JP6452545B2 - 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Description
また、本発明の他の目的は、硫黄バリア性と耐熱衝撃性に優れた材料(封止材やレンズ等)を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、硫黄バリア性と耐熱衝撃性に優れた材料(封止材やレンズ等)を備えた光半導体装置を提供することにある。
(A):分子内に2個以上のアルケニル基及び1個以上のアリール基を有するポリオルガノシロキシシルアルキレン
(B):分子内に1個以上のヒドロシリル基を有し、脂肪族不飽和基を有しないポリオルガノシロキサン
(C):白金族金属を含むヒドロシリル化触媒
(D):ラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン構造(数平均分子量:500〜1500、分子量分散度(Mw/Mn):1.00〜1.40)と、前記ラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン構造に結合する1個以上のアルケニル基と、1個以上のアリール基と、1個以上の直鎖状シリコーン構造を有する化合物
(E):分子内に1個以上のアルケニル基を有する分岐鎖状のポリオルガノシロキサン
(F):分子内に下記式(f-1)で表される基及び下記式(f-2)で表される基の何れか一方若しくは両方を有するイソシアヌレート化合物
(G):シランカップリング剤
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、下記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分を必須成分として含有する、ヒドロシリル化反応により硬化する付加硬化型のシリコーン樹脂組成物である。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、前記成分以外の任意成分を含有していてもよい。
(A)成分は、分子内に2個以上のアルケニル基及び1個以上のアリール基を有するポリオルガノシロキシシルアルキレンである。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において(A)成分は、ヒドロシリル基を有する成分(例えば、(B)成分等)とヒドロシリル化反応を生じる。但し、(A)成分には後述の(D)成分や(E)成分に含まれる化合物は含まれない。
(R1 2SiO2/2)a1(R1 3SiO1/2)a2(R1SiO3/2)a3(SiO4/2)a4(RA)a5(X1O)a6
で表されるポリオルガノシロキシシルアルキレンが好ましい。上記平均単位式中、R1は、同一又は異なって、一価の置換又は無置換炭化水素基であり、例えば、アルキル基[例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等]、シクロアルキル基[例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等]、シクロアルキル−アルキル基[例えば、シクロへキシルメチル基、メチルシクロヘキシル基等]、炭化水素基における1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたハロゲン化炭化水素基[例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等]、アルケニル基[例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の置換又は無置換アルケニル基等]、及びアリール基[例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基等)等の置換又は無置換C6-14アリール基等]が挙げられる。但し、R1の一部はアルケニル基(特にビニル基)であり、その割合は、分子内に2個以上となる範囲に制御される。例えば、R1の全量(100モル%)に対するアルケニル基の割合は、0.1〜40モル%が好ましい。アルケニル基の割合を上記範囲に制御することにより、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性がより向上する傾向がある。また、R1の一部はアリール基(特にフェニル基)であり、その割合は、分子内に1個以上となる範囲に制御される。例えば、R1の全量(100モル%)に対するアリール基の割合は、10〜60モル%が好ましい。アリール基の割合を上記範囲に制御することにより、硬化物の硫黄バリア性がより向上する傾向がある。アルケニル基、アリール基以外のR1としては、アルキル基(特にメチル基)が好ましい。
(B)成分は、分子内に1個以上(好ましくは2個以上)のヒドロシリル基(Si−H)を有し、なおかつ主鎖として−Si−O−Si−(シロキサン結合)を有し、脂肪族不飽和基(例えば、エチレン性不飽和基、アセチレン性不飽和基等の非芳香族性の炭素−炭素二重結合を有する脂肪族炭化水素基)とシルアルキレン結合を有しないをポリオルガノシロキサン(単に「ポリオルガノシロキサン(B)」と称する場合がある)である。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において(B)成分は、アルケニル基を有する成分(例えば、(A)成分、(D)成分、(E)成分等)とヒドロシリル化反応を生じる。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は(B)成分を含むことにより、ヒドロシリル化反応を効率的に進行させることができ、優れた硫黄バリア性を有する硬化物が得られる。
(R2SiO3/2)b1(R2 2SiO2/2)b2(R2 3SiO1/2)b3(SiO4/2)b4(X2O1/2)b5
で表されるポリオルガノシロキサンが好ましい。上記平均単位式中、R2は、同一又は異なって、水素原子、又は、一価の置換若しくは無置換炭化水素基(但し、脂肪族不飽和基は除く)であり、例えば、水素原子、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基の具体例(但し、アルケニル基は除く)が挙げられる。但し、R2の一部は水素原子(ヒドロシリル基を構成する水素原子)であり、その割合は、ヒドロシリル基が分子内に1個以上(好ましくは2個以上)となる範囲に制御される。例えば、R2の全量(100モル%)に対する水素原子の割合は、0.1〜40モル%が好ましい。水素原子の割合を上記範囲に制御することにより、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性がより向上する傾向がある。また、水素原子以外のR2としては、アルキル基(特にメチル基)、アリール基(特にフェニル基)が好ましい。
(C)成分は、白金族金属を含むヒドロシリル化触媒である。すなわち、(C)成分は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金からなる群より選択される少なくとも1種の金属(白金族金属)を含むヒドロシリル化触媒である。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は(C)成分を含むため、加熱により硬化性シリコーン樹脂組成物中のアルケニル基とヒドロシリル基の間のヒドロシリル化反応を効率的に進行させることができる。
(D)成分は、ラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン構造(数平均分子量:500〜1500、分子量分散度(Mw/Mn):1.00〜1.40)と、前記ラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン構造に結合する1個以上のアルケニル基と、1個以上のアリール基と、1個以上の直鎖状シリコーン構造を有する化合物である。(D)成分は、アルケニル基及びアリール基以外の基(例えば、メチル基等のアルキル基)を有していていてもよい。前記アルケニル基、アリール基、及びこれら以外の基は、ケイ素原子に結合した基であることが好ましい。
<数平均分子量及び重量平均分子量の測定方法>
数平均分子量及び重量平均分子量の測定は以下の条件で行った。
Alliance HPLCシステム 2695(Waters製)
Refractive Index Detector 2414(Waters製)
カラム:Tskgel GMHHR−M(東ソー(株)製)×2個
ガードカラム:Tskgel guard column HHRL(東ソー(株)製)
カラムオーブン:COLUMN HEATER U−620(Sugai製)
溶媒:THF
測定温度:40℃
測定装置:商品名「FT−720」((株)堀場製作所製)
測定方法:透過法
分解能:4cm-1
測定波数域:400〜4000cm-1
積算回数:16回
本発明におけるラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(a)は、分子内に2個以上のアルケニル基及び1個以上のアリール基を有し、ヒドロシリル基を有さない、ラダー構造の−Si−O−Si−骨格を有するポリオルガノシルセスキオキサンである。ラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(a)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明における直鎖状シリコーン(b)は、ヒドロシリル基を2個以上有する直鎖状のシリコーンである。直鎖状シリコーン(b)は脂肪族不飽和基を有さないことが好ましい。直鎖状シリコーン(b)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明における(D)成分は、上記ラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(a)と直鎖状シリコーン(b)をヒドロシリル化反応に付して得られる。
(E)成分は、分子内に1個以上のアルケニル基を有する分岐鎖状のポリオルガノシロキサンである。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において(E)成分は、(A)成分と共に、ヒドロシリル基を有する成分(例えば、(B)成分等)とヒドロシリル化反応を生じる。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は(E)成分を含有するため、耐熱性、耐熱衝撃性、及び硫黄バリア性に優れた硬化物が得られる。
(R5SiO3/2)c1(R5 2SiO2/2)c2(R5 3SiO1/2)c3(SiO4/2)c4(X3O1/2)c5
で表されるポリオルガノシロキサンが好ましい。上記平均単位式中、R5は、同一又は異なって、一価の置換又は無置換炭化水素基であり、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基の具体例が挙げられる。但し、R5の一部はアルケニル基(特にビニル基)であり、その割合は、分子内に1個以上(好ましくは2個以上)となる範囲に制御される。例えば、R5の全量(100モル%)に対するアルケニル基の割合は、0.1〜40モル%が好ましい。アルケニル基の割合を上記範囲に制御することにより、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性がより向上する傾向がある。また、アルケニル基以外のR5としては、アルキル基(特にメチル基)、アリール基(特にフェニル基)が好ましい。
(R5a 2R5bSiO1/2)c6(R5a 3SiO1/2)c7(SiO4/2)c8(HO1/2)c9
で表されるポリオルガノシロキサンが挙げられる。上記平均単位式中、R5aは、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられ、なかでもメチル基が好ましい。また、R5bは、同一又は異なって、アルケニル基を示し、なかでもビニル基が好ましい。さらに、c6、c7、c8及びc9はいずれも、c6+c7+c8=1、c6/(c6+c7)=0.15〜0.35、c8/(c6+c7+c8)=0.53〜0.62、c9/(c6+c7+c8)=0.005〜0.03を満たす正数である。尚、c7は0であってもよい。硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性の観点で、c6/(c6+c7)は0.2〜0.3であることが好ましい。また、硬化物の硬度や機械強度の観点で、c8/(c6+c7+c8)は0.55〜0.60であることが好ましい。さらに、硬化物の密着性や機械強度の観点で、c9/(c6+c7+c8)は0.01〜0.025であることが好ましい。このようなポリオルガノシロキサンとしては、例えば、SiO4/2単位と(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位とで構成されるポリオルガノシロキサン、SiO4/2単位と(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位とで構成されるポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、イソシアヌル酸骨格を有し、下記式(f-1)で表される基及び下記式(f-2)で表される基の何れか一方又は両方を少なくとも有するイソシアヌレート化合物(「(F)成分」と称する場合がある)を含んでいてもよい。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物が(F)成分を含むことにより、硬化物の硫黄バリア性が著しく向上し、さらに、硬化物の被着体に対する密着性が向上する傾向がある。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、シランカップリング剤(「(G)成分」と称する場合がある)を含んでいてもよい。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物が(G)成分を含むことにより、被着体に対する硬化物の密着性が向上し、硫黄バリア性が一層向上する傾向がある。(G)成分は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、上述の(A)成分、(D)成分、及び(E)成分以外にも、分子内にアルケニル基を有するその他のポリオルガノシロキサン(「その他のポリオルガノシロキサン」と称する場合がある)を1種又は2種以上含んでいてもよい。その他のポリオルガノシロキサンを含むことにより、硬化性シリコーン樹脂組成物の粘度を調整したり、硬化物の物性(例えば、機械物性)のバランスを調整することができる場合がある。
(R8 2SiO2/2)d1(R8 3SiO1/2)d2(X4O1/2)d3
で表されるポリオルガノシロキサンが挙げられる。上記平均単位式中、R8は、同一又は異なって、一価の置換又は無置換炭化水素基であり、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基の具体例が挙げられる。但し、R8の一部はアルケニル基(特にビニル基)であり、その割合は、分子内に1個以上(好ましくは2個以上)となる範囲に制御される。例えば、R8の全量(100モル%)に対するアルケニル基の割合は、0.1〜40モル%が好ましい。また、アルケニル基以外のR8としては、アルキル基(特にメチル基)、アリール基(特にフェニル基)が好ましい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、硬化反応(ヒドロシリル化反応)の速度を調整するために、ヒドロシリル化反応抑制剤を含んでいてもよい。上記ヒドロシリル化反応抑制剤としては、公知乃至慣用のヒドロシリル化反応抑制剤を使用でき、特に限定されないが、例えば、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;チアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、上述のポリオルガノシロキサン((A)成分、(B)成分、(D)成分、(E)成分、その他のポリオルガノシロキサン)以外のシロキサン化合物として、例えば、分子内に2個以上の脂肪族炭素−炭素二重結合(特に、アルケニル基)を有する環状シロキサンを含んでいてもよい。また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、上記シロキサン化合物として、分子内に2個以上のヒドロシリル基を有する環状シロキサンを含んでいてもよい。上記各環状シロキサンは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、公知乃至慣用の有機溶媒や水等が挙げられ、特に限定されないが、例えば、トルエン、ヘキサン、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。尚、溶媒は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、その含有量は特に限定されず、適宜選択できる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は蛍光体を含んでいてもよい。蛍光体としては、公知乃至慣用の蛍光体(例えば、光半導体装置分野で周知の蛍光体等)を使用することができ、特に限定されないが、例えば、青色光の白色光への変換機能を封止材に対して付与したい場合には、一般式A3B5O12:M[式中、Aは、Y、Gd、Tb、La、Lu、Se、及びSmからなる群より選択された1種以上の元素を示し、Bは、Al、Ga、及びInからなる群より選択された1種以上の元素を示し、Mは、Ce、Pr、Eu、Cr、Nd、及びErからなる群より選択された1種以上の元素を示す]で表されるYAG系の蛍光体微粒子(例えば、Y3Al5O12:Ce蛍光体微粒子、(Y,Gd,Tb)3(Al,Ga)5O12:Ce蛍光体微粒子等);シリケート系蛍光体微粒子(例えば、(Sr,Ca,Ba)2SiO4:Eu等)等が挙げられる。尚、蛍光体は、周知慣用の表面処理がされたものであってもよい。また、蛍光体は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、上述の成分以外の成分(「その他の成分」と称する場合がある)を含んでいてもよい。その他の成分としては、特に限定されないが、例えば、シリカフィラー、酸化チタン、アルミナ、ガラス、石英、アルミノケイ酸、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、カーボンブラック、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の無機質充填剤や、これらの充填剤をオルガノハロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノシラザン等の有機ケイ素化合物により処理した無機質充填剤;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の有機樹脂微粉末;銀、銅等の導電性金属粉末等の充填剤、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤等)、難燃剤(リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤等)、難燃助剤、補強材(他の充填剤等)、核剤、シランカップリング剤以外のカップリング剤、滑剤、ワックス、可塑剤、離型剤、耐衝撃性改良剤、色相改良剤、流動性改良剤、着色剤(染料、顔料等)、表面調整剤(例えば、各種ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の化合物)、分散剤、消泡剤、脱泡剤、抗菌剤、防腐剤、粘度調整剤、増粘剤、その他の機能性添加剤(例えば、カルボン酸の亜鉛塩等の亜鉛化合物等)等の周知慣用の添加剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。尚、その他の成分の含有量(配合量)は、特に限定されず、適宜選択することが可能である。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化(特に、ヒドロシリル化反応により硬化)させることによって、硬化物(「本発明の硬化物」と称する場合がある)が得られる。硬化の際の条件は、特に限定されず、従来公知の条件より適宜選択することができるが、例えば、反応速度の点から、温度(硬化温度)は25〜180℃(より好ましくは60〜150℃)が好ましく、時間(硬化時間)は5〜720分が好ましい。本発明の硬化物は、ポリシロキサン系材料特有の高い耐熱性及び透明性を有することに加え、耐熱衝撃性、被着体に対する密着性、及び硫黄バリア性に優れた硬化物が得られる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、特に、光半導体装置における光半導体素子(LED素子)の封止用樹脂組成物(光半導体封止用樹脂組成物)(「本発明の封止剤」と称する場合がある)として好ましく使用できる。本発明の封止剤を硬化させることにより得られる封止材(硬化物)は、ポリシロキサン系材料特有の高い耐熱性及び透明性を有することに加え、耐熱衝撃性、被着体に対する密着性、及び硫黄バリア性に優れる。このため、本発明の封止材は、特に、高輝度、短波長の光半導体素子の封止材等として好ましく使用できる。本発明の封止材を使用して光半導体素子を封止することにより、光半導体装置(「本発明の光半導体装置」と称する場合がある)を得ることができる。すなわち、本発明の光半導体装置は、光半導体素子と、該光半導体素子を封止する封止材とを少なくとも含み、上記封止材が本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物(本発明の封止剤)の硬化物(本発明の硬化物)である光半導体装置である。尚、光半導体素子の封止は、公知乃至慣用の方法により実施でき、特に限定されないが、例えば、本発明の封止剤を所定の成形型内に注入し、所定の条件で加熱硬化することで実施できる。硬化温度と硬化時間は、特に限定されず、硬化物の調製時と同様の範囲で適宜設定することができる。本発明の光半導体装置の一例を図1に示す。
また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、光半導体装置に備えられるレンズ(光半導体用レンズ)を形成するための組成物(光半導体用レンズの形成用組成物)(「本発明のレンズ形成用組成物」と称する場合がある)としても好ましく使用できる。本発明のレンズ形成用組成物を硬化させることにより得られるレンズは、高い耐熱性及び透明性を有することに加えて、被着体に対する密着性及び硫黄バリア性に優れる。本発明のレンズ形成用組成物を使用することにより、光半導体装置(これも「本発明の光半導体装置」と称する場合がある)を得ることができる。すなわち、本発明の光半導体装置は、光半導体素子とレンズとを少なくとも含み、上記レンズが本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物(本発明のレンズ形成用組成物)の硬化物(本発明の硬化物)である光半導体装置である。尚、本発明のレンズ形成用組成物を用いた光半導体用レンズの製造は、公知乃至慣用の方法により実施でき、特に限定されないが、例えば、本発明のレンズ形成用組成物を所定の成形型内に注入して所定の条件で加熱硬化する方法や、ディスペンサー等によって塗布して所定の条件で加熱硬化する方法等によって実施できる。硬化温度と硬化時間は、特に限定されず、硬化物の調製時と同様の範囲で適宜設定することができる。本発明の光半導体装置が上記レンズを備える態様は特に限定されず、例えば、本発明の光半導体装置が封止材を有する場合には、該封止材の表面上の一部又は全部に配置された態様、上記光半導体装置の光半導体素子を封止する態様(すなわち、本発明の硬化物が封止材とレンズとを兼ねる態様)等であってもよい。より具体的には、例えば、国際公開第2012/147342号、特開2012−188627号公報、特開2011−233605号公報等に開示された態様等が挙げられる。
1H−NMRの測定はCDCl3(和光純薬工業(株)製、032−18013)中、CHCl3を内部標準として(δ=7.26)、核磁気共鳴装「JNM ECA−500」(日本電子(株)製)で測定した。
<ビニル基重量率、フェニル基重量率の算出方法>
ビニル基重量率及びフェニル基重量率はCDCl3(和光純薬工業(株)製、032−18013)中、内部標準物質として1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパン(東京化成工業(株)製、H0015)、(δ=6.51)を用いて1H−NMRで算出した。
<数平均分子量及び重量平均分子量の測定方法>
数平均分子量及び重量平均分子量の測定は以下の条件で行った。
Alliance HPLCシステム 2695(Waters製)
Refractive Index Detector 2414(Waters製)
カラム:Tskgel GMHHR−M(東ソー(株)製)×2個
ガードカラム:Tskgel guard column HHRL(東ソー(株)製)
カラムオーブン:COLUMN HEATER U−620(Sugai製)
溶媒:THF
測定温度:40℃
(工程1)
反応容器に、フェニルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製)15.86g及びメチルイソブチルケトン(MIBK)6.16gを仕込み、これらの混合物を10℃まで冷却した。上記混合物に水4.32g及び5Nの塩酸0.16g(塩化水素として2.4mmol)を1時間かけて滴下した。滴下後、これらの混合物を10℃で1時間保持した。その後、MIBKを26.67g添加して、反応溶媒を希釈した。
次に、反応容器の温度を70℃まで昇温し、70℃になった時点で5Nの塩酸0.16g(塩化水素として25mmol)を添加し、重縮合反応を窒素雰囲気下で4時間行った。
続いて、上記反応溶液にジビニルテトラメチルジシロキサン11.18g及びヘキサメチルジシロキサン3.25gを添加して、シリル化反応を70℃で4時間行った。その後、反応溶液を冷却し、下層液が中性になるまで水洗を行い、その後、上層液を分取した。
次に、当該上層液から、1mmHg、40℃の条件で溶媒を留去し、無色透明の液体のビニル基を有するラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(a)(ビニル基重量率:6.60重量%、数平均分子量:840、分子量分散度(Mw/Mn):1.06)13.0gを得た。
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた300mLの4口フラスコに、得られたラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(a)(50.05g、ビニルシリル基:122.1mmol)、トルエン(50.06g、543.3mmol)、Pt−vts−トルエン溶液(白金として2.0重量%含有)(0.0173g,1.773×10-3mmol)を加え、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニルトリシロキサン(12.01g、36.11mmol)とトルエン(40.05g、434.7mmol)の混合溶液を85℃に維持しながら50分かけて滴下した。85℃で6時間撹拌後、化合物(d-1)を含む反応液を得た。
得られた反応液を少量サンプリングして、1H−NMRにより反応生成物の構造を確認した。その結果、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。
低沸点分を減圧留去して、60.3gの無色透明液状の化合物(d-1)を得た。
化合物(d-1)の1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。
1H-NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:0.31-0.61(br),5.49-6.19(br),7.05-7.86(br).
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた300mLの4口フラスコに合成例1の工程1と同様の方法で得られたラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(a)(55.07g、ビニルシリル基:134.4mmol)、トルエン(55.06g、597.6mmol)、Pt−vts−トルエン溶液(0.0172g、1.763×10-3mmol)を加え、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニルトリシロキサン(8.97g、26.97mmol)とトルエン(22.04g、239.2mmol)の混合溶液を85℃に維持しながら50分かけて滴下した。85℃で6時間撹拌後、化合物(d-2)を含む反応液を得た。
得られた化合物は合成例1と同様の方法で、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことを確認した。低沸点分を減圧留去して、61.1gの無色透明液状の化合物(d-2)を得た。
1H-NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:0.31-0.55(br),5.49-6.25(br),6.99-7.87(br).
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた300mLの4口フラスコに合成例1の工程1と同様の方法で得られたラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(a)(50.02g、ビニルシリル基:122.1mmol)、トルエン(50.03g、543.0mmol)、Pt−vts−トルエン溶液(0.0143g、1.466×10-3mmol)を加え、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(7.53g、36.12mmol)とトルエン(19.02g、206.4mmol)の混合溶液を85℃に維持しながら50分かけて滴下した。85℃で6時間撹拌後、化合物(d-3)を含む反応液を得た。
得られた化合物は合成例1と同様の方法で、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことを確認した。
低沸点分を減圧留去して、54.1gの無色透明液状の化合物(d-3)を得た。
1H-NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:0.27-0.35(br),5.49-6.18(br),7.05-7.81(br).
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた300mLの4口フラスコに合成例1の工程1と同様の方法で得られたラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(a)(50.30g、ビニルシリル基:122.7mmol)、トルエン(50.30g、545.9mmol)、Pt−vts−トルエン溶液(0.0142g、1.456×10-3mmol)を加え、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(5.09g、24.41mmol)とトルエン(16.02g、173.9mmol)の混合溶液を85℃に維持しながら50分かけて滴下した。85℃で6時間撹拌後、化合物(d-4)を含む反応液を得た。
得られた化合物は合成例1と同様の方法で、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことを確認した。
低沸点分を減圧留去して、53.1gの無色透明液状合の化合物(d-4)を得た。
1H-NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:0.28-0.47(br),5.48-6.27(br),6.99-7.87(br).
(工程1)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた500mLの4口フラスコに1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(56.45g、270.8mmol)、トルエン(133.9g,1454.2mmol)、Pt−vts−トルエン溶液(0.0252g、2.584×10-3mmol)を加え、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(40.37g,216.6mmol)を80℃に維持しながら50分かけて滴下した。80℃で6時間撹拌後、両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。反応生成物の構造は1H−NMRにより確認した。その結果、ビニル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。その後、室温に冷却した。
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた300mLの4口フラスコに合成例1の工程1と同様の方法で得られたラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(a)(37.90g、ビニルシリル基:92.48mmol)、トルエン(40.03g、434.5mmol)、Pt−vts−トルエン溶液(0.0099g、1.015×10-3mmol)、工程1で得られた反応液40.10g(反応液中のヒドロシリル基:18.53mmol)を85℃に維持しながら50分かけて滴下した。85℃で6時間撹拌後、化合物(d-5)を含む反応液を得た。
得られた化合物は合成例1と同様の方法で、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことを確認した。
低沸点分を減圧留去して、52.4gの無色透明液状の化合物(d-5)を得た。
1H-NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:0.34-0.62(br),1.02-1.08(br),5.46-6.26(br),6.97-7.87(br).
(工程1)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた500mLの4口フラスコに1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(56.45g、270.8mmol)、トルエン(133.9g、1454.2mmol)、Pt−vts−トルエン溶液(0.0252g、2.584×10-3mmol)を加え、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(40.37g、216.6mmol)を80℃に維持しながら50分かけて滴下した。80℃で6時間撹拌後、両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。反応生成物の構造は1H−NMRにより確認した。その結果、ビニル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。その後、室温に冷却した。
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた300mLの4口フラスコに合成例1の工程1と同様の方法で得られたラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(a)(31.57g、ビニルシリル基:77.03mmol)、トルエン(35.04g、380.3mmol)、Pt−vts−トルエン溶液(0.0078g、7.966×10-4mmol)、工程1で得られた反応液50.12g(反応液中のヒドロシリル基:23.16mmol)を85℃に維持しながら50分かけて滴下した。85℃で6時間撹拌後、化合物(d-6)を含む反応液を得た。
得られた化合物は合成例1と同様の方法で、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことを確認した。
低沸点分を減圧留去して、49.8gの無色透明液状の化合物(d-6)を得た。
1H-NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:0.29-0.59(br),1.02-1.08(br),5.49-6.20(br),6.97-7.87(br).
(工程1)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた500mLの4口フラスコに1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(62.54g、300.0mmol)、トルエン(154.3g、1674.6mmol)、Pt−vts−トルエン溶液(0.0238g、2.440×10-3mmol)を加え、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(31.15g、210.0mmol)を80℃に維持しながら50分かけて滴下した。80℃で6時間撹拌後、両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。反応生成物の構造は1H−NMRにより確認した。その結果、ビニル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。低沸点分を減圧留去して、92.8gの無色透明液状ヒドロシリル基含有直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを得た。
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた300mLの4口フラスコに合成例1の工程1と同様の方法で得られたラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(a)(35.43g、ビニルシリル基:86.45mmol)、トルエン(45.00g、486.6mmol)、Pt−vts−トルエン溶液(0.0092g、9.432×10-4mmol)、工程1で得られたヒドロシリル基含有直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレン(17.51g、ヒドロシリル基:26.07mmol)とトルエン(20.00g、217.1mmol)の混合溶液を85℃に維持しながら50分かけて滴下した。85℃で6時間撹拌後、化合物(d-7)を含む反応液を得た。
得られた化合物は合成例1と同様の方法で、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことを確認した。
低沸点分を減圧留去して、51.0gの無色透明液状の化合物(d-7)を得た。
1H-NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:0.28-0.62(br),1.02-1.08(br),5.47-6.20(br),6.97-7.86(br).
(工程1)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた500mLの4口フラスコに1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(62.54g、300.0mmol)、トルエン(154.3g、1674.6mmol)、Pt−vts−トルエン溶液(0.0238g、2.440×10-3mmol)を加え、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(31.15g、210.0mmol)を80℃に維持しながら50分かけて滴下した。80℃で6時間撹拌後、両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。反応生成物の構造は1H−NMRにより確認した。その結果、ビニル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。低沸点分を減圧留去して、92.8gの無色透明液状ヒドロシリル基含有直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを得た。
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた300mLの4口フラスコに合成例1の工程1と同様の方法で得られたラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(a)(30.50g、ビニルシリル基:74.59mmol)、トルエン(45.00g、488.7mmol)、Pt−vts−トルエン溶液(0.0080g、8.201×10-4mmol)、工程1で得られたヒドロシリル基含有直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレン(30.05g、ヒドロシリル基:44.74mmol)とトルエン(30.04g、326.0mmol)の混合溶液を85℃に維持しながら50分かけて滴下した。85℃で6時間撹拌後、化合物(d-8)を含む反応液を得た。
得られた化合物は合成例1と同様の方法で、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことを確認した。
低沸点分を減圧留去して、58.8gの無色透明液状の化合物(d-8)を得た。
1H-NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:0.31-0.63(br),1.01-1.07(br),5.46-6.19(br),7.05-7.85(br).
[硬化性シリコーン樹脂組成物の製造]
まず、表1に示すように、「ETERLED GS5145A」20重量部及び合成例1で得られた化合物(d-1)5重量部を混合し、40℃で2時間撹拌して、A剤を調製した。
次に、上記で得たA剤に、B剤として「ETERLED GS5145B」80重量部を混合し、自公転式撹拌装置(商品名「あわとり練太郎」、(株)シンキー製、型番:ARE−310)を用いて撹拌5分、脱泡2分で混練し、硬化性シリコーン樹脂組成物を製造した。
図1に示す態様のLEDパッケージ(硫黄腐食性試験、吸湿リフロー試験用:InGaN素子、3.5mm×2.8mm、熱衝撃性試験用:InGaN素子、5.0mm×5.0mm)に、上記で得られた硬化性シリコーン樹脂組成物を注入し、60℃で1時間、続いて80℃で1時間、さらに150℃で4時間加熱することで、上記硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置を製造した。
硬化性シリコーン樹脂組成物の組成を表1(単位:重量部)に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置を製造した。
表2に示すように、「ETERLED GS5145A」20重量部、及び合成例5で得られた化合物(d-5)5重量部、「MA−DGIC」0.1重量部[実施例17ではさらに「OFS−6040」0.4重量部を混合し]、70℃で2時間撹拌して、A剤を調製した。
次に、上記で得たA剤に、B剤として商品名「ETERLED GS5145B」80重量部を混合し、自公転式撹拌装置(商品名「あわとり練太郎」、(株)シンキー製、型番:ARE−310)を用いて撹拌5分、脱泡2分で混練し、硬化性シリコーン樹脂組成物を製造した。
上記で得られた硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
上記で製造した光半導体装置を試料として用いた。
まず、上記試料について、全光束測定機(オプトロニックラボラトリーズ社製、マルチ分光放射測定システム「OL771」)を用いて、20mAの電流を流した際の全光束(単位:lm)を測定し、これを「腐食性試験前の全光束」とした。
次に、上記試料と硫黄粉末(キシダ化学(株)製)0.3gとを450mLのガラス瓶に入れ、さらに上記ガラス瓶をアルミ製の箱の中に入れた。続いて、上記アルミ製の箱を80℃のオーブン(ヤマト科学(株)製、型番:DN−64)に入れ、24時間後に取り出した。加熱後の試料について上記と同様に全光束を測定し、これを「腐食性試験後の全光束」とした。そして、腐食性試験前後における全光束の維持率(%)[=100×(腐食性試験後の全光束(lm))/(腐食性試験前の全光束(lm))]を算出した。
光度維持率が高いほど、硬化物(封止材)が腐食性ガスに対するバリア性に優れることを示す。尚、硬化性シリコーン樹脂組成物ごとに(各実施例・比較例ごとに)10個の光半導体装置について光度維持率を測定・算出し、表2にはこれらの光度維持率の平均値(N=10)を示した。
上記で製造した光半導体装置を試料として用いた。試料は、硬化性シリコーン樹脂組成物ごとに10個ずつ用いた。尚、試料は、試験前に20mAの電流を通電した時に点灯するものであることを確認した上で用いた。
上記試料について、熱衝撃試験機(エスペック(株)製、型番:TSB−21)を用いて、温度−40℃で5分間、続いて温度100℃で5分間曝露することを1サイクルとした熱衝撃付与を100サイクル実施し、その後、100サイクルの熱衝撃を付与した後の試料について、20mAの電流を通電し、点灯しなかった試料の数を計測した。
上記試料について、熱衝撃付与を200サイクル、及び500サイクル実施した場合についても同様に行った。
実施例及び比較例で得られた硬化性シリコーン樹脂組成物について、上記硫黄腐食性試験、及び熱衝撃性試験の評価結果に基づき、以下の基準で総合判定を行った。
○(良好である):硫黄腐食性試験の評価結果が80%以上であり、且つ熱衝撃性試験において、200サイクルの熱衝撃を付与した後の評価結果が○である。
×(不良である):硫黄腐食性試験の評価結果が80%未満である、及び/又は熱衝撃性試験において、200サイクルの熱衝撃を付与した後の評価結果が×である。
(A剤)
GS5145A:(A)成分を含むシリコーン樹脂[(C)成分(ヒドロシリル化触媒)を含む]、商品名「ETERLED GS5145A」、長興材料工業製
OE6630A:(A)成分を含まないシリコーン樹脂[(C)成分(ヒドロシリル化触媒)を含む]、商品名「OE−6630A」、東レ・ダウコーニング(株)製
OE6631A:(A)成分を含まないシリコーン樹脂[(C)成分(ヒドロシリル化触媒)を含む]、商品名「OE−6631A」、東レ・ダウコーニング(株)製
OE6650A:(A)成分を含まないシリコーン樹脂[(C)成分(ヒドロシリル化触媒)を含む]、商品名「OE−6650A」、東レ・ダウコーニング(株)製
化合物(d-1)〜(d-8):合成例1〜8で得られた化合物
ラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(a):合成例1の工程1で得られた化合物
MA−DGIC:モノアリルジグリシジルイソシアヌレート((F)成分)、商品名「MA−DGIC」、四国化成工業(株)製
OFS−6040:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン((G)成分)、商品名「XIAMETER OFS−6040」、ダウコーニング社製
(B剤)
GS5145B:(B)成分及び(E)成分を含むシリコーン樹脂、商品名「ETERLED GS5145B」、長興材料工業製
OE6630B:(B)成分及び(E)成分を含むシリコーン樹脂、商品名「OE−6630B」、東レ・ダウコーニング(株)製
OE6631B:(B)成分及び(E)成分を含むシリコーン樹脂、商品名「OE−6631B」、東レ・ダウコーニング(株)製
OE6650B:(B)成分及び(E)成分を含むシリコーン樹脂、商品名「OE−6650B」、東レ・ダウコーニング(株)製
101:金属配線(電極)
102:光半導体素子
103:ボンディングワイヤ
104:硬化物(封止材)
Claims (12)
- 下記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分を含む硬化性シリコーン樹脂組成物。
(A):分子内に2個以上のアルケニル基及び1個以上のアリール基を有するポリオルガノシロキシシルアルキレン
(B):分子内に1個以上のヒドロシリル基を有し、脂肪族不飽和基を有しないポリオルガノシロキサン
(C):白金族金属を含むヒドロシリル化触媒
(D):ラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン構造(数平均分子量:500〜1500、分子量分散度(Mw/Mn):1.00〜1.40)と、前記ラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン構造に結合する1個以上のアルケニル基と、1個以上のアリール基と、1個以上の直鎖状シリコーン構造を有する化合物
(E):分子内に1個以上のアルケニル基を有する分岐鎖状のポリオルガノシロキサン - 前記(D)成分が、分子内に2個以上のアルケニル基及び1個以上のアリール基を有し、ヒドロシリル基を有さないラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン(数平均分子量:500〜1500、分子量分散度(Mw/Mn):1.00〜1.40)と、ヒドロシリル基を2個以上有する直鎖状シリコーンをヒドロシリル化反応させて得られる化合物である請求項1に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
- 前記(D)成分の数平均分子量が1000〜5000である請求項1又は2に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
- 前記(D)成分の分子量分散度(Mw/Mn)が1.00〜40.00である請求項1〜3の何れか1項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
- 下記(G)成分を含む請求項1〜5の何れか1項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
(G):シランカップリング剤 - さらに蛍光体を含む請求項1〜6の何れか1項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
- 光半導体封止用樹脂組成物である請求項1〜7の何れか1項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
- 光半導体用レンズの形成用樹脂組成物である請求項1〜7の何れか1項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
- 光半導体素子と、該光半導体素子を封止する封止材とを含み、前記封止材が請求項9に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物である光半導体装置。
- 光半導体素子とレンズとを含み、前記レンズが請求項10に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物である光半導体装置。
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