JP2012200933A - 型内発泡成形用熱可塑性樹脂発泡粒子の製造方法 - Google Patents

型内発泡成形用熱可塑性樹脂発泡粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】型内発泡成形用熱可塑性樹脂発泡粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂組成物を押出機に供給して発泡剤の存在下にて溶融混練する工程と、上記押出機の前端に取り付けたノズル金型1から熱可塑性樹脂押出物を押出し、この熱可塑性樹脂押出物を発泡させながら、上記ノズル金型の前端面に接触しながら回転する回転刃5によって切断して熱可塑性樹脂発泡粒子を製造し、上記熱可塑性樹脂発泡粒子を切断応力によって飛散させる工程と、上記熱可塑性樹脂発泡粒子を上記ノズル金型1の前方に配設した冷却部材の冷却ドラム41内周面に沿って流している冷却液42に衝突、浸漬させて冷却する工程とを備えており、上記冷却液42の厚みが上記熱可塑性樹脂発泡粒子の粒径の1.5倍以上となるように調整していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、型内発泡成形用熱可塑性樹脂発泡粒子の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂発泡粒子を発泡させて熱可塑性樹脂発泡成形体を製造する方法として型内発泡成形が従来から汎用されている。型内発泡成形とは、熱可塑性樹脂発泡粒子を金型内に充填し、熱水や水蒸気などの熱媒体によって熱可塑性樹脂発泡粒子を加熱して発泡させ、熱可塑性樹脂発泡粒子の発泡圧によって発泡粒子同士を融着一体化させて所望形状を有する熱可塑性樹脂発泡成形体を製造する方法である。
熱可塑性樹脂発泡粒子を製造する方法としては、押出発泡させて得られた発泡体を小さく切断して熱可塑性樹脂発泡粒子を製造する方法が提案され、この方法には、ストランドカット法とホットカット法とがある。
一方、熱可塑性樹脂発泡粒子は、型内成形時における金型のキャビティ内への充填率を向上させ、熱可塑性樹脂発泡成形体に密度の不均一を生じさせないために可能な限り球状に近づけることが好ましい。更に、型内発泡成形では、熱可塑性樹脂発泡粒子同士の熱融着性の観点から、表面がスキン層で被覆され且つこのスキン層に凹凸が少ないことが好ましい。
しかるに、上述したストランドカット法は、ストランド状に押出発泡させてなる押出発泡体を冷却後に所定寸法毎に切断するために、得られる熱可塑性樹脂発泡粒子は円柱状となって表面に凹凸が形成されると共に、押出発泡体の切断面に対応する熱可塑性樹脂発泡粒子部分にはスキン層が形成されていないという問題点を有する。
又、上述したホットカット法では、熱可塑性樹脂発泡粒子の冷却方法としてアンダーウォーター式とウォーターリング式とがあり、アンダーウォーター式は、押出発泡直後に切断された熱可塑性樹脂発泡粒子を冷却槽中の冷却水に落下させて冷却するだけであると共に、熱可塑性樹脂発泡粒子は発泡によって密度が水の密度よりも小さくなっていることから、冷却槽内の冷却水中に落下させた熱可塑性樹脂発泡粒子は、冷却水上に浮いた状態となってしまい、熱可塑性樹脂発泡粒子を全体的に冷却水によって冷却させることができず、その結果、熱可塑性樹脂発泡粒子において、冷却が不十分な部分が不測に発泡し続ける結果、破泡して熱可塑性樹脂発泡粒子に収縮を生じるという問題を有する。
一方、上述したウォーターリング式の冷却方法を採用しているホットカット法としては、特許文献1に、押出機先端に取付けたダイより押出された溶融樹脂をダイ面を摺接しながら回転するカッターで切断してペレット化し、水中に落下させて冷却する空中ホットカット方式による造粒方法において、上記樹脂がポリ4−メチル−1ペンテンであり、ダイ面に形成される溶融樹脂膜を固化するため冷却水を散布ないし噴霧させる造粒方法が記載されている。
上記造粒方法は、合着ペレットやグレープ状ペレットの発生率を低減させるために、ダイ面に冷却水を散布又は噴霧して溶融樹脂膜を固化させてダイ面から剥離させ、カッター刃とダイ面との密着性を良好に維持し、カッターによって溶融樹脂を切断する際の切れ味を良好に保持するものである。
しかしながら、上記造粒方法を発泡粒子の製造に用いる場合、上記造粒方法では、ダイから押出された溶融樹脂に冷却水がかかり、溶融樹脂の発泡が阻害され、溶融樹脂の発泡倍率が低下するといった問題点を生じる。そして、ダイに冷却水を直接、散布又は噴霧するためにノズルの目詰まりが頻繁に発生し、発泡粒子の粒径や発泡倍率にばらつきが生じるといった問題点を生じる。
更に、ペレットを冷却水中に落下させているだけであり、非発泡のペレットは水に沈み易いが、発泡粒子ではその密度が水よりも小さいことから、発泡粒子が冷却水中に十分に沈まず、冷却が不十分となり、冷却が不十分なペレット部分において発泡が不測に進行して破泡を生じてペレットの収縮を生じる虞れがあり或いは球状のペレットの製造が難しいという問題点を有する。
又、特許文献2には、ポリ乳酸系樹脂及び増粘剤を含有し且つ180℃における粘度が4900〜20000Pa・sであるポリ乳酸系樹脂組成物を押出機に供給して発泡剤の存在下にて溶融混練する工程と、上記押出機の前端に取り付けたノズル金型からポリ乳酸系樹脂押出物を押出し、このポリ乳酸系樹脂押出物を発泡させながら、上記ノズル金型の前端面に接触しながら回転する回転刃によって切断してポリ乳酸系樹脂発泡粒子を製造し、上記ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を切断応力によって飛散させる工程と、上記ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を上記ノズル金型の前方に配設した冷却部材に衝突させて冷却する工程とを備えていることを特徴とする型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法が開示されている。
しかしながら、上述と同様に、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子が冷却部材の冷却液に十分に沈まず、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の冷却が不十分となり、冷却が不十分なポリ乳酸系樹脂発泡粒子部分において発泡が不測に進行して破泡を生じてポリ乳酸系樹脂発泡粒子の収縮を生じる虞れがあり或いは球状のポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造が難しいという問題点を有する。
特許第3996695号公報 特開2010−184956号公報
本発明は、熱可塑性樹脂発泡粒子の冷却を十分に行って略球状の型内発泡成形用熱可塑性樹脂発泡粒子(以下「熱可塑性樹脂発泡粒子」と略することがある)を効率的に製造することができる型内発泡成形用熱可塑性樹脂発泡粒子の製造方法を提供する。
本発明の型内発泡成形用熱可塑性樹脂発泡粒子の製造方法は、熱可塑性樹脂組成物を押出機に供給して発泡剤の存在下にて溶融混練する工程と、上記押出機の前端に取り付けたノズル金型から熱可塑性樹脂押出物を押出し、この熱可塑性樹脂押出物を発泡させながら、上記ノズル金型の前端面に接触しながら回転する回転刃によって切断して熱可塑性樹脂発泡粒子を製造し、上記熱可塑性樹脂発泡粒子を切断応力によって飛散させる工程と、上記熱可塑性樹脂発泡粒子を上記ノズル金型の前方に配設した冷却部材の冷却ドラムの内周面に沿って流している冷却液に衝突、浸漬させて冷却する工程とを備えており、上記冷却液の厚みが上記熱可塑性樹脂発泡粒子の粒径の1.5倍以上となるように調整していることを特徴とする。
先ず、熱可塑性樹脂発泡粒子の製造に用いられる製造装置について説明する。図1中、1は、押出機の前端に取り付けられたノズル金型である。このノズル金型は、熱可塑性樹脂組成物を押出発泡させて均一微細な気泡を形成でき好ましい。そして、図2に示したように、ノズル金型2の前端面1aには、ノズルの出口部11、11・・・が複数個、同一仮想円A上に等間隔毎に形成されている。なお、押出機の前端に取り付けるノズル金型は、ノズル内において熱可塑性樹脂組成物が発泡しなければ、特に限定されない。
ノズル金型1のノズルの数は、少ないと、熱可塑性樹脂発泡粒子の製造効率が低下する一方、多いと、互いに隣接するノズルから押出発泡される熱可塑性樹脂押出物同士が接触して合体し、或いは、熱可塑性樹脂押出物を切断して得られる熱可塑性樹脂発泡粒子同士が合体することがあるので、2〜80個が好ましく、5〜60個がより好ましく、8〜50個が特に好ましい。
ノズル金型1におけるノズルの出口部11の直径は、小さいと、押出圧力が高くなりすぎて押出発泡が困難となることがある一方、大きいと、熱可塑性樹脂発泡粒子の径が大きくなって金型への充填性が低下するので、0.2〜2mmが好ましく、0.3〜1.6mmがより好ましく、0.4〜1.2mmが特に好ましい。
ノズル金型1のランド部の長さは、ノズル金型1のノズルにおける出口部11の直径の4〜30倍が好ましく、ノズル金型1のノズルにおける出口部11の直径の5〜20倍がより好ましい。これは、ノズル金型のランド部の長さがノズル金型のノズルの出口部直径に比較して小さいと、フラクチャーが発生して安定的に押出発泡することができないことがある一方、ノズル金型のランド部の長さがノズル金型のノズルの出口部直径に比較して大きいと、ノズル金型に大きな圧力が加わり過ぎて押出発泡ができない場合があるからである。
そして、ノズル金型1の前端面1aにおけるノズルの出口部11、11・・・で囲まれた部分には、回転軸2が前方に向かって突出した状態に配設されており、この回転軸2は、後述する冷却部材4を構成する冷却ドラム41の前部41aを貫通してモータなどの駆動部材3に連結されている。
更に、上記回転軸2の後端部の外周面には一枚又は複数枚の回転刃5、5・・・が一体的に設けられており、全ての回転刃5は、その回転時には、ノズル金型1の前端面1aに常時、接触した状態となる。なお、回転軸2に複数枚の回転刃5、5・・・が一体的に設けられている場合には、複数枚の回転刃5、5・・・は回転軸2の周方向に等間隔毎に配列されている。又、図2では、一例として、四個の回転刃5、5・・・を回転軸2の外周面に一体的に設けた場合を示した。
そして、回転軸2が回転することによって回転刃5、5・・・は、ノズル金型1の前端面1aに常時、接触しながら、ノズルの出口部11、11・・・が形成されている仮想円A上を移動し、ノズルの出口部11、11・・・から押出された熱可塑性樹脂押出物を順次、連続的に切断可能なように構成されている。
又、ノズル金型1の少なくとも前端部と、回転軸2とを包囲するように冷却部材4が配設されている。この冷却部材4は、ノズル金型1よりも大径な正面円形状の前部41aと、この前部41aの外周縁から後方に向かって延設された円筒状の周壁部41bとを有する有底円筒状の冷却ドラム41とを備えている。
更に、冷却ドラム41の周壁部41bにおけるノズル金型1の外方に対応する部分には、冷却液42を供給するための供給口41cが内外周面間に亘って貫通した状態に形成されている。冷却ドラム41の供給口41cの外側開口部には冷却液42を冷却ドラム41内に供給するための供給管41dが接続されている。
冷却液42は、供給管41dを通じて、冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に沿って斜め前方に向かって供給されるように構成されている。そして、冷却液42は、供給管41dから冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に供給される際の流速に伴う遠心力によって、冷却ドラム41の周壁部41b内周面に沿って螺旋状を描くように前方に向かって進む。そして、冷却液42は、周壁部41bの内周面に沿って進行中に、徐々に進行方向に直交する方向に広がり、その結果、冷却ドラム41の供給口41cより前方の周壁部41bの内周面は冷却液42によって全面的に被覆された状態となるように構成されている。
なお、冷却液42としては、熱可塑性樹脂発泡粒子を冷却することができれば、特に限定されず、例えば、水、アルコールなどが挙げられるが、使用後の処理を考慮すると、水が好ましい。
そして、冷却ドラム41の周壁部41bの前端部下面には、その内外周面間に亘って貫通した状態に排出口41eが形成されており、この排出口41eの外側開口部には排出管41fが接続されており、熱可塑性樹脂発泡粒子及び冷却液42を連続的に排出できるように構成されている。
次に、本発明で用いられる熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6などのポリアミド系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂などのポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの塩素系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂などが挙げられ、押出発泡が難しく、冷却不足に起因した破泡による収縮が生じやすいポリエステル系樹脂が本発明において特に効果があり好ましい。なお、熱可塑性樹脂は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリエチレンテレフタレートは架橋剤によって架橋されていてもよい。架橋剤としては、公知のものが用いられ、例えば、無水ピロメリット酸などの酸二無水物、多官能エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物などが挙げられる。なお、架橋剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリエチレンテレフタレートを架橋剤によって架橋する場合には、後述する押出機にポリエチレンテレフタレートと共に架橋剤を供給すればよい。押出機に供給する架橋剤の量は、少ないと、ポリエチレンテレフタレートの溶融時の溶融粘度が小さくなりすぎて、発泡粒子が破泡してしまうことがあり、多いと、ポリエチレンテレフタレートの溶融時の溶融粘度が大きくなりすぎて、押出発泡が困難となることがあるので、ポリエチレンテレフタレート100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜1重量部がより好ましい。
ポリ乳酸系樹脂は、一般に市販されているポリ乳酸系樹脂を用いることができ、具体的には、D−乳酸及びL−乳酸をモノマーとして共重合させるか、D−乳酸又はL−乳酸の何れか一方をモノマーとして重合させるか、或いは、D−ラクチド、L−ラクチド及びDL−ラクチドからなる群より選ばれた一又は二以上のラクチドを開環重合させることによって得ることができ、何れのポリ乳酸系樹脂であってもよい。
そして、熱可塑性樹脂発泡粒子は押出発泡によって製造される。具体的には、熱可塑性樹脂組成物を押出機に供給して発泡剤の存在下にて溶融混練した後、押出機の前端に取り付けたノズル金型1から熱可塑性樹脂押出物を押出発泡させながら回転刃5によって切断し熱可塑性樹脂発泡粒子を製造する。
なお、上記押出機としては、従来から汎用されている押出機であれば、特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸押出機、複数の押出機を連結させたタンデム型の押出機が挙げられる。
又、上記発泡剤としては、従来から汎用されているものが用いられ、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾイルジカルボンアミド、重炭酸ナトリウムなどの化学発泡剤;プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素、ジメチルエーテルなどのエーテル類、塩化メチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、モノクロロジフルオロメタンなどのフロン、二酸化炭素、窒素などの物理発泡剤などが挙げられ、ジメチルエーテル、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、二酸化炭素が好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンがより好ましく、ノルマルブタン、イソブタンが特に好ましい。なお、発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、押出機に供給される発泡剤量としては、少ないと、熱可塑性樹脂発泡粒子を所望発泡倍率まで発泡させることができないことがある一方、多いと、発泡剤が可塑剤として作用することから溶融状態の熱可塑性樹脂組成物の粘弾性が低下し過ぎて発泡性が低下し良好な熱可塑性樹脂発泡粒子を得ることができない場合があるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、0.2〜4重量部がより好ましく、0.3〜3重量部が特に好ましい。
なお、押出機には気泡調整剤が供給されることが好ましい。このような気泡調整剤としては、ポリテトラフルオロエチレン粉末、アクリル樹脂で変性されたポリテトラフルオロエチレン粉末、タルクなどが好ましい。
又、押出機に供給される気泡調整剤の量としては、少ないと、熱可塑性樹脂発泡粒子の気泡が粗大となり、得られる熱可塑性樹脂発泡成形体の外観が低下することがある一方、多いと、熱可塑性樹脂組成物を押出発泡させる際に破泡を生じて熱可塑性樹脂発泡粒子の独立気泡率が低下することがあるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、0.05〜3重量部がより好ましく、0.1〜2重量部が特に好ましい。
そして、ノズル金型1から押出された熱可塑性樹脂押出物は引き続き切断工程に入る。熱可塑性樹脂押出物の切断は、回転軸2を回転させ、ノズル金型1の前端面1aに配設された回転刃5、5・・・を好ましくは2000〜10000rpmの一定の回転数で回転させて行う。
全ての回転刃5はノズル金型1の前端面1aに常時、接触しながら回転しており、ノズル金型1から押出発泡された熱可塑性樹脂押出物は、回転刃5と、ノズル金型1におけるノズルの出口部11端縁との間に生じる剪断応力によって、一定の時間間隔毎に大気中において切断されて熱可塑性樹脂発泡粒子とされる。この時、熱可塑性樹脂押出物の冷却が過度とならない範囲内において、熱可塑性樹脂押出物に水を霧状に吹き付けてもよい。
本発明では、ノズル金型1のノズル内において熱可塑性樹脂組成物が発泡しないようにしている。そして、熱可塑性樹脂組成物は、ノズル金型1のノズルの出口部11から吐出された直後は、未だに発泡しておらず、吐出されてから僅かな時間が経過した後に発泡を始める。従って、熱可塑性樹脂押出物は、ノズル金型1のノズルの出口部11から吐出された直後の未発泡部と、この未発泡部に連続する、未発泡部に先んじて押出された発泡途上の発泡部とからなる。
ノズル金型1のノズルの出口部11から突出されてから発泡を開始するまでの間、未発泡部はその状態を維持する。この未発泡部が維持される時間は、ノズル金型1のノズルの出口部11における樹脂圧力や、発泡剤量などによって調整することができる。ノズル金型1のノズルの出口部11における樹脂圧力が高いと、熱可塑性樹脂押出物はノズル金型1から押出されてから直ぐに発泡することはなく未発泡の状態を維持する。ノズル金型1のノズルの出口部11における樹脂圧力の調整は、ノズルの口径、押出量、熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度及び溶融張力によって調整することができる。発泡剤量を適正な量に調整することによって金型内部において熱可塑性樹脂組成物が発泡することを防止し、未発泡部を確実に形成することができる。
そして、全ての回転刃5はノズル金型1の前端面1aに常時、接触した状態で熱可塑性樹脂押出物を切断していることから、熱可塑性樹脂押出物は、ノズル金型1のノズルの出口部11から吐出された直後の未発泡部において切断されて熱可塑性樹脂発泡粒子が製造される。
得られた熱可塑性樹脂発泡粒子は、熱可塑性樹脂押出物をその未発泡部で切断していることから、切断部の表面には気泡断面は存在しない。そして、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面全面は、気泡断面の存在しない表皮層で被覆されている。従って、熱可塑性樹脂発泡粒子は、発泡ガスの抜けがなく優れた発泡性を有していると共に連続気泡率も低く、更に、表面の熱融着性にも優れている。
そして、熱可塑性樹脂発泡粒子を型内発泡成形に用いた時、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面は、気泡断面が露出していない表皮層から形成されていることから、発泡粒子同士の熱融着性が良好であり、得られる熱可塑性樹脂発泡成形体は、表面ムラがなく外観に優れていると共に優れた機械的強度を有している。
又、上述したように、回転刃5は一定の回転数で回転しているが、回転刃5の回転数は、2000〜10000rpmが好ましく、2000〜9000rpmがより好ましく、2000〜8000rmpが特に好ましい。
これは、回転刃5が2000rpmを下回ると、熱可塑性樹脂押出物を回転刃5によって確実に切断することができず、熱可塑性樹脂発泡粒子同士が合着したり、或いは、熱可塑性樹脂発泡粒子の形状が不均一となることがあるからである。
一方、回転刃5の回転数が10000rpmを上回ると下記の問題点を生じ易くなるからである。第一の問題点は、回転刃による切断応力が大きくなって、熱可塑性樹脂発泡粒子がノズルの出口部から冷却部材に向かって飛散される際に、熱可塑性樹脂発泡粒子の初速が速くなる。その結果、熱可塑性樹脂押出物を切断してから、熱可塑性樹脂発泡粒子が冷却部材に衝突するまでの時間が短くなり、熱可塑性樹脂発泡粒子の発泡が不充分となって熱可塑性樹脂発泡粒子の発泡倍率が低くなることがある。第二の問題点は、回転刃及び回転軸の摩耗が大きくなって回転刃及び回転軸の寿命が短くなることがあるからである。
そして、上述のようにして得られた熱可塑性樹脂発泡粒子は、回転刃5による切断応力によって切断と同時に冷却ドラム41に向かって飛散され、冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に直ちに衝突する。熱可塑性樹脂発泡粒子は、冷却ドラム41に衝突するまでの間も発泡をし続けており、熱可塑性樹脂発泡粒子は発泡によって略球状に成長している。
一方、冷却ドラム41の周壁部41bの内周面は全面的に冷却液42で被覆されているが、この冷却液42は、供給管41dを通じて、冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に沿って斜め前方に向かって供給され、供給管41dから冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に供給される際の流速に伴う遠心力によって、冷却ドラム41の周壁部41b内周面に沿って螺旋状を描くように前方に向かって進み、そして、冷却液42は、周壁部41bの内周面に沿って進行中に、徐々に進行方向に直交する方向に広がり、その結果、冷却ドラム41の供給口41cより前方の周壁部41bの内周面は冷却液42によって全面的に被覆された状態となっている。
ここで、冷却ドラム41の周壁部41bの内周面を被覆している冷却液42の厚みは、熱可塑性樹脂発泡粒子の粒径の1.5倍以上となるように調整されていることから、冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に向かって飛散された熱可塑性樹脂発泡粒子は、冷却ドラム41の周壁部41bの内周面を流れている冷却液42に全面的に浸漬した状態となり、その結果、熱可塑性樹脂発泡粒子は全面的に確実に冷却されて発泡が全面的に停止する。
このように、冷却液42の厚みが熱可塑性樹脂発泡粒子の粒径の1.5倍以上となるように調整されているので、熱可塑性樹脂発泡粒子は全面的に冷却されて部分的に発泡が進行するようなことはなく、よって、熱可塑性樹脂発泡粒子は冷却液42内に進入する前の略球状の形態を維持し、略球状の熱可塑性樹脂発泡粒子を得ることができる。なお、上記熱可塑性樹脂発泡粒子の粒径は、冷却液42による熱可塑性樹脂発泡粒子の冷却が完了した時点での熱可塑性樹脂発泡粒子の粒径をいう。
ここで、本発明において、熱可塑性樹脂発泡粒子の粒径は、熱可塑性樹脂発泡粒子の直径を直接、ノギスを用いて測定することができる。具体的には、各熱可塑性樹脂発泡粒子において、最も長い寸法(長径)を測定し、長径を熱可塑性樹脂発泡粒子の粒径とする。
冷却ドラム41の周壁部41bの内周面を被覆している冷却液42の厚みとは、冷却液42の進行方向に直交する方向における冷却液42の厚みであり、具体的には、冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に対して直交する方向における冷却ドラム41の周壁部41bの内周面と冷却液42の表面との間の間隔をいう。冷却液42の厚みは、例えば、供給管41dから冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に供給される冷却液の流速、冷却ドラム41に形成されている供給口41cの形状及び大きさ、冷却ドラム41の排出口41eの形状及び大きさを調整することによって制御することができる。
冷却ドラム41の周壁部41bの内周面を被覆している冷却液42の厚みは、薄いと、熱可塑性樹脂発泡粒子を冷却液に42に全面的に沈めて熱可塑性樹脂発泡粒子を全面的に冷却することができないので、熱可塑性樹脂発泡粒子の粒径の1.5倍以上に限定され、厚すぎても、冷却ドラム周辺の金型などが過度に冷却されて押出発泡に悪影響を与えることがあるので、熱可塑性樹脂発泡粒子の粒径の1.5〜3.0倍が好ましい。
又、上述のように、熱可塑性樹脂押出物を回転刃5によって切断した後に、熱可塑性樹脂発泡粒子を直ちに冷却液42によって全面的に冷却していることから、熱可塑性樹脂発泡粒子が過度に発泡するのを防止している。
更に、熱可塑性樹脂押出物を回転刃5によって切断して得られた熱可塑性樹脂発泡粒子は冷却液42に向かって飛散させられるが、上述の通り、冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に沿って流れている冷却液42は螺旋状に旋回しながら流れており、この冷却液42の表面に対して斜交し且つ冷却液42の流れの上流側から下流側に向かって熱可塑性樹脂発泡粒子Pを冷却液42に衝突させて冷却液42に進入させるようにしている(図3参照)。
このように、熱可塑性樹脂発泡粒子を冷却液42内に進入させるに際して熱可塑性樹脂発泡粒子を冷却液42の流れを追う方向から熱可塑性樹脂発泡粒子を冷却液42に進入させているので、熱可塑性樹脂発泡粒子は冷却液42の表面に弾かれることなく、熱可塑性樹脂発泡粒子は冷却液42内に円滑に且つ確実に進入して冷却液によって全面的に冷却される。
従って、熱可塑性樹脂発泡粒子は、冷却ムラや収縮のない略球状の形態を有し、型内発泡成形時に優れた発泡性及び熱融着性を発揮する。そして、ポリエチレンテレフタレートやポリ乳酸系樹脂のような結晶性樹脂の場合は、型内発泡成形時に熱可塑性樹脂発泡粒子の結晶化度を上昇させて、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性を向上させることができ、得られる熱可塑性樹脂発泡成形体は、優れた耐熱性を有している。
又、冷却液42の流速は、冷却ドラム41に形成されている供給口41cにおいて、小さいと、冷却部材の冷却ドラムの内周面に沿って冷却液が流れないことがあるので、2m/秒以上が好ましく、4m/秒以上がより好ましいが、大きすぎても、冷却液に熱可塑性樹脂発泡粒子が浸漬させている時間が短くなり、熱可塑性樹脂発泡粒子の冷却が不十分となることがあるので、4〜50m/秒が特に好ましい。
冷却液42の温度は、低いと、冷却ドラム41の近傍に位置するノズル金型が過度に冷却されて、熱可塑性樹脂組成物の押出発泡に悪影響が生じることがある一方、高いと、熱可塑性樹脂発泡粒子の冷却が不十分となるので、10〜40℃が好ましい。
このようにして得られた熱可塑性樹脂発泡粒子の嵩密度は、小さいと、熱可塑性樹脂発泡粒子の連続気泡率が上昇して、型内発泡成形における発泡時に熱可塑性樹脂発泡粒子に必要な発泡力を付与することができない虞れがある一方、大きいと、得られる熱可塑性樹脂発泡粒子の気泡が不均一となって、型内発泡成形時における熱可塑性樹脂発泡粒子の発泡性が不充分となることがあるので、0.02〜0.6g/cm3が好ましく、0.03〜0.5g/cm3がより好ましく、0.04〜0.4g/cm3が特に好ましい。
なお、熱可塑性樹脂発泡粒子の嵩密度は、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定されたものをいう。即ち、JIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいて熱可塑性樹脂発泡粒子の嵩密度を測定した。
熱可塑性樹脂発泡粒子の嵩密度(g/cm3
=〔試料を入れたメスシリンダーの質量(g)−メスシリンダーの質量(g)〕
/〔メスシリンダーの容量(cm3)〕
このようにして得られた熱可塑性樹脂発泡粒子を金型のキャビティ内に充填して加熱し、熱可塑性樹脂発泡粒子を発泡させることによって、熱可塑性樹脂発泡粒子を発泡させて発泡粒子同士をそれらの発泡圧によって互いに融着一体化させると共に、ポリエステル系樹脂などの結晶性の熱可塑性樹脂においては、熱可塑性樹脂の結晶化度を上昇させて、融着性及び耐熱性に優れた所望形状を有する熱可塑性樹脂発泡成形体を得ることができる。なお、金型内に充填した熱可塑性樹脂発泡粒子の加熱媒体としては、特に限定されず、水蒸気の他に、熱風、温水などが挙げられる。
本発明の型内発泡成形用熱可塑性樹脂発泡粒子の製造方法は、上述のように、熱可塑性樹脂押出物を回転刃によって切断してなる熱可塑性樹脂発泡粒子をこの熱可塑性樹脂発泡粒子の直径の1.5倍以上の厚みを有する冷却液に衝突、進入させているので、熱可塑性樹脂発泡粒子を全面的に冷却液によって冷却することができ、よって、熱可塑性樹脂発泡粒子が部分的に発泡し破泡して収縮を生じ、又は、熱可塑性樹脂発泡粒子が部分的に発泡し熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に凹凸が生じるようなことはなく、得られる熱可塑性樹脂発泡粒子は表面が略均質な状態で略球状に形成されている。
従って、熱可塑性樹脂発泡粒子を型内発泡成形に用いた場合には、熱可塑性樹脂発泡粒子は全方向に略均一に発泡して、発泡粒子同士が互いに全方向において強固に熱融着一体化する。
そして、上記型内発泡成形用熱可塑性樹脂発泡粒子の製造方法において、冷却液は冷却ドラムの内周面に沿って螺旋状に流れており、上記冷却液の流れの上流側から下流側に向かう方向に熱可塑性樹脂発泡粒子を上記冷却液に衝突、浸漬させている場合には、熱可塑性樹脂発泡粒子は、螺旋状に流れる冷却液の流れの上流側から下流側に向かって、即ち、冷却液を追うようにして、冷却液にその表面に対して斜交した方向から衝突するので、熱可塑性樹脂発泡粒子は冷却液に円滑に進入して十分な厚みを有する冷却液内に全面的に沈んで確実に冷却され、よって、得られる熱可塑性樹脂発泡粒子は、収縮や表面に凹凸を生じることなく更に球状に近い形態を呈している。
型内発泡成形用熱可塑性樹脂発泡粒子の製造装置の一例を示した模式断面図である。 マルチノズル金型を正面から見た模式図である。 熱可塑性樹脂発泡粒子が冷却液に進入する状況を示した模式図である。
1 ノズル金型
2 回転軸
3 駆動部材
4 冷却部材
41 冷却ドラム
42 冷却液
5 回転刃
P 熱可塑性樹脂発泡粒子
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1,2、比較例1,2)
図1及び図2に示した製造装置を用いた。先ず、ポリエチレンテレフタレート(三井化学社製 商品名「SA−135」)100重量部、ポリエチレンテレフタレートにタルクを含有させてなるマスターバッチ(ポリエチレンテレフタレート含有量:60重量%、タルク含有量:40重量%)1.8重量部及び無水ピロメリット酸0.2重量部を含む熱可塑性樹脂組成物を口径が65mmの押出機に供給して290℃にて溶融混練した。
続いて、押出機の途中から、イソブタン35重量%及びノルマルブタン65重量%からなるブタンをポリエチレンテレフタレート100重量部に対して1.0重量部となるように溶融状態の熱可塑性樹脂組成物に圧入して、ポリエチレンテレフタレート中に均一に分散させた。
しかる後、押出機の先端部において、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を280℃に冷却した後、押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型1の各ノズルから熱可塑性樹脂組成物を押出発泡させた。
なお、マルチノズル金型1は、出口部11の直径が1mmのノズルを20個有しており、ノズルの出口部11は全て、マルチノズル金型1の前端面1aに想定した、直径が139.5mmの仮想円A上に等間隔毎に配設されていた。
そして、回転軸2の後端部外周面には、2枚の回転刃5が回転軸2の周方向に180°の位相差でもって一体的に設けられており、各回転刃5はマルチノズル金型1の前端面1aに常時、接触した状態で仮想円A上を移動するように構成されていた。
更に、冷却部材4は、正面円形状の前部41aと、この前部41aの外周縁から後方に向かって延設され且つ内径が320mmの円筒状の周壁部41bとからなる冷却ドラム41を備えていた。そして、供給管41d及び冷却ドラム41の供給口41cを通じて冷却ドラム41内に20℃の冷却水42が供給されていた。冷却ドラム41内の容積は17684cm3であった。
なお、冷却ドラム41内への冷却水42の供給量、冷却ドラム41の供給口41cにおける冷却水42の流速は表1に示した通りであった。
冷却水42は、供給管41dから冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に供給される際の流速に伴う遠心力によって、冷却ドラム41の周壁部41b内周面に沿って螺旋状を描くように前方に向かって進んでおり、冷却液42は、周壁部41bの内周面に沿って進行中に、徐々に進行方向に直交する方向に広がり、その結果、冷却ドラム41の供給口41cより前方の周壁部41bの内周面は冷却液42によって全面的に被覆された状態となっていた。冷却ドラム41の周壁部41bの内周面を流れている冷却水42の厚みは表1に示した通りであった。
そして、マルチノズル金型1の前端面1aに配設した回転刃5を2500rpmの回転数で回転させてあり、マルチノズル金型1の各ノズルの出口部11から押出発泡された熱可塑性樹脂押出物を回転刃5によって切断して略球状の熱可塑性樹脂発泡粒子を製造した。熱可塑性樹脂押出物は、マルチノズル金型1のノズルから押出された直後の未発泡部と、この未発泡部に連続する発泡途上の発泡部とからなっていた。そして、熱可塑性樹脂押出物は、ノズルの出口部11の開口端において切断されており、熱可塑性樹脂押出物の切断は未発泡部において行われていた。
なお、上述の熱可塑性樹脂発泡粒子の製造にあたっては、先ず、マルチノズル金型1に回転軸2を取り付けず且つ冷却部材4をマルチノズル金型1から退避させておいた。この状態で、押出機から熱可塑性樹脂押出物を押出発泡させ、熱可塑性樹脂押出物が、マルチノズル金型1のノズルから押出された直後の未発泡部と、この未発泡部に連続する発泡途上の発泡部とからなることを確認した。次に、マルチノズル金型1に回転軸2を取り付け且つ冷却部材4を所定位置に配設した後、回転軸2を回転させ、熱可塑性樹脂押出物をノズルの出口部11の開口端において回転刃5で切断して熱可塑性樹脂発泡粒子を製造した。
この熱可塑性樹脂発泡粒子は、回転刃5による切断応力によって外方或いは前方に向かって飛ばされ、冷却部材4の冷却ドラム41の内面に沿って流れている冷却水42にこの冷却水42の流れの上流側から下流側に向かって冷却水42を追うように冷却水42の表面に対して斜交する方向から衝突し、熱可塑性樹脂発泡粒子は冷却水42中に進入して直ちに冷却された。得られた熱可塑性樹脂発泡粒子の表面は、表皮層で全面的に被覆されていた。表皮層には気泡断面は存在していなかった。
冷却された熱可塑性樹脂発泡粒子は、冷却ドラム41の排出口41eを通じて冷却水42と共に排出された後、脱水機にて冷却水42と分離された。
得られた熱可塑性樹脂発泡粒子のそれぞれについて長径(粒径)及び最も短い寸法(短径)を測定した。測定された長径(粒径)のうち、最大値及び最小値を表1に記載した。
得られた熱可塑性樹脂発泡粒子のそれぞれについて長径を短径で除して径比率(長径/短径)を算出し、各熱可塑性樹脂発泡粒子の径比率の相加平均値を平均径比率として表1に示した。
得られた熱可塑性樹脂発泡粒子の嵩密度を測定し、表1に示した。
Figure 2012200933

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂組成物を押出機に供給して発泡剤の存在下にて溶融混練する工程と、上記押出機の前端に取り付けたノズル金型から熱可塑性樹脂押出物を押出し、この熱可塑性樹脂押出物を発泡させながら、上記ノズル金型の前端面に接触しながら回転する回転刃によって切断して熱可塑性樹脂発泡粒子を製造し、上記熱可塑性樹脂発泡粒子を切断応力によって飛散させる工程と、上記熱可塑性樹脂発泡粒子を上記ノズル金型の前方に配設した冷却部材の冷却ドラムの内周面に沿って流している冷却液に衝突、浸漬させて冷却する工程とを備えており、上記冷却液の厚みが上記熱可塑性樹脂発泡粒子の粒径の1.5倍以上となるように調整していることを特徴とする型内発泡成形用熱可塑性樹脂発泡粒子の製造方法。
  2. 冷却液は冷却ドラムの内周面に沿って螺旋状に流れており、上記冷却液の流れの上流側から下流側に向かう方向に熱可塑性樹脂発泡粒子を上記冷却液に衝突、浸漬させていることを特徴とする請求項1に記載の型内発泡成形用熱可塑性樹脂発泡粒子の製造方法。
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