JP2012188734A - 船舶艤装用耐食鋼材 - Google Patents

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Abstract

【課題】海水飛沫環境、紫外線劣化が著しい環境において優れた耐食性を示す船舶艤装用耐食鋼材を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.03%未満、S:0.01%未満、Al:0.005〜0.3%、N:0.001〜0.008%を含有し、更に、Cr:0.02%未満とし、Cu:0.01〜1.0%、W:0.005〜1.0%、Mo:0.005〜1.0%、Sn:0.001〜0.3%の中から選ばれる1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼材の表面に塗装が施されていることを特徴とする船舶艤装用耐食鋼材。
【選択図】なし

Description

本発明は、船舶甲板上の船舶艤装用部材に用いて好適な塗装耐食性に優れた耐食鋼材に関するものである。ここで塗装耐食性とは、塗料を表面に塗布した鋼材において、その塗膜欠陥部から生じる塗膜膨れの発生程度をいう。船舶艤装用部材としては、補機、クレーン、マスト、パイプ、手摺等の甲板上に設置され、日光に曝されることで塗膜の紫外線劣化が生じやすく、海上からの飛来塩分も受ける船舶の甲板上のあらゆる部材を意味する。
一般に、船舶は厚鋼板、薄鋼板、形鋼、鋼管や棒鋼等の鋼材を溶接して建造されており、その鋼材表面には防食塗膜や電気防食等の防食手段が施されて使用される。船舶用鋼材に適用される防食塗膜としては、一般的にエポキシ系塗膜が用いられており、鋼材表面にエポキシ系塗膜を一層形成した塗膜と、鋼材表面にジンクリッチプライマーを塗装し、その上にエポキシ系塗膜を形成する二層の塗膜とに分類される。
二層塗膜の例としては、特許文献1には、Cr:0.1〜6.0%とCu:0.1〜2.0%を含有した鋼材にジンクリッチプライマーを塗布した防錆鋼板が開示されている。特許文献2には、低合金鋼に海水中における浸漬電位が基材よりも卑なる金属粒子(Zn、Mg粉末等)を含み、残部がシリケートからなるプライマー層を有する構造用鋼が開示されている。特許文献3には、Cu:0.1〜0.7%を含有し、ジンクリッチプライマーを塗布した鋼材の防錆方法が開示されている。
また、防食塗装が施される船舶用部位としては、日光に曝されないため塗膜の紫外線劣化は無いが、高温多湿で高塩分環境であることから腐食環境として厳しいといわれるバラストタンクと、日光に曝されることで塗膜の紫外線劣化が生じ、さらに高塩分環境であることから腐食が進行する本発明の対象部位となる船舶艤装用部材の大きく2つに分類される。特許文献4には、特にバラストタンクを対象として、WとMoから1種以上、SbとSnから1種以上を含有し、さらにCu、Cr、Ni等が0.05%未満であることを特徴とした鋼材が開示されている。特許文献5には、バラストタンクを対象として、Cu:0.01〜5.0%、Ni:0.01〜5.0%を含有した鋼材が開示されている。
特開2008−144204号公報 特開2007−191730号公報 特許第4355251号 特開2009−46750号公報 特開2010−138454号公報
松本剛司ら 「防錆管理」Vol.56、No.7、p.459(2007)
上記の特許文献のうち特許文献4と5は、バラストタンク環境での塗装耐食性に関して検討しているが、バラストタンクの腐食環境と船舶艤装用部材の腐食環境とは異なるため船舶艤装用部材の耐食性に関して直接参考とはならない。
特許文献1〜3は、ジンクリッチプライマー層の存在下で塗装耐食性が向上する成分系について検討されているが、エポキシ系塗膜の単一塗膜層でジンクリッチプライマー層が存在しない場合については、検討されていない。一方、船舶の鋼板に使用される塗膜には、上塗り塗膜であるエポキシ系塗膜やアルキド塗膜等の下層には、ジンクリッチプライマー塗膜層が存在していることが多いが、塗装の塗り替え補修を行う際には、ジンクリッチプライマーによる下塗り塗装を行わないのが一般的である。そのため、船舶艤装用部材では、ジンクリッチプライマーが有る場合と無い場合の両方で、塗装耐食性を有する必要があるが、下塗り塗装が有る場合より無い場合のほうが塗装耐食性は厳しくなるので、本発明では下塗り塗装を行わない場合について検討する。
従って、本発明は、海水飛沫環境であり、常に日射の下に曝され塗膜の紫外線劣化が著しい環境が組み合わさった厳しい腐食環境において、塗り替え後の塗膜寿命延長効果が普通鋼の2倍以上となる船舶艤装用耐食鋼材を提案することを目的とする。
発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究し、ジンクリッチプライマーの存在下では鋼材中のCrは塗装耐食性に影響しないが、エポキシ系塗膜単層でジンクリッチプライマーが存在しない場合は、Crは塗装耐食性に悪影響を及ぼすことを知見した。
また、甲板上の船舶艤装部材の環境とバラストタンク環境の違いは、塗膜膨れが生じる起点が、塗膜の初期のピンホールに加え、船舶艤装部材の場合は、紫外線による塗膜劣化が加わること、つまりバラストタンク環境では、ある一定の塗膜面積に対して、腐食起点が少ないが、船舶艤装部材では、腐食起点が多くなる。理由はよくわかっていないが、各々の場合に有効な耐食元素は異なることを知見した。即ち、バラストタンク環境と甲板上の船舶艤装部材適用環境での実験検討を行ったところ,バラストタンク環境では,耐食元素の複合添加が必須であるが、甲板上の船舶艤装部材適用環境では、複合添加で勿論効果を発揮するが、Cr含有量を0.02%未満としてさらに、Cu、W、Mo、Cuの中から選ばれる1種または2種以上を含有すると塗装耐食性が向上することを知見した。
本発明は、上記した知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下の通りである。
第一の発明は、質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.03%未満、S:0.01%未満、Al:0.005〜0.3%、N:0.001〜0.008%を含有し、更に、Cr:0.02%未満とし、Cu:0.01〜1.0%、W:0.005〜1.0%、Mo:0.005〜1.0%、Sn:0.001〜0.3%の中から選ばれる1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼材の表面に塗装が施されていることを特徴とする船舶艤装用耐食鋼材である。
第二の発明は、更に、前記鋼組成のうちCu、W、Mo、Snの含有量が下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする第一の発明に記載の船舶艤装用耐食鋼材である。
0.1%≦ Cu+3W+2.5Mo+5Sn ≦ 2.0% ・・・・・(1)
なお、式中、元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を示す。
第三の発明は、前記塗装がエポキシ系塗膜からなることを特徴とする第一または第二の発明に記載の船舶艤装用耐食鋼材である。
第四の発明は、前記鋼組成に、更に、質量%で、Ni:0.01〜1.0%を含有することを特徴とする第一乃至第三の発明の何れかの発明に記載の船舶艤装用耐食鋼材である。
第五の発明は、前記鋼組成に、更に、質量%で、Nb:0.001〜0.2%、V:0.001〜0.5%、Ti:0.002〜0.2%、B:0.0002〜0.005%の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする第一乃至第四の発明の何れかの発明に記載の船舶艤装用耐食鋼材である。
第六の発明は、前記鋼組成に、更に、質量%で、Ca:0.0001〜0.01%を含有することを特徴とする第一乃至第五の発明の何れかの発明に記載の船舶艤装用耐食鋼材。である。
本発明によれば、塗り替え後の塗膜寿命延長効果が普通鋼の2倍以上となる船舶艤装用耐食鋼材が得られるので、塗装の塗り替え回数を減らすことが可能となった。
以下、本発明の鋼の化学成分を規定した理由を以下に説明する。なお、成分組成における%は全て質量%とする。
C:0.01〜0.2%
Cは鋼材強度を上昇させるのに有効な元素であり、所望の強度を得るために0.01%以上の含有が必要であるが、0.2%を超えて含有すると、溶接熱影響部の靭性を低下させるため、C量は0.01〜0.2%の範囲とする。好ましくは、0.05〜0.15%の範囲である。
Si:0.01〜2.5%
Siは脱酸剤として、また鋼材の強度向上を目的として含有される元素であり、0.01%以上の含有が必要であるが、2.5%を超えて含有すると鋼の靭性を劣化させるので、Si量は0.01〜2.5%の範囲とする。好ましくは、0.05〜0.50%の範囲である。
Mn:0.1〜2.0%
Mnは熱間脆性を防止し鋼材の強度向上に有用な元素であるので、0.1%以上の含有が必要であるが、2.0%を超える含有は、鋼の靭性および溶接性を低下させるので、Mn量は0.1〜2.0%の範囲とする。また、鋼中でMnSとなって、腐食の活性点となる耐食性劣化元素であるので、好ましくは、0.5〜1.0%の範囲であり、より好ましくは、0.99%以下である。
P:0.03%未満
Pは鋼の母材靭性のみならず、溶接性および溶接部靭性を劣化させる有害な元素であるので極力低減することが望ましい。特にP量が0.03%以上では、母材靭性および溶接部靭性の低下が大きくなるのでP量は0.03%未満とする。
S:0.01%未満
Sは鋼の靭性および溶接性を劣化させる有害な元素であるので、極力低減することが望ましく、S量は0.01%未満とした。また、Sは耐食性を劣化させる元素であるため、好ましくは0.005%未満とする。
Al:0.005〜0.3%
Alは脱酸剤として作用し、このためには0.005%以上の含有を必要とするが、0.3%を超える含有は、溶接金属部の靭性を低下させるので、Al量は0.005〜0.3%の範囲とする。好ましくは、0.01〜0.05%の範囲である。なお、Al含有量は酸可溶Alを測定した。
N:0.001〜0.008%
Nは靭性に対して有害な成分であり、靭性の向上を図るためにはできるだけ低減することが望ましいが、工業的には0.001%未満に低減することが難しい。一方、N量が0.008%を超えると靭性の著しい劣化を招く.よってN量は、0.001〜0.008%の範囲とする。
Cr:0.02%未満
これまでの種々の研究で、Crは耐食元素と考えられており、耐候性鋼を代表とする低合金の耐食鋼では、大気腐食環境で無塗装で使用されると錆層が緻密になり、耐食性が向上すると言われている。これは、塗装材でも同様の結果が報告されており、例えば非特許文献1を見ると、JIS SMA鋼(Crを0.6質量%程度含有と推定)の塗装耐食性を評価しており、Cr等によって錆層を緻密にしてアノード反応を抑制して、その結果塗膜膨れを抑制するとされている。しかしながら、発明者等の検討によると、Crはジンクリッチプライマー層が無い場合は、耐食劣化元素となる。
ジンクリッチプライマー層の有無により、塗装耐食性に与える影響が異なる理由は良くわかっていないが、鋼中のCr含有量は少ない方が好ましく、0.02%未満とした。好ましくは0.01%未満である。さらに好ましくは不可避的不純物相当のCrレス鋼材であることが良い。
なお、非特許文献1において、ラボ腐食試験である複合サイクル腐食試験にて、ジンクリッチプライマー層がなく,エポキシ塗膜のみでも塗装耐食性が向上しており、上記の考えと異なるのは、今回の環境では紫外線による塗膜劣化が加わり、さらに船舶上という厳しい塩分環境であることが原因であると考えられる。
更に、Cu、W、Mo、Snの1種または2種以上を選択元素として含有する。
Cu:0.01〜1.0%
Cuは、耐食元素であり、これらを含有すると鋼材自体の耐食性が向上し、また保護性のある微細な腐食生成物を塗膜下に形成し、塗装耐食性が向上する。0.01%以上の含有で効果を発揮し、1.0%を超えての含有は靭性や溶接性を悪化させるため、含有する場合は、Cu量は、0.01〜1.0%の範囲とすることが好ましい。
W:0.005〜1.0%、 Mo:0.005〜1.0%
WおよびMoは、耐食元素であり、これら元素は母材から溶出した際に酸素酸を形成し、これらが塩化物イオンを電気的に反発させ、塩化物イオンが地鉄表面にまで侵入することを防ぎ、耐食性を向上させる。また、WおよびMoは、FeWOやFeMoOといった難溶性の腐食生成物を形成することで、鋼材の耐食性が向上する。W、Moのいずれも0.005%以上の含有で効果を発揮する。また、これらW、Moのいずれも、1.0%を超えて含有しても、耐食性効果が飽和するため、これらの元素を含有する場合は、W量、Mo量は、いずれも0.005〜1.0%の範囲とすることが好ましい。
Sn:0.001〜0.3%
Snは、耐食元素であり、これらは鋼材表面のアノード部などpHが低い部位での腐食を抑制する効果がある。0.001%以上の含有で効果を発揮するが、0.3%を超えて含有すると母材靭性および熱影響部を劣化させるため、含有する場合は、Sn量は0.001〜0.3%の範囲とすることが好ましい。
Cu+3W+2.5Mo+5Sn:0.1%以上2.0%以下
Cu、W、Mo、Snの複合化について、さらに研究、検討を重ねた結果、上記式で示される実験的塗装耐食性指標式を導出した。上述のCu、W、Mo、Sn各々の下限量以上から塗装耐食性の向上は見られるが、上記式の値を0.1%以上とすることで、上述した各耐食元素の効果が複合的に現れる。また2.0%を超えても、塗装耐食性の効果は飽和してしまい、また、溶接性の劣化や靭性の劣化等の機械的特性の劣化が見られるため、上限は2.0%とする。
本発明の基本成分組成は以上であるが、更に、耐食性元素としてNiを含有することができる。また強度、靭性向上の観点から、Nb、V、Ti、Bの1種または2種以上を選択元素として含有することができる。更には、靭性向上の観点からCaを含有することもできる。
Ni:0.01〜1.0%
Niは、耐食元素であり、これらを含有すると鋼材自体の耐食性が向上し、また保護性のある微細な腐食生成物を塗膜下に形成し、塗装耐食性が向上する。0.01%以上の含有で効果を発揮するが、1.0%を超えて含有すると靭性や溶接性を悪化させるため、含有する場合は、Ni量は0.01〜1.0%の範囲とすることが好ましい。
Nb:0.001〜0.2%、V:0.001〜0.5%、Ti:0.002〜0.2%、B:0.0002〜0.005%
Nb、V、Ti、Bはいずれも、鋼材強度を高める元素であり、必要とする強度に応じて選択して1種以上含有することができる。このような効果を得るためには、Nb、Vは各々0.001%以上、Tiは0.002%以上、Bは0.0002%以上を含有する必要がある。しかしながら、いずれの成分も一定の範囲を超えて含有した場合、靱性が劣化するため、含有する場合は、Nb量は0.001〜0.2%、V量は0.001〜0.5%、Ti量は0.002〜0.2%、B量は0.0002〜0.005%の範囲とすることが好ましい。
Ca:0.0001〜0.01%
Caは、介在物の形態制御により鋼の延性向上、あるいは、溶接熱影響部の靱性向上に寄与する元素であり、このような効果を発揮させるためには、0.0001%以上を含有する必要がある。しかしながら、0.01%を超えて含有した場合、靱性の低下の原因となるため、Ca量は0.0001〜0.01%の範囲とする。
本発明の鋼材は、上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物とする。ただし、本発明の効果を害しない範囲内であれば、上記以外の成分の含有を拒むものではないことは勿論である。
船舶艤装用耐食鋼材は塗装することが前提の鋼材であり、その場合の塗装膜としては、エポキシ樹脂塗膜、アルキド塗膜、アクリル塗膜、ウレタン系樹脂塗膜、フタル酸樹脂塗膜、塩化ゴム系塗膜などが考えられるが、この中では、エポキシ樹脂塗膜がより効果的であり、その理由は、塗膜下の地鉄との密着性や、塗膜劣化後に除去した残存錆との接着性においても、他の樹脂塗膜より優れているためである。
エポキシ樹脂塗膜は、主に、エポキシ樹脂を主成分とした主剤と硬化剤とから形成されるものであり、主剤のエポキシ樹脂は、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール型エポキシ樹脂もしくは1分子中に3つ以上のエポキシ基を有するノボラック型などの多官能エポキシ樹脂等からなるものである。また、そのようなピュアエポキシ樹脂のほか、さらに、タールエポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂など変性エポキシ樹脂等を用いてもよい。また、エポキシ系反応性希釈剤等を含んでも良い。
また、硬化剤としては、アミン系、アミド系、アミドアミン系、ジシアンジアミド系、イミダゾール系、メルカプタン系、酸無水物系など、上記エポキシ樹脂を室温で硬化させえるものであればよい。
エポキシ樹脂の膜厚は100μmから400μmとするのが好ましい。
次に、本発明にかかわる鋼材の好適な製造方法について説明する。
上記した成分組成となる鋼を、転炉や電気炉等の公知の炉で溶製し、連続鋳造法や造塊法等の公知の鋳造方法でスラブやビレット等の鋼素材とする。なお、溶鋼に、取鍋精錬や真空脱ガス等の処理を付加しても良いことは言うまでもない。
ついで、上記鋼素材を、好ましくは1050〜1250℃の温度範囲に再加熱したのち所望の寸法形状に熱間圧延するか、あるいは鋼素材の温度が熱間圧延可能な程度に高温である場合には再加熱することなく、あるいは均熱する程度で直ちに所望の寸法形状の鋼材に熱間圧延することもできる。
なお、熱間圧延では、強度を確保するために、熱間仕上圧延終了温度および熱間仕上圧延終了後の冷却速度を適正化することが好ましく、熱間仕上圧延終了温度は、700℃以上、熱間仕上圧延終了後の冷却は、放冷または冷却速度10℃/sec以上の加速冷却を行うことが好ましい。なお、冷却後に再加熱処理を施してもよい。
表1〜表2に示す成分を有する鋼を、真空溶解炉で溶製または転炉溶製後、連続鋳造によりスラブとした。ついで、スラブを加熱炉に装入して1150℃に加熱後、熱間圧延により板厚30mmの厚鋼板とした。ここで、熱間圧延仕上げ温度は、800℃、熱間圧延の鋼板の冷却は放冷とした。
Figure 2012188734
Figure 2012188734
これらの鋼板から、4mmt×100mmW×150mmLの試験片を採取し、その試験片の表面をJIS B 0601−1994に規定される十点平均粗さで50μmの粗さとなるようにショットブラストを施して、表面のスケールや油分を除去したのち、試験片表面に膜厚が200μmとなるようにエアレススプレーでエポキシ系塗膜を形成させたサンプルを作成した。本サンプルは、下塗りとしてのジンクリッチプライマー層を有しないもので、塗装鋼材(下塗り:ジンクリッチプライマー、上塗り:エポキシ系塗膜)が船舶艤装部材として使用された結果、初期塗膜が劣化し、再度補修塗装(エポキシ系塗膜)を行った状態(下塗りとしてのジンクリッチプライマー層が無く、エポキシ系塗装のみ)を模擬したものである。
試験片表面の塗装用材料としてはエポキシ樹脂を用いた。
各試験片は実船での腐食試験を促進するために、エポキシ塗装後にJIS K 7350−4(2008)に従いオープンフレームカーボンアークランプ(サンシャインカーボンアーク灯)による耐候性試験を2000時間行って、紫外線劣化を生じさせた塗膜表面を形成した。そして、このサンプルを1年間の実船での暴露試験に供した。
各試験片の設置場所は甲板上の雨がかりの有る場所と無い場所の2箇所で行った。
なお、実船での暴露試験前に、耐食性の評価のために、JIS K 5600−7−9に準拠した方法で、試験片の塗膜の上からカッターナイフで地鉄表面まで達する80mm長さのスクラッチ疵を一文字状に付与した。
耐食性の評価項目は、実船での暴露試験後のスクラッチからの最大塗膜膨れ幅(mm)とし、実船暴露試験に供したサンプルの中での相対比較で評価を行った。
実船での暴露試験結果を表3に示す。
Figure 2012188734
実船での暴露試験結果は雨がかり有り、無しの何れのケースにおいても最大塗膜膨れ幅は25mm未満を合格と判断した。
鋼No.A1〜A30はいずれも本発明の範囲の成分を有するので、実船での暴露試験結果は、雨がかり有り、雨がかり無しとも、最大塗膜膨れ幅は25mm未満と良好な結果が得られた。なお、雨がかりがある場合の方が塩分の洗い流しが起こるため、最大塗膜膨れ幅は小さくなる結果となった。
比較例である鋼No.B1は普通鋼の代表例であり、必須選択元素であるCu、W、Mo、Snの何れの元素とも含んでおらず、また、鋼No.B2〜B6は何れもCr含有量が上限を超えており、実船での暴露試験結果は、雨がかり有り、雨がかり無しとも、最大塗膜膨れ幅は30mmを超えており塗装耐食性は不十分な結果となった。

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.03%未満、S:0.01%未満、Al:0.005〜0.3%、N:0.001〜0.008%を含有し、更に、Cr:0.02%未満とし、Cu:0.01〜1.0%、W:0.005〜1.0%、Mo:0.005〜1.0%、Sn:0.001〜0.3%の中から選ばれる1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼材の表面に塗装が施されていることを特徴とする船舶艤装用耐食鋼材。
  2. 更に、前記鋼組成のうちCu、W、Mo、Snの含有量が下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の船舶艤装用耐食鋼材。
    0.1%≦ Cu+3W+2.5Mo+5Sn ≦ 2.0% ・・・・・(1)
    なお、式中、元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を示す。
  3. 前記塗装がエポキシ系塗膜からなることを特徴とする請求項1または2に記載の船舶艤装用耐食鋼材。
  4. 前記鋼組成に、更に、質量%で、Ni:0.01〜1.0%を含有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の船舶艤装用耐食鋼材。
  5. 前記鋼組成に、更に、質量%で、Nb:0.001〜0.2%、V:0.001〜0.5%、Ti:0.002〜0.2%、B:0.0002〜0.005%の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の船舶艤装用耐食鋼材。
  6. 前記鋼組成に、更に、質量%で、Ca:0.0001〜0.01%を含有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の船舶艤装用耐食鋼材。
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