JP2013213080A - インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【目的】濃い筆跡を形成することができる消去性インキ組成物を提供する。
【構成】 本発明は、ロイコ染料と、顕色剤と、液媒体と、内包物質としてポリエチレングリコール型界面活性剤とエステル化合物、ケトン化合物、アミド化合物のいずれかを1種もしくは2種以上を内包するマイクロカプセルとを含有するインキ組成物を要旨とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ロイコ染料の顕色性能及び消色性能を応用し、擦過等により消色又は変色するインキ組成物に関する。
従来、ロイコ染料の顕色性能及び消色性能を応用した感熱消色性インキ組成物が知られている。
これは電子供与体であるロイコ染料と電子受容体である顕色剤と消色剤とを含み、これらの相互作用によって発色、消色することを利用したものである。ロイコ染料に顕色剤が作用することにより発色する。
特許文献1には、消色剤として擦過等の熱で融解してロイコ染料や顕色剤を溶解するものをロイコ染料と顕色剤と共にカプセル内に内包し使用することで、熱による消色剤の融解により、ロイコ染料や顕色剤が溶解し、消色剤が顕色剤に作用することでロイコ染料の発色効果がなくなり、消色状態となる消去性インキ及びそれを用いたボールペンが開示されている。これは、消色後に温度が低下すると、消色剤が凝固してロイコ染料が再発色状態となり、筆跡が再発色するものである。
また、特許文献2に記載の発明は、消色時の溶解状態の消色剤と顕色剤との溶液の凝固点を下げて融解状態の幅(熱的ヒステリシス)を調整し、消色した筆跡が再発色する温度を−5℃以下の温度とし、それ以上の温度環境では再発色しないようにしたものである。
特開平9−124993号公報 特開平17−298746号公報
特許文献1、2に記載の発明では、ロイコ染料と顕色剤と消色剤とを特定の物質の組み合わせで且つ、特定の配合比率で使用することにより、ロイコ染料と顕色剤を消色剤の融点以上の温度で溶解させることにより溶解媒体がもつ熱的ヒステリス幅によって、発色と消色状態をコントロールしている。このときロイコ染料は、顕色剤と消色剤及び添加剤とともにマイクロカプセル顔料として内包されているため、マイクロカプセル顔料中における発色成分の比率が低く、またマイクロカプセル顔料作成時に消色剤を溶剤として使用し混練するため、ロイコ染料とが消色剤に包囲され顕色剤との相互作用も弱まり、マイクロカプセル顔料の色が薄いという問題があった。
本発明は、ロイコ染料と、顕色剤と、液媒体と、消色剤と界面活性剤とを内包するマイクロカプセルを少なくとも含有するインキ組成物において、前記消色剤がエステル化合物、ケトン化合物、アミド化合物から選ばれる1種もしくは2種以上の混合物であり、前記界面活性剤がポリエチレングリコール型界面活性剤であるインキ組成物を要旨とする。
ロイコ染料は、活性プロトンを有する顕色剤との相互作用によりラクトン環等が開環し、共鳴構造をとることによって発色状態となる。
本発明は、不対電子により電子密度が高くなっている極性基をもつエステル化合物、ケトン化合物、アミド化合物をマイクロカプセルに内包するので、文字などの筆跡に消しゴムや筆記具本体の樹脂やゴム状弾性体部分による擦過作業によりマイクロカプセルにその強度以上の力が加わるとマイクロカプセルが破壊され、内包された消色液剤がしみ出し、ロイコ染料及び顕色剤を溶解させ、極性基が顕色剤の活性プロトンを引きつけ、発色状態にあるロイコ染料との相互作用を阻害するため発色状態を維持できず筆跡が消去される。このように、ロイコ染料と顕色剤との相互作用を解消する物質であるエステル化合物、ケトン化合物、アミド化合物から選ばれる1種もしくは2種以上の混合物をカプセル内に内包し、ロイコ染料と顕色剤とが存在する部分と分けることによって、ロイコ染料及び顕色剤からなる色材成分を高濃度とすることができ、濃い筆跡を形成することができるものである。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
ロイコ染料としては、無色または淡色の色素であり、電子供与性染料で発色剤としての機能するものであれば特に限定されものではない。ジフェニルメタンフタリド系色素、フルオラン系色素、インドリルフタリド系色素、スピロピラン系色素、ローダミンラクタム系色素、アザフタリド系色素等がある。以下に具体的なものを例示するが、これらに限定されるものではない。
例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、2’−アニリロ−6’−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−(9H)キサンテン]−3−オン、2’−メチル−6’−(N−p−トリル−Nエチルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン、2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−1H−インドール−3−イル)−4−アザフタリド、9−(ジエチルアミノ)スピロ[12H−ベンゾ(a)キサンテン−12,1’(3’H)−イソベンゾフラン]−3’−オン、2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、5−アミノ−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン、6’−ジエチルアミノ−1’,2’−ベンゾフルオラン、6−アミノ−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン、3’,6’−ビス(ジエチルアミノ)−2−(4−ニトロフェニル)スピロ[イソインドール−1,9’−キサンテン]−3−オン、2’−アニリノ−6’−ジブチルアミノ−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−(9H)キサンテン]−3−オン、2’−(フェニルアミノ)−3−メチル−6−[エチル(p−トリル)アミン]スピロ[9H−キサンテン]−9オン、1’−(3’H−イソベンゾフラン)−3−オン、6−ジエチルアミノ−2−[3−(トリフルオロメチル)アニリノ]スピロ[9H−キサンテン−9,3’(1’H)−イソベンゾフラン]−1’−オン、3,3−ビス[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル]4,5,6,7−テトラクロロイソベンゾフラン−1(3H)−オン、2’−(N−フェニル−N−メチルアミン)−6’,6(N−p−トリル−N−エチルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H)]−3−オン、6−ニトロ−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン、3−メトキシ−4−ドデコキシスチリノキノリンなどが挙げられ、これらは、単独(1種)で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらのロイコ染料は、活性プロトンを有する化合物により、ラクトン環等が開環し共鳴構造をとることで発色を発現するものである。
インキ組成物全量に対するロイコ染料の添加量は1〜30重量%が好ましい。1重量%未満では筆跡濃度が薄く、30重量%以上ではインキ組成物の粘度が上がり吐出性が低下するからである。
顕色剤は、前述のロイコ染料を発色させるものである。
用いる事ができる顕色剤としては、活性プロトンを有するフェノール性水酸基を有する化合物やその金属塩を挙げることができる。
例えば、tert−ブチルカテコール、n−ステアリルフェノール、o−フェニルフェノール、ヘキサフルオロビスフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナン等を挙げることができ、その他に、芳香族カルボン酸及び脂肪族カルボン酸、カルボン酸類の金属塩、リン酸エステル及びその金属塩、スルホン酸エステル及びその金属塩、トリアゾール化合物、チオ尿素及びその誘導体、ハロヒドリン類、ベンゾチアゾール類、ノボラック型フェノール樹脂等のような化合物であってもよい。これらは、単独(1種)で又は2種以上を混合して用いることができる。
顕色剤の使用量は、種類により異なるが、概ねロイコ染料1に対し0.5〜5が好ましい。
また、ロイコ染料および顕色剤が使用する液媒体に溶解しない場合には、予めアセトンやメチルエチルケトンなどにロイコ染料と顕色剤を溶解させた後、乾燥、粉砕し顔料化したものを使用する。その平均粒子径は、ボールペンのペン先からの吐出性を考慮すると、10μm以下が好ましい。好ましい添加量は2〜30重量%である。
マイクロカプセルに内包され、消色剤として作用するエステル化合物、ケトン化合物、アミド化合物は、ロイコ染料及び顕色剤を溶解させ、発色状態にあるロイコ染料と顕色剤の相互作用を阻害するものである。
この極性化合物は、カルボニル基を少なくとも1つ以上有するエステル化合物、アミド化合物、ケトン等の物質であることが必要である。また、カプセル化を考慮すると水に対して不溶または難溶であることが好ましい。
水に対する溶解度は、おおよそ1g/100ml(20℃)以下であることが好ましい。
エステル化合物として、アジピン酸ジエチル(0.01g/100ml以下)、アジピン酸ジオクチル(0.01g/100ml以下)、アセチルクエン酸トリエチル(0.72g/100ml)、アセチルクエン酸トリブチル(0.002g/100ml)、アビエチン酸メチル(0.01g/100ml以下)、安息香酸エチル(0.1g/100ml以下)、安息香酸ベンジル(0.01g/100ml以下)、イソ吉酸エチル(0.17g/100ml以下)、ケイ皮酸エチル(0.01g/100ml以下)、酢酸ベンジル(0.01g/100ml以下)、シュウ酸ジブチル(0.01g/100ml以下)、酒石酸ジエチル(0.01g/100ml以下)、ステアリン酸アミル(0.01g/100ml以下)、ステアリン酸エチル(0.01g/100ml以下)、ステアリン酸ブチル(0.01g/100ml以下)、セバシン酸ジオクチル(0.008g/100ml)、フタル酸ジエチル(0.15g/100ml以下)、フタル酸ジオクチル(0.01g/100ml以下)、フタル酸ジブチル(0.013g/100ml)、フタル酸ジイソノニル(0.002g/100ml)、フタル酸ジメチル(0.24g/100ml)、プロピオン酸イソアミル(0.1g/100ml以下)、プロピオン酸ブチル(0.1g/100ml以下)、プロピオン酸メチル(0.1g/100ml以下)、マレイン酸ジブチル(0.01g/100ml以下)、ギ酸ベンジル(0.1g/100ml以下)、酢酸アミル(0.17g/100ml)、酢酸イソアミル(0.2g/100ml)、酢酸イソブチル(0.63g/100ml)、酢酸2−エチルヘキシル(0.3g/100ml)、酢酸シクロヘキシル(0.01g/100ml以下)、酢酸s−ブチル(0.62g/100ml)、酢酸メチルシクロヘキシル(0.3g/100ml)、酪酸エチル(0.5g/100ml)、酢酸イソアミル(0.01g/100ml以下)、フタル酸ジフェニル(0.01g/100ml以下)、フタル酸ジシクロヘキシル(0.01g/100ml以下)、2−ベンゾイル安息香酸メチル(0.08g/100ml)、安息香酸フェニル(0.01g/100ml以下)、炭酸ジフェニル(0.0058g/100ml)、ジフェニル酢酸メチル(0.001g/100ml)、クエン酸トリメチル(0.01g/100ml以下)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸メチル(0.01g/100ml以下)、リン酸トリフェニル(0.01g/100ml)、4−メトキシフェニル酢酸無水物(0.01g/100ml以下)等が挙げられる。
ケトン基を有する化合物として、アセトフェノン(0.01g/100ml以下)、ジイソブチルケトン(0.01g/100ml以下)、ジイソプロピルケトン(0.43g/100ml)、ジ−n−プロピルケトン(0.53g/100ml)、メチル−n−アミルケトン(0.1g/100ml以下)、メチルイソブチルケトン(0.1g/100ml以下)、メチルシクロヘキサノン(0.1g/100ml以下)、メチル−n−ヘキシルケトン(0.01g/100ml以下)、メチル−n−ヘプチルケトン(0.01g/100ml以下)、テトラデカノフェノン(0.01g/100ml以下)、1−アセトキシ−2−メトキシ−4−(1−プロベニル)ベンゼン(0.01g/100ml以下)、3,5−ジアセトキシアセトフェノン(0.01g/100ml以下)、4−メトキシベンゾフェノン(0.01g/100ml以下)、ベンゾフェノン(0.01g/100ml以下)、ジシクロヘキシルフェニルケトン(0.01g/100ml以下)、1,3ジフェニル−1,3−プロパンジオン(0.01g/100ml以下)、4−アセトキシアセトフェノン(0.01g/100ml以下)、アセトナフトン(0.01g/100ml以下)、2,2−ジメトキシ−2フェニルアセトフェノン(0.01g/100ml以下)、4,4−ビシクロヘキサノン(0.01g/100ml以下)、1,2−トリコサノン(0.01g/100ml以下)等が挙げられる。
アミド基を有する化合物として、ジフェニルウレタン(0.1g/100ml以下)、アセトアニリド(0.56g/100ml)、リドカイン(0.41g/100ml)、ミリスチン酸アニリド(0.1g/100ml以下)、N−ベンジル−β−アラニンエチル(0.1g/100ml以下)、N−アセチル−o−フェネチジン(0.53g/100ml)、N−カルボエトキシフタルイミド(0.1g/100ml以下)等が挙げられる。
その他に、アクリル樹脂、ケトン樹脂、アルキッド樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。これらは1種または2種以上混合して使用可能である。
マイクロカプセルに内包され芯物質の保持に作用するポリエチレングリコール型界面活性剤としては、市販品の中から適宜選択することができる。例えば、アニオン性界面活性剤として、長鎖アルコール硫酸エステル等の硫酸エステル型、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル型等、カチオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の脂肪族アミン型等、ノニオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルチオエーテル等、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド等のアルカノールアミド型等が挙げられる。これらは、単独(1種)で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記界面活性剤の中でも、親水基の付加モル数が10以上のポリエチレングリコール型界面活性剤が好ましい。付加モル数の高いオキシエチレン鎖は、水分子を取り込み芯物質の周りに適度な水分を保持したままカプセルになると推測される。芯物質と樹脂膜の間に揮発性の低い水を含有させることにより、有効成分である消色剤の漏洩を防ぐ。このため、長時間放置後でも筆跡に消色剤の漏洩による消色がなく、加圧・擦過等により筆跡を消去することができる。
マイクロカプセル皮膜に使用する樹脂は、例えば、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂,ナイロン等が挙げられる。
擦過等の圧力による筆跡消去性が良好であることからマイクロカプセルの粒径は、0.1μm以上が好ましい。0.1μm以下では消しゴムや筆記具本体の樹脂やゴム状弾性体部分で擦過しても壊れにくく、またマイクロカプセルが紙の繊維間に入り込み、擦過等の圧力が十分に伝わらず、マイクロカプセルが壊れにくくなるためである。
また、マイクロカプセルの粒径が20μm以上では、筆記時のペン先の荷重(約50〜200g)で一部マイクロカプセルが壊れ、筆跡が薄くなったり、ペン先等に詰まり吐出量が減り筆跡濃度が薄くなったりする。筆記具の構造を考慮するとマイクロカプセルの粒径は20μm以下が好ましい。その膜厚は粒径の1/4〜1/20が好ましい。マイクロカプセルの皮膜に使用する皮膜材料は、熱硬化性樹脂または、熱可塑性樹脂どちらも選択することが出来る。カプセル皮膜が熱可塑性樹脂の場合、加圧によって破壊され、熱可塑性樹脂の場合、ガラス転移転以上の加熱により、カプセル皮膜の透過性が向上、または破壊される。
このマイクロカプセルをボールペンに使用した場合、ボールペン内でのインキ組成物の通路や紙の繊維に上は数ミクロンの凹凸がある曲路となっており、筆圧などの力がかかってもマイクロカプセルはこれを除けて移動できる。また、マイクロカプセル自身にもある程度の弾力性がり、溶剤の潤滑効果によって余分な圧力や摩擦がかかりにくくなっている。このためマイクロカプセルには大きな力が掛かり難く、筆記時にはつぶれることは少ない。消去時には、消しゴムや筆記具本体の樹脂やゴム状弾性体部分でインキ組成物の液体分が紙中に浸透した筆跡上を数往復擦過するので、マイクロカプセル同士が何度もつぶされながらぶつかりあい壊れ、内包する消色剤がしみ出すのではないかと推察される。
本発明に用いる液媒体は水の他に、顕色剤により発色したロイコ染料との相互作用を阻害しにくい炭化水素系溶剤や芳香族アルコールを使用する。
炭化水素系溶剤の具体例として、ノルマルヘキサン、ノルマルペンタン、イソヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、エチルシクロヘキサン、芳香族アルコールの具体例として、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェニルグリコール、3−フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−2−ブタノールを挙げられ、単独(1種)で又は2種以上を混合して用いることができる。
その使用量は50〜90重量%が好ましい。
また、筆記具用インキ組成物とするため、マイクロカプセルの沈降防止やペン先からのインキ漏れ防止や適切な吐出量等のため剪断減粘性付与剤、色素化合物や、樹脂の分散剤や定着剤、ボール受座の摩耗防止のための潤滑剤、防腐・防黴剤、防錆剤、消泡剤、染料、顔料などを適宜含有することができる。染料や顔料などの着色成分が添加された場合には、顕色時に混色された状態から消色インキ成分が消色して筆跡は変色した状態となる。
剪断減粘性付与剤としては、溶剤が芳香族アルコールの場合には、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラールなどが使用できる。
溶剤が炭化水素系溶剤の場合には、脂肪酸アマイド、酸化ポリオレフィン、水添ひまし油、乾式シリカ、ベントナイトなどが使用できる。
溶剤が水の場合には水溶性高分子化合物を用いることができる。例えば、アラビアガム、トラガカントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キサンテンガム、デキストラン、ウェランガム、ラムザンガム、アルカシーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸ナリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒドロキシプロピル化グァーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体又はそれらの塩を1種または2種以上を併用して使用できる。
溶剤に水を使用した場合には防腐・防黴剤としては、クロロアセトアミド、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、チアベンダゾール、フェノキシエタノール、フッ化ナトリウム、4−(2−ニトロブチル)モルホリン、1,3−ジモルホリノ−2−エチル−2−ニトリプロパン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールなどである。
表面張力調整や消泡剤としては、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を挙げることができる。
マイクロカプセルは芯物質(マイクロカプセルに内包する液体)をホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、マグネチックスターラーなどで乳化させ、その後マグネチックスターラーやスリーワンモーターを使用し皮膜を形成して得られる。
インキ化する時は、溶剤に芳香族アルコールを使用し、ロイコ染料、顕色剤を溶剤して使用する場合は、マグネチックスターラーやスリーワンモーターなどでロイコ染料と顕色剤を溶解させた後、マイクロカプセルを添加し、ロールミル、ボールミル、サンドグラインダー、アトライター、ホモジナイザーなどで分散し得られる。
また、溶剤に炭化水素系溶剤や水を使用し、ロイコ染料と顕色剤を微粒子化して使用する場合には、ロイコ染料と顕色剤の微粒子、マイクロカプセルをロールミル、ボールミル、サンドグラインダー、アトライターなどで分散し得られる。その粒径は概ね0.1〜10μmが好ましい。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
マイクロカプセルを作成する方法として、in situ法や界面重合法などが知られている。in situ法は水(水層)に芯物質を含む有機溶剤(油層)を加え乳化後、カプセル膜剤を加え油滴上で皮膜を重合させる方法である。界面重合法はカプセル膜剤(反応剤A)を溶解させた疎水性有機溶剤(芯物質)を水層に乳化させた後、反応剤Bを添加し油滴界面で皮膜を生成させる方法である。
マイクロカプセル1(in situ法)
(水層1−1)
NIKKOL MYS−55V(モノステアリン酸ポリエチレングリコール、日光ケミカルズ(株)製) 0.4重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層1−1を得た。
(水層1−2)
Sumirez Resin 402K(スチレンマレイン酸樹脂の35%水溶液、田岡化学(株)製) 6.5重量部
水 15.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層1−2を得た。
(油層(芯物質)1)
酢酸2−エチルヘキシル 20.0重量部
NIKKOL BS−2(ポリオキシエチレンセチルエーテル、日光ケミカルズ(株)製)
1.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し油層物質1を得た。
(カプセル膜剤1)
ベッカミン J300S(尿素樹脂プレポリマー、DIC(株)製) 20.0重量部
レソルシノール 1.8重量部
水 16.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで混合し、カプセル膜剤1を得た。
(マイクロカプセル化)
上記水層1−1と油層(芯物質)1をホモジナイザーStar Burst Miniにて圧力80MPaで、1パスする。これを水層1−2に添加し、ホモジナイザーにて13500rpmで10分間撹拌する。その後、pHを4.8に調整し、カプセル膜剤1を添加し、マグネチックスターラーで3時間撹拌して平均粒径1.0μmのマイクロカプセル分散液を得た。これを自然乾燥し、皮膜材質が尿素樹脂であるマイクロカプセル1を得た。
マイクロカプセル2(in situ法)
(水層2−1)
NIKKOL MYS−55(ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、日光ケミカルズ(株)製) 0.4重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層2−1を得た。
(水層2−2)
アラスター703S(スチレンマレイン酸樹脂の30±1%水溶液、荒川化学(株)製)
7.0重量部
水 15.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層1−2を得た。
(油層(芯物質)2)
酢酸アミル 20.0重量部
NIKKOL BL−2(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、日光ケミカルズ(株))
1.1重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し油層物質2を得た。
(カプセル膜剤2)
ベッカミン J300S(尿素樹脂プレポリマー、DIC(株)製) 20.0重量部
レソルシノール 1.8重量部
水 16.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解しカプセル膜剤2を得た。
(マイクロカプセル化)
上記水層2−1と油層(芯物質)2をホモジナイザーStar Burst Miniにて圧力80MPaで、1パスする。これを水層2−2に添加し、ホモジナイザーにて13500rpmで10分間撹拌する。その後、pHを4.6に調整し、カプセル膜剤2を添加し、マグネチックスターラーで3時間撹拌して平均粒径1.0μmのマイクロカプセル分散液を得た。これを自然乾燥し、皮膜材質が尿素樹脂であるマイクロカプセル2を得た。
マイクロカプセル3(in situ法)
(水層3−1)
NIKKOL BB−30(ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、日光ケミカルズ(株)
製) 0.5重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層3−1を得た。
(水層3−2)
Sumirez Resin 402K(スチレンマレイン酸樹脂の35%水溶液、田岡化学(株)製) 6.5重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層3−2を得た。
(油層(芯物質)3)
酢酸2−エチルヘキシル 15.0重量部
リン酸トリフェニル 5.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し油層物質3を得た。
(カプセル膜剤3)
ベッカミン J300S(尿素樹脂プレポリマー、DIC(株)製) 20.0重量部
レソルシノール 1.8重量部
水 16.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで混合し、カプセル膜剤3を得た。
(マイクロカプセル化)
上記水層3−1と油層(芯物質)3をホモジナイザーStar Burst Miniにて圧力80MPaで、1パスする。これを水層3−2に添加し、ホモジナイザーにて13500rpmで10分間撹拌する。その後、pHを4.8に調整し、カプセル膜剤3を添加し、マグネチックスターラーで3時間撹拌して平均粒径1.5μmのマイクロカプセル分散液を得た。これを自然乾燥し、皮膜材質が尿素樹脂であるマイクロカプセル3を得た。
マイクロカプセル4(in situ法)
(水層4−1)
NIKKOL BC−30(ポリオキシエチレンセチルエーテル、日光ケミカルズ(株)
製) 0.4重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層4−1を得た。
(水層4−2)
Sumirez Resin 402K(スチレンマレイン酸樹脂の35%水溶液、田岡化学(株)製) 6.5重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層6−2を得た。
(油層(芯物質)4)
酢酸2−エチルヘキシル 20.0重量部(カプセル膜剤4)
ベッカミン M−3(メラミン樹脂プレポリマー、DIC(株)製) 20.0重量部
水 15.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで混合し、カプセル膜剤4を得た。
(マイクロカプセル化)
上記水層4−1と油層(芯物質)4をホモジナイザーStar Burst Miniにて圧力80MPaで、1パスする。これを水層4−2に添加し、ホモジナイザーにて13500rpmで10分間撹拌する。その後、pHを4.5に調整し、カプセル膜剤3を添加し、マグネチックスターラーで3時間撹拌して平均粒径0.8μmのマイクロカプセル分散液を得た。これを自然乾燥し、皮膜材質がメラミン樹脂であるマイクロカプセル4を得た。
マイクロカプセル5(界面重合法)
(水層5−1)
NIKKOL MYS−55(モノステアリン酸ポリエチレングリコール、日光ケミカルズ(株)製) 0.4重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層5−1を得た。
(水層5−2)
Sumirez Resin 402K(スチレンマレイン酸樹脂の35%水溶液、田岡化学(株)製) 6.5重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層5−2を得た。
(油層5)
酢酸オクチル 20.0重量部
NIKKOL BS−2(ポリオキシエチレンステアリルエーテル、日光ケミカルズ(株)
製) 1.0重量部
コロネート HXLV(ポリイソシアネート、日本ポリウレタン工業(株)製)
6.7重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し油層5を得た。
(反応剤5(反応剤B))
ジエチルトリアミン 0.7重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し反応剤5を得た。
上記水層5−1に油層(芯物質)5をマグネチックスターラーで撹拌しながら添加し、その後、水層5−2に添加し、ホモジナイザーにて13500rpmで10分間撹拌させる。そこに反応剤5添加し、マグネチックスターラーで4時間撹拌し、平均粒径6μmマイクロカプセル分散液を得た。これを自然乾燥し、皮膜材質がポリウレタンであるマイクロカプセル5を得た。
マイクロカプセル6(in situ法)
(水層6−1)
NIKKOL BC−7(ポリオキシエチレンセチルエーテル、日光ケミカルズ(株)製)
0.4重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層6−1を得た。
(水層6−2)
Sumirez Resin 402K(スチレンマレイン酸樹脂の35%水溶液、田岡化学(株)製) 6.5重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層6−2を得た。
(油層(芯物質)6)
酢酸2−エチルヘキシル 20.0重量部
NIKKOL BS−2(ポリオキシエチレンセチルエーテル、日光ケミカルズ(株)製)
1.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し油層物質6を得た。
(カプセル膜剤6)
ベッカミン J300S(尿素樹脂プレポリマー、DIC(株)製) 20.0重量部
レソルシノール 1.8重量部
水 16.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで混合し、カプセル膜剤6を得た。
(マイクロカプセル化)
上記水層6−1と油層(芯物質)6をホモジナイザーStar Burst Miniにて圧力80MPaで、1パスする。これを水層6−2に添加し、ホモジナイザーにて13500rpmで10分間撹拌する。その後、pHを4.8に調整し、カプセル膜剤6を添加し、マグネチックスターラーで3時間撹拌して平均粒径1.0μmのマイクロカプセル分散液を得た。これを自然乾燥し、皮膜材質が尿素樹脂であるマイクロカプセル6を得た。
マイクロカプセル7(in situ法)
(水層7−1)
NIKKOL BO−7V(ポリオキシエチレンオレイユエーテル、日光ケミカルズ(株)
製) 0.5重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層6−1を得た。
(水層7−2)
ISOBAM−18(イソブチレンマレイン酸樹脂、クラレ(株)製) 6.5重量部
水 20.0重量部
上記各成分を水酸化ナトリウムにて加熱、溶解し水層7−2を得た。
(油層(芯物質)7)
フタル酸ジイソノニル 20.0重量部
(カプセル膜剤7)
ベッカミン M−3(メラミン樹脂プレポリマー、DIC(株)製) 20.0重量部
水 16.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで混合し、カプセル膜剤7を得た。
(マイクロカプセル化)
上記水層7−1と油層(芯物質)7をホモジナイザーStar Burst Miniにて圧力80MPaで、1パスする。これを水層7−2に添加し、ホモジナイザーにて13500rpmで10分間撹拌する。その後、pHを4.5に調整し、カプセル膜剤7を添加し、マグネチックスターラーで3時間撹拌して平均粒径1.0μmのマイクロカプセル分散液を得た。これを自然乾燥し、皮膜材質がメラミン樹脂であるマイクロカプセル7を得た。
マイクロカプセル8(界面重合法)
(水層8)
ポバール117(ポリビニルアルコール、クラレ(株)製) 0.5重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層物質8−2を得た。
(油層(芯物質、カプセル膜剤(反応剤A)8)
酢酸アミル 20.0重量部
BL−2(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、日光ケミカルズ(株))
1.0重量部
テレフタル酸クロライド 1.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し油層物質8を得た。
(反応剤8(反応剤B))
ジエチルトリアミン 2.0重量部
水酸化ナトリウム 0.1重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し反応剤8を得た。
(マイクロカプセル化)
上記水層8に油層(芯物質、カプセル膜剤(反応剤A))8撹拌しながら添加し、ホモジナイザーにて13500rpmで10分間撹拌させる。そこに反応剤8(反応剤B)添加し、マグネチックスターラーで4時間撹拌し、平均粒径5μmマイクロカプセル分散液を得た。これを自然乾燥し、皮膜材質がポリウレタンであるマイクロカプセル8を得た。
マイクロカプセル9(in situ法)
(水層9−1)
NIKKOL Hexaglyn 1−L(ラウルン酸ポリグリセリル、日光ケミカルズ(株)製) 0.5重量部
水 20.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層9−1を得た。
(水層9−2)
JONCRYL PDX−6102B(スチレンアクリル酸樹脂、BASF社製(独国))
6.5重量部
水 20.0重量部
上記各成分を水酸化ナトリウムにて加熱、溶解し水層9−2を得た。
(油層(芯物質)9)
酢酸2−エチルヘキシル 20.0重量部
(カプセル膜剤9)
ベッカミン J300S(尿素樹脂プレポリマー、DIC(株)製) 20.0重量部
レソルシノール 1.8重量部
水 16.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで混合し、カプセル膜剤9を得た。
(マイクロカプセル化)
上記水層9−1と油層(芯物質)9をホモジナイザーStar Burst Miniにて圧力80MPaで、1パスする。これを水層9−2に添加し、ホモジナイザーにて13500rpmで10分間撹拌する。その後、pHを4.5に調整し、カプセル膜剤7を添加し、マグネチックスターラーで4時間撹拌して平均粒径1.5μmのマイクロカプセル分散液を得た。これを自然乾燥し、皮膜材質が尿素樹脂であるマイクロカプセル9を得た。
(ベースインキ組成物)
S−205(黒色ロイコ染料、2’−アニリノ−6’−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,9’〔9H〕キサンテン〕、山田化学(株)
製) 18.85重量部
タマノルPA(フェノール樹脂、荒川化学工業(株)製) 17.65重量部
ビスフェノールA 6.36重量部
レゾルシン 12.61重量部
ベンジルアルコール 37.65重量部
PVP−K90(ポリビニルピロリドン、ISPジャパン(株)製) 0.05重量部
PVB−4000−1(ポリビニルブチラール) 0.48重量部
NIKKOL MGO(オレイン酸グリセリル、日光ケミカルズ(株)製)
6.36重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで50℃、1時間撹拌ベースインキ組成物を得た。
実施例1
ベースインキ組成物を85重量部とマイクロカプセル1を15重量部とをロールミルで分散し、黒色のインキ組成物を得た。
実施例2
ベースインキ組成物を83重量部とマイクロカプセル2を17重量部とをロールミルで分散し、黒色のインキ組成物を得た。
実施例3
ベースインキ組成物を80重量部とマイクロカプセル3を15重量部とをロールミルで分散し、黒色のインキ組成物を得た。
実施例4
ベースインキ組成物を85重量部とマイクロカプセル4を15重量部とをロールミルで分散し、黒色のインキ組成物を得た。
実施例5
ベースインキ組成物を85重量部とマイクロカプセル5を15重量部とをロールミルで分散し、黒色のインキ組成物を得た。
実施例6
ベースインキ組成物を80重量部とマイクロカプセル3を15重量部とをロールミルで分散し、黒色のインキ組成物を得た。
実施例7
(ロイコ染料、顕色剤顔料1)
S−205(黒色ロイコ染料、2’−アニリノ−6’−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−3´−メチルスピロ〔フタリド−3,9’〔9H〕キサンテン〕、山田化学(株)
製) 15重量部
ビスフェノールA 45重量部
アセトン 40重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間撹拌後、室温3日放置しアセトンを蒸発させる。その後乳鉢で粉砕しロイコ染料、顕色剤顔料1を得た。
(インキ化)
ロイコ染料、顕色剤顔料1 20.00重量部
水 41.50重量部
エチレングリコール 10.00重量部
マイクロカプセル7 20.00重量部
ケルザンAR6%水溶液(キサンタンガム、三晶(株)製) 7.00重量部
デモールEP(界面活性剤、花王(株)製) 1.50重量部
マイクロカプセル7、ケルザンAR6%水溶液を除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理した後、マイクロカプセル5を添加し更に1時間分散処理した。その後ケルザンAR6%水溶液を添加し、マグネチックスターラーで3時間撹拌し黒色のインキ組成物を得た。
比較例1
ベースインキ組成物を85重量部とマイクロカプセル8を15重量部とをロールミルで分散し、黒色のインキ組成物を得た。
比較例2
ベースインキ組成物を85重量部とマイクロカプセル9を15重量部とをロールミルで分散し、黒色のインキ組成物を得た。
比較例3
熱変色性マイクロカプセル顔料10(界面重合法)
(熱変色性化合物10)
2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン(黒色ロイコ染料)
4.5重量部
1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−デカン(顕色剤) 4.5重量部
1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(顕色剤)
7.5重量部
カプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル(消色剤) 50.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで50℃1時間撹拌し、熱変色性化合物10を得た。
(水層10)
水 92.0重量部
ポバール117(ポリビニルアルコール、クラレ(株)製) 8.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し水層物質10を得た。
(油層(芯物質、反応剤A)10)
熱変色性化合物10 70.0重量部
コスモネートT−80(トリレンジイソシアネート、三井化学(株)製)30.0重量部
(反応剤10(反応剤B))
水 85.0重量部
ジエチルトリアミン 15.0重量部
上記各成分をマグネチックスターラーで1時間混合、溶解し多価アミン化合物10を得た。
(マイクロカプセル化)
上記水層10を48.4重量部と油層(芯物質)10を42.0重量部をホモジナイザーにて40℃で1時間乳化させる。そこに反応剤10を9.6重量部添加し、更にホモジナイザーで2時間撹拌しマイクロカプセル分散液を得、これを乾燥させ熱変色性マイクロカプセル10を得た。
(インキ化)
マイクロカプセル10 25.70重量部
サクシノグルカン(剪断減粘性付与剤、三晶(株)製) 0.20重量部
尿素 5.50重量部
グリセリン 7.50重量部
ノプコSW−WET−366(浸透性付与剤、サンノプコ(株)製) 0.03重量部
FSアンチフォーム013B(消泡剤、日本シリコーン(株)製) 0.15重量部
プロキセルXL−2(防腐剤、ゼネカ(株)製) 0.10重量部
プライサーフA212C(潤滑剤、第一工業製薬(株)製) 0.50重量部
トリエタノールアミン 0.50重量部
水 59.82重量部
サクシノグルカンを除く上記各成分をロールミルで分散後、サクシノグルカンを添加しマグネチックスターラーで2時間撹拌する。その後、−20℃に24時間放置し黒色のインキ組成物を得た。
筆跡濃度測定
実施例、比較例で得られたインキ組成物を筆記具(ぺんてる(株)製の水性ゲルボールペンBLN25(ボール径0.5mm)、製品名エナージェル)に充填し、上質紙(JIS P3201筆記用紙A)に5cmの直線を1.5cmの幅内に並列して直線と直線の間が隙間なく筆記し、カラーコンピューターでY値を測定した。
消去試験
実施例、比較例で得られたインキ組成物を上記同様に筆記し、塗布面を消し具にて荷重1kg、角度90°で10往復させる。消去10分後の消去部をカラーコンピューターでYを測定した。尚、消去具はUBEポリエチレンJ1019(宇部丸善ポリエチレン(株)製)で半径4mmの半球を成形し、これを底面半径が4mm、高さ100mmの真鍮製の円柱の底面に固定したものを使用した。室温1ヶ月放置後の塗布面も同様に測定した。
Figure 2013213080
実施例1〜7のインキ組成物は、感熱消去性マイクロカプセルを使用した比較例3と比べ、発色が良好であった。比較例1と2は、感熱消去性マイクロカプセルを使用していないため発色は良好なものの、1ヶ月放置後の筆跡には、消去剤の漏洩により筆跡濃度の低下が観られた。
実施例1〜5では、親水基の付加モル数が10以上であるポリエチレングリコール型界面活性剤を使用しているため、実施例6と7に比べ1ヶ月放置後の発色がよく、消去性も良好であった。

Claims (2)

  1. ロイコ染料と、顕色剤と、液媒体と、消色剤と界面活性剤とを内包するマイクロカプセルを少なくとも含有するインキ組成物において、前記消色剤がエステル化合物、ケトン化合物、アミド化合物から選ばれる1種もしくは2種以上の混合物であり、前記界面活性剤がポリエチレングリコール型界面活性剤であるインキ組成物。
  2. 前記ポリエチレングリコール型界面活性剤の親水基の付加モル数が10以上である請求項1に記載のインキ組成物。
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