JP2012197370A - 硫化亜鉛蛍光体粒子 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】輝点密度が高く、発光輝度を向上させる分散型無機EL素子を与える硫化亜鉛蛍光体粒子を提供する。
【解決手段】長軸長/短軸長で表される軸長比が1.05〜1.50の硫化亜鉛蛍光体粒子であって、長軸が前記粒子における硫化亜鉛立方晶の面状欠陥と平行であり、かつ前記長軸を法線とする面から硫化亜鉛蛍光体粒子を観察して得られる硫化亜鉛蛍光体粒子像の、円形度=L/4πA(L:前記面から見た場合に観察される硫化亜鉛蛍光体粒子像の円周長、A:前記面から見た場合に観察される硫化亜鉛蛍光体粒子像の面積)で定義される円形度が1.250以下である、硫化亜鉛蛍光体粒子およびその製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光輝度が改善された分散型無機EL素子に有用な硫化亜鉛蛍光体粒子に関する。
分散型無機EL素子は表示装置用のバックライト等に利用されている。分散型無機EL素子は、バインダー(通常、フッ素系樹脂あるいはシアノ基を有する樹脂等の高誘電性樹脂)中に蛍光体粒子を分散させた発光層と、該発光層の両面にそれぞれ配置された2つの電極板とを備える素子である。通常、分散型無機EL素子は、絶縁破壊を防ぐために高誘電性樹脂中にチタン酸バリウムのような誘電体物質を分散させた誘電層をさらに備える。
分散型無機EL素子の発光層に含まれる蛍光体粒子としては、硫化亜鉛結晶ならびに発光中心となる付活剤および共付活剤を含有する硫化亜鉛蛍光体粒子が広く知られている(特許文献1、2参照)。かかる硫化亜鉛蛍光体粒子を用いた分散型無機EL素子は、発光輝度、発光寿命等の改良が試みられてきた。
一方、硫化亜鉛結晶の(111)面が印加する電場の方向と平行な場合に、硫化亜鉛蛍光体粒子が最も強い発光輝度を示すことが知られている(非特許文献1参照)。
さらに、軸長比(長軸長/短軸長)を3以上とし、かつ硫化亜鉛結晶の(111)面を短軸と平行に配向させた硫化亜鉛蛍光体粒子を電極板の表面に塗工して、該硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸が電極板と平行になるように配向させることで発光輝度を向上できることが知られている(特許文献3参照)。
特開2005−132947号公報 特開2004−2867号公報 特開2004−131583号公報
フィジカル・レビュー(Physical Review)、1962年、第125巻、第1号、p.149−158
特許文献3には、軸長比が3以上の硫化亜鉛蛍光体粒子を電極板の表面に塗工して、硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸方向を電極板と平行に配置させた分散型無機EL素子が開示されている。しかしながら、かかる分散型無機EL素子の輝度を向上させる上で重要となる、硫化亜鉛結晶の(111)面と硫化亜鉛蛍光体粒子の短軸方向を平行にするための方法が十分開示されているとはいえず、発光輝度を高めることは困難である。また、軸長比が3以上の硫化亜鉛蛍光体粒子を作製することは、結晶成長を促すことが困難なだけでなく、該結晶成長の促進に助剤(金属酸化物等)が不可欠となり、かかる助剤の除去といった煩雑なプロセスを必要とするので、工業化が容易でないという問題があった。さらに、発明者らの検討によれば、かかる硫化亜鉛蛍光体粒子は発光層の主面で発光に寄与する輝点密度が低いため、発光輝度も十分向上できないことが判明した。
上記問題点を鑑み、本発明は、輝点密度が高く、発光輝度を向上し得る分散型無機EL素子を与える硫化亜鉛蛍光体粒子を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1)長軸長/短軸長で表される軸長比が1.05〜1.50の硫化亜鉛蛍光体粒子であって、
長軸が前記硫化亜鉛蛍光体粒子における硫化亜鉛立方晶の面状欠陥と平行であり、かつ
前記長軸を法線とする面から硫化亜鉛蛍光体粒子を観察して得られる硫化亜鉛蛍光体粒子像の、次式で定義される円形度が1.250以下である、硫化亜鉛蛍光体粒子;
円形度=L/4πA
L:前記長軸を法線とする面から見た場合に観察される硫化亜鉛蛍光体粒子像の円周長
A:前記長軸を法線とする面から見た場合に観察される硫化亜鉛蛍光体粒子像の面積
(2)長軸の長さが10〜30μmである(1)の硫化亜鉛蛍光体粒子;
(3)アルカリ金属ハロゲン化物1モルに対してアルカリ土類金属ハロゲン化物を0.7〜1.5モルの範囲で混合した融剤、および硫化亜鉛を混合する混合工程、
前記混合物を焼成する一次焼成工程、
前記一次焼成物を水性媒体に分散させて超音波処理する超音波処理工程、ならびに
前記超音波処理された混合物を二次焼成する二次焼成工程、を含む(1)の硫化亜鉛蛍光体粒子の製造方法;
(4)前記一次焼成工程における焼成温度が1030℃以上1100℃未満である、(3)の製造方法;
である。
本発明により、輝点密度が高く、高い発光輝度を示す分散型無機EL素子を与える硫化亜鉛蛍光体粒子を提供できる。
本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子の形状の概要図である。 簡易的な分散型無機EL素子の概要図である。 本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子の発光状態を光学顕微鏡で観察した硫化亜鉛蛍光体粒子像である。
[1.硫化亜鉛蛍光体粒子]
硫化亜鉛蛍光体粒子とは、硫化亜鉛結晶、付活剤、および共付活剤を含有する蛍光体粒子であり、外部からのエネルギーを光に変換できる。本発明に用いる硫化亜鉛蛍光体粒子は硫化亜鉛結晶として面状欠陥を有する硫化亜鉛立方晶を含有する。かかる面状欠陥とは、硫化亜鉛立方晶の結晶面のずれに起因して発生する双晶面および相界面を指し、硫化亜鉛立方晶の1つの(111)面と平行である。かかる面状欠陥を製造するには、硫化亜鉛六方晶に超音波などの衝撃を加えることで該硫化亜鉛六方晶の(002)面に平行な面状欠陥を形成した後、加熱などの手段によって硫化亜鉛立方晶に転移させることが好ましい。本発明で用いる硫化亜鉛立方晶の面状欠陥の方向は、硫化亜鉛蛍光体粒子を塩酸等の酸でエッチングした際に、硫化亜鉛蛍光体粒子表面に現れる面状欠陥の積層構造を観察することで容易に特定できる。
硫化亜鉛蛍光体粒子が含有する付活剤とは、電場を印加することによってアクセプターとなる物質である。付活剤の例には、銅、銀、金等の遷移金属元素、およびセリウム、ユーロピウム、テルビウム等の希土類金属元素が挙げられ、経済性、発色光の制御の観点から、銅、銀またはセリウム、テルビウムが好ましく、銅がより好ましい。
付活剤の量は所望する発光色により異なるが、通常、質量基準で硫化亜鉛蛍光体粒子に対し50〜2000ppmであることが好ましく、100〜1200ppmであることがより好ましい。
硫化亜鉛蛍光体粒子が含有する共付活剤とは、電場を印加することによってドナーとなる物質である。共付活剤の例には、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素、およびアルミニウム、ガリウム等の金属元素が挙げられるが、これらに限定されない。共付活剤の量は特に限定されないが、通常、付活剤1質量部に対して0.2〜10質量部、より好ましくは0.3〜5質量部である。
本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子は、長軸長/短軸長で表される軸長比が1.05〜1.50である。軸長比がこの範囲にあると、分散型無機EL素子に用いた際に、電場の印加によって発光輝度を高める方向に硫化亜鉛蛍光体粒子を配向させやすい。軸長比は好ましくは1.06〜1.49、より好ましくは1.07〜1.48である。軸長比が1.50を超えると製造が困難なだけでなく、配向に要するせん断力が大きくなり配向が困難となる。また、軸長比が1.05未満であると配向に要するせん断力が過度に小さくなり配向が困難となる。本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子は、長軸が当該硫化亜鉛蛍光体粒子における硫化亜鉛立方晶の面状欠陥と平行である。
本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子は、前記長軸を法線とする面から硫化亜鉛蛍光体粒子を観察して得られる硫化亜鉛蛍光体粒子像の円形度(以下単に「円形度」ともいう)が1.250以下である。前記硫化亜鉛蛍光体粒子像は、当該硫化亜鉛蛍光体粒子を前記長軸を法線とする面に投影してできる像と等しい。円形度は、真円に近いかどうかを示す指標であり、本発明においては次式で定義される。
円形度=L/4πA
ここで、Lは長軸を法線とする面から見た場合に観察される硫化亜鉛蛍光体粒子像の円周長であり、Aは前記長軸を法線とする面から見た場合に観察される硫化亜鉛蛍光体粒子像の面積である。この値が1に近いほど前記硫化亜鉛蛍光体粒子像が真円に近く、1より大きくなるほど真円から遠ざかる。本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子は、軸長比が1.05〜1.50、前記円形度が1.250以下であるので、長軸に垂直な面で切断してできる断面形状が真円に比較的近い、円柱または楕円体に近い形状を有する。図1は、本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子の形状を説明する概要図である。図1においては説明を簡略にするため、当該硫化亜鉛蛍光体粒子が円柱であると仮定している。すなわち、図1では、硫化亜鉛蛍光体粒子像を観察する長軸を法線とする面は、円柱の底面に平行な面となり、Lは円周長となる。図1中、20は本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子であり、22は硫化亜鉛蛍光体粒子における硫化亜鉛立方晶の1つの(111)面と平行な面状欠陥である。通常は、前記(111)面は硫化亜鉛蛍光体粒子内に複数存在するが、面状欠陥は図1に示すとおりそのうちの1つの(111)面と平行である。x、y、zは座標軸であり、yは前記面状欠陥の法線と、zは長軸と平行である。前記断面形状が真円に近いことから、当該硫化亜鉛蛍光体粒子における硫化亜鉛立方晶は前記y方向にある程度の厚み、つまり奥行きを持ち、かつ前記x方向にもある程度の厚みを有する。さらに、軸長比が1.05〜1.50であることから、当該硫化亜鉛蛍光体粒子の前記面状欠陥は、z方向にもある程度の大きさを有する。本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子が高い発光輝度を示す分散型無機EL素子を与える機構は明らかではないが、次のように推定される。
前述のとおり、本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子は、当該硫化亜鉛蛍光体粒子における硫化亜鉛立方晶の(111)面と平行な面状欠陥を有し、この面状欠陥が分散型無機EL素子としたときに発光に寄与する輝点となる。硫化亜鉛蛍光体粒子がy方向にあまり厚みを持たない平板状であると、硫化亜鉛蛍光体粒子における欠陥の密度が過度に高くなる。その結果、発光された光が面状欠陥に吸収されやすくなり十分な発光輝度が得られない。しかし、硫化亜鉛蛍光体粒子が前記y方向にある程度の厚みを持つと、面状欠陥の密度が過度に高くなることを抑制できるので、高い発光輝度を有する分散型無機EL素子を与えると考えられる。
円形度は後述するとおり、硫化亜鉛蛍光体粒子の製造において特定の融剤を用いることで調整できる。本発明においては、分散型無機EL素子としたときの発光輝度および製造の容易性から、円形度は1.250以下であり、好ましくは1〜1.249であり、より好ましくは1〜1.248である。
硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸の長さは、10〜30μmであることが好ましい。長軸の長さがこの範囲であると、分散型無機EL素子とした場合に、硫化亜鉛蛍光体粒子を電場によって配向させやすい。長軸の長さは、硫化亜鉛蛍光体粒子を顕微鏡等で観察することにより特定できる。当該硫化亜鉛蛍光体粒子の配向させやすさおよび製造の容易性から、長軸の長さは12〜27μmが好ましく、15〜25μmがより好ましい。
[2.製造方法]
本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子は、
アルカリ金属ハロゲン化物1モルに対してアルカリ土類金属ハロゲン化物を0.7〜1.5モル含む融剤、硫化亜鉛、付活剤、および共付活剤を混合する混合工程、
前記混合物を焼成する一次焼成工程、
前記一次焼成物を超音波処理する超音波処理工程、ならびに
前記超音波処理された混合物を二次焼成する二次焼成工程、を含む方法で製造できる。
(1)混合工程
本工程では、前記融剤、および硫化亜鉛を混合する。アルカリ金属ハロゲン化物およびアルカリ土類金属ハロゲン化物を特定の比率で含む融剤は、本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子の形状制御に関与する。アルカリ金属ハロゲン化物としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムが挙げられる。アルカリ金属ハロゲン化物は、一次焼成工程において生成する硫化亜鉛六方晶の(002)面の法線方向への結晶の成長を促す作用を有し、かかる硫化亜鉛六方晶の(002)面の法線方向への結晶成長は、本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子における硫化亜鉛立方晶の面状欠陥の法線方向の厚みを増やすことにつながる。
アルカリ土類金属ハロゲン化物を含む融剤の例には、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化バリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化バリウムが挙げられる。アルカリ土類金属ハロゲン化物は、一次焼成工程において生成する硫化亜鉛六方晶の(002)面と平行な方向への結晶の成長を促す作用を有し、かかる硫化亜鉛六方晶の(002)面と平行な方向への結晶成長は、本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子における硫化亜鉛立方晶の面状欠陥の平行な方向の厚みを増やすことにつながる。
融剤としては、含水物、無水物いずれを用いてもよいが、高温時の安定性を考慮すると、無水物が好ましい。また、これらの融剤の中でも、入手性、経済性の観点から塩化物が好ましく、硫化亜鉛蛍光体粒子の形状の制御の観点から塩化ナトリウム、塩化カリウム、および塩化マグネシウムを混合して使用することがより好ましい。アルカリ金属ハロゲン化物の総量1.0モルに対するアルカリ土類金属ハロゲン化物の総量は、0.7〜1.5モルの範囲であることが好ましく、0.8〜1.3モルの範囲であることがより好ましい。
融剤の使用量は、硫化亜鉛に対して10〜200質量%の範囲が好ましい。経済性、製造される硫化亜鉛蛍光体粒子群の粒度分布を考慮すると、15〜150質量%の範囲がより好ましく、20〜100質量%がさらに好ましい。かかる融剤のハロゲン元素は硫化亜鉛蛍光体粒子の共付活剤となる。
また、別途、共付活剤となる化合物を混合してもよい。かかる化合物としては、例えば、アルミニウム、ガリウムなどの金属単体、かかる金属の硫化物などが挙げられる。
硫化亜鉛としては、平均粒径0.1〜5μm程度のものが好ましい。また、本工程において粉砕することで、かかる好ましい平均粒径としてもよい。
また、本工程で用いる硫化亜鉛として、銅イオンを含有する硫化亜鉛を使用してもよい。このような硫化亜鉛は、例えば、硫化亜鉛溶液と銅を含む塩の溶液とを混合し、硫化亜鉛結晶と銅を含む塩とを沈殿析出させて硫化亜鉛蛍光体前駆体を形成し、当該前駆体を加熱することにより調製できる。かかる硫化亜鉛に含有される銅イオンは硫化亜鉛蛍光体粒子の付活剤となる。
本工程において、銅、銀、金、希土類金属元素からなる群から選ばれる元素を含む化合物を併せて混合することが好ましい。用いる化合物としては、経済性、発色光の制御等の観点から、銅塩が好ましい。銅塩としては、例えば、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅、酢酸銅が挙げられる。かかる化合物に含まれる銅、銀、金、希土類金属元素からなる群から選ばれる元素は硫化亜鉛蛍光体粒子の付活剤となる。
本工程において、硫黄を添加することで、硫化亜鉛の表層の酸化や、銅などの付活剤の酸化を抑制することができる。硫黄の添加量は、通常、硫化亜鉛に対して1〜50重量%、好ましくは、2〜40重量%の範囲である。
(2)一次焼成工程
本工程では、前記混合工程で得た混合物を一次焼成する。具体的には、常温から300℃以上850℃以下の温度範囲、より好ましくは300℃以上600℃以下の温度範囲では、焼成炉内に空気を連続的に導入して、酸素存在下で昇温することが好ましい。この昇温の間に、融剤が融化し、硫化亜鉛が造粒される。850℃を超える温度まで酸素存在下で昇温すると、硫化亜鉛粒子内部が酸化され、蛍光を示さない部分が生成されてしまうので好ましくない。
一次焼成温度および昇温速度は、硫化亜鉛蛍光体粒子の粒径制御に影響する。一次焼成温度は、硫化亜鉛の六方晶化を促進する温度であればよく1030〜1260℃が好ましい。硫化亜鉛蛍光体粒子の形状と粒度分布を所望の範囲に制御しやすいという点から、焼成温度の下限は1040℃がより好ましく1045℃がさらに好ましい。上限は、1130℃がより好ましく、1100℃がさらに好ましく、1100℃未満がさらに好ましい。一次焼成温度は1045℃以上1100℃未満であるのが特に好ましい。
一次焼成工程において、900℃以上の昇温速度を制御することが重要である。900℃から設定する一次焼成温度までの昇温速度は20〜500℃/時間であるのが好ましく、50〜450℃/時間であるのがより好ましく、60〜400℃/時間であるのがさらに好ましい。かかる昇温速度が速すぎると、使用する機器に負荷がかかり、機器の寿命を低下させるほか、融剤が急激に分解するため融剤の分散が不均一化しやすい。昇温速度が遅すぎると経済的でなく、また低温融解性の融剤を用いた場合に、融剤が局在化して、かかる局在化した融剤によって、硫化亜鉛結晶が不均一な成長を起こすため好ましくない。
所定の一次焼成温度に到達した後、当該温度を好ましくは1時間以上5時間以下にわたり保持する。
冷却速度は硫化亜鉛が六方晶を維持できればよく、例えば、700℃までの範囲を100〜1000℃/時間で降温することが好ましい。700℃以下での冷却速度は特に制限はない。
冷却した一次焼成物は、次いで酸性水溶液で洗浄することが好ましい。酸性水溶液で洗浄することによって、酸素により部分的に酸化されて生成した酸化亜鉛と融剤を除去でき、凝集した一次焼成物を分散させることができる。酸性水溶液で一次焼成物を洗浄した後、イオン交換水で洗液が中性になるまで洗浄し、一次焼成物に付着した酸性水溶液を取り除くことが極めて好ましい。洗浄に使用する酸性水溶液としては、ギ酸、酢酸などの有機酸の水溶液、塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸水溶液を使用することができる。一次焼成で生成する酸化亜鉛の除去性、一次焼成物への浸透性、表面への残留性を考慮して、酢酸水溶液、塩酸を使用することが好ましい。酸性水溶液中の酸の濃度は特に制限されるものではなく、使用する酸成分の種類に応じて異なるが、通常、pH=1〜5の酸性水溶液を用いることが好ましい。洗浄のために使用する酸性水溶液の量は、一次焼成物の1重量倍以上100重量倍以下、好ましくは5重量倍以上50重量倍以下の量である。
得られた一次焼成物は、超音波処理工程において均等に超音波を照射するために、篩などを用いて粒径を揃えることが好ましい。なお、通常粒径によって円形度が異なっている。これは、大粒径の粒子には一次焼成物の中には互いに融着することで大粒径化し、円形度が変化した粒子が含まれるためである。したがって、上記したように粒径を揃える場合、揃えた後の一次焼成物において本発明で規定する範囲の円形度となるように、上記したように融剤の組成を調整する必要がある。粒径を揃える場合、一次焼成物の中位径(d50)が10μm以上40μm以下、好ましくは14μm以上30μm以下、特に好ましくは20μm以上25μm以下とすることが好ましい。望ましい操作としては、一次焼成物を目開き10μmの篩にかけて10μm未満の粒子を除去し、次に目開き40μmの篩にかけて40μm以上の粒子を除く。粒径をさらに細かく調整する場合には、目開きの異なる篩を用いて所望の粒径範囲の粒子を選別する。また、サイクロン分離器などの遠心力を利用して粒径別に選別してもよい。
(3)超音波処理工程
本工程では、粒径を揃えた一次焼成物を水性媒体に分散させ、得られる分散液に超音波を照射することで分散液中にキャビテーションを発生させ、硫化亜鉛の六方晶構造に歪みを与えることで(002)面に平行な面状欠陥を発生させるとともに六方晶構造の少なくとも一部を立方晶構造に転移させる。一次焼成物を分散させる水性媒体としては、イオン交換水、蒸留水、精製水などが挙げられる。
超音波によって一次焼成物に与えられる単位容積当たりのエネルギー(熱量)総量は、0.5GJ/m以上10GJ/m未満が好ましく、1.0〜8.0GJ/mがより好ましく、1.6〜8.0GJ/mがさらに好ましい。0.5GJ/m未満のエネルギーでは、硫化亜鉛に十分な歪みを導入することができず、二次焼成工程での立方晶構造への転移が十分ではなくなることがある。前記エネルギーが10GJ/mを超えると、硫化亜鉛粒子が破砕され、適当な粒径の硫化亜鉛蛍光体粒子を得ることが困難となる恐れがある。
照射する超音波の周波数は、分散液中にキャビテーションを発生させる観点から、通常、15〜50kHzが好ましく、15〜40kHzがより好ましく、18〜37kHzがさらに好ましい。
超音波照射を照射する分散液中の一次焼成物の濃度は0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、0.7〜20質量%がさらに好ましい。濃度が高すぎると、分散している一次焼成物同士の接触による衝撃が頻繁に生じて互いに研磨され、目的とする硫化亜鉛蛍光体粒子の収率が低下する恐れがある。また一次焼成物同士の融着が生じて、超音波処理後の取り出し時などにおける工程通過性に悪影響を及ぼす場合がある。一方、濃度が低すぎると、処理コストが高くなる。
超音波照射時の一次焼成物の分散液の温度は、0.5〜80℃が好ましく、10〜50℃がより好ましい。温度が低すぎると、分散液の流動性が低下して工程通過性が低下する。一方、温度が高すぎると、超音波照射処理の効率が低下する。
(4)二次焼成工程
本工程では、超音波処理工程によって得た六方晶構造と立方晶構造とが混在する一次焼成物を、不活性ガス雰囲気下で650〜1000℃の範囲の所定温度に昇温して、酸素存在下で所定時間保持した後、冷却する二次焼成を行う。昇温する前に、六方晶構造と立方晶構造とが混在する一次焼成物に、銅、亜鉛、および硫黄の少なくともいずれかを含む化合物を混合することが好ましい。
銅を含む化合物は、固体または水溶液形態として添加することが好ましい。かかる銅化合物としては、塩化銅(I)、塩化銅(II)、硫酸銅、酢酸銅が挙げられ、経済性および取扱性の観点から、硫酸銅または酢酸銅が好ましい。銅化合物を添加する場合の添加量は、一次焼成物に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.02〜5質量%がより好ましい。
亜鉛を含む化合物は、固体または水溶液形態として添加することが好ましい。かかる亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、蟻酸亜鉛が挙げられ、経済性および取扱性の観点から、硫酸亜鉛または酸化亜鉛が好ましい。亜鉛化合物を添加する場合の添加量は、一次焼成物に対して0.1〜50質量%が好ましく、0.2〜30質量%がより好ましい。
硫黄を含む化合物は、硫黄またはチオアセトアミドおよびチオ尿素などの硫黄化合物として添加することが好ましい。経済性および操作性の観点から、硫黄の使用が好ましい。硫黄を添加する場合の添加量は、一次焼成物に対して0.1〜40質量%が好ましく、0.5〜30質量%が好ましい。
ここで一次焼成物に混合する銅、亜鉛、および硫黄の少なくともいずれかを含む化合物は、硫化亜鉛結晶の面状欠陥近傍に導入されることで、分散型無機EL素子としたときにキャリアを効率よく共付活剤に供給し、発光を促す作用がある。
二次焼成は、六方晶構造と立方晶構造とが混在する一次焼成物と、必要に応じて混合する銅、亜鉛、および硫黄の少なくともいずれかを含む化合物を、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で、2〜5時間かけて650〜1000℃の範囲まで昇温し、当該温度に到達した後、空気を導入して酸素含有雰囲気として、30分〜2時間にわたり650〜1000℃の範囲内の所定温度を保持し、次いで冷却することが好ましい。酸素濃度は1〜30体積%が好ましい。
冷却速度は10〜500℃/分が好ましく、12〜300℃/分がより好ましい。冷却された二次焼成物の表面には、二次焼成時に必要に応じて添加する銅、亜鉛、および硫黄の少なくともいずれかを含む化合物のうち面状欠陥近傍に導入されなかったものや、二次焼成時に生成した酸化亜鉛などが付着しているため、これらを洗浄により除去することが好ましい。洗浄には、酸性水溶液、シアン化塩水溶液などを用いることができるが、いずれの場合も最終的にはイオン交換水で十分に洗浄することが必要である。
酸性水溶液としては、表面へのイオン残留性の点から、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸水溶液、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの有機酸水溶液が好ましい。酸性水溶液の濃度は0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。酸性水溶液の濃度が20質量%を超えると、硫化亜鉛が分解する場合があり、0.1質量%を下回ると十分な洗浄効果が得られない場合がある。
シアン化塩水溶液は、二次焼成物表面の不純物(例えば二次焼成に際して必要に応じて混合する銅、亜鉛、および硫黄の少なくともいずれかを含む化合物のうち、面状欠陥近傍に導入されなかったもの)を除去できる。シアン化塩水溶液としては、0.1〜1質量%のシアン化ナトリウム水溶液およびシアン化カリウム水溶液が挙げられる。この濃度のシアン化塩水溶液を、二次焼成物に対して質量比で10倍以上100倍以下の量で使用することが好ましい。
このように洗浄された二次焼成粒子は、真空乾燥や熱風乾燥などで乾燥されて、硫化亜鉛蛍光体粒子となる。
[3.分散型無機EL素子]
本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子は、分散型無機EL素子の発光層中に含有させる蛍光体粒子として用いることができる。分散型無機EL素子は、複数の硫化亜鉛蛍光体粒子が非流動性バインダー中に分散している発光層、その両面に設けられた絶縁層、および絶縁層の上に設けられた電極板を備える。高い発光輝度とするためには、分散型無機EL素子中の全硫化亜鉛蛍光体粒子の軸長比および円形度の平均値が、本発明で規定する範囲である必要がある。本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子を用いて製造される分散型無機EL素子においては、多くの硫化亜鉛蛍光体粒子において長軸が電場の向きと平行であり、かつ電場の方向から観察した時の硫化亜鉛蛍光体粒子像が真円に近いので、高い発光輝度を実現できる。
硫化亜鉛系蛍光体粒子の発光輝度を評価するにあたっては、かかる硫化亜鉛系蛍光体粒子を発光層に含む評価用の分散型無機EL素子を作成し、発光層の主面から観察した輝点密度を測定する。本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子は長軸の法線が前記発光層の主面と垂直である場合に高い輝点密度を示す。以下、評価用の分散型無機EL素子について説明する。
図2は簡易的な分散型無機EL素子の概要を示す。図2中、10は透明電極付基板であり、2つの基板は平行である。30は本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子20を含む発光層、40は電源、42は電場の向きを示す。22は硫化亜鉛蛍光体粒子20の硫化亜鉛結晶における硫化亜鉛立方晶の面状欠陥であり、電場とほぼ平行である。当該素子は、硫化亜鉛蛍光体粒子20を流動性バインダー(例えば光硬化性樹脂)に分散させた流動性マトリクス(ペースト)を二枚の平行な透明電極付基板10間に挟み、電圧を印加して当該硫化亜鉛蛍光体粒子を配向させた後、流動性マトリクス層を固化(例えば光硬化)して硫化亜鉛蛍光体粒子を固定して得られる。
当該分散型無機EL素子の発光層中における硫化亜鉛蛍光体粒子の濃度は、0.5〜10体積%が好ましく、1〜5体積%がより好ましい。かかる濃度が10体積%を超えると、発光層が含む複数の硫化亜鉛蛍光体粒子を発光層の主面から観察した場合に硫化亜鉛蛍光体粒子同士が重なって観測され易くなり、正しい測定結果を得るのが困難になる。
流動性マトリクス層の厚みは30〜200μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。透明電極間に形成するペースト層の厚みが30μmよりも薄いと、硫化亜鉛蛍光体粒子が動き難くなるため配向性が悪くなり、200μmよりも厚いと流動性マトリクス層を固化した際の収縮が大きくなるため、電極との密着性が悪くなる。
輝点の測定のための電圧は、直流印加または交流印加のいずれでもよく、発光層の厚み方向に電位差が生じるように直流または交流電圧を印加することにより電場を発生できる。発生させる電場は4〜13V/μmが好ましく、6〜10V/μmがより好ましい。発生する電場が13V/μmより高いと絶縁破壊する場合があり、4V/μmより低いと観察に十分な発光が得られない場合がある。
本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子を用いた分散型無機EL素子の発光輝度は、かかる分散型無機EL素子の透明電極付基板上から光学顕微鏡を用いて観察して測定出来る画面EL強度から評価する。画面EL強度は1個の硫化亜鉛蛍光体粒子像中の全ピクセルにおけるグレースケール値の平均により表される。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例、比較例においては、後述するように硫化亜鉛蛍光体粒子を製造し、さらに各硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸の方向が、印加される電場の向きと平行かまたはほぼ平行な分散型無機EL素子を製造し、以下のように評価した。
(1)硫化亜鉛蛍光体粒子における長軸と当該硫化亜鉛蛍光体粒子における硫化亜鉛立方晶の面状欠陥との関係、および軸長比
実施例または比較例で得た硫化亜鉛蛍光体粒子40gに、1mol/Lの塩酸を200ml加え、80℃で30分間撹拌した。上澄み液をデカンテーションで除いた後、イオン交換水でpHが6〜8になるまで硫化亜鉛蛍光体粒子を洗浄した。次いでイオン交換水を除去し、硫化亜鉛蛍光体粒子に3質量%の過酸化水素水を200ml加え、50℃で90分間撹拌した。上澄み液をデカンテーションで除いた後、イオン交換水で硫化亜鉛蛍光体粒子を複数回洗浄し、次いで、硫化亜鉛蛍光体粒子に1質量%のエチレンジアミン四酢酸水溶液200mlを加え、25℃で90分間撹拌した。これらのエッチング処理を行った後、硫化亜鉛蛍光体粒子を500Pa下、35℃で12時間かけて減圧乾燥することにより、水分を除去した。得られた硫化亜鉛蛍光体粒子をSEM(装置名:株式会社キーエンス製、走査型電子顕微鏡 VE―9800)で1500倍の倍率にて観察した。その結果、面状欠陥が硫化亜鉛蛍光体粒子の表面に縞状に観察されることにより、この面状欠陥と硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸が平行であるかどうかを、他の粒子が重なっていない無作為に選択した20個の硫化亜鉛蛍光体粒子について評価した。また、軸長比は他の粒子が重なっていない無作為に選択した硫化亜鉛蛍光体粒子50個の平均値とした。
(2)分散型無機EL素子および当該素子中の硫化亜鉛蛍光体粒子の評価
実施例および比較例において製造した分散型無機EL素子に、500V、1kHzの交流電圧を印加して硫化亜鉛蛍光体粒子を発光させ、光学顕微鏡(株式会社ナカデン製、デジタルマイクロスコープMX−1200II)を用いて、倍率1000倍、2000倍で写真を撮影し、硫化亜鉛蛍光体粒子の輝点密度、円形度、画面EL強度を測定した。詳細は次のとおりである。
1)輝点密度
上記2000倍の光学顕微鏡写真において、他の粒子が重なっていない硫化亜鉛蛍光体粒子を無作為に30個選択し、画像解析ソフトImageJ(アメリカ国立衛生研究所(NIH)製)の「Find Maxima」を用いて発光輝度の極大点を特定し、輝点密度を測定した。
2)円形度
上記1000倍の光学顕微鏡写真において、他の粒子が重なっていない硫化亜鉛蛍光体粒子を無作為に50個選択し、画像解析ソフトImageJを用いて、各々の粒子のL、Aの値をそれぞれ測定し、円形度を算出した。
3)画面EL強度
上記1000倍の光学顕微鏡写真において、他の粒子が重なっていない硫化亜鉛蛍光体粒子を無作為に50個選択し、画像解析ソフトImageJを用いてグレースケール値を測定した。
[実施例1]
塩化亜鉛98g、硫酸銅5水和物0.080g、塩酸2gをイオン交換水50gに溶解させた(水溶液1)。また別途、チオアセトアミド110.0gをイオン交換水に溶解し1000mlとした(水溶液2)。容量2Lの四つ口フラスコに、ディーンスターク、還流管、温度計、および撹拌器を装着し、デカン1000mlを入れ、系内を窒素置換した。オイル浴を150℃とし、フラスコ内のデカンを130℃に昇温した後、水溶液1を毎分0.33mlで送液し、水溶液2を毎分3.3mlで送液し、水溶液1と水溶液2を混合しながら添加した。なお、混合液のpHは2.5であった。留出する水をディーンスタークで除去しながら反応させた。約5時間かけて全ての水溶液を添加し、その後30分間系内の水分を除去した。内容物を室温に冷却した後、析出した硫化物を沈殿させ、有機溶剤をデカンテーションで除去したのち、130Pa、100℃で12時間乾燥した。回収量は57.4gであり、理論量の82%であった。
得られた生成物27gに、融剤として塩化ナトリウム4.95g、塩化カリウム5.92g、および塩化マグネシウム16.08g(生成物に対する融剤の総量は100質量%、アルカリ金属ハロゲン化物:アルカリ土類金属ハロゲン化物(モル比)=1.0:1.0)を加え、ボールミルで混合した。次いで、硫黄0.45gを添加して、得られた混合物を坩堝に入れた。坩堝を焼成炉に入れ、空気下毎時400℃の速度で昇温した。昇温中、炉内温度が800℃に達したところで、空気の導入を窒素に切り替え、1050℃まで昇温し、そのまま1時間保持した後、毎時600℃で冷却し、室温まで冷却した。
得られた一次焼成物をイオン交換水200gの入った300mlビーカーに入れ、攪拌して分散させた。デカンテーションにてイオン交換水を除去した後、3.5%塩酸200gを添加し、30分撹拌して焼成中に生成した酸化物、塩化ナトリウムなどの融剤を除去した。デカンテーションにて、塩酸を除去した後、イオン交換水500gを用いて、洗浄水のpHが5以上となるまで洗浄した。さらに、目開き30μmの湿式篩を用いて、粗大化した粒子を除き、続いて、目開き10μmの湿式篩を用いて、微小化した粒子を除いた。
その後、イオン交換水200gを再度添加して、超音波振動器(BRASON社製、DegitalSonifier)を用いて、一次焼成物の分散液に超音波を30分間照射した。このときの照射エネルギーは、300kW/mであった。上澄みをデカンテーションで除き、イオン交換水500gで中性になるまで洗浄した。分散液を目開き15μm、10μmの湿式篩にかけて、粒径範囲を10〜15μmとした。当該硫化亜鉛粒子を、100℃で12時間真空乾燥し、超音波処理した一次焼成物20gを得た。一次焼成工程の条件、粒度分布の結果を表1に示す。粒度分布は、一次焼成により得られた硫化亜鉛粒子の中位径d50を示した。かかる中位径は、堀場製作所製PARTICA LA−950を用いて測定した。
前記超音波処理した一次焼成物20gに、酢酸銅0.20g、硫酸亜鉛3.2gおよび硫黄0.4gを添加混合し、坩堝に入れた。坩堝を焼成炉に入れ、窒素下で850℃まで、毎時400℃の速度で昇温した。焼成炉内が850℃に到達したところで、窒素の導入を空気に切り替えて、1時間空気保持した。その後、窒素に切り替え、更に2時間保持した後、毎時500℃で室温まで冷却した。
得られた二次焼成物を5%塩酸200gに分散させ、洗浄した。酸性水溶液を除去し、イオン交換水500gを用いて洗浄後の液が中性になるまで洗浄した。上澄みをデカンテーションで除いた後、1%青酸ソーダ水溶液200gで洗浄した。更にイオン交換水にて洗浄液が中性を示すまで洗浄した後、130Pa、100℃で12時間乾燥し、硫化亜鉛蛍光体粒子である二次焼成物16gを得た。製造した硫化亜鉛蛍光体粒子群の個々の硫化亜鉛蛍光体粒子について、前述のとおり円形度および軸長比を測定し、その平均を求めたところ円形度は1.195、軸長比は1.30であった。結果を表2に示す。また、硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸と、硫化亜鉛立方晶の面状欠陥との関係を前述の方法で評価したところ、平行であった。
アクリル系光硬化性モノマー(商品名:FR21、日本化薬株式会社社製)0.25gに、上記で得られた硫化亜鉛蛍光体粒子0.02gを混合し、当該硫化亜鉛蛍光体粒子が分散した流動性マトリクス(蛍光体ペースト)を調製した。片面にITO層(IndiumTinOxide)が設けられているガラス(株式会社倉元製作所製 5Ω/□以下、以下「ITO基板」ともいう)(第1のITO基板)のITO層上に、流動性マトリクス0.02gを80μmの厚みになるように塗工して流動性マトリクス層を形成した。別のITO基板(第2のITO基板)を準備して、ITO層が前記流動性マトリクス層と接し、かつ第1のITO基板と平行になるように配置した。流動性マトリクス層に100V、1kHzの交流電圧を2分間印加して硫化亜鉛蛍光体粒子を配向させ、同時にUV光(装置名:SUPERCURE−351S SAN−EI ELECTRIC社製、照射条件:3.5J/cm)を2分間照射してアクリル系光硬化性モノマーを硬化した。このようにして分散型無機EL素子を製造した。
この分散型無機EL素子に500V、1kHzの交流電圧を印加して発光させ、硫化亜鉛蛍光体粒子の発光状態を光学顕微鏡にて撮影した。得られた硫化亜鉛蛍光体粒子像を図3に示す。図3において明るく見える点が輝点であり、矢印は、図1におけるx方向を示す。第一焼成条件、発光特性等を表1および表2に示す。
[実施例2]
融剤を塩化ナトリウム1.98g、塩化カリウム2.37g、および塩化マグネシウム6.43g(生成物に対する融剤の総量は40質量%、アルカリ金属ハロゲン化物:アルカリ土類金属ハロゲン化物(モル比)=1.0:1.0)とし、一次焼成物を超音波処理前に目開き25μm、10μmの湿式篩を用いて粒径範囲10〜25μmとしたこと、超音波処理後の湿式篩をかけなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で硫化亜鉛蛍光体粒子および分散型無機EL素子を製造し評価した。その結果、円形度は1.246、軸長比は1.32であった。第一焼成条件、発光特性等を表1および表2に示す。また、硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸と、硫化亜鉛立方晶の面状欠陥との関係を前述の方法で評価したところ、平行であった。
[実施例3]
融剤を塩化ナトリウム1.98g、塩化カリウム2.37g、および塩化マグネシウム8.30g(生成物に対する融剤の総量は47質量%、アルカリ金属ハロゲン化物:アルカリ土類金属ハロゲン化物(モル比)=1.0:1.3)とし、一次焼成物を超音波処理前に目開き25μm、10μmの湿式篩を用いて粒径範囲10〜25μmとしたこと、超音波処理後の湿式篩をかけなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で硫化亜鉛蛍光体粒子および分散型無機EL素子を製造し評価した。その結果、円形度は1.245、軸長比は1.46であった。第一焼成条件等および発光特性等を表1および表2に示す。また、硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸と、硫化亜鉛立方晶の面状欠陥との関係を前述の方法で評価したところ、平行であった。
[実施例4]
融剤を塩化ナトリウム1.98g、塩化カリウム2.37g、および塩化マグネシウム5.75g(生成物に対する融剤の総量は37質量%、アルカリ金属ハロゲン化物:アルカリ土類金属ハロゲン化物(モル比)=1.0:0.92)とし、目開き25μm、10μmの湿式篩を用いて、粒径範囲10〜25μmとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で硫化亜鉛蛍光体粒子および分散型無機EL素子を製造し評価した。その結果、円形度は1.242、軸長比は1.09であった。第一焼成条件等および発光特性等を表1および表2に示す。また、硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸と、硫化亜鉛結晶の面状欠陥との関係を前述の方法で評価したところ、平行であった。
[比較例1]
第一焼成工程での保持温度を1100℃とし、一次焼成物を超音波処理前に目開き25μm、10μmの湿式篩を用いて粒径範囲10〜25μmとしたこと、超音波処理後の湿式篩をかけなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で硫化亜鉛蛍光体粒子および分散型無機EL素子を製造し、評価した。その結果、円形度は1.265、軸長比は1.01であった。第一焼成条件、発光特性等を表1および表2に示す。硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸と、硫化亜鉛立方晶の面状欠陥との関係を前述の方法で評価したところ、平行ではなかった。
[比較例2]
第一焼成工程での保持温度を1100℃としたこと以外は、実施例2と同様の条件で硫化亜鉛蛍光体粒子および分散型無機EL素子を評価した。その結果、円形度は1.283、軸長比は1.05であった。第一の焼成条件、発光特性等を表1および表2に示す。また、硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸と、硫化亜鉛立方晶の面状欠陥との関係を前述の方法で評価したところ、平行であった。
[比較例3]
一次焼成物を超音波処理前に目開き30μm、10μmの湿式篩を用いて粒径範囲10〜30μmとしたこと以外は実施例2と同様の条件で硫化亜鉛蛍光体粒子および分散型無機EL素子を評価した。その結果、円形度は1.288、軸長比は1.08であった。第一の焼成条件、発光特性等を表1および表2に示す。また、硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸と、硫化亜鉛立方晶の面状欠陥との関係を前述の方法で評価したところ、平行であった。
[比較例4]
第一焼成工程での保持温度を1150℃、一次焼成物を超音波処理前に目開き25μm、10μmの湿式篩を用いて粒径範囲10〜25μmとしたこと以外は、実施例2と同様の条件で硫化亜鉛蛍光体粒子および分散型無機EL素子を評価した。その結果、円形度は1.321、軸長比は1.03であった。第一焼成条件、発光特性等を表1および表2に示す。また、硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸と、硫化亜鉛立方晶の面状欠陥との関係を前述の方法で評価したところ、平行であった。
[比較例5]
融剤を塩化ナトリウム3.44g、塩化カリウム4.39g、および塩化マグネシウム2.81g(生成物に対する融剤の総量は40質量%、アルカリ金属ハロゲン化物:アルカリ土類金属ハロゲン化物(モル比)=1.0:0.25)とし、一次焼成物を超音波処理前に目開き25μm、10μmの湿式篩を用いて粒径範囲10〜25μmとしたこと、超音波処理後の湿式篩をかけなかったこと以外は実施例1と同様の条件で硫化亜鉛蛍光体粒子および分散型無機EL素子を評価した。その結果、円形度は1.303、軸長比は1.02であった。第一焼成条件、発光特性等を表1および表2に示す。硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸と、硫化亜鉛立方晶の面状欠陥との関係を前述の方法で評価したところ、平行ではなかった。
[比較例6]
融剤を塩化ナトリウム1.95g、塩化カリウム2.48g、および塩化マグネシウム12.67g(生成物に対する融剤の総量は40質量%、アルカリ金属ハロゲン化物:アルカリ土類金属ハロゲン化物(モル比)=1.0:2.0)とし、一次焼成物を超音波処理前に目開き25μm、10μmの湿式篩を用いて粒径範囲10〜25μmとしたこと、超音波処理後の湿式篩をかけなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で硫化亜鉛蛍光体粒子および分散型無機EL素子を評価した。その結果、円形度は1.332、軸長比は1.40であった。第一の焼成条件等および発光特性等を表1および表2に示す。また、硫化亜鉛蛍光体粒子の長軸と、硫化亜鉛立方晶の面状欠陥との関係を前述の方法で評価したところ、平行であった。
本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子は、輝点密度が高く、発光輝度の高い分散型無機EL素子を与える。
10 透明電極付基板
20 硫化亜鉛蛍光体粒子
22 硫化亜鉛立方晶の面状欠陥
30 発光層
40 電源
42 電場の向き

Claims (4)

  1. 長軸長/短軸長で表される軸長比が1.05〜1.50の硫化亜鉛蛍光体粒子であって、
    長軸が前記硫化亜鉛蛍光体粒子における硫化亜鉛立方晶の面状欠陥と平行であり、かつ
    前記長軸を法線とする面から硫化亜鉛蛍光体粒子を観察して得られる硫化亜鉛蛍光体粒子像の、次式で定義される円形度が1.250以下である、硫化亜鉛蛍光体粒子。
    円形度=L/4πA
    L:前記長軸を法線とする面から見た場合に観察される硫化亜鉛蛍光体粒子像の円周長
    A:前記長軸を法線とする面から見た場合に観察される硫化亜鉛蛍光体粒子像の面積
  2. 長軸の長さが10〜30μmである請求項1に記載の硫化亜鉛蛍光体粒子。
  3. アルカリ金属ハロゲン化物1モルに対してアルカリ土類金属ハロゲン化物を0.7〜1.5モルの範囲で混合した融剤、および硫化亜鉛を混合する混合工程、
    前記混合物を焼成する一次焼成工程、
    前記一次焼成物を水性媒体に分散させて超音波処理する超音波処理工程、ならびに
    前記超音波処理された混合物を二次焼成する二次焼成工程、を含む請求項1に記載の硫化亜鉛蛍光体粒子の製造方法。
  4. 前記一次焼成工程における焼成温度が1030℃以上1100℃未満である、請求項3に記載の製造方法。
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