JP6261797B1 - 舗装の損傷診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】舗装内部の損傷箇所を非破壊で容易迅速に、より確実に、あるいは、経済的に舗装内部の損傷を診断する方法を提供する。【解決手段】電磁波レーダーを用い、路面に沿う方向に路幅方向に所定の間隔を空けて、舗装上から舗装内へ電磁波を深さ方向に入射させるとともにその反射波を舗装上で検出することにより、各反射波検出位置における時系列反射波強度データを取得し、基準点からの測距データと照合の上、当該反射波強度走査データに所定の標本化処理、所定の量子化処理をすることによって舗装断面上に段階的反射波濃淡断面像を現出し、二つの走路に沿う舗装断面上の反射波濃淡断面像のうち一方を基準断面像とし、もう一方を判定対象断面像とし、同一測距データ範囲の両断面画像の対比観察によって、舗装の内部損傷箇所を特定する。【選択図】図8

Description

本発明は、舗装の内部損傷箇所、例えば表面からは確認できない又は確認し難いひび割れ、層間剥離、滞水箇所等の舗装内部の損傷を診断する方法に関するものである。
舗装の性能はその供用に伴い経年低下する。よって、一般的な舗装管理においては、舗装の現況を適時に調査し、路面性能や舗装自体の強度がある程度まで低下したならば、舗装の維持(路面性能の回復及び舗装の構造的強度低下の遅延)又は修繕が実施されている。
このような舗装管理において、舗装の現況調査はその後の維持・修繕計画の指標となるため極めて重要であり、既設舗装の状態を正確に把握する必要がある。我が国における調査のレベル、手法には、いくつかの段階、手法があるが、中でも工事実施前の段階において損傷個所を特定する調査は、再舗装対象範囲の決定には欠かせず、補修工事の期間、予算設定に重要となる。
調査では、特許文献1に示されたように、舗装の内部損傷も含め、電磁波レーダーk(図5)による地中探査を行い、図7に示すように、各反射波検出位置40における反射波データ50を取得し、この反射波データ50に基づき、各反射波検出位置40の所定深さにおける反射波強度を取得し、所定深さにおける反射波強度分布を水平断面上にあらわれる舗装水平断面スライス画像を画面表示し、作業員が当該画像に基づいて、舗装水平断面スライス画像に表示される反射波強度分布の濃淡変化を観察し、周囲に比して濃度の濃い部分の走路方向の連続性、その長さを見て、所定の濃度以上の部分の繋がりが十分な長さにあると認められる場合にその範囲には舗装内の当該所定深さレベルまで再舗装を必要とするレベルの内部損傷があり、繋がりが十分で無いと認められる場合に当該内部損傷が無いものと識別するのが望ましいとされている(特許文献1)。このように、従来、反射波強度50の差異により、損傷発生を認識し、所定の深さの舗装水平断面上の映像にあらわれる反射波強度に基づく濃淡分布模様の形状をもって、営繕対象とすべき内部損傷存在箇所を把握していた。
特開2011−32678公報
しかしながら、従来の舗装評価のための地中レーダー探査の道路全面の水平断面スライスによる劣化診断方法では深さ別に複数のスライス画像生成が必要であり、工数がかかる点が問題となる。調査コストがかかり過ぎるのである。結局、調査が不十分となれば、工事中に深度別に削り、損傷深さを確認しながら再舗装する点、場合により、工事期間の制約、予算の制約のため必要な深度の再舗装を手当できない場合があった。
そこで、本発明の主たる課題は、舗装内部の損傷箇所を非破壊で容易迅速に、より確実に、あるいは、経済的に舗装内部の損傷を診断する方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は、舗装内部の損傷を診断する舗装の損傷診断方法であって、電磁波レーダーを用い、路面に沿う方向に路幅方向に所定の間隔を空けて、舗装上から舗装内へ電磁波を深さ方向に入射させるとともにその反射波を舗装上で検出することにより、各反射波検出位置における時系列反射波強度データを取得し、基準点からの測距データと照合の上、当該反射波強度走査データに所定の標本化処理、所定の量子化処理をすることによって舗装断面上に段階的反射波濃淡断面像を現出し、二つの走路に沿う舗装断面上の反射波濃淡断面像のうち一方を基準断面像とし、もう一方を判定対象断面像とし、同一測距データ範囲の両断面画像の対比観察によって、舗装の内部損傷箇所を特定することを特徴とする舗装の損傷診断方法、である。
上記構成から成る舗装の損傷診断方法は、各舗装断面上で独立に損傷部位を特定するのではなく、二つの舗装断面上に現出された段階的反射波濃淡像を対比し、二つの反射波濃淡像の対比によって所定の段階レベルを超える部位に再舗装を要する損傷が存在すると判定する舗装の損傷診断方法であるから、一舗装断面上に現出され、何らかのバイアス及びフィルタがかかって反射波濃淡が強調された場合、シフト表示された場合でも、対比によって相対評価の要素も加味されて再舗装を要する損傷が存在する部位を判定するから正確性が向上するという効果が提供可能である。
他に、二つの走路のうちの一つは、ビトウィーンホイールパス(BWP、Between Wheel Path、以下でBWPともいう)とし基準断面像を現出させる(あらわす)構成とすることもできる。
この場合に、ビトウィーンホイールパス(BWP、Between Wheel Path)は最も負担の低い部位であり、路幅方向で最も損傷が低いレベルにあるのが一般であるから、対比の一方のパスに含まれると損傷部位を含まないものとする基準となり、他方のパスの損傷部位の判定がより容易となり、舗装の損傷診断を確実に提供可能である。
他に、前記二つの走路のうちの他方のパスは、アウターホイールパス(OWP,Outer Wheel Path、以下でOWPともいう)とし判定対象断面像を現出させる構成とすることもできる。
この場合に、アウターホイールパス(OWP,Outer Wheel Path)は最も負担の高い部位であり、路幅方向で最も損傷が高いレベルにあるのが一般であるから損傷部位の判定がより容易となり、舗装の損傷診断を確実に提供可能である。
他に、前記二つの走路のうちの他方のパスは、インナーホイールパス(IWP,Inner Wheel Path、以下でIWPともいう)とし判定対象断面像を現出させる構成とすることもできる。
この場合に、インナーホイールパスはアウターホイールパスの次に負担の高い部位であり、対比の一に含まれると、損傷部位の判定が比較的容易となり、舗装の損傷診断を提供可能できる利点があるばかりでなく、アウターホイールパスを用いる判定に加える場合には、舗装の損傷診断の補完となり、損傷診断の漏れリスクを低減でき、舗装の損傷診断を確実となる
他に、前記判定は、判定対象領域の前記舗装断面上の段階的反射波濃淡断面像に舗装境界が特定される構成とすることもできる。
この場合に、舗装境界は舗装と路盤との境界であって、舗装に損傷がなければレーダーの反射面として作用する。一方、舗装に損傷があるとレーダーが分散し、乱反射し、レーダーの反射面としてはより不明確となるという性質があり、舗装の損傷把握に資するものであって、対比の要素とすれば、損傷部位の判定がより容易に、より確実に提供可能である。
他に、前記ビトウィーンホイールパスの舗装断面上で前記反射波濃淡断面像に舗装境界面があらわれる走行方向の縞の濃淡、連続長と舗装面からの深さを走路方向の舗装断面上の段階的反射波濃淡像で特定し、ここで特定された縞によって前記ビトウィーンホイールパスの舗装境界面深さを特定し、当該深さと同程度の深さ付近に判定対象領域の舗装境界面があるとすれば現出すべき縞と前記ビトウィーンホイールパスの舗装境界面があらわれる縞とを対比し、両縞が同程度又は所定の差異範囲内の段階的反射波強度である場合は、判定対象のうち当該連続縞があらわれる領域は舗装の内部損傷箇所と特定される領域でないと特定することができる。
この場合に、舗装境界は舗装と路盤との境界であって、舗装に損傷がなければレーダーの反射面として作用し、反射波濃淡断面像に舗装境界面があらわれる走行方向の縞として観察される。
舗装の損傷の程度によって、走行方向の縞の濃淡、連続長等のバリエーションが生まれる。よって、この縞の観察によって、舗装境界面深さを特定でき、さらに、対比対象の路面は当該深さにあらわれる縞の対比観察によって舗装境界面の損傷の程度が把握され、便宜である。
舗装境界面があらわれる走行方向の縞を観察対象とすれば、損傷部位の判定がより容易に、より確実である。ここでは、対比するとき、両縞が同程度又は所定の差異範囲内の段階的反射波強度である場合であるから、損傷はないかあっても軽微であるという推論が成立する。これによって、判定対象走路の舗装の内部損傷箇所を特定するのが、容易となり、確実である
他に前記二つの走路のうちの一方の基準走路としてのビトウィーンホイールパスの舗装境界面が、舗装断面上の反射波濃淡断面像に走行方向に連続縞を現出し、他方の判定対象走路の舗装境界面が、舗装断面上に走行方向に連続縞を現出し、両舗装断面上に舗装表面から同じ程度の深度にあらわれると判別されるとき、判定対象走路舗装の内部損傷箇所を特定する構成とすることもできる。
この場合に、ビトウィーンホイールパスは舗装の損傷が最も軽度のパスであるから、これを基準とするとき、深度別に複数の舗装構成となる場合には、深度の変化にともない複数の反射波が境界から返される。
これらの反射も損傷の程度によって乱れるという性質があるから、深度別に規則性をもって現れる縞の対比によって判定対象走路の舗装の内部損傷箇所を特定するのが、より容易となり、確実となる
ビトウィーンホイールパスの舗装断面上で反射波濃淡断面像に舗装境界面があらわれる走行方向の縞の濃淡、連続長と舗装面からの深さを走路方向の舗装断面上の段階的反射波濃淡像で特定し、
ここで特定された縞によって前記ビトウィーンホイールパスの舗装境界面深さを特定し、当該深さと同程度の深さ付近の判定対象領域に舗装境界面があるとすれば現出すべき縞が現出しない又は現出しても前記ビトウィーンホイールパスの舗装境界面があらわれる縞とを対比するとき、前記ビトウィーンホイールパスの舗装断面上にあらわれる縞と判定対象にあらわれる縞とは互いに別の舗装形成組織からなることを推認する程の所定の差異が認識されると観察されるとき、判定対象のうち舗装断面上の反射波濃淡断面像に当該縞があわわれない又は当該縞があらわれてもその差異は大として、舗装の内部損傷箇所と特定することもできる。
この場合に、舗装境界面が実質上なくなっているか、縞が現出してもその差異は大として、舗装境界面があってもかなり損傷している
このような場合に、当該深さと同程度の深さ付近の判定対象領域に舗装境界面があるとすればあらわれるべき縞があらわれないとき、あるいは、
前記ビトウィーンホイールパスの舗装境界面があらわれる縞とを対比し、ビトウィーンホイールパスの舗装断面上にあらわれる縞と判定対象にあらわれる縞とは互いに別の舗装形成組織からなることを推認する程の所定の差異を認識できるとき
判定対象走路の舗装の内部損傷箇所を特定するのが、容易となり、確実になる
他に、損傷部位ではないと特定された判定対象領域が走路方向で所定の連続長に留まり、損傷部位と特定された判定対象領域に挟まれる場合、当該判定対象領域はすべて舗装の内部損傷箇所と特定することもできる。
以上のとおり本発明によれば、走行方向に沿った2つの舗装断面スライスを取得し、両者の対比により劣化を診断でき、少ないデータで判定可能であり、省時間、経済的であるという利点がもたらされる。
対象の損傷診断走路を二つの走路とし、一方の走路はビトウィーンホイールパスとし、他方の走路はアウターホイールパス又はインナーホイールパスのいずれかとし、走路に沿う舗装断面上に段階的反射波濃淡断面像を得てこれらの断面像を比較し、路盤と舗装面間での異常の発生を認識し、濃淡模様の周囲への広がりから、再舗装を要する地中深度を含め、舗装の内部損傷箇所を特定することを特徴とするものである。
本発明の一実施形態に係る電磁波レーダーの概略図である。 本発明の一実施形態に係るレーダーシステムのブロック図である。 本発明の一実施形態に係るレーダーシステムのセンサ配列例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るレーダーシステムのセンサ配列例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る探査車の概略図である。 本発明の一実施形態に係るレーダーシステムの処理プロセスを示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る反射波データの取得概要を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る解析処理のフローチャートである。 (a)反射波データ、包絡線、強度上限値及び階調の関係を示すグラフ、並びに(b)量子化反射波強度の平面配列例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る実施例である(a)舗装上面に損傷判定域を重ね合わせた写真、(b)IWP舗装断面画像、(c)BWP舗装断面画像、(d)OWP舗装断面画像である。 実施例の採取コアの採取地点を示す写真である。 実施例の採取コアの写真である。 実施例の採取コア説明模式図板の写真である。 実施例の舗装面下マイナス10cm切削面の写真である。 健全箇所と損傷箇所との違いを示す、舗装断面及び波形の対比図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。なお、「深さ方向」とは路面と直交する方向を意味する。
[発明の一実施形態]
本発明の舗装の損傷診断方法の一実施形態では、図5に図示されるように、自動車等の探査車10に搭載されて、走行路に沿って電磁波レーダーを舗装路面Rを走査する。詳細には、一実施形態では、図1に示されるように、電磁波レーダーを用い、路面Rに沿う方向Lに路幅方向Wに所定の間隔を空けて、舗装上5から舗装内6へ電磁波7を深さ方向Zに入射させるとともにその反射波8を舗装上5で各センサaによって検出することにより、図7に示されるような時系列反射波強度データの信号50を取得する。そして、一実施形態では、その後、当該時系列反射波強度走査データ50に所定の標本化処理、所定の量子化処理をすることによって舗装断面上に段階的反射波濃淡断面像を現出し、二つの走路に沿う舗装断面上の反射波濃淡断面像のうち一方を基準断面像とし、もう一方を判定対象断面像とし、同一測距データ範囲の両断面画像の対比観察によって、当該判定対象領域の再舗装の要否を判定することを特徴とする、舗装の損傷診断方法である。以下、各構成のうち計測部分から順を追って詳説する。
<計測>
電磁波レーダーとしては、GSSI社(米国)製の各種電磁波レーダーシステム(例えばSIR3000等)、日本無線社製RCレーダー(例えばハンディサーチNJJ−95B等)、アイレック技建社製のコンクリート構造物の鉄筋探査装置(例えばライトエスパー)、コマツエンジニアリング社製のレーダー探査機(例えばアイアンシーカ)等、公知のものを特に限定無く用いることができるが、送受信センサを多数並設したレーダーシステムが高効率・高精度であるため好ましい。以下、具体的に説明する。
図1は電磁波レーダーシステムkの概略図である。符号aは電磁波の送受信アンテナおよび送受信回路を一体的にケースに組み込んだセンサa、符号cはn個のセンサaを並列に連結してアレイ状としたアレイアンテナ、符号bはアレイアンテナcを構成する各センサaに対して夫々スイッチングにより機能の切り替えを行い、個々に送受信および信号処理を行うようにするコントロールユニットをそれぞれ示している。なお、アレイアンテナcとコントロールユニットbとによりレーダーシステムkを構成している。
レーダーシステムkに用いられるセンサaとしては、ステップ波形によるインパルス発信を用いたものであって、周波数が0.5〜3GHzの中心帯域を持つものが好適であり、特に周波数を1GHz以上として探査を行うと、波長が短いことから深さ方向の分解能が向上し、舗装境界(深さ20cm程度)まで十分な探査を行うことができる。
図2に示されているコントロールユニットbによりコントロールされた各センサaからは、舗装の表面Rから内部に向けて略垂直に電磁波が発信される。そして、舗装内からの反射波は各センサaに受信される。各センサaで受信された反射波は、コントロールユニットbを介してアナログ信号からデジタル信号に変換されたデータとしてデータ処理装置に出力される。
レーダーシステムkは、より具体的には図2に示すように構成することができる。すなわち、レーダーシステムkにおけるセンサaは送信部Txと受信部Rxとにより構成され、n個のセンサaへの給電は、例えばコントロールユニットbに設けられた電源電池31により供給され、また該電源電池はコントロールユニットb内の各回路に給電される。
n個のセンサaの送信部への送信指令は、スイッチ切り替え制御回路34が第1切り替えスイッチ34aを順次切り替えることにより、順次送信を行うようになっており、この切替のタイミングはタイミング源発振回路33bで発生した数十MHzのクロックパルスにより行われ、例えばタイミングクロックパルスの周期毎に順次スイッチングされ、数μs後にはアレイアンテナのn個のセンサaを一巡する。
各センサaの送信部Txで発信された電磁波は、測定対象物に対して反射と透過を繰り返し、その内部状況を反射信号としてセンサaの受信部Rxで受信する。受信された反射信号は、同期信号発生回路33からの同期信号に従ってサンプリングされ、低周波の受信信号1〜nに変換されて各センサから出力される。各センサから出力された受信信号は、スイッチ切り替え回路34にて、A/D変換回路35およびバッファ36により信号の処理が行われ、第2切り替えスイッチ34bの切り替えにより順次データ処理装置へ出力される。
図3の(a)は、レーダーシステムkが図1に示す単配列状態を示しており、副走査方向におけるセンサaの間隔をdとすると、この単配列状態の分解能はdとなる。これに対し、図3の(b)に示すように、n列の単配列のアレイアンテナc1を千鳥状にm行配列することにより、このアレイアンテナc2は、m倍の分解能を得ることができ、これにより水平解像度が決定される。そして、単配列時におけるアレイアンテナc1の分解能dに対し、m行配列するアレイアンテナc2は、d/mの分解能となる。また、図4に示すように、センサaをm行×n列に配列したアレイアンテナc3としても良い。この構成では、アレイアンテナc3を移動させることなく一度にm行×n列の範囲で探査を行える。
探査に際しては、作業員がアンテナを逐次移動させながら測定を行っても良いが、図5に示すように、レーダーシステムkを搭載した自動車等の探査車10で舗装路面Rを走行しながら、舗装路面Rにおける調査対象領域の全体にわたり、路面Rに沿う方向に所定の間隔を空けて探査を行うのが望ましい。図5に示す探査車10は、レーダーシステムkの他に、光学式距離計(回転式距離計でも良い)11、路面状況を撮像するためのカメラ12、GPS装置13を搭載しており、これらの出力信号が測距情報データとしてデータ処理装置14に入力されるように構成されている。データ収録装置14としては、汎用のコンピュータを用いることができる。図示例では、データ処理装置14等の機器を牽引する構造となっているため、データ処理装置14等の機器を制御するための制御装置15を車両に搭載している。
レーダーシステムkにおけるセンサaの配列方向を副走査方向とし、副走査方向および電磁波の発信方向に対して直交する方向を主走査方向とすると、レーダーシステムkの主走査方向は探査車10の走行方向となっており、走行に伴う移動距離は距離計11からデータ処理装置14に対して測距データとして取り込まれる。
図6は、レーダーシステムkを主走査方向に移動させて得られた情報を処理するプロセスを示している。レーダーシステムkは検査対象である舗装路面R上に支持され、主走査方向に沿って移動される。その際、コントロールユニットbは、例えばn個のセンサa(1,2,・・・・n)を順に駆動し、副走査方向の各位置における反射波データが主走査方向について時々刻々と時系列出力する。つまり、図7に示すように、反射波データ50(強度(振幅)及び深度(時間))は、主走査方向に所定の反射波検出間隔(移動方向の位置間隔)でサンプリングされ、且つ副走査方向に所定の反射波検出間隔(センサ配列間隔)で定まる各検出位置40で検出される。これらの検出間隔は適宜定めることができ。10cm以下でも、例えば1〜5cm程度でもよい。轍幅と走行制御精度との関係で規定すべきものである。
取得される各検出位置40の反射波データ50は、各検出位置40の位置情報と関連付けて、データ処理装置14に内蔵又は接続された図示しない記憶装置に記録される。この際、各検出位置40の位置情報の生データは、主走査方向移動距離及び副走査方向のセンサ配列間隔であるが、必要に応じて三次元座標に変換し、生データと併せて記録することができ、また、反射波データ50は波形データであるが、必要に応じて後述する包絡線や強度上限値等を求めて、波形データとともに記録することができる。
本発明は、走路の幅方向に異なる二つの走路に沿って電磁波レーダーを照射し、時系列反射波データを取得することを特徴とする。必ずしも路幅全幅にわたりレーダー走査するものではない。ここでいう二つの走路とは、路面下の舗装組織状態が互いに異なる箇所が選定されている、特定の関係をもつ走路であるのが好ましい。したがって、二つの走査線が上記の測定によって測定データとして含まれている必要があるが、走査対象を路幅全幅としてこれら二つの走査線が含まれていてもよいし、全幅でなくとも、特定の位置でスポット検出する設定とされてもよい。
二つの走路のうち一の走路に沿う舗装断面上の反射波濃淡断面像とは、上記のセンサaのうち一のセンサaのみの時系列データとして取り込んでもよい。一の走路内と規定する対象検査面U内に少なくとも路幅方向に広がりをもった領域として反射波検出位置40を規定しその範囲内にある複数のセンサaの出力から信号を合成してもよいし、この場合、複数のセンサaの対象として走路方向に前後の幅をとり反射波検出位置40は二次元的領域に含まれるものと規定してもよい。この場合、信号の合成方法は、例えば、当該二次元的領域内にあるセンサa出力の時系列データの平均化、総和等の手法様々あり得る。
したがって、時系列反射波強度走査データのサンプリング処理とは、一のセンサaの時系列出力から深さ方向に所望の精度で反射波強度分布を得るために必要とされるサンプリング、すなわちアナログ連続信号波の性状を信号波の性質に応じ所定の精度で把握するためのデジタル信号処理上のサンプリングと、走路方向に舗装内の損傷判定に必要な間隔で検出位置を規定するサンプリングの二つの意味がある。以上では、いずれも意味もサンプリングと表現しているが、一地点の検査データを得るという意味で標本化である。標本の走路上での間隔は、走路方向の値の変化を観察して損傷を判定する場合にパラメータとなり得るし、一走路の損傷判定のため、路幅方向で複数の標本をガウシアンフィルタリング処理するために取得しておいてもよい。

本実施形態では、二つの走路のうちの一つは、ビトウィーンホイールパス(BWP、Between Wheel Path)とし、二つの走路のうちの一つは、アウターホイールパス(OWP,Outer Wheel Path)とするが、図7に示すように上記複数の各検出位置40にはこれらのパスに含まれる範囲とされるようにデータ取得されており、下記解析時に二つの走路をカバーする検出位置40を選択しその位置での観測反射波データ50を検定する一実施形態である。
一の走路はビトウィーンホイールパス内にあって、検出位置40はビトウィーンホイールパス内にあるものが含まれており、他の一つは、アウターホイールパス内にあって、検出位置40はアウターホイールパス内にあるものが含まれているようにデータ計測される。
<解析>
上述の計測により舗装路面Rにおける調査対象領域の全体にわたり反射波データ50を取得したならば、次いで取得反射波データ50の解析を行い、内部損傷の有無及び程度を所定の判定対象区域U毎に評価、検定する。一実施形態の舗装の損傷診断方法の手順が図8のフローチャートSに示されている。
本発明の舗装の損傷診断方法では、第1のステップS1で、<計測>手順によってデータが取得されストアされている(上記、<計測>のとおり)。電磁波レーダーを用い、路面に沿う方向に路幅方向に所定の間隔を空けて、舗装上から舗装内へ電磁波を深さ方向に入射させるとともにその反射波を舗装上で検出することにより、各反射波検出位置における時系列反射波強度データを取得し、基準点からの測距データと照合の上、当該反射波強度走査データが取得され、直接解析されても一旦ストアされてもよいが好ましくはストアし、じっくりと解析できるのが好ましい。
第2のステップS2は、次いで、以下の処理、各反射波検出位置における時系列反射波強度データを取得し、基準点からの測距データと照合の上、当該反射波強度走査データとして所定の標本化処理、所定の量子化処理をすることによって舗装断面上に段階的反射波濃淡断面像を現出させる処理が行われるステップである。
ここで、判定対象区域Uは、図内部損傷の有無や程度を判定するために使用する単位領域のことである。図7に示すように多数の反射波検出位置40を含む。例えば上述のレーダーシステムkを用いる場合、レーダーシステムkの探査幅と同じ幅(1〜2mが好ましい)とし、一度の走行でアウターホイールパス(OWP,Outer Wheel Path)、ビトウィーンホイールパス(BWP、Between Wheel Path)の走査を完了するのが好ましい。道路の走行方向には連続的にレーダー走査を行い、判定は標本の走路に沿ったある程度の幅をもった連続データを基準とする。ここで、判定対象区域Uの走路長さに特に規定はなく、10m程度の範囲とする等、適宜、データ処理、データ管理の都合に合わせる寸法としてよいが、走行方向の標本の検査値の変化を判定に必要な程度認識できる程度の長さを解析対象と選定するのが好ましい。
第2のステップS2では、反射波データ50を取得した調査対象領域の中から所定の判定対象区域Uを手動又は自動で選定し、判定対象区域Uの全反射波データ50を準備する。反射波データの標本化・量子化処理をするステップである。第2のステップの詳細は以下である。
ここで、単位判定領域Uは、内部損傷の有無や程度を判定する単位領域のことであり、図7に示すように多数の反射波検出位置40を含む領域であれば、例えば上述のレーダーシステムkを用いる場合、レーダーシステムkの探査幅と同じ幅(1〜2mが好ましい)で、道路の長手方向に10m程度の範囲とする等、適宜の形状、寸法とすることができる。
必要に応じ、当該判定対象区域Uにおける各反射波データ50(各検出位置40の反射波データ)の正振幅側に、図9に示すように包絡線70を作成し、入射パルスの反射波が反射深さの違いにより時間的にずれて重なる反射波データ50から、深さ方向の反射波強度の変化を近似的に算出する。これらの処理は、当該判定対象区域Uにおける強度上限値71を設定するためである。強度上限値71は後の反射波強度の量子化に用いる値であるため、当該判定対象区域U又は当該調査対象領域における最大値を前述の包絡線70の算出結果から求めて利用する、あるいはそれ以上の任意の値を適宜選択して利用することができる。先に必要に応じと述べたのは、この強度上限値71は当該判定対象区域U又は当該調査対象領域と関係なく、予め適当な値を定めておき、利用しても良いからである。
なお、反射波強度の最大値を求める場合、図7、図15に示すように、通常の場合、反射波は舗装表面Rで最も強く且つ一定のピーク51が現れ、路盤被覆層60(アスファルト舗装ではアスファルト層又はコンクリート舗装ではコンクリート層)の下面(路盤層との境界)、舗装境界面でも比較的強いピーク52が現れる。各反射波検出位置40の反射波データ50における舗装表面の反射波ピーク51と路盤被覆層下面の反射波ピーク52との間の部分(つまり路盤被覆層の内部損傷によりピークが発生する可能性がある部分)から、反射波強度の最大値を取得してもよいが、舗装境界面が舗装断面上にあらわれる縞を観察に適するように、路盤被覆層下面の反射波ピーク52よりも大きな値を当該最大値に採用するのが好ましい。
標本毎に図9(b)に示すように、この処理により得られる量子化反射波強度の量子数(図中の数字124,196,224,211は符号ではなく量子数を表している)を有する舗装断面を表す単位画素81を、各検出位置40の舗装断面上の二次元座標に応じて配列することにより、当該解析対象パスの舗装断面(走行方向の縦断面をいう実施例を参照)を作成する。これにより、必要に応じて作業員が目視で判定結果の確認等をしたり、任意の画像解析を行ったりできるようになる。また、可視化画像80の作成プロセスは本解析に基づく内部損傷の判定とは別に独立して行うこともできる
ここで各反射波検出位置40の深さ方向の検定精度は、通常、舗装境界が深さ20cm程度であることから、少なくとも深さ20cm以上の探査可能深度の分解能が好ましい。舗装境界の深度を特定するのに十分なレーダーシステムkの深さ方向の分解能に依存するが、舗装境界の深度を特定できる程度のレーダーシステムkの性能のもと深度方向の時間軸サンプリング時間間隔はサンプリング理論によるべきであり、最低10cm程度の深さ分解能を実現するサンプリング時間間隔で標本化すべきであり、好ましくは、図7に示す反射波データ50を観測できる程度のサンプリング時間間隔とすべきである。これらの標本化に必要な深さ方向のサンプリングタイムは当該判定対象区域U又は当該調査対象領域と関係なく、予め適当な値を定めておき、利用することができる。
走路方向の標本化の反射波検出位置40間隔は走路方向隣接域反射波検出位置40の観測に必要な程度の分解能が得られる間隔とするが、必要な分解能を与えるデータが得られているように走行速度は調整されている。
各検出位置40の反射波強度を量子化する。この量子化対象の反射波強度は前述の包絡線70から求めるのが簡素であるが、反射波データ50から直接に求めても良いが本発明では、相対評価を行い基準とするのは後述のBWPが好ましい。また、量子化は適宜の手法で行うことができるが、例えばゼロから前述の強度上限値71までの反射波強度値の範囲を等分で量子化(3以上であれば良いが、256程度であると後述の可視化画像の作成上も好適)し、各検出位置40の反射波強度が該当する量子化数を、その検出位置40の段階的反射波強度とすることができる。
第2のステップとは前後してもよいが、第3のステップでは、相対比較する2つのパスを選択する。二つの走路に沿う舗装断面上の反射波濃淡断面像のうち一方を基準舗装断面像とし、もう一方を判定舗装断面像とするため、2つのパスを選択する。
第4のステップは、二つの走路に沿う舗装断面上の反射波濃淡断面像のうち一方の基準舗装断面像を舗装断面上に段階的反射波濃淡断面像として現出させるステップである。
解析は、まず、BWPの舗装断面の画像(以下、単にBWP画像ともいう)から行う。BWPは所謂、轍が発生していないことから推認されるように、タイヤ等のホイール構成機材との接触が限られる部位であって、路面も路面下の舗装も損傷が最も小さい。本発明の一実施形態に係る実施例である図10(c)BWP舗装断面画像を参照し説明する。
ビトウィーンホイールパスの舗装断面上で前記反射波濃淡断面像に舗装境界面があらわれる走行方向の縞の濃淡、連続長と舗装面からの深さを走路方向の舗装断面上の段階的反射波濃淡像で特定できる程度に反射波濃淡断面像を現出させ、ここで特定された縞によって前記ビトウィーンホイールパスの舗装境界面深さを特定する。
第5のステップは、二つの走路に沿う舗装断面上の反射波濃淡断面像のうち第4のステップBWP舗装断面画像と同一測距データ範囲の判定対象のOWP舗装断面像を舗装断面上に段階的反射波濃淡断面像としてあらわれるステップである。本発明の一実施形態に係る実施例である図10(d)OWP舗装断面画像を参照し説明する。
ビトウィーンホイールパスの舗装境界面深さと同程度の深さ付近に判定対象領域の舗装境界面があるかどうか、あれば特定できる程度に反射波濃淡断面像を現出させる。
第6のステップは、第4のステップと第5のステップの後、同一測距データ範囲の両断面画像の対比観察によって、当該判定対象領域の再舗装の要否を判定するステップである。図10(c)BWP舗装断面画像と(d)OWP舗装断面画像を対比参照し、判定は、判定対象領域の前記舗装断面上の段階的反射波濃淡断面像に舗装境界が特定されることを条件とすると判定の精度があがり、より好ましい。図10(a)舗装上面に損傷判定域を重ね合わせた写真を参照し説明する。
ビトウィーンホイールパスの舗装断面上で前記反射波濃淡断面像に舗装境界面があらわれる走行方向の縞の濃淡、連続長と舗装面からの深さを走路方向の舗装断面上の段階的反射波濃淡像で特定し、ここで特定された縞によって前記ビトウィーンホイールパスの舗装境界面深さを特定し、当該深さと同程度の深さ付近に判定対象領域の舗装境界面があるとすれば現出すべき縞と前記ビトウィーンホイールパスの舗装境界面があらわれる縞とを対比するとき、両縞が同程度又は所定の差異範囲内の量子化反射波強度である場合は、判定対象のうち当該連続縞があらわれる領域は再舗装を要する損傷部位と特定される領域でないと判定するのも好ましい。図10(c)BWP舗装断面画像では、走路方向端から端まで深さ0.2メートルに黒い縞が観察され、舗装境界に異変がないことがわかる。舗装上面写真からもBWPに特に異変は観察されていない。
OWPの深さ0.2メートルに着目、OWP舗装断面画像で舗装境界深さを観察するとこちらは、走路方向端から端まで深さ0.2メートルにはっきりとした黒い縞は観察されない。図中右端部、測距位置127−135付近にぼんやりと黒い縞が観察されるが、BWPをみると同じ測距位置127−135付近では、よりはっきりと縞が観察され、OWPとの差があり、BWPとの対比で異変がないともいえない。以上からOWPは対象面全長にわたり損傷部位があるものと判定される(図10(a)舗装上面図で矩形2と表示)。
ビトウィーンホイールパスの舗装断面上で前記反射波濃淡断面像に舗装境界面があらわれる走行方向の縞の濃淡、連続長と舗装面からの深さを走路方向の舗装断面上の量子化反射波濃淡像で特定し、ここで特定された縞によって前記ビトウィーンホイールパスの舗装境界面深さを特定し、当該深さと同程度の深さ付近の判定対象領域に舗装境界面があるとすれば現出すべき縞が現出しない又は現出しても前記ビトウィーンホイールパスの舗装境界面があらわれる縞とを対比するとき、前記ビトウィーンホイールパスの舗装断面上にあらわれる縞と判定対象にあらわれる縞とは互いに別の舗装形成組織からなることを推認する程の所定の差異が認識されると観察されるとき、判定対象のうち舗装断面上の反射波濃淡断面像に当該縞が現出しない又は当該縞が現出してもその差異は大として、再舗装を要する損傷部位と特定するのも好ましい。 深さ0.2メートルに着目、OWP舗装断面画像で舗装境界深さを観察するとこちらは、走路方向端から端まで深さ0.2メートルにはっきりとした黒い縞は観察されない。図中右端部、測距位置127−135付近にぼんやりと黒い縞が観察されるが、BWPをみると同じ測距位置127−135付近では、よりはっきりと縞が観察され、OWPとの差があり、BWPとの対比で異変あると観察される。したがって、OWPは全長にわたり損傷部位があるものと判定される。(図10(a)舗装上面図で矩形2と表示)。
必ずしも、舗装境界面のみによらず、判定に資する中間境界面がある舗装であれば、当該中間層の境界面で縞の存否、現出の観察から判定してもよく、二つの走路のうちの一つの基準走路としての前記ビトウィーンホイールパスの舗装境界面が舗装断面上の反射波濃淡断面像に走行方向に連続縞を現出し、もう一方の判定対象走路の舗装境界面が舗装断面上に走行方向に連続縞を現出し、両舗装断面上に舗装表面から同じ程度の深度にあらわれると判別される両連続縞の対比によって、判定対象走路の再舗装を要する損傷部位を特定してもよい。
オプションとして、第4のステップBWP舗装断面画像と同一測距データ範囲の判定対象のIWP舗装断面像を舗装断面上に段階的反射波濃淡断面像としてあらわれるステップを加えてもよい。本発明の一実施形態に係る実施例である図10(b)IWP舗装断面画像を参照し説明する。図10(c)BWP舗装断面画像では、走路方向端から端まで深さ0.2メートルに黒い縞が観察され、舗装境界に異変がないことがわかる。舗装上面写真からもBWPに特に異変は観察されていない。深さ0.2メートルに着目、IWP舗装断面画像で舗装境界深さを観察すると測距位置100−115付近までIWPでは縞が観察されないが116−123まで縞が観察され、122.5から124にかけて縞が間欠的に消失しているのが観察される。したがって、測距位置100−115は舗装境界が崩れる程内部損傷しているものと判定され(図10(a)舗装上面図で矩形1と表示)、116−123は縞の特定によって損傷していないものと判定される。そして、124−135は縞が消失しているので、損傷部位と特定される(図10(a)舗装上面図で矩形3と表示)。
さらに、当該判定対象区域Uの評価が完了したならば、次の判定対象区域Uを手動又は自動で選定して、調査対象領域における未判定領域を逐次診断する。
前述の探査車10と同様のシステムにより、既存道路の試験調査を実施した。レーダーシステムkは、周波数帯域:300MHz〜2.5GHz、最大探査速度:60km/h、探査深度:0.5m、センサ間隔:10cm、測線数:20測線、探査幅:200cmのものを使用した。
上述の一実施形態で判定された舗装面を採取コアによって検証し発明の目的を達成する効果を得たことを検証した。
図11実施例の採取コアの採取地点を示す写真である。図10(a)舗装上面で、損傷部位領域と判定されたOWP上にマークを付した○印地点で採取した。(図10(a)舗装上面図で矩形2と表示する損傷領域に属する)図12は実施例の採取コアの写真である。図13は実施例の採取コア説明模式図板の写真である。図12は実施例の採取コアから舗装内舗装境界まで、解析のとおり亀裂が発生していることが検証された。図14実施例の舗装面下マイナス10cm切削面の写真である。OWPの全長にわたりき裂が発生していることが検証された。従来はこの切削を繰り返し舗装境界まで再舗装が必要かという工事時に現地調査が必要であったが、このような作業は不要としてよい。
内部損傷箇所を、非破壊で特定する解析作業時間は、従来の水平断面画像による場合の1/10以下であった。
<その他>
(イ)評価対象の舗装は、特に限定されないが、路盤上にアスファルト合材からなる路盤被覆層(基層・表層)が設けられたアスファルト舗装、路盤被覆層がセメントコンクリートからなるコンクリート舗装が好適であり、特に排水性舗装、オーバーレイ補修された舗装、表層打換えされた舗装が好適である。
(ロ)内部損傷とは、内部にのみ存在し、表面に露出していないひび割れ、層間剥離、滞水部分の他、表面に露出しているが内部まで延在しているひび割れや、ポットホール、パッチング、局部打ち換え部分等を含む。
本発明は、道路の維持・管理等に際して、アスファルト舗装等の舗装におけるひび割れ等の内部損傷箇所を、非破壊で調査するために利用できるものである。
k…電磁波レーダーシステム、a…センサ、10…探査車、11…光学式距離計、12…カメラ、13…GPS装置、14…データ処理装置、15…制御装置、R…舗装表面(路面)、U…判定対象区域、40…反射波検出位置、50…反射波、51…舗装表面におけるピーク、52…舗装境界面におけるピーク、52…反射波強度の代表値、60…被覆層、61…内部損傷、65…路盤、70…包絡線、71…強度上限値、80…可視化画像、81…画素、S…フローチャート、S1…第1のステップ、S2…第2のステップ、S3…第3のステップ、S4…第4のステップ、S5…第5のステップ、S6…第6のステップ

Claims (5)

  1. 舗装内部の損傷を診断する舗装の損傷診断方法であって、電磁波レーダーを用い、走路の移動過程で、路面に沿う方向に路幅方向に所定の間隔を空けて、舗装上から舗装内へ電磁波を深さ方向に入射させるとともにその反射波を舗装上で検出することにより、各反射波検出位置における時系列反射波強度データを取得し、
    基準点からの前記走路での移動測距データと照合の上、当該反射波強度走査データとして所定の標本化処理、所定の量子化処理をすることによって前記走路方向に沿う舗装断面上段階的反射波濃淡断面像を得るとともに
    対象の損傷診断走路を二つの走路とし、一方の走路はビトウィーンホイールパスとし、他方の走路はアウターホイールパス又はインナーホイールパスのいずれかとし、
    前記二つの走路の走路方向に沿う舗装断面上の前記反射波濃淡断面像のうち、前記一方の走路の反射波濃淡断面像を基準舗装断面像とし、他方の走路の反射波濃淡断面像を判定舗装断面像とし、
    前記基準舗装断面像から舗装境界を特定し、前記舗装境界付近における同一の前記移動測距データ範囲の前記判定舗装断面像と前記基準舗装断面像との対比観察によって、舗装の内部損傷箇所を特定することを特徴とする舗装の損傷診断方法。
  2. 前記判定舗装断面像に基づき舗装境界を特定する請求項1に記載の方法。
  3. 前記一方の走路の反射波濃淡断面像における縞の濃淡、縞の連続長及び縞の舗装面からの深さに基づき縞を特定し、
    ここで特定された縞によって前記一方の走路の舗装境界面深さを特定し、
    当該深さと同程度の深さ付近に対応する、前記他方の走路の深さに得られる縞と前記一方の走路の舗装境界に得られる縞とを対比し、これらの両縞が同程度又は所定の差異範囲内の反射波強度である場合は、舗装の内部損傷箇所と特定される領域でないと特定する請求項1に記載の方法。
  4. 前記同一の前記移動測距データ範囲において、前記基準舗装断面像に前記舗装境界付近における走行方向の連続縞があらわれ、かつ、前記判定舗装断面像に前記舗装境界付近における走行方向の連続縞があらわれるとき、両連続縞の対比によって舗装の内部損傷箇所と特定する請求項1に記載の方法。
  5. 前記同一の前記移動測距データ範囲において、前記基準舗装断面像での前記舗装境界付近における縞と、前記判定舗装断面像での前記舗装境界付近に対応する、前記他方の走路の深さの部位とを対比し、
    ア 前記判定舗装断面像に縞があらわれないとき、及び
    イ 前記判定舗装断面像に縞があれらわれても、互いに別の舗装形成組織からなることを推認できる程の所定の差異が観察されるとき、
    舗装の内部損傷箇所と特定する請求項1に記載の方法。
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