JP2012180412A - 不可逆性熱変色水性インキ組成物 - Google Patents

不可逆性熱変色水性インキ組成物 Download PDF

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Abstract

【目的】
本発明は、マイクロカプセルを用いずに擦過等による簡単な加熱で容易に消色でき、一旦消去された筆跡が極低温下(−20℃以下)の環境でも再発色せず、更に筆跡が高温下(約75℃)の環境下に放置されても消色しない不可逆性熱変色インキ組成物を提供する。
【構成】
少なくともロイコ染料、顕色剤、結晶性物質からなる顕色粒子を着色剤として含有する熱変色インキ組成物であり、更にケトン樹脂からなる消色剤を含有してなることを特徴とする不可逆性熱変色インキ組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ロイコ染料の顕色性能及び消色性能を応用し、擦過熱等による摩擦熱により消色するインキ組成物に関し、更に詳しくは、一旦消去された筆跡が低温環境下(−20℃以下)に置かれた場合でも、再び発色することはなく、しかも、筆跡が高温環境下(75℃)に置かれた場合であっても、消去することのない、ボールペンやフェルトペン等の筆記具に使用できる不可逆性熱変色水性インキ組成物に関する。
従来より、ロイコ染料の顕色性能、消色性能を応用した感熱消色性インキ組成物は、数多く知られている。
電子供与体であるロイコ染料と電子受容体である顕色剤との相互作用によって発色することを利用したものであるが、これらロイコ染料と顕色剤とを溶解することによりロイコ染料と顕色剤との相互作用を抑制する消色剤として、擦過等の熱で融解してロイコ染料と顕色剤とを溶解させる物質を配合することにより、前記発色性分と消色剤とが含まれる筆跡に擦過等の熱を付与することによって消色剤を融解し、ロイコ染料と顕色剤とを溶解状態とすることで消色させ、筆跡を見えない状態とするものが知られている。
更に、溶解状態の凝固点を下げて融解状態の幅(熱的ヒステリシス)を調整し、擦過で消色した筆跡が再発色する温度を0℃以下の温度とし、それ以上の温度環境では再発色しないようにしたインキ組成物(特許文献1)や、非晶質樹脂のエマルションを配合して、擦過等の熱で融解してロイコ染料と顕色剤とを溶解させる物質(結晶性物質)がロイコ染料や顕色剤を溶解した消色状態のままにエマルションに溶解させ、再発色しないようにしたインキ組成物(特許文献2)が知られている。
特開2005−298746号公報 特開2010−229332号公報
上記特許文献1に記載のインキ組成物は、ロイコ染料と顕色剤とが溶解して消色している状態を、溶解媒体の熱的ヒステリシスの幅によって維持しているので、マイナス20℃などの低温化では溶解媒体が凝固してロイコ染料、顕色剤の溶解状態を維持できず相互作用が発現するので再発色してしまう。
特許文献2に記載のインキ組成物では、ロイコ染料、顕色剤、結晶性物質が共に溶解した状態でエマルションに溶解しなくてはならず、擦過付与・停止による瞬間的な温度変化に対応できず、消色が不完全となる場合があった。更に、特許文献2に記載の発明において、結晶性物質として好ましいとして挙げられているものの中には、ステアリン酸やパルミチン酸といった、顕色作用は弱いながらも顕色剤として働くと思われる酸も揚げられており、完全な溶解状態にならなくては樹脂エマルションに取り込まれても発色状態を残したままに固定化され、消色できない筆跡が形成される恐れがあった。また、ロイコ染料などを溶解するとしている樹脂エマルションも、そのガラス転移温度(Tg)が30〜90℃としているものの、実際に例示、使用されている樹脂エマルションは、ガラス転移温度45℃〜58℃の樹脂エマルションであり、ロイコ染料、顕色剤、結晶性物質を溶解状態のままに瞬時に溶解させることは困難で、樹脂エマルションにこれらが溶解する前に擦過が終了され筆跡温度が低下すると、再発色してしまうものであった。
本発明は、少なくともロイコ染料と、顕色剤と、融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質と、前記融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質に可溶な樹脂とをインキ媒体中に含有する不可逆性熱変色水性インキ組成物を要旨とするものである。
本発明の不可逆性変色インキ組成物は、融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質が融点未満の温度環境で結晶化している状態では、ロイコ染料と顕色剤とが相互作用し顕色状態となっており、この物質が溶解状態ではロイコ染料と顕色剤がこれに溶解することで消色状態となる。ここに、前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質に可溶な樹脂が溶解状態で存在することによって、これら溶解物質同士の相溶性が均一となり、消色状態が維持され、擦過を終了して筆跡温度が下がった場合には樹脂が消色状態を維持したまま固体化するので、筆跡が再発色し難いものである。
また、前記樹脂として、δに分極している酸素原子をもつエステル基、ケトン基、エーテル基などの極性基を少なくとも一つ以上有する化合物の樹脂は、顕色剤に対する電子供与性物質を使用することにより、樹脂自身が、ロイコ染料と顕色剤との相互作用を阻害する成分として働き得るので、より消色状態の維持が確実になるものである。
消色作用は、樹脂中に含まれる極性基の酸素の電子密度が大きい程、電子受容性物質である顕色剤のHに対し、影響がより大きくなるため強くなる。前記樹脂がケトン基をもつことは、大きくδに分極した酸素をもつことであり、より強く電子受容性物質である顕色剤に作用する。一方、エステル基は、隣接酸素原子からの共鳴効果による電子の流れ込みのため分極が弱まっている。特に、シクロヘキサノン系ケトン樹脂は、アセトフェノン系ケトン樹脂に比べ、アルキル基等何も結合してないため消色作用は大きくなる。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明に用いる着色剤は、少なくともロイコ染料、顕色剤、消色剤からなる色素化合物から構成される。
本発明に用いるロイコ染料としては、無色または淡色の色素であり、電子供与性染料で発色剤としての機能するものであれば、特に限定されものではない。ジフェニルメタンフタリド系色素、フルオラン系色素、インドリルフタリド系色素、スピロピラン系色素、ローダミンラクタム系色素、アザフタリド系色素等がある。以下に具体的なものを例示するが、これらに限定されるものではない。
例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、2’−アニリロ−6’−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,9’−〔9H〕キサンテン〕−3−オン、2’−メチル−6’−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−4−アザフタリド、9−(ジエチルアミノ)スピロ[12H−ベンゾ[a]キサンテン−12,1’(3’H) −イソベンゾフラン]−3’−オン、2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、5−アミノ−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン、6’−(ジエチルアミノ)−1’,2’−ベンゾフルオラン、6−アミノ−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン、3’,6’−ビス(ジエチルアミノ)−2−(4−ニトロフェニル)スピロ[イソインドール−1,9’−キサンテン]−3−オン、2’−アニリノ−6’−ジブチルアミノ−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−[9H]キサンテン]−3−オン、2’−(フェニルアミノ)−3−メチル−6−[エチル(p−トリル)アミノ]スピロ[9H−キサンテン]−3’−オン、1’−[3’H−イソベンゾフラン]−3−オン、6−(ジエチルアミン)−2−[3−(トリフルオロメチル)アニリノ]スピロ[9H−キサンテン−9、3’(1’H)−イソベンゾフラン]−1’−オン、3,3−ビス[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル]4,5,6,7−テトラクロロイソベンゾフラン−1(3H)−オン、2’−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6’−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H) ,9’−[9H]キサンテン] −3−オン、6−ニトロ−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]3−オン、3−メトキシ−4−ドデコキシスチリノキノリンなどが挙げられこれらは、単独(1種)で又は2種以上を混合して用いることができる。
更に、黄色〜赤色の発色を発現させるピリジン系化合物、キナゾリン系化合物、ビスキナゾリン系化合物等も用いることができる。
これらのロイコ染料は、電子空孔を有するHにより、ラクトン環等が開環し共鳴構造をとることで発色を発現するものである。
本発明に用いる顕色剤は、ロイコ染料を発色させるものであり、約75℃の環境下でも昇華や揮散しない化合物である。
具体的に用いることができる顕色剤としては、フェノール性水酸基を有する化合物やフェノール性水酸基を有する化合物の金属塩等が挙げられる。
例えば、ターシャリーブチルカテコール、n−ステアリルフェノール、o−フェニルフェノール、ヘキサフルオロビスフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナンなどが挙げられ、これらは、少なくとも1種用いることができる。
本発明に用いる融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質は、融点が50℃〜85℃であるので、擦過熱程度の温度で溶融し、ロイコ染料と顕色剤と、後述する樹脂とを溶解させるものである。
この融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質は、Hを引きつけるδ分極している酸素原子をもつエステル基、ケトン基、エーテル基、脂肪族水酸基などの極性基を少なくとも1つ以上有する化合物である。
エステル基を有する化合物としては、アセチルサリチル酸メチル(融点;50℃)、ネオペンチルグリコールモノ(ヒドロキシピバレート)(融点;51℃)、2−ベンゾイル安息香酸メチル(同;52℃)、サリチル酸4−tert−ブチルフェニル(同;63℃)、4−ブチル安息香酸4−エトキシフェニル(同;63℃)、フタル酸ジシクロヘキシル(同;65℃)、ペンタエリトリトールテトラステアラート(同;66℃)、トリパルミチン(同;68℃)、イソフタル酸ジメチル(同;69℃)、安息香酸フェニル(同;70℃)、フタル酸ジフェニル(同;75℃)、フェニル酢酸2−フェニルエチル(同;75℃)、フェニル酢酸p−トリル(同;75℃)、サリチル酸4−オクチルフェニル(同;75℃)、炭酸ジフェニル(同;80℃)、4−アセトキシ安息香酸メチル(同;82℃)等が例示できる。
ケトン基を有する化合物としては、4−tert−ブチルシクロヘキサノン(融点;50℃)、ベンジルフェニルケトン(同;56℃)、フタリド(同;75℃)、1.3−ジフェニル−1.3−プロパンジオン(同;78℃)等が例示できる。
エーテル基を有する化合物としては、2−メトキシナフタレン(融点;73℃)、1.4−ジエトキシベンゼン(同;70℃)、1,4−ジメトキシベンゼン(同;56℃)、ベンゾインエチルエーテル(同;61℃)等が例示できる。
脂肪族水酸基を有する化合物としては、1−ヘキサデカノール(融点;50℃)、1−ヘプタデカノール(同;53℃)、1−オクタデカノール(同;58℃)、4−tert−ブチルシクロヘキサノール(同;62℃)、1−エイコサノール(同;63℃)、1−ドコサノール(同;68℃)、シクロドデカノール(同;77℃)、ポリエチレングリコール#4000(同;58℃)、ポリエチレングリコール#6000(同;62℃)等が例示できる
これらは、少なくとも1種、または、2種以上混合して用いることができる。
これらのロイコ染料、顕色剤、融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質とが混合されたものを微粒子化して色素化合物粒子とすると、配合等で取り扱い易くなり好ましい。
その調製方法としては、例えば、ロイコ染料、顕色剤、融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質を配合して60〜90℃の条件にて加熱攪拌した後、冷却し、粉砕機で粉砕後、水、分散剤を加えボールミルにて調整したり、ロイコ染料、顕色剤、融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質、乳化剤、水を配合して加熱後、60〜90℃の条件下で高速ホモジナイザーなどの乳化機等で撹拌した後、冷却することにより調製することができる。
これらロイコ染料、顕色剤、融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質の含有量は、ロイコ染料1に対して、重量比で顕色剤2〜5、融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質30〜75である。顕色剤と融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質の含有量は、顕色剤の顕色能力の差(フェノール性水酸基のHの遊離は、置換基の電気陰性度の影響を受ける)による。その能力が大きければ少なくてよい。また、濃度を高めるため、顕色能力の大きい顕色剤を用いると、消色剤の量を多くする必要がある。
得られる色素化合物粒子の平均粒子径は、発色性、ボールペンペン先からの吐出性を考慮すると、100〜1000nmが望ましい。
また、本発明において、色素化合物粒子の含有量は、インキ組成物全量に対して3〜10重量%が望ましい。この色素化合物粒子の含有量が3重量%未満であると、着色力、発色性が不十分となり、一方、10重量%を超えると、樹脂などの他の配合物を増量することとなり、結果としてインキ組成物の粘度が高くなりインキ吐出性が低下したり筆跡がかすれるなどの問題となることがある。
本発明に用いる前記融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質に可溶な樹脂は、擦過等により加えられた熱で溶解する前記融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質に、ロイコ染料や顕色剤と共に溶解する。
具体的には、極性基がケトン基であるケトン樹脂として、ケトンレジンK−90(荒川化学工業(株)製)、ハロン80、同110H(以上、本州化学(株)製)、ハイラック110H、111、同901(以上、日立化成工業(株)製)、シンセティックレジンAP、同SK、同1201(以上、ヒュルス社製、独国)等、極性機がエーテル基であるレゾール型フェノール樹脂として、タマノル1010R、同521(以上、荒川化学工業(株)製)、極性基がエステル基である樹脂として、ハーコリンD、ペンタリン255、同261、同269、同830(以上、理化ハーキュレス(株)製)、ハリエスターNL、同L、同MT、同MSR−4、ハリマック135G、同T−80、同FX−25、同AS−5、同AS−9、ネオトールC、ガムロジンX(以上、ハリマ化成(株)製)、ガムロジンWW(中国産)、エステルガムH、マルキード#30A、同#31、同#32、同#33、同#34(荒川化学工業(株)製)などが例示できる。これらの樹脂は、単独あるいは複数混合して使用できる。
特に、該樹脂が顕色剤に対する電子供与性物質として働くものが、消色剤としても機能し得るので好ましく、δに分極している酸素原子をもつエステル基、ケトン基、エーテル基などの極性基を少なくとも一つ以上有する化合物の樹脂が好ましい。例えば、ケトン樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ロジンエステル等が挙げられる。更に、その電子供与性物質としての強さから、ケトン樹脂、中でもアセトフェノン系のケトン樹脂よりシクロヘキサノン系のケトン樹脂が好ましい。
該樹脂の含有量は、インキ組成物全量に対して、固形分量で0.4〜2.0重量%とすることが望ましい。含有量が0.4重量%未満であると、消色維持が不十分となり復色する虞があり、一方、2重量%を超えると、溶解性が劣り消去性能が低下する傾向となる。
40℃未満程度の室温において、筆記すると、その筆跡における前記融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質は結晶化した状態であり、ロイコ染料と顕色剤が析出しているので、ロイコ染料と顕色剤との相互作用が発現し発色状態となっている。この融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質が冷却、結晶化している状態では、樹脂も溶解していないのでロイコ染料と顕色剤も樹脂と混和された状態ではない。これに擦過等により熱を加えるとその熱で融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質が融解し、それに溶解したロイコ染料と顕色剤が相互作用できなくなり、消色状態となるものである。また、擦過等による加熱を止め、室温まで冷却されると融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質は再結晶化するが、樹脂もそれまで溶解状態で存在しているので、これら溶解物質同士の相溶性が均一となり、消色状態が維持されたまま固体化し、その状態が固着され発色状態は復元しない。
本発明の不可逆性熱変色インキ組成物では、上記必須成分の他に、筆記具用インキと成すため、水と必要に応じて水溶性有機溶剤、色素化合物の沈降防止やペン先からのインキ漏れ防止や適切な吐出量等のため剪断減粘性付与剤、色素化合物や、樹脂の分散乳化剤や定着剤、ボール受座の摩耗防止のための潤滑剤、防腐・防黴剤、防錆剤、消泡剤等などを適宜含有することができる。
剪断減粘性付与剤としては、水溶性高分子化合物を用いることができる。例えば、アラビアガム、トラガカントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キサンテンガム、デキストラン、ウェランガム、ラムザンガム、アルカシーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸ナリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒドロキシプロピル化グァーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体又はそれらの塩を1種または2種以上を併用して使用できる。
分散乳化剤としては、高級アルコール硫酸エステル類、液体脂肪酸硫酸エステル類、アルキルアリルスルホン酸類などのアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン系界面活性剤や、カチオン系界面活性剤や両性界面活性剤などである。
防腐・防黴剤としては、クロロアセトアミド、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−ピリジンチオール−1−オキサイド・ナトリウム塩、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、チアベンダゾール、フェノキシエタノール、フッ化ナトリウム、4−(2−ニトロブチル)モルホリン、1,3−ジモルホリノ−2−エチル−2−ニトリプロパン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールなどである。
表面張力調整や消泡剤としては、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を挙げることができる。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
色素化合物1の調整
CVL(ロイコ染料、3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、山田化学工業(株)製) 2.0重量部
ビスフェノールA(顕色剤、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、東京化成工業(株)製) 6.0重量部
フタル酸ジフェニル(消色剤、融点75℃、東京化成工業(株)製)
50.0重量部
以上の配合を80℃で1時間攪拌した後、冷却し、色素化合物1を得た。
色素化合物2の調整
S−205(ロイコ染料、2’−アニリロ−6’−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3、9’−〔9H〕キサンテン〕−3−オン、山田化学工業(株)製) 2.0重量部
1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(顕色剤、東京化成工業(株)製) 6.0重量部
フタル酸ジフェニル(消色剤、融点75℃、東京化成工業(株)製)
50.0重量部
以上の配合を80℃で1時間攪拌した後、冷却し、色素化合物2を得た。
色素化合物3の調整
RED520(ロイコ染料、2’−メチル−6’−(N−p−トリル−Nエチルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、山田化学工業(株)製) 2.0重量部
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(顕色剤、東京化成工業(株)製) 4.0重量部
安息香酸フェニル(消色剤、融点70℃、東京化成工業(株)製)60.0重量部
以上の配合を80℃で1時間攪拌した後、冷却し、色素化合物3を得た。
色素化合物4の調整
CVL 1.5重量部
ビスフェノールA 4.5重量部
フタル酸ジフェニル 34.5重量部
ニューコール220−L(ドデシルベンゼンスルホン酸塩、日本乳化剤(株)製)
2.0重量部
イオン交換水 57.5重量部
以上の配合を80℃でプロペラ攪拌機を用い1時間攪拌した後、高速ホモジナイザーに交換して、13500rpmで15分間攪拌した後、氷にて急冷し、色材化合物4を得た。
色素化合物分散液1の調整
色素化合物1を58.0重量部、ハイラック111(シクロヘキサノン系ケトン樹脂、日立化成ポリマー(株)製)を10.0重量部を配合し、粉砕機にて粒度0.5mm以下に粉砕した。この配合物を25.0重量部、デモールN(β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、花王(株)製)を3.0重量部、イオン交換水を51.8重量部、プロピレングリコールを20.0重量部、TSA739(消泡剤、シリコーンエマルジョン、GE東芝シリコーン(株)製)を0.2重量部を遊星型ボールミルにて1時間分散処理し、取り出し、色素化合物分散液1を得た。
色素化合物分散液2の調整
色素化合物1を58.0重量部、ハイラック110H(アセトフェノン系ケトン樹脂、日立化成ポリマー(株)製)を10.0重量部を配合し粉砕機にて粒度0.5mm以下に粉砕した。この配合物を25.0重量部、デモールN(β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、花王(株)製)を3.0重量部、イオン交換水を51.8重量部、プロピレングリコール20.0重量部、TSA739(消泡剤、シリコーンエマルジョン、GE東芝シリコーン(株)製)を0.2重量部を、遊星型ボールミルにて1時間分散処理し、取り出し、色素化合物分散液2を得た。
色素化合物分散液3の調整
色素化合物1を58.0重量部、マルキード34(ロジン変性マレイン酸樹脂、荒川化学工業(株)製)を10.0重量部を配合し粉砕機にて粒度0.5mm以下に粉砕した。この配合物を25.0重量部、デモールN(β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、花王(株)製)を3.0重量部、イオン交換水を51.8重量部、プロピレングリコール20.0重量部、TSA739(消泡剤、シリコーンエマルジョン、GE東芝シリコーン(株)製)を0.2重量部を、遊星型ボールミルにて1時間分散処理し、取り出し、色素化合物分散液3を得た。
色素化合物分散液4の調整
色素化合物4を58.0重量部、タマノル1010R(レゾール型フェノール樹脂、荒川化学工業(株)製)を10.0重量部を配合し粉砕機にて粒度0.5mm以下に粉砕した。この配合物を25.0重量部、ニューコール220−Lを3.0重量部、イオン交換水を51.8重量部、プロピレングリコール20.0重量部、TSA739(消泡剤、シリコーンエマルジョン、GE東芝シリコーン(株)製)を0.2重量部を、遊星型ボールミルにて1時間分散処理し、取り出し、色素化合物分散液4を得た。
色素化合物分散液5の調整
色素化合物2を58.0重量部、ハイラック222(シクロヘキサノン系ケトン樹脂、日立化成ポリマー(株)製)を10.0重量部を配合し粉砕機にて粒度0.5mm以下に粉砕した。この配合物を25.0重量部、デモールN(β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、花王(株)製)を3.0重量部、イオン交換水を51.8重量部、プロピレングリコール20.0重量部、TSA739(消泡剤、シリコーンエマルジョン、GE東芝シリコーン(株)製)を0.2重量部を、遊星型ボールミルにて1時間分散処理し、取り出し、色素化合物分散液5を得た。
色素化合物分散液6の調整
色素化合物3を66.0重量部、ハイラック111(シクロヘキサノン系ケトン樹脂、日立化成ポリマー(株)製)を10.0重量部、を配合し粉砕機にて粒度0.5mm以下に粉砕した。この配合物を25.0重量部、TW−30(POEラノリン、日光ケミカルズ(株)製)を2.0重量部、イオン交換水を52.8重量部、プロピレングリコールを20.0重量部、TSA739(消泡剤、シリコーンエマルジョン、GE東芝シリコーン(株)製)を0.2重量部を遊星型ボールミルにて1時間分散処理し、取り出し、色素化合物分散液6を得た。
粘度調整剤溶液1の調整
イオン交換水 68.5重量部
エチレングリコール 25.0重量部
プロクセルGXL(防黴剤、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ICIジャパン(株)製) 0.5重量部
ケルザンAR(三晶(株)製) 6.0重量部
これらの配合物をヘンシェルミキサーに入れ、1400rpmで30分撹拌溶解後、取り出し、粘度調整剤溶液1を得た。
粘度調整剤溶液2の調整
イオン交換水 73.5重量部
エチレングリコール 25.0重量部
プロクセルGXL(防黴剤、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ICIジャパン(株)製) 0.5重量部
アルカシーガム(伯東(株)製) 1.0重量部
これらの配合物をヘンシェルミキサーに入れ、2800rpmで30分撹拌溶解後、取り出し、粘度調整剤溶液2を得た。
ケトン樹脂の分散液1の調整
ハイラック111 20.0重量部
ニューコール220−L 2.0重量部
イオン交換水 78.0重量部
以上の配合物を遊星型ボールミルにて1時間分散処理し、取り出し、ケトン樹脂の分散液を得た。
実施例1
イオン交換水 43.4重量部
色素化合物分散液1 20.0重量部
グリセリン 10.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
10%ベンゾトリアゾールのエチレングリコール溶液 4.0重量部
コートサイドS(防黴剤、武田薬品工業(株)製) 0.1重量部
20%フォスファノールRB410水溶液(水酸化ナトリウムで中和、4オキシエチレンオレイルエーテルリン酸、東邦化学工業(株)製) 4.0重量部
粘度調整剤溶液1 8.5重量部
これらの配合物をヘンシェルミキサーに入れ、1400rpmで30分間攪拌後、取り出した。その後、濾過を行い、減圧脱泡機にて脱泡して青色のボールペン用不可逆性熱変色水性インキ組成物を得た。
実施例2
イオン交換水 23.9重量部
色素化合物分散液2 25.0重量部
グリセリン 10.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
10%ベンゾトリアゾールのエチレングリコール液 4.0重量部
コートサイドS 0.1重量部
20%フォスファノールRB410水溶液 7.0重量部
粘度調整剤溶液2 20.0重量部
これらの配合物をヘンシェルミキサーに入れ、1400rpmで60分間攪拌後、取り出した。その後、濾過を行い、減圧脱泡機にて脱泡して青色のボールペン用不可逆性熱変色水性インキ組成物を得た。
実施例3
イオン交換水 22.9重量部
色素化合物分散液3 25.0重量部
グリセリン 10.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
10%ベンゾトリアゾールのエチレングリコール液 4.0重量部
コートサイドS 0.1重量部
20%フォスファノールRS710水溶液(水酸化ナトリウム中和、POEエチレンアルキルエーテルリン酸、東邦化学工業(株)製) 8.0重量部
粘度調整剤溶液2 20.0重量部
これらの配合物をヘンシェルミキサーに入れ、1400rpmで60分間攪拌後、取り出した。その後、濾過を行い、減圧脱泡機にて脱泡して青色のボールペン用不可逆性熱変色水性インキ組成物を得た。
実施例4
イオン交換水 22.9重量部
色素化合物分散液4 25.0重量部
グリセリン 10.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
10%ベンゾトリアゾールのエチレングリコール液 4.0重量部
コートサイドS 0.1重量部
20%フォスファノールRS710水溶液(水酸化ナトリウム中和、POEエチレンアルキルエーテルリン酸、東邦化学工業(株)製) 8.0重量部
粘度調整剤溶液2 20.0重量部
これらの配合物をヘンシェルミキサーに入れ、1400rpmで60分間攪拌後、取り出した。その後、濾過を行い、減圧脱泡機にて脱泡して青色のボールペン用不可逆性熱変色水性インキ組成物を得た
実施例5
イオン交換水 4.9重量部
色素化合物分散液5 42.0重量部
ケトン樹脂分散液1 17.0重量部
グリセリン 10.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
10%ベンゾトリアゾールのエチレングリコール液 4.0重量部
コートサイドS 0.1重量部
20%フォスファノールRB410水溶液 4.0重量部
粘度調整剤溶液1 8.0重量部
これらの配合物をヘンシェルミキサーに入れ、1400rpmで60分間攪拌後、取り出した。その後、濾過を行い、減圧脱泡機にて脱泡して黒色のボールペン用不可逆性熱変色水性インキ組成物を得た。
実施例6
イオン交換水 4.9重量部
色素化合物分散液6 42.0重量部
ケトン樹脂分散液1 17.0重量部
グリセリン 10.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
10%ベンゾトリアゾールのエチレングリコール液 4.0重量部
コートサイドS 0.1重量部
20%フォスファノールRB410水溶液 4.0重量部
粘度調整剤溶液1 8.0重量部
これらの配合物をヘンシェルミキサーに入れ、1400rpmで60分間攪拌後、取り出した。その後、濾過を行い、減圧脱泡機にて脱泡して赤色のボールペン用不可逆性熱変色水性インキ組成物を得た。
比較例1
実施例1の色素化合物分散液の調整工程において、ケトン樹脂(ハイラック111)を除き、その分イオン交換水を増やした以外は、実施例1と同様に行い、青色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
比較例2
実施例1の色素化合物分散液の調整工程において、ケトン樹脂(ハイラック111)の代わりに、ステアリルアミン(塩基性物質)を加え、実施例1と同様に行い、青色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
比較例3
実施例5のケトン樹脂分散液を除き、ジョンクリル734(スチレンアクリル系樹脂エマルジョン、BASFジャパン(株)製)を7.0重量部、イオン交換水を10.0重量部にした以外は、実施例6と同様に行い、黒色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
上記で得られた実施例1〜6及び比較例1〜3のボールペン用水性インキ組成物を筆記具(ぺんてる(株)製の水性ゲルボールペンBLN25、製品名エナージェル)に充填し、下記評価方法で、消し具による消色性、熱による消色性、復色性を評価した。
上記インキを充填した筆記具で、上質紙2枚に「水性インキ組成物」と手書き筆記し、1枚目の筆跡を消し具(曲率半径Rが1〜10mmの凸面を有す低密度ポリエチレン製ブロック)にて、10往復のうち、局所的な温度が60〜70℃になるように擦過し(赤外線カメラにより確認)、消色性を目視確認後、−50℃の冷凍庫に3時間放置する。また、2枚目の筆記した用紙を、消し具による擦過試験をせずに、恒温槽75℃条件下に3時間放置後、取り出しその筆跡の状態を目視確認した後、室温まで冷却しその筆跡の状態変化を目視確認する。また、各々温度条件が制御できる環境下において、カラーコンピュータでY値を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2012180412
上記表1の結果から明らかなように、実施例1〜6のインキ組成物の筆跡を消し具による擦過により消去された筆跡は、−50℃の環境下においても復色せず、しかも75℃という環境下に放置された場合でも殆ど筆跡に変化がなく、筆跡が消去してしまうような不都合はないという極めて良好な結果を得ることができた。
これに対して比較例1、3は、消し具で擦過し消去した筆跡は、擦過を停止すると、すぐに復色し始めてしまう。比較例2は、75℃という環境下に筆跡を放置すると、消去してしまう、復元しようと−50℃に放置しても元の筆跡に復元しない。

Claims (3)

  1. 少なくともロイコ染料と、顕色剤と、融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質と、前記融点が50℃〜85℃の前記ロイコ染料及び顕色剤とを溶解する物質に可溶な樹脂とをインキ媒体中に含有する不可逆性熱変色水性インキ組成物。
  2. 前記樹脂が、顕色剤に対する電子供与性物質である請求項1に記載の不可逆性熱変色水性インキ組成物。
  3. 前記樹脂がケトン樹脂である請求項2に記載の不可逆性熱変色水性インキ組成物。
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