JP2012181301A - フィルムミラーの製造方法、フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置 - Google Patents

フィルムミラーの製造方法、フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】軽量で柔軟性があり、耐候性に優れ、長期間にわたり屋外設置された後であっても正反射率の低下や洗浄時の膜はがれが生じることなく、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラー及びフィルムミラーの製造方法と、そのフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置を実現する。
【解決手段】フィルム基材(第1の樹脂基材1)に銀反射層3が設けられたフィルムミラー(10a、10b)であって、銀反射層3が形成される下地樹脂層2と、銀錯体化合物を含んだ塗布液との少なくとも一方に還元剤を含有させ、その下地樹脂層2に塗布液を塗布して塗膜を形成する工程と、その塗膜を加熱焼成して銀反射層3を形成する工程とを経て、フィルムミラー(10a、10b)を製造することとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムミラーの製造方法、フィルムミラー及びそのフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置に関する。
近年、石油、天然ガス等の化石燃料エネルギーに代わるエネルギーとして、バイオマスエネルギー、核エネルギー、風力エネルギー、太陽エネルギー等の利用が検討されている。なかでも、化石燃料の代替エネルギーとして最も安定しており且つ量の多い自然エネルギーは、太陽エネルギーであると考えられる。
しかしながら、太陽エネルギーは非常に有力な代替エネルギーであるものの、これを活用する観点からは、太陽エネルギーのエネルギー密度が低いこと、並びに太陽エネルギーの貯蔵及び移送が困難であることが問題となると考えられる。
そこで、太陽エネルギーのエネルギー密度が低いという問題に対して、砂漠などに設置した巨大な反射装置で太陽エネルギーを集めることによって解決することが提案されている。
反射装置は、太陽光による紫外線や熱、風雨、砂嵐などに晒されるため、従来、ガラス製ミラーが用いられてきた。ガラス製ミラーは環境に対する耐久性が高い反面、輸送時などに破損してしまうことがあることや、その重量が重いミラーを設置する架台を強化する必要があることなどのため、プラントの建設費がかさむといった問題があった。
上記問題を解決するために、ガラス製ミラーを樹脂製反射シートやフィルムミラーに置き換えることが考えられてきた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、樹脂製反射シートに金属反射層を形成する手法としては、蒸着法のような生産性の低い真空プロセスの他には、実用上適用できるプロセスがこれまで無かった。
また、生産性が高いウェットプロセスが適用可能な銀反射層の成膜プロセスとして、銀ナノ粒子を含む銀インクをインクジェット法などによって塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、銀ナノ粒子を含む銀インクを塗布する方法では、成膜時に少なくとも150℃以上、時には250℃程度の焼成温度が必要になるうえ、さらに成膜後にも銀ナノ粒子周辺に有機成分が残存するために長期間紫外線に晒されることで、銀反射層が黄色に変色し変質してしまうなどの問題があった。
この問題に対し、銀インクとして有機溶媒と銀錯体の混合液を用いることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法においては、銀錯体インクを基材に成膜した後に加熱することで、有機成分が分解・揮発し、銀反射層中に有機成分が残存しないことから、紫外線照射などによる銀反射層の黄色変化といった問題が生じにくいというメリットがある。さらに、銀錯体インクの塗布膜からなる銀反射層に隣接する上層に還元剤を含有する樹脂層を設けることで銀の析出を促進し、反射率の向上を図っている。
しかしながら、これまでの銀錯体インクを用いる方法では、銀錯体インクを下地樹脂層に塗布して形成した銀反射層の下地樹脂層側が淡黄色や黒色に変色してしまい、良好な銀鏡面を得ることはできなかった。また、太陽熱発電用フィルムミラーのように、過酷な屋外環境下でこれまでの銀錯体インクを用いる方法で作製したフィルムミラーを使用すると、銀反射層を透過した紫外光(特にUV−B)が銀反射層の下地樹脂層側の変色した変質部分を劣化させ、その劣化に伴い銀反射層の腐食や変形が進行し、延いてはフィルムミラーの正反射率が低下してしまうという問題があった。
また、フィルムミラーを屋外に設置した場合、付着した汚れによる反射率低下を抑制するために定期的にブラシや水を用いた表面の清掃作業を行うが、前記した銀反射層の劣化や腐食は、清掃作業時のブラッシングによって銀反射層と下地樹脂層との界面剥離を引き起こす原因となっていた。
さらに、特許文献3の方法では銀反射層の下地樹脂層側が淡黄色や黒色に変色してしまうため、平面性のより高い下地樹脂層と銀反射層との界面で入射光を反射させる裏面鏡構成のフィルムミラーを製造することができなかった。このため、高い平面性を得ることができない銀反射層における下地樹脂層とは反対側の面で光を反射させる表面鏡構成のフィルムミラーしか製造することができなかった。
特開2005−59382号公報 特開2004−273205号公報 特表2009−535661号公報
そこで、本発明の主な目的は、耐候性に優れて長期間にわたり屋外設置されても反射層の変色に起因する正反射率低下を起こすことなく、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラー及びフィルムミラーの製造方法と、そのフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
すなわち、本発明の一の態様は、
フィルム基材に反射層が設けられたフィルムミラーを製造するフィルムミラーの製造方法であって、
前記反射層が形成される下地層と、銀錯体化合物を含んだ塗布液との少なくとも一方に還元剤を含有させ、
前記下地層に前記塗布液を塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜を加熱焼成して前記反射層を形成する工程と、を有することを特徴としている。
好ましくは、前記反射層における前記下地層と接する面に光反射面を形成する。
好ましくは、前記還元剤は、有機化合物である。
好ましくは、前記反射層の光入射側に、UV吸収剤を含有した樹脂層を形成する。
好ましくは、前記反射層に隣接する層の少なくとも一方に腐食防止剤を含有した樹脂層を形成する。
また、本発明の他の態様は、
フィルム基材に反射層が設けられたフィルムミラーであって、
前記反射層と、前記反射層が形成されている下地層の少なくとも一方が還元剤を含有し、
前記反射層が、銀錯体化合物を含有していることを特徴としている。
好ましくは、前記反射層における前記下地層と接する面が光反射面として形成されている。
好ましくは、前記銀錯体化合物は、銀化合物がアンモニウムカルバメート系化合物またはアンモニウムカーボネート系化合物と反応して得られる銀錯体化合物である。
好ましくは、前記反射層の光入射側に、UV吸収剤を含有した樹脂層を備えている。
好ましくは、前記反射層に隣接する層の少なくとも一方に腐食防止剤を含有した樹脂層を備えている。
そして、本発明の太陽熱発電用反射装置は、上記フィルムミラーの製造方法によって得られたフィルムミラーまたは上記フィルムミラーを、支持体に貼り付けて形成したことを特徴としている。
本発明によれば、長期にわたり屋外環境下に晒されても反射層が変色することはなく、また洗浄作業等による応力を与えても反射層との界面に剥離が生じにくいので、耐候性に優れ、高い正反射率を長期間にわたり維持することが可能なフィルムミラー及びフィルムミラーの製造方法と、そのフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置を提供することができる。
本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの好ましい構成例を示す概略断面図である。 本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの好ましい構成例を示す概略断面図である。
筆者らの鋭意検討の結果、銀錯体化合物を用いて形成した銀反射層(反射層)を有するフィルムミラーを屋外環境に暴露した際に銀反射層が劣化する現象は、長期間屋外暴露して使用する太陽熱発電用のフィルムミラーに特有な現象であり、銀反射層の下地樹脂層側に還元されずに残留してしまった銀錯体が、銀を透過するUV−B領域の光により劣化してしまうことが原因であることがわかった。
そして、銀反射層の劣化現象に関し、下地樹脂層または銀錯体化合物を含んだ塗布液のいずれかに還元剤を含有させ、下地樹脂層に銀錯体化合物を含む溶液を塗布する工程と、その溶液が塗布されてなる塗膜を加熱焼成することで銀反射層を形成する工程とによってフィルムミラーを製造することにより解決できることがわかった。
さらに、本発明により得られるフィルムミラーは、銀反射層の下地樹脂層側が高反射率の銀鏡面となり、平面性のより高い下地樹脂層と銀反射層の界面で光を反射させる裏面鏡構成のフィルムミラーとすることができることがわかった。
これは、下地樹脂層と、銀錯体化合物を含んだ塗布液との少なくとも一方(より好ましくは両方)に還元剤を含有させることで、比較的還元されにくい下地樹脂層側の銀錯体も完全に銀に還元させることができ、UV−Bにより劣化しやすい銀錯体が銀反射層中に残留してしまうことを抑制できたためであると考えられる。
以下、本発明に係る太陽熱発電用フィルムミラーについて詳細について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
(1)太陽熱発電用フィルムミラーの構成概要
本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの構成を、図1、図2、図3、図4を用いて説明する。
図1は、本発明のフィルムミラーを表面鏡構成とする場合の最も基本的な層構成を示している。
フィルムミラー10cは、図1に示すように、第1の樹脂基材1と、下地樹脂層2と、銀反射層3とを備えている。
このフィルムミラー10cは、銀反射層3が形成される下地樹脂層2と、銀錯体化合物を含んだ塗布液との少なくとも一方に還元剤を含有させ、下地樹脂層2に塗布液を塗布して塗膜を形成した後、その塗膜を加熱焼成して銀反射層3を形成することで製造することができる。
なお、表面鏡構成とは、下地樹脂層2の上に銀錯体化合物を含む溶液を塗布して焼成させることで得られる銀反射層3における下地樹脂層2とは反対側の面で光を反射させる構成である。銀反射層3を塗布・焼成により形成した表面鏡構成の場合、銀反射層3の光反射面に高い平面性を持たせることができず、若干反射率が劣ることがある。
図2は、本発明のフィルムミラーを裏面鏡構成とする場合の最も基本的な層構成を示している。
フィルムミラー10dは、図2に示すように、第1の樹脂基材1と、下地樹脂層2と、銀反射層3とを備えている。
このフィルムミラー10dは、銀反射層3が形成される下地樹脂層2と、銀錯体化合物を含んだ塗布液との少なくとも一方に還元剤を含有させ、下地樹脂層2に塗布液を塗布して塗膜を形成した後、その塗膜を加熱焼成して銀反射層3を形成することで製造することができる。
なお、裏面鏡構成とは、下地樹脂層2の上に銀錯体化合物を含む溶液を塗布して焼成させることで得られる銀反射層3における下地樹脂層2側の面で光を反射させる構成である。銀反射層3を塗布・焼成により形成した裏面鏡構成の場合、銀反射層3における下地樹脂層2側の光反射面に高い平面性を持たせることが容易であり、より高い反射率を得ることができるという特徴がある。これは、下地樹脂層2の表面に高い平滑性を持たせることが容易であるため、銀反射層3の光反射面を平滑性よく形成できることによる。
このようにフィルムミラー10dは、フィルムミラー10cを表裏逆転させたものである。
図3は、本発明のフィルムミラーを表面鏡構成とする場合のより好ましい層構成を示している。
フィルムミラー10aは、図3に示すように、第1の樹脂基材1と、下地樹脂層2と、銀反射層3と、上塗り層4と、接着層5と、第2の樹脂基材6と、ハードコート層7を備えている。
このフィルムミラー10aは、図1に示すフィルムミラー10cの銀反射層3上に、上塗り層4、接着層5、第2の樹脂基材6、ハードコート層7を積層することで製造することができる。
そして、フィルムミラー10aの第1の樹脂基材1側を、粘着層8を介して支持体9に貼り付けることで、太陽熱発電用反射装置20aとして使用することができる。つまり、フィルムミラー10aのハードコート層7側が光入射面(光反射面)となる。
図4は、本発明のフィルムミラーを裏面鏡構成とする場合の最も好ましい層構成を示している。
フィルムミラー10bは、図4に示すように、第1の樹脂基材1と、下地樹脂層2と、銀反射層3と、上塗り層4と、ハードコート層7を備えている。
このフィルムミラー10bは、図2に示すフィルムミラー10dの銀反射層3に、上塗り層4を積層し、第1の樹脂基材1上にハードコート層7を積層することで製造することができる。
そして、フィルムミラー10bの上塗り層4側を、粘着層8を介して支持体9に貼り付けることで、太陽熱発電用反射装置20bとして使用することができる。つまり、フィルムミラー10bのハードコート層7側が光入射面(光反射面)となる。
なお、上記したフィルムミラー10a、10b、10c、10dにおいて、銀反射層3が形成される下地樹脂層2と、銀錯体化合物を含んだ塗布液との少なくとも一方に還元剤を含有させるとしたが、下地樹脂層2ではなく第1の樹脂基材1に還元剤を含有させるようにしてもよい。
第1の樹脂基材1が還元剤を含有するのであれば、下地樹脂層2は必ずしも必要ではなく、第1の樹脂基材1が下地樹脂層2の機能を兼ね備えるようになっている。つまり、第1の樹脂基材1と下地樹脂層2が、本発明のフィルムミラーの下地層として機能する。
(2)第1の樹脂基材
本発明に係るフィルムミラーに用いられるフィルム基材である第1の樹脂基材1としては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。
第1の樹脂基材1が銀反射層3よりも光入射側となる裏面鏡構成の場合(例えば、フィルムミラー10bの場合)、第1の樹脂基材1として、特にアクリルフィルムを用いることが好ましく、更に好ましくはUV吸収剤を含有したアクリルフィルムを用いることが好ましい。
また、第1の樹脂基材1が銀反射層3の光入射側とは反対側に位置する表面鏡構成の場合(例えば、フィルムミラー10aの場合)、第1の樹脂基材1として、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルムを用いることが好ましく、特に、ポリエステル系フィルム、セルロースエステル系フィルムを用いることが好ましい。
この第1の樹脂基材1は、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
第1の樹脂基材1の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的には10〜300μmの範囲内である。好ましくは20〜200μm、さらに好ましくは30〜100μmである。
(2−1)UV吸収剤
第1の樹脂基材1が銀反射層3よりも光入射側となる裏面鏡構成の場合(例えば、フィルムミラー10bの場合)、第1の樹脂基材1はUV吸収剤を含有した樹脂層であることが好ましい。また、第1の樹脂基材1が銀反射層3の光入射側とは反対側に位置する表面鏡構成の場合(例えば、フィルムミラー10aの場合)、後述する第2の樹脂基材6がUV吸収剤を含有した樹脂層であることが好ましい。
(2−1−1)無機UV吸収剤
本発明における無機UV吸収剤とは、主には金属酸化物顔料であり、アクリル樹脂に20質量%以上の濃度で分散させて、6μm厚のフィルムを形成し、UV−B域(290〜320nm)における光線透過率を10%以下にする機能を備えた化合物である。
本発明に適用可能な無機UV吸収剤としては、特に、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウムが好ましく、またはこれらの混合物から選択されることが好ましい。
また、本発明における無機UV吸収剤は、屈折率が2.4以下であることが好ましい。屈折率が2.4よりも大きい無機UV吸収剤では乱反射が大きく、UV吸収層としての樹脂層の透明度の低下及び正反射率の低下を引き起こすため、太陽熱発電用フィルムミラーに用いるUV吸収剤として好ましくない。
また、無機UV吸収剤を含有する樹脂層の透明性を向上させる点から、平均粒径が5nmと500nmとの間の平均基本粒子径であるものが好ましく、特に好ましくは10nmと100nmとの間の平均基本粒子径であって、粒径分布の最大粒径が150nm以下の金属酸化物粒子である。この種の被覆または非被覆金属酸化物顔料は、より詳細に、特許出願「EP−A−0 518 773」(欧州特許)に記載されている。
また、本発明においては、無機酸化物の光触媒能による隣接樹脂の酸化劣化作用を抑える観点から、無機UV吸収剤を表面被覆したものの平均粒径が、10nm以上、100nm以下の無機UV吸収剤微粒子であることが好ましい。また、無機UV吸収剤を表面被覆することによって無機UV吸収剤粒子の分散性を向上させる効果もあるため、なお好ましい。ここでいう表面被覆された無機UV吸収剤とは、アミノ酸、蜜蝋、脂肪酸、脂肪アルコール、陰イオン界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはアルミニウム塩、金属アルコキシド(チタンまたはアルミニウムの)、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物あるいはヘキサメタリン酸ナトリウムのような化合物により、化学的、電子工学的、メカノケミストリー的または機械的な特質の1つまたは複数の手段により表面処理を受けた無機UV吸収剤である。
無機UV吸収剤を単独で用いる場合の使用量は、UV吸収層の全質量に対し1〜30質量%、好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは15〜20質量%である。30質量%よりも多いと密着性が悪くなり、1質量%より少ないと耐候性改良効果が小さい。
また、無機UV吸収剤を後述する有機UV吸収剤と併用して用いる場合、UV吸収層の全質量に対し、無機UV吸収剤の使用量は3〜20質量%、好ましくは5〜10質量%であり、有機UV吸収剤の使用量は0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%である。このような使用量の範囲で無機UV吸収剤と有機UV吸収剤とを併用すると、UV吸収層の透明度は高く、耐侯性も良好となる。
(2−1−2)有機UV吸収剤
本発明に適用可能な有機UV吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、ヒンダードアミン系、トリアジン系等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
有機UV吸収剤としては、上記以外に紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物が含まれる。更には、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用で効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。但し、上記の有機UV吸収剤を使用する場合は、有機UV吸収剤の光吸収波長が、光重合開始剤の有効波長と重ならないものを選択する必要がある。
通常の有機UV吸収剤を使用する場合は、可視光でラジカルを発生する光重合開始剤を使用することが有効である。
有機UV吸収剤の使用量は、UV吸収層の全質量に対し0.1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。20質量%よりも多いと密着性が悪くなり、0.1質量%より少ないと耐候性改良効果が小さい。
(3)下地樹脂層
本発明における下地樹脂層2は、樹脂塗布膜または樹脂基材の樹脂材料からなり、銀反射層3を形成するための銀錯体化合物含有溶液を塗布する際に下地となる層である。また、本発明の場合、下地樹脂層2と、銀錯体化合物を含む塗布液との少なくとも一方(より好ましくは両方)に、銀錯体化合物の還元を促進する還元剤を含有する必要がある。
(3−1)還元剤
還元剤とは、ルイス酸または弱いブレンステッド酸(bronsted acid)のことを指し、銀錯体化合物が銀となる反応を促進させる作用を有する。
有機系の還元剤としては、例えば、ヒドラジン、アセティックヒドラジド、クエン酸三ナトリウム、そしてメチルジエタノールアミン、ジメチルアミンボラン(dimethylamine borane)のようなアミン化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドのようなアルデヒド化合物、グルコース、アスコルビン酸、サリチル酸、タンニン酸(tannic acid)、ピロガロール(pyrogallol)、ヒドロキノンのような有機化合物などが挙げられる。
無機系の還元剤としては、例えば、ナトリウム、または水酸化ホウ素カリウム、塩化第一鉄、硫酸鉄のような金属塩、水素、ヨウ化水素、一酸化炭素などの無機化合物が挙げられる。
これらの還元剤のうち、成膜性の良さから有機物からなる還元剤を用いることが好ましい。
(3−2)樹脂材料
下地樹脂層2に用いる樹脂材料は、銀反射層3との密着性がよい樹脂塗布膜または樹脂基材からなる。
また、下地樹脂層2に用いる樹脂材料は、銀錯体化合物溶液を塗布して成膜した塗膜を加熱焼成する際の熱に耐え、銀反射層3が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性が必要である。
本発明に適用可能な樹脂塗布膜の具体例としては、上記の密着性、耐熱性、平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用できる。耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。なお、下地樹脂層2とする樹脂塗布膜の厚さは、0.01〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
また、樹脂材料として樹脂基材を用いる場合、上記の密着性、耐熱性、平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。平滑性および密着性の観点からは、アクリルフィルムまたはポリエステルフィルムを好ましく用いることができる。なお、下地樹脂層2とする樹脂基材の厚さは、20〜120μmが好ましく、より好ましくは50〜100μmである。
(4)銀反射層
本発明における銀反射層3は、銀錯体化合物を含む塗布液を用いて下地樹脂層2上に塗膜を形成し、その塗膜を加熱焼成することによって銀反射層3が形成される。また、本発明の場合、下地樹脂層2と、銀錯体化合物を含む塗布液との少なくとも一方(より好ましくは両方)に、銀錯体化合物の還元を促進する還元剤を含有する必要がある。この銀反射層3形成用の塗布液に含有させる還元剤としては、前述した「下地樹脂層」で例示したものを挙げることができる。
銀錯体化合物含有溶液を用いて塗膜を形成する方法としては、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
銀反射層3の厚さは、反射率等の観点から、10〜200nmが好ましく、より好ましくは30〜150nmである。
銀錯体化合物としては、例えば、公知である特表2009−535661号公報、特表2010−500475号公報等に記載されており、下記の一般式(1)で表される銀化合物と、下記の一般式(2)〜(4)で表されるアンモニウムカルバメート系化合物またはアンモニウムカーボネート系化合物とを反応して得られる銀錯体化合物であることが好ましい。
また、本発明の銀錯体化合物は銀コーティング液組成物に含まれ、これを塗布することによって下地樹脂層2上に銀錯体化合物を含む塗膜が形成される。
AgX ・・・(1)
Figure 2012181301
(一般式(1)〜(4)において、Xは、酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセチルアセトネート、カルボキシレート、及びこれらの誘導体から選択される置換基である。nは、1〜4の整数であって、R〜Rは、互いに独立して、水素、C1〜C30の脂肪族や脂環族アルキル基、アリール基またはアラルキル(aralkyl)基、官能基が置換されたアルキル及びアリール基、ヘテロ環化合物基と高分子化合物及びその誘導体から選択される置換基である。)
一般式(1)の具体例としては、例えば、酸化銀、チオシアネート化銀、硫化銀、塩化銀、シアン化銀、シアネート化銀、炭酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、硫酸銀、燐酸銀、過塩素酸銀、四フッ素ボレート化銀、アセチルアセトネート化銀、酢酸銀、乳酸銀、シュウ酸銀及びその誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、一般式(2)〜(4)において、R〜Rの具体例としては、例えば、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリール、ヒドロキシ、メトキシ、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、メトキシプロピル、シアノエチル、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、カルボキシメチル、トリメトキシシリルプロピル、トリエトキシシリルプロピル、フェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、フェノキシ、トリル、ベンジル及びその誘導体、そしてポリアリールアミンやポリエチレンアミンのような高分子化合物及びこれらの誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)〜(4)の化合物の具体例としては、例えば、アンモニウムカルバメート(ammonium carbamate)、アンモニウムカーボネート(ammoniumcarbonate)、アンモニウムバイカーボネート(ammonium bicarbonate)、エチルアンモニウム エチルカルバメート、イソプロピルアンモニウムイソプロピルカルバメート、n−ブチルアンモニウム n−ブチルカルバメート、イソブチルアンモニウム イソブチルカルバメート、t−ブチルアンモニウム t−ブチルカルバメート、2−エチルヘキシルアンモニウム 2−エチルヘキシルカルバメート、2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルカルバメート、オクタデシルアンモニウム オクタデシルカルバメート、2−メトキシエチルアンモニウム 2−メトキシエチルカルバメート、2−シアノエチルアンモニウム 2−シアノエチルカルバメート、ジブチルアンモニウム ジブチルカルバメート、ジオクタデシルアンモニウムジオクタデシルカルバメート、メチルデシルアンモニウム メチルデシルカルバメート、ヘキサメチレンイミンアンモニウム ヘキサメチレンイミンカルバメート、モルホリニウム モルホリンカルバメート、ピリジウムエチルヘキシルカルバメート、トリエチレンジアミニウム イソプロピルバイカルバメート、ベンジルアンモニウム ベンジルカルバメート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウム トリエトキシシリルプロピルカルバメート、エチルアンモニウム エチルカーボネート、イソプロピルアンモニウム イソプロピルカーボネート、イソプロピルアンモニウム バイカーボネート、n−ブチルアンモニウム n−ブチルカーボネート、イソブチルアンモニウム イソブチルカーボネート、t−ブチルアンモニウム t−ブチルカーボネート、t−ブチルアンモニウム バイカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウム 2−エチルヘキシルカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウム バイカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウム 2−メトキシエチルカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウム バイカーボネート、2−シアノエチルアンモニウム 2−シアノエチルカーボネート、2−シアノエチルアンモニウム バイカーボネート、オクタデシルアンモニウム オクタデシルカーボネート、ジブチルアンモニウム ジブチルカーボネート、ジオクタデシルアンモニウム ジオクタデシルカーボネート、ジオクタデシルアンモニウム バイカーボネート、メチルデシルアンモニウム メチルデシルカーボネート、ヘキサメチレンイミンアンモニウム ヘキサメチレンイミンカーボネート、モルホリンアンモニウム モルホリンカーボネート、ベンジルアンモニウム ベンジルカーボネート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウム トリエトキシシリルプロピルカーボネート、ピリジウム バイカーボネート、トリエチレンジアミニウム イソプロピルカーボネート、トリエチレンジアミニウム バイカーボネート及びその誘導体から選択される1種又は2種以上の混合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、上記のアンモニウムカルバメート系化合物またはアンモニウムカーボネート系化合物の種類及び製造方法は、特に制限する必要はない。例えば、「米国特許第4,542,214号明細書」では、第1アミン、第2アミン、第3アミン、または少なくとも1つ以上のこれらの混合物と二酸化炭素からアンモニウムカルバメート系化合物が製造できると記述しており、前記アミン1モル当り水0.5モルをさらに添加すると、アンモニウムカーボネート系化合物が得られて、水1モル以上を添加する場合は、アンモニウムバイカーボネート系化合物を得ることができる。この際、常圧または加圧状態で特別な溶媒を使用せずに直接製造するか、溶媒を使用する場合、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類、エチレングリコール、グリセリンのようなグリコール類、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテートのようなアセテート類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、アセトンのようなケトン類、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素系、ベンゼン、トルエンのような芳香族、そしてクロロホルムやメチレンクロライド、カーボンテトラクロライドのようなハロゲン置換溶媒またはこれらの混合溶媒などを用いて製造することができる。二酸化炭素は、気相状態でバブリング(bubbling)するか、固体相ドライアイスを使用することができ、超臨界(supercritical)状態でも反応に寄与することができる。
本発明で使用されるアンモニウムカルバメート誘導体またはアンモニウムカーボネート誘導体の製造には、上記の方法の他にも、最終物質の構造が同一であれば、公知のいかなる方法を使用してもよい。即ち、製造のための溶媒、反応温度、濃度または触媒などを特に限定する必要はなく、製造収率にも影響しない。
このように製造されたアンモニウムカルバメート系化合物またはアンモニウムカーボネート系化合物と銀化合物とを反応させて、有機銀錯体化合物を製造することができる。例えば、一般式(1)に示したような少なくとも一つ以上の銀化合物と、一般式(2)〜(4)に示したような少なくとも一つ以上のアンモニウムカルバメート誘導体またはアンモニウムカーボネート誘導体及びこれらの混合物を、窒素雰囲気の常圧または加圧状態で、溶媒を使用せずに直接反応させるか、溶媒を使用する場合、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類、エチレングリコール、グリセリンのようなグリコール類、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテートのようなアセテート類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、アセトンのようなケトン類、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素系、ベンゼン、トルエンのような芳香族、そしてクロロホルムやメチレンクロライド、カーボンテトラクロライドのようなハロゲン置換溶媒またはこれらの混合溶媒などを使用して反応させることができる。
本発明で使用される銀錯体化合物の製造には、上記の方法の他に、一般式(1)の銀化合物と一つ以上のアミン化合物とが混合された溶液を製造した後、二酸化炭素を反応させて、銀錯体化合物を製造することもできる。
なお、前述したように、銀錯体化合物は、窒素雰囲気の常圧または加圧状態で、溶媒を使用せずに直接反応させるか、溶媒を使用して反応させることでも製造できる。しかしながら、最終物質の構造が同一であれば、公知の如何なる方法を使用してもよい。即ち、製造のための溶媒、反応温度、濃度または触媒の使用有無などを特に限定する必要はなく、製造収率にも影響しない。
本発明で使用される銀錯体化合物は、特表2008−530001号公報にその製造方法が記載されており、下記の一般式(5)の構造で表される。
Ag[A] ・・・(5)
(一般式(5)において、Aは一般式(2)〜(4)の化合物であり、mは0.5〜1.5である。)
(4−1)添加剤
また、銀反射層3において、高反射、高光沢の反射面を形成するために使用される銀コーティング液組成物(銀錯体化合物含有溶液)は、前記した銀錯体化合物を含み、必要に応じて、溶媒、安定剤、レベリング剤(Leveling agent)、薄膜補助剤、熱分解反応促進剤等の添加剤を含むことができる。
安定剤としては、例えば、第1アミン、第2アミンまたは第3アミンのようなアミン化合物、前記したアンモニウムカルバメート、アンモニウムカーボネート、アンモニウムバイカーボネート系化合物、またはホスフィン(phosphine)、ホスファイ(phosphite)、ホスフェート(phosphate)のようなリン化合物、チオール(thiol)やスルフィド(sulfide)のような硫黄化合物、またこれらの混合物が挙げられる。
アミン化合物としては、具体的に例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミン、n−ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、イソオクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ドコデシルアミン、シクロプロピルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、アリールアミン、ヒドロキシアミン、アンモニウムヒドロキシド、メトキシアミン、2−エタノールアミン、メトキシエチルアミン、2−ヒドロキシプロピルアミン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミン、メトキシプロピルアミン、シアノエチルアミン、エトキシアミン、n−ブトキシアミン、2−ヘキシルオキシアミン、メトキシエトキシエチルアミン、メトキシエトキシエトキシエチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジエタノールアミン、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、2,2−(エチレンジオキシ)ビスエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタル、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アニリン、アニシジン、アミノベンゾニトリル、ベンジルアミン及びその誘導体、そしてポリアリールアミンやポリエチレンイミンのような高分子化合物及びその誘導体などが挙げられる。
アンモニウムカルバメート、アンモニウムカーボネート、アンモニウムバイカーボネート系化合物としては、具体的に例えば、アンモニウムカルバメート(ammonium carbamate)、アンモニウムカーボネート(ammonium carbonate)、アンモニウムバイカーボネート(ammonium bicarbonate)、エチルアンモニウム エチルカルバメート、イソプロピルアンモニウム イソプロピルカルバメート、n−ブチルアンモニウム n−ブチルカルバメート、イソブチルアンモニウム イソブチルカルバメート、t−ブチルアンモニウム t−ブチルカルバメート、2−エチルヘキシルアンモニウム、2−エチルヘキシルカルバメート、オクタデシルアンモニウム オクタデシルカルバメート、2−メトキシエチルアンモニウム 2−メトキシエチルカルバメート、2−シアノエチルアンモニウム 2−シアノエチルカルバメート、ジブチルアンモニウム ジブチルカルバメート、ジオクタデシルアンモニウム ジオクタデシルカルバメート、メチルデシルアンモニウム メチルデシルカルバメート、ヘキサメチレンイミンアンモニウム ヘキサメチレンイミンカルバメート、モルホリニウム モルホリンカルバメート、ピリジウムエチルヘキシルカルバメート、トリエチレンジアミニウム イソプロピルバイカルバメート、ベンジルアンモニウム ベンジルカルバメート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウム トリエトキシシリルプロピルカルバメート、エチルアンモニウム エチルカーボネート、イソプロピルアンモニウム イソプロピルカーボネート、イソプロピルアンモニウム バイカーボネート、n−ブチルアンモニウム n−ブチルカーボネート、イソブチルアンモニウム イソブチルカーボネート、t−ブチルアンモニウム t−ブチルカーボネート、t−ブチルアンモニウム バイカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウム 2−エチルヘキシルカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウム バイカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウム 2−メトキシエチルカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウム バイカーボネート、2−シアノエチルアンモニウム 2−シアノエチルカーボネート、2−シアノエチルアンモニウム バイカーボネート、オクタデシルアンモニウム オクタデシルカーボネート、ジブチルアンモニウム ジブチルカーボネート、ジオクタデシルアンモニウム ジオクタデシルカーボネート、ジオクタデシルアンモニウム バイカーボネート、メチルデシルアンモニウム メチルデシルカーボネート、ヘキサメチレンイミンアンモニウム ヘキサメチレンイミンカーボネート、モルホリンアンモニウム モルホリンカーボネート、ベンジルアンモニウム ベンジルカーボネート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウム トリエトキシシリルプロピルカーボネート、ピリジウム バイカーボネート、トリエチレンジアミニウム イソプロピルカーボネート、トリエチレンジアミニウム バイカーボネート、及びその誘導体などが挙げられる。
リン化合物としては、例えば、一般式RP、(RO)Pまたは(RO)POで表されるリン化合物で挙げられる。ここでRは、炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基を示し、具体的に例えば、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジベンジルホスフェート、トリエチルホスフェートなどが挙げられる。
硫黄化合物としては、具体的に例えば、ブタンチオール、n−ヘキサンチオール、ジエチルスルフィド、テトラヒドロチオフェン、アリールジスルフィド、2−メルカプトベンゾアゾール、テトラヒドロチオフェン、オクチルチオグリコレートなどが挙げられる。
このような安定剤の使用量は、本発明のインク特性に適合する限り、特に制限する必要はない。しかしながら、その含量は、銀錯体化合物に対し、モル比で0.1%〜90%が好ましい。
薄膜補助剤としては、有機酸、有機酸誘導体、またはこれらの混合物が挙げられる。
有機酸としては、具体的に例えば、酢酸、酪酸(Butyric acid)、吉草酸(Valeric acid)、ピバル酸(Pivalic acid)、ヘキサン酸、オクタン酸、2−エチル−ヘキサン酸、ネオデカン酸(Neodecanoicacid)、ラウリン酸(Lauric acid)、ステアリン酸、ナフタル酸などが挙げられる。
有機酸誘導体としては、具体的に例えば、酢酸アンモニウム塩、クエン酸アンモニウム塩、ラウリン酸アンモニウム塩、乳酸アンモニウム塩、マレイン酸アンモニウム塩、シュウ酸アンモニウム塩、モリブデン酸アンモニウム塩などの有機酸アンモニウム塩と、Au、Cu、Zn、Ni、Co、Pd、Pt、Ti、V、Mn、Fe、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Ru、Cd、Ta、Re、Os、Ir、Al、Ga、Ge、In、Sn、Sb、Pb、Bi、Sm、Eu、Ac、Thなどのような金属を含むシュウ酸マンガン、酢酸金、シュウ酸パラジウム、2−エチルヘキサン酸銀、オクタン酸銀、ネオデカン酸銀、ステアリン酸コバルト、ナフタル酸ニッケル、ナフタル酸コバルトなどの有機酸金属塩が挙げられる。
薄膜補助剤の使用量は、特に限定されないが、銀錯体化合物に対して、モル比で0.1〜25%が好ましい。
熱分解反応促進剤としては、具体的に例えば、エタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ヘキサノールアミン、ジメチルエタノールアミンのようなヒドロキシアルキルアミン類、ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、1−アミノ−4メチルピペラジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、モルホリンのようなアミン化合物、アセトンオキシム、ジメチルグリオキシム、2−ブタノンオキシム、2,3−ブタジオンモノオキシムのようなアルキルオキシム類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールのようなグリコール類、メトキシエチルアミン、エトキシエチルアミン、メトキシプロピルアミンのようなアルコキシアルキルアミン類、メトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシエタノールのようなアルコキシアルカノール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、アセトール、ジアセトンアルコールのようなケトンアルコール類、多価フェノール化合物、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ピロール、エチレンジオキシチオフェン(EDOT)のような酸化重合性樹脂などが挙げられる。
なお、銀コーティング液組成物(銀錯体化合物含有溶液)の粘度調節や円滑な薄膜形成のために溶媒が必要な場合があるが、この際使用できる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシプロパノール、ブタノール、エチルヘキシルアルコール、テルピネオールのようなアルコール類、エチレングリコール、グリセリンのようなグリコール類、エチルアセテート、ブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテートのようなアセテート類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドンのようなケトン類、ヘキサン、ヘプタン、ドデカン、パラフィンオイル、ミネラルスピリットのような炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族、そしてクロロホルムやメチレンクロライド、カーボンテトラクロライドのようなハロゲン置換溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、またはこれらの混合溶媒などを挙げることができる。
(5)上塗り層
本発明における上塗り層4は、腐食防止剤のみで形成された層、または腐食防止剤を含有した樹脂からなる層を用いることができるが、腐食防止剤を含有した樹脂層であることが好ましい。具体的には、腐食防止剤を0.01質量%から35質量%含有した樹脂層を用いることが好ましい。また、必要に応じて、上塗り層4に還元剤を添加してもよい。
また、上塗り層4に用いる樹脂は、接着層としての機能を有するものが好ましく、銀反射層3と樹脂基材(樹脂フィルム)との接着性を高める機能があるものであれば特に限定されない。従って、上塗り層4に用いる樹脂は、樹脂基材(例えば、第2の樹脂基材6)と銀反射層3とを密着する密着性や、銀反射層3が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性を有するものであればよい。
上塗り層4には、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂を用いることができ、耐候性の点からポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂であればより好ましい。
イソシアネートは、TDI(トリレンジイソシアネート)系、XDI(キシレンジイソシアネート)系、MDI(メチレンジイソシアネート)系、HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)系等の従来から使用されてきた各種イソシアネートの1種又は2種以上混合したものが使用できる。
また、熱硬化型樹脂に、さらにシランカップリング剤を混合すれば、耐候性がより向上するので好ましい。中でもアミノ基を有するシランカップリング剤を用いれば、耐候性の点から万全である。
この上塗り層4の厚さは、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。厚さが0.01μmより薄いと、銀反射層3との密着性が悪くなり上塗り層4を形成した効果がなく、結果的にはフィルムミラーの耐候性が悪くなってしまうので好ましくない。また、厚さが3μmより厚くても、密着性や耐候性の向上は望めず、かえって塗りムラの発生により平滑性が悪化することや、上塗り層4の硬化が不充分となることがあるので好ましくない。
上塗り層4の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
(5−1)腐食防止剤
銀反射層3の腐食防止を目的として、上塗り層4に添加される腐食防止剤としては、大別して、銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤と、酸化防止剤が好ましく用いられる。なお、銀反射層3の隣接層である下地樹脂層2に腐食防止剤を添加してもよい。
ここで、「腐食」とは、金属(銀)がそれを取り囲む環境物質によって、化学的または電気化学的に浸食されるか、若しくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照)。
本発明に係る太陽熱発電用のフィルムミラーでは、後述する接着層5が酸化防止剤を含有し、かつ銀反射層3の隣接層として、銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤を含有している上塗り層4を腐食防止層として設ける態様であることが好ましい。
なお、腐食防止剤の含有量は、使用する化合物によって最適量は異なるが、一般的には、バインダーとなる樹脂に対して0.01〜35重量%の範囲内であることが好ましい。
(5−1−1)銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤
本発明に適用可能な、銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤としては、例えば、アミン類及びその誘導体、ピロール環を有する化合物、トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系化合物の少なくとも一種またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。
アミン類及びその誘導体としては、例えば、エチルアミン、ラウリルアミン、トリ−n−ブチルアミン、O−トルイジン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アセトアミド、アクリルアミド、ベンズアミド、p−エトキシクリソイジン、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカーバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、シクロヘキシルアミンアクリレート等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ピロール環を有する化合物としては、N−ブチル−2,5−ジメチルピロール,N−フェニル−2,5ジメチルピロール、N−フェニル−3−ホルミル−2,5−ジメチルピロール,N−フェニル−3,4−ジホルミル−2,5−ジメチルピロール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
トリアゾール環を有する化合物としては、例えば、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、3−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,3−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7−テトラハイドロトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ピラゾール環を有する化合物としては、例えば、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ヒドロキシピラゾール、4−アミノピラゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チアゾール環を有する化合物としては、例えば、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、P−ジメチルアミノベンザルロダニン、2−メルカプトベンゾチアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
イミダゾール環を有する化合物としては、例えば、イミダゾール、ヒスチジン、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5ジヒドロキシメチルイミダゾール、4−フォルミルイミダゾール、2−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−フォルミルイミダゾール、4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
インダゾール環を有する化合物としては、例えば、4−クロロインダゾール、4−ニトロインダゾール、5−ニトロインダゾール、4−クロロ−5−ニトロインダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
銅キレート化合物類としては、例えば、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅、エチレンジアミンテトラアセテート銅、ヒドロキシキノリン銅等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チオ尿素類としては、例えば、チオ尿素、グアニルチオ尿素等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
メルカプト基を有する化合物としては、すでに上記に記載した材料も加えれば、例えば、メルカプト酢酸、チオフェノール、1,2−エタンジオール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、グリコールジメルカプトアセテート、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ナフタレン系化合物としては、チオナリド等が挙げられる。
(6)接着層
本発明における接着層5は、上塗り層4と第2の樹脂基材6との接着性を高める機能があるものであれば特に限定はない。従って、接着層5は、上塗り層4と第2の樹脂基材6とを密着する密着性や平滑性が必要である。
接着層5の厚さは、密着性、平滑性、銀反射層3の反射率等の観点から、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
接着層5が樹脂である場合、上記の密着性及び平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂を用いることができる。耐候性の点からはポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂であればより好ましい。この接着層5の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
また、接着層5が金属酸化物である場合、例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化ランタン、窒化ランタン等を各種真空成膜法により成膜したものを用いることができる。この接着層5の形成方法(成膜方法)は、例えば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などが使用できる。
(7)第2の樹脂基材
本発明における第2の樹脂基材6としては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。
第2の樹脂基材6には、特にアクリルフィルムを用いるのが好ましく、更に好ましくはUV吸収剤を含有したアクリルフィルムを用いるのが好ましい。具体的に、第2の樹脂基材6が銀反射層3よりも光入射側となる表面鏡構成の場合(例えば、フィルムミラー10aの場合)、第2の樹脂基材2として、特にアクリルフィルムを用いることが好ましく、更に好ましくはUV吸収剤を含有したアクリルフィルムを用いることが好ましい。UV吸収剤の具体例としては、前述した「第1の樹脂基材」で例示したものを挙げることができる。この第2の樹脂基材6は、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
第2の樹脂基材6の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的には10〜300μmの範囲内である。好ましくは20〜200μm、さらに好ましくは30〜100μmである。
(8)ハードコート層
本発明におけるハードコート層7は、フィルムミラーの最表面層として設けられている。例えば、図3に示すフィルムミラー10aでは、ハードコート層7が第2の樹脂機材6上に積層されて最表面に設けられている。また、図4に示すフィルムミラー10bでは、ハードコート層7が第1の樹脂機材1上に積層されて最表面に設けられている。
ハードコート層7は、フィルムミラーの表面に傷や汚れが付くことを防止する他、UV吸収剤を高効率かつ長期にわたり機能させるよう担持するために設けられている。
このハードコート層7は、バインダーとして、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂等を用い、UV硬化または熱硬化で形成することができる。
本発明においては、ハードコート層7に有機材料または無機材料からなるUV吸収剤を含有させることができる。また、必要に応じて、光増感剤、光重合開始剤、熱重合開始剤あるいは改質剤等を含有させるようにしてもよい。
(8−1)UV硬化型ハードコート
UV硬化型ハードコートとは、UV照射工程により樹脂を硬化させてなるハードコートである。UV照射工程とは、高圧水銀ランプ等を用いて80mj以上のエネルギー(紫外線)を照射することをいう。UV硬化性樹脂としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、多官能ウレタン化(メタ)アクリレート等を主成分とする(メタ)アクリレート系樹脂などが例示される。ここで、多官能ウレタン化(メタ)アクリレートとは、例えば、イソホロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートのような、分子内に少なくとも2個のイソシアナト基(−NCO)を有するポリイソシアネートに、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートやペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのような、分子内に1個の水酸基および少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加反応させて得られる、ウレタン結合と少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。これらのUV硬化性樹脂は単独または2種以上混合して使用することができる。また、多官能ウレタン化(メタ)アクリレートに、上述したようなウレタン結合を有しない多官能(メタ)アクリレートを組み合わせて用いることも可能である。
また、UV硬化性樹脂としては市販されているものを好適に用いることができる。UV硬化性樹脂の市販品としては、具体的には、カヤラッドDPHA(日本化薬(株)製)、カヤラッドDPCA−20(日本化薬(株)製)、カヤラッドDPCA−30(日本化薬(株)製)、カヤラッドDPCA−60(日本化薬(株)製)、カヤラッドDPCA−120(日本化薬(株)製)、カヤラッドD−310(日本化薬(株)製)、カヤラッドD−330(日本化薬(株)製)、カヤラッドPET−30(日本化薬(株)製)、カヤラッドGPO−303(日本化薬(株)製)、カヤラッドTMPTA(日本化薬(株)製)、カヤラッドTHE−330(日本化薬(株)製)、カヤラッドTPA−330(日本化薬(株)製)、アロニックスM−315(東亞合成(株)製)、アロニックスM−325(東亞合成(株)製)などが挙げられる。
上述したようなUV硬化性樹脂は、通常、光重合開始剤と混合して使用される。光重合開始剤としては、例えば、イルガキュアー907(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー184(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASF社製)などの市販品を好適に用いることができる。
(8−2)熱硬化型ハードコート
熱硬化型ハードコートとは、加熱工程により樹脂を硬化させてなるハードコートであり、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂等を用い、加熱工程を含む方法により硬化させて形成することができる。樹脂の加熱工程とは、塗布後のバインダー樹脂を40℃以上の雰囲気下で1分以上処理して硬化させることをいう。熱硬化性樹脂層の架橋密度を十分なものとするために、40〜150℃の雰囲気下で、1分〜数日処理を必要とする。十分な硬度を発現させるために、60℃〜100℃の雰囲気下で30分から2日間静置することが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン系樹脂またはシリコーン変性系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂を用いることができるが、本発明においては、シリコーン系樹脂またはシリコーン変性系樹脂を用いることが好ましい。
シリコーン系樹脂を構成する前駆体化合物は、RSi(OR’)の一般式で示されるものであり、RおよびR’は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、mおよびnは、m+n=4の関係を満たす整数である。
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ポロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テロラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(N−アミノベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、メチルメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のシランカップリング剤や、電離放射線硬化性シロキサン化合物を用いることもできる。電離放射線硬化性シロキサン化合物としては、具体的には、電離放射線の照射により反応し架橋する複数の官能基、例えば重合性二重結合基を有する分子量5000以下の有機ケイ素化合物が挙げられ、より具体的には、片末端ビニル官能性ポリシロキサン、両末端ビニル官能性ポリシロキサン、またはこれらの化合物を反応させたビニル官能性ポリシロキサン等が挙げられる。この組成物は、シラノール基の脱水縮合により3次元架橋がなされ、高硬度の被膜が得られる。
本発明でハードコート層7に用いるシリコーン変性系樹脂とはシリコーンを側鎖にもつグラフト共重合体である。好ましくはシリコーンを側鎖にもつアクリル系グラフト共重合体である。アクリル変性シリコーン高分子モノマーとラジカル重合性単量体をラジカル重合させて成るシリコーン系グラフト共重合体としては、上記のアクリル変性シリコーンが、下記の一般式(6)で示されるシリコーンと、下記の一般式(7)で示されるアクリル化合物とを縮合させて成る生成物をあげることができる。
下記の式(6)中、RおよびRは炭素数1〜10の一価の脂肪族炭化水素基、フェニル基または一価のハロゲン化炭化水素基を表す。qは1以上の正数である。
Figure 2012181301
下記の式(7)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rはメチル基、エチルまたはフェニル基を表す。2個のRは互いに同一もしくは異なっていてもよい。Zは塩素原子、メトキシ基またはエトキシ基を表す。
Figure 2012181301
上記した一般式(6)で示されるシリコーンは市販品として入手でき、目的にあったものを使用することができる。上記した一般式(6)におけるRおよびRは炭素数1〜10の一価の脂肪族炭化水素基、フェニル基または一価のハロゲン化炭化水素である。炭素数1〜10の一価の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、アシル基等が挙げられ、一価のハロゲン化炭化水素としては、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロ−3,3−ジフルオロブチル基、2−クロロエチル基等が挙げられる。RおよびRとして特に好ましいのはメチル基である。
上記した一般式(6)でqは1以上の正数であるが、一般にqの数が100以上という高分子量のシリコーンから誘導されるアクリル変性シリコーンとラジカル重合性単量体との共重合からはオイル状のものが得られやすい傾向にあり、qの数が100以下という低分子量のシリコーンから誘導されるアクリル変性シリコーンとラジカル重合性単量体との共重合からは用いるモノマーの種類によりオイル状、ゼリー状、固体状等各種のものを得ることができる。
また、上記した一般式(7)で示されるアクリルシラン化合物としては、例えばγ−メタクリルオキシプロピルジメチルクロロシラン、γ−メタクリルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルジフェニルクロロシラン、γ−アクリルオキシプロピルジメチルクロロシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。これらのアクリルシラン化合物は、特公昭33−9969号の方法等に従い、ケイ素化合物と脂肪族性多重結合を有する化合物とを塩化白金酸の存在下で反応させることにより容易に得られる。
また、アクリル変性シリコーンとラジカル重合性単量体とのラジカル共重合は、従来公知の方法を使用でき、放射線照射法、ラジカル重合開始剤を用いる方法を使用できる。さらに紫外線照射法により共重合させる場合は、ラジカル重合開始剤として公知の増感剤を使用し、電子線照射により共重合させる場合はラジカル重合開始剤を使用する必要はない。このようにして得られたシリコーン共重合体は、ラジカル重合性単量体を幹とし、シリコーンを枝とする櫛形グラフト共重合体である。
シリコーン共重合体の市販品としては、サイマックUS−150、US−270、US−350、US−450、レゼダGP−700(以上、東亞合成(株)製)、サーコートNP730、サーコートNP720(以上、動研社製)等を挙げることができる。
(8−3)シリカ微粒子
充分な高硬度を有し、硬化収縮によるカールを充分に抑制し得るハードコート層7を得るために、ハードコート層7の形成に用いられる硬化性樹脂組成物中にシリカ微粒子を添加することが好ましい。
シリカ微粒子としては、例えば、粉体状シリカまたはコロイダルシリカが挙げられ、平均粒子径が0.01〜20μmの範囲内のものが好適に用いられる。また、シリカ微粒子は、ハードコートフィルムの光透過性に影響を与えないものであることが好ましく、そのためには、一次粒子径が10〜350nmの範囲内にあることが好ましく、10〜50nmの範囲内にあることがより好ましい。なお、上述したシリカ微粒子の平均粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができ、また、シリカ微粒子の一次粒子径は、例えば、イソプロピルアルコールなどの溶媒に微粒子を分散させ、その分散液から、コールター粒度分布測定法、レーザー回折散乱法、動的光散乱法などにより測定することができ、これらの中でもコールター粒度分布測定法が一般的である。
シリカ微粒子の形状は、球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、もしくは不定形状であってよいが、硬化性樹脂中で凝集することなく粒子を好適に分散させるためには、好ましくは球状である。また、ハードコート層7の硬度や平面性を維持する観点から、シリカ微粒子の比表面積は0.1〜3000m/gの範囲内であることが好ましく、さらには1m/g以上、とりわけ10m/g以上、また1500m/g以下であることがより好ましい。
このようなシリカ微粒子も市販されているものを好適に用いることができる。シリカ微粒子の市販品を例示すると、コロイダルシリカとしては、メタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製)、IPA−ST(日産化学工業(株)製)、MEK−ST(日産化学工業(株)製)、NBA−ST(日産化学工業(株)製)、XBA−ST(日産化学工業(株)製)、DMAC−ST(日産化学工業(株)製)、ST−UP(日産化学工業(株)製)、ST−OUP(日産化学工業(株)製)、ST−20(日産化学工業(株)製)、ST−40(日産化学工業(株)製)、ST−C(日産化学工業(株)製)、ST−N(日産化学工業(株)製)、ST−O(日産化学工業(株)製)、ST−50(日産化学工業(株)製)、ST−OL(日産化学工業(株)製)などを挙げることができる。
また、粉体状シリカとしては、アエロジル130(日本アエロジル(株)製)、アエロジル300(日本アエロジル(株)製)、アエロジル380(日本アエロジル(株)製)、アエロジルTT600(日本アエロジル(株)製)、アエロジルOX50(日本アエロジル(株)製)、シルデックスH31(旭硝子(株)製)、シルデックスH32(旭硝子(株)製)、シルデックスH51(旭硝子(株)製)、シルデックスH52(旭硝子(株)製)、シルデックスH121(旭硝子(株)製)、シルデックスH122(旭硝子(株)製)、E220A(日本シリカ工業(株)製)、E220(日本シリカ工業(株)製)、サイリシア470(富士シリシア(株)製)、SGフレーク(日本板硝子(株)製)などを挙げることができる。
(8−4)レベリング剤
ハードコート層7の形成に用いられる硬化性樹脂組成物には、得られるハードコート層7の表面平滑性を確保するために、レベリング剤を添加することが好ましい。
レベリング剤とは、塗料に添加することでその塗料の表面張力を低下させ、塗膜の表面平滑性を向上させる効果のある薬剤である。
レベリング剤として一般的に使用される物質としては、例えば、ポリアルキルアクリレートなどのポリアクリレート系ポリマー、ポリアルキルビニルエーテルなどのポリビニルエーテル系ポリマー、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、さらにはポリエーテル、ポリエステル、アラルキルなどが導入された有機変性ポリシロキサンなどのシリコーン系ポリマーなどが例示されるが、本発明ではこれらのポリマーにフッ素原子を含有するものを用いることが最も好ましい。フッ素原子を有するレベリング剤は、例えばフッ素含有基を有するモノマーを共重合させることにより得ることができる。
具体的に市販されている商品としては、例えばサーフロン「S−381」、「S−382」、「SC−101」、「SC−102」、「SC−103」、「SC−104」(何れも旭硝子株式会社製)、フロラード「FC−430」、「FC−431」、「FC−173」(何れもフロロケミカル−住友スリーエム製)、エフトップ「EF352」、「EF301」、「EF303」(何れも新秋田化成株式会社製)、シュベゴーフルアー「8035」、「8036」(何れもシュベグマン社製)、「BM1000」、「BM1100」(いずれもビーエム・ヒミー社製)、メガファック「F−171」、「F−470」、「RS−75」、「RS−72−K」(何れも大日本インキ化学工業株式会社製)、BYK340(ビックケミー・ジャパン社製)、「ZX−049」、「ZX−001」、「ZX−017」(何れも富士化成工業社製)等を挙げることができる。
(8−5)UV吸収剤
ハードコート層7の形成に用いられる硬化性樹脂組成物には、得られるハードコート層7およびハードコート層7よりも下層の樹脂層の耐候性を向上させるために、UV吸収剤を添加することが好ましい。得られたハードコート層7は、有機化合物からなるUV吸収剤または無機化合物からなるUV吸収剤、もしくは両者を含有していることが好ましい。有機系の場合はトリアジン系UV吸収剤を用いることが好ましい。UV吸収剤の具体例としては、前述した「第1の樹脂基材」で例示したものを挙げることができる。
(9)太陽熱発電用反射装置
太陽熱発電用反射装置20a、20bは、図3、図4に示すように、少なくともフィルムミラー10a、10bと、支持体9とから構成される。
太陽熱発電用反射装置20a、20bは、フィルムミラー10a、10bと支持体9とを接着するための粘着層8を有することが好ましい。なお、粘着層8は、フィルムミラー10a、10bの一部を成していてもよい。
(9−1)粘着層
太陽熱発電用反射装置(20a、20b)の支持体9とフィルムミラー(10a、10b)を接着するための粘着層8としては、特に制限されず、例えばドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤などを用いることができる。また、例えばポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴムなどを用いてもよい。
フィルムミラー10a、10bに粘着層8を設けるラミネート方法は特に制限されず、例えばロール式で連続的に行う方法が経済性及び生産性の点から好ましい。
粘着層8の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1〜50μm程度の範囲であることが好ましい。
粘着層8に用いる具体的な材料としては、例えば、綜研化学社製「SKダインシリーズ」、東洋インキ社製「Oribain BPWシリーズ、BPSシリーズ」、荒川化学社製「アルコン」「スーパーエステル」「ハイペール」等の粘着剤を好適に用いることができる。
本発明の太陽熱発電用反射装置(20a、20b)に用いられる支持体9としては、金属板、樹脂板または金属と樹脂の複合板を用いることができる。
金属板としては、例えば、鋼板、銅板、アルミニウム板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム系合金めっき鋼板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板、クロムめっき鋼板、ステンレス鋼板など熱伝導率の高い金属材料を用いることができる。
また、樹脂板としては、例えば、アクリル系樹脂板、ウレタン系樹脂板、ポリスチレン系樹脂板、ポリイミド系樹脂板、フェノール系樹脂板、ポリカーボネート系樹脂板、脂環式炭化水素系樹脂板、ポリプロピレン系樹脂板、ポリオレフィン系樹脂板、メラミン樹脂系樹脂板、ABS系樹脂板などを用いることができる。
また、金属と樹脂の複合板としては、前記した金属板と樹脂板とを積層したものや、前記した金属板と発泡性樹脂とを積層したもの等を用いることができる。ここで発泡性樹脂とは多孔質の樹脂を意味し、例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、メラミン樹脂系、ポリイミド系の組成からなるものを挙げることができる。
以下、具体的な実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例や比較例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
なお、太陽熱発電用反射装置のNo.1〜16、No.20が図3に示すフィルムミラー10aタイプ(表面鏡タイプ)のものであり、No.17〜19、No.21が図4に示すフィルムミラー10bタイプ(裏面鏡タイプ)のものである。
[銀コーティング液組成物の製造]
銀コーティング液組成物(銀錯体化合物含有塗布液)として、以下に示す「Ag−1」〜「Ag−6」の6種類の銀コーティング液組成物を製造し、各種フィルムミラーの製造に用いた。
[銀コーティング液組成物の製造例1]
攪拌器付き500mlのシュレンク(Schlenk)フラスコを用い、2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルカルバメート65.0g(215ミリモル)をイソプロパノール150.0gに溶解させた後、酸化銀20.0g(86.2ミリモル)を加えて、常温で反応させた。この反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)であったが、反応が進行して錯化合物が生成されるにつれて徐々に色が薄くなり、透明に変わることが観察された。そして、2時間反応させた結果、無色透明な溶液が得られた。
この溶液に、安定剤として2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミン2.5g、溶媒としてn−ブタノール85.0gとアミルアルコール50.0gを加えて攪拌した後、還元剤としてヒドラジンを溶液全体の0.5質量%に相当する量を加え、0.45ミクロンのメンブレンフィルタ(membrane filter)を使用して濾過し、熱分析(TGA)して、銀含量5.0質量%の銀コーティング液組成物「Ag−1」を製造した。
[銀コーティング液組成物の製造例2]
上記した「銀コーティング液組成物の製造例1」において、還元剤としてヒドラジンを用いる代わりに水酸化ホウ素カリウムを用いることで、銀コーティング液組成物「Ag−2」を製造した。
[銀コーティング液組成物の製造例3]
上記した「銀コーティング液組成物の製造例1」において、還元剤としてヒドラジンを用いる代わりにクエン酸三ナトリウムを用いることで、銀コーティング液組成物「Ag−3」を製造した。
[銀コーティング液組成物の製造例4]
上記した「銀コーティング液組成物の製造例1」において、還元剤としてヒドラジンを用いる代わりにジメチルアミノボランを用いることで、銀コーティング液組成物「Ag−4」を製造した。
[銀コーティング液組成物の製造例5]
上記した「銀コーティング液組成物の製造例1」において、還元剤としてヒドラジンを用いる代わりに塩化第1鉄を用いることで、銀コーティング液組成物「Ag−5」を製造した。
[銀コーティング液組成物の製造例6]
上記した「銀コーティング液組成物の製造例1」において、還元剤を添加しないことで、銀コーティング液組成物「Ag−6」を製造した。
[実施例1]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.1の作製)
第1の樹脂基材1として、2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ25μm)を用いた。このポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、ポリエステル樹脂(ポリエスター SP−181、日本合成化学社製)、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ−820、DIC社製)、TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)、HDMI系イソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)、還元剤としてのヒドラジンを、固形分比率が20:1:1:2:0.2で、固形分濃度が10質量%となるようにトルエン中に混合した塗布液を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ0.2μmの下地樹脂層2を形成した。
この下地樹脂層2上に、前記した銀コーティング液組成物「Ag−6」を、グラビア印刷機を使用し、下地樹脂層2が形成されたフィルムに塗布して塗膜を形成し、120℃のオーブンで2分間熱処理(加熱焼成)して、厚さ0.1μmの銀反射層3を形成した。
続いて、銀反射層3上に、ポリエステル系樹脂とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネートを樹脂固形分比率が10:2で、固形分濃度が20質量%となるようにトルエン中に混合した塗布液を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ5.0μmの上塗り層4を形成した。
続いて、上塗り層4の上に、アクリル樹脂接着剤(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートして接着層5を形成し、その接着層5の上に、第2の樹脂基材6としてUV吸収剤を含まない膜厚100μmのテクノロイS000(住友化学社製)を積層させた。
続いて、第2の樹脂基材6上に、UV硬化性樹脂のリオデュラスLCH(東洋インキ社製)に、フッ素系レベリング剤としてのZX−049(富士化成工業社製)を樹脂固形分に対して0.1質量%、トリアジン系UV吸収剤としてのTinuvin477(チバ・ジャパン社製)を樹脂固形分に対して1.0質量%となる量を添加したものをグラビアコートによってウェット膜厚40μmで塗布し、80℃で2時間加熱処理を行って、ハードコート層7を形成した。
続いて、粘着層8として、第1の樹脂基材1にアクリル系粘着剤(BPS−5296、硬化剤BXX4773、東洋インキ社製)を乾燥後の厚さが25μmとなるように積層した。
こうして、太陽熱発電用フィルムミラーNo.1を作製した。
[実施例2]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.2の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.1の作製において、下地樹脂層2に添加する還元剤をヒドラジンの代わりに水酸化ホウ素カリウムとすることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.2を作製した。
[実施例3]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.3の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.1の作製において、下地樹脂層2に添加する還元剤をヒドラジンの代わりにクエン酸三ナトリウムとすることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.3を作製した。
[実施例4]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.4の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.1の作製において、下地樹脂層2に添加する還元剤をヒドラジンの代わりにジメチルアミンボランとすることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.4を作製した。
[実施例5]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.5の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.1の作製において、下地樹脂層2に添加する還元剤をヒドラジンの代わりに塩化第1鉄とすることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.5を作製した。
[実施例6]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.6の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.1の作製において、下地樹脂層2に還元剤のヒドラジンを添加せず、また、銀反射層3を形成する銀コーティング液組成物として「Ag−6」の代わりにヒドラジンを含有した「Ag−1」を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.6を作製した。
[実施例7]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.7の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.6の作製において、銀コーティング液組成物として「Ag−1」の代わりに水酸化ホウ素カリウムを含有した「Ag−2」を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.7を作製した。
[実施例8]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.8の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.6の作製において、銀コーティング液組成物として「Ag−1」の代わりにクエン酸三ナトリウムを含有した「Ag−3」を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.8を作製した。
[実施例9]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.9の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.6の作製において、銀コーティング液組成物として「Ag−1」の代わりにジメチルアミンボランを含有した「Ag−4」を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.9を作製した。
[実施例10]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.10の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.6の作製において、銀コーティング液組成物として「Ag−1」の代わりに塩化第1鉄を含有した「Ag−5」を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.10を作製した。
[実施例11]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.11の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.4の作製において、銀コーティング液組成物として「Ag−6」の代わりにジメチルアミンボランを含有した「Ag−4」を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.11を作製した。
[実施例12]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.12の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.4の作製において、第2の樹脂基材6としてUV吸収剤を含まない膜厚100μmのテクノロイS000の代わりにUV吸収剤を含む膜厚100μmのテクノロイS001(住友化学社製)用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.12を作製した。
[実施例13]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.13の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.9の作製において、第2の樹脂基材6としてUV吸収剤を含まない膜厚100μmのテクノロイS000の代わりにUV吸収剤を含む膜厚100μmのテクノロイS001(住友化学社製)用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.13を作製した。
[実施例14]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.14の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.12の作製において、上塗り層4を形成する塗布液に腐食防止剤としてTinuvin234(チバ社製)を溶液の固形分に対して15質量%となるように添加したものを用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.14を作製した。
[実施例15]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.15の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.13の作製において、上塗り層4を形成する塗布液に腐食防止剤としてTinuvin234(チバ社製)を溶液の固形分に対して15質量%となるように添加したものを用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.15を作製した。
[実施例16]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.16の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.15の作製において、下地樹脂層2に還元剤のジメチルアミンボランを含有させることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.16を作製した。
[実施例17]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.17の作製)
第1の樹脂基材1として、UV吸収剤を含む膜厚100μmのテクノロイS001(住友化学社製)を用いた。このフィルムの片面に、UV硬化性樹脂のリオデュラスLCH(東洋インキ社製)に、フッ素系レベリング剤としてのZX−049(富士化成工業社製)を樹脂固形分に対して0.1質量%、トリアジン系UV吸収剤としてのTinuvin477(チバ・ジャパン社製)を樹脂固形分に対して1.0質量%となる量を添加したものをグラビアコートによってウェット膜厚40μmで塗布し、80℃で2時間加熱処理を行ってハードコート層7を形成した。
続いて、第1の樹脂基材1におけるハードコート層7とは反対面側に、ポリエステル樹脂(ポリエスター SP−181、日本合成化学社製)、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ−820、DIC社製)、TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)、HDMI系イソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)、還元剤としてのジメチルアミンボランを、固形分比率が20:1:1:2:0.2で、固形分濃度が10質量%となるようにトルエン中に混合した塗布液を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ0.2μmの下地樹脂層2を形成した。
この下地樹脂層2上に、前記した銀コーティング液組成物「Ag−6」を、グラビア印刷機を使用し、下地樹脂層2が形成されたフィルムに塗布して塗膜を形成し、120℃のオーブンで2分間熱処理(加熱焼成)して、厚さ0.1μmの銀反射層3を形成した。
続いて、銀反射層3上に、ポリエステル系樹脂とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネートを樹脂固形分比率が10:2で、固形分濃度が20質量%となるようにトルエン中に混合した塗布液に、腐食防止剤としてのTinuvin234(チバ社製)を溶液の固形分に対して15質量%となるように添加し、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ5.0μmの上塗り層4を形成した。
続いて、上塗り層4の上に、粘着層8として、アクリル系粘着剤(BPS−5296、硬化剤BXX4773、東洋インキ社製)を乾燥後の厚さが25μmとなるように積層した。
こうして、太陽熱発電用フィルムミラーNo.17を作製した。
[実施例18]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.18の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.17の作製において、下地樹脂層2に還元剤を添加せず、銀コーティング液組成物として「Ag−6」の代わりにジメチルアミンボランを含有した「Ag−4」を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.18を作製した。
[実施例19]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.19の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.17の作製において、銀コーティング液組成物として「Ag−6」の代わりにジメチルアミンボランを含有した「Ag−4」を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.19を作製した。
[比較例1]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.20の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.14の作製において、下地樹脂層2に還元剤を添加せず、ポリエステル系樹脂とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネートと還元剤としてのジメチルアミンボランとを固形分比率が10:2:0.1で、固形分濃度が20質量%となるようにトルエン中に混合した塗布液を用いて上塗り層4を形成することで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.20を作製した。
[比較例2]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.21の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.17の作製において、下地樹脂層2に還元剤を添加せず、ポリエステル系樹脂とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネートと還元剤としてのジメチルアミンボランとを固形分比率が10:2:0.1で、固形分濃度が20質量%となるようにトルエン中に混合した塗布液を用いて上塗り層4を形成することで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.21を作製した。
[太陽熱発電用反射装置・太陽熱発電用フィルムミラーの評価]
上記のように作製した太陽熱発電用フィルムミラーNo.1〜21について、下記の方法に従って、銀反射層3における下地樹脂層2との界面での反射層変色評価、銀反射層3の初期反射率の評価、UV劣化処理後の銀反射層3の反射率の評価、UV劣化処理後の膜密着性の評価、耐硫化性の評価を行い、耐候性を評価した。
[正反射率の測定]
「正反射率測定」は、島津製作所社製の分光光度計UV265を、積分球反射付属装置を取り付けたものに改造し、反射面の法線に対して、入射光の入射角を5°となるように調整し、各試料の反射角5°での正反射率を測定した。評価は、400nmから700nmまでの平均反射率として測定した。
[下地樹脂層との界面での銀反射層の変色評価]
各試料を下地樹脂層2側から目視で観察した際、銀反射層に変色が生じていれば、明らかに黒色や黄色に変色していることを確認できる。また、変色した試料の下地樹脂層2側から正反射率測定を行うと400nmから700nmの平均反射率が低下していることを確認できる。
本実施形態では、上記の「正反射率測定」方法により下地樹脂層2側からの銀反射層3の正反射率を測定し、下記の基準に従って、下地樹脂層2界面での銀反射層3の変色を評価した。
なお、平均反射率が87%を上回る場合を変色無しとしている。
◎:正反射率の平均値が、92%以上である
○:正反射率の平均値が、87%以上、92%未満である
△:正反射率の平均値が、82%以上、87%未満である
×:正反射率の平均値が、82%未満である
[銀反射層の初期反射率の評価]
各試料を、下記の「正反射率測定」方法により正反射率を測定し、下記の基準に従って、初期状態の反射率を評価した。
ここで、「正反射率測定」は、島津製作所社製の分光光度計UV265を、積分球反射付属装置を取り付けたものに改造し、反射面の法線に対して、入射光の入射角を5°となるように調整し、各試料の反射角5°での正反射率を測定した。評価は、400nmから700nmまでの平均反射率として測定した。
◎:正反射率の平均値が、93%以上である
○:正反射率の平均値が、91%以上、93%未満である
△:正反射率の平均値が、89%以上、91%未満である
×:正反射率の平均値が、89%未満である
[UV劣化処理後の銀反射層の反射率の評価]
各試料を、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、65℃の環境下で7日間紫外線照射を行った後、上記方法により正反射率を測定し、下記の基準に従って、UV劣化処理後の反射率を評価した。
◎:正反射率の平均値が、91%以上である
○:正反射率の平均値が、86%以上、91%未満である
△:正反射率の平均値が、81%以上、86%未満である
×:正反射率の平均値が、81%未満である
[UV劣化処理後の膜密着性の評価]
各試料を、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、65℃の環境下で7日間紫外線照射を行った後、それら試料を平面に固定した。続いて、十分に水を含ませたコットンで、固定したフィルムミラー試料の表面に1kg/cmの荷重をかけながら20往復させる耐洗浄試験を行い、膜はがれが発生するか否かを評価した。
○:膜剥離無し
×:膜剥離有り
[硫化耐性の評価]
各試料を、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、65℃の環境下で7日間紫外線照射を行った後、それら試料を10%硫化アンモニウム水溶液に200時間浸漬させた際に、硫化劣化による黒色化が発生していない部分の面積割合を測定し、下記の基準に従って、硫化耐性を評価した。
◎:非劣化部の割合が、90%以上である
○:非劣化部の割合が、85%以上、90%未満である
△:非劣化部の割合が、80%以上、85%未満である
×:非劣化部の割合が、80%未満である
これら下地樹脂層2との界面での銀反射層3の変色評価、銀反射層3の初期反射率の評価、UV劣化処理後の銀反射層3の反射率の評価、UV劣化処理後の膜密着性の評価、耐硫化性の評価の結果を、表1に示す。
Figure 2012181301
表1に示す結果から明らかなように、本発明に係るフィルムミラー10aである太陽熱発電用フィルムミラーNo.1〜16と、本発明に係るフィルムミラー10bである太陽熱発電用フィルムミラーNo.17〜19は、下地樹脂層界面での銀反射層3の変色は無く、またUV劣化処理後の正反射率の急激な低下、洗浄試験時の膜はがれ、硫化劣化による黒色化などを起しておらず、耐候性に優れていることがわかる。さらに、本発明の太陽熱発電用フィルムミラーNo.17〜19は、平面性の高い反射面を有する裏面鏡構成で使用可能であることがわかる。
つまり、フィルム基材(第1の樹脂基材1)に銀反射層3が設けられたフィルムミラー(10a、10b)であって、銀反射層3が形成される下地樹脂層2と、銀錯体化合物を含んだ塗布液との少なくとも一方に還元剤を含有させ、その下地樹脂層2に塗布液を塗布して塗膜を形成する工程と、その塗膜を加熱焼成して銀反射層3を形成する工程とを経て製造された本発明の太陽熱発電用フィルムミラーNo.1〜19には、下地樹脂層2と隣接する銀反射層3に変色が生じないので、本発明に係るフィルムミラー(10a、10b)は、耐候性に優れ、長期間にわたり屋外設置されても銀反射層3の変色に起因する正反射率低下を起こすことなく使用できる優れたフィルムミラーであるといえる。
また、太陽熱発電用フィルムミラーNo.1からNo.10の比較によって、還元剤は無機化合物からなるものよりも有機化合物(特に、ジメチルアミンボラン)からなるものの方が、銀反射層3が変色し難く、耐候性および平面性に優れていることがわかる。
また、太陽熱発電用フィルムミラーNo.12からNo.19の様に、銀反射層3の光入射側となる第1の樹脂基材1または第2の樹脂基材6にUV吸収剤を含有させることで、UV照射処理後の正反射率がより高い値で維持されることがわかる。
また、太陽熱発電用フィルムミラーNo.14からNo.19の様に、銀反射層3と隣接する上塗り層4に腐食防止剤を含有させた場合に、硫化処理後の正反射率がより高い値で維持されることがわかる。
それに対し、下地樹脂層2と、銀錯体化合物を有する塗布液のいずれにも還元剤を含有させない方法で製造した比較例の太陽熱発電用フィルムミラーNo.20とNo.21では、UV劣化処理後の正反射率の低下が著しいことがわかる。
また、銀反射層3の下地樹脂層2側の面が変色しているため、銀反射層3の下地樹脂層2側の面を反射面とする裏面鏡構成としたときの反射率が低くなってしまうことがわかる。
以上のように、本発明のフィルムミラーNo.1からNo.19は、生産性が高く、軽量で柔軟性があり、耐候性に優れており、長期間にわたり屋外設置された後であっても銀反射層3の変色は生じず、正反射率の低下や洗浄時の膜はがれが生じることなく、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラーとして使用できる。
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 第1の樹脂基材(フィルム基材、下地層)
2 下地樹脂層(下地層)
3 銀反射層(反射層)
4 上塗り層
5 接着層
6 第2の樹脂基材
7 ハードコート層
8 粘着層
9 支持体
10a、10b、10c、10d フィルムミラー
20a、20b、20c、20d 太陽熱発電用反射装置

Claims (11)

  1. フィルム基材に反射層が設けられたフィルムミラーを製造するフィルムミラーの製造方法であって、
    前記反射層が形成される下地層と、銀錯体化合物を含んだ塗布液との少なくとも一方に還元剤を含有させ、
    前記下地層に前記塗布液を塗布して塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜を加熱焼成して前記反射層を形成する工程と、
    を有することを特徴とするフィルムミラーの製造方法。
  2. 前記反射層における前記下地層と接する面に光反射面を形成することを特徴とする請求項1に記載のフィルムミラーの製造方法。
  3. 前記還元剤は、有機化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルムミラーの製造方法。
  4. 前記反射層の光入射側に、UV吸収剤を含有した樹脂層を形成することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のフィルムミラーの製造方法。
  5. 前記反射層に隣接する層の少なくとも一方に腐食防止剤を含有した樹脂層を形成することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のフィルムミラーの製造方法。
  6. フィルム基材に反射層が設けられたフィルムミラーであって、
    前記反射層と、前記反射層が形成されている下地層の少なくとも一方が還元剤を含有し、
    前記反射層が、銀錯体化合物を含有していることを特徴とするフィルムミラー。
  7. 前記反射層における前記下地層と接する面が光反射面として形成されていることを特徴とする請求項6に記載のフィルムミラー。
  8. 前記銀錯体化合物は、銀化合物がアンモニウムカルバメート系化合物またはアンモニウムカーボネート系化合物と反応して得られる銀錯体化合物であることを特徴とする請求項6又は7に記載のフィルムミラー。
  9. 前記反射層の光入射側に、UV吸収剤を含有した樹脂層を備えたことを特徴とする請求項6〜8の何れか一項に記載のフィルムミラー。
  10. 前記反射層に隣接する層の少なくとも一方に腐食防止剤を含有した樹脂層を備えたことを特徴とする請求項6〜9の何れか一項に記載のフィルムミラー。
  11. 請求項1〜5の何れか一項に記載のフィルムミラーの製造方法によって得られたフィルムミラーまたは請求項6〜10の何れか一項に記載のフィルムミラーを、支持体に貼り付けて形成したことを特徴とする太陽熱発電用反射装置。
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