JP2012184624A - 舗装の健全性の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より簡素かつ正確に、舗装の内部損傷箇所を非破壊で迅速に調査できるようにする。
【解決手段】舗装路面Rにおける所定の単位判定領域の全体にわたり所定の間隔で、電磁波レーダーによる探査を行い、各反射波検出位置における反射波データを取得し、この取得した反射波データに基づき、解析対象深度における各反射波検出位置の反射波強度を取得し、この解析対象深度における反射波強度の散らばりの度合いに基づき、散らばりの度合いが所定値以上であるとき、当該単位判定領域における当該解析対象深度に内部損傷があるものとし、且つ散らばりの度合いが所定値未満であるとき、当該単位判定領域における当該解析対象深度に内部損傷がないものと判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は 舗装の内部損傷箇所、例えば表面からは確認できない又は確認し難いひび割れ、層間剥離、滞水箇所等を、非破壊で調査する方法に関するものである。
舗装の性能はその供用に伴い低下するものである。よって、一般的な舗装管理においては、舗装の現況を適時に調査し、路面性能や舗装自体の強度がある程度まで低下したならば、舗装の維持(路面性能の回復及び舗装の構造的強度低下の遅延)又は修繕を行うといったことが実施されている。
このような舗装管理において、舗装の現況調査はその後の維持・修繕計画の指標となるため極めて重要であり、既設舗装の状態を正確に把握する必要がある。我が国における調査の種類には、簡易調査、路面の定量調査、破損原因の調査、及び利用者等の意見調査等があり、中でも定量調査は、管理目標値の設定により数値的且つ客観的な管理を行うことができるため、現在の舗装管理では欠かせないものとなっている。ここで、路面の定量調査では、次の(a)〜(e)の調査を行うことが一般的となっている。
(a)ひび割れ率・ひび割れ度:スケッチ又は路面性状測定車により行う。
(b)わだち掘れ量:横断プロフィルメータや路面性状測定車により行う。
(c)平坦性:3メートルプロフィルメータまたは同等の結果が得られる方法により行う。
(d)浸透水量:現場透水量試験により行う。
(e)その他:すべり抵抗値、騒音値、ポットホール(長径、短径、個数)。
これらの測定結果をそのまま用いて路面性能を評価しても良いが、いくつかの項目に基づく評価式を用いて性能評価を行うことが行われており、代表的なものとして、下記のMCI(維持管理指数)やPSI(供用性指数)、空港舗装におけるPRI(空港舗装供用性指数)がある。
MCI = 10 - 1.48C0.3 - 0.29D0.7 - 0.47σ0.2 …(1)
MCI0 = 10 - 1.51C0.3 - 0.30D0.7 …(2)
MCI1 = 10 - 2.23C0.3 …(3)
MCI2 = 10 - 0.54D0.7 …(4)
PSI = 4.53 - 0.518logσC0.9 - 0.371C0.5 - 0.174D2 …(5)
ただし、
C:ひび割れ率(%)
D:わだち掘れ量の平均(MCI:mm,PSI:cm)
σ:平坦性(mm)
〔注〕MCIは、式(1)(平坦性が未測定の場合は式(2))、式(3)及び式(4)の算出結果のうち最小値をもってMCIの値とする。
また、MCI値と補修の必要性との関係、並びにPSI値と補修工法との関係は次のとおりである。
MCI値 ≧ 5 :望ましい管理水準(補修不要)
MCI値 ≦ 4 :補修の必要あり
MCI値 ≦ 3 :早急に補修の必要あり
PSI値 = 3〜2.1 :表面処理
PSI値 = 2〜1.1 :オーバーレイ
PSI値 = 1〜0 :打換え工
通常の場合、定量調査と同時に又は必要に応じて単独での、破損原因の調査を行う。破損原因の調査としては、採取コアの観察調査、コアからのアスファルトの抽出及び性状試験調査、舗装構造の非破壊調査(FWDやベンケルマンビーム等を用いたたわみ量測定等)や開削調査などがあり、舗装構造の非破壊調査や開削調査は、下表に示すように、路面のひび割れの進行速度やひび割れの状態等に応じて実施される。そして、その調査結果に基づき、路面の破損状況、支持力、疲労抵抗性等により舗装構造の評価が行われる。舗装構造の評価方法としては、路面の破損状況にもとづく残存等値換算厚、FWDなどのたわみ測定装置で測定される表面たわみ、疲労度等の指標を用いて行う方法がある。
他方、これらの現況調査の結果、既設舗装の性能が管理上の目標値を下回っている場合や、近い将来に下回ることが予想される場合などには、舗装の維持、修繕が行われる。舗装の維持は局部的で軽度な修理を行うものであり、下表のとおり、日常的維持と予防的維持とがある。
予防的維持は、舗装構造の性能に大きな変状が現れる前に路面の性能回復を図るものであり、例えば下表のとおりである。
これらに対して、舗装の修繕は、維持では不経済もしくは十分な回復が期待できない場合に、建設時の性能程度に復旧することを目的として行うものであり、例えば下表のとおりである。
特許第4442914号公報 特許第4442916号公報
「2−4.舗装の維持・修繕」、舗装設計施工指針(平成18年版)、社団法人日本道路協会、平成18年2月、32〜45ページ。
しかしながら、従来の舗装評価の定量調査においては、ひび割れ等の損傷箇所に重きを置いているにもかかわらず、舗装の表面に露見したひび割れ等の損傷箇所しか定量化していなかったため、調査精度の点で改善の余地があった。
すなわち、例えば図16に順を追って示したように、舗装はその供用に伴い疲労し、平坦性、わだち掘れ量、ひび割れの増加により構造の健全性が低下し、また路面性能が低下していく。また、随時、舗装の日常的な維持は行われる。そして、ひび割れの進行により、路盤に水が浸入し、路盤損傷が進行する段階になると、オーバーレイ工法等の表層補修が実施され、路面の定量調査においてはひび割れの無い新設時と同じ評価となる。
しかし、このような表層補修が実施され、表面から内部への水の浸入が防止されたとしても、内部のひび割れが補修されていないと、内部のひび割れが増殖し、路面に到達したり、路盤の損傷が進行したりすることにより、内部の損傷は進行しており、それにもかかわらず、従来の路面の定量調査を実施すると、ひび割れの無い新設時からの疲労と同じ評価となってしまう。もちろん、内部構造の詳細調査も実施できなくはないが、前述の表1に示す通り、表面のひび割れ率が低い場合には詳細調査の必要性が低いと判断され、内部構造の詳細調査は実施されないことが普通であった。また、近年増加傾向にある排水性舗装は表層が多孔質であるため、表面のひび割れが発見され難く、対応が遅れ易い。よって、このような排水性舗装に従来の定量調査を適用した場合にも、調査精度の点で改善の余地があった。そして、これらの問題の原因を探ると、定量調査においては非破壊で広範囲を迅速に調査できることが望まれるのに対して、従来、舗装の内部構造に対してそのような調査を行いうるものが存在していないことが知見された。
このような問題に対して、本出願人は、いわゆる電磁波レーダーを使用して舗装内部の損傷箇所を非破壊で迅速に定量調査できる方法を提案した(特許文献1,2参照)。すなわち、図15に示すように、舗装内部のひび割れ、層間剥離、滞水箇所、補修箇所等の内部損傷に電磁波が入射しようとすると、その一部は反射し、反射波として検出することができ、これらの損傷の無い部分からは反射波は検出されない。この原理を利用すれば、舗装上から舗装内へ電磁波を深さ方向に入射させるとともにその反射波を舗装上で検出することにより、内部損傷箇所・非内部損傷箇所を判別することができるようになる。なお、図中の符号Rは舗装表面、50は反射波データ、51は舗装表面におけるピーク、52は被覆層底面におけるピーク、55は反射波強度の最大値、60は路盤被覆層(アスファルト舗装ではアスファルト層又はコンクリート舗装ではコンクリート層)、61は内部損傷、及び65は路盤をそれぞれ示している。
しかし、この先行例では、例えば反射波強度の深さ方向の最大値等に基づいて内部損傷箇所の有無を判定する手法においては、層間における反射のように、同じ深度において単位判定領域(内部損傷の有無や程度を判定する単位領域のことを意味し、例えば道路の長手方向に5m、幅方向に2m程度の範囲とすることができる。)の広範囲にわたり均一に反射波強度が強くなる場合にも、実際には補修が不要であるにもかかわらず、内部損傷箇所があるものと判定してしまうおそれがある。
また、内部損傷は、路面に沿う方向にある程度の広がりを有している場合が多いため、通常レベルのレーダーの分解能を有していれば、局所的(例えば一つの検出位置だけ)に反射波強度が高くなるようなことは殆ど無く、仮に、単位判定領域のうちの極僅かな領域に内部損傷があったとしても、補修が必要になるような内部損傷でないことが殆どである。よって、局所的に反射波強度が高くなった場合は、誤検出の可能性が高いだけでなく、補修が必要になるようなことがないため、内部損傷がないものとして取り扱うのが望ましい。上記先行例では、このような局所的なピークを排除することを提案したが、当該処理を追加する分だけ、判定処理が複雑で重くなるという問題点があった。
さらに、内部損傷のうち粒状に崩れた損傷部分では入射波及び反射波が散乱してしまうため、上記先行例ではこのような散乱を検出するために反射波の総エネルギーを組み合わせて用いることを提案したが、当該処理を追加する分だけ、判定処理が複雑で重くなるという問題点もあった。
そこで、本発明の主たる課題は、より簡素かつ正確に、舗装内部の損傷箇所を非破壊で迅速に調査する方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
舗装の内部損傷箇所を非破壊で調査する方法であって、
電磁波レーダーを用い、舗装路面における少なくとも所定の単位判定領域の全体にわたり、路面に沿う方向に所定の間隔を空けて、舗装上から舗装内へ電磁波を深さ方向に入射させるとともにその反射波を舗装上で検出することにより、各反射波検出位置における反射波データを取得し、
この取得した反射波データに基づき、解析対象深度における前記各反射波検出位置の反射波強度を取得し、
この解析対象深度における反射波強度の散らばりの度合いに基づき、散らばりの度合いが所定値以上であるとき、当該単位判定領域における当該解析対象深度に内部損傷があるものとし、且つ散らばりの度合いが所定値未満であるとき、当該単位判定領域における当該解析対象深度に内部損傷がないものとする、判定を行う、
ことを特徴とする舗装の内部損傷箇所の非破壊調査方法。
(作用効果)
本発明者らは、解析対象深度における反射強度の散らばりの度合いと内部損傷の有無との間に相関があることを見出し、本発明をなすに至った。すなわち本発明は、解析対象深度における反射波強度の散らばりの度合いが所定値以上である場合を内部損傷があるものとし、所定値未満である場合を内部損傷がないものと判定するため、層間における反射のように、同じ深度において単位判定領域の広範囲にわたり均一に反射波強度が強くなる場合は、散らばりの度合いが小さいため内部損傷がないものと判定される。また、単位判定領域のうちの極僅かな部位に内部損傷があったとしても、反射波強度の散らばりの度合い小さければ、誤検出であるか或いは単位判定領域全体としては補修が必要な程に損傷しておらず、内部損傷がないに等しいものであるため、内部損傷がないものと判定される。さらに、粒状に崩れた内部損傷における入射波及び反射波の散乱の場合、同一深度における反射波強度の散らばりの度合いは大きくなるため、内部損傷があるものと判定されることになる。
このように、本発明によれば、ある程度の広さを有する単位判定領域の内部損傷の有無を非破壊で迅速に調査するにあたり、反射波強度の散らばりという共通の基準により判定することができ、処理が簡素になるだけでなく、先行例よりも正確な判定が可能になる。
なお、「散らばりの度合い」とは、散らばりの度合いを表す統計値を意味するものである。
<請求項2記載の発明>
前記散らばりの度合いが標準偏差である、請求項1記載の舗装の内部損傷箇所の非破壊調査方法。
(作用効果)
散らばりの度合いとしては、分散や、二乗平均平方根、変動係数等であってもよいが、標準偏差を用いるのが好ましい。
<請求項3記載の発明>
同じ単位判定領域における複数の異なる深度について前記判定を行うとともに、内部損傷があるとされた深度の数だけ加点を行い、予め定めた点数と内部損傷の程度との相関に基づいて当該単位判定領域の内部損傷の程度を定量的に評価する、請求項1又は2記載の舗装の内部損傷箇所の非破壊調査方法。
(作用効果)
このような加点方式により単位判定領域の内部損傷の程度を定量的に評価すると、深度方向の一箇所に強い反射波に基づく内部損傷が検出され、かつ他の深度位置には何の内部損傷も検出されない場合のように、単位判定領域全体としては内部損傷の程度が低い場合に、内部損傷の程度を簡素かつ正確に評価することができる。
以上のとおり、本発明によれば、より簡素かつ正確に、舗装の内部損傷箇所を非破壊で迅速に定量調査できるようになる、等の利点がもたらされる。
電磁波レーダーの概略図である。 レーダーシステムのブロック図である。 レーダーシステムのセンサ配列例を示す平面図である。 レーダーシステムのセンサ配列例を示す平面図である。 探査車の概略図である。 レーダーシステムの処理プロセスを示す概略図である。 反射波データの取得概要を示す概略図である。 解析処理のフローチャートである。 (a)反射波データ、包絡線、強度上限値及び階調の関係を示すグラフ、並びに(b)多値化反射は強度の平面配列例を示す図である。 健全な単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示す図である。 横断ひび割れ箇所を有する単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示す図である。 縦断ひび割れ箇所を有する単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示す図である。 滞水箇所を有する単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示す図である。 道路の走行方向の距離と、各単位判定領域の点数との関係を示すグラフである。 健全箇所と損傷箇所との違いを示す、舗装断面及び波形の対比図である。 舗装の経年変化を示す概略図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。なお、「深さ方向」とは路面と直交する方向を意味する。
<計測>
本発明は電磁波レーダーを用いて舗装の内部探査を行う。電磁波レーダーとしては、GSSI社(米国)製の各種電磁波レーダーシステム(例えばSIR3000等)、日本無線社製RCレーダー(例えばハンディサーチNJJ-95B等)、アイレック技建社製のコンクリート構造物の鉄筋探査装置(例えばライトエスパー)、コマツエンジニアリング社製のレーダ探査機(例えばアイアンシーカ)等、公知のものを特に限定無く用いることができるが、送受信センサを多数並設したレーダーシステムが高効率・高精度であるため好ましい。以下、具体例について説明する。
図1は電磁波レーダーの概略図である。符号aは電磁波の送受信アンテナおよび送受信回路を一体的にケースに組み込んだセンサa、符号cはn個のセンサaを並列に連結してアレイ状としたアレイアンテナ、符号bはアレイアンテナcを構成する各センサaに対して夫々スイッチングにより機能の切り替えを行い、個々に送受信および信号処理を行うようにするコントロールユニットをそれぞれ示している。なお、アレイアンテナcとコントロールユニットbとによりレーダーシステムkを構成している。
レーダーシステムに用いられるセンサaとしては、ステップ波形によるインパルス発信を用いたものであって、周波数が0.5〜3GHzの中心帯域を持つものが好適であり、特に周波数を1GHz以上として探査を行うと、波長が短いことから深さ方向の分解能が向上する。深さ方向の分解能は特に限定されないが、5cm未満であるのが好ましい。一方、電磁波は周波数が高くなるにつれて、物体中での減衰が激しくなるが、2GHz以下で探査を行えば、ある程度の深度(40cm以上)まで十分な探査を行うことができる。
コントロールユニットbによりコントロールされた各センサaからは、舗装の表面Rから内部に向けて略垂直に電磁波が発振される。そして、舗装内からの反射波は各センサaに受信される。各センサaで受信された反射波は、コントロールユニットbを介してアナログ信号からデジタル信号に変換されたデータとしてデータ処理装置に出力される。
レーダーシステムkは、より具体的には図2に示すように構成することができる。すなわち、レーダーシステムkにおけるセンサaは送信部Txと受信部Rxとにより構成され、n個のセンサaへの給電は、例えばコントロールユニットbに設けられた電源電池31により供給され、また該電源電池はコントロールユニットb内の各回路に給電される。
n個のセンサaの送信部への送信指令は、スイッチ切り替え制御回路34が第1切り替えスイッチ34aを順次切り替えることにより、順次送信を行うようになっており、この切替のタイミングはタイミング源発振回路33bで発生した数十MHzのクロックパルスにより行われ、例えばタイミングクロックパルスの周期毎に順次スイッチングされ、数μs後にはアレイアンテナのn個のセンサaを一巡する。
各センサaの送信部Txで発信された電磁波は、測定対象物に対して反射と透過を繰り返し、その内部状況を反射信号としてセンサaの受信部Rxで受信する。受信された反射信号は、同期信号発生回路33からの同期信号に従ってサンプリングされ、低周波の受信信号1〜nに変換されて各センサから出力される。各センサから出力された受信信号は、スイッチ切り替え回路34にて、A/D変換回路35およびバッファ36により信号の処理が行われ、第2切り替えスイッチ34bの切り替えにより順次データ処理装置へ出力される。
図3の(a)は、レーダーシステムkが図1に示す単配列状態を示しており、副走査方向におけるセンサaの間隔をdとすると、この単配列状態の分解能はdとなる。これに対し、図3の(b)に示すように、n列の単配列のアレイアンテナc1を千鳥状にm行配列することにより、このアレイアンテナc2は、m倍の分解能を得ることができ、これにより水平解像度が決定される。そして、単配列時におけるアレイアンテナc1の分解能dに対し、m行配列するアレイアンテナc2は、d/mの分解能となる。また、図4に示すように、センサaをm行×n列に配列したアレイアンテナc3としても良い。この構成では、アレイアンテナc3を移動させることなく一度にm行×n列の範囲で探査を行える。
探査に際しては、作業員がアンテナを逐次移動させながら測定を行っても良いが、図5に示すように、レーダーシステムkを搭載した自動車等の探査車10で舗装路面Rを走行しながら、舗装路面Rにおける調査対象領域の全体にわたり、路面Rに沿う方向に所定の間隔を空けて探査を行うのが望ましい。図5に示す探査車10は、レーダーシステムkの他に、光学式距離計(回転式距離計でも良い)11、路面状況を撮像するためのカメラ12、GPS装置13を搭載しており、これらの出力信号がデータ処理装置14に入力されるように構成されている。データ収録装置14としては、汎用のコンピュータを用いることができる。図示例では、データ処理装置14等の機器を牽引する構造となっているため、データ処理装置14等の機器を制御するための制御装置15を車両に搭載している。
レーダーシステムkにおけるセンサaの配列方向を副走査方向とし、副走査方向および電磁波の発信方向に対して直交する方向を主走査方向とすると、レーダーシステムkの主走査方向は探査車10の走行方向となっており、走行に伴う移動距離は距離計11からデータ処理装置14に対して入力されるようになっている。
図6は、レーダーシステムkを主走査方向に移動させて得られた情報を処理するプロセスを示している。レーダーシステムkは検査対象である舗装路面R上に支持され、主走査方向に沿って移動される。その際、コントロールユニットbは、例えばn個のセンサa(1,2,・・・・n)を順に駆動し、副走査方向の各位置における反射波データが主走査方向について時々刻々と出力する。つまり、図7に示すように、反射波データ(強度(振幅)及び深度(時間))42は、主走査方向に所定の反射波検出間隔(移動方向の位置間隔)で、且つ副走査方向に所定の反射波検出間隔(センサ配列間隔)で定まる各検出位置41で取得される。これらの検出間隔は適宜定めることができるが、10cm以下であることが望ましく、例えば1〜5cm程度とすることができる。
取得される各検出位置40の反射波データ50は、各検出位置40の位置情報と関連付けて、データ処理装置14に内蔵又は接続された図示しない記憶装置に記録される。この際、各検出位置40の位置情報の生データは、主走査方向移動距離及び副走査方向のセンサ配列間隔であるが、必要に応じて三次元座標に変換し、生データと併せて記録することができ、また、反射波データ50は波形データであるが、必要に応じて後述する包絡線や強度上限値等を求めて、波形データとともに記録することができる。
<解析>
上述の計測により舗装路面Rにおける調査対象領域の全体にわたり反射波データ50を取得したならば、次いで取得データ50の解析を行い、内部損傷の有無及び程度を所定の単位判定領域U毎に評価する。この定量化の手順の一例が図8に示されている。すなわち先ず、反射波データ50を取得した調査対象領域の中から所定の単位判定領域Uを手動又は自動で選定し、単位判定領域Uの全反射波データ50を準備する。単位判定領域Uは、内部損傷の有無や程度を判定する単位領域のことであり、図7に示すように多数の反射波検出位置40を含む領域であれば、例えば上述のレーダーシステムkを用いる場合、レーダーシステムkの探査幅と同じ幅(1〜2mが好ましい)で、道路の長手方向に5m程度の範囲とする等、適宜の形状、寸法とすることができる。
次に、当該単位判定領域Uにおける各反射波データ50(各検出位置40の反射波データ)の正振幅側に、図9に示すように包絡線70を作成し、入射パルスの反射波が反射深さの違いにより時間的にずれて重なる反射波データ50から、深さ方向の反射波強度の変化を近似的に算出する。
次に、当該単位判定領域Uにおける強度上限値71を設定する。強度上限値71は後の反射波強度の多値化に用いる値であるため、当該単位判定領域U又は当該調査対象領域における最大値を前述の包絡線70の算出結果から求めて利用する、あるいはそれ以上の任意の値を適宜選択して利用することができる。この強度上限値71は当該単位判定領域U又は当該調査対象領域と関係なく、予め適当な値を定めておき、利用しても良い。
なお、反射波強度の最大値を求める場合、図15に示すように、通常の場合、反射波は舗装表面Rで最も強く且つ一定のピーク51が現れ、路盤被覆層60(アスファルト舗装ではアスファルト層又はコンクリート舗装ではコンクリート層)の下面(路盤層との境界)でも比較的強いピーク52が現れるため、各反射波検出位置40の反射波データ50における舗装表面の反射波ピーク51と路盤被覆層下面の反射波ピーク52との間の部分54(つまり路盤被覆層の内部損傷によりピークが発生する可能性がある部分)から、反射波強度の最大値55を取得するのが好ましい。
次に、解析深度間隔及び解析深度範囲を設定する。解析深度間隔は、本データ解析における深さ方向の分解能を定めるものであり、レーダーシステムkの深さ方向の分解能に応じて適宜定めることができ、レーダーシステムkの深さ方向の分解能以上であるのが好ましい。また、解析深度範囲は、レーダーシステムkの探査可能深度に応じて適宜定めることができ、レーダーシステムkの探査可能深度の分解能以浅であるのが好ましい。これらの解析深度間隔及び解析深度範囲は当該単位判定領域U又は当該調査対象領域と関係なく、予め適当な値を定めておき、利用することができる。
次に、解析深度間隔及び解析深度範囲に応じて、未解析の深度の中から解析対象深度を任意の順、例えば浅い方から順に選定し、当該解析対象深度における各検出位置40の反射波強度を多値化する。この多値化対象の反射波強度は前述の包絡線70から求めるのが簡素であるが、反射波データ50から直接に求めても良い。また、多値化は適宜の手法で行うことができるが、例えばゼロから前述の強度上限値71までの反射波強度値の範囲を等分で多段階化(3以上であれば良いが、256程度であると後述の可視化画像の作成上も好適)し、各検出位置40の反射波強度が該当する段数を、その検出位置40の多値化反射波強度とすることができる。
次に、図9(b)に示すように、この処理により得られる多値化反射波強度の階調(図中の数字124,196,224,211は符号ではなく階調を表している)を有する単位画素81を、各検出位置40の二次元座標に応じて配列することにより、当該解析対象深度の平面可視化画像80(後述の実施例を参照)を作成するのが好ましい。これにより、必要に応じて作業員が目視で判定結果の確認等をしたり、任意の画像解析を行ったりできるようになる。この可視化画像80の作成プロセスは省略することもできる。また、可視化画像80の作成プロセスは本解析に基づく内部損傷の判定とは別に独立して行うこともできる。
しかる後、当該解析対象深度における全多値化反射波強度を統計処理し、散らばりの度合いを算出し、散らばりの度合いが所定値以上であるとき、当該単位判定領域Uにおける当該解析対象深度に内部損傷があるものとし、且つ散らばりの度合いが所定値未満であるとき、当該単位判定領域Uにおける当該解析対象深度に内部損傷がないものとする判定を行う。散らばりの度合いとしては、分散や、二乗平均平方根、変動係数、さらには尖度、歪度等であってもよいが、標準偏差を用いるのが好ましい。また、散らばりの度合いのしきい値(所定値)は、予め現場や試験用舗装での実験に基づいて定めることができる。
このように、解析対象深度における反射波強度の散らばりの度合いが所定値以上である場合を内部損傷があるものとし、所定値未満である場合を内部損傷がないものと判定すると、層間における反射のように、同じ深度において単位判定領域Uの広範囲にわたり均一に反射波強度が強くなる場合は、散らばりの度合いが小さいため内部損傷がないものと判定される。また、単位判定領域Uのうちの極僅かな部位に内部損傷があったとしても、反射波強度の散らばりの度合い小さければ、誤検出であるか或いは単位判定領域U全体としては補修が必要な程に損傷しておらず、内部損傷がないに等しいものであるため、内部損傷がないものと判定される。さらに、粒状に崩れた内部損傷における入射波及び反射波の散乱の場合、同一深度における反射波強度の散らばりの度合いは大きくなるため、内部損傷があるものと判定されることになる。よって、ある程度の広さを有する単位判定領域Uの内部損傷の有無を非破壊で迅速に調査するにあたり、反射波強度の散らばりという共通の基準により判定することができ、処理が簡素になるだけでなく、より正確な判定が可能になる。
そして、当該解析対象深度に内部損傷がないと判定された場合は加点を行わずに、内部損傷があると判定された場合に加点を行う。加点の程度は適宜決めることができ、解析対象深度に関係なく決まった点(例えば1点)とする他、解析対象深度に応じて重み付けを行っても良い。
以降は、解析深度範囲全体の解析が終わるまで、解析対象深度の選定から加点処理までを繰り返し行う。これにより、同じ単位判定領域Uにおいて内部損傷があるとされた深度の数だけ加点がなされるため、予め定めた点数と内部損傷の程度との相関に基づいて当該単位判定領域Uの内部損傷の程度を定量的に評価することができる。このような加点方式により単位判定領域Uの内部損傷の程度を定量的に評価すると、深度方向の一箇所に強い反射波に基づく内部損傷が検出され、かつ他の深度位置には何の内部損傷も検出されない場合のように、単位判定領域U全体としては内部損傷の程度が低い場合に、内部損傷の程度を簡素かつ正確に評価することができる。
さらに、当該単位判定領域Uの評価が完了したならば、次の単位判定領域Uを手動又は自動で選定して、調査対象領域における未判定領域を逐次評価することができる。
前述の探査車10と同様のシステムにより、既存道路の試験調査を実施した。レーダーシステムkは、周波数帯域:300MHz〜2.5GHz、最大探査速度:60km/h、探査深度:0.5m、センサ間隔:10cm、測線数:20測線、探査幅:200cmのものを使用した。
図10は、健全な単位判定領域Uの測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示している。この場合、各深度における標準偏差は所定値未満であっため、全ての深度において加点数は0とされ、合計点数は0となった。
また、図11は、横断ひび割れ箇所を有する単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示しており、この場合、深度6cm,16cm,18cm,20cm,24cmの各深度における標準偏差は所定値以上であり、内部損傷があるものと判定されたため各1点加算され、それ以外の深度では標準偏差は所定値未満であったため加点数は0とされ、合計点数は5点となった。
また、図12は、縦断ひび割れ箇所を有する単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示しており、この場合、深度18cm,20cm,22cm,24cmの各深度における標準偏差は所定値以上であり、内部損傷があるものと判定されたため各1点加算され、それ以外の深度では標準偏差は所定値未満であったため加点数は0とされ、合計点数は4点となった。
さらに、図13は、滞水箇所を有する単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示しており、この場合、深度2cm,4cm,6cm,18cm,20cm,22cm,24cmの各深度における標準偏差は所定値以上であり、内部損傷があるものと判定されたため各1点加算され、それ以外の深度では標準偏差は所定値未満であったため加点数は0とされ、合計点数は7点となった。
これら図10〜図13に示す結果と、各層の平面可視化画像(淡墨の丸で囲んだ部分が内部損傷箇所である)とを対比するだけでも、内部損傷と標準偏差との間に相関があることは明らかである。
他方、図14は、ある程度長距離(5m長さの単位判定領域が99領域分)にわたる判定結果を示しており、このグラフから各単位判定領域の点数の変化、つまり内部損傷の進行している領域や、そうでない領域の位置及び程度を定量的に把握することができる。
<その他>
(イ)評価対象の舗装は、特に限定されないが、路盤上にアスファルト合材からなる路盤被覆層(基層・表層)が設けられたアスファルト舗装、路盤被覆層がセメントコンクリートからなるコンクリート舗装が好適であり、特に排水性舗装、オーバーレイ補修された舗装、表層打換えされた舗装が好適である。
(ロ)内部損傷とは、内部にのみ存在し、表面に露出していないひび割れ、層間剥離、滞水部分の他、表面に露出しているが内部まで延在しているひび割れや、ポットホール、パッチング、局部打ち換え部分等を含む。
(ハ)上記例では、多値化反射波強度について標準偏差を用いたが、反射波強度そのものの標準偏差を用いて判定を行うことも可能である。
本発明は、道路の維持・管理等に際して、アスファルト舗装等の舗装におけるひび割れ等の内部損傷箇所を、非破壊で定量調査するために利用できるものである。
k…電磁波レーダーシステム、a…センサ、10…探査車、11…光学式距離計、12…カメラ、13…GPS装置、14…データ処理装置、15…制御装置、R…舗装表面(路面)、U…単位判定領域、40…反射波検出位置、50…反射波、51…舗装表面におけるピーク、52…被覆層底面におけるピーク、52…反射波強度の代表値、60…被覆層、61…内部損傷、65…路盤、70…包絡線、71…強度上限値、80…平面可視化画像、81…画素。
本発明は 舗装の内部損傷箇所、例えば表面からは確認できない又は確認し難いひび割れ、層間剥離、滞水箇所等を、非破壊で調査する方法に関するものである。
舗装の性能はその供用に伴い低下するものである。よって、一般的な舗装管理においては、舗装の現況を適時に調査し、路面性能や舗装自体の強度がある程度まで低下したならば、舗装の維持(路面性能の回復及び舗装の構造的強度低下の遅延)又は修繕を行うといったことが実施されている。
このような舗装管理において、舗装の現況調査はその後の維持・修繕計画の指標となるため極めて重要であり、既設舗装の状態を正確に把握する必要がある。我が国における調査の種類には、簡易調査、路面の定量調査、破損原因の調査、及び利用者等の意見調査等があり、中でも定量調査は、管理目標値の設定により数値的且つ客観的な管理を行うことができるため、現在の舗装管理では欠かせないものとなっている。ここで、路面の定量調査では、次の(a)〜(e)の調査を行うことが一般的となっている。
(a)ひび割れ率・ひび割れ度:スケッチ又は路面性状測定車により行う。
(b)わだち掘れ量:横断プロフィルメータや路面性状測定車により行う。
(c)平坦性:3メートルプロフィルメータまたは同等の結果が得られる方法により行う。
(d)浸透水量:現場透水量試験により行う。
(e)その他:すべり抵抗値、騒音値、ポットホール(長径、短径、個数)。
これらの測定結果をそのまま用いて路面性能を評価しても良いが、いくつかの項目に基づく評価式を用いて性能評価を行うことが行われており、代表的なものとして、下記のMCI(維持管理指数)やPSI(供用性指数)、空港舗装におけるPRI(空港舗装供用性指数)がある。
MCI = 10 - 1.48C0.3 - 0.29D0.7 - 0.47σ0.2 …(1)
MCI0 = 10 - 1.51C0.3 - 0.30D0.7 …(2)
MCI1 = 10 - 2.23C0.3 …(3)
MCI2 = 10 - 0.54D0.7 …(4)
PSI = 4.53 - 0.518logσC0.9 - 0.371C0.5 - 0.174D2 …(5)
ただし、
C:ひび割れ率(%)
D:わだち掘れ量の平均(MCI:mm,PSI:cm)
σ:平坦性(mm)
〔注〕MCIは、式(1)(平坦性が未測定の場合は式(2))、式(3)及び式(4)の算出結果のうち最小値をもってMCIの値とする。
また、MCI値と補修の必要性との関係、並びにPSI値と補修工法との関係は次のとおりである。
MCI値 ≧ 5 :望ましい管理水準(補修不要)
MCI値 ≦ 4 :補修の必要あり
MCI値 ≦ 3 :早急に補修の必要あり
PSI値 = 3〜2.1 :表面処理
PSI値 = 2〜1.1 :オーバーレイ
PSI値 = 1〜0 :打換え工
通常の場合、定量調査と同時に又は必要に応じて単独での、破損原因の調査を行う。破損原因の調査としては、採取コアの観察調査、コアからのアスファルトの抽出及び性状試験調査、舗装構造の非破壊調査(FWDやベンケルマンビーム等を用いたたわみ量測定等)や開削調査などがあり、舗装構造の非破壊調査や開削調査は、下表に示すように、路面のひび割れの進行速度やひび割れの状態等に応じて実施される。そして、その調査結果に基づき、路面の破損状況、支持力、疲労抵抗性等により舗装構造の評価が行われる。舗装構造の評価方法としては、路面の破損状況にもとづく残存等値換算厚、FWDなどのたわみ測定装置で測定される表面たわみ、疲労度等の指標を用いて行う方法がある。
他方、これらの現況調査の結果、既設舗装の性能が管理上の目標値を下回っている場合や、近い将来に下回ることが予想される場合などには、舗装の維持、修繕が行われる。舗装の維持は局部的で軽度な修理を行うものであり、下表のとおり、日常的維持と予防的維持とがある。
予防的維持は、舗装構造の性能に大きな変状が現れる前に路面の性能回復を図るものであり、例えば下表のとおりである。
これらに対して、舗装の修繕は、維持では不経済もしくは十分な回復が期待できない場合に、建設時の性能程度に復旧することを目的として行うものであり、例えば下表のとおりである。
特許第4442914号公報 特許第4442916号公報
「2−4.舗装の維持・修繕」、舗装設計施工指針(平成18年版)、社団法人日本道路協会、平成18年2月、32〜45ページ。
しかしながら、従来の舗装評価の定量調査においては、ひび割れ等の損傷箇所に重きを置いているにもかかわらず、舗装の表面に露見したひび割れ等の損傷箇所しか定量化していなかったため、調査精度の点で改善の余地があった。
すなわち、例えば図16に順を追って示したように、舗装はその供用に伴い疲労し、平坦性、わだち掘れ量、ひび割れの増加により構造の健全性が低下し、また路面性能が低下していく。また、随時、舗装の日常的な維持は行われる。そして、ひび割れの進行により、路盤に水が浸入し、路盤損傷が進行する段階になると、オーバーレイ工法等の表層補修が実施され、路面の定量調査においてはひび割れの無い新設時と同じ評価となる。
しかし、このような表層補修が実施され、表面から内部への水の浸入が防止されたとしても、内部のひび割れが補修されていないと、内部のひび割れが増殖し、路面に到達したり、路盤の損傷が進行したりすることにより、内部の損傷は進行しており、それにもかかわらず、従来の路面の定量調査を実施すると、ひび割れの無い新設時からの疲労と同じ評価となってしまう。もちろん、内部構造の詳細調査も実施できなくはないが、前述の表1に示す通り、表面のひび割れ率が低い場合には詳細調査の必要性が低いと判断され、内部構造の詳細調査は実施されないことが普通であった。また、近年増加傾向にある排水性舗装は表層が多孔質であるため、表面のひび割れが発見され難く、対応が遅れ易い。よって、このような排水性舗装に従来の定量調査を適用した場合にも、調査精度の点で改善の余地があった。そして、これらの問題の原因を探ると、定量調査においては非破壊で広範囲を迅速に調査できることが望まれるのに対して、従来、舗装の内部構造に対してそのような調査を行いうるものが存在していないことが知見された。
このような問題に対して、本出願人は、いわゆる電磁波レーダーを使用して舗装内部の損傷箇所を非破壊で迅速に定量調査できる方法を提案した(特許文献1,2参照)。すなわち、図15に示すように、舗装内部のひび割れ、層間剥離、滞水箇所、補修箇所等の内部損傷に電磁波が入射しようとすると、その一部は反射し、反射波として検出することができ、これらの損傷の無い部分からは反射波は検出されない。この原理を利用すれば、舗装上から舗装内へ電磁波を深さ方向に入射させるとともにその反射波を舗装上で検出することにより、内部損傷箇所・非内部損傷箇所を判別することができるようになる。なお、図中の符号Rは舗装表面、50は反射波データ、51は舗装表面におけるピーク、52は被覆層底面におけるピーク、55は反射波強度の最大値、60は路盤被覆層(アスファルト舗装ではアスファルト層又はコンクリート舗装ではコンクリート層)、61は内部損傷、及び65は路盤をそれぞれ示している。
しかし、この先行例では、例えば反射波強度の深さ方向の最大値等に基づいて内部損傷箇所の有無を判定する手法においては、層間における反射のように、同じ深度において単位判定領域(内部損傷の有無や程度を判定する単位領域のことを意味し、例えば道路の長手方向に5m、幅方向に2m程度の範囲とすることができる。)の広範囲にわたり均一に反射波強度が強くなる場合にも、実際には補修が不要であるにもかかわらず、内部損傷箇所があるものと判定してしまうおそれがある。
また、内部損傷は、路面に沿う方向にある程度の広がりを有している場合が多いため、通常レベルのレーダーの分解能を有していれば、局所的(例えば一つの検出位置だけ)に反射波強度が高くなるようなことは殆ど無く、仮に、単位判定領域のうちの極僅かな領域に内部損傷があったとしても、補修が必要になるような内部損傷でないことが殆どである。よって、局所的に反射波強度が高くなった場合は、誤検出の可能性が高いだけでなく、補修が必要になるようなことがないため、内部損傷がないものとして取り扱うのが望ましい。上記先行例では、このような局所的なピークを排除することを提案したが、当該処理を追加する分だけ、判定処理が複雑で重くなるという問題点があった。
さらに、内部損傷のうち粒状に崩れた損傷部分では入射波及び反射波が散乱してしまうため、上記先行例ではこのような散乱を検出するために反射波の総エネルギーを組み合わせて用いることを提案したが、当該処理を追加する分だけ、判定処理が複雑で重くなるという問題点もあった。
そこで、本発明の主たる課題は、より簡素かつ正確に、舗装内部の損傷箇所を非破壊で迅速に調査する方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
舗装の内部損傷箇所を非破壊で調査する方法であって、
電磁波レーダーを用い、舗装路面における少なくとも所定の単位判定領域の全体にわたり、路面に沿う方向に所定の間隔を空けて、舗装上から舗装内へ電磁波を深さ方向に入射させるとともにその反射波を舗装上で検出することにより、各反射波検出位置における反射波データを取得し、
この取得した反射波データに基づき、解析対象深度における前記各反射波検出位置の反射波強度を取得し、
この解析対象深度における反射波強度の散らばりの度合いに基づき、散らばりの度合いが所定値以上であるとき、当該単位判定領域における当該解析対象深度に内部損傷があるものとし、且つ散らばりの度合いが所定値未満であるとき、当該単位判定領域における当該解析対象深度に内部損傷がないものとする、判定を行う、
ことを特徴とする舗装の健全性の評価方法。
(作用効果)
本発明者らは、解析対象深度における反射強度の散らばりの度合いと内部損傷の有無との間に相関があることを見出し、本発明をなすに至った。すなわち本発明は、解析対象深度における反射波強度の散らばりの度合いが所定値以上である場合を内部損傷があるものとし、所定値未満である場合を内部損傷がないものと判定するため、層間における反射のように、同じ深度において単位判定領域の広範囲にわたり均一に反射波強度が強くなる場合は、散らばりの度合いが小さいため内部損傷がないものと判定される。また、単位判定領域のうちの極僅かな部位に内部損傷があったとしても、反射波強度の散らばりの度合い小さければ、誤検出であるか或いは単位判定領域全体としては補修が必要な程に損傷しておらず、内部損傷がないに等しいものであるため、内部損傷がないものと判定される。さらに、粒状に崩れた内部損傷における入射波及び反射波の散乱の場合、同一深度における反射波強度の散らばりの度合いは大きくなるため、内部損傷があるものと判定されることになる。
このように、本発明によれば、ある程度の広さを有する単位判定領域の内部損傷の有無を非破壊で迅速に調査するにあたり、反射波強度の散らばりという共通の基準により判定することができ、処理が簡素になるだけでなく、先行例よりも正確な判定が可能になる。
なお、「散らばりの度合い」とは、散らばりの度合いを表す統計値を意味するものである。
<請求項2記載の発明>
前記散らばりの度合いが標準偏差である、請求項1記載の舗装の健全性の評価方法。
(作用効果)
散らばりの度合いとしては、分散や、二乗平均平方根、変動係数等であってもよいが、標準偏差を用いるのが好ましい。
<請求項3記載の発明>
同じ単位判定領域における複数の異なる深度について前記判定を行うとともに、内部損傷があるとされた深度の数だけ加点を行い、予め定めた点数と内部損傷の程度との相関に基づいて当該単位判定領域の内部損傷の程度を定量的に評価する、請求項1又は2記載の舗装の健全性の評価方法。
(作用効果)
このような加点方式により単位判定領域の内部損傷の程度を定量的に評価すると、深度方向の一箇所に強い反射波に基づく内部損傷が検出され、かつ他の深度位置には何の内部損傷も検出されない場合のように、単位判定領域全体としては内部損傷の程度が低い場合に、内部損傷の程度を簡素かつ正確に評価することができる。
以上のとおり、本発明によれば、より簡素かつ正確に、舗装の内部損傷箇所を非破壊で迅速に定量調査できるようになる、等の利点がもたらされる。
電磁波レーダーの概略図である。 レーダーシステムのブロック図である。 レーダーシステムのセンサ配列例を示す平面図である。 レーダーシステムのセンサ配列例を示す平面図である。 探査車の概略図である。 レーダーシステムの処理プロセスを示す概略図である。 反射波データの取得概要を示す概略図である。 解析処理のフローチャートである。 (a)反射波データ、包絡線、強度上限値及び階調の関係を示すグラフ、並びに(b)多値化反射は強度の平面配列例を示す図である。 健全な単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示す図である。 横断ひび割れ箇所を有する単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示す図である。 縦断ひび割れ箇所を有する単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示す図である。 滞水箇所を有する単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示す図である。 道路の走行方向の距離と、各単位判定領域の点数との関係を示すグラフである。 健全箇所と損傷箇所との違いを示す、舗装断面及び波形の対比図である。 舗装の経年変化を示す概略図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。なお、「深さ方向」とは路面と直交する方向を意味する。
<計測>
本発明は電磁波レーダーを用いて舗装の内部探査を行う。電磁波レーダーとしては、GSSI社(米国)製の各種電磁波レーダーシステム(例えばSIR3000等)、日本無線社製RCレーダー(例えばハンディサーチNJJ-95B等)、アイレック技建社製のコンクリート構造物の鉄筋探査装置(例えばライトエスパー)、コマツエンジニアリング社製のレーダ探査機(例えばアイアンシーカ)等、公知のものを特に限定無く用いることができるが、送受信センサを多数並設したレーダーシステムが高効率・高精度であるため好ましい。以下、具体例について説明する。
図1は電磁波レーダーの概略図である。符号aは電磁波の送受信アンテナおよび送受信回路を一体的にケースに組み込んだセンサa、符号cはn個のセンサaを並列に連結してアレイ状としたアレイアンテナ、符号bはアレイアンテナcを構成する各センサaに対して夫々スイッチングにより機能の切り替えを行い、個々に送受信および信号処理を行うようにするコントロールユニットをそれぞれ示している。なお、アレイアンテナcとコントロールユニットbとによりレーダーシステムkを構成している。
レーダーシステムに用いられるセンサaとしては、ステップ波形によるインパルス発信を用いたものであって、周波数が0.5〜3GHzの中心帯域を持つものが好適であり、特に周波数を1GHz以上として探査を行うと、波長が短いことから深さ方向の分解能が向上する。深さ方向の分解能は特に限定されないが、5cm未満であるのが好ましい。一方、電磁波は周波数が高くなるにつれて、物体中での減衰が激しくなるが、2GHz以下で探査を行えば、ある程度の深度(40cm以上)まで十分な探査を行うことができる。
コントロールユニットbによりコントロールされた各センサaからは、舗装の表面Rから内部に向けて略垂直に電磁波が発振される。そして、舗装内からの反射波は各センサaに受信される。各センサaで受信された反射波は、コントロールユニットbを介してアナログ信号からデジタル信号に変換されたデータとしてデータ処理装置に出力される。
レーダーシステムkは、より具体的には図2に示すように構成することができる。すなわち、レーダーシステムkにおけるセンサaは送信部Txと受信部Rxとにより構成され、n個のセンサaへの給電は、例えばコントロールユニットbに設けられた電源電池31により供給され、また該電源電池はコントロールユニットb内の各回路に給電される。
n個のセンサaの送信部への送信指令は、スイッチ切り替え制御回路34が第1切り替えスイッチ34aを順次切り替えることにより、順次送信を行うようになっており、この切替のタイミングはタイミング源発振回路33bで発生した数十MHzのクロックパルスにより行われ、例えばタイミングクロックパルスの周期毎に順次スイッチングされ、数μs後にはアレイアンテナのn個のセンサaを一巡する。
各センサaの送信部Txで発信された電磁波は、測定対象物に対して反射と透過を繰り返し、その内部状況を反射信号としてセンサaの受信部Rxで受信する。受信された反射信号は、同期信号発生回路33からの同期信号に従ってサンプリングされ、低周波の受信信号1〜nに変換されて各センサから出力される。各センサから出力された受信信号は、スイッチ切り替え回路34にて、A/D変換回路35およびバッファ36により信号の処理が行われ、第2切り替えスイッチ34bの切り替えにより順次データ処理装置へ出力される。
図3の(a)は、レーダーシステムkが図1に示す単配列状態を示しており、副走査方向におけるセンサaの間隔をdとすると、この単配列状態の分解能はdとなる。これに対し、図3の(b)に示すように、n列の単配列のアレイアンテナc1を千鳥状にm行配列することにより、このアレイアンテナc2は、m倍の分解能を得ることができ、これにより水平解像度が決定される。そして、単配列時におけるアレイアンテナc1の分解能dに対し、m行配列するアレイアンテナc2は、d/mの分解能となる。また、図4に示すように、センサaをm行×n列に配列したアレイアンテナc3としても良い。この構成では、アレイアンテナc3を移動させることなく一度にm行×n列の範囲で探査を行える。
探査に際しては、作業員がアンテナを逐次移動させながら測定を行っても良いが、図5に示すように、レーダーシステムkを搭載した自動車等の探査車10で舗装路面Rを走行しながら、舗装路面Rにおける調査対象領域の全体にわたり、路面Rに沿う方向に所定の間隔を空けて探査を行うのが望ましい。図5に示す探査車10は、レーダーシステムkの他に、光学式距離計(回転式距離計でも良い)11、路面状況を撮像するためのカメラ12、GPS装置13を搭載しており、これらの出力信号がデータ処理装置14に入力されるように構成されている。データ収録装置14としては、汎用のコンピュータを用いることができる。図示例では、データ処理装置14等の機器を牽引する構造となっているため、データ処理装置14等の機器を制御するための制御装置15を車両に搭載している。
レーダーシステムkにおけるセンサaの配列方向を副走査方向とし、副走査方向および電磁波の発信方向に対して直交する方向を主走査方向とすると、レーダーシステムkの主走査方向は探査車10の走行方向となっており、走行に伴う移動距離は距離計11からデータ処理装置14に対して入力されるようになっている。
図6は、レーダーシステムkを主走査方向に移動させて得られた情報を処理するプロセスを示している。レーダーシステムkは検査対象である舗装路面R上に支持され、主走査方向に沿って移動される。その際、コントロールユニットbは、例えばn個のセンサa(1,2,・・・・n)を順に駆動し、副走査方向の各位置における反射波データが主走査方向について時々刻々と出力する。つまり、図7に示すように、反射波データ(強度(振幅)及び深度(時間))42は、主走査方向に所定の反射波検出間隔(移動方向の位置間隔)で、且つ副走査方向に所定の反射波検出間隔(センサ配列間隔)で定まる各検出位置41で取得される。これらの検出間隔は適宜定めることができるが、10cm以下であることが望ましく、例えば1〜5cm程度とすることができる。
取得される各検出位置40の反射波データ50は、各検出位置40の位置情報と関連付けて、データ処理装置14に内蔵又は接続された図示しない記憶装置に記録される。この際、各検出位置40の位置情報の生データは、主走査方向移動距離及び副走査方向のセンサ配列間隔であるが、必要に応じて三次元座標に変換し、生データと併せて記録することができ、また、反射波データ50は波形データであるが、必要に応じて後述する包絡線や強度上限値等を求めて、波形データとともに記録することができる。
<解析>
上述の計測により舗装路面Rにおける調査対象領域の全体にわたり反射波データ50を取得したならば、次いで取得データ50の解析を行い、内部損傷の有無及び程度を所定の単位判定領域U毎に評価する。この定量化の手順の一例が図8に示されている。すなわち先ず、反射波データ50を取得した調査対象領域の中から所定の単位判定領域Uを手動又は自動で選定し、単位判定領域Uの全反射波データ50を準備する。単位判定領域Uは、内部損傷の有無や程度を判定する単位領域のことであり、図7に示すように多数の反射波検出位置40を含む領域であれば、例えば上述のレーダーシステムkを用いる場合、レーダーシステムkの探査幅と同じ幅(1〜2mが好ましい)で、道路の長手方向に5m程度の範囲とする等、適宜の形状、寸法とすることができる。
次に、当該単位判定領域Uにおける各反射波データ50(各検出位置40の反射波データ)の正振幅側に、図9に示すように包絡線70を作成し、入射パルスの反射波が反射深さの違いにより時間的にずれて重なる反射波データ50から、深さ方向の反射波強度の変化を近似的に算出する。
次に、当該単位判定領域Uにおける強度上限値71を設定する。強度上限値71は後の反射波強度の多値化に用いる値であるため、当該単位判定領域U又は当該調査対象領域における最大値を前述の包絡線70の算出結果から求めて利用する、あるいはそれ以上の任意の値を適宜選択して利用することができる。この強度上限値71は当該単位判定領域U又は当該調査対象領域と関係なく、予め適当な値を定めておき、利用しても良い。
なお、反射波強度の最大値を求める場合、図15に示すように、通常の場合、反射波は舗装表面Rで最も強く且つ一定のピーク51が現れ、路盤被覆層60(アスファルト舗装ではアスファルト層又はコンクリート舗装ではコンクリート層)の下面(路盤層との境界)でも比較的強いピーク52が現れるため、各反射波検出位置40の反射波データ50における舗装表面の反射波ピーク51と路盤被覆層下面の反射波ピーク52との間の部分54(つまり路盤被覆層の内部損傷によりピークが発生する可能性がある部分)から、反射波強度の最大値55を取得するのが好ましい。
次に、解析深度間隔及び解析深度範囲を設定する。解析深度間隔は、本データ解析における深さ方向の分解能を定めるものであり、レーダーシステムkの深さ方向の分解能に応じて適宜定めることができ、レーダーシステムkの深さ方向の分解能以上であるのが好ましい。また、解析深度範囲は、レーダーシステムkの探査可能深度に応じて適宜定めることができ、レーダーシステムkの探査可能深度の分解能以浅であるのが好ましい。これらの解析深度間隔及び解析深度範囲は当該単位判定領域U又は当該調査対象領域と関係なく、予め適当な値を定めておき、利用することができる。
次に、解析深度間隔及び解析深度範囲に応じて、未解析の深度の中から解析対象深度を任意の順、例えば浅い方から順に選定し、当該解析対象深度における各検出位置40の反射波強度を多値化する。この多値化対象の反射波強度は前述の包絡線70から求めるのが簡素であるが、反射波データ50から直接に求めても良い。また、多値化は適宜の手法で行うことができるが、例えばゼロから前述の強度上限値71までの反射波強度値の範囲を等分で多段階化(3以上であれば良いが、256程度であると後述の可視化画像の作成上も好適)し、各検出位置40の反射波強度が該当する段数を、その検出位置40の多値化反射波強度とすることができる。
次に、図9(b)に示すように、この処理により得られる多値化反射波強度の階調(図中の数字124,196,224,211は符号ではなく階調を表している)を有する単位画素81を、各検出位置40の二次元座標に応じて配列することにより、当該解析対象深度の平面可視化画像80(後述の実施例を参照)を作成するのが好ましい。これにより、必要に応じて作業員が目視で判定結果の確認等をしたり、任意の画像解析を行ったりできるようになる。この可視化画像80の作成プロセスは省略することもできる。また、可視化画像80の作成プロセスは本解析に基づく内部損傷の判定とは別に独立して行うこともできる。
しかる後、当該解析対象深度における全多値化反射波強度を統計処理し、散らばりの度合いを算出し、散らばりの度合いが所定値以上であるとき、当該単位判定領域Uにおける当該解析対象深度に内部損傷があるものとし、且つ散らばりの度合いが所定値未満であるとき、当該単位判定領域Uにおける当該解析対象深度に内部損傷がないものとする判定を行う。散らばりの度合いとしては、分散や、二乗平均平方根、変動係数、さらには尖度、歪度等であってもよいが、標準偏差を用いるのが好ましい。また、散らばりの度合いのしきい値(所定値)は、予め現場や試験用舗装での実験に基づいて定めることができる。
このように、解析対象深度における反射波強度の散らばりの度合いが所定値以上である場合を内部損傷があるものとし、所定値未満である場合を内部損傷がないものと判定すると、層間における反射のように、同じ深度において単位判定領域Uの広範囲にわたり均一に反射波強度が強くなる場合は、散らばりの度合いが小さいため内部損傷がないものと判定される。また、単位判定領域Uのうちの極僅かな部位に内部損傷があったとしても、反射波強度の散らばりの度合い小さければ、誤検出であるか或いは単位判定領域U全体としては補修が必要な程に損傷しておらず、内部損傷がないに等しいものであるため、内部損傷がないものと判定される。さらに、粒状に崩れた内部損傷における入射波及び反射波の散乱の場合、同一深度における反射波強度の散らばりの度合いは大きくなるため、内部損傷があるものと判定されることになる。よって、ある程度の広さを有する単位判定領域Uの内部損傷の有無を非破壊で迅速に調査するにあたり、反射波強度の散らばりという共通の基準により判定することができ、処理が簡素になるだけでなく、より正確な判定が可能になる。
そして、当該解析対象深度に内部損傷がないと判定された場合は加点を行わずに、内部損傷があると判定された場合に加点を行う。加点の程度は適宜決めることができ、解析対象深度に関係なく決まった点(例えば1点)とする他、解析対象深度に応じて重み付けを行っても良い。
以降は、解析深度範囲全体の解析が終わるまで、解析対象深度の選定から加点処理までを繰り返し行う。これにより、同じ単位判定領域Uにおいて内部損傷があるとされた深度の数だけ加点がなされるため、予め定めた点数と内部損傷の程度との相関に基づいて当該単位判定領域Uの内部損傷の程度を定量的に評価することができる。このような加点方式により単位判定領域Uの内部損傷の程度を定量的に評価すると、深度方向の一箇所に強い反射波に基づく内部損傷が検出され、かつ他の深度位置には何の内部損傷も検出されない場合のように、単位判定領域U全体としては内部損傷の程度が低い場合に、内部損傷の程度を簡素かつ正確に評価することができる。
さらに、当該単位判定領域Uの評価が完了したならば、次の単位判定領域Uを手動又は自動で選定して、調査対象領域における未判定領域を逐次評価することができる。
前述の探査車10と同様のシステムにより、既存道路の試験調査を実施した。レーダーシステムkは、周波数帯域:300MHz〜2.5GHz、最大探査速度:60km/h、探査深度:0.5m、センサ間隔:10cm、測線数:20測線、探査幅:200cmのものを使用した。
図10は、健全な単位判定領域Uの測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示している。この場合、各深度における標準偏差は所定値未満であっため、全ての深度において加点数は0とされ、合計点数は0となった。
また、図11は、横断ひび割れ箇所を有する単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示しており、この場合、深度6cm,16cm,18cm,20cm,24cmの各深度における標準偏差は所定値以上であり、内部損傷があるものと判定されたため各1点加算され、それ以外の深度では標準偏差は所定値未満であったため加点数は0とされ、合計点数は5点となった。
また、図12は、縦断ひび割れ箇所を有する単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示しており、この場合、深度18cm,20cm,22cm,24cmの各深度における標準偏差は所定値以上であり、内部損傷があるものと判定されたため各1点加算され、それ以外の深度では標準偏差は所定値未満であったため加点数は0とされ、合計点数は4点となった。
さらに、図13は、滞水箇所を有する単位判定領域の測定結果(路面画像、及び2cm間隔の各深度における平面可視化画像)を示しており、この場合、深度2cm,4cm,6cm,18cm,20cm,22cm,24cmの各深度における標準偏差は所定値以上であり、内部損傷があるものと判定されたため各1点加算され、それ以外の深度では標準偏差は所定値未満であったため加点数は0とされ、合計点数は7点となった。
これら図10〜図13に示す結果と、各層の平面可視化画像(淡墨の丸で囲んだ部分が内部損傷箇所である)とを対比するだけでも、内部損傷と標準偏差との間に相関があることは明らかである。
他方、図14は、ある程度長距離(5m長さの単位判定領域が99領域分)にわたる判定結果を示しており、このグラフから各単位判定領域の点数の変化、つまり内部損傷の進行している領域や、そうでない領域の位置及び程度を定量的に把握することができる。
<その他>
(イ)評価対象の舗装は、特に限定されないが、路盤上にアスファルト合材からなる路盤被覆層(基層・表層)が設けられたアスファルト舗装、路盤被覆層がセメントコンクリートからなるコンクリート舗装が好適であり、特に排水性舗装、オーバーレイ補修された舗装、表層打換えされた舗装が好適である。
(ロ)内部損傷とは、内部にのみ存在し、表面に露出していないひび割れ、層間剥離、滞水部分の他、表面に露出しているが内部まで延在しているひび割れや、ポットホール、パッチング、局部打ち換え部分等を含む。
(ハ)上記例では、多値化反射波強度について標準偏差を用いたが、反射波強度そのものの標準偏差を用いて判定を行うことも可能である。
本発明は、道路の維持・管理等に際して、アスファルト舗装等の舗装におけるひび割れ等の内部損傷箇所を、非破壊で定量調査するために利用できるものである。
k…電磁波レーダーシステム、a…センサ、10…探査車、11…光学式距離計、12…カメラ、13…GPS装置、14…データ処理装置、15…制御装置、R…舗装表面(路面)、U…単位判定領域、40…反射波検出位置、50…反射波、51…舗装表面におけるピーク、52…被覆層底面におけるピーク、52…反射波強度の代表値、60…被覆層、61…内部損傷、65…路盤、70…包絡線、71…強度上限値、80…平面可視化画像、81…画素。

Claims (3)

  1. 舗装の内部損傷箇所を非破壊で調査する方法であって、
    電磁波レーダーを用い、舗装路面における少なくとも所定の単位判定領域の全体にわたり、路面に沿う方向に所定の間隔を空けて、舗装上から舗装内へ電磁波を深さ方向に入射させるとともにその反射波を舗装上で検出することにより、各反射波検出位置における反射波データを取得し、
    この取得した反射波データに基づき、解析対象深度における前記各反射波検出位置の反射波強度を取得し、
    この解析対象深度における反射波強度の散らばりの度合いに基づき、散らばりの度合いが所定値以上であるとき、当該単位判定領域における当該解析対象深度に内部損傷があるものとし、且つ散らばりの度合いが所定値未満であるとき、当該単位判定領域における当該解析対象深度に内部損傷がないものとする、判定を行う、
    ことを特徴とする舗装の内部損傷箇所の非破壊調査方法。
  2. 前記散らばりの度合いが標準偏差である、請求項1記載の舗装の内部損傷箇所の非破壊調査方法。
  3. 同じ単位判定領域における複数の異なる深度について前記判定を行うとともに、内部損傷があるとされた深度の数だけ加点を行い、予め定めた点数と内部損傷の程度との相関に基づいて当該単位判定領域の内部損傷の程度を定量的に評価する、請求項1又は2記載の舗装の内部損傷箇所の非破壊調査方法。
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