JP2012169562A - 窒化物半導体材料の表面処理方法および表面処理システム - Google Patents

窒化物半導体材料の表面処理方法および表面処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】GaNなどの窒化物半導体材料の酸化皮膜形成処理、エッチング処理を半導体材料にダメージを与えることなく効率よく行うことを可能にする。
【解決手段】硫酸濃度が56〜90質量%の硫酸溶液を電解して生成した過硫酸含有硫酸溶液を、窒化物半導体材料に接触させて、前記半導体表面に酸化皮膜を生成する。該処理は、表面処理部2と、電解装置3と、硫酸溶液を表面処理部と電解装置とを含む経路で循環させる循環路10,20,30,31と、表面処理部に供給される過硫酸を含む硫酸溶液を加熱する加熱部22と、電解装置に供給される硫酸溶液を冷却する冷却部32とを備える表面処理システム1で行う。半導体材料のダメージを抑えつつ、酸化が困難であった素材の半導体に安定した酸化膜を形成でき、酸化処理後に安定したエッチングを行うこともできる。
【選択図】図1

Description

本発明はGaNなどの窒化物半導体を含む基板などの電子材料の表面酸化を含む表面処理方法および表面処理システムに関する。
III−V族化合物半導体、特にGaNなどの窒化物半導体は、従来のSi半導体に比べてバンドギャップが広く、また絶縁破壊電圧に優れていることから、青色LEDデバイスやパワーデバイス等へ適用されている。
GaNを用いたデバイスは、一般的にはサファイア等のウエハ上にGaN結晶をエピタキシャル成長させたウエハ(以下、GaNウエハ)を加工して製造する。
製造工程のうち、特に以下の工程(1)〜(3)ではGaNウエハ表面を酸化処理する技術が求められている。
(1)ゲート酸化膜形成工程
(2)エピタキシャル成長後やCMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨後のGaNウエハ表面クリーニング工程(平坦化、およびCMP工程で表面に食い込んでしまった異物や汚染物質の除去が目的)
(3)ドライエッチング後のGaNウエハ表面クリーニング工程(ドライエッチングにより発生する表面ダメージ層や、ドライエッチングガス由来の汚染物質の除去が目的)
工程(1)は酸化技術のみが必要であり、工程(2)、(3)はGaNウエハのごく表面を酸化+エッチングして汚染等と共に剥離し、且つ平坦化する技術が必要である。
ところが、GaNなどの窒化物は化学的に極めて安定であることから容易に酸化できない。従って現状は、工程(1)は熱酸化(例えば特許文献1参照)が適用されており、工程(2)、(3)は熱による犠牲酸化+ウェットエッチングが適用されている。
しかしながら熱酸化は1000℃程度の高温が必要であるため、下地部分のGaN結晶品質が悪化する問題が生じる恐れがある。
そこで、熱酸化に代わるGaNの表面酸化方法として次の従来方法が提案されている。
<従来法1>
超臨界酸化方法
温度200℃以上かつ圧力1.5MPa以上の水にAlGa1−xNウエハ(Xは0以上1以下)を接触させて酸化物を形成する方法(特許文献2参照)。
<従来法2>
光電気化学的な酸化方法
溶液に浸漬したGaNウエハに電圧印加とUV照射を行い表面酸化する方法(文献:C.Youtsey, I.Adesida, G.Bulman, Appl. Phys. Lett. 71(1997)2151)。
<従来法3>
電気化学的酸化
GaNを陽極として硫酸溶液を電解することによる陽極酸化によって酸化膜形成(特許文献3参照)。
<従来法4>
過酸化水素含有液による酸化
水素ガスによるドライ処理で水素終端化した後に過酸化水素含有液(SPMなど)で酸化処理を行うことにより酸化膜形成(特許文献4参照)。
特開2005−183733号公報 特開2008−53581号公報 特開2010−255024号公報 特開2009−267019号公報
しかし、上記したいずれの従来法にも以下のような課題が残っている。
<従来法1>
(1)高温高圧条件であるため、耐久性や安全性対策が必要となり設備が大きくなる。
(2)温度・圧力維持のためバッチ処理となり、さらに昇温昇圧・降温降圧工程が必要なため、スループットが低い。
<従来法2>
電圧を印加するためGaNウエハに電線を接続して処理する必要があるが、電線の接続、取り外しは極めて複雑な工程となるため量産性に問題がある。
<従来法3>
(1)電圧を印加するためGaNウエハに電線を接続して処理する必要があるが、電線の接続、取り外しは極めて複雑な工程となるため量産性に問題がある。
(2)Gaはマイナス電位(陰極側)でGaとして析出し、またpH3〜11でGaとして存在するため溶解しないことがプールベ線図(図5)により公知であり、スケールリスクがある。
<従来法4>
(1)水素ガスによるドライ処理は高温になるためウエハのダメージが危惧される。
(2)SPMは過酸化水素の添加に伴い徐々に硫酸濃度が低下するため酸化力が安定せず、またpH変動が大きくエッチング性能が安定しない。また、処理に時間を要するとともに、前処理として脱窒処理を必要とする。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、GaNなど窒化物を含む窒化物半導体材料の表面酸化方法に関するものであり、半導体材料へのダメージを抑えつつ酸化皮膜を形成し、必要に応じて該酸化皮膜をエッチングする表面処理方法および表面処理装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の窒化物半導体材料の表面処理方法は、硫酸濃度が56〜90質量%の硫酸溶液を電解して生成した過硫酸含有硫酸溶液を、窒化物半導体材料に接触させて、前記半導体表面に酸化皮膜を生成することを特徴とする。
また、本発明の窒化物半導体材料の表面処理システムは、窒化物半導体材料が収容され、過硫酸を含む硫酸濃度が56〜90質量%の硫酸溶液が供給される表面処理部と、前記硫酸溶液を電解して過硫酸を生成する電解装置と、前記硫酸溶液を前記表面処理部と前記電解装置とを含む経路で循環させる循環路と、前記表面処理部に供給される過硫酸を含む前記硫酸溶液を加熱する加熱部と、前記電解装置に供給される前記硫酸溶液を冷却する冷却部と、を備えることを特徴とする。
本発明では、第1には窒化物半導体表面に酸化皮膜を生成する。この酸化皮膜を生成した状態で本発明で規定する処理を終了して必要に応じて次工程を行うことができる。また、本発明では、上記酸化皮膜を生成した後、前記酸化皮膜の生成に用いた溶液と同種のまたは前記生成に用いた過硫酸含有硫酸溶液を用いて、前記酸化皮膜を溶解するエッチング処理を行うことができる。
該エッチング処理によって、前記化合物半導体の厚さを減じるとともに、表面の平坦化やクリーニング効果が得られる。
硫酸の電解分解により生成した過硫酸は、ペルオキソ二硫酸とペルオキソ一硫酸の混合状態であると考えられ、過硫酸が自己分解するときに生成する硫酸ラジカルが非常に強い酸化剤である。このため、酸化が困難な窒化物も酸化することができると推定される。過硫酸により窒化物が酸化すると半導体表面は、例えばGa(GaN半導体の場合)となる。Gaは両性酸化物であり、酸にもアルカリにも溶解することが知られている。半導体材料と硫酸溶液の接触時間を長くした場合、Gaなどの化合物酸化物が電解溶液中の硫酸に溶解してエッチングが進む。
したがって、酸化皮膜の生成およびその膜厚の大きさは、過硫酸含有硫酸溶液における硫酸濃度、過硫酸濃度および処理時間によって調整することができる。過硫酸含有硫酸溶液における過硫酸濃度の調整は、硫酸溶液を電解する際の電流密度の調整によって行うことができる。
また、酸化皮膜を溶解するエッチング処理を必要とする場合、酸化皮膜の生成から溶解が生じるまで上記処理を継続する。処理の継続時間によってエッチングの有無、エッチングの深さ、残存する酸化皮膜の厚さを調整することができる。
したがって、本発明では、酸化皮膜の生成および膜厚ならびに必要に応じてエッチングの深さを自在に設定することができる。
処理の対象となる半導体材料は、窒化物を含む化合物半導体層を表面に有するものであればよく、半導体材料の積層構成等については特に限定されるものではない、窒化物としては、GaNを代表例として示すことができる。
また、本願発明では、適切な硫酸濃度に設定され、かつ過硫酸を含む硫酸溶液を用いることで、効果的に酸化皮膜の生成、さらには必要に応じてエッチングがなされるので、前処理として脱窒処理を行ったり、その他のドライ処理を行ったりする必要がなく、処理効率が大幅に向上する。なお、本発明としては、必ずしも前処理の実行を排除するものではなく、適宜の前処理を行うようにしてもよい。
本願発明では、硫酸濃度が56〜90質量%に限定される。
硫酸濃度が過度に高いと以下の弊害があるので、上限値は90質量%(より好適には85質量%)にする。
・電解による過硫酸生成効率が低い。
粘性が高くなるため電解におけるイオンフラックスが低下して電解効率が低下する。
・過硫酸の自己分解速度が速く(寿命が短く)、酸化処理の前に濃度低下してしまう。
・低液温や高電流の条件では電極損耗が起きやすい。
一方、硫酸濃度が低い方が過硫酸濃度を高い状態で維持しやすいが、過度に低すぎると以下の弊害があるので、下限値は56質量%(より好適には70質量%)にする。
・硫酸濃度が低いと沸点が低くなるため高温による過硫酸の自己分解促進のときの昇温温度を低く設定せざるを得なくなり過硫酸の自己分解効率が相対的に低くなり酸化力が相対的に低くなる。
・エッチング能力が相対的に低い。
以上の観点から硫酸濃度は56〜90質量%とする。望ましくは、下限が70質量%、上限が85質量%である。
なお、酸化膜形成およびエッチングの性能を一定にするために、硫酸溶液の濃度を上記範囲に維持することが望ましい。
このため、硫酸溶液の電解で失われた水分を適宜補給しつつ硫酸濃度が設定範囲に維持されるように水、過酸化水素または低濃度硫酸の一種以上を添加して制御するのが好ましい。添加は連続的に行っても良く、また、間欠的に行っても良い。
上記硫酸溶液は、電解に際し、効率的な処理がなされるように、所定の液温とするのが望ましい。この電解においては、溶液温度が低いほど過硫酸の生成効率が良くなる。したがって、過硫酸を生成するときの電解温度は80℃以下が望ましい。上記温度範囲を超えると、電解効率が著しく低下する。一方、温度が低すぎると電極の損耗が激しくなる。したがって、上記温度は40℃以上が望ましい。上記適温は、電解に至るまでに硫酸溶液を冷却部で冷却することにより得られる。
電解は、硫酸溶液が収容または通液され陽極と陰極とを対にして電極間に通電する電解装置により行うことができる。
上記電極の材質は、本発明としては特定のものに限定されない。しかし、電極として一般に広く利用されている白金を本発明の電解装置の陽極として使用した場合、過硫酸を効率的に製造することができず、白金が溶出するという問題がある。これに対し、導電性ダイヤモンド電極は、過硫酸の生成を効率よく行えるとともに、電極の損耗が小さい。したがって、電解装置の電極のうち、少なくとも、過硫酸の生成がなされる陽極を導電性ダイヤモンド電極で構成するのが望ましく、陽極、陰極ともに導電性ダイヤモンド電極で構成するのが一層望ましい。導電性ダイヤモンド電極は、シリコンウエハ等の半導体材料を基板とし、このウエハ表面に導電性ダイヤモンド薄膜を合成させたものや、板状に析出合成したセルフスタンド型導電性多結晶ダイヤモンドを挙げることができる。また、Nb、W、Tiなどの金属基板上に積層したものも利用できる。なお、導電性ダイヤモンド薄膜は、ダイヤモンド薄膜の合成の際にホウ素または窒素の所定量をドープして導電性を付与したものであり、通常はホウ素ドープしたものが一般的である。これらのドープ量は、少なすぎると技術的意義が発生せず、多すぎてもドープ効果が飽和するため、ダイヤモンド薄膜の炭素量に対して、50〜20,000ppmの範囲のものが適している。両極間に導電性ダイヤモンド電極をバイポーラ電極として配置することもできる。
上記過硫酸含有硫酸溶液は、窒化物半導体表面に接触させる際に、120〜190℃の液温を有するのが望ましい。該液温は溶液を加熱することにより調整する。
加熱を行う手段は特に限定されるものではないが、加熱後、窒化物を含む化合物半導体表面に接触させるまでの時間が長いと、過硫酸含有硫酸溶液中の過硫酸が自己分解してしまい、十分な酸化力が得られなくなるので、溶液を急速に加熱できるものが望ましい。また、加熱後、前記接触に至るまでの経路長をできるだけ短くするのが望ましい。
上記液温が120℃未満であると、酸化力が十分でなく、一方、190℃を超えると過硫酸の自己分解が早期に進行してしまい、窒化物半導体に対する酸化力を十分に発揮することが難しくなる。したがって、過硫酸含有硫酸溶液の液温は120℃〜190℃が望ましい。
窒化物半導体表面に過硫酸含有硫酸溶液に接触させる手段(表面処理部)としては、バッチ式でも枚葉式でもよく、バッチ式では例えば、過硫酸含有硫酸溶液を貯留する処理槽に半導体材料を浸漬して処理を行うことができ、枚葉式では例えば、半導体を載置するなど固定して過硫酸含有硫酸溶液をノズルから半導体材料に噴霧、吐出などして処理を行うことができる。
バッチ式の場合は、ヒーターや熱交換器などの加熱部により処理槽の温度が120〜190℃となるよう制御しながら硫酸溶液を循環する。
枚葉式の場合は、ヒータや熱交換機などの加熱部によりノズル出口の硫酸溶液温度が120〜190℃となるよう制御しながら硫酸溶液を循環する。
上記過硫酸含有硫酸溶液は、硫酸溶液を電解した後、一過式で前記酸化皮膜の生成や、これに加えてエッチングを行うものでもよいが、効率及びより安定した処理を行うという点で、硫酸溶液を電解しつつ循環させて処理を行うのが望ましい。これにより処理時間の設定も容易に行うことができる。
上記硫酸溶液の循環では、表面処理部と電解装置との間で硫酸溶液を単に移動させるものであってもよく、また、循環路に適宜の貯留槽などを介設して循環を行うものであってもよい。
処理した硫酸溶液を循環して再生・再利用する場合は、不純物が混入していると酸化皮膜の形成に阻害になる恐れがあるので、表面処理部の後段で貯留槽の前段に不純物除去手段を介設してGa化合物やN化合物などの不純物を除去することが望ましい。
上記のように、本願発明では、処理の継続によって硫酸溶液中にGaやNの化合物が含まれるようになる。以下に、その理由と対策について説明する。
<Nについて>
例えば、GaNは酸化作用によりHOと反応してGaとなるが、このときNHが副生される。SPMではNHが液中に残留してしまうが、硫酸溶液の電解ではカソードで次の反応が起きるので、NHをNガスにすることができる。硫酸溶液中に含まれる窒素ガスは、窒素ガスを分離する窒素ガス分離部などによって分離し、除去することができる。窒素ガス分離部としては気液分離器などを用いることができる。
2NH + 6OH → N + 6HO + 3e
<Gaについて>
また電解装置セルの陰極のごく近傍は電位がマイナスであり、さらにpHが高くなっているため、エッチング排液である硫酸溶液中に溶解したGaイオンは、図5のプールベ線図に示されるようにGa(固体)やGaとして陰極に析出する恐れがある。陰極にGa化合物が析出すると通電抵抗が上昇し、さらにセル内抵抗が増えてセル温度が上昇してしまう恐れがある。
そこでGaの析出を防止することが好ましい。例えば陰極周囲に不織布状などのフィルターをGa析出部として設置し、陰極に引き寄せられたGaイオンを、陰極近傍でGa(固体)やGaといった析出物として生成させて不織布に吸着するようにしてもよい。フィルターは耐酸化、耐酸、耐アルカリ素材(テフロン(商標:一般名ポリテトラフルオロエチレン)など)が好ましい。不織布なら、通電性に問題はないため、電解効率が低下するような問題も起きない。フィルターは定期交換する。Gaは高価な元素であるため、フィルターに吸着したGa(固体)やGaは回収できる。
あるいは陰極および陽極および使用していればバイポーラ電極を全て導電性ダイヤモンド(被覆型でも自立型でもよい)、白金、カーボンなど耐酸化性の素材とし、一定時間ずつ転極して運転するようにして析出したGaを再溶解するようにしてもよい。このとき電極寿命の観点から素材は導電性ダイヤモンドが好ましい。
また、Gaの析出を防止する方法として電解セルを隔膜式とし、Gaイオンを含む循環液が陰極室に入らないような構成にしてもよい。この場合、隔膜としては耐酸化性、耐酸アルカリ性のテフロン素材が好ましい。ただしこのときは陰極反応によりアンモニアから窒素ガスに変換することができないので、必要に応じて電解装置後段でアンモニア処理を行う。
なお循環しながら処理を継続すると経時的に循環液中にGaイオンが蓄積されていくため、次第に上記対策をもってしても陰極或いは系内へのGa析出リスクが高まってしまう。よってGaイオンがある程度濃縮した時点で液寿命と判定して液交換をする必要がある。
その際の液寿命の判定方法としては以下の方法が考えられる。
液交換の指標としては硫酸溶液中のGaイオン濃度測定が良く、サイクリックボルタンメトリー(以下、CVという)によるGaイオン濃度測定が好ましい。
<測定原理と方法>
・Gaイオンは低pH条件では−0.6〜−0.7Vで還元されGa(固体)となる。
・CVで硫酸溶液の−0.6〜−0.7V付近のスペクトルを測定し、スペクトルピークが予め設定した高さまで達したらGaイオンが蓄積して析出リスクが高まったと判定して液交換時期と判断する。
・硫酸溶液中に含まれる過硫酸、過酸化水素がGaイオンの還元ピークと重なる場合は、予め硫酸溶液を180℃まで加熱し、その後、過マンガン酸カリウムを添加することで過硫酸および過酸化水素を分解でき、分析への影響を排除することができる。
・酸化処理側(120℃以上)よりもより低温の電解側(80℃以下)の方が析出リスクは高いので電解側でスペクトルピークを測定する。
また硫酸溶液を電解すると電解ガス発生により硫酸濃度が徐々に高くなりエッチング性能が安定しない恐れがあるので、系内に水分(純水、過酸化水素または希硫酸)を添加して硫酸濃度を一定に維持する手段を設置することが望ましい。なお硫酸濃度を測定して測定値に基づいて水分供給を制御してもよい。
以上説明したように、本発明によれば熱酸化を行わない低温のウェット酸化処理により半導体材料のダメージを抑えつつ、しかも酸化が困難であった素材の半導体に安定した酸化膜を形成できる。前処理にドライ処理を行わないときは半導体材料へのダメージをより抑えることができる。また硫酸濃度を所定濃度に維持することにより酸化処理後に安定したエッチングを行うこともできる。超臨界酸化や光電気化学酸化に比べ、スループットや必要設備の点で優れている。
本発明の一実施形態の表面処理システムの概略を示す図である。 同じく、他の実施形態の表面処理システムの概略を示す図である。 同じく、さらに他の実施形態の表面処理システムにおける電解装置の概略を示す図である。 本発明の実施例および比較例における酸化処理前後のGaN半導体材料の接触角を示すグラフである。 Gaに関するプールベ線図である。
(実施形態1)
以下に、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。
この実施形態1の表面処理システム1は、窒化物半導体材料100をバッチ式で処理する表面処理部を備えるものである。
表面処理システム1は、表面処理槽2と電解装置3と溶液貯留槽4とを備えている。
電解装置3は無隔膜型であり、ホウ素をドープしたダイヤモンド電極により構成された陽極および陰極(図示しない)が隔膜で隔てることなく内部に配置され、両電極には図示しない電源が接続されている。なお、本発明としては、電解装置を隔膜型によって構成することも可能である。
上記電解装置3には、溶液貯留槽4が循環ライン10を介して循環通液可能に接続されている。また、電解装置3の出液側には、本発明の窒素ガス分離部に相当するガス分離部5が接続されている。ガス分離部5は、気体を含んだ硫酸溶液を収容して硫酸溶液中の窒素ガス、酸素ガス、オゾンなどの気体を分離して系外に排出するものであり、既知のものを用いることができ、本発明としては気液分離が可能であれば、特にその構成が限定されるものではない。
循環ライン10の送り側には、硫酸溶液を循環させる循環ポンプ11が介設されている。 なお、上記では、ガス分離部5と溶液貯留槽4とをそれぞれ備えるものについて説明したが、溶液貯留槽4でガス分離部5を兼ねるものであってもよい。
表面処理槽2では、排液側と入液側が循環ライン20で接続されており、循環ライン20に送液ポンプ21と加熱器22とが介設されている。循環ライン20には、送液ポンプ21の下流側かつ加熱器22の上流側で、戻り循環ライン30が分岐して接続されており、冷却器32を介して溶液貯留槽4の入液側に接続されている。
冷却器32は、本発明の冷却部に相当し、硫酸溶液を冷却して40〜80℃の液温にするものであり、本発明としてはその構成が特に限定されるものではない。
また、溶液貯留槽4には、送液ポンプ34を介して送り循環ライン31が接続されている。送り循環ライン31は、加熱器22の下流側で循環ライン20に合流して接続されている。
なお送り循環ライン31は加熱器22の上流側で循環ライン20に合流することもできる。
上記加熱器22は、本発明の加熱部に相当し、その構成は特に限定されず、既知のヒーターを用いることができ、硫酸溶液を一過式で加熱する。
上記した循環ライン10、20、戻り循環ライン30、送り循環ライン31によって、本願発明の循環路が構成されている。なお表面処理槽2内にはヒーター(図示しない)が備えられ、液温を120〜190℃に維持している。
次に、上記構成からなる表面処理システムの動作について説明する
溶液貯留槽4には、硫酸濃度56〜90質量%、液温度40〜80℃の硫酸溶液が貯留される。硫酸溶液は、循環ポンプ11によって循環ライン10を通じて送液され、電解に好適な温度のままで電解装置3の入液側に導入される。電解装置3では、直流電源によって陽極、陰極間に通電され、電解装置3内に導入された硫酸溶液が電解される。なお、該電解によって電解装置3では、陽極側で過硫酸を含む酸化性物質が生成されるとともに酸素ガスが発生し、陰極側では水素ガスが発生する。また、表面処理槽2での処理に伴って副生される窒素が硫酸溶液に含まれると、上記電解によって陰極側に窒素ガスが発生する。
これらの酸化性物質とガスは、前記硫酸溶液と混在した状態で電解装置3から排液され、ガス分離部5でガス成分が分離され、本システム系外に排出されて触媒装置(図示しない)などにより安全に処理される。
ガスが分離された硫酸溶液は、過硫酸を含んでおり、循環ライン10の戻り側を通して溶液貯留槽4に戻された後、繰り返し電解装置3に送られ電解により過硫酸の濃度が高められる。過硫酸濃度が適度になると、溶液貯留槽4内の硫酸溶液の一部は送り循環ライン31を通して送液ポンプ34によって送液されて循環ライン20に合流し、循環ライン20を通して表面処理槽2内に導入される。
また、循環ライン20では、送液ポンプ21で表面処理槽2内の過硫酸含有硫酸溶液が循環されるとともに加熱器22で加熱されて表面処理槽2内に導入される。
加熱器22では、過硫酸含有硫酸溶液が流路を通過しながらヒータによって加熱される。このとき前記送り循環ライン31で送られた硫酸溶液と混合されて、表面処理槽2内に供給された際に120℃〜190℃の範囲の液温を有するように加熱が行われる。
表面処理槽2では、例えば、窒化物としてGaNを含む化合物半導体層を表面に有する半導体材料100が処理対象とされる。半導体材料100は表面処理槽2内で、過硫酸含有硫酸溶液中に浸漬して処理が行われる。すなわち、上記化合物半導体層では、過硫酸の自己分解による酸化力および硫酸による酸化力によって表面の化合物が酸化して酸化皮膜が次第に生成されると推定される。
また、処理を継続することで、生成された酸化皮膜が溶解するエッチングがなされる。処理の継続状態は、所望とする酸化皮膜の厚さやエッチング深さなどによって設定する。
表面処理に使用された硫酸溶液は、循環ライン20で一部を循環しつつ加熱器22で加熱して表面処理槽2へ返送するとともに、残部を戻り循環ライン30で溶液貯留槽4へと戻す。この際に、硫酸溶液は、冷却部32で電解に好適な40〜80℃に冷却される。
溶液貯留槽4において、硫酸溶液は、循環ライン10を通して循環ポンプ11により電解装置3に送られて過硫酸の生成がなされ、溶液貯留槽4に戻される。
上記硫酸溶液の循環を繰り返すことで、過硫酸濃度が安定した状態で半導体材料100の処理を行うことができ、半導体材料100表面に安定した酸化皮膜を形成でき、また、所望により安定した深さでエッチングを行うことができる。
(実施形態2)
上記実施形態1では、半導体材料100をバッチ式の表面処理槽2で処理するものについて説明したが、枚葉式の表面処理装置で半導体材料100を処理することも可能である。以下に、枚葉式の表面処理装置を備える表面処理システム50について図2に基づいて説明する。
この実施形態2では、電解装置51は無隔膜型であり、ダイヤモンド電極により構成された陽極および陰極(図示しない)が隔膜で隔てることなく内部に配置され、両電極には図示しない直流電源が接続されている。
上記電解装置51には、本発明のガス分離部に相当する気液分離槽52が循環ライン53を介して循環通液可能に接続されている。気液分離槽52は、気体を含んだ硫酸溶液を収容して硫酸溶液中の気体を分離して系外に排出するものであり、既知のものを用いることができ、本発明としては気液分離が可能であれば、特にその構成が限定されるものではない。したがって、気液分離槽52は、本発明の窒素ガス分離部としての機能を有している。なお図1のように電解装置の出口側に気液分離手段を設けてもよい。
上記気液分離槽52の排液側と電解装置51の入液側間に位置する循環ライン53には、気液分離槽52内の硫酸溶液を循環させる循環ポンプ54と、硫酸溶液を冷却する冷却器55が介設されている。冷却器55は、本発明の冷却部に相当するものであり、硫酸溶液を好適には40〜80℃の液温に冷却できるものであればよく、本発明としてはその構成が特に限定されるものではない。なお、電解装置51の出液側と気液分離槽52の入液側とは循環ライン53で通液可能に接続されている。
また、気液分離槽52には硫酸供給ライン56と純水供給ライン57が接続されており、気液分離槽52内への硫酸または純水を適宜供給することが可能になっている。連続運転に伴って、系内の硫酸溶液量が徐々に減ってきたとき(気液分離槽の液面高さなどで判断)硫酸供給ラインから新液を供給する。または純水に加えて過酸化水素や低濃度硫酸を適宜供給できるようにしてもよい。これは図1の溶液貯留槽に設けることもできる。
気液分離槽52には、Gaイオン濃度測定部58が設けられており、気液分離槽52内の硫酸溶液におけるGaイオン濃度を測定する。これは図1の溶液貯留槽に設けることもできる。
さらに、気液分離槽52には槽内の硫酸溶液を取り出し可能な送り循環ライン61が接続されており、該送り循環ライン61の供給先には枚葉式の表面処理装置60が設置されている。該送り循環ライン61には、表面処理装置60の上流側で、気液分離槽52内の硫酸溶液を送液する送液ポンプ62と、送液ポンプ62で送られる硫酸溶液を加熱する急速加熱器63が順次介設されている。
急速加熱部63は、石英製で厚さ10mm以下の通液空間を有する流路と、該流路に対し前記厚さ方向に近赤外線を照射するよう配置された近赤外線ヒータとを有しており、流路内を通液する硫酸溶液を前記近赤外線ヒータによって一過式で加熱可能となっている。近赤外線ヒータは、波長0.7〜3.0μmの範囲内の近赤外線を照射することができる。
また、表面処理装置60には、半導体材料100の処理により排出された硫酸溶液を回収して前記気液分離槽52へ還流させる戻り循環ライン70の一端が接続されており、戻り循環ライン70には、硫酸溶液を送液する送液ポンプ72と、前記硫酸溶液を冷却する冷却器74が順次介設されている。その下流側で戻り循環ライン70の他端側は前記気液分離槽52に接続されている。冷却器74は、本発明の冷却部としての機能を有しており、硫酸溶液を適宜の温度に冷却できるものであればよく、本発明としてはその構成が特に限定されるものではない。
次に、上記構成からなる表面処理システム50の動作について説明する。
気液分離槽52には、硫酸濃度56〜90質量%の硫酸溶液が、循環ライン53を通して電解装置51に供給できるように貯留されている。気液分離槽52は、硫酸溶液を貯留する貯留槽としての機能も兼ね備えている。
気液分離槽52内の硫酸溶液は、循環ポンプ54により循環ライン53を通して送液され、冷却器55で電解に好適な温度(40〜80℃)に調整されて電解装置51の入液側に導入される。電解装置51では、図示しない直流電源によって陽極、陰極間に通電され、電解装置51内に導入された硫酸溶液が電解される。なお、該電解によって電解装置51では、陽極側で過硫酸を含む酸化性物質が生成されるとともに酸素ガスが発生し、陰極側では水素ガスが発生する。また、表面処理装置60での処理に伴って副生される窒素が硫酸溶液に含まれている場合、上記電解によって陰極側に窒素ガスが発生する。
これらの酸化性物質とガスは、前記硫酸溶液と混在した状態で循環ライン53を通して気液分離槽52に送られ、前記ガスが分離される。なお、前記ガスは本システム系外に排出されて触媒装置(図示しない)などにより安全に処理される。
気液分離槽52でガスが分離された前記硫酸溶液は、過硫酸を含んでおり、さらに循環ライン53を通じて、繰り返し電解装置51に送られ電解により過硫酸の濃度が高められる。過硫酸濃度が適度になると、気液分離槽52内の硫酸溶液の一部は送り循環ライン61を通して供給ポンプ62によって急速加熱器63に送液される。
急速加熱器63では、過硫酸を含む硫酸溶液が流路を通過しながら近赤外線ヒータによって、表面処理装置60のノズル出口において120℃〜190℃の液温が得られる範囲に加熱される。そして、過硫酸含有硫酸溶液は、送り循環ライン61を通して表面処理装置60に供給される。このとき過硫酸含有硫酸溶液は、急速加熱器63の入口から表面処理装置60で使用されるまでの通液時間が1分未満となるように、流量が調整されている。なお、表面処理装置60では、500〜2000mL/min.での流量が適量とされており、該流量において、前記通液時間が1分未満となるように、急速加熱器63内の流路の長さ、流路断面積およびその下流側での送り循環ライン61のライン長、流路断面積などを設定する。
表面処理装置60では、半導体材料100が処理対象になり該半導体材料100の処理表面側を上にして回転台60a上で回転させつつ前記した過硫酸含有硫酸溶液を接触させることで酸化皮膜を効果的に生成する。また、処理を継続することで必要に応じて前記酸化皮膜を溶解してエッチングを行う。
表面処理に使用された硫酸溶液は、表面処理装置60から排出され、戻り循環ライン70を通して、送液ポンプ72により戻り循環ライン70に介設された冷却器74を通して気液分離槽52に還流される。高温の硫酸溶液が気液分離槽52に還流されると、気液分離槽52に貯留されている硫酸溶液中の過硫酸の分解が促進されてしまうため、前記硫酸溶液は冷却器74により冷却した後、気液分離槽52内に導入される。気液分離槽52内に導入された硫酸溶液は循環ライン53によって電解装置51に送液されて電解により過硫酸が生成され、循環ライン53により再度、気液分離槽52に還流される。
また、気液分離槽52では、Gaイオン濃度測定部58によって気液分離槽52内の硫酸溶液におけるGaイオン濃度を測定している。濃度の測定は常時行うものであってもよく、適時に行うものであってもよい。Gaイオン濃度測定部58は、前述したサイクリックボルタンメトリーによってGaイオン濃度を測定するものであり、スペクトルピークが予め設定した高さまで達したらGaイオンが蓄積して析出リスクが高まったと判定して液交換時期を指示する。
上記本システムの動作によって、枚葉式の表面処理装置60に高濃度の過硫酸を含む硫酸溶液を連続して安定して供給することが可能になる。
(実施形態3)
次に、電解装置80にGa析出部を設けた例を図3に基づいて説明する。
この電解装置80では、陽極81と陰極82とが無隔膜で配置されており、陰極82の周辺を囲むように不織布からなるGa析出部83が配置されている。不織布は、耐酸化、耐酸、耐アルカリ性を有する素材で構成するのが望ましい。
電解装置80における電解処理および表面処理部における表面処理の継続に伴って、硫酸溶液に含まれるGaイオンが電解装置80の陰極側に引き寄せられ、固体GaやGaといった析出物の状態でGa析出部83に吸着される。Ga析出部に析出したGa成分は、回収して利用することができる。
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は、上記実施形
態の内容に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である
以下に、本発明の実施例について説明する。
窒化物半導体材料としてGaN半導体材料を用いた。該半導体材料には、直径2インチ、厚さ500μmのサファイヤ基板上にMOCVD法でGaN結晶を5μm厚でエピタキシャル成長させた市販の基板(NTTアドバンステクノロジ社製)を用いた。
以下の方法によって硫酸電解溶液によるGaN半導体材料の酸化処理・エッチング試験を行った。
1)条件
硫酸を電解して生成した硫酸溶液を用い、以下の方法によるGaN半導体材料の酸化処理試験を行った。
硫酸の濃度は56、60、70、75、80、85、90、95質量%のものを用いた。
50℃の各濃度の硫酸を電流密度0.5A/cmで電解した。電解後の液温が60℃程度であることを確認した。
2)試験工程
1.前処理
・GaN半導体材料表面にSiOをL/S(ライン・アンド・スペース)パターンでマスクした(L/Sパターンとは短冊状のことである)。
このときのマスク膜厚は30Å、パターン幅はL=0.7μm、S=0.7μmである。
・マスクしたGaN半導体材料表面を以下のフローで洗浄した。
超純水洗浄→メタノールで30分浸漬洗浄→超純水洗浄→希フッ酸で10min浸漬洗浄→超純水洗浄→28%アンモニア水で30分浸漬洗浄→超純水洗浄
2.酸化・エッチング試験
・実施例として枚葉式の表面処理装置を有する表面酸化システムで処理した。
・電解した硫酸溶液を急速加熱器に通液して150℃まで急速加熱した後にGaN半導体材料へ枚葉添加するという酸化処理を10分行った。なお急速加熱器入口から表面処理装置内のノズル出口までの通液時間はおよそ20秒、通液速度は150mL/分である。硫酸溶液は循環利用せずかけ流しとした。
比較例として、500mLビーカーにGaN半導体材料を水平に入れ、25℃のオゾン水を500mL/minで10分通水し浸漬処理した。オゾン水は循環利用せずかけ流しとした。
3.後処理
・酸化試験後、GaN半導体材料を超純水で洗浄し窒素ガスで表面を乾燥させた。
4.分析
・処理後の半導体材料表面をXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy:X線光電子分光分析法)で分析
・触針式段差計で半導体材料表面の段差を測定(実施例のみ)
3)試験結果
1.接触角
酸化処理前後のGaN半導体材料の接触角測定結果を図4に示す。
酸化処理前は28〜30°であった表面接触角が、硫酸溶液により3°まで低下した。GaNが酸化されGaとなり親水性が増したためと考えられる。
・各濃度の硫酸溶液に浸漬させたGaN半導体材料の分析結果を表1に示す。
・50〜90質量%の硫酸濃度で表面酸化が起きていることが分かった。
・段差は、硫酸濃度75、80質量%で最も大きく、20nm程度であった。
・考察:硫酸溶液中のHSO 、SO 2−のイオン濃度は、硫酸濃度75〜80質量%付近で最大となり、80質量%以上では徐々に非解離となるため低下していく。よって酸化したGaは、硫酸がイオン解離しやすい硫酸濃度75〜80質量%の範囲で最も溶解エッチングされやすくなったものと考える。
・従って、GaN半導体材料の酸化は硫酸濃度56〜90質量%で起こり、またエッチングまで行うときは特に硫酸濃度70〜85質量%が好ましいことが分かった。
Figure 2012169562
1 表面処理システム
2 表面処理槽
3 電解装置
4 溶液貯留槽
5 ガス分離部
10 循環ライン
20 循環ライン
22 加熱器
30 戻り循環ライン
31 送り循環ライン
32 冷却器
50 表面処理システム
51 電解装置
52 気液分離槽
55 冷却器
58 Gaイオン濃度測定部
60 表面処理装置
61 送り循環ライン
63 急速加熱器
70 戻り循環ライン
74 冷却器
80 電解装置
81 陽極
82 陰極
83 Ga析出部
100 半導体材料

Claims (16)

  1. 硫酸濃度が56〜90質量%の硫酸溶液を電解して生成した過硫酸含有硫酸溶液を、窒化物半導体材料に接触させて、前記半導体表面に酸化皮膜を生成することを特徴とする窒化物半導体材料の表面処理方法。
  2. 前記酸化皮膜を生成する処理の後、該酸化皮膜を前記過硫酸含有硫酸溶液で溶解するエッチング処理を行うことを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体材料の表面処理方法。
  3. 前処理としてドライ処理を行うことなく前記酸化皮膜の生成処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の窒化物半導体材料の表面処理方法。
  4. 前記過硫酸含有硫酸溶液を120〜190℃の液温にして、前記窒化物半導体材料への前記接触を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体材料の表面処理方法。
  5. 前記窒化物がGaNであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物半導体材料の表面処理方法。
  6. 前記電解に用いる電極のうち、少なくとも陽極がホウ素をドープしたダイヤモンド電極であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の窒化物半導体材料の表面処理方法。
  7. 前記酸化皮膜の生成に使用した前記過硫酸含有硫酸溶液を電解して前記酸化皮膜の生成に再利用するように前記硫酸溶液を循環することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の窒化物半導体材料の表面処理方法。
  8. 前記電解によって発生した硫酸溶液に含まれる窒素ガスを、前記硫酸溶液の循環途中で該硫酸溶液から分離除去することを特徴とする請求項7記載の窒化物半導体材料の表面処理方法。
  9. 処理時間の設定により、前記硫酸溶液を循環させつつ、前記酸化皮膜の生成処理後に、該酸化皮膜を前記硫酸溶液により溶解するエッチング処理を行うことを特徴とする請求項7または8記載の窒化物半導体材料の表面処理方法。
  10. 前記窒化物がGaNであり、前記エッチング処理後、前記電解を行うまでに、前記硫酸溶液の循環途中で該硫酸溶液に含まれるガリウムを硫酸溶液中から除去することを特徴とする請求項9記載の窒化物半導体材料の表面処理方法。
  11. 前記硫酸溶液の循環系内に、水、過酸化水素または低濃度硫酸の一種以上を連続的または間欠的に添加して前記硫酸溶液の硫酸濃度を所定範囲に維持することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の窒化物半導体材料の表面処理方法。
  12. 窒化物半導体材料が収容され、過硫酸を含む硫酸濃度が56〜90質量%の硫酸溶液が供給される表面処理部と、前記硫酸溶液を電解して過硫酸を生成する電解装置と、前記硫酸溶液を前記表面処理部と前記電解装置とを含む経路で循環させる循環路と、前記表面処理部に供給される過硫酸を含む前記硫酸溶液を加熱する加熱部と、前記電解装置に供給される前記硫酸溶液を冷却する冷却部と、を備えることを特徴とする窒化物半導体材料の表面処理システム。
  13. 前記表面処理部は、前記半導体表面に酸化皮膜を生成する処理の後に、前記表面処理部で前記硫酸溶液により該酸化皮膜をエッチングする処理を行うものであることを特徴とする請求項12記載の窒化物半導体材料の表面処理システム。
  14. 前記窒化物がGaNであり、前記硫酸溶液に含まれるGaイオンの濃度を測定するGaイオン濃度測定部が、前記冷却部の下流側かつ前記電解装置の上流側に設けられていることを特徴とする請求項12または13記載の窒化物半導体材料の表面処理システム。
  15. 前記窒化物がGaNであり、前記硫酸溶液に含まれるGaイオンを、前記電極装置内の電極表面以外で析出させ前記硫酸溶液中から除去するGa析出部を前記電解装置内に備えることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の窒化物半導体材料の表面処理システム。
  16. 前記電解装置で生成されて前記硫酸溶液中に含まれた窒素ガスを前記硫酸溶液中から分離する窒素ガス分離部を備えることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載の窒化物半導体材料の表面処理システム。
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