JP2015091941A - 消色、変色性インキ組成物 - Google Patents

消色、変色性インキ組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ロイコ染料の顕色性能及び消色性能を応用し、擦過等により消色又は変色する筆跡濃度の高く、消去性も良く、更に消去部に再筆記してもカスレのない消色、変色性インキ組成物を提供する。【解決手段】ロイコ染料と置換基を有する特定のレゾルシノール類である化合物からなる顕色剤とを少なくとも含む着色剤成分と、水不溶性または難溶性の消色剤とを含有する消色、変色インキ組成物であり、前記置換基がアルキル基、フェニル基、シクロヘキシル基、ベンジル基のいずれかである変色インキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ロイコ染料の顕色性能及び消色性能を応用し、擦過等により消色又は変色するインキ組成物に関する。
従来、ロイコ染料の顕色性能及び消色性能を応用した感熱消色性インキが知られている。これは電子供与体であるロイコ染料と、電子受容体である顕色剤と、消色剤とを含み、これらの相互作用によって発色、消色することを利用したものである。
特許文献1には、ロイコ染料と顕色剤とをマイクロカプセル化した着色剤を水に分散し、水に可溶な常温固体の消色剤を使用し、有機溶剤並びに加熱により消色剤を溶解状態としてロイコ染料や顕色剤に作用させ消去可能となす水性インキ組成物が開示されている。
特許文献2には、筆跡の消去した部分が低温の環境下でも再発色しない熱不可逆性消色性インキとして、ロイコ染料と顕色剤と結晶性物質とを混合して有色粒子を形成し、非晶質樹脂からなる消色剤を含有する感熱消色性インキ組成物が開示されている。
特許文献3には、ロイコ染料と顕色剤とを含有する着色剤と、消色剤とを水に分散させた熱消去性インキ組成物に、分散剤としてポリビニルアルコールを使用する旨が開示されている。
特開2001−279144号公報 特開2010−229332号公報 特開平09−165537号公報
特許文献1に記載のインキ組成物は、消色剤として水に可溶な物質を使用しているため、インキ媒体である水が存在する状態では消色し難くなっているが、疎水性のロイコ染料と顕色剤よりなる着色成分と水に溶解している消色剤が混合、溶解しにくいため、筆記直後まだ筆跡に水が残っている段階では消去性が不十分であった。また、ロイコ染料と顕色剤との相互作用も弱く、筆跡が薄いという問題もあった。
特許文献2に記載の感熱消色性インキ組成物は、ロイコ染料と顕色剤よりなる着色成分に、これらを消色剤から離隔する結晶性物質を加えて有色粒子を形成しているので、有色粒子そのものの発色性が低く、筆跡が薄いという問題があった。また、消去された筆跡の紙面上に消色したロイコ染料、顕色剤、結晶性物質、消色剤の混合物が残留し紙面を覆ってしまうため、その部分に新たに、当該感熱消色性インキ組成物や他のインキなどで筆記しようとした場合に、筆記前の紙面と同じにはインキが乗り難い場合があった。例えば、ボールペンで再筆記した際に、ボールが回転するための摩擦力よりも、ボールが筆記面から受ける摩擦力の方が小さくなりボールが回転しにくくなるので、その部分にインキがのらない所謂線飛び現象が起こる。
特許文献3に記載の熱消去性インキ組成物は、ロイコ染料と顕色剤からなる着色成分と消色剤とが隔離されずに存在するため、インキ中や筆跡中で熱を掛けなくても徐々に顕色剤と消色剤が反応し、無色化してしまうという問題があった。
本発明は、ロイコ染料と下記一般式(化1)で示される化合物である顕色剤とを少なくとも含む着色剤成分と、水不溶性または難溶性の消色剤とを含有する消色、変色インキ組成物を第1の要旨とし、前記着色剤成分または消色剤のいずれか一方をマイクロカプセルに内包するか、または、両方をそれぞれ別のマイクロカプセルに内包し、着色剤成分と消色剤を離隔する消色、変色インキ組成物を第2の要旨とする。
Figure 2015091941
ロイコ染料が発色するためには、ロイコ染料と顕色剤が溶解状態で混合されていることが必要である。溶解時に顕色剤が活性プロトンを放出し、これがロイコ染料のラクトン環を開環し発色状態となるためである。活性プロトン放出能の高い顕色剤を使用すれば、より少量でロイコ染料を発色させることができ、ロイコ染料の比率を高くできるので高濃度の着色成分が得られる。上記の一般式(化1)で示される顕色剤を用いると、ベンゼン環の2位、4位の位置に強い電子供与基がないため、M効果により電子が引っ張られるので融解状態で二つの活性プロトンを放出し易くなる。この効果は他のフェノール系化合物、ベンゼンジオール及びベンゼントリオールと比べ高く、ロイコ染料のラクトン環を効率的に開環することができるので着色成分の濃度を高くすることができ濃い筆跡が得られる。
更に、一般式(化1)と本発明に使用する消色剤とは共に疎水性であり、筆記直後、擦過等により消去した場合でも、一般式(化1)で示される化合物と消色剤は互いに混合、溶解することができ両者は反応するので確実に消色できる。
また、顕色剤である上記一般式(化1)で示される化合物は界面活性剤としての効果を併せ持つ。よって、消去された後、これらのロイコ染料、顕色剤、消色剤等の混合物と親水性の紙の表面張力は低下し、各成分が紙面上に残留せずに紙の中に浸透していくので、筆跡を消去した部分には残らず、再筆記しても良好な筆記線が得られる。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
ロイコ染料としては、無色または淡色の色素であり、電子供与性染料で発色剤としての機能するものであれば特に限定されものではない。ジフェニルメタンフタリド系色素、フルオラン系色素、インドリルフタリド系色素、スピロピラン系色素、ローダミンラクタム系色素、アザフタリド系色素等がある。以下に具体的なものを例示するが、これらに限定されるものではない。
例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、2’−アニリロ−6’−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−(9H)キサンテン]−3−オン、2’−メチル−6’−(N−p−トリル−Nエチルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン、2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−1H−インドール−3−イル)−4−アザフタリド、9−(ジエチルアミノ)スピロ[12H−ベンゾ(a)キサンテン−12,1’(3’H)−イソベンゾフラン]−3’−オン、2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、5−アミノ−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン、6’−ジエチルアミノ−1’,2’−ベンゾフルオラン、6−アミノ−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン、3’,6’−ビス(ジエチルアミノ)−2−(4−ニトロフェニル)スピロ[イソインドール−1,9’−キサンテン]−3−オン、2’−アニリノ−6’−ジブチルアミノ−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−(9H)キサンテン]−3−オン、2’−(フェニルアミノ)−3−メチル−6−[エチル(p−トリル)アミン]スピロ[9H−キサンテン]−9オン、1’−(3’H−イソベンゾフラン)−3−オン、6−ジエチルアミノ−2−[3−(トリフルオロメチル)アニリノ]スピロ[9H−キサンテン−9,3’(1’H)−イソベンゾフラン]−1’−オン、3,3−ビス[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル]4,5,6,7−テトラクロロイソベンゾフラン−1(3H)−オン、2’−(N−フェニル−N−メチルアミン)−6’,6(N−p−トリル−N−エチルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H)]−3−オン、6−ニトロ−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン、3−メトキシ−4−ドデコキシスチリノキノリン等を挙げることができ、これらは、1種または2種以上混合して用いることができる。
これらのロイコ染料は、活性プロトンを有する化合物により、ラクトン環等が開環し共鳴構造をとることで発色を発現するものである。
インキ組成物全量に対するロイコ染料の添加量は0.5〜30重量%が好ましい。0.5重量%未満では筆跡濃度が薄く、30重量%以上ではインキ組成物の粘度が上がり吐出性が低下するからである。
顕色剤は上記一般式(化1)で示したものを使用する。具体的には、エチルレソルシノール、プロピルレソルシノール、ブチルレソルシノール、ペンチルレソルシノール、ヘキシルレソルシノール、フェニルレソルシノール、シクロヘキシルレソルシノール、ベンジルレソルシノール、ジメチルレソルシノール、メチルフェニルレソルシノール、メチルシクロヘキシルレソルシノール、メチルベンジルレソルシノール、ジフェニルレソルシノール、フェニルベンジルレソルシノール、フェニルシクロヘキシルレソルシノール、ジシクロヘキシルレソルシノール、シクロヘキシルベンジルレソルシノール、ジベンジルレソルシノール、トリメチルレソルシノール、ジメチルフェニルレソルシノール、ジメチルシクロヘキシルレソルシノール、ジメチルベンジルレソルシノール、メチルジフェニルレソルシノール、メチルフェニルシクロヘキシルレソルシノール、メチルシクロヘキシルベンジルレソルシノール、トリフェニルレソルシノール、ジフェニルシクロヘキシルレソルシノール、ジフェニルベンジルレソルシノール、フェニルジシクロヘキシルレソルシノール、フェニルシクロヘキシルベンジルレソルシノール、フェニルジベンジルレソルシノール、トリシクロヘキシルレソルシノール、ジシクロヘキシルベンジルレソルシノール、トリベンジルレソルシノールなどが挙げられる。
その使用量はロイコ染料1に対し、0.1〜5が好ましい。
消しゴムや筆記具本体の樹脂やゴム状弾性体部分での擦過熱での消去を考慮すると融点は約80℃以下で、インキ組成物に用いる液媒体に不溶であることが好ましい。可溶である場合、液媒体に溶解した上記一般式(化1)で示される化合物は液媒体が蒸発するまで消色剤と反応しにくくなり、筆記後直ちに消去できなくなる。
消色剤は、ロイコ染料及び/又は顕色剤を溶解させ、発色状態にあるロイコ染料と顕色剤の相互作用を阻害するものであり、エステル基、アミド基、ケトン基、水酸基、エーテル基等の極性基を少なくとも1つ以上有する化合物が好適に使用できるが、ロイコ染料と顕色剤との相互作用を阻害できるものであれば特に限定されない。
以下に具体的なものを例示するが、これらに限定されるものではない。
エステル基を有する化合物としては、ギ酸ベンジル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸s−ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル(融点;77℃)、酢酸メチルシクロヘキシル、酪酸エチル、フェニル酢酸2−フェニルエチル(融点;28℃)、フェニル酢酸p−トリル(融点;75℃)、4−メトキシフェニル酢酸無水物(融点;76℃)、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸メチル、イソ吉酸エチル、ステアリン酸エチル(融点;36℃)、ステアリン酸ブチル(融点;20℃)、ステアリン酸アミル、炭酸ジフェニル(融点;80℃)、安息香酸エチル、安息香酸フェニル(融点;69℃)、安息香酸ベンジル(融点;20℃)、2−ベンゾイル安息香酸メチル(融点;52℃)、4−ブチル安息香酸4−エトキシフェニル(融点;63℃)、4−アセトキシ安息香酸メチル(融点;83℃)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸メチル(融点;63℃)、サリチル酸4−tert−ブチルフェニル(融点;63℃)、サリチル酸4−オクチルフェニル(融点;75℃)、アセチルサリチル酸メチル(融点;50℃)、ケイ皮酸エチル、シュウ酸ジブチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、酒石酸ジエチル(融点;17℃)、マレイン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジシクロヘキシル(融点;65℃)、フタル酸ジフェニル(融点;75℃)、イソフタル酸ジメチル(融点;65℃)、クエン酸トリメチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、ネオペンチルグリコールモノ(ヒドロキシピバレート)(融点;51℃)、ペンタエリトリトールテトラステアラート(融点;66℃)等を挙げる事ができる。
アミド基を有する化合物として例えば、ジフェニルウレタン(融点;71℃)、リドカイン(融点;68℃)、ミリスチン酸アニリド(融点;85℃)、N−ベンジル−β−アラニンエチル(融点;50℃)、N−アセチル−o−フェネチジン(融点;79℃)、N−(2−フェニルエチル)アセトアミド(融点;50℃)、N−カルボエトキシフタルイミド(融点;91℃)等を挙げる事ができる。
ケトン基を有する化合物として例えば、ジイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジ−n−プロピルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−ヘプチルケトン、1,2−トリコサノン(融点;67℃)、ジシクロヘキシルフェニルケトン(融点;56℃)、メチルシクロヘキサノン、4−tert−ブチルシクロヘキサノン(融点;50℃)、4,4−ビシクロヘキサノン(融点;118℃)、アセトフェノン(融点;20℃)、テトラデカノフェノン(融点;49℃)、4−アセトキシアセトフェノン(融点;53℃)、3,5−ジアセトキシアセトフェノン(融点;93℃)、2,2−ジメトキシ−2フェニルアセトフェノン(融点;68℃)、ベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、ベンジルフェニルケトン(融点;56℃)、アセトナフトン(融点;68℃)、1.3−ジフェニル−1.3−プロパンジオン(融点;78℃)、フタリド(融点;75℃)等を挙げる事ができる。
水酸基を有する化合物として例えば、1−ヘキサデカノール(融点;50℃)、1−ヘプタデカノール(融点;53℃)、1−オクタデカノール(融点;58℃)、1−ドコサノール(融点;68℃)、1−エイコサノール(融点;63℃)、4−tert−ブチルシクロヘキサノール(融点;62℃)、シクロドデカノール(融点;77℃)、ポリエチレングリコール#4000(融点;58℃)、ポリエチレングリコール#6000(融点;62℃)等が例示できる
エーテル基を有する化合物としては、1,4−ジメトキシベンゼン(融点;56℃)、ベンゾインエチルエーテル(融点;61℃)、2−メトキシナフタレン(融点;73℃)等を挙げる事ができる。
その他に、アクリル樹脂、ケトン樹脂、アルキッド樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。これらは、1種または2種以上混合して用いることができる。消色剤の使用量は、種類により異なるが、概ねロイコ染料1重量%に対し1〜50重量%が好ましい。
また、液体であれば、マクロカプセルが破壊された時、ロイコ染料及び顕色剤との反応性が高く、ロイコ染料及び顕色剤を溶解させ、顕色剤とロイコ染料の相互作用を阻害し、消色状態となるため、擦過熱等により、固体が容易に液体となる融点80℃以下の化合物が好ましい。
本発明の消色、変色性インキ組成物は、ロイコ染料と顕色剤とからなる着色成分と、消色剤とを、マイクロカプセルの内外で隔離してインキ組成物中に含有させることが好ましい。このマイクロカプセルは、筆跡では上記二者の隔離状態を維持するべく壊れていない状態を保ち、消去具による擦過などでマイクロカプセルの皮膜が壊れ、着色成分と消色剤が接し、その擦過熱で着色成分と消色成分との作用が発現され、着色成分が消色する。この際、インキ中の着色成分が、当該ロイコ染料に起因するもののみであれば筆跡は消色状態となり、インキ中に消色されない他の着色成分が存在すれば、ロイコ染料に起因する着色成分が消色することによって残った他の着色成分の色が残り、筆跡は変色することになる。
マイクロカプセルの粒径は、擦過等よる筆跡消去性が良好であることから0.1μm以上の粒子径を有するものが好ましい。0.1μm未満では消しゴムや筆記具本体の樹脂やゴム状弾性体部分で擦過しても壊れにくく、またマイクロカプセルが紙の繊維間に入り込み、擦過等の圧力が十分に伝わらず、マイクロカプセルが壊れにくくなるためである。また、マイクロカプセルの粒子径が20μmを超える場合では、筆記時のペン先の荷重(約50〜200g)で一部マイクロカプセルが壊れ、筆跡が薄くなったり、ペン先等に詰まり吐出量が減り筆跡濃度が薄くなったりする。筆記具の構造を考慮すると20μm以下の粒子径を有するものが好ましい。
尚、本発明における粒子径とは、電子顕微鏡の目視観察により、最長となる径長さを指すものとし、当該マイクロカプセルの実質的な最大外径として差し支えない。
また、マイクロカプセルを構成する膜剤の膜厚は、粒子径の1/4〜1/20が好ましい。このマイクロカプセルをボールペンに使用した場合、ボールペン内でのインキ組成物の通路や紙の繊維に上は数ミクロンの凹凸がある曲路となっており、筆圧などの力がかかってもマイクロカプセルはこれを除けて移動できる。また、マイクロカプセル自身にも、ある程度の弾力性があり、溶剤の潤滑効果によって余分な圧力や摩擦がかかりにくくなっている。このためマイクロカプセルには大きな力が掛かり難く、筆記時にはつぶれることは少ない。消去時には、インキ組成物の液媒体が気化したり紙中に浸透して、ある程度は乾燥した筆跡にマイクロカプセルが固定された状態となり、消しゴムや筆記具本体の樹脂やゴム状弾性体部分で筆跡上を数往復擦過するので、マイクロカプセル同士が何度もつぶされながらぶつかりあうためこれが壊れ、内包する物質が外に出て、その擦過熱で着色成分と消色剤とが作用し消色する。
このようなマイクロカプセルを作成する方法としては、一般的にin situ法や界面重合法、コアセルべーション法などが知られている。
in situ法は、水に芯物質(マイクロカプセル内包物質)を加え乳化分散し、このエマルション調整溶液に、カプセル皮膜剤を加え芯物質の外側から、皮膜を重合させる方法である。
界面重合法は、カプセル皮膜剤を溶解させた芯物質(マイクロカプセル内包物質)を水に加え乳化分散後、このエマルション調整溶液に、反応剤を添加し油滴界面で皮膜を生成させる方法である。
コアセルべーション法は、芯物質(マイクロカプセル内包物質)表面に高分子溶液の相分離によって、濃厚相(皮膜)を生成させる方法である。
本発明の消色、変色インキ組成物に用いる液媒体は、水や炭化水素系溶剤、芳香族アルコールを使用することができる。炭化水素系溶剤として例えば、ノルマルヘキサン、ノルマルペンタン、イソヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、エチルシクロヘキサンを挙げることが出来る。芳香族アルコールとして例えば、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェニルグリコール、3−フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−2−ブタノール等を使用することが出来、これらは1種または2種以上混合して用いることができる。
また、筆記具用のインキ組成物とするため、マイクロカプセルの沈降防止やペン先からのインキ漏れ防止や適切な吐出量等のため剪断減粘性付与剤、色素化合物や、樹脂の分散剤や定着剤、ボール受座の摩耗防止のための潤滑剤、防腐・防黴剤、防錆剤、消泡剤、染料、顔料などを適宜含有することができる。染料や顔料などの着色成分が添加された場合には、顕色時に混色された状態から消色インキ成分が消色して筆跡は変色した状態となる。
剪断減粘性付与剤としては、液媒体が芳香族アルコールの場合には、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラールなどを使用することができる。
液媒体が水の場合には、アラビアガム、トラガカントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キサンテンガム、デキストラン、ウェランガム、ラムザンガム、アルカシーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸ナリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒドロキシプロピル化グァーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体又はそれらの塩等を使用することができ、これらを1種または2種以上混合して用いることができる。
液媒体が炭化水素系溶剤の場合には、脂肪酸アマイド、酸化ポリオレフィン、水添ひまし油、乾式シリカ、ベントナイトなどを使用することができる。
液媒体に水を使用した場合には防腐・防黴剤として例えば、クロロアセトアミド、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、チアベンダゾール、フェノキシエタノール、フッ化ナトリウム、4−(2−ニトロブチル)モルホリン、1,3−ジモルホリノ−2−エチル−2−ニトリプロパン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール等を使用することができる。
表面張力調整や消泡剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を使用することができる。
以下に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
実施例1の調整
(着色剤粒子分散液1)
CVL−K(クリスタルバイオレットラクトン、山田化学(株)製) 9.0重量部
4−ヘキシルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物、融点67℃)
27.0重量部
ジョンクリル61J(スチレン−アクリル樹脂30%水溶液、BASF社製、独国)
10.0重量部
水 36.0重量部
エチレングリコール 5.0重量部
グリセリン 5.0重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製)の6%水溶液) 8.0重量部
上記各成分のうちCVL−Kと4−ヘキシルレソルシノールとをマグネチックスターラーにて75℃、1時間溶解、冷却後ジェットミルで粉砕し、3.0μmの着色剤粒子を得た。これらの粒子にジョンクリル61Jと水、エチレングリコール、グリセリンを加え、ボールミルで分散後、ケルザンARの6%水溶液を加え、スリーワンモーターで撹拌し着色剤粒子分散液1を得た。
(消色剤分散液1)
4−アセトキシアセトフェノン(消色剤、融点54℃) 30.0重量部
ジョンクリル61J(前述) 10.0重量部
水 42.0重量部
エチレングリコール 5.0重量部
グリセリン 5.0重量部
ケルザンAR(前述)の6%水溶液 8.0重量部
上記各成分のうち4−アセトキシアセトフェノンをマグネチックスターラーにて75℃、1時間溶解、冷却後ジェットミルで粉砕し、3.0μmの消息剤粒子を得た。この粒子にジョンクリル61Jと水エチレングリコール、グリセリンを加え、ボールミルで分散後、ケルザンARの6%水溶液を加え、スリーワンモーターで撹拌し消色剤粒子分散液1を得た。
(実施例1)
着色剤粒子分散液1 33.0重量部
消色剤粒子分散液1 67.0重量部
上記各成分をスリーワンモーターで30分撹拌し、インキ組成物を得た。
実施例2の調整
(着色剤粒子分散液2)
CVL−K(前述) 3.3重量部
4−ブチルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物、融点53℃)
6.6重量部
安息香酸フェニル(融点70℃) 29.7重量部
PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製)の5%水溶液 60.4重量部
PVA205の5%水溶液を除く上記各成分をマグネチックスターラーにて80℃、1時間溶解、冷却後ジェットミルで粉砕し、5.0μmの着色剤粒子を得た。次いでこの着色成分粒子にPVA205の5%水溶液を加え、着色剤粒子分散液2を得た。
(消色剤粒子分散液2)
リドカイン 49.0重量部
PVA205(前述)の5%水溶液 51.0重量部
リドカインをジェットミルで粉砕し、5.0μmの消色剤粒子を得た。次いでこの消色剤粒子にPVA205の5%水溶液を加え、消色剤粒子分散液2を得た。
(実施例2)
着色剤粒子分散液2 80.0重量部
消色剤粒子分散液2 20.0重量部
上記各成分をスリーワンモーターで30分撹拌し、インキ組成物を得た。
実施例3の調整
(着色剤粒子1)
CVL−K(前述) 5.0重量部
2,5−ジメチルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物、融点163℃
) 10.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーにて70℃、1時間溶解、冷却後ジェットミルで粉砕し、5.0μmの着色剤粒子を得た。
(消色剤マイクロカプセル分散液1)
2’アセトナフトン(消色剤、融点54℃) 10.0重量部
タケネートD−100N(イソシアネート/ポリオール、三井化学(株)製)
6.0重量部
PVA205(前述)の5%水溶液 34.0重量部
上記各成分のうち2’アセトナフトンをマグネチックスターラーにて60℃で融解後、タケネートD110−Nを添加し撹拌混合する。PVA205の5%水溶液を添加し、ホモジナイザーにて9500rpmで10分乳化した後、マグネチックスターラーにて60℃、4時間撹拌し、平均粒子径5.0μmの消色剤マイクロカプセル分散液1を得た。
(実施例3)
着色剤粒子1 9.0重量部
消色剤マイクロカプセル分散液1 50.0重量部
ジョンクリル61J(前述) 10.0重量部
水 12.7重量部
エチレングリコール 5.0重量部
グリセリン 5.0重量部
ケルザンAR(前述)の6%水溶液 8.3重量部
消色剤マイクロカプセル分散液1及びケルザンARの6%水溶液を除く、各成分をボールミルで分散後、消色剤マイクロカプセル分散液及びケルザンのAR6%水溶液を加え、スリーワンモーターで撹拌しインキ組成物を得た。
実施例4の調整
(着色剤マイクロカプセル分散液2)
CVL−K(前述) 7.0重量部
4−ヘキシルレソルシノール(前述) 15.0重量部
ISOBAM−18(イソブチレン−無水マレイン酸、(株)クラレ製)の40%アルカリ中和物の5%水溶液 35.0重量部
ベッカミンM−3(メラミン樹脂プレポリマー、DIC(株)製) 22.0重量部
上記各成分のうちCVL−Kと4−ヘキシルレソルシノールとをマグネチックスターラーで1時間混合、80℃で加熱溶解し、着色成分を得た。この着色成分とISOBAM−18とをホモジナイザーにて13500rpmで10分間撹拌し、着色成分エマルションを得、このエマルションを酢酸によってpH5.0に調整し、ベッカミンM−3を添加、マグネチックスターラーで4時間加熱撹拌後、着色剤マイクロカプセル分散液2を得た。このマイクロカプセルの平均粒子径は3.0μmであった。
(消色剤マイクロカプセル分散液2)
N−(2−フェニルエチル)アセトアミド(消色剤、融点53.0℃) 10.0重量部
タケネートD−100N(前述) 6.0重量部
PVA205の5%水溶液(前述) 34.0重量部
上記成分のうちN−(2−フェニルエチル)アセトアミドをマグネチックスターラーにて60℃で融解後、タケネートD110−N添加し撹拌混合する。これにPVA205の5%水溶液を添加し、ホモジナイザーにて9500rpmで10分乳化後、マグネチックスターラーにて60℃、4時間撹拌し、平均粒子径5.0μmの消色剤マイクロカプセル分散液2を得た。
(実施例4)
着色剤マイクロカプセル分散液2 29.0重量部
消色剤マイクロカプセル分散液2 43.0重量部
ジョンクリル61J(前述) 10.0重量部
エチレングリコール 5.0重量部
グリセリン 5.0重量部
ケルザンAR(前述)の6%水溶液 8.0重量部
上記各成分をスリーワンモーターで撹拌しインキ組成物を得た。
実施例5
実施例4において、着色剤マイクロカプセル分散液2における4−ヘキシルレソルシノールを4−ベンジルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物、融点75〜80℃)に、消色剤マイクロカプセル分散液2のN−(2−フェニルエチル)アセトアミドを、リドカイン(融点69℃)に置き換えた以外は実施例4と同様になし、インキ組成物を得た。
実施例6の調整
(着色剤マイクロカプセル分散液4)
CVL−K(前述) 3.0重量部
4−ブチルレソルシノール(前述) 7.0重量部
タケネートD−100N(前述) 6.0重量部
PVA205(前述)の7%水溶液 34.0重量部
上記各成分のうちCVL−Kと4−ブチルレソルシノールとをマグネチックスターラーにて60℃で融解後、タケネートD110−N添加し撹拌混合する。PVA205の7%水溶液を添加し、ホモジナイザーにて9500rpmで10分乳化した後、マグネチックスターラーにて60℃、4時間撹拌し、平均粒子径3.0μmの消色剤マイクロカプセル分散液6を得た。
(消色剤4)
リン酸トリフェニルをジェットミルで粉砕し、平均粒径3.0μmの消色剤を得た。
(実施例6)
着色剤マイクロカプセル分散液4 40.0重量部
消色剤4 16.0重量部
ジョンクリル61J(前述) 10.0重量部
水 16.0重量部
エチレングリコール 5.0重量部
グリセリン 5.0重量部
ケルザンAR(前述)の6%水溶液 8.0重量部
着色剤マイクロカプセル分散液4及びケルザンARの6%水溶液を除く、各成分をボールミルで分散後、着色剤マイクロカプセル分散液4及びケルザンARの6%水溶液を加え、スリーワンモーターで撹拌しインキ組成物を得た。
実施例7の調整
(着色剤マイクロカプセル分散液5)
CVL−K(前述) 3.5重量部
2,5−ジメチルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)
10.5重量部
ミリオネートMR−100(ポリイソシアネート、日本ポリウレタン工業(株)製)
3.5重量部
ハイゾールSAS−296(高沸点芳香族炭化水素化合物、JX日鉱日石エネルギー(株
)製) 7.5重量部
PVA205(前述)の7%水溶液 60.0重量部
10%ジエチレントリアミン水溶液 15.0重量部
上記各成分のうちCVL−Kと2,5−ジメチルレソルシノールとをマグネチックスターラーにて60℃で融解後、ミリオネートMR−100を添加し撹拌混合する。PVA205の7%水溶液を添加し、ホモジナイザーにて9500rpmで10分乳化した後、マグネチックスターラーにて60℃、4時間撹拌し、平均粒子径3.0μmの消色剤マイクロカプセル分散液5を得た。
(消色剤マイクロカプセル分散液5)
セバシン酸ジブチル(消色剤、融点−10℃) 22.0重量部
ISOBAM−18(前述)の40%アルカリ中和物の5%水溶液 35.0重量部
ベッカミンM−3(メラミン樹脂プレポリマー、DIC(株)製) 22.0重量部
セバシン酸ジブチルとISOBAM−18とをホモジナイザーにて13500rpmで10分間撹拌し、着色成分エマルションを得、このエマルションを酢酸によってpH5.0に調整し、ベッカミンM−3を添加、マグネチックスターラーで4時間加熱撹拌後、消色剤マイクロカプセル分散液5を得た。このマイクロカプセルの平均粒子径は3.0μmであった。
(実施例7)
着色剤マイクロカプセル分散液5 40.0重量部
消色剤マイクロカプセル分散液5 16.0重量部
ジョンクリル61J(前述) 10.0重量部
水 16.0重量部
エチレングリコール 5.0重量部
グリセリン 5.0重量部
ケルザンAR(前述)の6%水溶液 8.0重量部
着色剤マイクロカプセル分散液5及びケルザンARの6%水溶液を除く各成分をボールミルで分散後、着色剤マイクロカプセル分散液5及びケルザンARの6%水溶液を加え、スリーワンモーターで撹拌しインキ組成物を得た。
実施例8
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4−シクロヘキシルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例9
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、2−メチル(5−フェニル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例10
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、2−メチル(5−シクロヘキシル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例11
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、2−メチル(5−ベンジル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例12
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、2、5−ジフェニルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例13
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、2−フェニル(5−ベンジル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例14
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、2−フェニル(5−シクロヘキシル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例15
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、2−フェニル(5−ベンジル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例16
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、2、5−ジシクロヘキシルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例17
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、2−シクロヘキシル(5−ベンジル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、2,5−ジベンジルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例19
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4,5,6−トリメチルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例20
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4,5−ジリメチル(6−フェニル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外を加えた他は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例21
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4,5−ジメチル(6−シクロヘキシル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例22
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4,5−ジメチル(6−ベンジル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例23
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4,5−ジメチル(6−ベンジル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例24
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4−メチル−(5,6−ジフェニル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例25
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4−メチル−(5−フェニル)−6−ベンジルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例26
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4,5,6−トリフェニルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例27
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4,5−ジフェニル−(6−シクロヘキシル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例28
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4,5−ジフェニル−(6−ベンジル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例29
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4−フェニル−(5,6−ジベンジル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例30
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4−フェニル−(5−シクロヘキシル)−6−ベンジルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例31
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4−フェニル−(5,6−ベンジル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例32
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4,5−ジシクロヘキシル−(6−ベンジル)レソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例33
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4,5,6−トリシクロヘキシルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
実施例34
実施例7の着色剤マイクロカプセル分散液5における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4,5,6−トリトリベンジルレソルシノール(上記一般式(化1)で示される化合物)に置き換えた以外は実施例5と同様に成しインキ組成物を得た。
比較例1
着色剤マイクロカプセル分散液2 29.0重量部
尿素 15.0重量部
ジョンクリル61J(前述) 10.0重量部
水 27.7重量部
エチレングリコール 5.0重量部
グリセリン 5.0重量部
ケルザンAR(前述) 8.3重量部
着色剤マイクロカプセル分散液2及びケルザンARの6%水溶液を除く各成分をスリーワンモーターで溶解後、着色剤マイクロカプセル分散液2及びケルザンのAR6%水溶液を加え、スリーワンモーターで撹拌しインキ組成物を得た。
比較例2
実施例2の着色剤粒子における4−ブチルレソルシノールを除き、4−tert−ブチルフェノール(一般式(化1)において、ひとつの水酸基が水素に置き替わった場合の化合物)に置き換えた以外は実施例2と同様に成しインキ組成物を得た。
比較例3
実施例3の着色剤粒子における2,5−ジメチルレソルシノールを除き、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル(一般式(化1)において、ひとつの水酸基が水素に置き替わった場合の化合物)に置き換えた以外は実施例3と同様に成しインキ組成物を得た。
比較例4
実施例4の着色剤マイクロカプセル分散液2における4−ヘキシルレソルシノールを3−tert−ブチルフェノール(一般式(化1)において、ひとつの水酸基が水素に置き替わった場合の化合物)に置き換えた以外は実施例4と同様に成し、インキ組成物を得た。
比較例5
実施例1の着色剤マイクロカプセル分散液1における4−ヘキシルレソルシノールを除き、レソルシノール(一般式(化1)において、R1、R2、R3それぞれの全てが水素である場合の化合物)に置き換え、マグネチックスターラーでの撹拌温度を120℃にした以外は実施例1と同様に成し、インキ組成物を得た。
比較例6
実施例4の着色剤マイクロカプセル分散液2における4−ヘキシルレソルシノールを除き、4−tert−ブチルカテコール(オルト位に二個の水酸基を有するベンゼンジオール系化合物)に置き換えた以外は実施例4と同様に成し、インキ組成物を得た。
これら実施例、比較例について、下記の試験を行った。各試験の結果を表1に示す。
濃度
実施例、比較例で得られたインキ組成物を、No2バーコーターにて上質紙に塗布し、室温で1時間乾燥後、カラーコンピューターで塗布面のY値を測定した。
尚、上質紙のY値は83.4%だった。
室温2日後濃度
実施例、比較例で得られたインキ組成物をNo2バーコーターにて上質紙に塗布後、室温で2日放置した塗膜のY値をカラーコンピューターで測定した。
消去性試験
実施例、比較例で得られたインキ組成物をNo2バーコーターにて上質紙に塗布し、室温で1時間乾燥後、消去具にて2kg、角度90℃で10往復させ、消去部のY値を測定した。
尚、消去具は、UBSポリエチレンJ1019(宇部丸善ポリエチレン(株)製)で半径4mmの半球を作成し、高さ100mmの真鍮製の円柱の底面に固定したものを使用した。
塗布直後の消去性試験
実施例、比較例で得られたインキ組成物をNo2バーコーターにて上質紙に塗布し、直ちに消去具にて2kg、角度90℃で10往復させ、消去部のY値を測定した。
尚、消去具は、UBSポリエチレンJ1019(宇部丸善ポリエチレン(株)製)で半径4mmの半球を作成し、高さ100mmの真鍮製の円柱の底面に固定したものを使用した。
再筆記性試験
実施例、比較例で得られたインキ組成物をNo2バーコーターにて上質紙に塗布し、室温で1時間乾燥後、消去具にて2kg、角度90℃で10往復させた消去部に、実施例、比較例で得られたインキ組成物をハイブリッドテクニカKN127−A(ボール系溶剤0.7mm)の外装に充填したボールペンで筆記角度70°、筆記速度7cm/秒、筆記荷重100gにて筆記し、筆記距離10cm中の筆跡がかすれた部分の長さを測定した。
Figure 2015091941
実施例1〜34及び比較例1のインキ組成物は、一般式(化1)で示される化合物を使用しているため着色成分粒子、または着色成分マイクロカプセルの濃度が高くなり、塗膜のY値も小さくなる。
それに対し比較例2〜6のインキ組成物は、一般式(化1)で示される化合物を使用していないので、塗膜のY値が大きく着色濃度が劣る。特に比較例2は着色成分と消色剤を隔離するためにマイクロカプセルではなく、着色成分の約三倍の安息香酸フェニルを使用しているので着色成分が希釈されるとともに、安息香酸フェニルは白色を呈する成分としても作用するので濃度が低くなる。
実施例2〜34及び比較例1、2及び4〜6のインキ組成物は、塗膜中で直接着色成分と消色剤が接触することがないので室温で2日放置しても消色することはないが、実施例1及び比較例3のインキ組成物は、着色成分と消色剤を隔離するものがないので、接触し消色してしまう。
また比較例5に使用しているレソルシノールは昇華性物質であり、着色成分から徐々に抜けていくので室温2日後の濃度が低下する。実施例3〜34、比較例1及び4〜6は擦過によりマイクロカプセルが破壊され、着色成分と水に不溶または難溶の消色剤が直ちに反応し消色できる。しかし、比較例1のインキは消色剤が水溶性のため、塗布直後塗膜が乾いていない場合では消去性が他に比べ劣る。
実施例1〜34、比較例1は顕色剤に一般式(化1)を使用しているので、消去後のロイコ染料、一般式(化1)の物質、消色剤の混合物が紙の中に浸透しているため、消去部に再筆記しても線飛びが殆どない。
実施例1、2及び4〜6は顕色剤の融点が80℃以下であり、消去具での擦過熱で融解する。そのため融点163℃の実施例3と比べ、消色剤と速く反応するので、消去性が良い。また、実施例3の着色成分に溶剤を併用し、消去性を改善したのが実施例7であるが、実施例1、2及び4〜6は擦過熱で融解するため溶剤を併用する必要がないので高い濃度が得られる。実施例1は着色剤粒子と消色剤を隔離するものがないため、室温2日後の濃度が他の実施例と比べ劣る。

Claims (2)

  1. ロイコ染料と下記一般式(化1)で示される化合物である顕色剤とを少なくとも含む着色剤成分と、水不溶性または難溶性の消色剤とを含有する消色、変色インキ組成物。
    Figure 2015091941
  2. 前記着色剤成分または消色剤のいずれか一方をマイクロカプセルに内包するか、または、両方をそれぞれ別のマイクロカプセルに内包し、着色剤成分と消色剤を離隔する請求項1に記載の消色、変色インキ組成物。
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WO2022071113A1 (ja) * 2020-09-30 2022-04-07 三菱鉛筆株式会社 マイクロカプセル顔料及び筆記具用インク組成物

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