JP2012192726A - プリフォーム及び同プリフォームの製造方法並びに同プリフォームを用いた繊維強化樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

プリフォーム及び同プリフォームの製造方法並びに同プリフォームを用いた繊維強化樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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    • B29B11/16Making preforms characterised by structure or composition comprising fillers or reinforcement

Abstract

【課題】ハイサイクルプレス成形で成形した成形品の表面に凸凹部分が発生するのを抑制することができるプリフォーム及び同プリフォームの製造方法並びに同プリフォームを用いた繊維強化樹脂成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】予め本発明の裏面にフィルム状樹脂組成物(7) を貼り付けたプリフォーム(6) を用いずに成形した成形品から、成形品の表面に発生する樹脂枯れや凸凹部分の発生箇所(欠陥箇所)を特定しておき、一以上積層した原プリフォーム裏面側の前記欠陥箇所に対応する特定部位に、前記凸凹部分を覆う面積のフィルム状樹脂組成物(7) を貼り付ける。この裏面にフィルム状樹脂組成物を貼り付けたプリフォームを用いて成形品を製造する。
【選択図】図5

Description

本発明は、プリフォーム及び同プリフォームの製造方法並びに同プリフォームを用いた繊維強化樹脂成形品の製造方法に関する。
繊維強化樹脂成形品(以下、FRPという。)は、軽量かつ高強度、高剛性の性質を有しているため、釣り竿やゴルフシャフト等のスポーツ・レジャー用品の分野から、自動車や航空機等の産業用部品の分野までの幅広い分野において用いられている。
FRPの製造には、強化繊維からなる繊維補強材に樹脂を含浸したプリプレグと呼ばれる中間材料を使用する方法が一般的に広く用いられる。プリプレグを所望の形状に切断した後に賦形してプリフォームを作成し、このプリフォームを金型内で加熱硬化させて、FRPを得る。
高温高圧を用いて行うハイサイクルプレス成形は、その生産性の高さから、自動車用の用途において期待されている。例えば、国際公開第2004/48435号パンフレット(特許文献1)には、プリプレグをプレスで成形する方法が提案されている。
しかし、プリプレグを積層して賦形したプリフォームを使って、特許文献1に記載された成形方法を用いてプレス成形したFRPの表面には、繊維補強材の一部に樹脂が行き渡らない「樹脂枯れ」の発生が多発し、表面外観上において大きな課題を残している。
前記特許文献1に記載された成形方法を用いて得られる自動車用の外板パネルには、塗装した後の表面平滑性の状態としてクラスAと呼ばれる非常に高度な品位が求められているが、FRPの表面に樹脂枯れが発生した場合には、塗装後にクラスAの品位を得ることはできない。
樹脂枯れ発生の原因としては、(1)金型表面の微小な凸凹及び(2)金型でプリフォームを金型内で加熱硬化する際の金型の局所的な寸法誤差が原因として考えられる。これらの原因となる状況が存在しているときには、プリフォームを金型に入れて加熱硬化しようとすると、プリフォームが金型に接触していない箇所に空隙が生じる。
この空隙には、プリフォームに圧力がかからないため、FRPの表面におけるその箇所に樹脂枯れが発生してしまう。上述した原因(1)による樹脂枯れの改善方法としては、金型の加工精度を上げて表面粗さを小さくし、金型の成形面の凸凹数及び凸凹高さを現象させておく方法がある。また、金型の局所的な寸法誤差を成形圧力を大きくしておくことで帳消しにする方法もある。更には、特開2009−226657号公報(特許文献2)に開示されているように、プリフォームの表面にアクリル樹脂のフィルム又はシートを配置して、成形する方法も知られている。
国際公開第2004/48435号パンフレット 特開2009−226657号公報
しかしながら、現状では金型の加工方法において加工精度を向上させるには限界があり、如何に加工精度を上げても±100μm程度の微小な凸凹は残った状態となっている。また、成形圧力を高くした加工方法では、樹脂枯れの発生は無くなるものの、高圧の成形圧力がプリフォームに加わることによって、繊維補強材に含浸された樹脂の流動が大きくなってしまう。この樹脂の流動によって強化繊維が蛇行を起こしてしまい、FRPの表面に凸凹が生じてしまう。
更に、特許文献2に開示されている方法は、次の理由からハイサイクルプレス成形には不向きである。即ち、プリフォームとそのプリフォームの表面に配置したアクリル樹脂とでは熱収縮に大きな差があるので両者の境界面においてクラックが発生する。クラックが発生した箇所では、表面に配置した樹脂層が剥離し易くなり、FRPの表面に亀裂が生じることになる。
このように、何れの方法でも、FRP表面の樹脂枯れ問題を解決するには至っていない。そこで本発明では、上述した欠点のないプリフォーム及び同プリフォームの製造方法と同プリフォームを用いたFRP成形品の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明のプリフォームは、繊維補強材に樹脂組成物を含浸したプリプレグを積層してなる板状の原プリフォームの裏面に、原プリフォームに含浸されている樹脂と同じ組成のフィルム状樹脂組成物が貼り付けられていることを主要な構成としている。また、本発明のプリフォームの製造方法は、繊維補強材に樹脂組成物を含浸したプリプレグを積層してなる板状の原プリフォームの平坦部の一方の面に、原プリフォームに含浸されている樹脂と同じ組成を有するフィルム状樹脂組成物を貼り付けることを主要な構成としている。
本発明にあっては、フィルム状樹脂組成物に用いられる樹脂組成物が、原プリフォームに含浸されている樹脂と同じ組成であることが肝要である。同じ組成とは、原プリフォームに含浸されている樹脂と同じ化学構造の主剤、硬化助剤及び硬化促進剤を使用したものである。
フィルム状樹脂組成物の組成が原プリフォームに含浸されている樹脂と同じであれば、原プリフォームに含浸されている樹脂とフィルム状樹脂組成物との硬化時間の差が極めて少なくなり、成形サイクルを損なうことなくFRPを製造することができる。また、原プリフォームに含浸されている樹脂との相溶性に優れるため色差が生じることなく、外観の面からも有利である。
また、本発明に係るプリフォーム及びその製造方法の好ましい実施形態によれば、前記原プリフォームのみを加熱硬化して成形品を得る際に、成形品に樹脂枯れが発生する場所(欠陥箇所)に対応する位置に、前記フィルム状樹脂組成物を貼り付けている。
更に、本発明のプリフォーム及びその製造方法の好ましい形態によれば、前記フィルム状樹脂組成物の面積が、前記欠陥箇所の面積に対して1.2〜40倍の大きさであり、かつ前記プリフォームの裏面における全表面積に対して0.5倍以下の面積であり、前記フィルム状樹脂組成物の厚みが10〜150μmである。
また、本発明に係るプリフォーム及びその製造方法は、前記原プリフォームに含浸されている樹脂及び前記フィルム状樹脂組成物が、エポキシ樹脂組成物であることが好ましく、また前記エポキシ樹脂としてビスフェノールS型エポキシ樹脂、硬化助剤としてトルエ
ンビスジメチルウレアが含まれていることが好ましい。
更に、本発明に係るプリフォーム及びその製造方法には、前記フィルム状樹脂組成物が、フェノキシ樹脂を含んでいることが望ましく、またポリエーテルスルフォンを含ませることもできる。更にまた、本発明に係るプリフォーム及びその製造方法において、前記原プリフォームに含浸されている樹脂の粘度に対し前記フィルム状樹脂組成物粘度を1.6倍以上ですることが好ましく、また前記原プリフォームに含浸されている樹脂のゲルタイムに対して、前記フィルム状樹脂組成物のゲルタイムを0.7〜1.21倍にするとよい。
また、本発明に係るプリフォームを用いた繊維強化樹脂成形品の製造方法は、上述のプリフォームの製造方法にて得られたプリフォームを、金型内で100〜150℃かつ1〜15MPaの条件下で、1〜20分間加熱加圧して硬化させて成形品を製造することを特徴としている。
本発明では、プリフォームとして、その裏面にフィルム状樹脂組成物を貼り付けたプリフォームを用いてFRPを成形することにより、その表(おもて)面に樹脂枯れ等によって凸凹が発生するのを抑制できて、高品質のFRPが得られる。また、本発明の製造方法を用いることによって、歩留りも高まり、高い生産性を得ることができる。
本発明の、裏面にフィルム状樹脂組成物を貼り付けたプリフォームを金型内に配設した状態(a)及び加熱加圧状態(b)の一例を模式的に示す断面図である。 裏面にフィルム状樹脂組成物を貼り付けていない原プリフォームの一例を模式的に示す斜視図である。 裏面にフィルム状樹脂組成物を貼り付けていない原プリフォームを金型内に配設した状態(a)及び加熱加圧状態(b)の一例を模式的に示す断面図である。 樹脂枯れの位置を示す斜視図及び樹脂枯れの位置を重ね合わせたときの拡大斜視図(吹き出し内)である。 本発明の裏面にフィルム状樹脂組成物を貼り付けたプリフォームの一例を模式的に示す斜視図である。 樹脂組成物の硬化挙動を評価しゲルタイム(GT)、100%トルク到達時間(tmax)を求めるときに使用するグラフである。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて具体的に説明する。
本発明では、樹脂枯れによるFRP表面の凸凹問題に関して鋭意検討を行った結果、特定の機能を有するプリフォーム及び同プリフォームを用いたFRPの製造方法を用いることによって、樹脂枯れ等による成形品表面に発生する凸凹の問題を一挙に解決することができることを見出したものである。
すなわち、原プリフォームの裏面9にフィルム状樹脂組成物7を貼り付けたプリフォーム6を、図1に示す金型1内において、100〜150℃、1〜15MPaの条件下で1〜20分の間、加熱加圧して加熱硬化させる。
なお、図2において、符号8で示した面が、プリフォーム6の表(おもて)面であり、符号9で示した面が、プリフォーム6の裏面である。また、図1において、符号4は上型2のシアエッジ部であり、符号5は下型3におけるシアエッジ部である。上型2のシアエッジ部4と下型3のシアエッジ部5とが摺接することにより、プリフォーム6の端部を正確に成形することができる。
本発明者は、このように成形したFRPの製造方法であれば、ハイサイクルプレス成形で得られたFRPの表面に、樹脂枯れによる凸凹の発生が抑制されていることを知った。その原因を究明したところ、本発明のプリフォームは、原プリフォームの裏面にフィルム状樹脂組成物7が貼り付けられたものであるがためであることが判明した。原プリフォームの表(おもて)面、裏面の識別については、プリフォームを成形して得られたFRPにおいて塗装する面或いは意匠面となる面を形成する面が表(おもて)面である。この表面に対して裏側の面が裏面である。
フィルム状樹脂組成物7を原プリフォームの裏面に貼り付けることにより、成形時にはプリフォーム6と金型の間でフィルム状樹脂組成物7の樹脂が流動して充填される。これにより、プリフォーム6と金型1との間に空隙が生じないので、プリフォーム全面に対して金型1から均一の圧力を加えることができる。そして、プリフォーム全面に対して金型から均一の圧力を加えることができるので、FRPの表面に発生していた樹脂枯れによる凸凹の発生を大幅に抑制することができる。
ここで樹脂枯れについて本発明では、FRPの表(おもて)面に樹脂層が無く、プリフォームを構成している強化繊維の凸凹が露出している箇所を、樹脂枯れが生じている箇所と称している。
また、本発明のプリフォーム6では、フィルム状樹脂組成物を貼り付ける場所として、FRP表(おもて)面において欠陥の発生し易い箇所に対応させておくことが好ましい構成となる。FRP表(おもて)面の欠陥とは、FRP表(おもて)面に発生した凸凹部分であり、主に樹脂枯れが原因となって発生している部分のことである。
本発明において、欠陥箇所とはFRP表(おもて)面において欠陥の生じた位置である。また、フィルム状樹脂組成物を貼り付けなかった場合に、FRP表(おもて)面において欠陥箇所を形成するであろう原プリフォームの表(おもて)面の位置を、原プリフォームの裏面に投影させた位置のことを、欠陥箇所に対応する位置と称している。FRP表(おもて)面において欠陥箇所の発生を防止するためには、フィルム状樹脂組成物をかかる位置に貼り付けることが好ましい。欠陥箇所は、以下の手法にて求められる。
プリフォームの欠陥箇所を見つけ出す方法としては、例えば、最初に、フィルム状樹脂組成物を貼り付けていない原プリフォームに対して、本発明における成形条件下で、FRPを20個製造する。次に、得られた各FRP表面の欠陥の位置取りを行う。そして、各欠陥の位置を全て重ね合わせることによって得られる領域にあって、最外周で囲まれる領域を欠陥箇所であるとする。
上述したやり方で求めたFRP表面の欠陥箇所に対応する位置を覆うように、フィルム状樹脂組成物7を原プリフォームの裏面に貼り付ける。欠陥箇所が離間して複数個所に存在する場合には、原プリフォームの裏面におけるそれぞれの欠陥箇所に対応する位置にフィルム状樹脂組成物7を貼り付ける。
これにより、FRP表(おもて)面に発生する樹脂枯れによる凸凹の発生を抑制するプリフォーム6を作成することができる。本発明のプリフォーム6を金型内に配設して加熱加圧する。これにより、金型1による成形時には、プリフォームと金型の間の空隙にフィルム状樹脂組成物7の溶融樹脂が流入することになり、隙間箇所を生じさせることなく、フィルム状樹脂組成物7の樹脂を容易に充填することができる。
これにより、隙間箇所が無くなりプリフォーム全面に対して金型1から均一の圧力を加
えることができる。そして、プリフォーム全面に対して金型から均一の圧力が満遍なく加わることになり、FRPの表(おもて)面に発生していた樹脂枯れによる凸凹面を低減させることができる。
更に、本発明のプリフォームにおける、原プリフォームの裏面に貼り付けるフィルム状樹脂組成物7の表面積は、FRP表(おもて)面における欠陥箇所の表面積に対して1.2〜40倍の面積であって、プリフォーム6の裏面の全表面積に対して0.5倍以下の面積にしておくことが望ましい。更に、フィルム状樹脂組成物7の厚みとしては、10〜150μmの厚みに構成しておくことが好ましい。
FRP表面における欠陥箇所の表面積の求め方としては、例えば、フィルム状樹脂組成物7を貼り付けていない原プリフォームを用いて、本発明のプリフォームを用いた場合に行うのと同じ成形条件下で、FRPを20個製造する。得られた各FRP表面の欠陥の位置取りを行う。そして、各欠陥の位置を全て重ね合わせることによって得られる領域において、最外周で囲まれる領域の面積を、FRP表面における欠陥箇所の表面積であるとする。
原プリフォームの裏面に貼り付けるフィルム状樹脂組成物7の表面積としては、FRP表面の欠陥箇所における表面積に対して1.2〜40倍の面積に構成し、原プリフォームの裏面の全表面積に対して0.5倍以下の面積に構成するとともに、フィルム状樹脂組成物7の厚みを、10〜150μmの厚みに構成しておくことができる。このように構成しておくことにより、成形後のFRP表(おもて)面に発生する樹脂枯れによる凸凹の発生を抑制する効果が顕著になる。
特に、フィルム状樹脂組成物7の構成として、フィルム状樹脂組成物7の表面積をFRP表(おもて)面の欠陥箇所の表面積に対して5〜20倍の面積に構成し、プリフォーム6の裏面の全表面積に対して0.3倍以下の面積に構成するとともに、フィルム状樹脂組成物7の厚みを20〜50μmの厚みに構成することが、より好ましい構成になる。
本発明に用いるフィルム状樹脂組成物7としては、原プリフォームに含浸されている樹脂と同じ化学構造の主剤、硬化剤及び硬化促進剤を使用した樹脂組成物が用いられる。原プリフォームに含浸されている樹脂とフィルム状樹脂組成物の組み合わせは種々の樹脂が用いられるが、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂であればフィルム状樹脂組成物は単に原プリフォームに貼り付けるだけでよいので好ましい。
熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユレア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、BMI樹脂、BT樹脂などを用いることができるが、これに限定されない。好ましくはエポキシ樹脂である。本発明で好ましく使用されるエポキシ樹脂としては、任意のエポキシ樹脂を用いることができる。例えば、耐熱性を高めるために多官能型エポキシ樹脂や、主鎖に剛直な環構造を持つエポキシ樹脂を配合したり、樹脂組成物の粘度を低下させるために低分子量のエポキシ樹脂や脂環式のエポキシ樹脂を配合するなど、目的に応じて任意のエポキシ樹脂を配合することができる。
配合されるエポキシ樹脂は、例えば、分子内に水酸基を有する化合物とエピクロロヒドリンから得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、分子内にアミノ基を有する化合物とエピクロロヒドリンから得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、分子内にカルボキシル基を有する化合物とエピクロロヒドリンから得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、分子内に二重結合を有する化合物を酸化することにより得られる脂環式エポキシ樹脂、あるいはこれらから選ばれる2種類以上のタイプの基が分子内に混在するエポキシ樹
脂などが用いられる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他トリスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂及びそれらの位置異性体やアルキル基やハロゲンでの置換体が挙げられる。
ここで、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、EPON825、jER826、jER827、jER828(以上、三菱化学社製)、エピクロン850(DIC社製)、エポトートYD−128(新日鐵化学社製)、DER−331、DER−332(ダウケミカル社製)、Bakelite EPR154、Bakelite EPR162、Bakelite EPR172、Bakelite EPR173、及びBakelite EPR174(以上、Bakelite AG社製)などが挙げられる。
またビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、jER806、jER807、jER1750(以上、三菱化学社製)、エピクロン830(DIC社製)、エポトートYD−170、エポトートYD−175(新日鐵化学社製)、Bakelite EPR169(Bakelite AG社製)、GY281、GY282、およびGY285(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)などが挙げられる。
ビスフェノールS型エポキシ樹脂の市販品としては、エピクロンEXA−1514(DIC社製)が挙げられる。レゾルシノール型エポキシ樹脂の市販品としては、デナコールEX−201(ナガセケムテックス社製)などが挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、jER152、jER154(以上、三菱化学社製)、エピクロン740(DIC社製)、およびEPN179、EPN180(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)などが挙げられる。トリスフェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、Tactix742(ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、EPPN501H、EPPN501HY、EPPN502H、EPPN503H(以上、日本化薬社製)、jER1032(三菱化学社製)などが挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂の具体例としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン類、アミノフェノールのグリシジル化合物類、グリシジルアニリン類、及びキシレンジアミンのグリシジル化合物などが挙げられる。テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン類の市販品としては、スミエポキシELM434(住友化学社製)、アラルダイトMY720、アラルダイトMY721、アラルダイトMY9512、アラルダイトMY9612、アラルダイトMY9634、アラルダイトMY9663(以上ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、jER604(三菱化学社製)、Bakelite EPR494、Bakelite EPR495、“Bakelite EPR496、Bakelite EPR497(以上、Bakelite AG社製)などが挙げられる。
アミノフェノールやアミノクレゾールのグリシジル化合物類の市販品としては、jER630(三菱化学(株)製)、アラルダイトMY0500、アラルダイトMY0510、アラルダイトMY0600(以上ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、スミエポキシELM120、およびスミエポキシELM100(以上、住友化学社製)などが挙げられる。グリシジルアニリン類の市販品としては、GAN、GOT(以上、日本化薬社
製)やBakelite EPR493(Bakelite AG社製)などが挙げられる。キシレンジアミンのグリシジル化合物としては、TETRAD−X(三菱瓦斯化学社製)が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂の具体例としては、フタル酸ジグリシジルエステルや、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルやそれぞれの各種異性体が挙げられる。フタル酸ジグリシジルエステルの市販品としては、エポミックR508(三井化学社製)やデナコールEX−721(ナガセケムテックス社製)などが挙げられる。ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルの市販品としては、エポミックR540(三井化学社製)やAK−601(日本化薬社製)などが挙げられる。ダイマー酸ジグリシジルエステルの市販品としては、jER871(三菱化学社製)やエポトートYD−171(新日鐵化学社製)などが挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂の市販品としては、セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製)、CY179(ハンツマン・アドバンスド・マテリアル社製)、セロキサイド2081(ダイセル化学工業社製)、およびセロキサイド3000(ダイセル化学工業社製)などが挙げられる。骨格中にオキサゾリドン環を持つエポキシ樹脂としてはAER4152、AER4151、LSA4311、LSA4313、LSA7001(以上、旭化成イーマテリアルズ社製)などが挙げられる。骨格中にナフタレン骨格を持つエポキシ樹脂としてはHP−4032、HP−4700(以上、DIC社製)、NC−7300(日本化薬社製)などが挙げられる。骨格中にジシクロペンタジエン骨格を持つエポキシ樹脂としては、XD−100(日本化薬社製)、HP7200(DIC社製)などが挙げられる。骨格中にアントラセン骨格を持つエポキシ樹脂としては、YL7172YX−8800(以上、三菱化学社製)などが挙げられる。骨格中にキサンテン骨格を持つエポキシ樹脂としては、EXA−7335(DIC社製)などが挙げられる。中でも、ビスフェノールS型エポキシ樹脂など、骨格中にSO2 構造を有するエポキシ樹脂が好ましい。
ビスフェノールS型エポキシ樹脂のように、化学構造式にSO2 構造を有するエポキシ樹脂を含んだものは速硬化性に優れている点で好ましい。SO2 構造を有したエポキシ樹脂はエポキシ樹脂と4−4’−ジアミドジフェニルスルホンを予備反応させても得ることができる。本発明に好ましく用いられるエポキシ樹脂の硬化剤は、アミン型、酸無水物、フェノール、メルカプタン型、ルイス酸アミン錯体、オニウム塩、イミダゾールなどが用いられるが、エポキシ樹脂を硬化させうるものであればどのような構造のものでもよい。好ましくは、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォンのような芳香族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミンおよびそれらの異性体、変成体である。特に好ましくはジシアンジアミドである。
これらの硬化剤には、硬化活性を高めるために、適当な硬化助剤を組み合わせることができる。好ましい例としては、ジシアンジアミドに3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエンメチレンジフェニルビス(ジメチルウレイド)、フェニルジメチルウレア(PDMU)のような尿素誘導体を硬化助剤として組み合わせる例、カルボン酸無水物やノボラック樹脂に三級アミンを硬化助剤として組み合わせる例、ジアミノジフェニルスルホンにイミダゾール化合物、フェニルジメチルウレア(PDMU)などのウレア化合物、三フッ化モノエチルアミン、三塩化アミン錯体などのアミン錯体を硬化助剤として組み合わせる例がある。2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエンはオミキュア24(ピイ・ティ・アイ・ジャパン社製)、メチレンジフェニルビス(ジメチルウレイ
ド)はオミキュア52(ピイ・ティ・アイ・ジャパン社製)として工業的に入手できる。好ましい硬化助剤は3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)である。更に好ましくは、ジシアンジアミドとフェニルジメチルウレア又はトルエンビスジメチルウレアである。特に、ジシアンジアミドとトルエンビスジメチルウレアの組み合わせは、速硬化性、耐熱性の面で更に好ましい構成となる。
また、本発明に用いるフィルム状樹脂組成物に様々な添加剤を加えることができる。フィルム状樹脂組成物がエポキシ樹脂組成物の場合、熱可塑性樹脂を添加することが好ましい。フィルム状エポキシ樹脂組成物に熱可塑性樹脂が含まれると、原プリフォームにフィルム状樹脂組成物が含浸することを抑えることができる。また、金型による成形時には、プリフォームと金型との隙間箇所にフィルム状樹脂組成物が流れ込んで隙間を充填しやすくなる。これによって、FRPの表(おもて)面に樹脂枯れの影響によって凸凹が発生することを抑制する効果が十分に発揮できる。熱可塑性樹脂は様々なものが用いられる。例として、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリビニルホルマールなどが挙げられる。好ましくは、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォンである。更に、本発明に用いるフィルム状樹脂組成物としては、離型紙に塗工された形態を使用することができる。
本発明に用いるフィルム状樹脂組成物の粘度は、30℃において5,000 〜1,000,000Pa ・sec が好ましい。5,000Pa ・sec 未満では離型紙に塗工されたフィルム状樹脂組成物を原プリフォームに貼り付けた後に、離型紙を引き剥がす際に離型紙にフィルム状樹脂組成物の一部が残り、成形品の表面に樹脂枯れが発生する。1,000,000Pa ・sec を超えると反応性が低下してフィルム状樹脂組成物を硬化させるのに時間を要するため成形品の生産性が低下する。好ましくは10,000〜500,000Pa ・sec である。
また、フィルム状樹脂組成物の粘度が原プリフォームの樹脂粘度より大きいと、より樹脂枯れを防止できるので好ましい。フィルム状樹脂組成物の粘度は原プリフォームの樹脂粘度の1.6倍以上が好ましい。1.6倍以上であれば樹脂枯れ発生の低減が顕著である。
また、原プリフォームに含浸されている樹脂のゲルタイムに対しフィルム状樹脂組成物のゲルタイムが0.7〜1.21倍であることが好ましい。その範囲内にあると成形サイクルを変更幅が少なく好ましい。
本発明のプリフォームの製造方法としては、プリプレグをFRPの寸法に合わせて裁断し、所定の積層構成に基づいて裁断したプリプレグを積層させて原プリフォームを得る。次に原プリフォームの裏面に、離型紙に塗工されたフィルム状樹脂組成物を貼り付ける。フィルム状樹脂組成物を貼り付けたプリフォームを金型内に配設して、金型内で加熱加圧することで所望のFRPの形状に賦形することができる。フィルム状樹脂組成物の貼り付けは、原プリフォームを賦形した後にプリフォームの裏面に貼り付けることもできる。
プリフォームに使用されるプリプレグの強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維等を使用することができる。なお、強化繊維としては、比強度、比弾性に優れた炭素繊維を用いることが好ましい。強化繊維の形態としては、長繊維を一方向に引き揃えた一方向材や、織物形状をもつ織物材が使用できるが、表面平滑性の観点から一方向材を用いることが好ましい。
次に、本発明に係わるFRPの製造方法について、本発明の実施形態の一例を示す図1に基づいて具体的に説明する。
まず、図1(a)に示すように、金型1をプリプレグに含浸させたマトリックス樹脂の硬化温度以上にまで調温した後、裏面にフィルム状樹脂組成物7を貼り付けたプリフォーム6を下型3上に配置する。次に、図1(b)に示すように、上型2及び下型3の間を閉
じ、プリフォーム6を加熱加圧して成形する。マトリックス樹脂は、シアエッジ部4,5内部のキャビティ内を、全て満たすことになる。また、プリフォーム6の裏面に貼り付けたフィルム状樹脂組成物7は、プリフォーム6と金型1の成形面との間に生じていた隙間箇所に流入して、隙間箇所をフィルム状樹脂組成物7の樹脂で容易に充填することができる。
金型1内での樹脂の流動を抑えて、FRPに繊維蛇行を発生させないように抑制するため、金型1に入れる前のプリフォーム6の片面表面積を、このプリフォーム6の片面を賦形することになる金型1の成形面における表面積に近づけた構成としておくことが好ましい。
ここで、プリフォーム6の片面表面積とは、FRPを構成する成形面の2面(上型2及び下型3と接する面)のうちで、プリフォームの前記片面を成形する一方の成形面での表面積である。金型にもよるがFRPは、成形によって2面が成形された構成となるので、成形されるプリフォーム6の各表面の表面積を、それぞれの表面を成形する成形面の表面積に近づけた構成にしておくことが望ましい。
具体的には、プリフォーム6の片面側の表面積S1と、金型1を閉じたときに、このプリフォーム6の片面に接触して賦形する金型1の成形面における表面積S2との間に、S1とS2との比S1/S2が0.8〜1となるように構成しておくことが好ましい。
比S1/S2が、0.8以上であれば、金型1の内部における樹脂の流動を抑えやすくなり、成形時に繊維蛇行が生じ難くなる。また、比S1/S2が、1より大きければ、プリフォーム6の周縁部が金型1からはみ出てしまう。そして、金型1を閉じる際には、はみ出たプリフォーム6の部位が、金型1で加圧する際の障害になったり、FRPを成形する上でプリフォームとしての体積不足を生じさせたりする。また、加熱加圧時には、金型1内においてプリフォーム6が折り畳まれてしまい、繊維配向に乱れが生じてしまうことになる。しかし、比S1/S2を1以下に構成しておけば、これらの問題を防止することができる。
特に、高品質なFRPを得る場合には、プリフォーム6の体積及び高さに関しても、成形後に得られるFRPに近い形状に構成しておくことが好ましい。具体的には、金型1の内部に入れるプリフォーム6の体積としては、得られるFRPの体積に対して100〜120%の大きさ、プリフォーム6の厚みを、得られるFRPの厚みに対して100〜150%に構成しておくことが好ましい。
金型1の内部に入れるプリフォーム6の体積が、得られるFRPの体積の100%未満であると、プリフォーム6に十分な圧力が加わり難くなる。一方、金型1の内部に入れる成形材料であるプリフォーム6の体積が、得られるFRPの体積の120%を超えると、金型1を閉める際に金型1内において気密性が得られるよりも前の状態において、成形材料であるプリフォーム6が金型1から流出しやすくなる。
また、プリフォーム6の厚みが得られるFRPの厚みの100%未満の場合、及び150%を超える場合には、金型1によってプリフォーム6の全面を均等に加圧することが難しくなる。ここで、プリフォーム6の厚み及び得られるFRPの厚みとは、それぞれプリフォーム6及び得られるFRPの厚みを平均化したときの厚みである。
硬化温度は、100〜150℃であることが望ましい。硬化温度が100℃以上であれば、充分に硬化反応を起こすことができ、成形温度が150℃以下であれば、プリフォーム6に含浸させたマトリックス樹脂の粘度が低くなり過ぎることもなく、金型1内におけ
るマトリックス樹脂の過剰な流動を抑えることができる。そして、金型1からの樹脂の流出や繊維の蛇行を抑制することができ、高品質なFRPを得ることができる。
硬化温度が100℃よりも低いと、硬化反応を起こすことができなくなり、所望形状に成形することができなくなる。また、硬化温度が150℃よりも高いと、マトリックス樹脂の粘度が低くなり過ぎてしまい、金型1内においてマトリックス樹脂が過剰な流動を起こしてしまう。そして、マトリックス樹脂の過剰な流動によって、繊維に蛇行が発生することになり、高品質なFRPが得られなくなる。
成形時の圧力としては、1〜15MPaであることが望ましい構成になる。1MPa以上の圧力をプリフォーム6に加えることができれば、樹脂の適度な流動が得られ、ガス抜けが悪いことによる外観不良やボイドの発生を防ぐことができる。そして、成形時にはプリフォーム6がしっかりと金型に密着するため、良好な外観品質を得ることができる。逆に、成形時に加える圧力が1MPaよりも小さければ、適度な流動を樹脂に生じさせることができず、ガス抜けが悪い状態で成形されることになる。そして、外観不良やボイドの発生が生じてしまう。
また、成形時に加える圧力が15MPaよりも大きければ、樹脂を必要以上に流動させることになり、樹脂の流動に伴って強化繊維の蛇行を発生させる。強化繊維の蛇行によって、FRPの外観不良を生じさせることになる。また、金型1から必要以上の負荷をプリフォーム6に対して加えることになり、設計外の変形等を生じさせてしまうことになる。しかし、成形時に加える圧力が15MPa以下であれば、これらの問題を防止することができる。
また、本発明の製造方法における硬化時間は、1〜20分間であることが望ましい。このような条件下で成形することにより、高い生産性で優れた品質のFRPを製造することができる。硬化時間を1分より短くすると、硬化が不十分な状態で成形されるため、所望の強度と形状を備えたFRPが得られない。また、硬化時間を20分よりも長くすると、金型内で硬化し過ぎてしまい、ひび割れ等が発生してしまうことになる。
以上説明した本発明の製造方法によれば、成形時に金型1内で不適切な状態が生じることを抑制することができ、また外観不良、性能不良等を抑えた高品質なFRPを高い生産性で得ることができる。
なお、本発明の製造方法は、図1に例示した金型1を用いる方法には限定されない。前述したように高温高圧下において、短時間で硬化させることができる金型であれば、図1で示したような金型1以外の金型を用いることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例に基づき、本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の記載によって、構成が限定されるものではない。
なお、実施例1〜11及び比較例1〜4の実施条件、評価結果の一覧を表1〜3に示した。表1には、上記実施例1〜11及び比較例1〜4に用いられる、プリプレグに含浸させたマトリックス樹脂及びフィルム状樹脂組成物の各エポキシ樹脂組成を示している。
〈プリプレグ〉
DIC(株)製のビスフェノールS型エポキシ樹脂であるEPICLON EXA1514 を50質量部、ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂であるjER828を50質量部、BASF(株)製のポリエーテルスルホンであるウルトラゾーンE2020Pを7
質量部、ジャパンエポキシレジン(株)製のジシアンジアミドであるjER キュアーDICY15を7質量部、ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製のトルエンビスジメチルウレアであるオミキュア24を4質量部、これらを配合したマトリックス樹脂Aを得た。
繊維補強材には、三菱レイヨン(株)製の炭素繊維であるパイロフィルTR50S15L GF を用いた。前記マトリックス樹脂Aを、繊維目付250g/m2 の前記繊維補強材に樹脂含有率30質量部を含浸させて、一方向プリプレグP1を作成した。このプリプレグP1をプリフォームの作成に用いた。
ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂であるjER828を100質量部、和歌山精化工業(株)製の4−4’−ジアミドジフェニルスルフォン(DDS)であるセイカキュアーS(粉砕品)を9質量部配合させ160℃で6時間予備反応させた予備反応エポキシ樹脂を72質量部、ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂であるjER828を28質量部、BASF(株)製のポリエーテルスルホンであるウルトラゾーンE2020Pを7質量部、ジャパンエポキシレジン(株)製のジシアンジアミドであるjER キュアーDICY15を7質量部、ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製のトルエンビスジメチルウレアであるオミキュア24を4質量部、これらを配合させてマトリックス樹脂Bを得た。このマトリックス樹脂Bを、三菱レイヨン(株)製の炭素繊維であるパイロフィルTR50S15L GF を繊維補強材に含浸させて、繊維目付け250g/m2 、樹脂含有率30質量部の一方向プリプレグP2を作成し、これをプリフォームの作成に用いた。
〈フィルム状樹脂組成物〉
実施例1〜7、比較例1〜2において使用するフィルム状樹脂組成物として、エポキシ樹脂組成物F1が使われ、その組成は、DIC (株)製のビスフェノールS型エポキシ樹脂であるEPICLON EXA1514 を65質量部、ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂であるjER828を35質量部、東都化成(株)製のフェノキシ樹脂であるフェノトートYP50S を5質量部、ジャパンエポキシレジン(株)製のジシアンジアミドであるjER キュアーDICY15を7質量部、ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製のトルエンビスジメチルウレアであるオミキュア24を4質量部、これらを配合させた樹脂組成物からなる。
実施例8に使用するフィルム状樹脂組成物として、エポキシ樹脂組成物F2が用いられる。その組成は、DIC (株)製のビスフェノールS型エポキシ樹脂であるEPICLON EXA1514 を65質量部、ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂であるjER828を35質量部、ジャパンエポキシレジン(株)製のジシアンジアミドであるjER キュアーDICY15を7質量部、ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製のトルエンビスジメチルウレアであるオミキュア24を4質量部、これらを配合させた樹脂組成物である。
実施例9に使用するフィルム状樹脂組成物として、上記プリプレグP1に使用されるマトリックス樹脂Aと同じ組成のエポキシ樹脂組成物F3を用いた。
実施例10に使用するフィルム状樹脂組成物として、エポキシ樹脂組成物F4が使われ、その組成は、DIC (株)製のビスフェノールS型エポキシ樹脂であるEPICLON EXA1514 を65質量部、ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂であるjER828を35質量部、東都化成(株)製のフェノキシ樹脂であるフェノトートYP50S を5質量部、ジャパンエポキシレジン(株)製のジシアンジアミドであるjER キュアーDICY15を5質量部、ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製のトルエンビスジメチルウレアであるオミキュア24を3質量部、これらを配合させた樹脂組成物を用いた。
実施例11に使用するフィルム状樹脂組成物としては、エポキシ樹脂組成物F6が使われ、その組成は、上記プリプレグP2に使用されるマトリックス樹脂Bと同じエポキシ樹
脂組成物である。
比較例3に使用するフィルム状樹脂組成物として、エポキシ樹脂組成物F5が使われ、その組成は、DIC (株)製のビスフェノールS型エポキシ樹脂であるEPICLON EXA1514 を65質量部、ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂であるjER828を35質量部、東都化成(株)製のフェノキシ樹脂であるフェノトートYP50S を5質量部、和歌山精化工業(株)製の4−4’−ジアミドジフェニルスルフォン(DDS)であるセイカキュアーS(粉砕品)を24質量部、これらを配合させた樹脂組成物を用いた。得られた各エポキシ樹脂組成物F5をレジンコーターを用いて離型紙に塗工してフィルム状樹脂組成物を作製した。
〈30℃粘度測定〉
フィルム状樹脂組成物に使用される樹脂組成物の30℃における粘度は以下に示す方法で測定した。
装置: レオメトリックス(株)製DSR-200
測定モード: パラレルプレート(25mm φ、ギャップ0.5mm)
周波数:1Hz
〈キュラストメーターによるゲルタイム、100%トルク到達時間の測定〉
フィルム状樹脂組成物に使用される樹脂組成物のゲルタイム(GT)、100%トルク到達時間(tmax)を、以下に示す方法で測定した。
装置: 日合商事(株)製キュラストメーターIIF-HT
測定モード:P.P( ピーク測定モード)
振動数: ±3 °
測定温度:140℃
上記測定値から、図6に示すような時間−トルク曲線を得る。ゲルタイム(GT)は、トルク値が0から正値に上がる時間である。100%トルク到達時間(tmax)は、該曲線からトルクが変化しなくなる最大値の時間を100%トルク到達時間とした。
〈欠陥箇所の特定、欠陥箇所の表面積〉
プリプレグを幅0.5m、長さ1.0mの寸法にて裁断する。裁断したプリプレグを0 °/90°/90°/90°/0 °の積層構成にて積層させた。積層させたプリプレグを、プリフォーム装置を用いて加熱、加圧して賦形させ、図2に例示した形状の原プリフォームを20体作製した。図2において、符号8で示した面が、原プリフォームの表面であり、符号9で示した面が、原プリフォームの裏面である。この原プリフォームには、フィルム状樹脂組成物7が貼り付けられていない。金型としては、図1に例示した金型1を用いた。
図3に例示したように、金型1の上型2及び下型3を予め140℃に加熱し、下型3上に前記原プリフォームを配置し、すぐに上型2を降ろして金型1を閉め、4MPaの圧力をかけて5分間加熱加圧して硬化させ、硬化後に金型1から取り出してFRPを20個得た。
得られた全てのFRPの表(おもて)面8には、図4に示すように、中央部に樹脂枯れが発生していた。各FRPの樹脂枯れの位置取りを行った。各FRPの表面8に生じた樹脂枯れを、図4の部分拡大図では、異なるハッチングで示している。そこで、図4の部分拡大図に示すように、各FRPの表(おもて)面8に生じた樹脂枯れの部位を全て重ね合わせることによって、その表(おもて)面8に生じる欠陥箇所10を特定した。
即ち、異なるハッチングで示した各樹脂枯れの部位を全て重ね合わせ、重ね合わせた部
位の領域を、最外周で囲んだときに得られる部分を欠陥箇所とした。そして、欠陥箇所とした部分の位置取りを行った。また、欠陥箇所の最外周を囲んだ領域の面積を、欠陥箇所の表面積として求めた。このとき得られた欠陥箇所の表面積は、0.002m2 であった。
〔実施例1〕
プリプレグP1を幅0.5m、長さ1.0mの寸法にて裁断する。裁断した5枚のプリプレグを0 °/90°/90°/90°/0 °の積層構成にて積層させた。次に、原プリフォームの裏面となる面に厚み35μm、表面積0.02m2 のエポキシ樹脂組成物F1からなるフィルム状樹脂組成物7を用いて、欠陥箇所に対応する位置が100%覆われるように貼り付けた。続いて、フィルム状樹脂組成物7を貼り付けた積層構成体を、プリフォーム装置を用いて加熱、加圧することにより賦形させて、図5に例示した形状のプリフォームを20体作製した。
図5において、符号8で示した面が、プリフォーム6の表(おもて)面であり、符号9で示した面が、プリフォーム6の裏面である。また、符号11で示した点線で囲まれている領域は、欠陥箇所に対応する位置である。
なお、プリフォーム6の裏面における全表面積は0.5m2 である。成形品を製造する金型としては、図1に例示した金型1を用いた。金型1の上型2及び下型3を予め140℃に加熱し、下型3上に前記プリフォーム6を配置し、すぐに上型2を降下させて金型1を閉め、4MPaの圧力を加えて5分間加熱加圧して硬化させた。硬化後に金型1から取り出して得るFRPを20個作成した。得られたFRPの表面における樹脂枯れなどに伴う表面の凸凹に関して、凸凹の有無を目視にて確認した。そして、樹脂枯れ及び表面凸凹が一箇所以上発生しているFRPの個数を数えた。その実施条件と測定結果を、表2に示した。
〔実施例2〕
エポキシ樹脂組成物F1からなるフィルム状樹脂組成物7によって欠陥箇所の50%を覆った構成以外は、実施例1と同様にしてFRPを作製し、実施例1と同様に評価を行った。その実施条件及び測定結果を、表2に示した。
〔実施例3〜5〕
エポキシ樹脂組成物F1からなるフィルム状樹脂組成物7の表面積を異ならせた以外は、実施例1と同様にしてFRPを作製し、実施例1と同様に評価を行った。それらの実施条件及び測定結果を、表2に示した。
〔実施例6〜7〕
エポキシ樹脂組成物F1からなるフィルム状樹脂組成物7の厚みを変更した以外は、実施例1と同様にしてFRPを作製し、実施例1と同様に評価を行った。それらの実施条件及び測定結果を、表2に示した。
〔実施例8〕
エポキシ樹脂組成物F2として、エポキシ樹脂組成物F1からフェノキシ樹脂を含まないフィルム状樹脂組成物7を使用した以外は、実施例1と同様にしてFRPを作製し、実施例1と同様に評価を行った。その実施条件及び測定結果を、表2に示した。
〔実施例9〕
フィルム状樹脂組成物7が、プリプレグP1に使用されるマトリックス樹脂Aと同じ組成をもつエポキシ樹脂組成物F3である構成以外は、実施例1と同様にしてFRPを作製
し、実施例1と同様に評価を行った。その実施条件及び測定結果を、表2に示した。
〔実施例10〕
フィルム状樹脂組成物7が、上記エポキシ樹脂組成物F1において硬化剤、硬化促進剤の質量部が異なるエポキシ樹脂F4である構成以外は、実施例1と同様にしてFRPを作製し、実施例1と同様に評価を行った。その実施条件及び測定結果を、表2に示した。
〔実施例11〕
フィルム状樹脂組成物7が、上記プリプレグP2に使用される上記マトリックス樹脂Bと同じエポキシ樹脂組成物F6である構成以外は、実施例1と同様にしてFRPを作製し、実施例1と同様に評価を行った。その実施条件及び測定結果を、表2に示した。
〔比較例1〕
エポキシ樹脂組成物F1からなるフィルム状樹脂組成物7を原プリフォームの表(おもて)面に貼り付けた構成にした以外は、実施例1と同様にしてFRPを作製し、実施例1と同様に評価を行った。得られたFRP表(おもて)面には、樹脂枯れの発生は認められなかったが、フィルム状樹脂組成物7を貼り付けた境界に凸凹が存在するのが見られた。その実施条件及び測定結果を、表3に示した。
〔比較例2〕
エポキシ樹脂組成物F1からなるフィルム状樹脂組成物7を原プリフォームの表(おもて)面の全面に貼り付けた構成にし、それ以外の構成は、実施例1と同様にしてFRPを作製し、実施例1と同様に評価を行った。その実施条件及び測定結果を、表3に示した。得られたFRPの全てにおいて、表(おもて)面に樹脂枯れが発生しているのが見られた。
〔比較例3〕
フィルム状樹脂組成物7が、上記エポキシ樹脂組成物F1において硬化剤、硬化促進剤の化学構造が異なるエポキシ樹脂組成物F5とした構成以外は、実施例1と同様にしてFRPを作製し、実施例1と同様に評価を行った。その実施条件及び測定結果を、表3に示した。得られたFRPの全てにおいて、表(おもて)面に樹脂枯れが発生しているのが見られた。
〔比較例4〕
使用するプリプレグの種類がプリプレグP1であるが、フィルム状樹脂組成物7が原プリフォームに貼り付けられていない。それ以外の構成は、実施例1と同様にしてFRPを作製し、実施例1と同様に評価を行った。その実施条件及び測定結果を、表3に示した。得られたFRPの全てにおいて、表(おもて)面に樹脂枯れが発生しているのが見られた。
Figure 2012192726
Figure 2012192726
Figure 2012192726
表2に示すように、実施例1〜11では、樹脂枯れが最大で5個発生したものがあったが、FRPとして、問題になるような個数ではなかった。実施例2の場合には、欠陥箇所10に対してフィルム状樹脂組成物を被覆したときの被覆率(%)、即ち、欠陥箇所10の面積に対してフィルム状樹脂組成物7で覆っている面積の割合が50%となっている。このように、欠陥箇所10の面積の半分の面積をフィルム状樹脂組成物7で覆っただけだと、樹脂枯れが多く発生することが分かるが、樹脂枯れの発生個数(4個)はマトリックス樹脂Bをフィルム状樹脂組成物として使った実施例11における樹脂枯れの発生個数(5個)を下回っており、十分に実用に供せる範囲であった。
FRP表面の凸凹個数は、どの実施例でも、0個であった。このように、フィルム状樹脂組成物をプリプレグの裏面に貼り付けたことによる効果は芳しい。特に、実施例1では、樹脂枯れの発生個数及びFRP表面の凸凹個数は、共に0個であり、塗装後に表面平滑性の状態がクラスAと呼ばれる非常に高度の品位が得られた。
また、欠陥箇所10の面積に対して50倍や150倍の大きさをもつフィルム状樹脂組成物7で覆っても、即ち、表面積比(倍)を50や150としても、樹脂枯れを押える上において、大きな効果を生じさせるものではないことが分かる。更に、プリフォーム6の裏面における全表面積に対するフィルム状樹脂組成物7の面積の割合、即ち、プリフォーム裏面における表面積比(倍)を、実施例1の場合の0.04よりも実施例3のように小さく構成したり、実施例4及び5のように大きく構成したりして様々に変更したところ、実施例1の場合よりも効果は高くはならないことも分かった。
フィルム状樹脂組成物7の厚みに着目しても、実施例6のように、実施例1の場合の35μmよりも薄く構成したり、実施例7のように厚く構成したが、実施例1の場合よりも効果は高くならなかった。
表1、表2に示すように、実施例1〜実施例11における実験結果に対して、フィルム状樹脂組成物7を原プリフォームの表(おもて)面に貼り付けた場合には、比較例1では、樹脂枯れは0個であったが、FRP表(おもて)面の凸凹個数は、20個も存在した。また、比較例2では、樹脂枯れは20個も存在した。フィルム状樹脂組成物7を原プリフォームに貼り付けていない比較例4では、樹脂枯れは20個も存在した。また、フィルム状樹脂組成物7を原プリフォームの裏面に貼り付けた場合でも、比較例1と同じエポキシ樹脂組成物であるも関わらず、その組成が異なる比較例3のフィルム状樹脂組成物を用いた比較例3では、樹脂枯れは20個も存在した。
このように、原プリフォームの裏面側において、フィルム状樹脂組成物7を欠陥箇所に対応した位置に貼り付けておくことによる、樹脂枯れの抑制効果、FRP表(おもて)面に発生する凸凹を抑える効果は、格別なものがある。
本発明は、優れた表面品質をもつFRPを高い生産性をもって製造できるため、自動車部品等の用途のFRPのハイサイクルプレス成形による製造に好適に使用できる。
1 ・・・金型、 2 ・・・上型、 3 ・・・下型、 4 ・・・シアエッジ部、 5 ・・・シアエッジ部、 6・・・プリフォーム、 7・・・フィルム状樹脂組成物、 8 ・・・プリフォームの表面、 9 ・・・プリフォームの裏面、 10 ・・・欠陥箇所、 11 ・・・欠陥箇所( プリフォームの裏面)

Claims (22)

  1. 繊維補強材に樹脂組成物を含浸したプリプレグを積層してなる板状の原プリフォームの裏面に、原プリフォームに含浸されている樹脂と同じ組成を有するフィルム状樹脂組成物を貼り付けてなるプリフォーム。
  2. 前記フィルム状樹脂組成物が、前記原プリフォームのみを加熱硬化して成形品とする際に、成形品に樹脂枯れが発生する場所(欠陥箇所)に対応する位置に貼り付けられた請求項1記載のプリフォーム。
  3. 前記フィルム状樹脂組成物の面積が、前記欠陥箇所の面積に対して1.2〜40倍の大きさであり、かつ前記プリフォームの裏面における全表面積に対して0.5倍以下の面積であり、前記フィルム状樹脂組成物の厚みが10〜150μmである請求項1又は2に記載のプリフォーム。
  4. 前記原プリフォームに含浸されている樹脂及び前記フィルム状樹脂組成物が、エポキシ樹脂組成物である請求項1〜3のいずれかに記載のプリフォーム。
  5. 前記原プリフォームに含浸されている樹脂の粘度に対し前記フィルム状樹脂組成物粘度が1.6倍以上である請求項1〜3のいずれかに記載のプリフォーム。
  6. 前記原プリフォームに含浸されている樹脂のゲルタイムに対し前記フィルム状樹脂組成物のゲルタイムが0.7〜1.21倍である請求項1〜5のいずれかに記載のプリフォーム。
  7. 前記エポキシ樹脂組成物が、主剤としてビスフェノールS型エポキシ樹脂、硬化助剤としてトルエンビスジメチルウレアが含まれてなる請求項1〜6のいずれかに記載のプリフォーム。
  8. 前記フィルム状樹脂組成物が、フェノキシ樹脂を含んでなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプリフォーム。
  9. 前記フィルム状樹脂組成物が、ポリエーテルスルフォンを含んでなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のプリフォーム。
  10. 繊維補強材に樹脂組成物を含浸したプリプレグを積層してなる板状の原プリフォームの平坦部の一方の面に、原プリフォームに含浸されている樹脂と同じ組成を有するフィルム状樹脂組成物を貼り付けるプリフォームの製造方法。
  11. 前記原プリフォームのみを加熱硬化して成形品とする際に、成形品に樹脂枯れが発生する場所(欠陥箇所)に対応する位置に、前記フィルム状樹脂組成物を貼り付ける請求項10記載のプリフォームの製造方法。
  12. 前記フィルム状樹脂組成物の面積が、前記欠陥箇所の面積に対して1.2〜40倍の大きさであり、かつ前記プリフォームの裏面における全表面積に対して0.5倍以下の面積であり、前記フィルム状樹脂組成物の厚みが10〜150μmである請求項10又は11に記載のプリフォームの製造方法。
  13. 前記原プリフォームに含浸されている樹脂及び前記フィルム状樹脂組成物が、エポキシ樹脂組成物である請求項10〜12のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  14. 前記原プリフォームに含浸されている樹脂の粘度に対し前記フィルム状樹脂組成物粘度が1.6倍以上である請求項13記載のプリフォームの製造方法。
  15. 前記原プリフォームに含浸されている樹脂のゲルタイムに対し前記フィルム状樹脂組成物のゲルタイムが0.7〜1.21倍である請求項13又は14に記載のプリフォームの製造方法。
  16. 前記エポキシ樹脂組成物が、主剤としてビスフェノールS型エポキシ樹脂、硬化助剤としてトルエンビスジメチルウレアが含まれてなる請求項13〜15のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  17. 前記フィルム状樹脂組成物が、フェノキシ樹脂を含んでなる請求項14記載のプリフォームの製造方法。
  18. 前記フィルム状樹脂組成物が、ポリエーテルスルフォンを含んでなることを特徴とする請求項14記載のプリフォームの製造方法。
  19. 前記フィルム状樹脂組成物が、主剤としてビスフェノールS型エポキシ樹脂、硬化助剤としてトルエンビスジメチルウレアが含まれてなる請求項10〜13のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  20. 前記フィルム状樹脂組成物が、フェノキシ樹脂を含んでなることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  21. 前記フィルム状樹脂組成物が、ポリエーテルスルフォンを含んでなることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  22. 請求項10〜21のいずれかに記載のプリフォームの製造方法により得られたプリフォームを、金型内において100〜150℃、1〜15MPaの条件下で、1〜20分間加熱加圧して硬化させ、成形品を製造する繊維強化樹脂成形品の製造方法。
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