JP2012201515A - 易溶性酸化第二銅粉末の製造方法、易溶性酸化第二銅微粉末および硫酸銅水溶液への銅イオン供給方法 - Google Patents

易溶性酸化第二銅粉末の製造方法、易溶性酸化第二銅微粉末および硫酸銅水溶液への銅イオン供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 溶存酸素量の変動が小さく、かつ溶解性に優れる易溶性酸化第ニ銅粉末の製造方法と、その易溶性酸化第二銅粉末を用いた銅電気めっきに用いられる硫酸銅水溶液における銅イオン濃度の調整方法を提供する。
【解決手段】 塩基性炭酸銅を原料とした易溶性酸化第二銅粉末の製造方法であって、その塩基性炭酸銅を原料に用いて得られた比表面積5m/g以上で、平均粒子径が200nm以下の多孔質酸化第二銅粉末を、酸素含有雰囲気下で、400℃を越え900℃未満の温度で熱処理することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、易溶性酸化第二銅粉末の製造方法、易溶性酸化第二銅微粉末および硫酸銅水溶液への銅イオンの供給方法に関するものである。
酸化第二銅は、顔料、塗料、触媒、陶磁器の着色剤や銅めっき液の補給用銅源などに使用され、その製造方法は、湿式法と乾式法に大別される。
湿式法は、例えば、特許文献1に記載されているように、塩化第二銅や硫酸銅の水溶液に水酸化ナトリウムを反応させて水酸化銅を生成させた後、加熱する方法である。より具体的には、塩化第二銅を含むプリント基板のエッチング廃液を苛性アルカリで中和し、その銅溶液と苛性アルカリ水溶液とを、温度40〜50℃に保持した水溶液中に同時に滴下混合して、その溶液のpHを弱酸性から弱アルカリ性の範囲に維持しながら銅の水和物を生成させ、次いでpH12〜13にし、温度70〜80℃で30分間維持した後、水洗、固液分離して酸化第二銅を製造する方法が提案されている。
また、特許文献2に記載されているように、硫酸銅水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを30℃以下で反応させて水酸化第二銅を生成させ、次に60〜80℃に加熱熟成して酸化第二銅を得る製造方法が記載されている。
特許文献3には、塩化銅水溶液にアルカリ金属の炭酸塩水溶液を加えて炭酸銅を分離ろ過し、得られた炭酸銅を加熱して酸化銅を得る技術が開示されている。
これらの湿式法で製造された酸化第二銅粉末は、銅めっき液への溶解性が優れているものが多いが、銅めっき液への溶解の際に溶存酸素量が増加することがある。しかも、銅めっき液には、めっき面の質向上のため、公知レベラー成分や公知のブライトナー成分等の各種添加剤を含有しおり、銅めっき液中の溶存酸素量の増加によりこれら添加剤を分解する問題があった。この溶存酸素量が増加によるこれら添加剤の分解の問題は、これら添加剤の消費量の増加や銅めっき液を略一定の組成に管理する手間といった問題にまで発展している。
特開平5−319825号公報 特開平3−80116号公報 特開2002−68743号公報
本発明は上記湿式法の問題点、すなわち、めっき液中の溶存酸素量の変動に着目してなされたもので、その課題とするところは、溶存酸素量の変動が小さく、かつ溶解性に優れる易溶性酸化第二銅粉末の製造方法と、その易溶性酸化第二銅粉末、特に易溶性酸化第二銅微粉末を提供し、さらには銅電気めっきに用いる硫酸銅水溶液における銅イオン濃度の調整方法を提供することにある。
そこで、上記課題を解決するため、本発明者等が鋭意研究を継続した結果、塩基性炭酸銅を原料として得た特定の物理特性を有する多孔質の酸化第二銅粉末を、酸素含有雰囲気下400℃を越え900℃未満で熱処理することによって得られた酸化第二銅粉末は、溶存酸素量の変動が小さく、かつ優れた溶解性を発揮することを発見するに至った。本発明はこのような技術的発見に基づき完成に至ったものである。
すなわち、本発明の第1の発明は、塩基性炭酸銅を原料とした易溶性酸化第二銅粉末の製造方法であって、その塩基性炭酸銅を原料に用いて得られた比表面積5m/g以上、平均粒子径が200nm以下の多孔質酸化第二銅粉末を、酸素含有雰囲気下400℃を越え900℃未満の温度で熱処理することを特徴とするものである。
本発明の第2の発明は、塩基性炭酸銅を原料に用いて得られた比表面積5m/g以上で、平均粒子径が200nm以下の多孔質酸化第二銅粉末を、酸素含有雰囲気下で400℃を越え900℃未満の温度で熱処理することによって得られる易溶性酸化第二銅微粉末である。
本発明の第3の発明は、第2の発明における易溶性酸化第二銅微粉末が、比表面積0.6m/g以上、30m/g以下、平均粒子径が30nm以上、2000nm以下で、X線回折2θ=61.5°、ピークの半価幅が0.14°以上0.65°以下で、かつ結晶子径が155Å以上750Å以下であることを特徴とする。
本発明の第4の発明は、第2及び第3の発明における易溶性酸化第二銅微粉末10gを、CuSO・5HOを90g/L、HSOを220g/L、塩素イオンを60mg/Lの組成から成る攪拌した水溶液に、添加した時に、添加から溶解するまでの時間が60秒以内で、かつ溶存酸素量の変化の差(極大値−初期値)が2mg/L以下となることを特徴とする。
本発明の第5の発明は、易溶性酸化第二銅粉末を溶解することによる硫酸銅水溶液への銅イオン供給方法であって、その易溶性酸化第二銅粉末が、第2から第4の発明のいずれかに記載の易溶性酸化第二銅微粉末であり、その易溶性酸化第二銅微粉末を、CuSO・5HOを50〜130g/L、HSOを150〜240g/L、塩素イオンを30〜70mg/L含む水溶液に溶解させることを特徴とする。
本発明の第6の発明は、第5の発明における易溶性酸化第二銅微粉末を、CuSO・5HOを50〜130g/L、HSOを150〜240g/L、塩素イオンを30〜70mg/L含む水溶液に溶解させる際に、その水溶液中の溶存酸素量の変化の差(極大値−初期値)が2mg/L以下となることを特徴とする硫酸銅水溶液への銅イオン供給方法である。
本発明に係る易溶性酸化第二銅微粉末は、溶存酸素量の変動が小さく、かつめっき液への溶解性に優れるため、銅めっき液の補給用銅源として好適である。
特に、硫酸銅水溶液などの銅めっき液に溶解させた際の溶存酸素量の変化を2mg/L以下に抑えることが出来るので、銅めっき液中の各種添加剤の分解を抑える。結果的には、不溶性陽極を用いた銅めっきでは、各種添加剤の消費量を抑えることができ、銅めっき液の管理上の手間や、コスト抑制等が可能となる。
酸化第二銅微粉末aの断面SEM像である。
本発明の易溶性酸化第二銅粉末の製造方法は、塩基性炭酸銅を原料として得た特定の物理特性を有する多孔質の酸化第二銅粉末を、酸素含有雰囲気下400℃を越え900℃未満で熱処理することを特徴とするもので、特定の物理特性を有する多孔質の酸化第二銅粉末を熱処理することで得られた易溶性酸化第二銅粉末は、未熱処理の多孔質の酸化第二銅粉末に比べて溶存酸素量の変動が小さく、かつ未熱処理の多孔質の酸化第二銅粉末と同等な優れた溶解性を発揮する。
以下、本発明の実施の形態について、具体的に説明する。
(1)熱処理と易溶性酸化第二銅粉末
本発明では、易溶性酸化第二銅粉末の原料である多孔質の酸化第二銅粉末は、塩基性炭酸銅(CuCO・Cu(OH)・2HO)を大気中400℃で1時間焼成するか、もしくはアルカリと反応させることによって得られることが知られている。
この塩基性炭酸銅は、例えば塩化第二銅(CuCl)水溶液と炭酸ナトリウム(NaCO)水溶液とを弱アルカリ性下で混合攪拌することで炭酸銅が水和して塩基性炭酸銅の沈殿として得られることが知られている。工業的には、プリント配線基板を製造する際に用いる銅のエッチング液の塩化第二銅水溶液に炭酸ナトリウムを加え生じた塩基性炭酸銅の沈殿をスラリーとして回収すればよい。
そして、得られた前記塩基性炭酸銅をロ−タリキルン等で大気中で焼成すると、熱分解して酸化第二銅粉末となる。なお、この焼成雰囲気を還元雰囲気としないのは金属銅や硫酸銅水溶液には溶解しない酸化第一銅(CuO)が生成することを避ける為である。
本発明の易溶性酸化第二銅粉末は、塩基性炭酸銅を原料とした多孔質の酸化第二銅粉末を用いることが望ましい。このような塩基性炭酸銅を原料とした多孔質の酸化第二銅粉末は、市場で入手可能である。原料の多孔質の酸化第二銅粉末は、比表面積5m/g以上で、平均粒子径が200nm以下である。酸素含有雰囲気下400℃を越え900℃未満で熱処理することで得ることができる。なお、当該平均粒子径は、下記(1)式から求めた値である。
多孔質の酸化第二銅粉末の熱処理温度が400℃以下では、得られた易溶性酸化銅粉末の銅めっき液への溶解の際の溶存酸素量の変動抑制に効果がなく、900℃以上だと、溶存酸素量の変動は小さいものの焼結が顕著となってめっき液への溶解時間が長くなる。熱処理時間は特に限定されないが、10分〜3時間で十分である。なお、熱処理では、多孔質の酸化第二銅粉末が過度に焼結させないことに留意しなければならない。そのため、上記の加熱温度加熱時間が望ましい。
ここで、過度な焼結とは、多孔質の酸化第二銅粉末が焼結し、粉砕しなければ、60秒以内に硫酸銅水溶液(銅めっき液)に溶解しないまでに焼結した粗大粒子が生じることである。このような粗大な粒子は、硫酸銅水溶液(銅めっき液)に投入しても溶解するのに時間を要するので、銅めっき液中に異物として混入し、銅めっき面の品質を劣化させる。
当該酸素含有雰囲気下で熱処理することにより、得られた酸化第二銅微粉末は溶存酸素量の変動を抑制することが可能となり、かつめっき液への溶解性が優れる。
熱処理設備は、温度制御と酸素含有雰囲気の制御ができればよく公知の管状炉やボックス炉、ロータリーキルン等を用いることができる。
上述の最高温度に至るまでの昇温条件および最高温度からの降温条件とも適宜選択でき、限定されるものではないが、例えば、原料を上述の最高温度下の炉内に投入して短時間に昇温させてもよいし、温度を徐々に上昇させてもよいし、段階的に上昇させてもよい。降温の際も同様である。
また、原料を炉内へ供給するには、原料を雰囲気の気流と共に炉内へ導入してもよいし、キャリアガスにより炉内へ導入してもよいし、耐熱性の容器に入れた原料を炉内に導入してもよい。
得られた易溶性酸化第二銅微粉末は、比表面積が0.6m/g以上、30m/g以下で、上記(1)式で求められる平均粒子径が30nm以上、2000nm以下で、X線回折の2θ=61.5°のピークの半価幅が0.14°以上0.65°以下、かつ結晶子径が155Å以上、750Å以下であることが望ましい。また比表面積は少なくとも0.6m/gであれば、表面積が広く硫酸銅水溶液への溶解性も向上する。
なお、結晶子径は2θ=61.5°の(113)面のピークを用いてScherrer法によって求めた値である。半価幅も前記と同様に(113)面を用いた。
そして、本発明の易溶性酸化第二銅微粉末は、硫酸銅水溶液への溶解時間が短く、かつ溶存酸素量の変動が小さいことから、銅めっき用補給銅源としてより望ましい。
具体的には、本発明の易溶性酸化第二銅微粉末10gの溶解時間は、CuSO・5HOが90g/L、HSOが220g/L、塩素イオンが60mg/Lを含み攪拌されている1Lの硫酸銅水溶液に投入すると、60秒以内である。
このように、易溶性酸化第二銅微粉末を硫酸銅水溶液に投入して60秒以内に溶解すれば、銅めっき液へ銅イオンを容易に補給することが可能となる。
(2)硫酸銅水溶液(めっき液)への銅イオン供給方法
銅を電解めっきする際に用いる銅めっき液(硫酸銅水溶液)は、硫酸銅、硫酸および塩素イオンを含有しpHは1よりも低いものが用いられることが多い。そして、銅めっき液には、銅めっき面の品質向上のため公知の各種添加剤が加えられている。
一方、銅の電解めっきを行うと、めっき液中の銅が析出し、めっき液の銅の濃度が低下する。そこで、めっき液の銅濃度の低下を防ぐ為、陽極に銅を用いて陽極を溶解しながら銅電解めっきを行う方法と、陽極に導電性酸化物セラミック等で覆われたチタン等からなる不溶性陽極を用い併せてめっき液へ銅を供給する機構を備えた不溶性陽極を用いる方法がある。
特に不溶性陽極を用いる方法では、陽極を溶解する方法と比べて陽極泥(アノードスライム)の発生が無く、めっき面の品質向上に望ましい。しかし、不溶性陽極を用いる場合、めっき液への銅の供給方法が問題となってくる。
一方、めっき液へ銅を供給するには、めっき液に銅または銅を含む化合物等の銅源が速やかに溶解することと、銅源が溶解することでめっき液のSO 2+イオンなどのバランスが崩れないこと、めっき液中の上述の添加剤が分解しないことが重要である。
上記観点において、酸化第二銅粉末はめっき液のSO 2+イオンなどのバランスを崩すことがない。
また、不溶性陽極を用いる銅めっき液には、銅めっき面の膜厚の平滑化や光沢等の品質向上のため有機アミン化合物や有機アミド化合物等から選択される公知レベラー成分や、メルカプトアルキルスルホン酸やチオグリコール酸等の有機硫黄化合物等の公知のブライトナー成分等の各種添加剤が加えられているが、本発明の易溶性酸化第二銅微粉末は、めっき液への溶解の際に溶存酸素量の増加を2mg/Lに抑えることが出来るので、このレベラー成分や、ブライトナー成分等の各種添加剤を分解しにくい特長を有する。
めっき液への銅の供給は、めっき液中の銅が減少する都度、速やかに行う必要がある。
具体的は、攪拌されたCuSO・5HOが90g/L、HSOが220g/L、塩素イオンが60mg/Lを含むめっき液に近似した水溶液1リットルに酸化第二銅粉末10gを投入したときの溶解時間は、短いほどより望ましい。
本発明に係る酸化第二銅微粉末は、攪拌されたCuSO・5HOが90g/L、HSOが220g/L、塩素イオンが60mg/Lを含むめっき液に近似した水溶液1リットルに投入すると60秒以内で溶解する。
また、めっき液に投入する酸化第二銅微粉末は、溶解残渣が生じてはならない。
すなわち、一般に異相として含まれる酸化第一銅は、銅めっき液に溶解せずに残渣となるが、本発明の易溶性酸化第二銅粉末の製造方法によって作製された易溶性酸化第二銅微粉末は、銅めっき液に速やかに溶解残渣を残さず溶解し、かつ溶存酸素量の変動が少なく、銅めっき液の調整すなわち硫酸銅水溶液の銅イオンの供給が可能となる。
電解めっき装置で、本発明の硫酸銅水溶液への銅イオンの供給方法を実施するには、電解めっき装置のめっきを行うめっき槽と別に易溶性酸化第二銅粉末を溶解する易溶性酸化第二銅溶解槽を設け、前記めっき槽と前記酸化第二銅溶解槽の間で水溶液(めっき液)を循環させればよい。
その易溶性酸化第二銅溶解槽は、めっき槽から供給された水溶液に酸化第二銅粉末を溶解させた水溶液をめっき槽へ送り返す。この酸化第二銅溶解槽には、プロペラなどの攪拌機構を付属させることが好ましい。また、めっき槽と酸化第二銅粉末溶解槽の間には、ゴミや異物等の除去のため公知の各種フィルターを備えても良い。
なお、本発明の硫酸銅水溶液の銅イオン供給方法に用いる硫酸銅水溶液は、硫酸銅を水に溶解した水溶液でもよいし、硫酸に本発明に係る易溶性酸化第二銅粉末を溶解させた水溶液でも良い。
以下に、本発明の実施例を比較例とともに具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
比表面積16.3m/g、平均粒子径61.7nmの多孔質酸化第二銅粉末20gを、大気雰囲気下500℃の温度で10分熱処理することによって酸化第二銅微粉末aを得た。
得られた酸化第二銅微粉末aの粉末X線解析の結果、CuOの単一相であった。また、比表面積は11.3m/gで、平均粒子径は89.0nmで、半価幅は0.4818°で、結晶子径は193.5Åであった。
図1に、作製した酸化第二銅微粉末aの断面SEM像を示す。
次に、めっき液組成として、CuSO・5HO:68g/L、HSO:228g/L、Clイオン60mg/Lとなるよう調製した1L液に、室温にてスタ−ラ−で攪拌しながら酸化第二銅微粉末a:10gを添加したところ、15秒で溶解した。また、溶存酸素量の変化の差(極大値−初期値)は、1.1mg/Lであった。
実施例1において大気雰囲気下での熱処理を、大気雰囲気下600℃の温度で10分の条件で熱処理した以外は、実施例1と同様にして実施例2に係る酸化第二銅微粉末bを作製した。
得られた酸化第二銅微粉末bの粉末X線解析の結果、CuOの単一相であった。
また、比表面積は6.9m/gで、平均粒子径は145.8nmで、半価幅は0.4083°で、結晶子径は229.1Åであった。
次に、めっき液組成として、CuSO・5HO:68g/L、HSO:228g/L、Clイオン:60mg/Lとなるよう調製した1L液に、室温にてスタ−ラ−で攪拌しながら酸化第二銅微粉末b:10gを添加したところ、溶存酸素量の変化の差(極大値−初期値)は0.8mg/Lであったが、溶解には34秒要した。
比表面積22.7m/g、平均粒子径44.3nmの多孔質酸化第二銅粉末20gを、大気雰囲気下600℃の温度で10分熱処理することによって酸化第二銅微粉末cを作製した。その酸化第二銅微粉末cの粉末X線解析の結果、CuOの単一相であった。
また、比表面積は5.2m/gで、平均粒子径は193.4nmで、半価幅は0.4391°で、結晶子径は212.7Åであった。
次に、めっき液組成として、CuSO・5HO:68g/L、HSO:228g/L、Clイオン:60mg/Lとなるよう調製した1L液に、室温にてスタ−ラ−で攪拌しながら酸化第二銅微粉末c:10gを添加したところ、20秒で溶解した。また、溶存酸素量の変化の差(極大値−初期値)が1.6mg/Lであった。
実施例3において大気雰囲気下での熱処理を、大気雰囲気下700℃の温度で10分の条件で熱処理した以外は、実施例3と同様にして実施例4に係る酸化第二銅微粉末dを作製した。得られた酸化第二銅微粉末dの粉末X線解析の結果、CuOの単一相であった。
また、比表面積は3.0m/gで、平均粒子径は335.2nmで、半価幅は0.2619°で、結晶子径は363.1Åであった。
次に、めっき液組成として、CuSO・5HO:68g/L、HSO:228g/L、Clイオン60mg/Lとなるよう調製した1L液に、室温にてスタ−ラ−で攪拌しながら酸化第二銅微粉末d:10gを添加したところ、29秒で溶解した。また、溶存酸素量の変化の差(極大値−初期値)が1.2mg/Lであった。
実施例3において大気雰囲気下での熱処理を、大気雰囲気下800℃の温度で10分の条件で熱処理した以外は、実施例3と同様にして実施例5に係る酸化第二銅微粉末eを作製した。その酸化第二銅微粉末eの粉末X線解析の結果、CuOの単一相であった。
また、比表面積は1.4m/gで、平均粒子径は718.4nmで、半価幅は0.1475°で、結晶子径は687.4Åであった。
次に、めっき液組成として、CuSO・5HO:68g/L、HSO:228g/L、Clイオン60mg/Lとなるよう調製した1L液に、室温にてスタ−ラ−で攪拌しながら酸化第二銅微粉末e:10gを添加したところ、55秒で溶解した。また、溶存酸素量の変化の差(極大値−初期値)が0.5mg/Lであった。
(比較例1)
実施例1において、大気雰囲気下での焼成を行わなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1に係る酸化第二銅微粉末fを作製した。その酸化第二銅微粉末fの粉末X線解析の結果、CuOの単一相であった。
また、比表面積は16.3m/gで、平均粒子径は61.7nmで、半価幅は0.5514°で、結晶子径は168.8Åであった。
次に、めっき液組成として、CuSO・5HO:68g/L、HSO:228g/L、Clイオン60mg/Lとなるよう調製した1L液に、室温にてスタ−ラ−で攪拌しながら酸化第二銅微粉末f:10gを添加したところ、8秒で溶解したが、溶存酸素量の変化の差(極大値−初期値)は2.4mg/Lであった。
(比較例2)
実施例3において、比表面積22.7m/g、平均粒子径44.3nmの酸化第二銅微粉末20gを、大気雰囲気下400℃の温度で10分熱処理した以外は、実施例3と同様にして比較例2に係る酸化第二銅微粉末gを作製した。その酸化第二銅微粉末gの粉末X線解析の結果、CuOの単一相であった。
また、比表面積は15.9m/gで、平均粒子径は63.3nmで、半価幅は0.7043°で、結晶子径は131.8Åであった。
次に、めっき液組成として、CuSO・5HO:68g/L、HSO:228g/L、Clイオン60mg/Lとなるよう調製した1L液に、室温にてスタ−ラ−で攪拌しながら酸化第二銅微粉末g:10gを添加したところ、10秒で溶解したが、溶存酸素量の変化の差(極大値−初期値)は5.9mg/Lであった。
(比較例3)
実施例3において、大気雰囲気下での熱処理を、大気雰囲気下900℃の温度で10分の条件で熱処理した以外は、実施例3と同様にして比較例3に係る酸化第二銅微粉末hを作製した。その酸化第二銅微粉末hの粉末X線解析の結果、CuOの単一相であった。
また、比表面積は0.5m/gで、平均粒子径は2011.4nmで、半価幅は0.1370°で、結晶子径は752.3Åであった。
次に、めっき液組成として、CuSO・5HO:68g/L、HSO:228g/L、Clイオン60mg/Lとなるよう調製した1L液に、室温にてスタ−ラ−で攪拌しながら酸化第二銅微粉末h:10gを添加したところ、溶存酸素量の変化の差(極大値−初期値)は0.5mg/Lであったが、溶解には100秒要した。
以上の結果をまとめて表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の酸化第二銅微粉末は、比表面積が0.6m/g以上、30m/g以下であり、平均粒子粒子径が30nm以上、2000nm以下で、ピークの半価幅が0.14°以上、0.65°以下で、かつ結晶子径が155Å以上、750Å以下である場合、めっき液(硫酸銅水溶液)への溶解性が極めて高い、易溶性の酸化第二銅微粉末である。

Claims (6)

  1. 塩基性炭酸銅を原料とした易溶性酸化第二銅粉末の製造方法であって、
    前記塩基性炭酸銅を原料に用いて得られた比表面積5m/g以上で、平均粒子径が200nm以下の多孔質酸化第二銅粉末を、酸素含有雰囲気下で、400℃を越え900℃未満の温度で熱処理することを特徴とする易溶性酸化第二銅粉末の製造方法。
  2. 塩基性炭酸銅を原料に用いて得られた比表面積5m/g以上で、平均粒子径が200nm以下の多孔質酸化第二銅粉末を、酸素含有雰囲気下で400℃を越え900℃未満の温度で熱処理することによって得られる易溶性酸化第二銅微粉末。
  3. 比表面積0.6m/g以上、30m/g以下、平均粒子径が30nm以上、2000nm以下、X線回折2θ=61.5°のピークの半価幅が0.14°以上、0.65°以下、かつ結晶子径が155Å以上、750Å以下であることを特徴とする請求項2に記載の易溶性酸化第二銅微粉末。
  4. CuSO・5HOが90g/L、HSOが220g/L、塩素イオンが60mg/Lの組成から成る攪拌した水溶液に、10gを添加した時に、添加してから溶解するまでの時間が60秒以内で、かつ溶存酸素量の変化の差(極大値−初期値)が2mg/L以下になることを特徴とする請求項2又は3に記載の易溶性酸化第二銅微粉末。
  5. 易溶性酸化第二銅粉末を溶解させることによる硫酸銅水溶液への銅イオン供給方法であって、
    前記易溶性酸化第二銅粉末が、請求項2から4のいずれか1項に記載の易溶性酸化第二銅微粉末であり、
    前記易溶性酸化第二銅微粉末を、CuSO・5HOを50〜130g/L、HSOを150〜240g/L、塩素イオンを30〜70mg/L含む水溶液に溶解させることを特徴とする硫酸銅水溶液への銅イオン供給方法。
  6. 前記易溶性酸化第二銅微粉末を、CuSO・5HOが50〜130g/L、HSOが150〜240g/L、塩素イオンが30〜70mg/L含む水溶液に溶解させる際に、前記水溶液中の溶存酸素量の変化の差(極大値−初期値)が2mg/L以下となることを特徴とする請求項5に記載の硫酸銅水溶液への銅イオン供給方法。
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