JP2012187753A5 - - Google Patents
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本発明の液体収納装置の製造方法は、液体吐出装置における液体の供給に用いられる液体収納装置の製造方法であって、前記液体収納装置は、液体を吸収保持する吸収体と、前記吸収体を収納しかつ断面が四角形状を有する収納空間と、吸収体に保持された液体を外部に供給する供給部と、当該収納空間へ前記吸収体を挿入するための開口とを備える容器と、有し、前記吸収体の断面寸法が前記収納空間の断面寸法より小さい寸法となるように圧縮する圧縮工程と、圧縮された前記吸収体を前記収納空間に前記開口を通じて挿入する挿入工程と、を有し、前記挿入工程は、前記吸収体の前記収納空間の四隅に対応する部分の圧縮を選択的に解放して復元させつつ、前記容器内に挿入する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(液体収納装置の構成)
図1に本発明の一実施形態に係る液体収納装置の分解斜視図を示し、図2に図1の液体収納装置の断面図を示す。この液体収納装置1は、例えば、インクジェット記録装置等の液体吐出装置に着脱自在に搭載される。液体収納装置1は、液体を吸収保持する吸収体としての液体吸収部材21、液体吸収部材21を収納する容器11および蓋41を有する。容器11は、断面が四角形状を有する収納空間13、底部に形成された図示しない供給口や液体吐出ヘッドを有する液体吸収部材21に保持された液体を外部に供給する供給部14と、上端部に形成された収納空間13へ液体吸収部材21を挿入するための開口12とを備える。開口12は、蓋41が溶着(振動溶着)されることにより閉鎖される。なお、液体収納装置1の底部とは、液体収納装置1の使用状態、すなわち、液体吐出装置に装着した状態(供給部14を下にした場合)における底部を示す。
(液体収納装置の構成)
図1に本発明の一実施形態に係る液体収納装置の分解斜視図を示し、図2に図1の液体収納装置の断面図を示す。この液体収納装置1は、例えば、インクジェット記録装置等の液体吐出装置に着脱自在に搭載される。液体収納装置1は、液体を吸収保持する吸収体としての液体吸収部材21、液体吸収部材21を収納する容器11および蓋41を有する。容器11は、断面が四角形状を有する収納空間13、底部に形成された図示しない供給口や液体吐出ヘッドを有する液体吸収部材21に保持された液体を外部に供給する供給部14と、上端部に形成された収納空間13へ液体吸収部材21を挿入するための開口12とを備える。開口12は、蓋41が溶着(振動溶着)されることにより閉鎖される。なお、液体収納装置1の底部とは、液体収納装置1の使用状態、すなわち、液体吐出装置に装着した状態(供給部14を下にした場合)における底部を示す。
(液体吸収部材)
図3に液体吸収部材21の斜視図を示す。液体吸収部材21は、液体を液体収納装置1内に吸収保持するための部材であり、複数の繊維シートが積層され熱融着された構造を有する。液体吸収部材21は、繊維シートが繊維シート積層方向Xに積層され熱融着されており、直方体形状(断面形状が四角形状)を有する。すなわち、図1に示すように、液体吸収部材21は、繊維シートの積層面が容器11の底面に対して略垂直な方向を向くように、容器11内に収容され、積層方向と挿入方向とは異なる。なお、以下の説明において、形式的に繊維シート積層方向をX方向として、繊維シートの短辺に沿った方向をZ方向、長辺に沿った方向をY方向と示す。
図3に液体吸収部材21の斜視図を示す。液体吸収部材21は、液体を液体収納装置1内に吸収保持するための部材であり、複数の繊維シートが積層され熱融着された構造を有する。液体吸収部材21は、繊維シートが繊維シート積層方向Xに積層され熱融着されており、直方体形状(断面形状が四角形状)を有する。すなわち、図1に示すように、液体吸収部材21は、繊維シートの積層面が容器11の底面に対して略垂直な方向を向くように、容器11内に収容され、積層方向と挿入方向とは異なる。なお、以下の説明において、形式的に繊維シート積層方向をX方向として、繊維シートの短辺に沿った方向をZ方向、長辺に沿った方向をY方向と示す。
まず、図6(a)に示すように、液体吸収部材21を、第1のガイドプレート51A,51Bの間、および、第2のガイドプレート52A,52Bの間に配置する。なお、このとき、液体吸収部材21は下方に落下しないように図示しない治具により保持されている。次に、図6(b)に示すように、保持部材62をX方向に前進させ、液体吸収部材21のX方向の寸法を圧縮させる。次に、図6(c)に示すように、保持部材63をY方向に前進させ、液体吸収部材21をY方向において圧縮する。なお、圧縮後の液体吸収部材21のXおよびY方向の寸法は、容器11の断面寸法よりも小さくなっており、それぞれ、第1のガイドプレート51A,51Bの間隔、および、第2のガイドプレート52A,52Bの間隔により規定される。この状態で、液体吸収部材21は、第1のガイドプレート51A,51Bおよび第2のガイドプレート52A,52Bにより保持され、上記した治具で保持しないでも、落下しない。
次いで、図6(d)ないし(f)に示すように、保持部材62,63および80の全体を液体吸収部材21の容器11へ挿入する挿入方向に下降させる。そして、ガイドプレート51A,51B,52A,52Bの先端部51F,52Fの一部を、容器11の開口12を通じて収納空間13内に挿入する。このとき、図6(f)に示すように、容器11と各ガイドプレートとの間には、容器11の四隅に切り欠き部51Cおよび52Cによる開口が形成される。
ここで、切り欠き部を備えていない、一対の対向するガイドプレート151と一対の対向するガイドプレート152を用いて液体吸収部材21を圧縮した場合を図12に示す。図12(a)に示すように、ガイドプレート151,152の先端部151F,152Fを容器11内に挿入した状態で、液体吸収部材21をP方向に移動させたとしても、図12(b)に示すように、コーナ部分21Cはガイドプレート151,152からはみ出さない。このため、コーナ部分21Cに応力が作用した状態で、液体吸収部材21が容器11内に挿入されるので、応力により、コーナ部分21Cが容器11の四隅に合致せず、また、液体吸収部材21の側面にシワが生じやすい。
以下、実施例において液体収納装置1の具体的な構成と、液体吸収部材の圧縮、挿入工程について説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[実施例1]
本実施例で使用した容器11の内寸は、縦50×横25×高さ30[mm]である。液体吸収部材21の寸法は、縦(Y)50×横(X)30×高さ(Z)30[mm]であり、本実施例ではポリプロピレン(PP)繊維を積層し熱融着したものを使用した。液体吸収部材21は、X方向およびY方向に圧縮されて容器11に挿入される。
[検討1]圧縮された液体吸収部材21に対して、図5に示した第1および第2のガイドプレート51,52の全幅L1に対する先端部51F、52Fの幅L2の割合を、変化させた。具体的には、面積の大きい第2のガイドプレート52は71.1[%]〜100[%]まで変化させ、面積の小さい第2のガイドプレート51は51.2[%]〜100[%]まで変化させて容器11に挿入した例を表1に示す。液体吸収部材21の挿入を終了した状態で、シワや容器11の四隅との隙間の発生の有無を確認した。
なお、図5に示した切り欠き部51C,52Cの寸法L3は、液体吸収部材21のX方向の寸法に対する割合を13.3[%](切り欠き部51C,52Cの寸法L3を4.0[mm])とした。シワや隙間の発生有無の確認方法として、容器11に透明部材を用いる場合は、液体吸収部材21を挿入後に容器11の側面からシワや隙間の有無を確認することができる。また、シワや隙間が発生している液体吸収部材21に所定量の液体(インク)を注入すると、シワや隙間から液体(インク)が液体吸収部材の上面に這い上がろうとするため、液体の注入状態に差が生じる。そのため、着色された容器の場合にシワや隙間の発生有無を確認する方法として、液体(インク)注入された容器11をX線CTで撮影し、液体注入状態を観察することで、シワや隙間の有無を確認できる。本実施例では、透明部材により成形された容器を用い、側面から観察することで、シワや隙間の有無を確認した。図7(a)は、容器11に液体吸収部材21をシワや隙間無く挿入した状態を上面から見た模式図である。図7(b)は、図7(a)の状態の液体吸収部材を、透明部材の容器越しに見た模式図である。図8(a)はシワ71が発生した状態を上面から、図8(b)は透明部材の容器越しに液体吸収部材を見た模式図である。図9(a)は容器11の四隅に隙間74が発生した状態を上面から、図9(b)は透明部材の容器11越しに液体吸収部材21を見た模式図である。
[実施例1]
本実施例で使用した容器11の内寸は、縦50×横25×高さ30[mm]である。液体吸収部材21の寸法は、縦(Y)50×横(X)30×高さ(Z)30[mm]であり、本実施例ではポリプロピレン(PP)繊維を積層し熱融着したものを使用した。液体吸収部材21は、X方向およびY方向に圧縮されて容器11に挿入される。
[検討1]圧縮された液体吸収部材21に対して、図5に示した第1および第2のガイドプレート51,52の全幅L1に対する先端部51F、52Fの幅L2の割合を、変化させた。具体的には、面積の大きい第2のガイドプレート52は71.1[%]〜100[%]まで変化させ、面積の小さい第2のガイドプレート51は51.2[%]〜100[%]まで変化させて容器11に挿入した例を表1に示す。液体吸収部材21の挿入を終了した状態で、シワや容器11の四隅との隙間の発生の有無を確認した。
なお、図5に示した切り欠き部51C,52Cの寸法L3は、液体吸収部材21のX方向の寸法に対する割合を13.3[%](切り欠き部51C,52Cの寸法L3を4.0[mm])とした。シワや隙間の発生有無の確認方法として、容器11に透明部材を用いる場合は、液体吸収部材21を挿入後に容器11の側面からシワや隙間の有無を確認することができる。また、シワや隙間が発生している液体吸収部材21に所定量の液体(インク)を注入すると、シワや隙間から液体(インク)が液体吸収部材の上面に這い上がろうとするため、液体の注入状態に差が生じる。そのため、着色された容器の場合にシワや隙間の発生有無を確認する方法として、液体(インク)注入された容器11をX線CTで撮影し、液体注入状態を観察することで、シワや隙間の有無を確認できる。本実施例では、透明部材により成形された容器を用い、側面から観察することで、シワや隙間の有無を確認した。図7(a)は、容器11に液体吸収部材21をシワや隙間無く挿入した状態を上面から見た模式図である。図7(b)は、図7(a)の状態の液体吸収部材を、透明部材の容器越しに見た模式図である。図8(a)はシワ71が発生した状態を上面から、図8(b)は透明部材の容器越しに液体吸収部材を見た模式図である。図9(a)は容器11の四隅に隙間74が発生した状態を上面から、図9(b)は透明部材の容器11越しに液体吸収部材21を見た模式図である。
表1、および、表1をグラフ化したものである図10より、面積の相対的に小さい第1のガイドプレート51の先端部の寸法の割合が、51.2[%](先端部寸法11.0[mm])の場合、挿入後にシワが発生した。これは、ガイドプレートの先端部寸法を小さくするにしたがって、液体吸収部材21のはみ出し量が増加し、挿入時に液体吸収部材21の四隅が容器11に当たる量が増えすぎることで、挿入時にはみ出したコーナ部分21Cに応力が集中し、シワ発生に繋がったためと考えられる。
その他の領域においては、シワや隙間の発生は見られなかった。これは、先端部の寸法を短くすることで、液体吸収部材21のコーナ部分21Cが十分にはみ出し、また、隣接するガイドプレート同士の液体吸収部材21のはみ出し量に差が少なく、容器11の四隅の内壁を大きな偏り無く挿入することができるためである。また、はみ出すことで一時的に応力が分散するため、シワ発生を抑制することができるためである。
一方、ガイドプレートの切り欠き部寸法L3を0[%](0[mm])では、容器に挿入した際に四隅に隙間が発生してしまう。これは、液体吸収部材21が挿入直前にはみ出すことが無く、四隅の内壁を擦りながら挿入することができないためである。さらにガイドプレートの切り欠き部の寸法L3を33.3[%]以上(10.0[mm]以上)でも、容器11に挿入した際にシワが発生してしまう。これは、液体吸収部材21のはみ出し量が多くなり、挿入時に容器11の内壁に当たる量が増えて、はみ出したコーナ部分21Cに一時的に応力が集中し、シワ発生に繋がるためであると考えられる。
Claims (3)
- 液体吐出装置における液体の供給に用いられる液体収納装置の製造方法であって、
前記液体収納装置は、液体を吸収保持する吸収体と、
前記吸収体を収納しかつ断面が四角形状を有する収納空間と、吸収体に保持された液体を外部に供給する供給部と、当該収納空間へ前記吸収体を挿入するための開口とを備える容器と、有し、
前記吸収体の断面寸法が前記収納空間の断面寸法より小さい寸法となるように圧縮する圧縮工程と、
圧縮された前記吸収体を前記収納空間に前記開口を通じて挿入する挿入工程と、を有し
前記挿入工程は、前記吸収体の前記収納空間の四隅に対応する部分の圧縮を選択的に解放して復元させつつ、前記容器内に挿入することを含む液体収納装置の製造方法。 - 前記圧縮工程は、前記吸収体の互いに対向する一対の第1の側面の各々を押圧可能な押圧面をそれぞれ有する一対の第1のガイドプレートと、前記吸収体の互いに対向する一対の第2の側面の各々を押圧可能な押圧面をそれぞれ有する一対の第2のガイドプレートとを用いて前記吸収体を圧縮し、
前記挿入工程は、第1および第2のガイドプレートの前記吸収体の挿入方向における先端部を前記開口を通じて前記容器内に挿入した状態で、当該吸収体を当該第1および第2のガイドプレートによりガイドしつつ前記容器内に移動させて挿入するとともに、前記各ガイドプレートの先端部の両側に形成した切り欠き部により、前記収納空間に向けて移動する前記吸収体の前記収納空間の四隅に対応する部分の圧縮を選択的に解放して復元させつつ、前記容器内に挿入する、ことを特徴とする請求項1に記載の液体収納装置の製造方法。 - 前記吸収体は、複数の繊維シートを積層し熱融着された構造を有するとともに、前記複数の繊維シートの積層方向と前記挿入方向とは異なる、請求項2に記載の液体収納装置の製造方法。
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