JP4900782B2 - 硬化性シリコーン組成物 - Google Patents
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Description
(A)下記式(1)で示される珪素に結合したノルボルネニル基を有するシクロポリシロキサンと、
(R1及びR2は、互いに独立に、炭素数1〜12の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基がハロゲン化もしくはシアノ化された基であり、mは1から10の整数、nは0から10の整数であり、但しm+n≧3である)
下記(B)及び(C)を、(B)のSiH結合のモル量と(C)のSiH結合のモル量の合計が、前記(A)成分の不飽和結合のモル量に対する比で0.1〜10となる量、
(B)下記式(2)で表されるシクロポリシロキサン単位と下記式(6)で表されるシクロポリシロキサン単位を有するポリシクロポリシロキサンであって、下記式(2)のYが下記式(6)のSi−に結合しているポリシクロポリシロキサン
(R4は炭素数1〜12の互いに独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基がハロゲン化もしくはシアノ化された基であり、j及びkは、夫々1〜9の整数、但しj+kは3〜10であり、Yは炭素数2〜10のアルキレン基である)
(式中、R8およびR9は、互いに独立に炭素数1〜12の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基がハロゲン化もしくはシアノ化された基であり、tは2〜10の整数であり、uは0〜7の整数であり、かつt+uは3〜10である)
(C)下記式(3)で示されるSiH結合を2個有するシクロポリシロキサン、
(R3は炭素数1〜12の互いに独立に、ハロゲン原子もしくはシアノ基で置換されていてよいアルキル基であり、gは1〜8の整数である)
及び、
触媒量の(D)付加反応触媒と、
を含む組成物。
(A)成分
本発明の組成物において、(A)成分は上記式(1)で示される珪素に結合したノルボルネニル基とビニル基を有するシクロポリシロキサンであり、2種以上のシクロポリシロキサンの混合物であってよい。本組成物においてノルボルネニル基の存在は極めて重要である。該シクロポリシロキサンを、ノルボルネニル基を欠く点でのみ異なるシクロポリシロキサンに代えた組成物は、その硬化物の表面に多数のクラックが発生することが見出された。即ち、ノルボルネニル構造が硬化物に可撓性を与える。なお、式(1)中、ノルボルネニル基を有するシロキサン単位と、ビニル基を有するシロキサン単位との結合順は、ランダムであってよい。
(B)成分は、下記式(2)で表されるシクロポリシロキサン単位と下記式(6)で表されるシクロポリシロキサン単位を有するポリシクロポリシロキサンであって、下記式(2)のYが下記式(6)のSi−に結合しているポリシクロポリシロキサンであり、2種以上の物の混合物であってよい。
式中、R4は炭素数1〜12の互いに独立に、置換されていてよいアルキル基であり、j及びkは、夫々1〜9の整数、但しj+kは3〜10であり、Yは炭素数2〜10のアルキレン基である。該アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、sec-ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、o-,m-,p-トリル等のアリール基;ベンジル基、2-フェニルエチル基等のアラルキル基;およびこれらの基がハロゲン化もしくはシアノ化された基、例えばクロロメチル基、3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基、及び2-シアノエチル基等が挙げられ、これらの中では、メチル基が好ましい。
式中、R 8 およびR 9 は、互いに独立に、上述のR 4 と同じ基から選択され、メチル基が好ましい。tは2〜10、好ましくは2〜8の整数であり、uは0〜7、好ましくは0〜2の整数であり、かつt+uの和は、上述のj+kと同様、3〜10、好ましくは3〜6の整数である。なお式中、各シロキサン単位同士の結合順には制限は無く、任意であってよい。
また、上記式(6)で表わされるシクロポリシロキサン単位のSi−に上記式(2)が有するYが結合したシクロポリシロキサン単位の好ましいものとして、アルキレン基4つで結合されている単位が例示される。
ここで、Meはメチル基、Yは上記したとおりである。
上記(b1)成分としては、例えば、下記式(4)で表されるシクロポリシロキサンが挙げられる。
式中、R5およびR6は、互いに独立に、上述のR4と同じ基から選択され、メチル基が好ましい。rは2〜10、好ましくは2〜8の整数であり、sは0〜7、好ましくは0〜2の整数であり、かつr+sの和は、上述のj+kと同様、3〜10、好ましくは3〜6の整数である。なお式中、各シロキサン単位同士の結合順には制限は無く、任意であってよい。
式中、R8およびR9は、互いに独立に、上述のR4と同じ基から選択され、メチル基が好ましい。R7は炭素数2〜10のアルケニル基であり、tは2〜10、好ましくは2〜8の整数であり、uは0〜7、好ましくは0〜2の整数であり、かつt+uの和は、上述のj+kと同様、3〜10、好ましくは3〜6の整数である。なお式中、各シロキサン単位同士の結合順には制限は無く、任意であってよい。
本組成物の(C)成分は下記式(3)で示される一分子中にSiH結合を2個有するシクロポリシロキサンであり、2種以上のものの混合物であってよい。
R3は炭素数1〜12の互いに独立に、置換されていてよいアルキル基であり、gは1〜8、好ましくは1〜4の整数である。R3は例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、sec-ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;およびこれらの基が、ハロゲン化もしくはシアノ化された基、例えば、クロロメチル基、3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基、及び2-シアノエチル基等が挙げられ、これらの中では、特にプロピル基が好ましい。
(D)付加反応触媒としては、周期律表の第VIII族元素及びその化合物が使用可能であり、特に、白金及びその化合物が好適である。塩化白金酸や白金とアルコールとを反応させたもの、エチレン等のオレフィン、ビニルシロキサン等との錯体、シリカ、アルミナ、カーボン等に担持された金属白金、およびこれらの混合物を挙げることができる。白金以外の白金族金属触媒として、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物も知られており、例えばRhCl(PPh3)3、RhCl(CO)(PPh3)2、Ru3(CO)12、IrCl(CO)(PPh3)2、Pd(PPh3)4等を例示することができる。付加反応の触媒の配合量は、触媒量であってよい。典型的には、(A)、(B)及び(C)成分の合計量100質量部に対して0.001から10質量部、より典型的には0.01から5質量部である。触媒量未満であると硬化性が悪く実用的でない。また必要以上に多く使用すると、硬化は速くなるが、硬化速度が制御できなくなり、実用上問題が生じる場合がある。
本発明を以下の実施例により、さらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
攪拌装置、冷却管および温度計を備えた 2000ccの4つ口フラスコに、ジシクロペンタジエン382g(2.89モル)とメチルビニルシクロテトラシロキサン1000g(ビニル価:1.16モル/100g)を仕込み、窒素気流下150−160℃で6時間反応させた後、減圧下で低沸分を除去した。1288gの淡黄色透明液体が得られた。粘度50mPa・s、屈折率は1.480であった。これをポリシロキサンAとする。
攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた500ccの4つ口フラスコに、トルエン150gおよび 1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン 144g(0.6モル)を加え、オイルバスを用いて 80℃に加熱した。これに、5重量%の白金金属を担持したカーボン粉末 0.05g添加し、攪拌しながら1,3,5,7-テトラビニル-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン 34.4g(0.1モル)を60分間かけて滴下した。滴下終了後、更に95℃で加熱攪拌を5時間行った後、室温まで冷却した。その後、白金金属担持カーボンをろ過して除去し、トルエン及び低分子量の揮発成分を減圧留去して、無色透明なオイル状の反応生成物 115g(粘度(25℃)、770mPa・s)を得た。反応生成物のSiHの量は、0.83モル/100gであり、ビニル基は検出されなかった。この反応生成物をポリシロキサンBとする。
ポリシロキサンAを100質量部、ポリシロキサンBを70質量部、C成分として下記環状ポリシロキサン(以下これをポリシロキサンCとする)を68質量部、[(ポリシロキサンB+ポリシロキサンC中のSiH基の合計)/(ポリシロキサンA中のビニル基とノルボルネニル基)=1.19]、D成分の白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体:(A)、(B)および(C)との合計質量に対して、白金金属原子とし、20ppmを、均一になるように混合して組成物を調製した。
各成分の量比を表1に示すものに代えたことを除き、実施例1と同様にして組成物を調製した。
各組成物を、深さ9mmのアルミシャーレ内に流し込み、120℃のオーブン中で30分放置して一次硬化させ、次いで150℃のオーブン中で60分放置し後硬化させた。
<硬さ試験>
上述の方法で得た硬化物を室温まで冷却した後、ShoreD硬度計で硬さを測定した。
上述の方法で得た硬化物から約3cm2の硬化片を切り出し、50ccのガラス瓶に入れた30ccのトルエン中に、室温で30分間浸漬した。次いで、硬化片を取り出し、直ちに重量を測定し膨潤度を求めた。
上述の方法で得た硬化物から約3cm2の硬化片を切り出し、オーブン中で、180℃で72時間放置後の重量変化率を測定した。
実施例1の硬化物について、電気特性をJIS K 6249に基づき測定したところ表2の通りであった。
実施例1の組成物から得られた厚さ2mmの試験片を、(株)日立製作所製のスペクトロフォトメーター U-3310で300ナノメートルの光透過率を調べたところ79.5%であった。
ポリシロキサンAの代わりに、メチルビニルテトラシロキサンを72質量部用いた事を除き実施例1と同様に組成物を調製し、同様に硬化させた。硬化物を室温に冷却する途中で硬化物全体にクラックが発生し成型物が得られなかった。
ポリシロキサンBに代えて、鎖状のMe3Si(OSiMeH)4OSiMe3を104質量部用いた事を除き実施例1と同様に組成物を調製し、同様に硬化させた。硬化物は、柔らかくゴム状であり、硬さがShoreDで3であり、膨潤度が35%であった。
Claims (6)
- (A)下記式(1)で示される珪素に結合したノルボルネニル基を有するシクロポリシロキサンと、
(R1及びR2は、互いに独立に、炭素数1〜12の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基がハロゲン化もしくはシアノ化された基であり、mは1から10の整数、nは0から10の整数であり、但しm+n≧3である)
下記(B)及び(C)を、(B)のSiH結合のモル量と(C)のSiH結合のモル量の合計が、前記(A)成分の不飽和結合のモル量に対する比で0.1〜10となる量、
(B)下記式(2)で表されるシクロポリシロキサン単位と下記式(6)で表されるシクロポリシロキサン単位を有するポリシクロポリシロキサンであって、下記式(2)のYが下記式(6)のSi−に結合しているポリシクロポリシロキサン
(R4は炭素数1〜12の互いに独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基がハロゲン化もしくはシアノ化された基であり、j及びkは、夫々1〜9の整数、但しj+kは3〜10であり、Yは炭素数2〜10のアルキレン基である)
(式中、R8およびR9は、互いに独立に炭素数1〜12の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基がハロゲン化もしくはシアノ化された基であり、tは2〜10の整数であり、uは0〜7の整数であり、かつt+uは3〜10である)
(C)下記式(3)で示されるSiH結合を2個有するシクロポリシロキサン、
(R3は炭素数1〜12の互いに独立に、ハロゲン原子もしくはシアノ基で置換されていてよいアルキル基であり、gは1〜8の整数である)
及び、
触媒量の(D)付加反応触媒と、
を含む組成物。 - (A)成分の不飽和結合モル量に対する(B)成分及び(C)成分のSiH結合の合計モル量の比が0.5〜3であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物からなる粉体用バインダー
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