JP5126478B2 - 洗浄液製造方法および洗浄液供給装置ならびに洗浄システム - Google Patents

洗浄液製造方法および洗浄液供給装置ならびに洗浄システム Download PDF

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Description

本発明は、シリコンウエハなどに付着した汚染物などを剥離効果が高い過硫酸および硫酸を含む溶液で洗浄剥離する際に、硫酸溶液を繰り返し利用しつつ過硫酸を再生して洗浄に供することが可能な洗浄液製造方法および洗浄液供給装置ならびに洗浄システムに関するものである。
電子機器はコンパクト化、低消費電力化を求められ、半導体チップは益々高集積度化する方向に進んでおり、半導体のパターン線幅は65nmから45nmへ、更には32nmへと狭くなりつつある。また、イオンドーズ量は、10の15乗(atom/cm)から10の16乗(atom/cm)へと高ドーズ化しつつある。これらの進歩のため、半導体製造の一工程であるレジスト剥離では、レジストが益々剥離しにくくなっている。
すなわち、高集積度化した半導体の製造工程では、パターン線幅が狭いため剥離液はパターンに馴染み難くなり、またイオンドーズによりレジストの炭化が進んで益々剥離し難くなっている。酸素プラズマによりレジストを酸化分解する方法(アッシングと呼ばれる。)もあるが、シリコン表面を酸化してしまい、必ずしも望ましい技術ではないので、アッシングをせずに剥離液だけで完全な剥離をできる技術が望まれている。
従来のレジスト剥離液は、濃硫酸と過酸化水素水を混合するSPM(Sulfuric acid / Hydrogen Peroxide Mixture)と呼ばれる溶液である。この方法は硫酸や過酸化水素を大量に消費するので、ランニングコストが高く、多量の廃液を発生するのが欠点である。これに対して、発明者らは既に、硫酸を電気分解して得られる過硫酸を剥離剤とし、硫酸を循環使用する過硫酸法を開発している(特許文献1参照)。過硫酸は剥離効果がSPMより強力であり、かつレジストを酸化した後は還元されて硫酸に戻るので、再び電気分解することにより何回でも使用することができる。このため、アッシングせず、かつSPMより低コストでレジストを完全剥離することができる。
上記過硫酸法で用いられる洗浄装置の一例を図7に基づいて説明する。
硫酸を洗浄液として使用して半導体ウエハを洗浄する洗浄槽50と、硫酸を電解液として電解反応により過硫酸を生成する電解反応装置60とを備えており、洗浄槽50内で洗浄に使用された洗浄液は、返流路52を通してポンプ53によって取り出され、循環路55と電解用送液路54に分配した後、循環路55ではヒータ56で加熱をされて洗浄槽50における熱損失を補って洗浄に適した温度とされる。また、適温とした洗浄液は、洗浄液に混入した固体浮遊物(SS)などがフィルタ57で取り除かれ、再度、洗浄槽50に供給されて循環使用される。なお、洗浄液に含まれる過硫酸イオンは、自己分解によって高い洗浄能力を有するが、その分解によって次第に濃度が低下するため、前記返流路52から電解用送液路54によって洗浄液の一部を取り出し、この洗浄液を冷却器59で冷却した後、電解反応装置60で電解して過硫酸イオン濃度を高める。この過硫酸を含む溶液(以下、「過硫酸溶液」という)は、過硫酸溶液送液路61を介して前記循環路55に合流させ、洗浄液導入路51を通して洗浄槽50に再度供給される。なお、電解反応槽50で発生する水素などの反応ガスは、希釈用空気を混合して安全濃度に希釈した後、排ガス処理工程に送られる。
上記繰り返しによって、過硫酸イオンを適度な濃度で含有する硫酸溶液によって半導体ウエハを連続して洗浄処理することが可能になる。
特開2006−114880号公報
ところで、本発明者らは、上記過硫酸法についてさらに研究開発を続けた結果、『バッチ式洗浄槽を用いる場合、硫酸濃度が高い方が剥離効果が高い。一方、硫酸溶液を電気分解して過硫酸を製造する工程では、硫酸濃度は比較的低い、具体的には15〜55質量%の範囲、より好適には25〜40質量%の範囲が良い。』ということを発見した。この両面の達成は、上記で説明した洗浄装置の構成では対応が困難であり、該目的達成には、剥離工程と電解工程の間で液を循環させて、両工程の間で濃度調整することが必要になる。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、硫酸濃度が比較的低い溶液の電解反応により過硫酸を効率よく生成できるとともに、洗浄効果の高い比較的硫酸濃度の高い洗浄液の供給が可能な洗浄液製造方法および洗浄液供給装置ならびに洗浄システムを提供することを目的とする。
すなわち、本発明の洗浄液製造方法の発明のうち、請求項1記載の発明は、洗浄に使用した硫酸を含む溶液の返流を受けて該溶液の一部を対象に水分を低減して硫酸濃度を高め、硫酸濃度を高めた該溶液を含めて返流された前記溶液をさらに前記洗浄に循環供給可能にするとともに、返流された硫酸を含む前記溶液の残りの一部を別に分け、分けた該溶液を希釈して硫酸濃度を低くした後、該希釈溶液の電解反応により過硫酸を生成し、該電解反応で得られた過硫酸を含む溶液を前記洗浄に供給し、
前記洗浄に循環供給される前記溶液と、前記洗浄に供給する過硫酸を含む前記溶液とが混合されて前記洗浄に使用されるように供給するか、
又は、洗浄に使用した硫酸を含む溶液の返流を受けて該溶液の全部を対象に水分を低減して硫酸濃度を高め、硫酸濃度を高めた該溶液を含めて返流された前記溶液をさらに前記洗浄に循環供給可能にするとともに、硫酸濃度を高めた前記溶液の一部を別に分け、分けた該溶液を希釈して硫酸濃度を低くした後、該希釈溶液の電解反応により過硫酸を生成し、該電解反応で得られた過硫酸を含む溶液を前記洗浄に供給可能とし、
前記洗浄に循環供給される前記溶液と、前記洗浄に供給する過硫酸を含む前記溶液とが混合されて前記洗浄に使用されるように供給することを特徴とする。
請求項2記載の洗浄液製造方法の発明は、請求項1記載の発明において、水分のガスストリッピングによって、前記水分の低減を行うことを特徴とする。
請求項3記載の洗浄液製造方法の発明は、請求項1記載の発明において、加熱蒸発によって、前記水分の低減を行うことを特徴とする。
請求項4記載の洗浄液製造方法の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記洗浄に循環供給される前記溶液と、前記洗浄に供給する過硫酸を含む前記溶液とが混合されて前記洗浄に使用される溶液の平均硫酸濃度が60〜90質量%であり、前記電解反応に供される前記希釈溶液の硫酸濃度が15〜55質量%であることを特徴とする。
請求項5記載の洗浄液製造方法の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記電解反応に前記希釈溶液を供給する際に、該希釈溶液を冷却して供給することを特徴とする。
請求項記載の洗浄液製造方法の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の発明において、硫酸濃度を高めた溶液を含めて返流された前記溶液を前記洗浄に循環供給する際に、該溶液を加熱して供給することを特徴とする。
請求項記載の洗浄液製造方法の発明は、請求項のいずれかに記載の発明において、前記電解反応により発生する電解反応ガスを、前記ガスストリッピングにおいて排出される出口ガスを用いて希釈することを特徴とする。
請求項記載の洗浄液製造方法の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の発明において、前記洗浄の対象が、半導体ウエハ、液晶用ガラス基板、フォトマスク基板など電子材料基板上のレジストなどにおける有機物の剥離除去であることを特徴とする。
請求項記載の洗浄液製造方法の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の発明において、前記洗浄に使用した硫酸を含む溶液の返流および洗浄に使用した前記溶液のさらなる前記洗浄への循環供給を連続して行い、返流された硫酸を含む前記溶液あるいは硫酸濃度を高めた前記溶液の一部に対する電解反応を間欠的に行うことを特徴とする。
請求項10記載の洗浄液供給装置の発明は、洗浄に使用した硫酸を含む溶液が洗浄側から返流される硫酸溶液返流路と、返流された前記硫酸を含む溶液の一部を対象に水分を低減する溶液水分低減手段と、前記溶液水分低減手段によって水分が低減された溶液を含み、前記硫酸溶液返流路で返流された溶液を洗浄側に送る硫酸溶液送液路と、前記硫酸溶液返流路によって返流された硫酸を含む前記溶液の残りの一部が分配され、該分配された溶液を希釈して硫酸濃度を低下させる溶液希釈手段と、該希釈手段によって硫酸濃度を低下させた溶液を電解反応させて過硫酸を生成する電解反応装置と、該電解反応装置で得られた過硫酸を含む溶液を洗浄側に供給する過硫酸溶液送液路とを備え、
又は、洗浄に使用した硫酸を含む溶液が洗浄側から返流される硫酸溶液返流路と、返流された前記硫酸を含む溶液の全部を対象に水分を低減する溶液水分低減手段と、前記溶液水分低減手段によって水分が低減された溶液を含み、前記硫酸溶液返流路で返流された溶液を洗浄側に送る硫酸溶液送液路と、水分が低減された前記溶液の一部が分配され、該分配された溶液を希釈して硫酸濃度を低下させる溶液希釈手段と、該希釈手段によって硫酸濃度を低下させた溶液を電解反応させて過硫酸を生成する電解反応装置と、該電解反応装置で得られた過硫酸を含む溶液を洗浄側に供給する過硫酸溶液送液路とを備え、
前記硫酸溶液返流路と前記過硫酸溶液送液路とは、互いに合流して前記硫酸溶液返流路で送られる溶液と前記過硫酸溶液送液路で送られる溶液とを混合して前記洗浄側に供給するものであることを特徴とする。
請求項11記載の洗浄液供給装置の発明は、請求項10記載の発明において、前記溶液水分低減手段が、放散塔であることを特徴とする。
請求項12記載の洗浄液製造方法の発明は、請求項10記載の発明において、前記溶液水分低減手段が加熱蒸発装置であることを特徴とする。
請求項13記載の洗浄液供給装置の発明は、請求項12記載の発明において、前記電解反応装置で生成される電解反応ガスと、前記放散塔から排出される出口ガスとを混合して前記電解反応ガスを希釈化するガス希釈手段を備えることを特徴とする。
請求項14記載の洗浄液供給装置の発明は、請求項1013のいずれかに記載の発明において、前記溶液希釈手段には、前記溶液水分低減手段で水分が低減されて硫酸濃度が高められた溶液が分配されることを特徴とする。
請求項15記載の洗浄液供給装置の発明は、請求項1014のいずれかに記載の発明において、前記溶液希釈手段によって硫酸濃度を低めた溶液を前記電解反応装置との間で循環させる溶液循環手段を備えることを特徴とする。
請求項16記載の洗浄液供給装置の発明は、請求項1015のいずれかに記載の発明において、前記電解反応装置で電解される溶液を冷却する電解用溶液冷却手段を備えることを特徴とする。
請求項17記載の洗浄液供給装置の発明は、請求項1016のいずれかに記載の発明において、前記硫酸溶液送液路で送液される溶液を加熱する洗浄用溶液加熱手段を備えることを特徴とする。
請求項18記載の洗浄液供給装置の発明は、請求項1017のいずれかに記載の発明において、前記硫酸溶液送液路と前記過硫酸溶液送液路とが、合流して混合液が洗浄側に供給されるものであることを特徴とする。
請求項19記載の洗浄システムの発明は、請求項1018のいずれかに記載の洗浄液供給装置と、該洗浄液供給装置から供給された硫酸および過硫酸を含む溶液を使用して被洗浄材の汚染物を剥離除去し、洗浄に使用した洗浄液を前記洗浄液供給装置に返流する洗浄装置とを備えることを特徴とする。
すなわち本発明によれば、洗浄効果のある高濃度硫酸溶液は、硫酸濃度を維持したままで循環使用するように供給可能とされる。この結果、該溶液を洗浄液として用いることで、洗浄効果の高い高濃度の硫酸溶液が確保される。一方、高濃度硫酸溶液の一部は分配され、希釈されて硫酸濃度が低下した後、電解反応に供される。電解反応では、比較的低い硫酸濃度において効率的な電解がなされ、過硫酸イオンが効率よく得られる。この過硫酸および硫酸を含む過硫酸溶液は、前記高濃度の硫酸溶液とともに洗浄使用に供給可能となる。この洗浄液中の過硫酸イオンは自己分解して酸化力を発し、この酸化力によって被洗浄材の汚染物などを効果的に剥離洗浄することができる。洗浄液では、溶液中の過硫酸イオンが自己分解することにより過硫酸濃度が次第に低下するが、上記電解反応によって、過硫酸イオンが生成されて洗浄側での過硫酸イオン濃度を適度に維持することができる。なお、高濃度の濃硫酸溶液と、低濃度の硫酸を有する過硫酸溶液とが洗浄側に供給されると、全体として洗浄液の平均硫酸濃度が低下する。但し、本発明では、高濃度硫酸溶液を循環させる際に、洗浄側から返流された硫酸溶液の一部または全部に対し、水分を低減させて循環に供しているため、過硫酸溶液との混合使用による硫酸濃度の低下と相殺して、洗浄側での洗浄液全体の硫酸濃度を適度に高い状態に維持することができる。
洗浄側から返流される硫酸を含む洗浄液の水分低減は、放散塔や加熱蒸発装置などの溶液水分低減手段により行うことができる。なお、洗浄側から返流される硫酸を水分低減処理に供する割合は、特に限定されるものではなく、溶液水分低減手段の水分低減能力や、過硫酸溶液の混合供給により低下する硫酸濃度などを勘案して設定することができる。溶液の水分低減は、連続して行う他、間欠的に行うことも可能である。
なお、水分低減に際し、溶液への不純物の混入は洗浄側での汚染を伴うため、極力防止するのが望ましい。例えば、ガスストリッピングにおいて、放散塔に収納する充填材は、例えばガラスラシヒリングなどを用い、充填材から物質が溶出して溶液を汚染しないようにする。また、導入するガスもできるだけ清浄なものを用いることが望ましく、例えば半導体製造におけるクリーンルームと同等の清浄度を有する空気を用いるのが望ましく、クリーンルームの空気を用いることもできる。特に、クリーンルーム内の空気は湿度が低く、洗浄槽から返流される硫酸溶液は温度が高いので、ガスストリッピングで効率良くストリッピングができる。なお、クリーンルームでは、単位時間当りの換気回数が決められているので所定の空気量を流し、排気しなければならない。よって、ガスストリッピング装置で空気を使用することはユーティリティ使用量の増加にはならない。
また、ストリッピング装置の出口ガスを用いて、電解工程で発生する水素ガスを希釈して爆発限界以下にすることができ、安全性を高めることができる。このように二つの目的を兼ねて空気を使用するので、効率的である。
電解反応に供する硫酸を含む溶液の希釈は、希釈水を混合する溶液希釈手段により行うことができる。希釈水は、溶液の溶媒として超純水などを用いることができる。希釈の程度は、電解反応に好適な硫酸濃度を得ることを観点にして定めることができるが、本発明としては希釈の程度が特定のものに限定をされるものではない。
なお、洗浄側における洗浄液の硫酸濃度は、レジストなどの剥離効果が高く、水分の低減が容易な水蒸気分圧を有する濃度として60〜90質量%が好適である。硫酸濃度が60質量%未満であると、レジスト等の有機化合物の溶解度が低くなり剥離し難くなって十分な洗浄能力が得られにくい。一方、90質量%を超えると、水分の低減が困難になる。したがって、洗浄液の硫酸濃度は、上記範囲が望ましい。同様の理由で、下限は65質量%が一層望ましく、上限は80質量%が一層望ましい。上記濃度は、循環利用される硫酸を含む溶液と、過硫酸を含む溶液との平均濃度として与えられるものである。
さらに、洗浄側における洗浄液の温度は、例えば100℃〜170℃が好適である。硫酸溶液は、高温にすることで洗浄効果が高まる。また過硫酸は、温度が高い程、自己分解速度が速くなり高い剥離洗浄作用が得られる。130℃といった高温では半減期が5分程度と自己分解速度が非常に速くなり、優れた洗浄作用を示す。温度が低すぎると、過硫酸の自己分解が十分に進行せず、優れた洗浄性能が発揮されない。一方、温度が過度に高くなると、過硫酸の分解速度が速くなりすぎて、洗浄性能が低下する。したがって、洗浄側における洗浄液の温度は、上記範囲が望ましい。なお、洗浄側における洗浄液は、循環供給される硫酸を含む溶液と、過硫酸を含む溶液とが混合使用される。電解反応装置では、溶液温度が低いほど過硫酸の生成効率が良く、また電極の損耗も小さくなる。また、過硫酸を含む溶液は早期に高温に過熱されると過硫酸の自己分解が進行してしまうため、比較的低温の過硫酸を含む溶液は加熱せず、硫酸を含む溶液を高温にして両者を硫酸側に近い上流で混合して洗浄側に供給するのが望ましい。硫酸を含む溶液は、洗浄側から返流されて再度洗浄側に供給する際の温度低下分を補い、さらに比較的低温の過硫酸を含む溶液との混合を考慮して、上記混合前に適宜の加熱手段によって加熱するのが望ましい。加熱手段としてはヒータや熱水、蒸気などとの熱交換を利用した加熱器などが洗浄用溶液加熱手段として例示されるが、本発明としては特定の方法、構造のものに限定されない。また、低濃度の硫酸を含む過硫酸溶液と高濃度の硫酸を含む溶液とを混合すると、混合熱が発生して溶液の加熱を補助する作用も得られる。
電解反応に供する溶液の硫酸濃度は、電解工程での電流効率(通過電流に対する過硫酸の生成割合)を高くするために、15質量%〜55質量%が望ましい。硫酸濃度が15質量%未満であると、洗浄側で使用される平均硫酸濃度が低くなるため、電流効率の低下以外にも循環使用する濃硫酸溶液の水分低減処理の負担が大きくなる。一方、硫酸濃度が55質量%を超えると、電解工程での電流効率が低下する。これらの点から、電解反応に供する溶液の硫酸濃度は、上記範囲が望ましい。なお、同様の理由で下限を25質量%、上限を40質量%とするのが望ましい。
また、電解反応に供する溶液は、電解反応効率を良好にするために、硫酸濃度に加えて温度が適温であるのが望ましい。電解される溶液としての適温は、10〜90℃の範囲を示すことができる。上記温度範囲を超えると、電解効率が低下し、電極の損耗も大きくなる。一方、上記温度を下回ると、洗浄側に供給する溶液を加熱するための熱エネルギが莫大になる。なお、同様の理由により、電解反応に供する溶液の温度の下限を30℃、上限を80℃とするのが一層望ましい。電解反応装置に供給される溶液は、適宜の電解用溶液冷却手段で冷却して適温にすることができる。該冷却手段としては空冷、水冷などの冷却器を例示することができる。また、溶液を希釈する際に、常温などの低温の希釈水を混合することで溶液の濃度を低下させることができる。また、洗浄側に循環使用する硫酸溶液の水分を低減する方法としてガスストリッピング法を利用し、この水分を低減した溶液を分配して、希釈後、電解反応に供する場合、ガスとの接触およびガスストリッピングに伴って水分の蒸発熱によって溶液の温度が低下する作用があり、下流側で溶液を冷却する負担が軽減される。
電解反応装置では、陽極と陰極とを対にして電解がなされる。これら電極の材質は、本発明としては特定のものに限定されない。しかし、電極として一般に広く利用されている白金を本発明の電解反応装置の陽極として使用した場合、過硫酸イオンを効率的に製造することができず、白金が溶出するという問題がある。これに対し、導電性ダイヤモンド電極は、過硫酸イオンの生成を効率よく行えるとともに、電極の損耗が小さい。したがって、電解反応装置の電極のうち、少なくとも、過硫酸イオンの生成がなされる陽極を導電性ダイヤモンド電極で構成するのが望ましく、陽極、陰極ともに導電性ダイヤモンド電極で構成するのが一層望ましい。
導電性ダイヤモンド電極は、シリコンウエハ等の半導体材料を基板とし、このウエハ表面に導電性ダイヤモンド薄膜を合成させたものや、板状に析出合成したセルフスタンド型導電性多結晶ダイヤモンドを挙げることができる。また、Nb,W,Tiなどの金属基板上に積層したものも利用できるが、電流密度を大きくした場合には、ダイヤモンド膜が基板から剥離するという問題が生じやすい。
なお、導電性ダイヤモンド薄膜は、ダイヤモンド薄膜の合成の際にボロン、窒素などの所定量をドープして導電性を付与したものであり、通常はボロンドープしたものが一般的である。これらのドープ量は、少なすぎると技術的意義が発生せず、多すぎてもドープ効果が飽和するため、ダイヤモンド薄膜の炭素量に対して、50〜20,000ppmの範囲のものが適している。本発明において、導電性ダイヤモンド電極は、通常は板状のものを使用するが、網目構造物を板状にしたものも使用できる。すなわち、本発明としては、電極の形状や数は特に限定されるものではない。
この導電性ダイヤモンド電極を用いて行う電解処理は、導電性ダイヤモンド電極表面の電流密度を10〜100,000A/mとし、硫酸イオンを含む溶液をダイヤモンド電極面と平行方向に、通液線速度を1〜10,000m/hrで接触処理させることが望ましい。
なお、電解反応装置における電解は、洗浄側への溶液の供給(洗浄)を連続で行う場合にも、間欠的に行うものであっても良い。電解反応を間欠的に行うことで、溶液供給に拘わらず電解反応装置で好適な電解条件によって電解を行うことができる。なお、間欠運転の際に、過硫酸を含む溶液を連続して洗浄側に供給したい場合には、2以上の電解反応装置を備えるものとして、各電解反応装置での電解および電解した溶液の送液時機をずらして行うことにより過硫酸を含む溶液を連続的に供給することが可能になる。
また、電解反応装置では、電解に伴って水素などの反応ガスが生成される。この反応ガスが爆発限度にまで濃度が達すると危険性を伴う。このため、従来は、電解反応ガスを電解反応装置から取り出して空気などによって爆発限度以下にまで十分に希釈して処理をしている。本発明では、上記水分低減手段として放散塔を用いる場合には、ガスとしては通常は空気が用いられるため、この出口ガスを用いて上記希釈を行うことができる。該排ガスには、水分が十分に含まれているため、電解反応ガスとの混合において、扱いがより容易になる。
洗浄装置は枚葉式、バッチ式のいずれにも対応できるが、該洗浄装置では電子基板の洗浄時にレジスト等汚染物の剥離溶解に伴い洗浄液中に溶解性のTOCが発生する。このとき、洗浄液のTOCを効率良く除去し、電子基板材料への有機物の再付着を防ぐ必要があるため洗浄装置でレジストの剥離溶解に伴って生成するTOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、電解反応装置での過硫酸生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となるように電解条件を設定するのが望ましい。これにより過硫酸の消費と生成がバランスし、効率的な洗浄と効率的な電解処理がなされる。なお、同様の理由で下限を20、上限を300とするのが望ましい。
なお、本発明では、種々の被洗浄材を対象にして洗浄液を供給することができるが、シリコンウエハ、液晶用ガラス基板、フォトマスク基板などの電子材料基板を対象にして洗浄処理をする用途に好適である。さらに具体的には、半導体基板上に付着したレジスト残渣などの有機化合物の剥離プロセスに利用することができる。また、半導体基板上に付着した微粒子、金属などの異物除去プロセスに利用することができる。
なお、従来、半導体基板の処理プロセスなどでは、洗浄処理に先立って、通常、前処理工程としてアッシングプロセスを利用して有機物であるレジストを予め酸化して灰化する工程が組み込まれている。この工程は、装置コストや処理コストを高価にするという問題を有している。ところで、本発明のシステムでは、優れた洗浄効果が得られることから、上記したアッシングプロセスなどの前処理工程を組み込むことなく洗浄処理を行った場合にも、十分にレジストなどの除去効果が得られる。すなわち、本発明は、これらの前処理工程を省略したプロセスを確立することも可能にする。
以上説明したように、本発明の洗浄液製造方法によれば、洗浄に使用した硫酸を含む溶液の返流を受けて該溶液の一部または全部を対象に水分を低減して硫酸濃度を高め、硫酸濃度を高めた該溶液を含めて返流された前記溶液をさらに前記洗浄に循環供給可能にするとともに、返流された硫酸を含む前記溶液の一部を別に分け、分けた該溶液を希釈して硫酸濃度を低くした後、該希釈溶液の電解反応により過硫酸を生成し、該電解反応で得られた過硫酸を含む溶液を前記洗浄に供給可能とするので、以下の効果が得られる。
(1)返流された硫酸溶液に希釈水を加えることにより適切な硫酸濃度で電解を行うことができ、電流効率が高い。
(2) 硫酸溶液の水分を低減して洗浄側に循環供給できるので、洗浄側では硫酸濃度を高く保つことができ、洗浄効果が高い。
すなわち、本発明によれば、効率的な電解反応と、洗浄効果の高い洗浄液の供給という両面の目的を達成することができる。
また、本発明の洗浄液供給装置によれば、洗浄に使用した硫酸を含む溶液が洗浄側から返流される硫酸溶液返流路と、返流された前記硫酸を含む溶液の一部または全部を対象に水分を低減する溶液水分低減手段と、前記溶液水分低減手段によって水分が低減された溶液を含み、前記硫酸溶液返流路で返流された溶液を洗浄側に送る硫酸溶液送液路と、前記硫酸溶液返流路によって返流された硫酸を含む溶液の一部が分配され、該分配された溶液を希釈して硫酸濃度を低下させる溶液希釈手段と、該希釈手段によって硫酸濃度を低下させた溶液を電解反応させて過硫酸を生成する電解反応装置と、該電解反応装置で得られた過硫酸を含む溶液を洗浄側に供給する過硫酸溶液送液路とを備えるので、効率的な電解反応と、洗浄効果の高い洗浄液の供給という両面の目的達成を確実なものとする。
さらに、本発明の洗浄システムは、本発明の洗浄液供給装置と、該洗浄液供給装置から供給された硫酸および過硫酸を含む溶液を使用して被洗浄材の汚染物を剥離除去し、洗浄に使用した洗浄液を前記洗浄液供給装置に返流する洗浄装置とを備えるので、効率的に供給される過硫酸を含む溶液を用いて効果的に電子材料基板の洗浄を行うことが可能になる。
(実施形態1)
以下に、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
半導体ウエハの洗浄が行われる洗浄槽1は、硫酸溶液が収容され、ここに直径300mmのシリコンウエハ50枚を一バッチ分として受け容れ可能な容積を有しており、通常は、酸化剤(過酸化水素、過硫酸など)を加えて約10分でレジスト剥離を行う。この形態では、酸化剤として過硫酸が用いられる。
すなわち、洗浄槽1には、洗浄液導入路2と洗浄液返流路3とが接続されており、洗浄液導入路2は、洗浄液供給装置10の洗浄液供給路16に接続可能とされ、洗浄液返流路3は、ポンプ4を介して洗浄液供給装置10の硫酸溶液返流路11に接続可能とされている。上記洗浄槽1と洗浄液供給装置10とを接続することによって本発明の洗浄システムが構成される。
洗浄液供給装置10では、硫酸溶液返流路11の下流側は、循環側分岐路12と電解用分岐路30に分岐しており、循環側分岐路12は、下流側でさらに硫酸溶液送液路である循環分岐路13と減水用分岐路20とに分岐している。循環分岐路13には、洗浄用溶液加熱手段であるヒータ14とフィルタ15とが介設されており、その下流側で後述する過硫酸溶液送液路35と合流して前記洗浄液供給路16に接続されている。したがって、洗浄液供給路16は硫酸溶液送液路の一部を担っている。
一方、減水用分岐路20は、下流側で溶液水分低減手段である放散塔21(ガスストリッピング装置)の塔頂部に接続されている。放散塔21には、ガラスラシヒリングなどの充填材(図示しない)が充填されており、下方側から放散用空気が導入されて塔頂部から充填材を通って流下する溶液と下方側から充填材を通って上昇する空気とを向流させて溶液の水分の一部を蒸散させて上昇空気に取り込んで放散塔排気路25から出口ガスとともに放出する。水分が低減された溶液は放散塔21の塔底部から排水路22へと取り出される。排水路22には、ポンプ23が介設され、下流側は、濃縮硫酸溶液送液路24を介して前記した循環分岐路13に合流している。
また、前記した電解用分岐路30は、希釈水送液路31と合流して溶液が希釈される。したがって、希釈水送液路31は、電解用分岐路30と合流することで溶液希釈手段として機能する。合流後の電解用分岐路30は、電解用溶液冷却手段に相当する電解用冷却器32を介して電解反応装置33の入液側に接続されている。電解用冷却器32は、溶液を汚染することなく冷却できるものであればよく、空冷、水冷などの適宜の熱交換器などを用いることができる。
上記電解反応装置33には、図示しない陽極および陰極が配置されており、さらに所望により陽極と陰極との間に所定の間隔をおいてバイポーラ電極を配置することもできる。上記陽極および陰極には、直流電源(図示しない)が接続され、電極間に溶液を通液しつつ直流電源により通電することで電解反応装置33での溶液の直流電解が可能になっている。
この実施形態では、上記電極はダイヤモンド電極によって構成されている。該ダイヤモンド電極は、基板状にダイヤモンド薄膜を形成するとともに、該ダイヤモンド薄膜の炭素量に対して、好適には50〜20,000ppmの範囲でボロンをドープすることにより製造したものである。また、薄膜形成後に基板を取り去るなどして自立型としたものであってもよい。
電解反応装置33の電解された溶液の出液側には、過硫酸溶液送液路35が接続されており、該過硫酸溶液送液路35は、前記した循環分岐路13と合流して洗浄液供給路16に接続されている。したがって、洗浄液供給路16は過硫酸溶液送液路の一部を担っている。
また、電解反応装置33で発生する反応ガスは、電解槽排気路34に導かれ、放散塔21の排気路25と合流する。排気路25はさらに下流側が系外に伸びて排ガス処理工程などに供される。したがって、排気路25は、電解槽排気路34と合流することでガス希釈手段として機能する。
次に、上記構成よりなる洗浄液供給装置および洗浄システムの作用について説明する。
上記洗浄槽1内に、硫酸濃度が60〜90質量%の硫酸溶液を収容する。洗浄においては、該硫酸溶液は100〜170℃に加熱されて、半導体ウエハの洗浄に使用される。洗浄液は、ポンプ4によって、順次、洗浄液返流路3を通して洗浄液供給装置10に返流される。返流された硫酸溶液は、硫酸溶液返流路11に導入され、一部が電解用分岐路30に分配され、残りは循環側分岐路12に分配される。循環側分岐路12では、さらに一部が減水用分岐路20に分配され、残りが循環分岐路13に分配される。
減水用分岐路20に分配された硫酸溶液は、放散塔21の塔頂部に導入され、充填材中を流下する。一方、放散塔21には、下方側からクリーンルームなどから供給される放散用空気が導入されて充填材中を上昇し、硫酸溶液の一部の水分が蒸散により低減され、排水路22へと移動する。この排水路22に移動した硫酸溶液は、水分の低減によって硫酸濃度が高まっており、また、放散用空気との接触および水分の蒸散によって温度が低下している。一方、放散塔21で水分をストリッピングした空気は、出口ガスとして排気路25に排気される。排水路22の濃縮された硫酸溶液は、ポンプ23で送液されて濃縮硫酸溶液送液路24を介して循環分岐路13に合流し、該循環分岐路13を流れる硫酸溶液と混合される。循環分岐路13における混合された溶液は、洗浄槽1から返流された後、温度が低下しており、これをヒータ14によって加熱して洗浄に好適な100℃〜170℃に加熱する。また、洗浄槽1での洗浄によって固体浮遊物(SS)などが溶液中に混入しているおそれがあるため、フィルタ15によって固形分を取り除いて洗浄液供給路16に供給する。
一方、電解用分岐路30に分配された硫酸溶液は、希釈水送液路31と合流して、該希釈水送液路31に希釈水として導入される常温の超純水と混合され、電解に好適な硫酸濃度15〜55質量%に調整される。また、高温の硫酸溶液は、希釈水との混合によって温度が低下する。希釈された硫酸溶液は、電解用分岐路30の下流側へと送液され、電解用冷却器32によって電解に好適な10〜90℃に冷却された後、電解反応装置33の入液側に導入される。
この際に、電解反応装置33では、陽極および陰極に直流電源によって通電されており(バイポーラ電極を有する場合にはこれらが分極)、電解反応装置33に送液される硫酸溶液が電極間に通水されながら電解される。この際に通液線速度が1〜10,000m/hrとなるように設定するのが望ましい。なお、上記通電では、ダイヤモンド電極表面での電流密度が10〜100,000A/mとなるように通電制御するのが望ましい。
電解反応装置33で硫酸溶液に対し通電されると、硫酸溶液中の硫酸イオンが酸化反応して過硫酸イオンが生成され過硫酸溶液が効率よく得られる。なお、電解に際し発生する水素ガスなどの反応ガスは、電解槽排気路34を通して電解反応装置33から排気され、排気路25を流れる放散塔21からの出口ガスと混合され、安全かつ確実に爆発限度以下の濃度に希釈される。希釈されたガスは、排気路25を通して系外の排ガス処理工程などによって処理がなされる。排ガス処理の方法としては、次の方法が考えられる。水素を希釈混合した後の排ガス中には硫酸ミストが含まれているので、排ガス洗浄塔で水による洗浄を行った後、触媒燃焼装置にて水素を燃焼処理する。触媒反応温度は200℃程度必要なので、発熱量が不足する場合には触媒装置内にヒータを設けて加熱する。その後、室内空気を吸引・混合するなどして、排気許容温度まで下げて排気ダクトなどへ排出する。
また、電解反応装置33で得られた過硫酸溶液は、過硫酸溶液送液路35を通して送液され、循環分岐路13で送液される高温・高濃度の硫酸溶液と混合される。なお、過硫酸溶液の温度は、前記のように電解反応に好適な比較的低温の温度に調整されているので、高温の硫酸溶液と混合される迄は過硫酸イオンの自己分解は少なく抑えられている。この混合によって硫酸溶液の温度、硫酸濃度は低下するものの、過硫酸溶液の量が硫酸溶液の量に比べて少量であるので前記の低下の程度は小さく、混合後の溶液の温度および硫酸濃度は、洗浄に好適な範囲が維持される。なお、混合による温度、硫酸濃度の低下の程度が大きい場合には、その低下を見越して硫酸溶液の加熱温度、水分低減による硫酸濃度の上昇の程度を調整しておけばよい。
混合された溶液は、高温の状態になるため、溶液に含まれる過硫酸イオンの自己分解が進行する。この溶液を洗浄液として、洗浄液供給路16、洗浄液導入路2を通し洗浄槽1に供給する。洗浄槽1内では、被洗浄材である半導体ウエハを洗浄液に浸漬し洗浄を行う。洗浄槽1内の洗浄液では、過硫酸イオンの自己分解および硫酸の作用によって高い酸化作用が得られており、半導体ウエハ上の汚染物などが効果的に剥離除去され、洗浄液中に移行する。洗浄液中に移行した剥離除去物は、過硫酸イオンの作用によって分解される。
洗浄槽1内の洗浄液は、過硫酸イオンの自己分解によって次第に過硫酸イオン濃度が低下する。ただし、この洗浄液は、前記のように洗浄液返流路3を通して洗浄液供給装置10に返流され、一部が電解反応装置33で効率的に電解されて過硫酸が再生されて再度洗浄液に供給されるため、洗浄槽1内での過硫酸イオン濃度を適度に維持することができる。また、洗浄液は、電解用のものを除いて、洗浄槽に循環供給されるとともに、一部では水分が低減され過硫酸濃度が高められて洗浄液に再度供給されるため、電解に供する硫酸溶液に加えられる希釈水の増加分が相殺されて水分量の増減がバランスされて洗浄槽での洗浄液の硫酸濃度が洗浄に好適な高濃度に維持されている。
(実施形態2)
なお、上記実施形態1では、硫酸溶液返流路11から分配される硫酸溶液を電解反応に供するものとしたが、本発明としては、水分が低減された硫酸溶液を電解反応に供するようにしてもよい。 以下に、当該構成の実施形態2について説明する。なお、上記実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付しており、その説明を簡略化する。
この形態の洗浄液供給装置10aでは、洗浄液返流路3に接続された硫酸溶液返流路11は、循環分岐路13と減水用分岐路20とに分岐している。循環分岐路13には、前記形態と同様にヒータ14、フィルタ15が介設され、過硫酸溶液送液路35と合流して洗浄液供給路16に接続されている。
減水用分岐路20は、放散塔21の塔頂部に接続されている。放散塔21の塔底部に接続された排水路22は、ポンプ23が介設され、その下流側で濃縮硫酸溶液送液路24と電解用分岐路38とに分岐しており、濃縮硫酸溶液送液路24は、前記形態と同様に循環分岐路13に合流している。電解用分岐路38は、希釈水送液路31が合流しており、その下流側で電解用冷却器32を介して電解反応装置33の入液側に接続されている。電解反応装置33の出液側には、前記形態と同様に過硫酸溶液送液路35が接続されており、過硫酸溶液送液路35の他端側は、前記循環分岐路13に合流して洗浄液供給路16に接続されている。
以下に、この形態の洗浄システムについて説明する。
上記洗浄槽1内の硫酸溶液は、ポンプ4によって洗浄液返流路3を通して洗浄液供給装置10aに返流され、返流された硫酸溶液は、硫酸溶液返流路11に導入され、一部が減水用分岐路20に分配され、残りが循環分岐路13に分配される。
減水用分岐路20に分配された硫酸溶液は、放散塔21の塔頂部に導入され、放散塔21に導入される放散用空気で水分が低減され、また、これに伴って溶液の温度が低下する。水分を低減した硫酸溶液は、排水路22を通してポンプ23で送液され、一部が電解用分岐路38に分配され、残りは濃縮硫酸溶液送液路24に分配されて、循環分岐路13を流れる濃硫酸溶液と混合される。循環分岐路13を流れる硫酸溶液は、ヒータ14による加熱、フィルタ15による固形物除去がなされた後、洗浄液供給路16に送液される。
一方、電解用分岐路38に分配された濃縮硫酸溶液は、希釈水送液路31を通して送液される超純水で希釈されて電解反応に好適な前記硫酸濃度に調整される。また、溶液は、低温の希釈水との混合によって温度が低下する。電解用分岐路38の下流側では希釈された硫酸溶液を電解用冷却器32によって電解反応に好適な温度に冷却する。なお、硫酸溶液は、放散塔21においてガスストリッピングの結果、温度が低下しており、さらに希釈水との混合によっても温度が低下しているため、冷却負担が小さく、容易に電解に好適な温度にまで冷却することができる。電解反応装置33では、前記形態と同様にして過硫酸溶液が得られ、過硫酸溶液送液路35を通して洗浄液供給路16に送液される。電解反応ガスは、前記形態と同様に放散塔21の出口ガスによって希釈されて排ガス処理工程に供される。
この形態では、ガスストリッピング法による放散塔によって水分を低減した溶液を電解反応に供しているので、電解反応に際し硫酸溶液を冷却する負担が軽減されるという利点を有している。なお、電解反応に供給する溶液としては、水分を低減した溶液と水分を低減しない溶液のいずれかの他、両方を用いるものであってもよい。
(実施形態3)
上記各実施形態では、返流された溶液の一部を電解して、そのまま洗浄側に供給するものとして説明したが、電解反応装置側で溶液を循環しつつ電解して硫酸イオン濃度を十分に高めた後、洗浄側に供給することもできる。
以下に、該構成による実施形態3を説明する。なお、この形態では、電解反応装置における循環システムのみを説明するが、その他の構成(硫酸溶液の再循環、水分の低減)は前記実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
電解用分岐路30または電解用分岐路38の下流端は、電解貯槽40に臨ませてあり、該電解貯槽40には、希釈水送液路31の下流端が同じく臨ませてある。電解貯槽40では、電解用分岐路30または電解用分岐路38から供給される比較的濃度の高い硫酸溶液と、希釈水送液路31から供給される希釈水とが混合されて、電解反応に好適な硫酸濃度に調整される。したがって、この形態では、希釈水送液路31と電解貯槽40とによって溶液希釈手段が構成されている。
また、電解貯槽40には、送り路41が接続されており、該送り路41は、ポンプ42、三方弁43、冷却器32が介設されて電解反応装置33の入液側に接続されている。したがって、送り路41は、電解用分岐路の一部を担っている。また、電解反応装置33の出液側には戻り路44が接続されており、該戻り路44の他端側は、前記電解貯槽40に臨ませてある。また、三方弁43の切り替え可能な一ポートには、過硫酸溶液送液路35が接続されている。上記電解貯槽40、送り路41、三方弁43、戻り路44によって、本発明の溶液循環手段が構成されている。
上記形態では、洗浄槽1から返流された硫酸溶液の一部は、電解用分岐路30または電解用分岐路38によって電解貯槽40に貯留され、希釈水送液路31で送液される希釈水によって希釈されて電解反応に好適な硫酸濃度に調整される。電解貯槽40に貯留された硫酸溶液は、送り路41を通してポンプ42で送液され、三方弁43を通して電解反応装置33側に移送される。この際に、過硫酸溶液送液路35への溶液の供給はなされない。送り路41を移送される容器は、冷却器32によって電解反応に好適な温度に冷却された後、電解反応装置33で電解されて過硫酸イオンの生成がなされ、順次、戻り路44を通して電解貯槽40へと戻される。この循環を繰り返すことで溶液の過硫酸イオン濃度は次第に増加する。過硫酸イオン濃度が所定値に達すると、または所定時間電解を行うと、電解終了として、電解反応装置33への通電は停止し、三方弁43を切り替えて、電解貯槽40側と過硫酸溶液送液路35のポートを連通させる。上記三方弁43の切り替え後、ポンプ42を動作させることで、電解貯槽40内の過硫酸溶液が過硫酸溶液送液路35へと送り出され、上記各実施形態に示すように洗浄側に供給される。
この実施形態では、電解反応装置で間欠的に電解を行って、十分に過硫酸イオン濃度を高めた溶液を洗浄側に供給することができる。電解反応装置では、硫酸溶液の返流速度に拘わらず、循環しながら電解を行うことができるので、最適な電解条件で最も効率よく過硫酸イオンの生成を行うことができる。
(実施形態4)
上記実施形態では、電解用の溶液を循環させつつ電解することで電解効率を高めたが、このために過硫酸溶液の洗浄側への供給が間欠的になる。以下の実施形態では、一つの電解反応装置における電解反応を間欠的に行うとともに、過硫酸溶液の供給は略連続的に行うことを可能にするものである。
この実施形態4では、溶液循環手段と電解反応装置とを一組して、二組が並列に設けられており、希釈水の供給、電解用溶液の供給、過硫酸溶液の供給がそれぞれの組で選択可能になっている。この実施形態では、それぞれの選択は、三方弁の切り替えによって行うことができる。なお、本発明としては、電解反応装置を3以上備え、これを順次使用するものであってもよい。
次に、実施形態4の作用について説明する。
一の組で既に十分に電解反応がなされて高い濃度の過硫酸イオンが得られている場合、例えば、三方弁43aを切り替えて電解貯槽40a内の過硫酸溶液を過硫酸溶液送液路35a、三方弁47を介して過硫酸溶液送液路35に送液する。一方、他の組では、三方弁45、46を切り替えて、電解用分岐路30または電解用分岐路38と、電解用分岐路30bまたは電解用分岐路38bとを三方弁45を介して接続して、電解貯槽40bに硫酸溶液を貯留し、一方、希釈水送液路31と希釈水送液路31bとを三方弁46を介して接続し、電解貯槽40bに希釈水を導入して硫酸溶液を希釈する。貯留および希釈が整ったならば、三方弁43bを切り替えて電解貯槽40bと電解反応槽33bとの間で、送り路41b、戻り路44bを通してポンプ42bで溶液を循環しつつ電解を行う。この循環によって溶液中の過硫酸イオン濃度を十分に高めることができる。電解の終了と、前記過硫酸溶液の送り出し終了とを略同時期にすることで、送り出し側、電解側を切り替え、送り出しを終了した側では、上記と同様にして溶液の貯留、希釈、電解を行い、電解を終えた側では、上記と同様に過硫酸溶液の送り出しを行う。上記の繰り返しによって、それぞれの電解反応装置で電解を間欠的に行いつつ、過硫酸溶液を連続的に洗浄側に供給することができる。
(実施形態5)
上記各実施形態では、硫酸濃度を高める手段として水分を低減する放散塔を用いた例を説明したが、本発明としてはこれに限定されるものではなく、水分を低減する手段として加熱蒸発装置を用いることができる。
図5は、図1に示した放散塔21に代えて加熱蒸発装置21aを用いた洗浄液供給装置10bおよび洗浄システムを示すものである。なお、その他の構成については同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略している。
加熱蒸発装置21aには、減水用分岐路20が接続され、減水用分岐路20を通して導入される硫酸溶液を加熱して水分を蒸発させる。発生する蒸気は排出して適宜の処理を行う。上記水分の蒸発によって硫酸濃度が高められた硫酸溶液は、排水路22より排水され、ポンプ23で濃縮硫酸溶液送液路24に送液され、循環分岐路13に合流する。なお、濃縮硫酸溶液送液路24で送液される硫酸溶液は、加熱蒸発装置21aで加熱されているので、高い温度を有しており、この温度を維持して循環分岐路13に合流させることで、ヒータ14における加熱負担が軽減される。
(実施形態6)
上記した加熱蒸発装置21aは、図2に示す洗浄液供給装置においても当然に適用することができる。該構成の洗浄液供給装置10cおよび洗浄システムを図6に示す。
加熱蒸発装置21aには、減水用分岐路20が接続され、減水用分岐路20を通して導入される硫酸溶液を加熱して加熱して水分を蒸発させ、蒸気は排出して適宜の処理を行う。上記水分の蒸発によって硫酸濃度が高められた硫酸溶液は、排水路22より排水され、ポンプ23でその下流側で濃縮硫酸溶液送液路24と電解用分岐路38とに分岐して送液される。濃硫酸溶液送液路24に送液される硫酸溶液は、上記で説明したように高温の状態を維持することでヒータ14の加熱負担を軽減する。
電解用分岐路38は、希釈水送液路31が合流しており、その下流側で電解用冷却器32を介して電解反応装置33の入液側に接続されている。電解用冷却器32では、希釈された硫酸溶液を電解に好適な温度に冷却する。
(実施例)
図2に示すシステム内の洗浄槽において、硫酸濃度75質量%、温度150℃で、過硫酸によるレジスト剥離操作を行った。洗浄槽内の液容量は約50リットルであり、この液を毎分25リットルの割合でヒータを介して循環して、洗浄槽からの熱損失を補うとともに槽内の液を撹拌混合した。この循環液のうち毎分7リットルを分岐し、充填塔式の放散塔にかけ、25℃の室内空気を85Nm/hの割合で塔下部より吹き込んで、硫酸溶液と向流接触させたところ、塔底液の硫酸濃度は76.7質量%に濃縮された。塔底液の一部(0.11L/min)を分岐し、残りを洗浄槽へ循環した。分岐した液に水(0.26L/min)を加えて硫酸濃度32質量%に調整し、30℃に冷却した後に電解工程へ送って、電極反応により過硫酸を生成した。この時、電解セルでの電流効率は40%であった。この過硫酸溶液を洗浄槽へ送り、レジスト剥離反応に用いたところ、5分間の操作で、ウエハ上のレジストは完全に剥離した。また、電解工程の前で加えた水は放散塔で蒸発し、洗浄槽の硫酸濃度は一定に保たれた。
電解工程で発生する水素ガスを放散塔頂からの出口ガスで希釈したところ、希釈後の濃度は1容積%であった。水素の空気中での爆発限界濃度は4容積%であるので、十分安全な濃度であった。
(比較例)
図7に示す従来法の装置を用いて、75質量%の硫酸溶液を希釈せずに冷却して電解を行った。硫酸濃度が高いので過硫酸生成に対する電流効率は20%未満であった。ここで生成した過硫酸溶液を洗浄槽へ循環してレジスト剥離を行ったが、10分間浸漬操作を行っても完全な剥離はできなかった。これは、生成する過硫酸濃度が低いことによる他、硫酸濃度が高い溶液中では過硫酸イオンの寿命が短いためと考えられる。過硫酸生成量を増やすには電解工程への液の循環量を増やせば良いが、このためには電解セルの増設が必要であり、設備費の上昇を招く。
なお、実施例、比較例ともイオンドーズ量1016(As−atom/cm)のウエハを用いた。この試験の後、比較例において使用した1015(As−atom/cm)のウエハに対して実施例と同様の処理を行ったところ、該ドーズ量においては剥離は良好であった。したがって、本発明は、従来法では、良好な洗浄が困難な高ドーズ量のウエハにおいても顕著な洗浄効果を有することが明らかとなった。
本発明の一実施形態における洗浄液供給装置および洗浄システムを示す概略図である。 同じく、他の実施形態における洗浄液供給装置および洗浄システムを示す概略図である。 同じく、さらに他の実施形態における洗浄液供給装置の一部を示す概略図である。 同じく、さらに他の実施形態における洗浄液供給装置の一部を示す概略図である。 同じく、さらに他の実施形態における洗浄液供給装置および洗浄システムを示す概略図である。 同じく、さらに他の実施形態における洗浄液供給装置および洗浄システムを示す概略図である。 従来の洗浄システムを示す概略図である。
符号の説明
1 洗浄槽
2 洗浄液導入路
3 洗浄液返流路
10 洗浄液供給装置
10a 洗浄液供給装置
10b 洗浄液供給装置
10c 洗浄液供給装置
11 硫酸溶液返流路
12 循環側分岐路
13 循環分岐路
14 ヒータ
16 洗浄液供給路
20 減水用分岐路
21 放散塔
21a 加熱蒸発装置
24 濃縮硫酸溶液送液路
30 電解用分岐路
31 希釈水送液路
32 電解用冷却器
33 電解反応装置
33a 電解反応装置
33b 電解反応装置
34 電解槽排気路
35 過硫酸溶液送液路
40 電解貯槽
41 送り路
42 ポンプ
44 戻り路

Claims (19)

  1. 洗浄に使用した硫酸を含む溶液の返流を受けて該溶液の一部を対象に水分を低減して硫酸濃度を高め、硫酸濃度を高めた該溶液を含めて返流された前記溶液をさらに前記洗浄に循環供給可能にするとともに、返流された硫酸を含む前記溶液の残りの一部を別に分け、分けた該溶液を希釈して硫酸濃度を低くした後、該希釈溶液の電解反応により過硫酸を生成し、該電解反応で得られた過硫酸を含む溶液を前記洗浄に供給し、
    前記洗浄に循環供給される前記溶液と、前記洗浄に供給する過硫酸を含む前記溶液とが混合されて前記洗浄に使用されるように供給するか、
    又は、洗浄に使用した硫酸を含む溶液の返流を受けて該溶液の全部を対象に水分を低減して硫酸濃度を高め、硫酸濃度を高めた該溶液を含めて返流された前記溶液をさらに前記洗浄に循環供給可能にするとともに、硫酸濃度を高めた前記溶液の一部を別に分け、分けた該溶液を希釈して硫酸濃度を低くした後、該希釈溶液の電解反応により過硫酸を生成し、該電解反応で得られた過硫酸を含む溶液を前記洗浄に供給し
    前記洗浄に循環供給される前記溶液と、前記洗浄に供給する過硫酸を含む前記溶液とが混合されて前記洗浄に使用されるように供給することを特徴とする洗浄液製造方法。
  2. 水分のガスストリッピングによって、前記水分の低減を行うことを特徴とする請求項1記載の洗浄液製造方法。
  3. 加熱蒸発によって、前記水分の低減を行うことを特徴とする請求項1記載の洗浄液製造方法。
  4. 前記洗浄に循環供給される前記溶液と、前記洗浄に供給する過硫酸を含む前記溶液とが混合されて前記洗浄に使用される溶液の平均硫酸濃度が60〜90質量%であり、前記電解反応に供される前記希釈溶液の硫酸濃度が15〜55質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄液製造方法。
  5. 前記電解反応に前記希釈溶液を供給する際に、該希釈溶液を冷却して供給することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄液製造方法。
  6. 硫酸濃度を高めた溶液を含めて返流された前記溶液を前記洗浄に循環供給する際に、該溶液を加熱して供給することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の洗浄液製造方法。
  7. 前記電解反応により発生する電解反応ガスを、前記ガスストリッピングにおいて排出される出口ガスを用いて希釈することを特徴とする請求項のいずれかに記載の洗浄液製造方法。
  8. 前記洗浄の対象が、半導体ウエハ、液晶用ガラス基板、フォトマスク基板など電子材料基板上のレジストなどにおける有機物の剥離除去であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の洗浄液製造方法。
  9. 前記洗浄に使用した硫酸を含む溶液の返流および洗浄に使用した前記溶液のさらなる前記洗浄への循環供給を連続して行い、返流された硫酸を含む前記溶液あるいは硫酸濃度を高めた前記溶液の一部に対する電解反応を間欠的に行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の洗浄液製造方法。
  10. 洗浄に使用した硫酸を含む溶液が洗浄側から返流される硫酸溶液返流路と、返流された前記硫酸を含む溶液の一部を対象に水分を低減する溶液水分低減手段と、前記溶液水分低減手段によって水分が低減された溶液を含み、前記硫酸溶液返流路で返流された溶液を洗浄側に送る硫酸溶液送液路と、前記硫酸溶液返流路によって返流された硫酸を含む前記溶液の残りの一部が分配され、該分配された溶液を希釈して硫酸濃度を低下させる溶液希釈手段と、該希釈手段によって硫酸濃度を低下させた溶液を電解反応させて過硫酸を生成する電解反応装置と、該電解反応装置で得られた過硫酸を含む溶液を洗浄側に供給する過硫酸溶液送液路とを備え、
    又は、洗浄に使用した硫酸を含む溶液が洗浄側から返流される硫酸溶液返流路と、返流された前記硫酸を含む溶液の全部を対象に水分を低減する溶液水分低減手段と、前記溶液水分低減手段によって水分が低減された溶液を含み、前記硫酸溶液返流路で返流された溶液を洗浄側に送る硫酸溶液送液路と、水分が低減された前記溶液の一部が分配され、該分配された溶液を希釈して硫酸濃度を低下させる溶液希釈手段と、該希釈手段によって硫酸濃度を低下させた溶液を電解反応させて過硫酸を生成する電解反応装置と、該電解反応装置で得られた過硫酸を含む溶液を洗浄側に供給する過硫酸溶液送液路とを備え、
    前記硫酸溶液返流路と前記過硫酸溶液送液路とは、互いに合流して前記硫酸溶液返流路で送られる溶液と前記過硫酸溶液送液路で送られる溶液とを混合して前記洗浄側に供給するものであることを特徴とする洗浄液供給装置。
  11. 前記溶液水分低減手段が、放散塔であることを特徴とする請求項10記載の洗浄液供給装置。
  12. 前記溶液水分低減手段が加熱蒸発装置であることを特徴とする請求項10記載の洗浄液供給装置。
  13. 前記電解反応装置で生成される電解反応ガスと、前記放散塔から排出される出口ガスとを混合して前記電解反応ガスを希釈化するガス希釈手段を備えることを特徴とする請求項11記載の洗浄液供給装置。
  14. 前記溶液希釈手段には、前記溶液水分低減手段で水分が低減されて硫酸濃度が高められた溶液が分配されることを特徴とする請求項1013のいずれかに記載の洗浄液供給装置。
  15. 前記溶液希釈手段によって硫酸濃度を低めた溶液を前記電解反応装置との間で循環させる溶液循環手段を備えることを特徴とする請求項1014のいずれかに記載の洗浄液供給装置。
  16. 前記電解反応装置で電解される溶液を冷却する電解用溶液冷却手段を備えることを特徴とする請求項1015のいずれかに記載の洗浄液供給装置。
  17. 前記硫酸溶液送液路で送液される溶液を加熱する洗浄用溶液加熱手段を備えることを特徴とする請求項1016のいずれかに記載の洗浄液供給装置。
  18. 前記硫酸溶液送液路と前記過硫酸溶液送液路とが、合流して混合液が洗浄側に供給されるものであることを特徴とする請求項1017のいずれかに記載の洗浄液供給装置。
  19. 請求項1018のいずれかに記載の洗浄液供給装置と、該洗浄液供給装置から供給された硫酸および過硫酸を含む溶液を使用して被洗浄材の汚染物を剥離除去し、洗浄に使用した洗浄液を前記洗浄液供給装置に返流する洗浄装置とを備えることを特徴とする洗浄システム。
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