記環状シロキサンのケイ素原子に結合する1以上の水素原子に代えてノルボルネン骨格又はノルボルナン骨格を有する多環式炭化水素基を有する化合物としては、例えば、式(10)で表される化合物及び式(11)で表される化合物が挙げられる。
上記化合物(A’)としては、例えば、2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、オクタビニルシルセスキオキサン等を挙げることができる。
本実施形態の硬化性組成物は、ヒドロシリル化反応触媒(C)をさらに含んでもよい。ヒドロシリル化反応触媒(C)としては、特に限定されないが、例えば、上記「化合物(A)の製造方法」で記載したものと同様のものを例示することができる。
本実施形態の硬化性組成物は、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する化合物(B)と、ヒドロシリル化反応触媒(C)と、をさらに含むことが好ましい。
本実施形態の硬化性組成物は、密着性改良剤(D)をさらに含むことが好ましい。密着性改良剤(D)をさらに含むことにより、基材への密着性がより向上する傾向にある。
本実施形態の硬化性組成物には、上記成分に加えて、必要に応じて他の成分を配合することができる。
本実施形態の硬化性組成物の硬化物が大気中の酸素により酸化されると、熱や光により硬化物が着色する原因となる。特に熱や光が同時にかかる場合は、より硬化物の着色が顕著になる。そこで、本実施形態の硬化性組成物に、必要に応じ、酸化防止剤を配合することにより着色を未然に防止することができる。
HALS等のヒンダートアミン系酸化防止剤を使用することができる。より具体的には、NH型のヒンダートアミン系酸化防止剤であるCHIMMASORB944FDL、CHIMMASORB2020FDL、LA57、LA63P、LA68、LA77Y等が挙げられる。また、Nアルキル型のヒンダートアミン系酸化防止剤であるLA52、LA72、PA144、TINUVIN622SF等が挙げられる。
本実施形態の硬化性組成物の粘度又は本実施形態の硬化性組成物から得られる硬化物の硬度等を調整するために、ケイ素原子に結合したアルケニル基又はSiHを有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン若しくは網状オルガノポリシロキサン;非反応性の(即ち、ケイ素原子に結合したアルケニル基及びSiHを有しない)直鎖状若しくは環状ジオルガノポリシロキサン、シルフェニレン系化合物等を、粘度調整剤及び/又は硬度調整剤として配合してもよい。
また、ポットライフを確保するために、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等の付加反応制御剤を配合することができる。更に、透明性に影響を与えない範囲で、強度を向上させるためにヒュームドシリカ等の無機質充填剤を配合してもよいし、必要に応じて、染料、顔料、難燃剤等を配合してもよい。
本実施形態の硬化性組成物は、例えば、化合物(A)及び化合物(E)、並びに、必要に応じて、化合物(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、密着性改良剤(D)、他の配合成分を混合して製造することができる。
本実施形態の硬化性組成物は、例えば、化合物(A)及び化合物(E)、並びに、必要に応じて、化合物(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、密着性改良剤(D)、他の成分を混合後、加熱による硬化反応を行うことで硬化物とすることができる。
化合物(A)の合成において、化合物(b)としてビニルノルボルネンを用いた場合、化合物(A)を1wt%含む重クロロホルム溶液を調製し、日本電子(株)核磁気共鳴装置ECZ−400Sを用いて、1H−NMR測定を行った。
得られたNMRチャートにおいて、クロロホルムのピークを7.24ppmとし、−0.25〜0.25ppmのSi−CH3を12Hとして積分し、5.3〜6.4ppmの二重結合由来の積分値をaとし、4.75〜5.3ppmの二重結合由来の積分値をbとした場合、下記構造式:
ビニル基2H=b
内部二重結合割合(%)=(内部二重結合2H/(内部二重結合2H+ビニル基2H))×100
ビニル割合(%)=(ビニル基2H/(内部ビニル2H+ビニル基2H))×100
例えば、合成例1〜11の化合物(A)の平均分子量は以下の式により求めた。
化合物(A)を1wt%含む重クロロホルム溶液を調製し、日本電子(株)核磁気共鳴装置ECZ−400Sを用いて、1H−NMR測定を行った。得られたNMRチャートにおいて、クロロホルムのピークを7.24ppmとし、−0.25〜0.25ppmのSi−CH3を12Hとして積分し、5.3〜6.4ppmの二重結合由来の積分値をaとし、4.75−5.3ppmの二重結合由来の積分値をbとした。
n=(4/二重結合4H)−1
化合物(A)の平均分子量=374.7+254.4×n
上記化合物(A)で求めた平均分子量を元に、所定の前記化合物(B)中の合計のSiH/前記化合物(A)中の合計の炭素−炭素二重結合(モル比)に合わせ、添加する化合物(B)の配合比を算出した。
化合物(A)0.1gに対して、2mlの割合でクロロホルム溶媒に溶解した溶液を測定試料とした。この測定試料を用いて、東ソー社製LC−8020で測定した。カラムは東ソー社製のTSKガードカラムHHR−H、TSKgel G5000HHR、TSKgel G3000HHR、TSKgel G1000HHRを直列に連結して使用し、クロロホルムを移動相として1ml/分の速度で分析した。検出器はRIディテクターを使用し、Polymer Laboratories製Easy Cal PS−2(分子量:377400、96000、19720、4490、1180、188700、46500、9920、2360、580)のポリスチレン、及びスチレンモノマー(分子量104)を標準物質として数平均分子量及び重量平均分子量を求め、p=0及び、p≧1のピークを特定し、それぞれのピークの面積比を算出した。
分子量詳細:377400、96000、19720、4490、1180、188700、46500、9920、2360、580
巨貿精密工業製505010−8R(2L)(パッケージ)に、ジェネライツ製B4545ECI1(LED)を信越化学製KER−3000−M2(ダイボンド材)を用いて、ダイボンド硬化を行った。田中貴金属製金SR−30(金線)でワイヤーボンドを行った後、LEDフレームからLEDの小片を1つずつ取り出した。このLEDをスター基盤にLパラ製5050PowerLEDアルミ基板実装後、化合物(A)、化合物(B)、ヒドロシリル化反応触媒(C)、化合物(D)、化合物(E)、及び化合物(F)を所定量混合した組成物を撹拌脱泡後、針先をシリコーン栓で塞いだシリンジに移し減圧脱気を行った後、シリコーン栓を取り、前記パッケージに注入し、封止を行った。
樹脂を封止したLEDパッケージを85℃環境下で100mA、180mA、200mA、280mAの電流を印加し、500時間後のLEDパッケージに封止を行った樹脂の全放射束測定を行った。全放射束測定により測定された輝度から着色度合を評価した。輝度が、初期値(通電試験前)に対して、20%以下となった場合を×、20%を超えて50%以下となった場合を△、50%を超えて、80%以下となった場合を○、80%を超えた場合を◎とした。
ジャンクション温度、及び通電時の電力はそれぞれ100mAの場合は95℃、0.3Wであり、180mAの場合は106℃、0.5Wであり、200mAの場合は110℃、0.6Wであり、280mAの場合は、それぞれ124℃、0.8W相当であった。
(合成例1)
攪拌装置、冷却管、滴下ロート及び温度計を備えた4つ口フラスコに、最終精製物に対して2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールが1500ppmとなるように、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを添加したビニルノルボルネン(商品名:V0062、東京化成社製;5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンと6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンとの等モル量の異性体混合物。以下、「VNB」ともいう。)1321g(11mol)を加え、オイルバスを用いて90℃に加熱した。これに、白金原子30ppm相当になるようにトルエンで希釈した白金原子3%相当カルステッド触媒キシレン溶液を22g添加し、攪拌しながら1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(以下、「TMDS」ともいう。)73.87g(0.55mol)を60分間かけて滴下した。滴下終了後、更に98℃で加熱攪拌を20時間行った後、SiH基に由来するピークの消失をNMRで確認後、室温まで冷却した。その後、過剰のVNBを減圧留去して、無色透明なオイル状の反応生成物を得た。
反応生成物を、NMR、GPCより分析した。反応生成物の各種特性は、以下のとおりであった。
GPCの面積比は、化合物(A1):化合物(A2)=85:15であった。
GPCから算出した化合物(A1)及び化合物(A2)の総量に対する、化合物(A2)の割合は、15%であった。
NMRより算出した内部ビニルと外部ビニルとの比(内部ビニル:外部ビニル)は、49:51であった。
NMRからの想定分子量は、411g/molであった。
全ビニルモル数は、487mmolであった。
(実施例1)
合成例1で得られた化合物に、
化合物(B)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(表中、D4Hと表される)、
化合物(C)としてカルステッド触媒、
化合物(D)としてグリシジルプロピルトリメトキシシラン、
化合物(E)としてLA81、並びに、
化合物(F)としてIrganox3114及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
を混合後、LEDパッケージに封止した。硬化は、100℃で1時間行った後、さらに150℃で5時間行い、作製したLEDパッケージの連続通電試験を行った。結果を表1に示す。
化合物(B)であるSiH化合物、化合物(E)、化合物(F)を変更した以外は実施例1と同様の操作により、LEDパッケージに封止した。硬化は100℃で1時間行った後、150℃で5時間行い、作製したLEDパッケージの連続通電試験を行った。結果を表1に示す。
Claims (8)
- 下記式(1)で表される化合物(A):
Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基であり、
B1は、各々独立して、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
B2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
pは0以上の整数である。
下記式(12)で表される化合物(E):
Xは、単結合を表すか、又は、−CO−L−(Lは、直鎖又は分岐鎖を有する炭素数1〜30のアルキレン基を表す。−COは、Aに結合する。)を表し、
Aは、下記式で表される基である。
ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有し、シロキサン結合を有する化合物(B)と、
を含む硬化性組成物であって、
前記化合物(B)中のケイ素原子に結合した水素原子の量は、前記化合物(A)中の炭素−炭素二重結合1molに対して0.1〜2.0molであり、
前記式(1)で表される化合物(A)の下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにおける、前記式(1)中p≧1である化合物の面積が、前記式(1)中p=0である化合物及び前記式(1)中p≧1である化合物の面積の総面積に対して、0%以上50%未満である、硬化性組成物。
条件:
化合物(A)0.1gに対して、2mlの割合でクロロホルム溶媒に溶解した溶液を測定試料とする。この測定試料を用いて、東ソー社製LC−8020で測定する。カラムは東ソー社製のTSKガードカラムHHR−H、TSKgel G5000HHR、TSKgel G3000HHR、TSKgel G1000HHRを直列に連結して使用し、クロロホルムを移動相として1ml/分の速度で分析する。検出器はRIディテクターを使用し、Polymer Laboratories製Easy Cal PS−2(分子量:377400、96000、19720、4490、1180、188700、46500、9920、2360、580)のポリスチレン、及びスチレンモノマー(分子量104)を標準物質として数平均分子量及び重量平均分子量を求め、p=0及び、p≧1のピークを特定し、それぞれのピークの面積比を算出する。 - 化合物(F)としてヒンダートフェノール系酸化防止剤をさらに含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記化合物(A)が、前記式(1)中のR1がメチルであり、且つ、前記式(2)で表される基中のR2がメチルである化合物を含む、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
- 前記式(1)中のB1が、ノルボルネン骨格若しくはノルボルナン骨格を有する多環式炭化水素基、及び/又は、B2が、ノルボルナン骨格を有する多環式炭化水素基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- ヒドロシリル化反応触媒(C)をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 密着性改良剤(D)をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 前記化合物(B)が、環状シロキサン;環状シロキサンのケイ素原子に結合する1以上の水素原子に代えてノルボルネン骨格又はノルボルナン骨格を有する多環式炭化水素基を有する化合物;及び、環状シロキサンのケイ素原子に結合する1以上の水素原子に代えて下記式(5)で表される置換基を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項5又は6に記載の硬化性組成物。
Aは、各々独立して、下記式(2)で表される基、又は、フェニレン基であり、
B1は、炭素−炭素二重結合を1つ以上有する、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
B2は、各々独立して、非置換若しくは置換の多環式炭化水素基であり、
pは0以上の整数である。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物の硬化物。
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