JP2012201038A - 熱転写シート - Google Patents

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雅幸 田中
Takehito Yamato
丈仁 大和
Makiko Ninai
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【課題】基材上に設けた耐熱滑性層の中に存在する粒子の形態について、大きさとその数を所定の範囲内に制限した熱転写シートとすることにより印画物の濃淡ムラがなく、高速印画時における転写感度が高く、染料層に使用する染料を低減できる熱転写シートを提供する。
【解決手段】基材1の一方の面に耐熱滑性層2を設け、この基材1の他方の面に下引き層3、染料層4を順次形成してなる熱転写シートにおいて、下引き層3が、水溶性高分子を含む層からなり、耐熱滑性層2が、少なくとも樹脂と無機粒子とを含む層からなり、耐熱滑性層2側から観察される無機粒子または無機粒子の凝集物に対応する粒子物における、面積が100μm以上のものが500個/mm以下であることを特徴とする熱転写シートとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、感熱転写方式のプリンタに使用される熱転写シートに関し、基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、この基材の他方の面に下引き層、染料層を順次形成した熱転写シートに関する。さらに詳しくは、印画物の濃淡ムラがなく、高速印画時における転写感度が高く、染料層に使用する染料を低減できる熱転写シートに関するものである。
一般に、熱転写シートは、サーマルリボンと呼ばれ、感熱転写方式のプリンタに使用されるインクリボンのことであり、基材の一方の面に感熱転写層、その基材の他方の面に耐熱滑性層(バックコート層)を設けたものである。ここで、感熱転写層は、インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させ、被転写体側に転写するものである。
現在、感熱転写方式の中でも昇華転写方式は、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。このような用途の多様化と共に、小型化、高速化、低コスト化、また、得られる印画物への耐久性を求める声も大きくなり、近年では、基材シートの同じ側に印画物への耐久性を付与する保護層等が重ならないように設けられた複数の感熱転写層をもつ熱転写シートが多く普及してきている。
そのような中、用途の多様化と普及拡大に伴い、よりプリンタの印画速度の高速化が進むに従って、従来の熱転写シートでは十分な印画濃度が得られないという問題が生じてきた。そこで、転写感度を上げるべく、熱転写シートの薄膜化あるいは基材と感熱転写層の間に染料の基材側への移行を防止する下引き層の挿入により印画における転写感度の向上を試みることが行われてきたが、熱転写シートの製造時や印画の際に熱や圧力等により基材との密着量不足による感熱転写層の異常転写やシワが発生したり、場合によっては破断が発生したりするという問題を抱えている。
このような問題を解決するために、耐熱滑性層に粒子等を添加することによって凹凸を付与しサーマルヘッドの接触面積を小さくし滑性を向上させる方法が提案されている。
特開平2−145390号公報 特開平6−247066号公報 特開2009−241553公報
しかしながら、これらの方法では、基材上に設けた耐熱滑性層中に添加された粒子が部分的に凝集し、その粒子物の突起が印画物の濃淡ムラの原因となっていた。また、粒子物の凝集でサーマルヘッドの接触面積が減少しているので十分な印画濃度を得ることができなかった。
本発明は上記の問題点に鑑み、基材上に設けた耐熱滑性層の中に存在する粒子の形態について、大きさとその数を所定の範囲内に制限した熱転写シートとすることにより印画物の濃淡ムラがなく、高速印画時における転写感度が高く、染料層に使用する染料を低減できる熱転写シートを提供することを目的とするものである。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その請求項1記載の発明は、基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、この基材の他方の面に下引き層、染料層を順次形成してなる熱転写シートにおいて、前記下引き層が、水溶性高分子を含む層からなり、前記耐熱滑性層が、少なくとも樹脂と無機粒子とを含む層からなり、前記耐熱滑性層側から観察される無機粒子または無機粒子の凝集物に対応する粒子物における、面積が100μm以上のものが500個/mm以下であることを特徴とする熱転写シートである。
また、請求項2記載の発明は、前記水溶性高分子が、少なくともポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンまたはポリビニルピロリドンの共重合体を含む層であることを特徴とする請求項1記載の熱転写シートである。
また、請求項3記載の発明は、前記耐熱滑性層側で観察される無機粒子または無機粒子の凝集物における、面積が50μm以上のものが500個/mm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の熱転写シートである。
また、請求項4記載の発明は、前記無機粒子がタルク粒子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱転写シートである。
請求項1記載の発明によれば、基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、この基材の他方の面に下引き層、染料層を順次形成してなる熱転写シートにおいて、前記下引き層が、水溶性高分子を含む層からなり、前記耐熱滑性層が、少なくとも樹脂と無機粒子とを含む層からなり、前記耐熱滑性層側から観察される無機粒子または無機粒子の凝集物に対応する粒子物における、面積が100μm以上のものが500個/mm以下であることを特徴とする熱転写シートとすることによって、印画物の濃淡ムラを低減させ、高速印画時における転写感度が高く、染料層に使用する染料を低減できる熱転写シートを提供することが可能となる。
請求項2記載の発明によれば、前記水溶性高分子が、少なくともポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンまたはポリビニルピロリドンの共重合体を含む層であることを特徴とする請求項1記載の熱転写シートとすることによって、さらに高速印画時における転写感度が高く、染料層に使用する染料を低減できる熱転写シートを提供することが可能となる。
請求項3記載の発明によれば、前記耐熱滑性層側で観察される無機粒子または無機粒子の凝集物における、面積が50μm以上のものが500個/mmであることを特徴とする請求項1または2記載の熱転写シートとすることによって、さらに印画物の濃淡ムラを低減させた熱転写シートを提供することが可能となる。
請求項4記載の発明よれば、前記無機粒子がタルク粒子であることが特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱転写シートとすることによって、さらに印画物の濃淡ムラを低減させた熱転写シートを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る熱転写シートの側断面図。
以下、本発明の熱転写シートを図1に基づき詳細に説明する。この熱転写シートは、基材1の一方の面に耐熱滑性層2を設け、基材1の他方の面に下引き層3、染料層4を順次形成した構成である。
基材1の材料としては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求されるので、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルムや、コンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等を単独で又は組み合わせた複合体を使用することが可能であるが、中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、その厚さは、操作性、加工性を考慮し、2〜50μmの範囲のものが使用可能で、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2〜9μm程度のものが好ましい。
また、基材1においては、耐熱滑性層2または/および下引き層3を形成する面に、接着処理を施すことも可能である。接着処理としては、コロナ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、プラズマ処理、プライマー処理等の公知の技術を適用することができ、それらの処理を二種以上併用することもできる。本発明では、基材1と下引き層3との接着性を高めることが有効であり、コスト面からもプライマー処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
次に、耐熱滑性層2は、熱転写時にサーマルヘッドと基材1の融着を防止するためのものであり、バインダーとなる樹脂、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤、充填剤、硬化剤、溶剤などを配合して調製し、塗布、乾燥して形成することができる。特に充填剤の役割は重要で、耐熱滑性層2に凹凸をつけることにより、上記特性、すなわち離型性や滑り性を付与する事ができる。しかしながら、時にはその凹凸により印画物のムラを生じさせてしまう。充填剤を選択する際、材料種や平均粒子径を考慮して設計を行うが、基材1上に形成した耐熱滑性層2を観察結果および特性評価の結果から、上記特性を支配するのは比較的大粒子またはいくつかの粒子が集まった凝集体であることがわかってきた。すなわち添加される充填剤は平均粒子径ではなく、耐熱滑性層形成後における存在形態を規定することが重要となる。
この耐熱滑性層2の乾燥後の塗布量は、一概に限定されるものではないが、0.1〜2.0g/m程度が適当である。0.1g/m未満では、耐熱性が著しく劣り、印画の際の熱や圧力等によりシワが発生する可能性がある。また2.0g/m以上では、熱転写シート自体の感度低下に影響し、高速印画時における転写濃度が不足する可能性がある。
耐熱滑性層2の一例を挙げると、バインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。
機能性添加剤としては、動物系ワックス、植物系ワックス等の天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセライト系ワックス、合成ケトン系ワックス、アミン及びアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系ワックス、アルファーオレフィン系ワックス等の合成ワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸金属塩、長鎖アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル又は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル等の界面活性剤等を挙げることができる。
充填剤としては、タルク、シリカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、シリコーン粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ポリプロピレン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。硬化剤としては、トリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等のイソシアネート類、およびその誘導体を挙げることができるが、前記は全て特に限定されるわけではない。
次に、下引き層3は、基材1と染料層4との間に設けられる層であって、染料層4と基材1の密着性の向上あるいは転写時における昇華染料の基材1側への移行を防止することを目的とした層である。ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を主成分として含む塗布液を、塗布、乾燥して形成される。また、ポリビニルアルコールの他にポリビニルピロリドンまたはポリビニルピロリドンの共重合体あるいは変性体を加えることによって、熱転写シートの耐熱性、耐湿性が向上する。
このような下引き層を形成することによって染料層に使用する染料を増やすことなく高濃度の印画が得られ、印画における異常転写がない熱転写シートが得られる。
下引き層に用いるポリビニルアルコールとしては、例えば、クラレポバールPVA−235(クラレ社製)、クラレポバールPVA−117(クラレ社製)クラレポバールPVA−124(クラレ社製)ゴーセノールKH−20(日本合成化学社製)、ゴーセノールN−300(日本合成化学社製)、等のポリビニルアルコール、アセトアセチル基を有し、反応性に富むアセトアセチル化ポリビニルアルコールであるゴーセファイマーZ−200、Z−320(日本合成化学社製)や、ポリビニルアルコールの一部のアルコール基をアセタール変性した水系ポリビニルアセタールエスレックKXシリーズ(積水化学社製)、エスレックKWシリーズ(積水化学社製)等が挙げられる。
ポリビニルピロリドンとしては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−ピロリドン等のビニルピロリドンの単独重合体(ホモポリマー)またはこれらの共重合体が挙げられる。さらには変性ポリビニルピロリドン樹脂などがあげられる。変性ポリビニルピロリドン樹脂は、N−ビニルピロリドン系モノマーと他のモノマーとの共重合体である。なお、共重合形態は、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等特に限定されるものではない。上記のN−ビニルピロリドン系モノマーとは、N−ビニルピロリドン(N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−ピロリドン等)及びその誘導体を言うものであって、誘導体としては、例えばN−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチルピロリドン、N−ビニル−3−ベンジルピロリドン等のピロリドン環に置換基を有するものが挙げられる。
N−ビニルピロリドン系モノマーと共重合するモノマー成分は、下記のようなビニル重合性モノマーが挙げられる。例えば(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系モノマー、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、塩化ビニリデン、四ふっ化エチレン、ふっ化ビニリデン等が挙げられる。
下引き層3の乾燥後の塗布量は、一概に限定されるものではないが、0.10g/m以上0.30g/m以下の範囲内であることが好ましい。0.10g/m未満では、染料層積層時の劣化により、高速印画時における転写感度が不足し、基材1あるいは染料層4との密着性に問題を抱える不安がある。一方、0.30g/m以上では、熱転写シート体自体の感度低下に影響し、高速印画時における転写濃度が不足する可能性がある。
次に、染料層4は、従来公知のもので対応でき、例えば、熱移行性染料、バインダー、溶剤などを配合して染料層形成用の塗布液を調製し、塗布、乾燥することで形成される。染料層4の乾燥後の塗布量は、1.0g/m程度が適当である。なお、染料層は、1色の単一層で構成したり、色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成したりすることもできる。
前記染料層の熱移行性染料は、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であれば、特に限定されるわけではなく、例えば、イエロー成分としては、ソルベントイエロー56,16,30,93,33、ディスパースイエロー201,231,33等を挙げることができる。マゼンタ成分としては、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースバイオレット26、C.I.ソルベントレッド27、あるいはC.I.ソルベントレッド19等を挙げることができる。シアン成分としては、C.I.ディスパースブルー354、C.I.ソルベントブルー63、C.I.ソルベントブルー36、あるいはC.I.ディスパースブルー24等を挙げることができる。墨の染料としては、前記の各染料を組み合わせて調色するのが一般的である。
染料層4に含まれるバインダーは、従来公知の樹脂バインダーがいずれも使用でき、特に限定されるものではないが、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。
ここで、染料層4の染料とバインダーとの配合比率は、質量基準で、(染料)/(バインダー)=10/100〜300/100が好ましい。これは、(染料)/(バインダー)の比率が、10/100を下回ると、染料が少な過ぎて発色感度が不十分となり良好な熱転写画像が得られず、また、この比率が300/100を越えると、バインダーに対する染料の溶解性が極端に低下するために、熱転写シートとなった際に、保存安定性が悪くなって、染料が析出し易くなってしまうためである。また、染料層4には、性能を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、安定化剤等の公知の添加剤が含まれていてもよい。
なお、耐熱滑性層2、下引き層3、染料層4は、いずれも従来公知の塗布方法にて、塗布、乾燥することで形成可能であり、塗布方法の一例を挙げると、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法、リバースロールコート法を挙げることができる。
以下、本発明の各実施例および各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
<耐熱滑製層塗液の作成>
下記組成の材料を初めにハイスピードミキサーで混合した後、その混合液をサンドミルにかけて分散を行い耐熱滑性層の塗液を作製した。分散終了の目安は、分散サンプルをレーザー回折・散乱法による粒度分布を測定し、体積平均粒子径が3.0μm以下になったときである。
<耐熱滑性層塗布液の作製>
アクリルポリオール樹脂 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル 2.5部
シリカ 6.0部
トルエン 50.0部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
<耐熱滑性層付き基材の作製>
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に上記で作成した耐熱滑性層塗液96.0部に対し2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマーを4.0部添加後、1時間以上撹拌した塗液をグラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が1.0g/mになるように塗布、乾燥した後に、40℃環境下で1週間エージングすることで、耐熱滑性層付き基材を得た。
得られた耐熱滑性層付き基材を耐熱滑性層側から観察したところ、シリカ粒子またはシリカ粒子の凝集物に対応する粒子物における、面積が100μm以上のものが500個/mm以下であることを確認した。
<下引き層および染料層の形成>
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の下引き層塗布液−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.20g/mになるように塗布、乾燥させ下引き層を形成した。引き続き、その下引き層の上に、下記組成の染料層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.70g/mになるように塗布し、乾燥させることで、染料層を形成し、実施例1の熱転写シートを得た。
<下引き層塗液>
ポリエステル樹脂 5.0部
純水 76.0部
イソプロピルアルコール 19.0部
<染料層塗液>
C.I.ソルベントブルー63 6.0部
ポリビニルアセタール樹脂 4.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写シートにおいて、下引き層塗液のポリエステル樹脂をポリビニルアルコールにした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを作製した。
(実施例3)
実施例1で作製した熱転写シートにおいて、下引き層塗液のポリエステル樹脂をポリビニルピロリドンにした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを作製した。
(実施例4)
実施例1で作製した熱転写シートにおいて、下引き層塗液のポリエステル樹脂をポリビニルアルコール2.5部、ポリビニルピロリドン2.5部にした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを作製した。
(実施例5)
実施例4で作製した熱転写シートにおいて、耐熱滑性層塗液を作成する際、実施例4で行ったサンドミルの分散時間を5倍に延長した以外は実施例4と同様にして実施例5の熱転写シートを作製した。分散終了後の粒度分布の測定では、体積平均粒子径が2.2μm以下であった。
また、実施例5で得られた熱転写シートを耐熱滑性層側から観察したところ、シリカ粒子またはシリカ粒子の凝集物に対応する粒子物における、面積が50μm以上のものが500個/mm以下であることを確認した。
(実施例6)
実施例4で作製した熱転写シートにおいて、耐熱滑性層塗液のシリカをタルクにした以外は実施例4と同様にして、実施例6の熱転写シートを作成した。
(実施例7)
実施例5で作製した熱転写シートにおいて、耐熱滑性層中の下引き層中のシリカをタルクにした以外は実施例5と同様にして、実施例7の熱転写シートを作製した。分散終了後の粒度分布の測定では、体積平均粒子径が2.4μmであった。
また、実施例5で得られた熱転写シートを耐熱滑性層側から観察したところ、シリカ粒子またはシリカ粒子の凝集物に対応する粒子物における、面積が50μm以上のものが500個/mm以下であることを確認した。
(比較例1)
実施例6で作製した熱転写シートにおいて、下引き層を設けない事以外は実施例6と同様にして、比較例1の熱転写シートを作製した。
(比較例2)
実施例6で作製した熱転写シートにおいて、耐熱滑性層塗液を作成する際、実施例6で行ったサンドミルの分散時間を半分に短縮した以外は実施例6と同様にして比較例2の熱転写シートを作製した。分散終了後の粒度分布の測定では、体積平均粒子径が5.8μmであった。
また、実施例5で得られた熱転写シートを耐熱滑性層側から観察したところ、シリカ粒子またはシリカ粒子の凝集物に対応する粒子物における、面積が100μm以上のものが500個/mm以上であることを確認した。
<染料層の密着性評価>
実施例1〜7および比較例1〜2で作製した熱転写シートの染料層の上に、幅24mm、長さ150mmのセロハンテープを貼り、その後すぐに剥がしたときの、セロハンテープ側への染料層の付着の有無を調べることにより評価した結果を、表1に示す。
なお、評価は、以下の基準にて行った。
◎:染料層の付着が、認められない。
○:染料層の付着が、ごく僅かに認められる。
×:染料層の付着が、全面で認められる。
<印画評価> 印画濃度 濃淡ムラ
実施例1〜7および比較例1〜2で作製した熱転写シートと被転写体を使用し、サーマルシミュレーターにて以下の条件でベタ印画を行い、最高反射濃度、濃淡ムラの評価をした結果を表1に示す。X−Rite528にて測定した値である。
<印画条件>
印画環境:23℃50%RH
印加電圧:29V
ライン周期:0.7msec
印画密度:主走査300dpi 副走査300dpi
なお、濃淡ムラ評価は、以下の基準にて行った。
◎:濃淡ムラが、認められない。
○:濃淡ムラが、ごく僅かに認められる。
×:濃淡ムラが、認められる。
<印画評価> 印画シワ
実施例1〜7および比較例1〜2で作製した熱転写シートと被転写体を使用し、印画安定性を評価するために、昇華プリンタを用いて連続100枚のベタ印画を行い印画シワの評価を行った。
なお、印画シワの評価は、以下の基準にて行った。
◎:印画シワ0枚
○:印画シワ1〜2枚
×:印画シワ3枚以上
Figure 2012201038
表1に示す結果から、実施例1〜7の熱転写シートは、下引き層を設けていない比較例1の熱転写シートと比較して明らかに高速印画時における転写感度が高く、また染料の密着性も良好であることがわかる。また、耐熱滑性層塗液作製時の分散時間を短縮した比較例2の熱転写シートと比較して濃淡ムラが良好であることがわかる。
本発明により得られる熱転写シートは、昇華転写方式のプリンタに使用されるインクリボンのことであり、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。
1…基材
2…耐熱滑性層
3…下引き層
4…染料層

Claims (4)

  1. 基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、この基材の他方の面に下引き層、染料層を順次形成してなる熱転写シートにおいて、前記下引き層が、水溶性高分子を含む層からなり、前記耐熱滑性層が、少なくとも樹脂と無機粒子とを含む層からなり、前記耐熱滑性層側から観察される無機粒子または無機粒子の凝集物に対応する粒子物における、面積が100μm以上のものが500個/mm以下であることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記水溶性高分子が、少なくともポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンまたはポリビニルピロリドンの共重合体を含む層であることを特徴とする請求項1記載の熱転写シート。
  3. 前記耐熱滑性層側で観察される無機粒子または無機粒子の凝集物の面積が50μm以上のものが500個/mm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の熱転写シート。
  4. 前記無機粒子がタルク粒子であることが特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱転写シート。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05131760A (ja) * 1991-05-16 1993-05-28 Eastman Kodak Co 熱染料転写用染料供与素子のための下塗り層用ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンの混合物
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