JP2014151615A - 熱転写シート - Google Patents

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雅幸 田中
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Abstract

【課題】高速印画時でも高い発色濃度を呈し、また高温・高湿下に保存後の印画においても、優れた画像品質や信頼性を有する熱転写シートを提供する。
【解決手段】基材1の一方の面に耐熱滑性層2を形成し、他方の面に下引き層3、染料層4を順次積層してなる熱転写シートであって、前記下引き層3が、ポリビニルアルコールと水分散型ポリイソシアネート系架橋剤と粒子状のゴム成分とを含む組成物からなり、前記組成物中の全固形分に対して、粒子状のゴム成分が5〜40質量%からなることを特徴とする熱転写シートである。
【選択図】図1

Description

本発明は、感熱転写方式のプリンタに使用される熱転写シートに関する。
一般に、熱転写シートは、サーマルリボンと呼ばれ、感熱転写方式のプリンタに使用されるインクリボンのことであり、基材の一方の面に感熱転写層、他方の面に耐熱滑性層(バックコート層)を設けた構成となっている。感熱転写層は染料や顔料の着色剤とバインダー樹脂からなる着色層を有し、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、その着色層を昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させ、被転写体側に文字や画像を形成(転写)するものである。
中でも昇華転写方式は、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。このような用途の多様化と共に、小型化、高速化、低コスト化、また得られる印画物への耐久性を求める声も大きくなっている
上記の要求品質の中でも、特に、プリンタの高速化に対応できる印画濃度が強く求められ、様々方法が検討されている。
例えば、熱転写シートの薄膜化により、サーマルヘッドの熱エネルギーをより効率よく印画エネルギー活用することで、印画濃度の向上を試みることが行われている。しかしながら、この方法は熱転写シートの製造時やサーマルヘッドによる印画時に、熱や圧力等によるシワの発生、場合によっては破断が生じるという問題がある。
また、染料層における染料/バインダー樹脂の比率を大きくする、すなわち染料濃度を高くすることで印字濃度の向上させる方法が検討されている。しかしながら、この方法はバンダー樹脂に対して単価の高い染料を増やすことから、コストアップとなるばかりではなく、熱転写シートの製造時に裏面側の耐熱滑性層に染料の一部が移行し(裏移り)、さらに移行した染料が他の色の染料層、あるいは保護層に再転移し(裏裏移り)、最終的には被転写体へ熱転写する、いわゆる地汚れが生じたりする。
また、熱転写シート側ではなく、プリンタ側で画像形成時のエネルギーをアップする試みも行われている。しかしながらこの方法は、消費電力が増えるばかりではなく、サーマルヘッドの寿命を短くする他、熱転写シートの染料層と被転写体とが融着し、いわゆる異常転写が生じやすくなる。またこれらの異常転写を防止する方法として、染料層あるいは被転写体に多量の離型剤を添加する対策が試みられているが、画像のにじみや地汚れが生じるといった問題がある。
上記の改良対策に加えてさらに改良した、例えば、基材と染料層との間にポリビニルピロリドン樹脂と変性ポリビニルピロリドン樹脂を含有する接着層を有する熱転写シートが提案されている(特許文献1)。また、基材と染料層の間にポリビニルピロリドン樹脂またはポリビニルアルコール樹脂の熱可塑性樹脂とコロイド状無機顔料超微粒子からなる接着層を有する熱転写シートが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1の提案は、高速印画での異常転写は確認されないものの印画における発色感度が低く、実用レベルとしては依然問題が残る。また、特許文献2の提案は、高速印画に対する発色感度は高く、充分なレベルに至っているものの、高温・高湿保
存後の印画での品質や信頼性に問題がある。
特開2005−231354号公報 特開2006−150956号公報
本発明は上記の問題点に鑑み、高速印画時でも高い発色濃度を呈し、また高温・高湿下に保存後の印画においても、優れた画像品質や信頼性を有する熱転写シートの提供を目的とするものである。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その請求項1記載の発明は、基材の一方の面に耐熱滑性層を形成し、他方の面に下引き層、染料層を順次積層してなる熱転写シートであって、
前記下引き層が、ポリビニルアルコールと水分散型ポリイソシアネート系架橋剤と
粒子状のゴム成分とを含む組成物からなり、
前記組成物中の全固形分に対して、粒子状のゴム成分が5〜40質量%からなることを特徴とする熱転写シートである。
また、請求項2記載の発明は、前記基材の他方の面に形成した染料層の剥離強度が、180°のテープ剥離試験において25N/m以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シートである。
また、請求項3記載の発明は、前記ゴム成分がシリコーンゴムであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写シートである。
本発明に係る請求項1の発明によれば、基材の一方の面に耐熱滑性層を形成し、他方の面に下引き層、染料層を順次積層してなる熱転写シートであって、前記下引き層が、ポリビニルアルコールと水分散型ポリイソシアネート系架橋剤と粒子状のゴム成分とを含む組成物からなり、前記組成物中の全固形部に対して、粒子状のゴム成分を5〜40質量%とすることにより、基材や染料層との密着力を上げることができる。また、染料の基材側への拡散を抑制することで転写時の発色感度の向上が可能となる。またさらには、この下引き層により耐溶剤性が向上し、その上に積層される溶剤系からなる染料層形成用組成物の塗布が容易となり、染料層を均一に形成することができる。
また、請求項2の発明によれば、染料層の180°のテープ剥離試験において、剥離強度を25N/m以上にすることにより、染料層の密着力が安定し、熱転写シートを高温・高湿下に保管して後も、被転写体と融着することなくスムーズに熱転写を行うことが可能となる。
また、請求項3の発明によれば、前記ゴム成分をシリコーンゴムにすることにより、
直線状のシロキサン結合の効果による適度なゴム弾性と耐熱性が得られ、転写時の剥離応力を緩和することができ、異常転写の発生を抑制することができる。
本発明によれば、上記の効果により発色感度の高い熱転写シートを提供することが可能となる。
本発明に係る熱転写シートの一実施形態を示す概略断面図である。
以下、図1に基づき本発明に係る熱転写シートを詳細に説明する。本発明の熱転写シートは、基材1の一方の面に、サーマルヘッドとの滑り性を付与する耐熱滑性層2を設け、他方の面に、下引き層3、染料層4を順次積層してなることを特徴とする。
前記基材1としては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求されるので、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、およびコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等を単独で又は組み合わされた複合体として使用可能であるが、中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、その厚さは、操作性、加工性を考慮し、2〜50μmの範囲のものが使用可能であるが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2〜9μm程度のものが好ましい。
また、前記基材1においては、耐熱滑性層2、下引き層3のいずれか、又は耐熱滑性層2及び下引き層3を形成する面に、接着処理を施すことも可能である。接着処理としては、コロナ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、プラズマ処理、プライマー処理等の公知の技術を適用することができ、それらの処理を二種以上併用することもできる。本発明では、基材と下引き層との接着性を高めることが有効であり、コスト面からもプライマー処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
次に、前記耐熱滑性層2は、従来公知のもので対応でき、例えば、バインダーとなる樹脂、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤、充填剤、硬化剤、溶剤などを配合して調製し、塗布、乾燥して形成することができる。この耐熱滑性層の乾燥後の塗布量は、0.1〜2.0μm程度が適当である。
耐熱滑性層2の一例を挙げると、バインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。機能性添加剤としては、動物系ワックス、植物系ワックス等の天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセライト系ワックス、合成ケトン系ワックス、アミン及びアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系ワックス、アルファーオレフィン系ワックス等の合成ワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸金属塩、長鎖アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル又は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル等の界面活性剤等を挙げることができる。充填剤としては、タルク、シリカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、シリコーン粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ポリプロピレン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。硬化剤としては、トリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等のイソシアネート類、およびその誘導体を挙げることができるが、前記は全て特に限定されるわけではない。
次に、下引き層3の説明をする。下引き層3には、概ね以下の三つの性能が求められる。第一は、下地である基材1との強い密着力と、積層される染料層との強い密着力。第二は、発色感度を向上させるための基材1側への染料拡散を抑制させる染料移行防止性能。第三は、通常溶剤系からなる染料層を安定した均一な層として形成するために必要な耐溶剤性。
本発明は、前記下引き層3が主成分としてポリビニルアルコール、他に水分散型ポリイソシアネート系架橋剤および粒子状のゴム成分を含むことを特徴とし、上記で説明した下引き層3に求められる特性を発揮して、高速印画でも十分高い発色濃度が付与できる熱転写シートを提供するものである。以下、下引き層3をより詳細に説明する。
前記ポリビニルアルコールは、一般にポリ酢酸ビニルをケン化して得られるもので、酢酸基が数十%残存しているいわゆる部分ケン化ポリビニルアルコールから、酢酸基が数%しか残存していないいわゆる完全ケン化ポリビニルアルコールまでを含み、特に限定されるものではない。
上記のように、ポリビニルアルコールは樹脂マトリックス中に多くの水酸基を有しており、その水酸基は後述のイソシアネートとの架橋反応により機械的強度と耐熱性を付与することができる。また、架橋反応後に残った未反応の水酸基により、疎水性である着色層中の染料の拡散を抑制する効果があり、下引き層3としの重要な機能を有している。
前記ポリイソシアネートは、水酸基含有熱可塑性樹脂を、その水酸基を利用して架橋させ、塗膜強度、密着性、耐熱性を向上させるもので、公知のものが使用できる。イソシアネートの一例を挙げると、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサノンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等から適宜選択できる。特にトリレンジイソシアネートが好適である。
また、下引き層に添加するゴム成分の一例を挙げるとイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、αオレフィンコポリマーゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、ニトリルゴム、多硫化ゴムなどが挙げられる。上記各種ゴム成分を添加することで、下引き層の柔軟性が向上し、熱転写による画像形成後、熱転写シートと受像紙を剥離する工程において各層の界面、すなわち基材/下引き層または下引き層/染料層の界面への剥離応力の集中を避けることができるのでの見かけの剥離強度が増加し異常転写を抑制することが可能となる。前記ゴム成分は、可能な限り熱安定性が高く、ガラス転移点、融点、ビカット軟化点等の値が高いものを使用することが好ましい。
上記の各種ゴム成分の中でも粒子状のシリコーンゴムが好適である。シリコーンゴムは、ジメチルポリシロキサンを主鎖構造に持つシリコーンゴムのである。ジメチルポリシロキサンは、シロキサン結合が直線状に結合した高分子化合物であり、比較的適度なゴム弾性と耐熱性を有する。
前記粒子状のゴム成分の平均粒子径としては0.2〜0.8μm程度が好ましい。0.
2μm以下では熱転写時に応力の分散が十分にできず、層界面で剥離する異常転写となってしまう。0.8μm異常では、凹凸が大きく、発色感度低下の懸念がある。
前記ゴム成分の含有量は、下引き層を形成するための組成物中の全固形分に対して5〜40質量%が好ましい。5質量%未満であると熱転写時に十分に応力の分散ができず、層界面で剥離する異常転写となってしまう。また40質量%を超えると、下引き層の膜強度が極端に低下し、熱転写時に下引き層が小さな応力で凝集破壊し、結果として異常転写となってしまう。
上記の異常転写は、下引き層に添加する粒子状のゴム成分の添加量で制御することが可能であり、180°のテープ剥離試験による剥離強度が25N/m以上であれば、異常転写を抑制することが可能である。
下引き層の乾燥後の塗布量は、一概に限定されるものではないが、0.04μm以上0.30μm以下の範囲内であることが好ましい。0.04μm未満では、染料層積層時の下引き層劣化により、高速印画時における発色感度が不足し、基材あるいは染料層との密着性に問題を抱える不安がある。
次に、染料層4について説明する。本発明に係る染料層4は、従来公知のもので対応でき、例えば、熱移行性染料、バインダー、溶剤などを配合して染料層形成用組成物を調製し、塗布、乾燥することで形成することができる。染料層4の膜厚は1.0μm程度が適当である。なお染料層4は、1色の単一層で構成したり、色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成することもできる。
前記染料層4の熱移行性染料は、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であれば、特に限定するものではない。例えば、イエロー成分としては、ソルベントイエロー56,16,30,93,33、ディスパースイエロー201,231,33等を挙げることができる。マゼンタ成分としては、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースバイオレット26、C.I.ソルベントレッド27、あるいはC.I.ソルベントレッド19等を挙げることができる。シアン成分としては、C.I.ディスパースブルー354、C.I.ソルベントブルー63、C.I.ソルベントブルー36、あるいはC.I.ディスパースブルー24等を挙げることができる。墨の染料としては、前記の各染料を組み合わせて調色するのが一般的である。
また、バインダー樹脂としては特に限定するものではないが、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。
また、前記染料層4中の前記染料とバインダー樹脂との割合は、染料/バインダー樹脂=10/100から300/100が好ましい。これは、染料/バインダー樹脂の割合が、10/100を下回ると、染料が少な過ぎて発色感度が不十分となり良好な熱転写画像が得られない。また、300/100を越えると、バインダー樹脂に対する染料の溶解性が極端に低下するために、熱転写シートとなった際に染料の析出などが生じ保存安定性が低下する。また染料層4あるいは染料層形成組成物には、性能を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、安定化剤等の公知の添加剤を使用することができる。
また、本発明に係る耐熱滑性層2、下引き層3、染料層4の形成方法としては、公知の塗布方法及び乾燥方法を用いることができ。塗布方法として一例を挙げると、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法、リバースロールコート法を挙げることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、各組成物の部は質量部を意味する。
<実施例1>
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に下記組成の耐熱滑性層形成用組成物を、グラビアコーティング法により、乾燥後の厚みが1.0μmになるように塗布、乾燥した。その後に、40℃環境下で1週間エージング(養生)して耐熱滑性層を作製した。
<耐熱滑性層形成用組成物>
アクリルポリオール樹脂 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル 2.5部
タルク 6.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 50.0部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
次に、上記で得られた耐熱滑性層基材の他方の面(未処理面)に、下記組成の下引き層形成用組成物を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.70μmになるように塗布、乾燥させ下引き層を形成した。
<下引き層形成用組成物>
ポリビニルアルコール(完全ケン化) 4.0部
水分散型ポリイソシアネート 2.0部
(有効NCO含有量:15%)
スチレンブタジエンゴム粒子 0.3部
(平均粒子径:0.5μm)
純水 53.7部
イソプロピルアルコール 40.0部
引き続き、その下引き層の上に、下記組成の染料層形成用組成物を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.50μmになるように塗布し、乾燥することで、染料層を形成し、熱転写シートを得た。なお、得られた熱転写シートの染料層上に汎用粘着テープ(24mm幅)をゴムローラーを使用し貼り合せ、5分後、前記テープを180°折り返し、100mm/minの速度で強制剥離を行ったところ、剥離強度は29N/mであった。
<染料層形成用組成物>
C.I.ソルベントブルー63 6.0部
ポリビニルアセタール樹脂 4.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
<実施例2>
下引き層形成用組成物中のスチレンブタジエンゴム粒子の添加量を0.9部にしたこと以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを得た。なお、得られた熱転写シートを用いて実施例1と同様の剥離試験を行ったところ、剥離強度は31N/mであった。
<実施例3>
下引き層形成用組成物中のスチレンブタジエンゴム粒子の添加量を2.4部にしたこと以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを得た。なお、得られた熱転写シートを用いて実施例1と同様の剥離試験を行ったところ、剥離強度は25N/mであった。
<実施例4>
下引き層形成用組成物中のスチレンブタジエンゴム粒子の替わりに、平均粒子径0.8μmのシリコーンゴム粒子にしたこと以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを得た。なお、得られた熱転写シートを用いて実施例1と同様の剥離試験を行ったところ、剥離強度は29N/mであった。
<実施例5>
下引き層形成用組成物中のスチレンブタジエンゴム粒子の替わりに、平均粒子径0.8μmのシリコーンゴム粒子にし、その添加量を0.9部にしたこと以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを得た。なお、得られた熱転写シートを用いて実施例1と同様の剥離試験を行ったところ、剥離強度は35N/mであった。
<実施例6>
下引き層形成用組成物中のスチレンブタジエンゴム粒子の替わりに、平均粒子径0.8μmのシリコーンゴム粒子にし、その添加量を2.4部にしたこと以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを得た。なお、得られた熱転写シートを用いて実施例1と同様の剥離試験を行ったところ、剥離強度は30N/mであった。
<比較例1>
下引き層形成用組成物中のポリビニルアルコールの添加量が5.5部、水分散系のポリイソシアネートの添加量を0.5部、さらにはスチレンブタジエンゴム粒子の替わりに、平均粒子径0.8μmのシリコーンゴム粒子にし、その添加量を0.9部にしたこと以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを得た。なお、得られた熱転写シートを用いて実施例1と同様の剥離試験を行ったところ、剥離強度は22N/mであった。
<比較例2>
下引き層形成用組成物中のスチレンブタジエンゴム粒子の替わりに、平均粒子径0.8μmのシリコーンゴム粒子にし、その添加量を3.0部にしたこと以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを得た。なお、得られた熱転写シートを用いて実施例1と同様の剥離試験を行ったところ、剥離強度は12N/mであった。
<比較例3>
シリコーンゴム粒子を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。得られた熱転写シートについて、上記の剥離試験を行ったところ、8N/mであった。
<比較例4>
下引き層形成用組成物中のポリビニルアルコールの添加量が6.0部、水分散型ポリイソシアネートを添加せず、スチレンブタジエンゴム粒子の替わりに、平均粒子径0.8μmのシリコーンゴム粒子にし、その添加量を0.9部にしたこと以外は、実施例1と同様
にして熱転写シートを得た。なお、得られた熱転写シートを用いて実施例1と同様の剥離試験を行ったところ、剥離強度は9N/mであった。
<比較例5>
下引き層を設けず染料層を積層したこと以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。なお、得られた熱転写シートを用いて実施例1と同様の剥離試験を行ったところ、剥離強度は4N/mであった。
<評価>
実施例1〜6、比較例1〜5で得られた熱転写シートを、40℃90%RH環境下で144時間保存し、その後さらに常温24時間保存し、以下の印画性の評価を実施した。
<印画評価>
熱転写シートと被転写体を使用し、サーマルシミュレーターを用いて、以下の印画条件でベタ印画を行い、最高反射濃度、および異常転写の有無を評価した。評価結果を以下の表1に示す。なお、最高反射濃度は、X−Rite528による測定値であり、異常転写の有無の評価は、以下の基準にて行った。
○:被転写体への異常転写が、認められない
△:被転写体への異常転写が、ごく僅かに認められる
×:被転写体への異常転写が、全面で認められる
<印画条件>
印画環境:23℃50%RH
印加電圧:29V
ライン周期:0.7msec
印画密度:主走査300dpi、副走査300dpi
<比較結果>
表1に示す結果から分かるように、実施例1〜6の熱転写シートは、最高反射濃度が2.00以上であり、かつ、比較例1〜5と比較して異常転写が発生しにくいことがわかる。実施例3はスチレンブタジエンゴムの濃度が比較的高いせいか、反射濃度が低めで、わずかに異常転写が認められたが、実用上問題のないレベルであった。
これに対して、比較例1ではポリイソシアネートが不足し、架橋密度が小さいので剥離強度も低く、異常転写が発生した。比較例2では、シリコーンゴムの添加量が適切ではなく、下引き層の膜強度が低下した結果、異常転写が発生した。比較例3では、熱転写時の剥離応力の分散ができず、基材/下引き層の界面への応力集中により剥離強度の極端に低下し、結果として異常転写が発生した。比較例4では、架橋成分が添加されていないので、反射濃度は高いものの、膜強度が低いため、異常転写が発生した。比較例5では、下引き層がないので反射濃度が低く、染料層と基材との密着性が低いので、異常転写が発生した。
本発明の感熱転写記録媒体は、昇華転写方式のプリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用することができる。
1…基材
2…耐熱滑性層
3…下引き層
4…染料層

Claims (3)

  1. 基材の一方の面に耐熱滑性層を形成し、他方の面に下引き層、染料層を順次積層してなる熱転写シートであって、
    前記下引き層が、ポリビニルアルコールと水分散型ポリイソシアネート系架橋剤と
    粒子状のゴム成分とを含む組成物からなり、
    前記組成物中の全固形分に対して、粒子状のゴム成分が5〜40質量%からなることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記基材の他方の面に形成した染料層の剥離強度が、180°のテープ剥離試験において25N/m以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記ゴム成分がシリコーンゴムであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写シート。
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