JP2012180538A - 硫酸電解方法および硫酸電解装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】硫酸を電解する電解セルにおける硫黄の蓄積による弊害を解消する。
【解決手段】硫酸溶液の出入が可能な電解セル2と、導電性ダイヤモンド電極で構成された電極と、電解セルに対し硫酸溶液の送液を行う送液手段と、電極の陽極と陰極との間に電圧を印加する電源部3と、電源部に対し通常の電解時に陽極と陰極との間に順方向の電圧を印加させるとともに予め定めた条件で陽極と陰極との間に印加する電圧を逆転する転極を実行させる制御を行う電源制御部4を備える電解装置1で、陽極と陰極との間に順方向の電圧を印加して前記電解を行う通常動作を行うとともに、通常動作間に陽極と陰極とに印加する電圧を逆転させる転極動作を行って、通常動作時に電解セル内で生成された硫黄析出物を転極動作時に硫酸溶液中に溶解させて、安定した電解を継続して行うことを可能にする。
【選択図】図1

Description

この発明は、硫酸を電解して過硫酸を生成する電解方法および電解装置に関する。
硫酸溶液を電気分解してペルオキシ二硫酸およびペルオキシ一硫酸(以下、総称して過硫酸と言う。)を生成し、半導体材料の洗浄などに利用する方法が知られている。
硫酸を電気分解して過硫酸を生成する方法の1つでは、電解セル内で電極間に硫酸溶液を通液しつつ、電極のうち陽極と陰極との間に直流電圧を印加して電解を行う。この電解セルの構造として、単極セル(陽極・陰極が一対)、バイポーラ電極を用いた複極セルなどがあるが、一対の陽極・陰極の関係は同一である。極間距離を一定に保つために通常はスペーサが用いられ、電解液をシールするためにOリングなどのシーリング部材が使われている。このような構造の電解セルには、例えば本願発明者が提案しているものがある(特許文献1参照)。
電解セルの概略を図7(a)に示す。陽極20と陰極21との間にスペーサ22を配置して流路23を確保している。スペーサ22には、入口側に入液孔22a、出口側に出液孔22bが形成されており、これら入液孔22a、出液孔22bは、流路23に比較して相当に狭小な流路で構成されている。また、スペーサ22と電極との間には、シーリング部材としてOリング24が配置されて流路23のシール性が確保されている。
特開2007−262531号公報
ところで、硫酸を電解すると通常、陰極ではH(ガス)が発生するが、硫酸は還元性雰囲気に曝されるとS(固体の硫黄)やHS(ガス)になることが古くから知られている。
よって運転を継続していると、電極面、特に電極周端部やOリングの陰になる部分に硫黄または硫黄生成に繋がる化学種が生成する。微細なS粒子が電極面に付着・成長すると、やがて電極から剥がれて電解液の流れに乗って移動し、電解セル出液孔や電解セル入液孔などの狭小な部分に付着・蓄積して、やがて閉塞に至るという問題が生じる恐れがある。この問題は、硫酸濃度が高い場合、電流密度が高い場合、および極間電圧が高い場合に生じ易いと考えられる。
Oリング部や出液孔付近に硫黄が蓄積する様子を図7(b)に示す。図中Aのように硫黄が析出し、遂には析出物が剥離して移動してやがて図中Bのようにセル出口やセル入口を閉塞するものと推定される。
そこで本発明では、硫酸溶液の電解に伴い析出した硫黄の蓄積を防止すること、および硫黄析出物による系内の閉塞を防止する電解方法および電解装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の硫酸電解方法のうち第1の本発明は、電解セル内で、少なくとも接液面が導電性ダイヤモンドによって構成された少なくとも陽極と陰極とを含む複数の電極のうち前記陽極と前記陰極との間に70質量%以上の硫酸溶液を通液しつつ電解を行って過硫酸を生成する電解方法であって、
前記電極の陽極と陰極との間に順方向の電圧を印加して前記電解を行う通常動作を行うとともに、前記通常動作間に前記陽極と陰極とに印加する電圧を逆転させる転極動作を行って、前記通常動作時に電解セル内で生成された硫黄析出物を前記転極動作時に前記硫酸溶液中に溶解させることを特徴とする。
第2の本発明の硫酸電解方法は、第1の本発明において、前記電解セル外から前記電解セル内に硫酸溶液を入液しつつ前記電解を行い、電解した前記硫酸溶液を前記電解セル外に出液することを特徴とする。
第3の本発明の硫酸電解方法は、第1または第2の本発明において、前記電解セル内に、通液される前記硫酸溶液が滞留する滞留部を有していることを特徴とする。
第4の本発明の硫酸電解方法は、第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記電解セル内に前記硫酸溶液が流れる狭小流路部を有していることを特徴とする。
第5の本発明の硫酸電解方法は、第3の本発明において、前記電極間に硫酸溶液の流路を確保するスペーサが配置されており、該スペーサまたは該スペーサと他部材とで前記滞留部が形成されていることを特徴とする。
第6の本発明の硫酸電解方法は、第5の本発明において、前記電極と前記スペーサとの間にシーリング部材が介設されており、少なくとも該シーリング部材で前記滞留部が形成されていることを特徴とする。
第7の本発明の硫酸電解方法は、第5または第6の本発明において、前記スペーサに前記狭小流路部として前記硫酸溶液が通過する出液孔が形成されていることを特徴とする。
第8の本発明の硫酸電解方法は、第5〜第7の本発明のいずれかにおいて、前記スペーサに前記狭小流路部として前記硫酸溶液が通過する入液孔が形成されていることを特徴とする。
第9の本発明の硫酸電解方法は、第1〜第8の本発明のいずれかにおいて、前記電解セルの出口から前記電解セルの入口までを接続する循環ラインが設けられており、該循環ライン及び/又は電解セルの滞留部の上流側に狭小流路部を有することを特徴とする。
第10の本発明の硫酸電解方法は、第1〜第9の本発明のいずれかにおいて、前記転極動作は、通常動作が所定の時間継続することによって実行されることを特徴とする。
第11の本発明の硫酸電解方法は、第1〜第10の本発明のいずれかにおいて、前記転極動作は、前記硫黄の析出状態の判定に基づいて実行されることを特徴とする。
第12の本発明の硫酸電解方法は、第1〜第11の本発明のいずれかにおいて、以下の条件(a)〜(c)の少なくとも1つを満たすことを特徴とする。
(a)前記電解セル内の前記硫酸の濃度が85質量%以上
(b)前記電解セル入口の硫酸温度が70℃以上
(c)前記電解における電流密度が50A/dm以上
第13の本発明の硫酸電解装置は、硫酸溶液の入液と出液とが可能な電解セルと、
前記電解セル内に、互いの間隙で前記硫酸溶液が通液するように配置され、かつ少なくとも接液面が導電性ダイヤモンドで構成された少なくとも陽極と陰極とを含む複数の電極と、
前記電極間の間隙を確保するスペーサと、
該スペーサに有する前記硫酸溶液が流れる狭小流路部と、
前記電解セルに対し硫酸溶液の送液を行う送液部と、
前記電極の前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源部と、
前記電源部に対し、通常の電解時に前記陽極と前記陰極との間に順方向の電圧を印加させるとともに予め定めた条件で前記陽極と前記陰極との間に印加する電圧を逆転する転極を実行させる制御を行う電源制御部と、を備えることを特徴とする。
第14の本発明の硫酸電解装置は、硫酸溶液の入液と出液とが可能な電解セルと、
前記電解セル内に、互いの間隙で前記硫酸溶液が通液するように配置され、かつ少なくとも接液面が導電性ダイヤモンドで構成された少なくとも陽極と陰極を含む複数の電極と、
前記電極間の間隙を確保するスペーサと、
該スペーサまたは該スペーサと他部材とで前記硫酸溶液が滞留する滞留部と、
前記電極の前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源部と、
前記電源部に対し、通常の電解時に前記陽極と前記陰極との間に印加する電圧を逆転する転極を実行させる制御を行う電源制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、電極間に硫酸溶液を通液しつつ通電することによって電極表面やOリングの陰などに固体硫黄やその前駆体が蓄積する前に、転極してその電極面を酸化性にして一定時間以上電解することにより、固体硫黄やその前駆体を硫酸あるいは硫酸イオンに戻すことが有効である。転極操作は10〜100時間程度継続することができる。
この操作を一定のインターバルで繰り返すことにより、硫黄の蓄積・セルの閉塞を防ぐことができる。インターバルの決め方は、経験に基づく一定の運転時間や洗浄などを行った処理枚数に応じたものとしても良いが、硫黄が蓄積してくると、所定電流を流すのに要する電圧(極間電圧)が上昇してくるので、電流制御で通電している際に電圧を常時監視して電圧が所定値まで上昇することにより転極操作を開始することとしても良い。また、上記転極を実行している際にも電圧を監視して、該電圧が所定値まで下降することにより、現在の転極動作を停止するようにしてもよい。
以下に、電解時の反応形態を示す。
電解液中では硫酸や水分子が次のように解離して、SO 2−、HSO 、Hなどのイオンが存在する。
SO ⇔ HSO +H
HSO ⇔ SO 2−+H
O ⇔ OH+H
このうちH(Hと同義)およびHSO 濃度は硫酸濃度70質量%〜80質量%をピークとして、より高濃度側では低下し、一方で、未解離の硫酸分子HSO(aq)の濃度が急上昇する。また高濃度の硫酸溶液は強酸性なので、OHの濃度は低い。
陰極ではHが引き寄せられ、下記反応式に示すように電子を受け取って水素ガスHになる。
2H+2e→H
陽極にはHSO やSO 2−が引き寄せられ、下記反応式に示すように電子を放して過硫酸Hになる。
2HSO →S 2−+2H+2e
2SO 2−→S 2−+2e
また、陽極では、下記反応式に示すように水の電気分解も起こって酸素ガスOが発生する。
2OH→O+2H+4e
硫酸や水に関する電極反応が起こる酸化還元ポテンシャルについては、図4、図5に示すPourbaixの線図が知られている。
Pourbaixの線図に基づいて、硫酸濃度=92質量%、温度=60℃での硫酸と水のポテンシャルを描き、並べて表すと、図6のようになる。図中の式番号は、図4、5に示された線図上の式に基づくものである。
電解セルで用いる硫酸は高濃度なのでpHはほぼ−2である。陽極側ではO>O>H>Hの順に低いポテンシャルでも生成することを示しているが、実際にはOが多く、次いでHが生成している。陰極でのポテンシャルは、S>H>HSの順序である。実際のセルではHが主たる生成物であるが、ポテンシャルとしてはSの生成も十分あり得る。生成したSが電極などの表面に滞留しなければ、液中で酸化性物質と反応して再び硫酸に戻るが、滞留部があれば、そこにSが蓄積していくことになる。
過硫酸の生成効率からすると、実際に陽極を通過する電子のうち80〜90%相当がOの生成に関与するものであり、残りの10〜20%が過硫酸の生成に寄与するものである。Oは系外に排出され、過硫酸は酸化反応に用いられた後に硫酸になってセルに戻るように液を循環使用すると、硫酸を電解する電解セルでは水が消費されて硫酸濃度が濃くなっていくことになる。
上記のように、陰極で硫黄の生成を完全に防ぐことは原理上難しいが、陽極で生成した酸化性物質(過硫酸など)によって硫黄を酸化して硫酸に戻すことができる。液が滞留してうまく酸化できない場合には、転極を行って 滞留部付近で過硫酸を生成して、滞留部の硫黄を除去するのが適切である。
本発明は、電解セル内に硫酸溶液が滞留する滞留部を有するものに好適である。滞留部は、電解セルの特定位置を示すものではなく、各電解セルの構造によって異なる位置に滞留部が生じ得る。滞留部は硫酸溶液の通液が阻害される箇所に形成されやすい。
滞留部は部材の隅など表面の角度が急激に変化する凹部に形成されやすく、電極とスペーサの交叉部、シーリング部材と電極やスペーサとの交叉部などに形成される。
また、電解セルに流路断面積が他部よりも相対的に小さくなる狭小流路部を有する場合に、析出物が詰まって流路を閉塞しやすくなるので、狭小流路部を有する電解セルにおいて本発明は特に有益である。狭小流路部は、電解セル内の下流側に位置するもの、例えば出液孔などにおいてより問題となりやすいが、滞留部で蓄積して剥離した析出物が硫酸溶液とともに流れ、電解セルの入液孔において上記析出物が付着・蓄積して、やがて閉塞するなどして硫酸溶液の流れが阻害されて問題を引き起こす可能性もある。
発明者らのこれまでの研究からすると、硫酸濃度85質量%以上であって電流密度が50A/dm以上の場合に硫黄が析出・蓄積し易い。硫酸濃度がこれより高い場合には、電流密度を低めに設定する必要がある。またセル入口温度が40〜70℃になるよう運転する。しかし硫黄が析出して通電抵抗が上昇するとセル内抵抗が増えてセル温度が上昇し、硫黄の析出が加速されることが考えられる。定性的には水分の揮散が加速され、特に図7に示した滞留部などでは著しく濃度が上昇するためと考えられる。特にセル入口温度70℃を超えての運転は好ましくない。
以上のことから硫黄析出物の問題は、以下の3条件のいずれか1つ以上を満たすときに発生しやすく、このような条件下では特に本発明を実施することが望ましい。
(a)電解セル内の硫酸濃度が85質量%以上
(b)電解セル入口の硫酸温度が70℃以上
(c)電流密度が50A/dm以上
硫酸電解液による電子材料洗浄では洗浄後のTOC濃度は0〜10mg/lであり、有機物がほとんど存在しない。
以上説明したように本発明によれば、硫酸溶液を電解セル内で電解する際に、硫黄析出物や前駆体が蓄積されて問題が生じるのを回避し、安定した電解を継続して行うことができる効果が得られる。
本発明の一実施形態の電解セルを備える枚葉式洗浄システムを示す図である。 同じく、一実施形態の電解セルを備えるバッチ式洗浄システムを示す図である。 転極機能を備えていない電解セルを用いたバッチ式洗浄システムを示す図である。 Pourbaix(プールベ)の線図を示す図である。 Pourbaix(プールベ)の線図を示す図である。 Pourbaix(プールベ)の線図に基づいて硫酸濃度92質量%、温度60℃の硫酸と水のポテンシャルを表したグラフである。 電解セルの構造と硫黄の蓄積状態を示す図である。
(実施形態1)
以下に、本発明の一実施形態の電解装置を備える洗浄システムを添付図面に基づいて説明する。
電解装置1は、図1に示すように電解セル2を有している。電解セル2は無隔膜型であり、ダイヤモンド電極により構成された陽極および陰極が隔膜で隔てることなく内部に配置され、両電極には電源部として直流電源3が接続されている。直流電源3には、前記陽極、陰極に印加する電圧の方向を制御する電源制御部4が接続されている。電源制御部4は、例えば直流電源3から陽極および陰極に電圧を印加する経路を切り替える切り替え器を備えるものなどによって構成することができる。
電解セル2は、図7(a)に示すように、板状でダイヤモンド電極で構成された陽極20と陰極21とを有し、これら陽極20と陰極21との間にスペーサ22を配置して陽極20、陰極21間に流路23を確保している。ダイヤモンド電極は、基板状にダイヤモンド薄膜を形成するとともに、該ダイヤモンド薄膜の炭素量に対して、好適には50〜20,000ppmの範囲でボロンをドープすることにより導電性を付与したものを好適に用いることができる。
なお、この実施形態の説明では、電解セルは、電極として陽極と陰極とを有するものとして説明しているが、電極として陽極、陰極以外にバイポーラ電極を備えるものであってもよい。また、電解セルとしては、電極を互いに間隙を有するように多層に配して各電極間で硫酸溶液を通液して電解するものであってもよい。
スペーサ22には、入口側に入液孔22a、出口側に出液孔22bが形成されており、これら入液孔22a、出液孔22bは、流路23に比較して相当に狭小な流路で構成されており、入液孔22a、出液孔22bが本発明の狭小流路部に相当する。また、スペーサ22と陽極20および陰極21との間には、シーリング部材としてOリング24が配置されて流路23のシール性が確保されている。スペーサ22を構成する材質としては、絶縁性、耐食性を有する素材(例えばポリテトラフルオロエチレン製)が望ましい。
上記電解セル2では、電極20、21の内面とスペーサ22の角部やOリング24の内面側が硫酸溶液の通液が阻害される滞留部25となっている。電解セル2は上向流となるように入口側が下方、出口側が上方になるよう配置する。
上記電解セル2には、第1の循環ライン5を介して電解液貯留槽10が接続されており、電解セル2と電解液貯留槽10との間で硫酸溶液の循環通液が可能になっている。すなわち、第1の循環ライン5の送り側は、電解セル2の入口側に連通するように電解セル2に接続され、第1の循環ライン5の戻り側は、電解セル2の出口側に連通するように電解セル2に接続されている。
第1の循環ライン5の戻り側には気液分離槽6が介設されている。該気液分離槽6は、気体を含んだ硫酸溶液を収容して硫酸溶液中の気体を分離して系外に排出するものであり、既知のものを用いることができ、本発明としては気液分離が可能であれば、特にその構成が限定されるものではない。
また、第1の循環ライン5の送り側には、硫酸溶液を循環させる循環ポンプ7と、硫酸溶液を冷却する冷却器8が介設されている。第1の循環ライン5および循環ポンプ7は、本発明の送液部に相当する。冷却器8は、硫酸溶液を冷却して40〜70℃など、電解に好適な液温にするものである。本発明としてはその構成が特に限定されるものではない。上記電解セル2、直流電源3、電源制御部4、第1の循環ライン5、気液分離槽6、循環ポンプ7、冷却器8によって本発明の電解装置が構成されている。
また、前記電解液貯留槽10には、送液ポンプ12を介して第2の循環ライン11の送り側が接続されている。
第2の循環ライン11の送液方向には、加熱器13が介設されている。加熱器13の下流側で第2の循環ライン11の送液方向先端側は枚葉式洗浄装置15に接続されている。
上記加熱器13は、石英製の管路を有し、例えば近赤外線ヒーターによって硫酸溶液を一過式で加熱し、枚葉式洗浄装置15内で硫酸溶液が150〜220℃の液温が得られるように硫酸溶液を急速加熱する。
上記した枚葉式洗浄装置15では、例えば、電子材料基板100を回転台に載置するなど固定して、過硫酸含有硫酸溶液をノズルから半導体材料上に流下するなどして処理する。
なお、この実施形態では、洗浄装置が枚葉式のものであるとして説明しているが、本発明としては、洗浄装置の種別がこれに限定されるものではなく、バッチ式の洗浄装置であってもよい。
枚葉式洗浄装置15には、第2の循環ライン11の戻り側が接続されている。第2の循環ライン11の戻り側では、戻り方向に沿って、ポンプ16、反応槽17、送液ポンプ18、冷却器19が順次介設されており、第2の循環ライン11の戻り方向先端側は前記電解液貯留槽10に接続されている。
次に、上記構成からなる洗浄システムの動作について説明する。
電解液貯留槽10には、硫酸濃度85〜96質量%、液温度50〜80℃の硫酸溶液が貯留される。前記硫酸溶液は、循環ポンプ7によって第1の循環ライン5を通して送液され、冷却器8で電解に好適な温度(40〜70℃)に調整されて電解セル2の入液側に導入され、入液孔22aから流路23内に流入する。
電解セル2では、直流電源3によって陽極、陰極間に順方向に電圧が印加され、電解セル2内に導入された硫酸溶液が電解される。なお、該電解によって電解セル2では、陽極側で過硫酸を含む酸化性物質が生成されるとともに酸素ガスが発生し、陰極側では水素ガスが発生する。これらの酸化性物質とガスは、前記硫酸溶液と混在した状態で流路23を流れる。流路23を流れる硫酸溶液は、出液孔22bを通って第1の循環ライン5に送られる。出液孔22bから送り出された硫酸溶液は、第1の循環ライン5を通して気液分離槽6に送られ、前記ガスが分離される。なお、前記ガスは本システム系外に排出されて触媒装置(図示しない)などにより安全に処理される。
気液分離槽6でガスが分離された硫酸溶液は、過硫酸を含んでおり、さらに第1の循環ライン5の戻り側を通して電解液貯留槽10に戻された後、繰り返し電解セル2に送られ電解により過硫酸の濃度が高められる。過硫酸濃度が適度になると、電解液貯留槽10内の硫酸溶液の一部は第2の循環ライン11の送り側を通して送液ポンプ12によって加熱器13へと送られる。
加熱器13では、過硫酸を含む硫酸溶液が流路を通過しながら近赤外線ヒーターによって加熱される。送液に際し硫酸溶液は、加熱器13の入口から枚葉式洗浄装置15で使用されるまでの通液時間が1分未満となるように、好ましくは20秒未満になるように、より好ましくは10秒未満になるように、流量が調整されているのが望ましい。なお、枚葉式洗浄装置15では、500〜2000mL/min.での流量が適量とされており、該流量において、前記通液時間が1分未満となるように、加熱器13の流路の長さ、流路断面積およびその下流側での第2の循環ライン11のライン長、流路断面積などを設定する。枚葉式洗浄装置15内では、電子材料基板100に硫酸溶液が供給された際に150℃〜220℃の範囲の液温を有している。
枚葉式洗浄装置15では、例えば1×1012〜1×1016atoms/cmにイオン注入されたレジストが設けられたシリコンウェハなどの半導体材料が洗浄対象になる。
該電子材料基板100を図示しない回転台上で回転させつつ図示しないノズルから過硫酸を含む高温の硫酸溶液を少量ずつ流し落とすなどして接触させることで電子材料基板100上のレジストなどの汚染物を効果的に剥離除去する。
洗浄に使用された硫酸溶液は、枚葉式洗浄装置15から排出され、第2の循環ライン11の戻り側を通してポンプ16により反応槽17に送液され貯留される。反応槽17に貯留された硫酸溶液には枚葉式洗浄装置15で洗浄されたレジストなどの残留有機物が含まれており、反応槽17に貯留されている間に、残留有機物が硫酸溶液に含まれる酸化性物質によって酸化分解される。なお、反応槽17における前記硫酸溶液の貯留時間は、残留有機物などの含有量などによって、任意に調整することができる。この際に、枚葉式洗浄装置15から継続して高温かつ過硫酸を含む硫酸溶液が供給されており、反応槽17は適温に維持される。
反応槽17において、含有する残留有機物が酸化分解された硫酸溶液は、送液ポンプ18により第2の循環ライン11に介設された冷却器19を通して電解液貯留槽10に環流される。
また、高温の硫酸溶液が電解液貯留槽10に環流されると、電解液貯留槽10に貯留されている硫酸溶液中の過硫酸の分解が促進されてしまうため、前記硫酸溶液は冷却器19により50〜80℃程度の適温に冷却された後、電解液貯留槽10内に導入されている。電解液貯留槽10内に導入された硫酸溶液は、第1の循環ライン5の送り側によって電解セル2に送液されて電解により過硫酸が生成され、第1の循環ライン5の戻り側により再度電解液貯留槽10に送られる。この循環を繰り返すことで過硫酸が継続して生成される。
上記動作によって、過硫酸を含む硫酸溶液が送液され、環流することで、使用側である枚葉式洗浄装置15に高濃度の過硫酸を含む高温の洗浄液を連続して供給することが可能になる。
なお、上記では説明しなかったが、反応槽17の上流側で第2の循環ライン11に排液ラインを分岐接続しておき、適宜時に、硫酸溶液を反応槽17に送液せずに系外に排液できるように構成しても良い。
排液ラインより随時硫酸溶液を少量ずつ排出することにより、系内の溶液中に蓄積するレジストドープ元素やその他の酸化分解されない物質が高濃度に至るまで蓄積するのを防止することができる。該動作は、環流ラインや排液ラインに設けた開閉弁の開閉制御などにより行うことができる。
上記洗浄システムにおいて稼働状態を継続することで、電解セル2内では、前記したように電極面、特に電極周端部やOリングの陰になる部分の滞留部25に硫黄または硫黄生成に繋がる化学種が生成する。これを放置すると、前記したように次第に成長し、剥離や狭小流路の閉塞に繋がる。
そこで本発明では、電解の継続時間が所定時間に達した場合や電子材料基板100の処理枚数が所定枚数に達した場合、硫黄成分の析出がある程度に達したことが判定される場合などに、電源制御部4の制御によって、直流電源3から陽極20と陰極21間に印加される電圧を逆転させる転極動作を行い、電解を行う。これにより、陰極21近傍などに析出した硫黄の析出物が、転極されて陽極として機能する陰極21近傍で生成される酸化性物質で溶解され、硫酸溶液とともに移動する。転極動作をある程度継続することで、硫黄析出物をなくし、または、小さくすることで、その後、安定した電解を継続することを可能にする。硫黄析出物をなくし、または小さくした後はそのまま運転を継続し、転極後の陰極に硫黄析出物やその前駆体が蓄積する前に再び転極を行い、陽極20と陰極21との間に逆方向に印加していた電圧を逆転させて順方向に電圧を印加して電解を行う。
上記動作を繰り返せば、安定した電解を長い時間継続して行うことが可能になる。
一般に、有機物付着対策の転極は、陰極と陽極が異なるので転極時間は限られるが、この実施形態では全てダイヤモンド電極なので転極したまま通常運転を長時間(10〜100時間)行うことができる。
なお、転極後の運転を継続する時間は、通常の電解時間が予め定めた所定時間に達した場合とすることができる。所定時間は、累積した通電量や、硫酸溶液の濃度、温度、通液速度などを勘案して定めることができ、また、実験的に求めたものであってもよい。また、洗浄した電子材料基板100の枚数が所定枚数に達した場合に転極動作を実行することもできる。
転極後の運転の継続時間を一定にしないこともできるが、ダイヤモンド電極が両面に均等の厚みでダイヤモンド層を積層している場合は、運転に伴うダイヤモンドの磨耗を均等にするため、継続時間を一定にすることが望ましい。
また、転極動作を実行する他のタイミングとしては、電解セル中の硫黄の析出程度を推定した結果を利用することができる。すなわち、推定される硫黄の析出程度が、予め定めた程度に達した場合に、転極動作を実行する。硫黄の析出程度は、前述したように定電流で電解を行っている際に上昇する電解電圧によって判定することができる。すなわち該電圧が予め定めた電解電圧に達すると、硫黄の析出が進行しているものとして転極動作を行う。
(実施形態2)
次に、上記電解装置1をバッチ式洗浄槽30に適用した実施形態2を図2に基づいて説明する。なお、この実施形態2で前記実施形態1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
上記電解セル2には、電解液貯留槽10が第1の循環ライン5を介して接続されている。第1の循環ライン5の戻り側には気液分離槽6が介設され、第1の循環ライン5の送り側には、循環ポンプ7、冷却器8が順次介設されている。
バッチ式洗浄槽30は、排液側と入液側が第2の循環ライン31で接続されており、第2の循環ライン31の戻り側に送液ポンプ32と加熱器33とが介設されている。電子材料基板100をバッチ式洗浄槽30内の硫酸溶液中に浸漬し、電子材料基板100に付着しているレジストなどを剥離洗浄する。その際に、ヒーターや熱交換器などの図示しない加熱部によりバッチ式洗浄槽30の温度が120〜190℃となるよう制御しながら硫酸溶液を循環する。
第2の循環ライン31には、送液ポンプ32の下流側かつ加熱器33の上流側で、戻り第3循環ライン35が分岐して接続されており、戻り第3循環ライン35の送液端側は冷却器37を介して電解液貯留槽10に接続されている。
電解液貯留槽10には、送液ポンプ36を介して送り第3循環ライン34が接続されている。送り第3循環ライン34は、加熱器33の下流側で第2の循環ライン31に合流して接続されている。
上記加熱器33は、前記加熱器13と同様の構成とすることができる。
次に、上記構成からなる洗浄システムの動作について説明する。
電解液貯留槽10には、硫酸濃度85〜96質量%、液温度50〜90℃の硫酸溶液が貯留され、該硫酸溶液が循環ポンプ7によって第1の循環ライン5を通して送液され、冷却器8で電解に好適な温度(40〜80℃)に調整されて電解セル2の入液孔22aから流路23に導入される。
電解セル2では、直流電源3によって陽極、陰極間に順方向に電圧が印加され、電解セル2内に導入された硫酸溶液が電解される。電解された硫酸溶液は、出液孔22bを通って第1の循環ライン5に送られ、気液分離槽6でガスが分離される。
気液分離槽6でガスが分離された前記硫酸溶液は、第1の循環ライン5の戻り側を通して電解液貯留槽10に戻された後、繰り返し電解セル2に送られ、電解により過硫酸の濃度が高められる。過硫酸濃度が適度になると、電解液貯留槽10内の硫酸溶液の一部は送り第3循環ライン34を通して送液ポンプ36によって加熱器33の下流側の第2の循環ライン31へと送られて第2の循環ライン31の硫酸溶液に合流する。合流した硫酸溶液はバッチ式洗浄槽30内に導入される。
また、バッチ式洗浄槽30内の硫酸溶液が、送液ポンプ32によって第2の循環ライン31を通して循環される。この際に加熱器33で加熱されてバッチ式洗浄槽30内に導入される。
加熱器33では、過硫酸含有硫酸溶液が流路を通過しながらヒーターによって加熱される。このとき前記送り第3循環ライン34で送られた硫酸溶液と混合されて、バッチ式洗浄槽30内に供給された際に120℃〜190℃の範囲の液温を有するように加熱が行われる。
バッチ式洗浄槽30内では、電子材料基板100が洗浄される。洗浄に使用された硫酸溶液は、第2の循環ライン31で一部を循環しつつ加熱器33で加熱してバッチ式洗浄槽30へ返送するとともに、残部を戻り第3循環ライン35で電解液貯留槽10へと戻す。この際に、硫酸溶液は、冷却部37で電解に好適な40〜70℃に冷却される。
電解液貯留槽10において、硫酸溶液は、第1の循環ライン5を通して循環ポンプ7により電解セル2に送られて過硫酸の生成がなされ、電解液貯留槽10に戻される。
上記硫酸溶液の循環を繰り返すことで、過硫酸濃度が安定した状態で電子材料基板100の洗浄を行うことができる。
上記洗浄システムにおいて稼働状態を継続することで、電解セル2内では、前記したように滞留部25に硫黄または硫黄生成に繋がる化学種が生成する。この実施形態でも所定のタイミングで電源制御部4の制御によって、直流電源3から陽極20と陰極21間に印加される電圧を逆転させる転極動作を行い、電解を継続して行う。これにより、陰極近傍などに析出した硫黄の析出物が溶解される。転極動作をある程度継続することで、硫黄析出部をなくし、または、小さくすることで、その後、安定した電解を継続することを可能にする。
(比較例)
この例は、実施形態2において電源制御部4を有しない以外は、実施形態2と同様の構成を有しているものであり、図3に基づいて説明する。電解セル2では、直流電源3によって、常時陽極側と陰極側とに順方向の電圧が印加されており、硫酸溶液の電解を行うことができる。
この例においても、硫酸溶液を電解して半導体基板などの被洗浄材を効果的に洗浄することができる。しかし、経時的には電解セル内で硫黄の析出物が生成され、剥離した硫黄析出物が電解セル2の狭小流路部を閉塞するなどして洗浄能力が低下したり、洗浄自体が困難になったりする。また、剥離した硫黄析出物が、電解セルの入液孔などの狭小流路に達すると、流路が閉塞したり流れが悪くなったりする問題が発生する。
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は、上記実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
その1:図1に示す枚葉式洗浄システムを用いた実施例を説明する。
硫酸濃度=92質量%、電解セル入口液温度=60℃、電流密度=35A/dmにおいて運転を継続した。50時間継続して電解を行うごとに転極を行い、10回50時間継続、転極を繰り返した後にセルを開放して内部検査を行ったところ、硫黄の付着は全く認められなかった。
その2:図2に示すバッチ式洗浄システムを用いた実施例を説明する。
硫酸濃度=85質量%、電解セル入口液温度=50℃、電流密度=50A/dmにおいて運転を継続した。ウエハを50枚ずつ処理し、40バッチごとに転極を行った。これを8回繰り返した後に、セルを開放して内部検査を行ったところ、硫黄の付着は全く認められなかった。
(比較例)
図3に示す、転極機能を持たないバッチ式洗浄システムを用いて、硫酸濃度=85質量%、電解セル入口液温度=50℃、電流密度=50A/dmにおいて運転を継続したところ、100バッチを越えるころから電圧が上昇し始め、徐々に液流量も低下してきた。1セル当りの液流量が半減したところでセルを開放して点検したところ、セル出口部流路に硫黄による閉塞が見られた。
1 電解装置
2 電解セル
20 陽極
21 陰極
22 スペーサ
22a 入液孔
22b 出液孔
23 流路
3 直流電源
4 電源制御部
5 第1の循環ライン
7 循環ポンプ
8 冷却器
10 電解液貯留槽
15 枚葉式洗浄装置
30 バッチ式洗浄槽

Claims (14)

  1. 電解セル内で、少なくとも接液面が導電性ダイヤモンドによって構成された少なくとも陽極と陰極とを含む複数の電極のうち前記陽極と前記陰極との間に70質量%以上の硫酸溶液を通液しつつ電解を行って過硫酸を生成する電解方法であって、
    前記電極の陽極と陰極との間に順方向の電圧を印加して前記電解を行う通常動作を行うとともに、前記通常動作間に前記陽極と陰極とに印加する電圧を逆転させる転極動作を行って、前記通常動作時に電解セル内で生成された硫黄析出物を前記転極動作時に前記硫酸溶液中に溶解させることを特徴とする硫酸電解方法。
  2. 前記電解セル外から前記電解セル内に硫酸溶液を入液しつつ前記電解を行い、電解した前記硫酸溶液を前記電解セル外に出液することを特徴とする請求項1記載の硫酸電解方法。
  3. 前記電解セル内に、通液される前記硫酸溶液が滞留する滞留部を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の硫酸電解方法。
  4. 前記電解セル内に前記硫酸溶液が流れる狭小流路部を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硫酸電解方法。
  5. 前記電極間に硫酸溶液の流路を確保するスペーサが配置されており、該スペーサまたは該スペーサと他部材とで前記滞留部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の硫酸電解方法。
  6. 前記電極と前記スペーサとの間にシーリング部材が介設されており、少なくとも該シーリング部材で前記滞留部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の硫酸電解方法。
  7. 前記スペーサに前記狭小流路部として前記硫酸溶液が通過する出液孔が形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の硫酸電解方法。
  8. 前記スペーサに前記狭小流路部として前記硫酸溶液が通過する入液孔が形成されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の硫酸電解方法。
  9. 前記電解セルの出口から前記電解セルの入口までを接続する循環ラインが設けられており、該循環ライン及び/又は電解セルの滞留部の上流側に狭小流路部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の硫酸電解方法。
  10. 前記転極動作は、通常動作が所定の時間継続することによって実行されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の硫酸電解方法。
  11. 前記転極動作は、前記硫黄の析出状態の判定に基づいて実行されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の硫酸電解方法。
  12. 以下の条件(a)〜(c)の少なくとも1つを満たすことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の硫酸電解方法。
    (a)前記電解セル内の前記硫酸の濃度が85質量%以上
    (b)前記電解セル入口の硫酸温度が70℃以上
    (c)前記電解における電流密度が50A/dm以上
  13. 硫酸溶液の入液と出液とが可能な電解セルと、
    前記電解セル内に、互いの間隙で前記硫酸溶液が通液するように配置され、かつ少なくとも接液面が導電性ダイヤモンドで構成された少なくとも陽極と陰極とを含む複数の電極と、
    前記電極間の間隙を確保するスペーサと、
    該スペーサに有する前記硫酸溶液が流れる狭小流路部と、
    前記電解セルに対し硫酸溶液の送液を行う送液部と、
    前記電極の前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源部と、
    前記電源部に対し、通常の電解時に前記陽極と前記陰極との間に順方向の電圧を印加させるとともに予め定めた条件で前記陽極と前記陰極との間に印加する電圧を逆転する転極を実行させる制御を行う電源制御部と、を備えることを特徴とする硫酸電解装置。
  14. 硫酸溶液の入液と出液とが可能な電解セルと、
    前記電解セル内に、互いの間隙で前記硫酸溶液が通液するように配置され、かつ少なくとも接液面が導電性ダイヤモンドで構成された少なくとも陽極と陰極を含む複数の電極と、
    前記電極間の間隙を確保するスペーサと、
    該スペーサまたは該スペーサと他部材とで前記硫酸溶液が滞留する滞留部と、
    前記電極の前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源部と、
    前記電源部に対し、通常の電解時に前記陽極と前記陰極との間に印加する電圧を逆転する転極を実行させる制御を行う電源制御部と、を備えることを特徴とする硫酸電解装置。
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